JP2002309777A - Pc構造物のダクト内へのグラウトの注入充填方法と、グラウトの注入充填装置、及びグラウト充填確認用ダクト - Google Patents

Pc構造物のダクト内へのグラウトの注入充填方法と、グラウトの注入充填装置、及びグラウト充填確認用ダクト

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JP2002309777A JP2002020134A JP2002020134A JP2002309777A JP 2002309777 A JP2002309777 A JP 2002309777A JP 2002020134 A JP2002020134 A JP 2002020134A JP 2002020134 A JP2002020134 A JP 2002020134A JP 2002309777 A JP2002309777 A JP 2002309777A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PC構造物に設けられたダクト内の全断面
に、ダクトがどのように長くてもグラウトを充実して確
実に充填する。 【解決手段】 PC構造物1のダクトのグラウト注入側
にグラウトポンプ7を設置し、ダクトのグラウトの排出
側に真空ポンプ13を設置し、グラウトポンプの吐出口
とダクト注入口とをホース6で接続し、ダクトのグラウ
ト排出口と真空ポンプの吸気口とをホース12で接続
し、真空ポンプを連続運転してダクト内の気圧を減圧
し、ダクト内の気圧が真空状態のときにグラウトポンプ
を運転してグラウトを注入充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンクリート構
造物の両端に開口する一連のダクト(シースとも称され
る。)に貫通したPC鋼材を緊張することによりポスト
テンション方式で該構造物にプレストレスを与えてプレ
ストレストコンクリート構造物(本書ではPC構造物と
も記す。)としたのち、上記ダクトにグラウトを注入し
て充填するダクトヘのグラウトの注入充填方法及びグラ
ウトの注入充填装置と、それに用いるグラウト充填確認
用ダクトに関する。
【0002】ポストテンション方式でプレストレスを与
えるコンクリート構造物は、通常、該構造物を成形する
型枠の内部に、該構造物の両端に各端部を位置させ、内
部にPC鋼材が貫通したダクトを配置し、コンクリート
を打設して成形する。
【0003】上記のようにして成形したコンクリート構
造物の両端に開口する一連のダクトから突出するPC鋼
材、例えばPC鋼線を両端からジャッキで緊張し、緊張
状態のPC鋼線の各端部をダクトの各端部に夫々定着具
で定着することにより前記構造物にプレストレスを与え
てPC構造物とし、その後、各定着具から外に突出する
PC鋼材の余分な長さを切断し、各定着具にグラウトキ
ャップを被せて取付ける。
【0004】ダクトに、前述したようにグラウトを注入
充填する目的は、内部に貫通するPC鋼材を腐食から保
護することゝ、PC鋼材とコンクリートとをダクトを介
し付着して一体化し、PC構造物の性能と耐久性とを維
持することであり、それにはダクト中の空気や水を完全
に排除し、ダクト内をグラウトで完全に満たすことが必
要である。
【0005】
【従来の技術】特開平4−41867号公報(従来技術
1)により、コンクリート部材に埋設されたシースの一
端部のグラウト排出口に吸気用ポンプを接続し、他端側
のグラウト注入口にグラウト供給源を接続し、前記吸気
ポンプによってシース内のエアを減圧し、シース内にグ
ラウト材を吸引、充填することが公知である。又、特許
第2757134号公報(従来技術2)により、両端が
閉じたダクトの一端からダクト内のエアを真空引きし、
その後、上記一端からダクトの内部に真空を利用してグ
ラウトを注入することが公知である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術1では、
グラウトが吸引充填される長さに限界があり、短いシー
スヘの適用に限定される。グラウトがシース中に注入、
充填される際にはシースとの間に流体抵抗が生じ、シー
ス空面積の大きさによりその抵抗値は変わるが、PC鋼
線が挿入されたφ65mmシースで1m当たり0.15
kg/cm2程度の抵抗を生じ、これ以上の圧力が作用
した場合にグラウトがシース中に進行可能となる。一般
的な水封式真空ポンプの実用真空度を水銀柱600mm
Hgとすれば、絶対真空水銀柱760mmHg(1.0
3kg/cm2)と比較して、吸気による吸引力は60
0×1.03/760=0.81kg/cm2程度が実
用上の限度となり、吸引によるグラウト注入長LはL=
0.81/0.15=5.4m程度となる。従って、橋
梁の桁や、建築の大梁等のPC構造物には適用できず、
小部材のPC構造物にしか適用できない難点がある。
【0007】従来技術2ではダクト内にグラウトを注入
するための真空引きは1回しか行えず、グラウトを注入
すると二度と真空引きは行えないので、グラウトを注入
できるダクトの長さは極く短いものに限られる。そし
て、ダクトの他端部(終端部)にはグラウトが充填され
ない空隙部が生じる。ダクトが短ければ空隙部も僅少で
あるが、PC連続桁に配置されるダクトのように長さが
100mにもなるダクトの終点部には数mにも及ぶ空隙
部が生じる。ダクト内の真空度は、一般的な水封式真空
ポンプでは実用真空水銀柱600mmHg程度迄である
から、ダクト中の真空度は600/760=0.79、
大気圧では1−0.79=0.21大気圧で、ダクトの
長さの79%迄グラウトが充填されると残りの21%は
空気が残存していることになる。グラウトの注入により
この空気が圧縮されるとしても、ダクトの長さが100
