JPH11157023A - 積層シート - Google Patents

積層シート

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Publication number
JPH11157023A
JPH11157023A JP32323097A JP32323097A JPH11157023A JP H11157023 A JPH11157023 A JP H11157023A JP 32323097 A JP32323097 A JP 32323097A JP 32323097 A JP32323097 A JP 32323097A JP H11157023 A JPH11157023 A JP H11157023A
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JP
Japan
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resin
weight
laminated sheet
ethylene
resin composition
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP32323097A
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English (en)
Inventor
Takuaki Uno
拓明 宇野
Akitaka Miyake
顕隆 三宅
Kazuyoshi Yamamoto
和芳 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スタンピング成形や真空成形をシワや破れを
生じることなく行うことができる積層シートを提供す
る。 【解決手段】 積層シートは、熱可塑性エラストマーを
主成分とする表面層と、熱可塑性樹脂を主成分とする基
材層が積層されてなる。基材層を構成する樹脂組成物
は、(A) エチレンとα−オレフィンを、四価の遷移金属
を含むメタロセン化合物を重合触媒として共重合してな
るエチレン系共重合体樹脂90〜20重量%と、(B) 上
記樹脂(A) を除くポリオレフィン系樹脂10〜80重量
%とを主成分とする。基材層を構成する樹脂組成物は、
さらに、上記樹脂(A) と上記樹脂(B)の総和100重量
部に対して有機過酸化物(C) 0.1〜5重量部を含んで
もよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動車の
内装やオフィスオートメーション(OA)機器・家電製
品などのハウジングや文具、サニタリー、日用品、建材
内装などの成形品の、人が触る可能性のある部位に被覆
することにより成形品に良好な接触感を付与できる積層
シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、人が触れる部位に良好な接触感を
持たせるための被覆用シートとしては、ポリ塩化ビニル
系樹脂層と合成樹脂の発泡体層等とからなる積層シート
であって、その表面がエンボス加工されたものが用いら
れてきた。
【0003】しかしながら、このようにポリ塩化ビニル
系樹脂層を含むシートは柔軟性に欠け、また、その製造
において積層時に複数の工程を要するという問題があっ
た。上記問題を解決する手段として、例えば、特公平1
−14023号公報には、ポリオレフィン系樹脂と部分
架橋エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムとのブレン
ドからなり、かつその表面がエンボス加工された熱可塑
性エラストマー層、およびポリエチレン系樹脂またはポ
リプロピレン系樹脂からなる発泡体層が積層されてなる
被覆用シートが提案されている。
【0004】また、特開平6−246812号公報に
は、熱可塑性エラストマーを主成分とする表面層と熱可
塑性オレフィンエラストマー層が積層されてなる被覆用
シートが表面の傷付き性改善の目的で提案されている。
【0005】しかしながら、これらのシートは、シート
自体の柔軟性が低く、例えば、スタンピング成形のよう
な複雑な形状で高延伸する成形や、真空成形のように高
温で複雑な形状で高延伸する成形では、シートにシワや
破れが発生するという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点に
鑑みてなされたものであり、スタンピング成形や真空成
形をシワや破れを生じることなく行うことができる積層
シートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による積層シート
は、熱可塑性エラストマーを主成分とする表面層と、熱
可塑性樹脂を主成分とする基材層が積層されてなり、基
材層を構成する樹脂組成物が、(A) エチレンとα−オレ
フィンを、四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を重
合触媒として共重合してなるエチレン系共重合体樹脂9
0〜20重量%と、(B) 上記樹脂(A) を除くポリオレフ
ィン系樹脂10〜80重量%とを主成分とすることを特
徴とする積層シートである。
【0008】この積層シートは、スタンピング成形のよ
うな複雑な形状で高延伸する成形に適している。
【0009】基材層用樹脂組成物は、また(A) エチレン
とα−オレフィンを、四価の遷移金属を含むメタロセン
