JP4982666B2 - Pc構造物におけるpc緊張材挿通用シース内へのグラウトの注入方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポストテンション方式PC構造物のPC緊張材挿通用シース内へのグラウト注入に際し、空気溜りを容易かつ確実に除去することができる、PC構造物におけるPC緊張材挿通用シース内へのグラウトの注入方法に関する。
一般に、構造物をコンクリート等の構造物を構築した後にプレストレスを導入するポストテンション方式PC構造物においては、構造物にPC緊張材挿通用シースを埋設又は外面に添わせる(外ケーブル)ようにして配置させておき、これにPC緊張材を挿通して緊張・定着した後にPC緊張材挿通用シースの内壁とPC鋼材との間に、セメントと水と混和剤との混合物であるグラウトが注入し、PC緊張材挿通用シース内の空隙を埋め、これによってPC緊張材の防錆を図るとともに、PC緊張材と構造物との一体化を図り、プレストレスの分布を安定化させている。
このグラウトの注入・充填が不十分で、PC緊張材挿通用シース内にグラウトが充填されていない空隙部、いわゆる空気溜りが残されると、この空隙部に長年月間に外部から水が侵入し、PC鋼材が腐食し、断線するおそれが生じる。
このような空気溜りの発生は、透明の試験シースを使用して検証した結果、シースが上下方向に湾曲して配設されている場合に、図7(a)に示すようにシース1内をグラウト2が流れ、山の頂上部1aから谷へ向かう下降部1bに移行する際に、圧入速度より速い流速で流下する、いわゆる先流れが生じ、その結果図7(b)に示すように先に流れたグラウトが、谷の底部分を先に埋めてしまい、山の下降部分に残された空気が空気溜り3となることが判明している。
PC緊張材挿通用シース内へのグラウト注入を効率よく行うには、流動性のよいグラウトが望ましい。しかし、低粘性のグラウトでは高速注入(毎分30リットル以上)を行ってもほとんどの場合頂上部ないし下降部で先流れが起こり、先流れが起こりにくいとされる高粘性のグラウトでもシースが太径になると多くの場合先流れが生じ、空気溜りの発生は免れ得ない。
このグラウト2の先流れによって生じる空気溜りの防止策としては、従来、図8に示すように、PC緊張材挿通用シース1の頂上部1aないし下降部の高所付近手前に排気用グラウトホース4を配設し、PC緊張材挿通用シース1内に取り残された空気を排気用グラウトホース4を通じて排出させる方法がとられている。
この排気用グラウトホース4による残留空気の排気は、有効な手段ではあるが、排気用グラウトホース4の取付位置、取付本数、内径、高さ等によって空気溜りが消失するか、残留するかが決まる不安定さがある。
また、PC緊張材挿通用シース1内に大きな空気溜りの発生が予測される場合には、空気溜りにグラウト2を再注入することも行われている。この方法は、図9に示すように、注入用グラウトホース5を排気用グラウトホース4と併設しておき、注入用グラウトホース5からグラウト2を注入することによって空気溜りに残された空気を排気用グラウトホース4,4から排出する。
一方、このような空気溜りの発生を防止するため、従来は、グラウトの粘性を高めることによって前述した先流れを防止し、かつグラウトが高粘性であるがため注入効率(注入時間長さ)の悪化を補うために排出側を減圧する方法が採られている(例えば特許文献1及び2)。
特許文献1(特許第3584024号公報)では、空気溜りの発生しやすい位置に、シースと連通分岐し、透視可能で、先端が閉じ、先端部がPC構造物外に突出する長さを有する耐圧、耐負圧構造の真空ホースを設け、真空ポンプの運転によって減圧された真空ホース内に、注入グラウトが残留空気を圧縮しながら侵入・上昇するのを利用してPC緊張材挿通用シース内へのグラウトの充填状態を確認するようにした工法が示されている。
また、特許文献2には、空気溜り発生予想位置に分岐路を連通させ、その分岐路(排出用グラウトホース)の先端を構造物外に出し、その先端に密閉容器を取り付けておき、シースの排出端側から真空ポンプによってシース内を減圧することによって密閉容器内を減圧状態にしておき、この状態で注入側からグラウトを圧入することにより、空気溜り発生予想位置において発生する空気溜りが減圧状態の密閉容器に内に吸引されることによって空気溜りの発生を防止せんとしている。