mの場合には21mの空気溜まりが生じることになり、
グラウトを高圧で圧入しても、ダクトの終点部付近では
完全なグラウトの充填は行われず、その部分ではPC鋼
材の腐蝕からの保護と、PC鋼材とコンクリートとをダ
クトを介し付着して一体化し、PC構造物の性能と耐久
性を維持することができない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記公知の技術
の問題点を解消するために開発されたもので、請求項1
のPC構造物のダクト内へのグラウトの注入充填方法
は、PC構造物に設けられたダクトヘのグラウトの注入
充填方法において、ダクトのグラウト注入側にグラウト
ポンプを設置し、ダクトのグラウトの排出側に真空ポン
プを設置し、グラウトポンプの吐出口とダクト注入口と
をホースで接続し、ダクトのグラウト排出口と真空ポン
プの吸気口とをホースで接続し、真空ポンプを連続運転
してダクト内の気圧を減圧し、ダクト内の気圧が真空状
態のときにグラウトポンプを運転してグラウトを注入充
填することを特徴とする。又、請求項2のPC構造物の
ダクト内へのグラウトの注入充填方法は、請求項1に記
載のPC構造物のダクト内へのグラウトの注入充填方法
において、真空ポンプには、設定負圧以下ではON、設定
負圧以上ではOFFに作動する真空スイッチを設け、グ
ラウトポンプの運転用動力線回路に上記真空スイッチを
接続し、真空スイッチのON−OFF作動によりグラウ
トポンプの運転、停止を制御して真空ポンプの気圧が設
定負圧以下でグラウトポンプを運転してグラウトの注入
充填を行い、設定負圧以上になるとグラウトポンプを停
止するようにし、ダクト内の気圧が設定負圧以下の真空
状態下でのみグラウトの注入充填を行うようにしたこと
を特徴とする。請求項3のPC構造物のダクト内へのグ
ラウトの注入充填方法は、請求項1、請求項2のどれか
1項に記載のPC構造物のダクト内へのグラウトの注入
充填方法において、PC構造物中に配置するダクトの適
当な位置に、ダクトと連通分岐して先端が閉じた透視可
能な真空ホースを接続し、その先端部をPC構造物の外
に突出させたことを特徴とする。
【0009】請求項4のPC構造物のダクト内へのグラ
ウトの注入充填装置は、PC構造物に設けられたダクト
のグラウト注入側に設置されたグラウトポンプと、ダク
トのグラウト排出側に設置されて連続運転される真空ポ
ンプと、グラウトポンプの吐出口とダクトの注入側とを
接続するホースと、ダクトのグラウト排出口と真空ポン
プの吸気口とを接続するホースと、前記真空ポンプに設
けられ、設定負圧以下ではON、設定負圧以上ではOF
Fに作動する真空スイッチとを備え、上記真空スイッチ
をグラウトポンプの運転用動力線回路に接続し、上記真
空スイヅチのON−OFF作動によりグラウトポンプの
運転、停止を制御して真空ポンプの気圧が設定負圧以下
でグラウトポンプを運転してグラウトの注入充填を行
い、設定負圧以上になるとグラウトポンプが停止するよ
うにしたことを特徴とする。請求項5はダクト内に注入
充填したグラウトの充填具合が確認できるグラウト充填
確認用ダクトに関するもので、PC構造物中に配置さ
れ、その内部にグラウトが注入充填されるダクトの適当
な位置に、透視可能で、先端が閉じ、先端部がPC構造
物の外に突出する長さを有する耐圧、耐負圧構造の真空
ホースを連通分岐して設けたことを特徴とする。請求項
6は請求項2に記載のPC構造物のダクト内へのグラウ
トの注入充填方法において、真空ポンプに真空スイッチ
のON−OFF情報を送信する無線送信機を設け、グラ
ウトポンプには送信された情報を受信する無線受信機を
設けて、送信されたON−OFF情報によりグラウトポ
ンプの運転用動力線回路の開閉を行い、グラウトポンプ
の運転、停止を無線で行うようにしたことを特徴とす
る。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は請求項1のグラウトの注入
充填方法の実施例の説明図である。PC構造物であるP
C桁1にダクト2が貫通状に配置され、ダクト2の両端
にはグラウトキャップ3が取付けられている。ダクト2
中にはPC鋼線(図示せず)が貫通し、その両端を緊張
してPC桁1にプレストレスを与え、PC鋼線の各端部
を定着具でダクトの各端部に固定し、前記グラウトキャ
ップ3は図示しない定着具に被せて取付けてある。グラ
ウトの注入充填は以下の通り行う。
【0011】ダクトの注入側にグラウトポンプ7を設置
する。本実施例ではスクイズ式ポンプを使用している
が、これはコンクリートポンプ車と同様に回転するロー
ラーでゴムチューブからグラウトを絞り出してグラウト
を圧送、注入する構造になっている。グラウトはグラウ
トミキサー9によりセメント、水、混和剤を適量配合し
て練り混ぜ、ホッパー8に排出して貯蔵する。ホッパー
8にグラウトポンプ7を接続し、グラウトポンプ7の吐
出口はポンプホース6、注入ノズル5、注入ホース4を
経てダクトの注入側のグラウトキャップ3aに接続す
る。
【0012】他方のダクトの排出側には真空ポンプ13
を設置する。真空ポンプ13の吸気口15は真空ポンプ
ホース12、吸気ノズル11、排出ホース10を経て排
出側のグラウトキャップ3bに接続される。真空槽14
には真空ゲージ17、排出口16が設けてある。排出ホ
ース10は透明なものとし、ホース中をグラウトが通過
するのを透視できるようにすることが好ましい。
【0013】グラウトの注入に際しては、注入ノズル5
を注入ホース4に繋ぐ前に該ノズルのバルブを開き、グ
ラウトポンプ7を運転し、注入ノズル5からグラウトを
少量出すことでポンプホース6内の空気を抜いた状態に
して注入ノズル5のバルブを閉め、その後に注入ホース
4に接続する。反対側の排出ホース10に接続した吸気
ノズル11はバルブを開いた状態にしておく。