化合物を重合触媒として共重合してなるエチレン系共重
合体樹脂90〜20重量%と、(B) 上記樹脂(A) を除く
ポリオレフィン系樹脂10〜80重量%と、(C) 上記
樹脂(A) と上記樹脂(B) の総和100重量部に対して有
機過酸化物0.1〜5重量部とを主成分とするものであ
ってもよい。
【0010】この基材層構成用樹脂組成物を用いて得ら
れた積層シートは、スタンピング成形のみならず、真空
成形のように高温で複雑な形状で高延伸する成形にも適
している。
【0011】本発明による積層シートの表面層を構成す
る熱可塑性エラストマーは、常温でゴム弾性を示し、か
つ高温では可塑化されて各種の成形加工が可能な物質で
あり、一般に分子中にエントロピー弾性を有するゴム成
分(ソフトセグメント)と、塑性変形を防止するための
分子拘束成分(ハードセグメント)とを共有してなり、
ゴム成分はポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネ
ート等で構成され、分子拘束成分はウレタン結合、ナイ
ロン結合、エステル結合で構成されたものである。熱可
塑性エラストマーは、その成形が可能な範囲において
は、分子内に部分架橋を有するものであってもよい。
【0012】熱可塑性エラストマーのガラス転移点は、
高すぎると低温衝撃性が低下し、逆に低すぎると耐傷付
き性が低下する嫌いがあるため、−50〜20℃の範囲
にあることが好ましい。また、その分子量は、低すぎる
とシートの剛性が低下し、逆に高すぎるとシートの柔軟
性が損なわれるため、重量平均分子量で20,000〜
3,000,000の範囲にあることが好ましい。ま
た、その硬さは、積層される他の層の硬さや厚みによっ
ても異なるが、一般にJIS A硬度で50〜98の範
囲にあることが好ましい。
【0013】上記熱可塑性エラストマーとしては、例え
ば熱可塑性ウレタンエラストマー、熱可塑性ナイロンエ
ラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー等が挙
げられる。
【0014】上記熱可塑性ウレタンエラストマーとして
は、例えば、日本ミラクトラン社製:商品名ミラクトラ
ンE990P、旭硝子社製:商品名PN3429、大日
本インキ化学社製:商品名T7890等が挙げられる。
【0015】上記熱可塑性ナイロンエラストマーとして
は、例えば、ダイセルヒュルス社製:商品名ダイアミド
等が挙げられる。
【0016】上記熱可塑性ポリエステルエラストマーと
しては、例えば東洋紡績社製:ペルプレン等が挙げられ
る。
【0017】また表面層に艶消し感を付与するために、
熱可塑性エラストマーに弾性微粒子が添加されてもよ
く、弾性微粒子とは、その形状が変形するまで加圧した
後、圧力を開放した時、その形状が弾性回復を示す性質
を有するものである。その形状は特に限定されるもので
はなく、例えば、中空のものであってもよい。
【0018】弾性微粒子としては、熱可塑性エラストマ
ーより高い溶融温度を有し、かつ、押出しなどの成形に
際し、可塑化や分解を生じないものが好ましく、一般に
は架橋された樹脂が用いられる。例えば、ポリウレタ
ン、ポリスチレン、ポリアクリレート、アクリル−ウレ
タン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体などが挙
げられ、これらは単独で用いられてもよく、2種以上併
用されてもよい。
【0019】弾性微粒子の粒径は、小さすぎると延伸後
のシートの艶消し感が低下し、逆に大きすぎるとシート
を延伸加工する際にシート表面に亀裂が生じ易くなるた
め、平均粒径で1〜50μmの範囲であることが好まし
い。
【0020】また、弾性微粒子の添加量は、少なすぎる
と延伸後に、充分な凹凸が得られず、艶消し感が低下
し、逆に多すぎるとシートを延伸加工する際にその表面
に亀裂が生じ易くなるため、熱可塑性エラストマー10
0重量部に対して20〜200重量部の範囲にあること
が好ましく、さらに好ましくは50〜150重量部の範
囲である。
【0021】また、熱可塑性エラストマーには、必要に
応じて、触感を変える目的で、無機充填材、ABS樹脂
や架橋ポリメタクリル酸メチルの粒子が添加されてもよ
いし、着色剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、光安定剤な
どが添加されてよい。
【0022】つぎに、基材層を構成する樹脂組成物(以
下、基材層用樹脂組成物という)について説明を行う。
【0023】基材層に用いるポリオレフィン系樹脂(A)
としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、エチレ
ン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフ
ィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチル
メタクリレート共重合体、エチレン−n−ブチルアクリ
レート共重合体、ポリプロピレン(ホモポリマー、ラン
ダムコポリマー、ブロックコポリマー)等が例示され
る。また、上記樹脂の任意の組合せによる混合物も使用
できる。
【0024】好ましいポリオレフィン樹脂(A) は、プロ
ピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重
合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、直鎖状