特許第3584024号公報 特開2006−132201号公報
PC緊張材挿通用シースのグラウト排出側に接続した真空ポンプを運転してPC緊張材挿通用シース内を減圧した後、PC緊張材挿通用シースのグラウト注入側に接続した圧送ポンプによってグラウトを注入する真空引き工程を含むグラウト注入工法の場合、圧送ポンプのみによるグラウト注入工法に比べてグラウトの先流れはかなり遅れて発生し、また先流れによって閉じ込められる空気も希薄なため、発生する空気溜りも小さいものとなるが、皆無となる保証はない。
また、特許文献1の特許第3584024号公報に開示されている発明では、減圧された真空ホース内に、注入グラウトが残留空気を圧縮しながら侵入・上昇するのを利用してその位置にグラウトが充填されたことを確認しているが、PC緊張材挿通用シース内の気圧を常に設定負圧以下の状態にしてグラウトの注入がなされなければならないので、グラウトの注入に伴うPC緊張材挿通用シース内の圧力上昇速度が真空ポンプによる減圧速度を超えると注入ポンプの運転を停止してPC緊張材挿通用シース内を設定負圧まで下げる必要があり、前記圧送ポンプの運転と停止を繰り返さなければならないことになる。
更に、特許文献2の特開2006−132201号公報に示されている発明では、密閉容器をPC緊張材挿通用シースに連通させておき、排出側の真空ポンプによってPC緊張材挿通用シース内を減圧することによって、同時に密閉容器内をも減圧させるものであるため、PC緊張材挿通用シース内及び密閉容器内からなる互いに連通した空間の減圧状態を維持させるために、配管内の密閉状態を高度に維持させる必要が生じ、そのためのグラウト注入前の作業に多大の労力と、高い精度を要するという問題がある。
本発明は、このような従来の問題に鑑み、従来の真空ポンプを使用して真空ホースや密閉容器内をPC緊張材挿通用シース内とともに減圧する方法のように、グラウト注入前の高精度で工数の多い作業を要することなく、容易かつ的確に空気溜りを除去することができるPC構造物におけるPC緊張材挿通用シース内へのグラウトの注入方法の提供を目的としてなされたものである。
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明の特徴は、ポストテンション方式PC構造物の構築に際し、構造物に設置したPC緊張材挿通用シース内に挿通したPC緊張材を緊張しプレストレスを導入させた後に、前記シース内の一端側からグラウト圧送ポンプによってグラウトを注入するPC構造物におけるPC緊張材挿通用シース内へのグラウトの注入方法において、
グラウト圧送ポンプによるグラウト注入によって前記PC緊張材挿通用シース内に空気が閉じ込められる恐れのある空気溜り発生予想位置に、あらかじめ上方に向かって連通分岐する耐真空圧性の材料からなる分岐路を設けておき、前記グラウトの注入先端が前記分岐路を通過した後に該分岐路に減圧容器を連通させて前記分岐路内を減圧させることによって前記空気溜り内の空気を排出させることにある。
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記減圧容器は、その全部又は1部に内部が透視できる透視可能材料を使用したものを使用し、該減圧容器内を予め減圧した状態に密閉しておき、施工現場において前記減圧容器を、開閉弁を介して前記分岐路に連通させ、該開閉弁を開くことによって前記分岐路内を減圧させることにある。
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2のいずれか1に記載の構成に加え、前記減圧容器は、合成樹脂又はガラス製の透明な耐圧容器であって、該容器に開閉弁によって開閉される吸排気路を連通させた耐真空圧性の合成樹脂容器を使用することにある。
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1〜3のいずれか1に記載の構成に加え、前記空気溜り発生予想位置は、透明な試験用シースを、施工現場のPC構造物におけるPC緊張材挿通用シースの設置条件と同様の状態に設置した試験設備を使用し、該試験用シース内へ、実施工において使用するグラウト圧送ポンプを使用し、実施工と同様の注入条件でグラウトを注入することにより、予め空気溜り発生位置を特定しておくことにある。