【0014】予め、このようにした後に、真空ポンプ1
3を連続運転してダクト内の気圧を減圧し、真空ゲージ
17によりダクト内の真空状態を確認した後に、真空ポ
ンプの運転を続けたまゝでグラウトポンプ7を運転し、
同時に注入ノズル5のバルブを開いて、グラウトの注入
充填を行う。注入作業中は常に真空ゲージに注意し、ダ
クトの内部が予定負圧以上になるとグラウトポンプの運
転を一時止め、真空ポンプの運転でダクトの内部が再び
予定負圧以下の真空状態に戻ったらグラウトポンプを運
転してグラウトの注入充填を再開する。このような操作
を繰り返して、ダクトの内部が真空状態のときにグラウ
トの注入充填を行う。そして、ダクトの排出側の排出ホ
ース10の中をグラウトが通過するのを確認した後に、
吸気ノズル11のバルブを閉じ、真空ポンプを止めると
共に、速やかに注入側に合図を送る。グラウト通過の合
図を受けた注入側では、速やかにグラウトポンプの運転
を止め、注入ノズル5のバルブを閉める。注入ホース
4、排出ホース10より注入ノズル5、吸気ノズル11
を夫々外して注入作業を終了する。注入ホース、排出ホ
ースは閉じなくてよい。注入ホース4、排出ホース10
はグラウトが硬化した後にグラウトキャップの付根付近
で切断する。
【0015】グラウトには、ノンブリーディング・粘性
型のものを使用する。粘性型グラウトは、グラウトの先
流れを起こしにくく、ダクトの曲げ下り部においても概
ね全断面を満たしながら進行して充填されるので、良好
なグラウト充填が可能になる。尚、更に膨張型のグラウ
トを使用するとグラウト硬化後の収縮はなく若干膨張す
るので、ダクト内に完全に密実なグラウトを施工するこ
とができる。
【0016】グラウトがダクト中を通過する際には、流
体と管内の摩擦による抵抗が生じ、粘性が大きくなると
抵抗も大きくなる。グラウトポンプだけによるダクトヘ
のグラウト注入の場合、ダクト長が50mに及ぶと注入
圧力が9.8×105パスカル(10kg/cm2)以上
必要になることもある。又、真空による負圧は絶対真空
で−1.01×105パスカル(−1.03kg/c
2)で、一般的に使用されている真空ポンプの到達真
空では、ダクト中のグラウトを数m程度しか吸引して注
入できない。このため、本発明ではグラウトポンプと真
空ポンプとの併用による注入充填を行うのである。
【0017】グラウトの注入に先立ち、ダクトの通気確
認、ダクト内の洗浄をしておき、注入時には注入圧力が
大きくなり過ぎないようにする等の注意が必要である。
又、グラウトポンプや真空ポンプに接続するホースや付
属機具については、耐圧、耐負圧、気密性にすることは
勿論である。
【0018】図2は請求項2、請求項4の実施例の説明
図である。グラウトがダクト内に注入充填される順序は
図1に示した請求項1の方法と同じであるが、グラウト
ポンプと真空ポンプを連動させ、真空ポンプの負圧が設
定負圧以下の状態でグラウトポンプの運転を自動制御す
る点において異なる。グラウトの注入充填は以下の通り
行う。
【0019】ホッパー8にグラウトポンプ7を接続し、
グラウトポンプ7をポンプホース6、自動圧力弁ノズル
19、注入ホース4を経て注入側グラウトキャップ3a
に接続する。自動圧力弁ノズル19は、図3に示す構造
で、ポンプホース6と接続するグラウト入口21を備え
た入口筒体24を、注入ホース4と接続するグラウト出
口22を備えた出口筒体23の大径部にネジ25で一体
に組み合わせ、出口筒体23の大径部の内部にボール2
6、バネ27を配置し、バネ27のバネ力によりボール
26で入口筒体24のグラウト入口21を内側から塞ぐ
弁構造になっている。バネ27はボール26が到達真空
力で吸引されてもグラウト入口21を開かず、グラウト
ポンプによるグラウト注入圧力が9.8×104パスカ
ル(1kg/cm2)以上になるとボール26はグラウ
トで押されてグラウト入口21を開くようにバネ力を設
定してある。
【0020】他方のダクト排出側では、真空ポンプの吸
気口15を真空ポンプホース12、吸気ノズル11、排
出ホース10を経て排出側グラウトキャップ3bに接続
する。真空槽14には真空ゲージ17、真空スイッチ1
8、排出口16を設け、真空槽14に設けた真空スイッ
チ18をグラウトポンプ7の運転用動力線回路に電線2
0で接続する。
【0021】グラウトの注入充填に際しては、自動圧力
弁ノズル19を注入ホース4に接続する前に、グラウト
ポンプ7を運転してグラウトを上記ノズル19のグラウ
ト出口22から少量出してポンプホース6内の空気を抜
いた状態にした後、注入ホース4に接続する。グラウト
ポンプの運転、停止に応じて自動的に自動圧力弁ノズル
19が作動して開閉が行われる。反対側の排出ホース1
0に接続した吸気ノズル11はバルブを開いた状態にし
ておく。排出ホース10はグラウトの通過が透視できる
材質にする。
【0022】予め、このようにした後に、真空ポンプ1
3を連続運転してダクト内の気圧を減圧していく。真空
槽14の負圧が真空スイッチ18に設定した負圧以下に
なると、真空スイッチ18がOFFの状態からONの状
態になり、通電してグラウトポンプ7が運転され、自動
圧力弁ノズル19はグラウトで押されて開になり、グラ
ウトの注入が行われる。グラウトの注入充填の進行によ
り、ダクト内の気圧が設定負圧以上になると真空槽14
内の気圧も設定負圧以上になるので、真空スイッチがO
FFの状態になり、グラウトポンプ7の運転が中止し、
自動圧力弁ノズル19は閉になり、グラウトの注入は停
止する。真空ポンプは連続して運転されているので、ダ
クト内の気圧が設定負圧以下に戻ると自動的にグラウト
ポンプの運転が再開し、設定負圧以上になると運転が中
止し、こうしてダクト内の気圧が設定負圧以下の真空状
態下でのみグラウトポンプの運転によりグラウトの注入
充填が行われる。このようにして、注入作業を続け、ダ