低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン等である。
【0025】上記ポリエチレン樹脂(B) は、四価の遷移
金属を含むメタロセン化合物を重合触媒として用いて、
エチレンとエチレン以外のα−オレフィンとを構造単位
とする樹脂である。
【0026】上記エチレン以外のα−オレフィンとして
は、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−
オクテン等が非限定的に例示される。
【0027】上記四価の遷移金属としては、チタン、ジ
ルコニウム、ニッケル、パラジウム、ハフニウム、白金
等が非限定的に例示される。上記メタロセン化合物は、
上記四価の遷移金属に1つ以上のシクロペンタジエン
環、その類縁体等がリガンドとして存在する化合物の総
称である。
【0028】上記類縁体としては、炭化水素基、置換炭
化水素基、炭化水素−置換メタロイド基等により置換さ
れたシクロペンタジエン環;シクロペンタジエニルオリ
ゴマー環;インデニル環;炭化水素基、置換炭化水素
基、炭化水素−置換メタロイド基等により置換されたイ
ンデニル環等が非限定的に例示される。
【0029】上記シクロペンタジエン環及び上記類縁体
以外のリガンドとしては、塩素、臭素等の一価のアニオ
ンリガンド;二価のアニオンキレートリガンド;炭化水
素基;アルコキシド;アリールアミド;アリールオキシ
ド;アミド;アリールアミド;ホスフィド;アリールホ
スフィド;シリル基;置換シリル基等が非限定的に例示
される。
【0030】上記炭化水素基としては、例えば、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、イソ
アミル基、ヘキシル基、イソブチル基、ヘプチル基、オ
クチル基、ノニル基、デシル基、セチル基、2−エチル
ヘキシル基、フェニル基等が挙げられる。
【0031】上記リガンドが配位したメタロセン化合物
としては、例えば、シクロペンタジエニルチタニウムト
リス(ジメチルアミド)、メチルシクロペンタジエニル
チタニウムトリス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペ
ンタジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリル
テトラメチルシクロペンタジエニル−tert−ブチル
アミドジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラ
メチルシクロペンタジエニル−tert−ブチルアミド
ハフニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシ
クロペンタジエニル−p−n−ブチルフェニルアミドジ
ルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリルテトラメ
チルシクロペンタジエニル−tert−ブチルアミドハ
フニウムジクロリド、インデニルチタニウムトリス(ジ
メチルアミド)、インデニルチタニウムトリス(ジエチ
ルアミド)、インデニルチタニウムトリス(ジ−n−プ
ロピルアミド)、インデニルチタニウムビス(ジ−n−
ブチルアミド)(ジ−n−プロピルアミド)等が挙げら
れる。
【0032】上記エチレン系共重合体樹脂(B) を得るた
めの、エチレン及びエチレン以外のα−オレフィンの重
合方法としては、不活性媒体を用いる溶液重合法;実質
的に不活性媒体の存在しない塊状重合法、気相重合法等
が非限定的に例示される。
【0033】重合は、−100〜300℃、常圧〜10
0kg/cm2 の温度、圧力にて行われるのが一般的で
ある。
【0034】上記反応は、また、上述の四価の遷移金属
を含むメタロセン化合物からなる重合触媒に、共触媒と
して例えばメチルアミノキサン、ホウ素系化合物等を加
えた触媒系で行うこともできる。上記メタロセン化合物
に対する上記共触媒の割合は、10〜100万モル倍の
範囲にあることが好ましい。
【0035】上記メタロセン化合物を重合触媒に用いて
製造されたエチレン系共重合体樹脂(B) の市販品として
は、例えば、ダウ・ケミカル社製「AFFINIT
Y」、「ENGAGE」、エクソン・ケミカル社製「E
XACT」等が挙げられる。
【0036】上記エチレン系共重合体樹脂(B) の密度
は、0.84g/cm3 未満では、同樹脂の結晶性が低
くなって、得られた積層シートの剛性、引張強さ等の機
械的強度が不充分であり、0.90g/cm3 を超える
と、上記樹脂の結晶性が高くなって、得られる積層シー
トの柔軟性及び伸び特性が不充分となるため、0.84
〜0.90g/cm3 の範囲にあることが好ましい。
【0037】上記エチレン系共重合体樹脂(B) のMFR
(メルトフローレイト:試験温度190℃、試験荷重
2.16kgf)は、0.01g/10分未満では、ポ
リオレフィン樹脂(A) の分散性が低下し、20g/10
分を超えると、得られる樹脂組成物の伸び特性が低下す
るので、0.01〜20g/10分の範囲にあることが
好ましい。
【0038】上記エチレン系共重合体樹脂(B) は、示差
走査熱量分析及びクロス分別分析によりその物性を評価
できる。
【0039】示差走査熱量分析は、10mg程度の上記
エチレン系共重合体樹脂(B) サンプルを白金パンに入
れ、サンプルを一度溶融させた後、5℃/分の速度で−