本発明においては、請求項1のように、グラウト圧送ポンプによるグラウト注入によってPC緊張材挿通用シース内に空気が閉じ込められる恐れのある空気溜り発生予想位置に、あらかじめ上方に向かって連通分岐する耐真空圧性の材料からなる分岐路を設けておき、グラウトの注入先端が前記分岐路を通過した後に該分岐路に減圧容器を連通させて前記分岐路内を減圧させることにより、グラウトの先流れによって発生する空気溜りが、分岐路を通して排出され、PC緊張材挿通用シース内への完全なグラウト注入がなされることとなり、また、特にPC緊張材挿通用シース内を予め減圧させておく必要がないため、減圧のための密閉性は、分岐路部分にのみ維持されれば良く、従来の真空ポンプによってPC緊張材挿通用シース内を減圧する方法に比べ、減圧維持のための密閉作業が容易となる。更に、従来の先流れ防止のために高粘性グラウトを使用する工法に比べ、流動性の高いグラウト(低粘性グラウト)を使用できるため、充填時間も短いものとできる。
また、本発明は、請求項2に記載のように減圧容器は、その全部又は1部に内部が透視できる透視可能材料を使用したものを使用し、該減圧容器内を予め減圧した状態に密閉しておき、施工現場において前記減圧容器を、開閉弁を介して前記分岐路に連通させ、該開閉弁を開くことによって前記分岐路内を減圧させるようにすることにより、予め内部を減圧状態にした減圧容器の現場への搬入が容易となり、しかもその容器は再利用することができ経済性が高い。また、空気溜りの除去状況は、減圧容器内へのグラウトの吐出を外部から目視することによって容易に把握することができる。
更に、本発明は、請求項3に記載のように、前記減圧容器は、合成樹脂又はガラス製の透明な耐圧容器であって、該容器に開閉弁によって開閉される吸排気路を連通させた耐真空圧性の合成樹脂容器を使用することにより、軽量で運搬が容易であり、現場における作業性が向上する。
更に、本発明は、請求項4に記載のように、前記空気溜り発生予想位置は、透明な試験用シースを、施工現場のPC構造物におけるPC緊張材挿通用シースの設置条件と同様の状態に設置した試験設備を使用し、該試験用シース内へ、実施工において使用するグラウト圧送ポンプを使用し、実施工と同様の注入条件でグラウトを注入することにより、予め空気溜り発生位置を特定しておくことにより、空気溜り位置の想定の的確性が高まり、予想外の空気溜り発生を未然に防ぐことができる。
本発明の実施の形態を、実施例の図面に基づいて説明する。
図1は本発明方法を実施するためのコンクリート構造体10内にPC緊張材挿通用シース11設置した状態の断面図を示しており、PC緊張材挿通用シース11は、コンクリート構造体10のコンクリート打設前に図示しない鉄筋とともに設置するものである。このPC緊張材挿通用シース11には、予め実験によって特定したグラウト注入後の空気溜り発生予想位置に分岐路12を、気密を維持させた状態に連通させておき、その分岐路12の上端をコンクリート構造物の上面から上方に突出させておく。
分岐路12は図2、図3に示すように、例えば透明アクリル樹脂パイプからなる耐真空圧性を有するパイプ13の一端を、固定用プレート14に貫通させて互いに一体化させた分岐路ユニットを使用し、PC緊張材挿通用シース11の分岐路連通位置に分岐路用開口15をあけ、この開口15にパイプ13の先端を整合させ、開口15の周囲とパイプ先端間に気密シール用のパッキン16を介在させ、固定用プレート14締結ベルト17によってPC緊張材挿通用シース11に固定することにより設置する。
このようにして複数の分岐路12を空気溜り発生予想位置に設置した状態でコンクリートを打設し、コンクリート構造物10を造成する。
尚、空気溜り発生予想位置は、グラウト充填試験設備を使用して特定する。この設備は透明な試験用シースを使用し、実施工と同一条件にてグラウト注入試験を行う。ここに言う同一条件とは、シースに関しては、シースの形状、断面、充実率、長さ、3次元配置などの条件、グラウト注入に関しては、注入圧、注入速度、流量、グラウト粘性などの条件、設備に関しては、ミキサー、圧送ポンプ、注入用ホースなどの条件をいい、これらを実施工と同様の条件にしてグラウト注入試験を行う。