クトの排出側の排出ホース10の中をグラウトが通過す
るのを透視して確認した後、速やかに吸気ノズル11を
閉じ、真空ポンプの運転を止める。真空ポンプの運転を
止めると真空槽14の気圧が上がり、設定負圧以上にな
って真空スイッチがOFFに作動するとグラウトポンプ
の運転が止まる。グラウトポンプの運転が止まると、自
動圧力弁ノズル19にはグラウトの注入圧力が作用しな
くなり、均衡したグラウト圧力の中でバネ27のバネ力
でボール26が押されてグラウト入口21を内側から閉
じる。注入ホース4、排出ホース10から自動圧力弁ノ
ズル19、吸気ノズル11を夫々外して注入作業を終了
する。尚、注入ホース4と排出ホース10に高低差があ
る場合には、グラウトの流出を防ぐため、低い方のホー
スを折返して曲げ、その状態に縛るなどして先に閉じて
からノズル19又は11を外す。高い方のホースからは
ノズル19又は11を外し、解放したまゝでよい。この
注入ホース4、排出ホース10はグラウトが硬化した後
にグラウトキャップの付根付近で切断する。
【0023】図4は請求項3のグラウトの注入充填方法
に使用するダクトと、請求項5のダクトの実施例の説明
図である。グラウトの注入ホース4が接続されるダクト
の一端部2aと、真空ポンプからの排出ホース10が接
続されるダクトの他端部2bとの間の適当な位置に透視
可能で、先端が閉じ、先端部がPC構造物の外に後述の
ように所定長さ突出する真空ホース29を、1本ないし
複数本、必要な数だけ、ダクトと連通分岐して取付け
る。拡大して示したように、ダクト2には真空ホース2
9の取付け位置に孔31を開設すると共に、この孔31
と連通するソケット33が外周から突出したT形のホー
ス取付管32をダクト2の外に嵌めてダクト沿いに移動
させ、ソケット33とダクトの孔31を連通させる。そ
して、ホース取付管とダクトの回りに粘着テープ34な
どを巻付けてシールし、ホース取付管のソケット33に
真空ホース29の下端部をねじ込んで取付ける。ダクト
の直径は、一般に65mm程度であり、これに対して真
空ホースは直径20mm程度、材質は例えば高密度ポリ
エチレン等でよい。
【0024】こうして真空ホース29を取付けたダクト
2にはPC鋼材を貫通してPC構造物を成形する型枠の
なかに配置し、真空ホース29は真っ直ぐ上向きに立て
ゝその先端部を型枠の開放した上面から外に出し、ダク
トの一端部2aと他端部2bは型枠の前後の端壁から外
に出し、型枠中に配筋してコンクリートを打設してコン
クリート構造物を成形し、成形後、脱型する。コンクリ
ートが所要の強度に達すると、ダクトに貫通したPC鋼
材を両端から緊張し、PC鋼材の各端部を該構造物と一
体のダクトの各端部2a、2bに定着具で定着してコン
クリート構造物にプレストレスを与え、PC鋼材の両端
の余分な長さを切断し、各定着具にグラウトキャップを
被せて固定する。上記の工程中、コンクリート構造物の
成形型枠のなかにダクトを配置する際、真空ホースを真
っ直ぐ上向きに立て、その先端部を型枠から外に突出さ
せることを除いては、在来の通常の施工と異なることは
なく、これによって上面から真空ホースの先端が突出し
たPC構造物用のコンクリート構造物が得られる。尚、
真空ホースの必要長さ、及びPC構造物の上面からの真
空ホースの必要突出高さは、後述のようにダクトに対す
る真空ホースの取付け位置の、コンクリート構造物の表
面から下の深さに応じて変化する。従つて、ホース取付
管32のソケット33に下端を取付ける真空ホースは種
々な長さのものを用意し、後述のように機能する長さの
ものを選択して取付けるようにするとよい。
【0025】図5は請求項3によるダクト内へのグラウ
トの注入充填方法の実施例である。図1,図2と同様に
注入側グラウトキャップ3aにはグラウトポンプ(図示
せず)からの注入ホース4が接続し、排出側グラウトキ
ャップ3bには真空ポンプ(図示せず)に至る排出ホー
ス10が接続している。この状態で、真空ポンプを連続
運転し、ダクト内の気圧が設定負圧以下の真空状態下で
のみグラウトポンプを運転してダクト内に注入ホース4
からグラウト30を注入し、グラウトの流れの先端が真
空ホース29の取付部に達すると、真空ホース29の中
もダクト2の中と同様に真空状態にあるのでグラウトは
分流し、一部のグラウトは真空ホース29の中に吸引作
用で進入していく。残りのグラウトはダクト中に進行を
続ける。真空ホース29の中にグラウトが進入すると真
空ホース29の入口がグラウトで密閉遮断された状態に
なるので、その時点で真空ホース29の中の空間には真
空ポンプによる減圧作用は及ばなくなる。従って、真空
ホースの空間の気圧が、仮に大気圧の0.2倍とする
と、その負圧に釣り合う長さまでグラウトは吸引されて
進入し、グラウト柱30′になるが、先端迄は充填され
ずに、未充填部が真空ホース先端に空間部29′として
残ることになる。真空ホースの長さが長くなると、この
空間部29′の長さも長くなるので、図6に示すよう
に、この空間部29′がPC構造物の中に埋没しないよ
うに、予め検討して、真空ホースの長さは余裕をもった
長さにし、真空ホース中の空間部29′をPC構造物の
外から目視できるようにしておく必要がある。
【0026】以下に、真空ホース29の先端内部に発生
する空間部29′の長さの計算例を図7,8を参照して
示す。発生する空間部29′の長さをXcm、ダクト入
口から真空ホース先端迄の高さをAcm、真空ホースの
長さをBcmとする。 大気圧(1atm) 水銀柱760mmHg=76cm×13.6g =1033.6g 絶対真空 水銀柱760mmHg 到達真空 水銀柱700mmHg 実用真空 水銀柱600mmHg 水銀密度 13.6 g/cm3 グラウト密度 1.9g/cm3 実用真空(Pu)は、Pu=1−600/760=0.