50℃まで冷却し、その後5℃/分の速度で昇温しなが
ら熱量測定を行う。測定には、示差走査熱量計(セイコ
ー電子社製、SSC5200型)等を用いることができ
る。
【0040】クロス分別分析は、温度上昇溶離分別及び
高温型ゲル透過クロマトグラフィーにより分子量及び分
子量分布を測定する部分からなる。
【0041】温度上昇溶離分別では、上記エチレン系共
重合体樹脂(B) を140℃またはエチレン系共重合体樹
脂(B) が完全に溶解する温度のο−ジクロロベンゼンに
溶解し、一定速度で冷却した後、予め用意した不活性担
体表面に薄いポリマー層を結晶性の高い順及び分子量の
大きい順に生成させ、次いで、温度を連続又は段階状に
昇温し、順次溶出した成分の濃度を検出し、結晶性分布
及び組成分布を測定する。同時に、高温型ゲル透過クロ
マトグラフィーにより、溶出した各成分の分子量及び分
子量分布測定する。測定には、上記温度溶離分別及び高
温型ゲル透過クロマトグラフィーをシステムに備えてい
るクロス分別クロマトグラフ装置(三菱化学社製、CF
C−T150A型)を等を用いることができる。
【0042】上記エチレン系共重合体樹脂(B) は、示差
走査熱量分析で測定した結晶融解ピーク温度が一つであ
ることが好ましい。結晶融解ピーク温度が複数個存在す
る場合には、結晶性の異なる成分が複数個存在するた
め、溶融樹脂粘度にむらが生じ、均質な樹脂組成物を得
ることができないため、強度、伸び特性が低下する嫌い
がある。
【0043】上記エチレン系共重合体樹脂(B) は、示差
走査熱量分析で測定した結晶融解ピーク温度から、結晶
が全部融解し終わるまでの温度の幅が30℃以内である
ことが好ましい。この温度幅が30℃を超えると、結晶
性の高いポリエチレン分子と結晶性の低いポリエチレン
分子との間で、結晶化の差が大きくなり、溶融樹脂粘度
にむらが生じ、均一な樹脂組成物を得ることができず、
その結果、強度、伸び特性が低下することがある。この
温度幅はより好ましくは25℃以内である。
【0044】上記エチレン系共重合体樹脂(B) として
は、クロス分別分析で測定した数平均分子量に対する重
量平均分子量の比が1.5〜3.5であるものが好まし
い。この比が1.5未満であると、樹脂が溶融時に流れ
にくくポリオレフィン樹脂との分散が困難になり、3.
5を超えると、分子量の小さい分子及び分子量の大きい
分子の存在比率が高くなり、溶融樹脂粘度にむらが生
じ、均一な樹脂組成物を得ることができないため、強
度、伸び特性が低下する嫌いがある。
【0045】また、上記エチレン系共重合体樹脂(B) と
しては、クロス分別分析による測定で10重量%溶出し
たときの温度から100重量%溶出終了したときまでの
温度の幅が、40℃以内であることが好ましい。この温
度幅が40℃を超えると、上記エチレン系共重合体樹脂
の中に結晶性の高い成分と結晶性の低い成分とが同時に
存在することになり、溶融樹脂粘度にむらが生じ、均一
な樹脂組成物を得ることができず、その結果、強度、伸
び特性が低下することがある。この温度幅はより好まし
くは30℃以内である。
【0046】上記基材層用樹脂組成物は、上記ポリオレ
フィン樹脂(A) 10〜80重量%に、上記エチレン系共
重合体樹脂(B) を90〜20重量%混合してなるもので
ある。上記ポリオレフィン系樹脂(A) が10重量%未満
では、上記積層シートの耐熱性が低下する嫌いがあり、
また、80重量%を超えると上記積層シートの柔軟性が
低下することがある。
【0047】任意付加的に用いられる上記有機過酸化物
(C) は、ポリオレフィン樹脂(A) とエチレン系共重合体
樹脂(B) の混合物の分子量を上昇させる作用を有するも
のである。このような有機過酸化物(C) としては、例え
ば、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシク
メン、ジ−(t−ブチルパーオキシ)−m−ジ−イソプ
ロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−
ブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5
−t−ブチルパーオキシヘキセン−3、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン等が挙げられる。また、半減期1分の温度
の点では、この温度が、160℃未満では反応が速すぎ
混練制御が困難であり、200℃を超えると反応が遅く
得られる基材層用樹脂組成物に十分作用しないため、1
60〜200℃の範囲の半減期1分の温度を有するもの
が好ましい。
【0048】上記有機過酸化物(C) の配合量は、上記ポ
リオレフィン樹脂(A) と上記エチレン系共重合体樹脂
(B) の総和100重量部に対して、0.1〜5重量部で
ある。上記有機過酸化物(C) の配合量が0.1重量部未
満では、上記積層シートの柔軟性が改善されず、5重量
部を超えると、上記積層シートの耐熱性が低下する嫌い
がある。
【0049】上記基材層用樹脂組成物には、必要に応じ
て架橋助剤として多官能モノマーを加えてもよく、多官
能モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、1,
5−ヘキサジエン−3−イン、1,3,5−ヘキサトリ
エン、ジビニルエーテル、フタル酸ジアリル等が挙げら
れる。
【0050】上記架橋助剤の添加量は、特に限定されな
いが、例えば、上記ポリオレフィン樹脂(A) がポリプロ