図4はグラウト注入試験配管20を足場鋼管21に支持させて設置したものであり、この内部に実際に使用するものと同じPC緊張材22を挿通し、これに張力を与え、実際のPC緊張材挿通状態と同様の状態を形成する。試験配管20に使用するシースには、ABS、ビニロン、エチレンアイオノマー樹脂などが使用できる。
次いで、配管20の一端側よりグラウトを圧入によって注入する。このようにして使用するグラウト毎に、どの位置に空気溜りが発生するかを実証し、空気溜り発生予想位置を予め特定しておく。
このように事前に試験を行うことにより、グラウト充填時におけるくだり勾配部分での先流れによる空気溜りの発生のみならず、他の条件によって発生する空気溜り位置をも特定できる。
尚、先流れを想定したシース配管の一部分に限った部分モデルによる試験では、先流れの微妙な発生過程を再現できず、また配管全体における空気溜り発生位置の特定はできないため、実施工と同一規模における事前テストが重要となる。
このようにして造成されたコンクリート構造物10のPC緊張材挿通用シース11内に、従来と同様にしてPC緊張材22を挿通し、その両端をコンクリート構造物10に支持させて緊張定着しプレストレスを導入する。
次いで、PC緊張材挿通用シース11内に、その一端側から注入ポンプ23を使用してグラウトを圧入する。尚、このグラウト圧入に先立ち、前記分岐路12の上端は施栓24によって閉栓し、シース内に圧入されるグラウトが分岐路12から外部に噴出さないようにしておく。
このようにしてグラウト注入作業を、PC緊張材挿通用シース11の他端側まで注入した後、ポンプによるグラウト注入を継続させつつ空気溜り除去作業、即ち発生している空気溜りbの空気を抜いてグラウトを充填する作業を行う。
この空気溜り除去作業には、図5に示す如き減圧容器30を使用する。この容器30は、例えば耐真空圧性を有する透明な合成樹脂又はガラス製の耐圧製容器を使用する。該容器に使用できる合成樹脂材料としては、例えば、アクリル、ポリエチレン、ポリカーボネートがある。
容器30は、上面開口型の容器本体30aと、その上面開口を開閉する密閉蓋30bとからなっており、容器本体30aの胴部には内部に連通する注排気路31が設けられ、この注排気路31に開閉弁32が設けられている。そして注排気路31の先端が前述した分岐路12の先端を連通させる継ぎ手部33となっている。
この減圧容器30内を、現場又は減圧設備のある工場等で予め真空ポンプを使用して空気溜り除去作業に必要な真空度まで減圧しておく。これを前述したコンクリート構造物10上に搬入し、継ぎ手部33に構造物10上に突出している分岐路12を、気密をもたせた状態に連結する。この状態で注排気路31の開閉弁32を開く。これによって分岐路12内が減圧され、分岐路12のPC緊張材挿通用シース側開口部分にある空気溜りbが分岐路12を通して減圧容器30内に吸引される。
この時、図6(a)に示すように、先ず空気溜りbの空気が排出され、これが完了すると同図(b)に示すように、空気溜りb周囲のグラウトaが空気溜りbを埋め、分岐路12から減圧容器30内に吸引される。この両吸引状態を容器外から目視して空気溜りの除去を確認する。然る後、開閉弁32を閉じて1箇所の空気溜り除去作業を終了する。
これを各分岐路12毎に行う。尚、減圧容器30の容量を数回の空気溜り除去作業が可能にしておき、数回の空気溜り除去作業を1つの減圧容器30を使用して行うことも可能である。
このようにして空気溜りbの除去作業を行った後の使用済み減圧容器30は、内部を洗浄して再度の使用に供する。上述のように蓋体30aによって容器本体30aの上方開口を開閉できる密閉容器を使用することにより、再使用の際しての洗浄作業が容易となる。
また、この例では、全体が透明な合成樹脂容器を使用しているが、内部が視認できる程度の半透明であっても良く、また、全体がではなく一部が透明又は半透明であってもよい。
またこの例では、PC緊張材挿通用シースの一端側の注入側端部から他端側の排気側端部までの全体にグラウトaを注入した後に空気溜り除去作業を行っているが、例えばグラウトの充填量を計測するなどの方法によって、充填されているグラウトの進行先端部を把握し、各分岐路位置のPC緊張材挿通用シース部位にグラウトaが充填されたことを確認した後であれば、空気溜り除去作業が可能である。