21atm 真空ホース中の大気量は、 0.21B(cm) 真空ホースの空間部の気圧(y)は y=0.21B/xatm=0.21B/x×103
3.6 g/cm2 大気と接する迄のグラウト柱の長さ(L)は L=(A−x)cm グラウト柱の重さ(Z)は Z=L×1.9g=1.9(A−x)g/cm2 真空ホースの空間部の気圧(y)とグラウト柱の重さ
(Z)の合計が大気圧(1atm)と均合うので、次式
が成立する。 y十z=1atm ・・・・・・・・・・・・・・・(1) (1)式に夫々上式の値を代入し、単位を揃えると 0.21B/x×1033.6十1.9(A−x)=1033.6・・・(2) (2)式に、真空ホースの長さを65cmと仮定してA、Bの値を入れ、整理す ると次の一元二次方程式となる。 x2+474x−7425.6=0 ・・・・・・(3) (3)式の根を求めるとx=15.2cm以上の計算よ
り、真空ホースの先端に15.2cmの長さの空間部2
9′が発生する。この場合、真空ホースの長さを65c
m、真空ホースのダクトヘの取付位置をPC構造物の表
面から下、15cmにすると、高さ約50cmのグラウ
ト柱が真空ホースの中に生じ、グラウト柱の下部15c
mがPC構造物中にあり、その上の約35cmがPC構
造物の表面から外に出るので、更にその上の高さ15.
2cmの空間部は十分に目視可能であり、計算値に見合
ったこの空間部長がグラウト注入後に発生することによ
ってダクト内に設定された真空状態下でグラウトが充填
された証となる。つまり、PC構造物の表面から外に突
出した真空ホースを含めてダクトの内部が設定された負
圧であるため、構造物の表面上に突出した真空ホース中
にグラウト柱と、その上に計算値に見合った空間部が出
現するのである。
【0027】ダクトの真空ホース取付位置が更に深くな
った図9の場合について計算例を示す。真空ホースの長
さを2.5m、真空ホースのダクトヘの取付位置をPC
構造物の表面から下、1.5mの深さにした場合につい
て、前と同様に計算を行うと、次の一元二次方程式が得
られる。 x2+424x−28560=0・・・・・・・(3) x=59.1cmとなる。真空ホース先端に、59.1
cmの空間部が発生し、真空ホースのダクトヘの取付け
位置からのグラウト柱の高さは約1.9mになり、PC
構造物表面から突出した高さ1mの真空ホース中にグラ
ウト柱が約40cm出現するので、真空ホースの先端に
生じた高さ59.1cmの空間部は充分に目視可能であ
り、グラウト注入後のこの空間部29′の高さによって
ダクト内に設定された真空状態下でグラウトが充填され
たことが証明される。
【0028】以上で明らかなように、真空ホースのダク
トに対する取付位置がPC構造物の表面から下に深くな
る程、それに対応して真空ホースの長さを長くし、且つ
真空ホースがPC構造物の表面から突出する高さも高く
してグラウト柱の上に生じる空間部の全長を余裕をもっ
て目視できるようにする。それには前述したように長さ
が異なる数種類の真空ホースを用意し、真空ホースを取
付けるべきダクトの位置のPC構造物の表面からの深さ
に応じて、予め上記の計算を行って真空ホースの長さを
余裕をもって選択し、その真空ホースをダクトに取付け
るようにすればよい。
【0029】先に述べたように、グラウト注入には粘性
流体としての抵抗が働くので、真空負圧だけによる可能
注人長は数m程度が限度となるので、加圧注入が必要に
なる。従って、グラウト注入圧力が仮に5kg/cm2
になると、ボイル・シャルルの法則から、真空ホースの
空間部が大きく変動して5分の1以下になるが、これは
グラウトの充填度とは関係がなく、グラウト注人中に高
圧が保持された状態では計算値から大幅に小さくなるこ
とを知っておく必要がある。従って、空間部の長さの測
定は、グラウトの注入作業終了後、注入ホースと排出ホ
ースは開いた状態で、常圧で測定するものとする。注入
口と排出口に高低差がある場合は低い方を閉じ、高い方
を解放すればよい。
【0030】図6はグラウト注入作業終了後の真空ホー
ス29の状態を示す。真空ホースの先端部に空間部2
9′を残した状態でグラウト柱30′が充填されてい
る。この空間部29′の高さが上記の計算長とほゞ同じ
であれば、真空ホースに連通したダクト中に設定した真
空状態でグラウトが充填されたことを示す証となる。
【0031】尚、経験上、ダクト中に空隙等が発生する
可能性のある個所は予知可能であるので、真空ホースは