ピレン樹脂である場合、上記ポリオレフィン樹脂(A) 1
00重量部に対して、0.1〜10重量部であるのが適
当である。この添加量が少なすぎると120〜140℃
の耐熱性が不足しがちであり、多すぎると耐光あるいは
耐熱における変色等の不具合が生じる場合がある。
【0051】上記基材層用樹脂組成物には、必要に応じ
て無機充填剤を加えてもよい。無機充填剤としては、例
えば、タルク、炭酸カルシウム、ガラス繊維、炭素繊
維、硫酸バリウム、マイカ、チタン酸カリウム、硫酸マ
グネシウム、ワラストナイト、酸化亜鉛、ホウ酸アルミ
ニウム、フライアッシュ、シリカ、クレー、酸化チタ
ン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、セピオ
ライト、酸化鉄、カーボンブラック、各種フェライト等
の磁性粉、銅、鉄等の金属粉等が挙げられる。
【0052】上記基材層を構成する樹脂組成物を調製す
る方法としては、例えば、一軸押出機、二軸押出機、バ
ンバリーミキサー、混練ロール、ブラベンダー、プラス
トグラフ、ニーダー等の装置を使用して樹脂(A)(B)、場
合によってはさらに有機過酸化物(C) および架橋助剤、
その他の添加剤を混合・分散させる方法が適用される。
【0053】さらに、上記基材層用樹脂組成物には、必
要に応じて、酸化防止剤、顔料、紫外線吸収剤、難燃
剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、シラン化合物等の分散
剤等が添加されてもよい。
【0054】また、上記表面層と基材層の間に接着層を
介在させてもよい。接着層を構成する材料としては、基
材層に接着するポリマーが好適に用いられる。このよう
なポリマーとしては主鎖または側鎖に水酸基、アミド
基、エポキシ基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基
等の官能基を有するものが好ましく、例えば、酸変性さ
れたスチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、酸変性
されたスチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合
体、酸変性されたポリプロピレン、酸変性されたポリエ
チレン等が挙げられる。
【0055】また、上記接着層を設ける代わりに、基材
層に接着性付与剤が添加されてもよい。接着性付与剤と
しては、例えば、主鎖または側鎖に水酸基、アミド基、
エポキシ基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基から
なる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有するオ
レフィン系ポリマーまたはオリゴマーが挙げられ、特に
カルボン酸基を持つものが好ましい。このカルボン酸基
の量は、多過ぎると流動性が悪く、少なすぎると接着性
が悪いので、ポリマーの酸価が10〜60mgKOH/
gの範囲にあるような量が好ましい。
【0056】接着性付与剤の軟化点は、低すぎるとシー
トの耐熱性が悪くなり、逆に高すぎると接着性付与効果
が低下するため、100〜220℃の範囲にあることが
好ましい。
【0057】接着性付与剤の添加量は少なすぎると、接
着性が向上せず、多すぎると基材層の引張応力が低下す
るため、上記樹脂(A) と(B) の総和100重量部に対し
て1〜30重量部の範囲にあることが好ましく、より好
ましい範囲は3〜15重量部である。
【0058】本発明による積層シートは必要に応じてさ
らに発泡体層を積層してもよい。発泡体としては、例え
ば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン
系樹脂;ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重
合体等のポリスチレン系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポ
リ塩化ビニル系樹脂;各種熱可塑性エラストマーなどか
らなる発泡体が用いられる。
【0059】上記発泡体の発泡倍率は特に限定されるも
のではないが、柔軟な感触を付与するためには5〜50
倍の範囲にあることが好ましく、より好ましい範囲は1
0〜30倍である。
【0060】この発泡体の厚みは特に限定されるもので
はないが、柔軟な感触を付与するためには0.5〜5m
mの範囲にあることが好ましく、より好ましい範囲は
1.5〜3.5mmである。
【0061】また、本発明による積層シートは、必要に
応じて種々の機能を付与するために、導電性材料、フォ
トクロミック化合物、結露防止剤、防錆剤、防菌・防カ
ビ剤、艶消剤などの添加剤を含んでいてもよい。
【0062】また、本発明による積層シート表面には、
必要ならば、意匠性を高めるための印刷やシボ加工など
の模様が施されてよい。
【0063】本発明による積層シートの製造方法として
は、一般に用いられる方法で、例えば、押出ラミネート
法、サンドラミネート法、共押出法、逐次ラミネート法
等が適用される。
【0064】上記共押出法は複数の押出機により複数層
を一体に積層する方法であり、例えば、フィードブロッ
ク法、マルチマニホールド法、マルチスロットルダイ法
等が挙げられる。
【0065】なお、共押出時の樹脂温度は使用されるエ
ラストマー等により異なるが、一般に表面層用樹脂温度