更に、前述した空気溜り発生予想位置特定のためのグラウト充填試験は、全ての現場において予め実施することは必ずしも必要ではなく、使用するグラウトの粘性、PC緊張材挿通用シースの口径や充実率、更に上下方向の湾曲度(下り勾配の角度)に応じ、過去の試験結果、実績、経験に基づいて空気溜り発生予想位置を特定しても良い。
述したようにこの方法では、グラウト注入は真空圧を利用しない加圧注入であるため、PC緊張材挿通用シース11の密閉度を問題にする必要がなく、形成する連結する真空度を維持できないスパイラルシース(亜鉛メッキ鋼管)を使用したPC緊張材挿通用シースであっても実施が可能である。
また、使用する減圧容器30内の減圧状態は、その内部を減圧させる際の真空ポンプ等の減圧設備によって設定するものであるため、容器毎に圧力計を必要とせず、簡易な容器が使用でき、更に、予め減圧した減圧容器30を搬入して使用できるため、従来の加圧注入・減圧吸引式のグラウト注入に比べ、施工現場における減圧作業が不要となって工期が短縮され、使用する設備が少なく、経済効果が高い。
本発明方法におけるPC緊張材挿通用シース配設状態を示すコンクリート構造物の断面図である。 同上のPC緊張材挿通用シースに対する分岐路の連結状態を示す側面図である。 図2中のA−A線断面図である。 本発明の実施に際して事前に行う空気溜り発生予想位置決定のためのグラウト充填試験設備を示す正面図である。 本発明に使用する減圧容器の一例を示す縦断面図である。 (a)(b)は空気溜りの空気が排出される状態を示す説明図である。 空気溜り発生の説明図である。 従来の空気溜りの防止策の一例を示す説明図である。 従来の空気溜りの防止策の他の例を示す説明図である。
符号の説明
a グラウト
b 空気溜り
10 コンクリート構造体
11 PC緊張材挿通用シース
12 分岐路
13 パイプ
14 固定用プレート
15 分岐路用開口
16 パッキン
17 締結ベルト
20 グラウト注入試験配管
21 足場鋼管
22 PC緊張材
23 注入ポンプ
24 施栓
30 減圧容器
30a 容器本体
30b 密閉蓋
31 注排気路
32 開閉弁
33 継ぎ手部

Claims (4)

  1. ポストテンション方式PC構造物の構築に際し、構造物に設置したPC緊張材挿通用シース内に挿通したPC緊張材を緊張しプレストレスを導入させた後に、前記シース内の一端側からグラウト圧送ポンプによってグラウトを注入するPC構造物におけるPC緊張材挿通用シース内へのグラウトの注入方法において、
    グラウト圧送ポンプによるグラウト注入によって前記PC緊張材挿通用シース内に空気が閉じ込められる恐れのある空気溜り発生予想位置に、あらかじめ上方に向かって連通分岐する耐真空圧性の材料からなる分岐路を設けておき、前記グラウトの注入先端が前記分岐路を通過した後に該分岐路に減圧容器を連通させて前記分岐路内を減圧させることによって前記空気溜り内の空気を排出させることを特徴としてなるPC構造物におけるPC緊張材挿通用シース内へのグラウトの注入方法。
  2. 前記減圧容器は、その全部又は1部に内部が透視できる透視可能材料を使用したものを使用し、該減圧容器内を予め減圧した状態に密閉しておき、施工現場において前記減圧容器を、開閉弁を介して前記分岐路に連通させ、該開閉弁を開くことによって前記分岐路内を減圧させる請求項1に記載のPC構造物におけるPC緊張材挿通用シース内へのグラウトの注入方法。
  3. 前記減圧容器は、合成樹脂又はガラス製の透明な耐圧容器であって、該容器に開閉弁によって開閉される吸排気路を連通させた耐真空圧性の合成樹脂容器を使用する請求項1又は2のいずれか1に記載のPC構造物におけるPC緊張材挿通用シース内へのグラウトの注入方法。
  4. 前記空気溜り発生予想位置は、透明な試験用シースを、施工現場のPC構造物におけるPC緊張材挿通用シースの設置条件と同様の状態に設置した試験設備を使用し、該試験用シース内へ、実施工において使用するグラウト圧送ポンプを使用し、実施工と同様の注入条件でグラウトを注入することにより、予め空気溜り発生位置を特定しておく請求項1〜3のいずれか1に記載のPC構造物におけるPC緊張材挿通用シース内へのグラウトの注入方法。
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