そのような位置に重点的に取付けるほか、ダクト内の充
填確認を必要とする位置にも取付ければよい。
【0032】図10は請求項6のPC構造物のダクト内
へのグラウトの注入充填方法の実施例の説明図である。
グラウトがダクト内に注入充填される順序は図2に示し
た請求項2の方法と同じであるが、真空ポンプの負圧が
設定負圧以下の状態で、真空スイッチと連動する無線送
信機によりグラウトポンプの運転を無線で遠隔自動制御
する点において異なる。
【0033】グラウトの注入充填は以下の通り行う。請
求項1、2、3の実施例の説明においては、低い真空度
(2.1×104パスカル、0.21atm)で、粘性
型グラウトを使用して注入充填を行った場合の実施例を
説明しているが、ここでは、高い真空度(102パスカ
ル、0.001atm)で、グラウトの粘性が低い低粘
性型グラウトを使用して注入充填を行った場合の実施例
について説明する。
【0034】グラウトの注入側においては、図2、請求
項2の方法と同じ順序で行われるが、グラウトポンプ7
に無線受信機120を設置し、無線送信機119からの
真空スイッチのON−OFF情報を受信して、グラウト
ポンプ7の運転用動力線の開閉を行うようにする。他方
のグラウト排出側では、真空ポンプ113の吸気口12
4を真空ポンプホース12、接続パイプ127、排出ホ
ース10を経て排出側グラウトキャップ3bに接続す
る。
【0035】真空槽114に接続するパイプに真空ゲー
ジ117、空気口121、三分岐バルブ122、真空ス
イッチ118、この真空スイッチ118と連動させた無
線送信機119、開閉バルブ123を設け、同パイプ下
端にグラウト排出用ボックス125を設け、その側面下
方に吸着開閉弁126を取付ける。
【0036】グラウトの注入充填に際しては、開閉バル
ブ123を開き、三分岐バルブ122は空気口121を
閉じてパイプ内を通気する状態にする。予め、このよう
にした後に、真空ポンプ113を連続運転してダクト内
の気圧を減圧していく。グラウト排出用ボックス125
の吸着開閉弁126は減圧により吸着されて自動的に閉
じられる。
【0037】真空槽114の負圧が真空スイッチ118
に設定した負圧102パスカル以下になると、真空スイ
ッチ118がOFFの状態からONの状態になり、無線
送信機119に連動して無線送信機119よりのON情
報が送信され、グラウト注入側のグラウトポンプ7に設
けられた無線受信機120に受信され、受信されたON
情報によりグラウトポンプ7の運転用動力線回路に通電
してグラウトポンプ7の運転が無線で遠隔制御されて行
われ、グラウト注入側ダクトにグラウトが注入充填され
る。
【0038】ダクトに注入充填されたグラウトはダクト
中を進行し、ダクト頂部に達すると、グラウトの性質が
低粘性の場合には図11に示すように、ダクトの頂部か
ら曲げ下って配置された箇所では、グラウト130の流
れは(1)から(5)のように注入充填されていく。グ
ラウトの流れはダクトの頂部水平部(a〜b)迄はダク
トの断面を充満して進行するが、頂部を過ぎて下り勾配
になると粘性が低いのでグラウトは先流れ現象を起して
(1),(2)のように流れて進行する。
【0039】グラウトが先流れを続けて、ダクトの底部
水平部に進むと、(3)に示すように、底部(e〜f)
の後方d点附近でグラウトが充満して、b,c,d点間
のダクト上方の真空空間(A)が遮断されて閉じ込めら
れる。グラウトは、その後、底部の水平部、上り勾配部
のダクト中を充満しながら進行してダクト排出側より排
出される。
【0040】ダクト排出側の排出ホース10、真空ポン
プホース12中をグラウトが通過するのを透視して確認
した後、速やかに開閉バルブ123を閉じ、三分岐バル
ブ122を操作して真空槽114との通気を閉じると同
時に空気口121が開いてパイプ内に空気が導入し、減
圧により真空スイッチ118がOFF作動する。真空ス
イッチ118と連動した無線送信機119よりOFF情
報が送信され、グラウトポンプ7の無線受信機120に
受信されて、グラウトポンプ7は即停止する。
【0041】真空ポンプホース12中を流れてきたグラ
ウトはグラウト排出用ボックス125中に溜り、吸着開
閉弁126がグラウト注入圧で押し開かれて自動的に排
出される。尚、真空槽114内のじょうろ型の受け部に
はダクト中より吸引された水等の残留水を排出する役目
をする開閉弁116が設けられている。前述の図11,
(3)に示す真空空間(A)は、102パスカル(0.