は170〜230℃、基材層用樹脂温度は190〜23
0℃の範囲にあることが好ましい。
【0066】
【作用】請求項1記載の発明によれば、基材層用樹脂組
成物は、上記の如く構成されているので、ポリオレフィ
ン系樹脂中に特定のエチレン系共重合体樹脂が良好に分
散されることにより柔軟性と耐熱性が優れたものとな
る。したがって、この樹脂組成物から得られる本発明に
よる積層シートを用いることにより、スタンピング成形
などの、複雑な形状で高延伸する成形を、シワや破れが
生じることなく行うことができる。
【0067】また、請求項2記載の発明によれば、基材
層用樹脂組成物はさらに有機過酸化物を所定量含むの
で、得られた積層シートは真空成形のように高温で複雑
な形状で高延伸する成形においても支障なく成形を行う
ことができる。
【0068】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて、本発明を
更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限
定されるものではない。
【0069】実施例1 まず、積層シートの材料として、下記の通り、a)表面
層用樹脂組成物、b)基材層用樹脂組成物、c)接着層
用材料およびd)発泡体層を調製した。
【0070】a)表面層用樹脂組成物:熱可塑性ウレタ
ンエラストマー(旭硝子社製「PN3429」)と熱可
塑性ウレタンエラストマー(日本ミラクトラン社製「ミ
ラクトランE990P」)各50重量部、および弾性微
粒子(大日本インキ化学製「バーノックCFB101−
40クリアー」、平均粒径8μm)100重量部を2軸
混練押出機で押出し、押出物を冷却後軟質用カッターで
ペレット化した。得られた表面層用ペレットは、JIS
A硬度85を有していた。
【0071】b)基材層用樹脂組成物: ポリオレフィン系樹脂(A) ポリプロピレン系樹脂(A1):三井石油化学社製「ハイポ
ールF650」(MFR<230℃>=6.0g/10
分)20重量部 直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A2):住友化学社製「ス
ミカセンFZ201」30重量部 エチレン系共重合体樹脂(B) :メタロセン化合物を重合
触媒として共重合してなるダウ・ケミカル社製「エンゲ
ージ8100」(密度=0.870g/cm3、MFR
<190℃>=1.0g/10分)50重量部
【0072】上記樹脂(A1)(B) を2軸混練押出機(池貝
社製)を用いて設定温度210℃で押出し、押出物を冷
却後軟質用カッターでペレット化した。このペレットに
樹脂A2) をドライブレンドし、基材層用樹脂組成物を得
た。
【0073】c)接着層用材料:酸変性されたポリエチ
レン(三井石油化学社製「アドマーQF551」)
【0074】d)発泡体層:ポリプロピレンフォーム
(積水化学社製「ソフトロンSPV2502」、厚さ2
mm発泡倍率25倍)
【0075】上記シート材料を用いて下記の通り共押出
法によって積層シートを作製した。
【0076】共押出装置として、図1に示す上記プラス
チック工学研究所製の3基の押出機1a、1b、1c及び3層
マルチマニホールドタイプのダイス7 を備えた3層共押
出装置2 を用いた。
【0077】表面層用の押出機1a(プラスチック工学研
究所社製UT−40):40mm押出機、L/D=2
6、圧縮比=3 基材層用の押出機1b(プラスチック工学研究所社製GT
−50):50mm押出機、L/D=26、圧縮比=3 接着層用の押出機1c(プラスチック工学研究所社製GT
−40):40mm押出機、L/D=26、圧縮比=3 ダイス(クローレン社製5流路フィードブロック付50
0mm幅エポック3201):幅500mm、クリアラ
ンス0.8mm、ランド長160mm、ランド容積30
0cm3
【0078】a)表面層用樹脂組成物、b)基材層用樹
脂組成物およびc)接着層用材料上記樹脂組成物を3基
の押出機1a、1b、1cにそれぞれ供給し3層共押出装置2
のダイス7 より下向きに押出した。押出温度は、接着
層:190℃、基材層:210℃、表面層:190℃、
金型:200℃であり、引き取り速度は5m/分であっ
た。多層フィードブロック式押出機により表面層、接着
層、基材層からなるシート状積層体4 を、樹脂の吐出速
度より高速回転している温度40℃の冷却引取ロール3
で伸張しながら引き取る一方、発泡体層6 を、冷却引取
ロール3 及びラミネートロール8 間に導入・加圧し、シ
ート状積層体4 の基材層に発泡体層6 を積層一体化して
積層シート5 を得た。得られた積層シート5 を構成する
各層の厚みは、それぞれ表面層が10μm、接着剤層が
10μm、基材層が480μmであった。このシートの
表面に平均深さ200μmの皮シボ加工を施した。
【0079】実施例2 基材層用樹脂組成物を構成するポリプロピレン樹脂(A1)
と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A2)とエチレン系共重
合体樹脂(B) との配合量をそれぞれ10重量部、10重
量部、80重量部に変えたこと以外、実施例1と同様の
操作を行った。
【0080】実施例3 エチレン系共重合体樹脂(B) として、メタロセン化合物
を重合触媒として共重合してなるダウ・ケミカル社製
「エンゲージ8200」(密度=0.870g/c
3 、MFR<190℃>=5.0g/10分)80重
量部を用いたこと以外、実施例2と同様の操作を行っ
た。
【0081】実施例4 ポリプロピレン樹脂(A1)として、三井石油化学社製「ハ
イポールB230」(MFR<230℃>=0.5g/
10分)10重量部を用いたこと以外、実施例2と同様
の操作を行った。
【0082】比較例1 基材層を構成する樹脂として、メタロセン化合物を重合
触媒として共重合してなるダウ・ケミカル社製「エンゲ
ージ8100」100重量部のみを用いたこと以外、実
施例1と同様の操作を行った。
【0083】比較例2 基材層を構成する樹脂として、ポリプロピレン系樹脂(A
1):三井石油化学社製「ハイポールF650」)100
重量部のみを用いたこと以外、実施例1と同様の操作を
行った。
【0084】比較例3 基材層用樹脂組成物のうち、ポリプロピレン系樹脂(A1)
を三井石油化学社製「ノーブレンFS2011D」(M
FR<230℃>=2.0g/10分)10重量部に変
え、エチレン系共重合体樹脂(B) を、メタロセン化合物
でない重合触媒を用いて製造した三井石油化学社製「タ
フマーA4090」(密度=0.890g/cm3 、M
FR<190℃>=3.6g/10分)80重量部に代
えたこと以外、実施例1と同様の操作を行った。
【0085】実施例5 基材層用樹脂組成物として、 ポリプロピレン樹脂(A1) :住友化学社製「ノーブレン
FS2011D」50重量部、 エチレン系共重合体樹脂(B) :メタロセン化合物を重合
触媒として共重合してなるダウ・ケミカル社製「エンゲ
ージ8100」50重量部 有機過酸化物(C) :日本油脂社製の2,5−ジメチル−
2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン0.2重量
部 架橋助剤:三共化成社製のジビニルベンゼン0.4重量
部 からなるものを用いたこと以外、実施例1と同様の操作
を行った(ただし基材層の厚み330μm)。
【0086】実施例6 基材層用樹脂組成物として、 ポリプロピレン樹脂(A1):住友化学社製「ノーブレンF
S2011D」20重量部、 エチレン系共重合体樹脂(B) :メタロセン化合物を重合
触媒として共重合してなるダウ・ケミカル社製「エンゲ
ージ8100」80重量部 有機過酸化物(C) :日本油脂社製の2,5−ジメチル−
2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン0.2重量
部 架橋助剤:三共化成社製のジビニルベンゼン0.4重量
部 からなるものを用いたこと以外、実施例5と同様の操作
を行った。
【0087】実施例7 エチレン系共重合体樹脂(B) として、メタロセン化合物
を重合触媒として共重合してなるダウ・ケミカル社製
「エンゲージ8200」80重量部を用いたこと以外、
実施例6と同様の操作を行った。
【0088】実施例8 ポリプロピレン樹脂(A1)として、住友化学社製「ノーブ
レンY101C」(MFR<230℃>=10g/10
分)20重量部を用いたこと以外、実施例6と同様の操
作を行った。
【0089】比較例4 基材層用樹脂組成物として、 ポリプロピレン樹脂(A1) :住友化学社製「ノーブレン
FS2011D」100重量部、 有機過酸化物(C) :日本油脂社製の2,5−ジメチル−
2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン0.2重量
部 架橋助剤:三共化成社製のジビニルベンゼン1重量部 からなるものを用いたこと以外、実施例6と同様の操作
を行った。
【0090】比較例5 基材層用樹脂組成物のうち、エチレン系共重合体樹脂
(B) を、メタロセン化合物でない重合触媒を用いて製造
した三井石油化学社製「タフマーA4090」(密度=
0.890g/cm3 、MFR<190℃>=3.6g
/10分)80重量部に代えたこと以外、実施例6と同
様の操作を行った。
【0091】性能評価 i)スタンピング成形 実施例1〜4、比較例1〜3で得られた積層シートを用
い、図2〜図4に示すスタンピング成形装置によって下
記方法に従ってスタンピング成形を行い、成形品を得
た。
【0092】この成形機は、図2に示すように上型20、
下型21および樹脂射出機22を有する。上型20の下面には
凸部20a が設けられ、下型21の上面には上記凸部20a に
対応する位置に凹部21a が設けられている。また、下型
21の中央部には樹脂注入路21b が形成され、この樹脂注
入路21b に樹脂射出機22のノズル22a が臨接されてい
る。
【0093】まず、図2に示すように、所定温度に加熱
された上型20と下型21との間に積層シート23を配して下
型21の周縁部位にシート23の周囲を固定ピン24で固定し
た。ついで、図3に示すように樹脂射出機22のノズル22
a から成形樹脂25としてポリプロピレンを下型21内に射
出した。次に、図4に示すように上型20を下降させて、
所定圧力で両型を閉じることによりシート23を賦形する
と共に樹脂25をスタンピング成形した。
【0094】こうして得られたスタンピング成形品を、
シワ、破れおよびシボ流れについて目視評価した。シボ
流れについては、成形品をギアーオープンで100℃に
加熱した後、評価を行った。これらの評価結果を表1お
よび表2に示す。
【0095】
【表1】
【0096】
【表2】
【0097】各表中、PP:ポリプロピレン LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン ○:シワ、破れまたはシボ流れが認められなかった ×:シワ、破れまたはシボ流れが認められた をそれぞれ示す。