001atm)の真空であるから、この空間が閉じられ
た瞬間に(4)の真空空間(B)に収縮し、更に収縮し
て(5)の大気空間(C)に収縮する。
【0042】この大気空間(C)の体積は、PC鋼材1
2S15.2、ダクト内径75mmの場合について、図
11,(3)に示すダクトc点において、グラウトが半
分しか充填されていない(このような状態は通常ありえ
ない)と仮定して計算すると以下のようになる。 ダクト内径 φ75mm 断面積S1=44.18cm2 PC鋼材 12S15.2 断面積S2=16.64cm2 ダクト内空面積 S=S1−S2=27.5cm2
【0043】図11,(3)において、L1,L2,L
3を各々4.0mと仮定し、c点の真空空間の面積をダ
クト内空面積の1/2とし、b点、d点は空間の始点、
終点であるから0とする。 c点の真空空間面積 Sc=S/2=27.5/2=13.8cm2 真空空間体積 VA=Sc/2×(L1+L2) =13.8/2×(400+400) =5.520cm3 この真空空間体積を大気空間体積に換算すると 大気空間体積 VC=VA×102パスカル=5.520×0.001 =5.5cm3 となる。
【0044】次に、図11,(5)に示すb点上に真空
ホース129をダクトに分岐して設置しておくと、 真空ホース129は、 φ16mm,l=100cmとすると 真空ホース中の空体積 Vl=πD2l/4=π×1.62×100/4 =201cm3 真空ホース中の大気体積 Va=Vl×102パスカル=201×0.001 =0.2cm3 となる。 大気空間(C)が真空ホース129中に吸収されて消滅し、 真空ホース中の気圧(P)は P=(VC+Va)/(VC+Vl)=(5.5+0.2)/(5.5+2 01) =0.028atm となる。
【0045】請求項3の実施例の説明において、ダクト
中の気圧を0.21atmにして、グラウトを注入充填
した場合に真空ホース中にグラウト柱が部材外部に発生
することは示されているので、真空ホース中の気圧が
0.21atmより小さいので、グラウト柱が部材外部
迄上昇し、ダクト中に確実にグラウトが充填されるよう
になる。真空ホース中のグラウト柱は、0.028at
mの高真空との釣り合い条件迄上昇して、ダクト中の気
圧が0.21atmの場合より更に高く迄出現すること
になる。ダクト中の気圧を103パスカルにした場合で
は、真空ホース中の気圧が0.22atm程度になり、
0.21atm以上になるので、グラウト注入充填中に
発生する大気空間(C)を完全に除去するためには、ダ
クト中を102パスカルの程度の真空にしておく必要が
ある。
【0046】以上、この発明の負圧下におけるグラウト
の注入充填方法と、その装置及びグラウト充填確認装置
付きダクトの実施形態について説明したが、この発明は
その要旨を変えることなく、実施条件に応じて変化、応
用し得ることはいうまでもなく、グラウト注入終了時の
グラウトポンプの停止は、真空スイッチを設けているグ
ラウトポンプの電気回路に別にスイッチを設けて、これ
と真空ポンプの電源スイッチを同時に操作できるように
すると、真空スイッチの作動を待たずに、グラウトポン
プを停止でき、注入圧力過大によるホースの離脱等のト
ラブルを防ぐことができる。又、真空ホース中のグラウ
トは、グラウトの注入圧力により上下に移動し、その際
ホース内壁にグラウトが付着するので、真空ホースの内
壁をフッ素樹脂等で被膜加工をしておくと、撥水作用に
よりグラウトの付着を防ぎ、空間部29′とグラウト柱
30′を明瞭に識別できる。
【0047】
【発明の効果】請求項1、2、3、4によれば、真空ポ
ンプを連続運転してダクト内部を減圧し、ダクト内の気
圧が設定負圧以下の真空状態下でのみグラウトポンプを
運転してグラウトを注入することを繰返して充填するの
で、ダクトがどのように長くてもダクト内の全断面にグ
ラウトを充実して確実に充填することができる。
【0048】そして、請求項2、4によって、真空ポン
プの設定負圧以下でグラウトポンプが自動的に運転して
グラウトの注入充填を行い、設定負圧以上になるとグラ
ウトポンプを自動的に停止し、真空ポンプでグラウトポ
ンプの発停を自動制御できる。又、請求項3によってP
C構造物の表面から突出する真空ホース中を上昇したグ
ラウト柱と、その上に残った空間部を目視し、その空間
部の高さによってダクトの、真空ホースが取付けられた
個所におけるグラウトの充実した充填状況が確認でき
る。
【0049】グラウト充填の確認方法としては、近年、
非破壊検査による方法としてX線透過法、衝撃弾性波
法、中性子による検査法、放熱抵抗計測センサーによる
方法等が種々研究されているが、X線透過法では適用部
材厚が40cm程度迄で限度があり、又、同じ高さに複
数のダクトが配置された場合には映像が重なって撮影さ
れダクト別の判定ができない等の難点がある。その他の
方法でも、長いダクトには適用できない、空気や水が混
在する状態での測定値から充填度を判定するのが複雑で
困難、センサー接触表面部分の測定はできるが、グラウ
ト充実度の判定にはならない、等の理由からダクト全長
に亙ってしかも断面全体についてのグラウトの充実度を
正確に判定できる充填確認方法は未だ開発されていない
と言える。
【0050】これに対して請求項3によれば、ダクト
の、真空ホースが取付けられた個所におけるグラウトの
充実した充填状況が目視で確認できるため、ダクト中の
空隙が発生し易い曲げ下がり部のほか、充填の確認を必
要とする個所に真空ホースを取付け、その個所でのグラ
ウトの充填状況を容易に知ることができる。しかも、セ
ンサー等の設置や、配線の必要がなく、測定機器も不要
で、測定結果の複雑な解析等もないので専門技術者を必
要とせず、グラウト注入作業後、すぐに判定できる。
【0051】請求項5によりPC構造物の外からダクト
内へのグラウトの充填状況が目視で確認できるダクトが
得られる。
【0052】請求項6の方法により、ダクト注入側と排
出側の距離はPC桁が大きくなると100m余になるこ
ともあり、グラウトポンプと真空ポンプに設けた真空ス
イッチを接続する電線の配置は、現場で準備、後始末に
手間がかかり、電線のショートや電圧降下等のトラブル
が発生することもあるので作業上煩わしく不便な面があ
ったが、無線によりON−OFF情報を伝達してグラウ
トポンプを操作できるので非常に簡便となり作業能率を
向上させる。従来は、水封式真空ポンプ(104パスカ
ル、0.1atm程度迄)が一般的であったが、近年の
真空ポンプの発達により油回転式真空ポンプによる高真
空(102パスカル、0.001atm)を土木現場に
も適用可能になってきたので、ダクト内を高真空にし
て、真空ホースを使用した充填方法を併用することによ
り、低粘性型のグラウトも確実に充填可能になった。ま
た、真空ホースによりその充填確認ができる。高粘性型
のグラウトの注入充填においても、高真空を適用するこ
とにより、真空ホース中にダクト内の残留空気を更に吸
引して部材外に除去可能になり、ダクト全長に亘って密
実なグラウトの充填を可能にする等改善ができる。ま
た、真空ホース中に吸引されるグラウト柱は高真空によ
りさらに高くなるので、真空ホースの長さを短くできる
メリットもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1の実施例の説明図。
【図2】本発明の請求項2、請求項4の実施例の説明
図。
【図3】図2の自動圧力弁ノズルの拡大断面図。
【図4】本発明の請求項3に使用された請求項5の、一
部を拡大したダクトの立面図。
【図5】本発明の請求項3の実施例の要部の説明図。
【図6】本発明の請求項3によるPC構造物の斜視図。
【図7】請求項3により真空ホース中にグラウトが進入
し、その上に空間部を形成している状態の一例の説明
図。
【図8】図7の原理図。
【図9】請求項3により真空ホース中にグラウトが進入
し、その上に空間部を形成している状態の他の一例の説
明図。
【図10】請求項6の実施例の要部の説明図。
【図11】ダクト内におけるグラウトの流れの説明図。
【符号の説明】
1 PC構造物(PC桁) 2 ダクト 3a 注入側グラウトキャップ 3b 排出側グラウトキャップ 4 注入ホース 6 グラウトポンプのホース 7 グラウトポンプ 10 排出ホース 12真空ポンプのホース 13,113 真空ポンプ 14,114 真空ポンプの真空槽 15,124 真空ポンプの吸気口 17,117 真空ポンプの真空ゲージ 18,118 真空スイッチ 20 電線 29 真空ホース 29′ 真空ホースの空間部 30 グラウト 30′ 真空ホース中のグラウト 119 無線送信機 120 無線受信機 122 三分岐バルブ 123 開閉バルブ 125 グラウト排出用ボックス 126 吸着開閉弁

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PC構造物に設けられたダクトヘのグラ
    ウトの注入充填方法において、 ダクトのグラウト注入側にグラウトポンプを設置し、ダ
    クトのグラウトの排出側に真空ポンプを設置し、グラウ
    トポンプの吐出口とダクト注入口とをホースで接続し、
    ダクトのグラウト排出口と真空ポンプの吸気口とをホー
    スで接続し、真空ポンプを連続運転してダクト内の気圧
    を減圧し、ダクト内の気圧が真空状態のときにグラウト
    ポンプを運転してグラウトを注入充填することを特徴と
    するPC構造物のダクト内へのグラウトの注入充填方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のPC構造物のダクト内
    へのグラウトの注入充填方法において、 真空ポンプには、設定負圧以下ではON、設定負圧以上
    ではOFFに作動する真空スイッチを設け、グラウトポ
    ンプの運転用動力線回路に上記真空スイッチを接続し、
    真空スイッチのON−OFF作動によりグラウトポンプ
    の運転、停止を制御して真空ポンプの気圧が設定負圧以
    下でグラウトポンプを運転してグラウトの注入充填を行
    い、設定負圧以上になるとグラウトポンプを停止するよ
    うにし、ダクト内の気圧が設定負圧以下の真空状態下で
    のみグラウトの注入充填を行うようにしたことを特徴と
    するPC構造物のダクト内へのグラウトの注入充填方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1、請求項2のどれか1項に記載
    のPC構造物のダクト内へのグラウトの注入充填方法に
    おいて、 PC構造物中に配置するダクトの適当な位置に、ダクト
    と連通分岐して先端が閉じた透視可能な真空ホースを接
    続し、その先端部をPC構造物の外に突出させたことを
    特徴とするPC構造物のダクト内へのグラウトの注入充
    填方法。
  4. 【請求項4】 PC構造物に設けられたダクトのグラウ
    ト注入側に設置されたグラウトポンプと、ダクトのグラ
    ウト排出側に設置されて連続運転される真空ポンプと、
    グラウトポンプの吐出口とダクトの注入側とを接続する
    ホースと、ダクトのグラウト排出口と真空ポンプの吸気
    口とを接続するホースと、前記真空ポンプに設けられ、
    設定負圧以下ではON、設定負圧以上ではOFFに作動
    する真空スイッチとを備え、上記真空スイッチをグラウ
    トポンプの運転用動力線回路に接続し、上記真空スイッ
    チのON−OFF作動によりグラウトポンプの運転、停
    止を制御して真空ポンプの気圧が設定負圧以下でグラウ
    トポンプを運転してグラウトの注入充填を行い、設定負
    圧以上になるとグラウトポンプが停止するようにしたこ
    とを特徴とするPC構造物のダクト内へのグラウトの注
    入充填装置。
  5. 【請求項5】 PC構造物中に配置され、その内部にグ
    ラウトが注入充填されるダクトの適当な位置に、透視可
    能で、先端が閉じ、先端部がPC構造物の外に突出する
    長さを有する耐圧、耐負圧構造の真空ホースを連通分岐
    して設けたことを特徴とするグラウト充填確認用ダク
    ト。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載のPC構造物のダクト内
    へのグラウトの注入充填方法において、 真空ポンプに真空スイッチのON−OFF情報を送信す
    る無線送信機を設け、グラウトポンプには送信された情
    報を受信する無線受信機を設けて、送信されたON−O
    FF情報によりグラウトポンプの運転用動力線回路の開
    閉を行い、グラウトポンプの運転、停止を無線で行うよ
    うにしたことを特徴とするPC構造物のダクト内へのグ
    ラウトの注入充填方法。
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