【0098】ii)射出成形 上記実施例5〜8、比較例4〜5で得られた積層シート
を用いて、図5〜7に示す射出成形機で以下に示す方法
に従って射出成形を行い、成形品を得た。
【0099】この射出成形機は、図5に示すように成形
用の凹部10a と真空に引くための吸気口10b を有する移
動金型10と、凸部12a を有する固定金型12と、両金型1
0、12間に配設されており、両金型10、12間から外側へ
移動可能な、真空及び圧空のための孔を有する熱盤14と
樹脂射出機15とを具備している。
【0100】まず、図5に示すように、上記移動金型10
と熱盤14との間に積層シート13を配して該シート13を熱
盤14で加熱しながら吸引し、該シート13を真空および/
または圧空成形し、図6に示すように金型10の凹部10a
内面に密着させた。次に、熱盤14を両金型10、12間から
外へ取出し、その後、移動金型10を固定金型12側へ移動
させて金型を閉合した。
【0101】ついで、図7に示すように、樹脂射出機15
から成形樹脂としてポリプロピレンを両金型10、12にて
成形されるキャビティ内へ射出した。
【0102】こうして得られた射出成形品を、シワ、破
れおよびシボ流れについて目視評価した。シボ流れにつ
いては、成形品をギアーオープンで100℃に加熱した
後、評価を行った。これらの評価結果を表3および表4
に示す。
【0103】
【表3】
【0104】
【表4】
【0105】各表中、PP:ポリプロピレン LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン DVB:ジビニルベンゼン ○:シワ、破れまたはシボ流れが認められなかった ×:シワ、破れまたはシボ流れが認められた をそれぞれ示す。
【0106】
【発明の効果】請求項1記載の積層シートを用いること
により、スタンピング成形などの、複雑な形状で高延伸
する成形を、シワや破れが生じることなく行うことがで
きる。
【0107】また、請求項2記載の積層シートを用いる
ことにより、得られた積層シートはさらに真空成形のよ
うに高温で複雑な形状で高延伸する成形においても支障
なく成形を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による積層シートの製造装置の1例を示
す説明図である。
【図2】実施例および比較例で得た積層シートを用いて
成形品を製造する場合に使用したスタンピング成形装置
において、その下型に積層シートをセットした状態を説
明する説明図である。
【図3】積層シートをセットしたスタンピング成形装置
の下型内に成形品本体となる成形樹脂を注入した状態を
説明する説明図である。
【図4】射出成形を注入した下型に上型を閉合してスタ
ンピング成形した状態を説明する説明図である。
【図5】実施例および比較例で得た積層シートを用いて
成形品を製造する場合に使用した射出成形機において、
積層シートを予備成形する前の状態を説明する説明図で
ある。
【図6】上記射出成形機において、積層シートを予備成
形した状態を説明する説明図である。
【図7】上記射出成形機において、成形品本体となる成
形樹脂を射出成形する状態を説明する説明図である。
【符号の説明】
4:シート状積層体 5:積層シート 6:発泡体層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性エラストマーを主成分とする表
    面層と、熱可塑性樹脂を主成分とする基材層が積層され
    てなり、基材層を構成する樹脂組成物が、 (A) エチレンとα−オレフィンを、四価の遷移金属を含
    むメタロセン化合物を重合触媒として共重合してなるエ
    チレン系共重合体樹脂90〜20重量%と、 (B) 上記樹脂(A) を除くポリオレフィン系樹脂10〜8
    0重量%とを主成分とすることを特徴とする積層シー
    ト。
  2. 【請求項2】 基材層を構成する樹脂組成物が、 (A) エチレンとα−オレフィンを、四価の遷移金属を含
    むメタロセン化合物を重合触媒として共重合してなるエ
    チレン系共重合体樹脂90〜20重量%と、 (B) 上記樹脂(A) を除くポリオレフィン系樹脂10〜8
    0重量%と、 (C) 有機過酸化物 上記樹脂(A) と上記樹脂(B) の総和100重量部に対し
    て0.1〜5重量部とを主成分とすることを特徴とする
    請求項1記載の積層シート。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001055256A1 (fr) * 2000-01-28 2001-08-02 Sumitomo Chemical Company, Limited Composition de resine et produit stratifie
JP2007277485A (ja) * 2006-04-11 2007-10-25 Riken Technos Corp 自動車用樹脂シート
JP2010052433A (ja) * 2001-01-15 2010-03-11 Daicel-Evonik Ltd 複合体及びその製造方法
JP2020049721A (ja) * 2018-09-26 2020-04-02 グンゼ株式会社 複合樹脂シート

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