JP6144541B2 - グラウト再注入方法及びキャップ部材 - Google Patents

グラウト再注入方法及びキャップ部材 Download PDF

Info

Publication number
JP6144541B2
JP6144541B2 JP2013117229A JP2013117229A JP6144541B2 JP 6144541 B2 JP6144541 B2 JP 6144541B2 JP 2013117229 A JP2013117229 A JP 2013117229A JP 2013117229 A JP2013117229 A JP 2013117229A JP 6144541 B2 JP6144541 B2 JP 6144541B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grout
injection
sheath tube
cap member
tube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013117229A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014234647A (ja
Inventor
和也 ▲崎▼谷
和也 ▲崎▼谷
俊也 井隼
俊也 井隼
謙一 高橋
謙一 高橋
博 渡瀬
博 渡瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oriental Shiraishi Corp
Original Assignee
Oriental Shiraishi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oriental Shiraishi Corp filed Critical Oriental Shiraishi Corp
Priority to JP2013117229A priority Critical patent/JP6144541B2/ja
Publication of JP2014234647A publication Critical patent/JP2014234647A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6144541B2 publication Critical patent/JP6144541B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Description

本発明は、橋梁の主桁等の既設構造物の内部にグラウトを充填するグラウト再注入方法及びこれに用いられるキャップ部材に関するものである。
従来より、コンクリート内部のシース内に挿通されたPC鋼材の腐食を防止することを目的として、例えば、特許文献1に開示されたグラウト再注入方法が提案されている。
特許文献1に開示されたグラウト再注入方法は、プレストレストコンクリート構造物のグラウト充填不良箇所を特定し、グラウト充填不良箇所でコンクリート構造物を削孔して複数の連通孔を形成するとともに、一方の連通孔に真空ポンプを接続してグラウト充填不良箇所の内部の空気を吸引し、他方の連通孔からグラウト充填不良箇所にグラウトを注入するものである。
例えば、特許文献1に開示されたグラウト再注入方法のように、従来のグラウト再注入方法においては、図14に示すように、コンクリート構造物90の内部で、シース91の管内91aで既存グラウト92が十分に充填されていないグラウト充填不良箇所92aに、連通孔93を通じて、樹脂製のホース94で新たなグラウト9が注入されるものとなる。
特開2005−23567号公報
しかし、従来のグラウト再注入方法においては、新たなグラウト9が連通孔93を通じて注入されるものであり、連通孔93におけるシース91とホース94とが離間されて設けられ、広い空間が形成されることから、この空間で新たなグラウト9が充填されていない空気溜まり96が形成され、コンクリート構造物90の強度が低下するという問題点があった。
また、従来のグラウト再注入方法においては、連通孔93におけるシース91とホース94とが離間されて設けられ、広い空間が形成されることから、シース91の管内91aを真空状態とするために、連通孔93における広い空間の空気も吸引することが必要となり、効率的な真空状態の形成が困難なものになるという問題点があった。
さらに、従来のグラウト再注入方法においては、コンクリート構造物90を削孔して形成された連通孔93に、新たなグラウト9が供給されるホース94や、真空ポンプに接続されたホース94が、無収縮モルタル95等で直接固定されるものとなる。
このため、従来のグラウト再注入方法においては、無収縮モルタル95等や連通孔93の空間に注入された新たなグラウト9によって、ホース94に外圧が作用することから、このホース94が容易に潰れるように変形するものとなり、ホース94と無収縮モルタル95等との間に間隙が形成されて、この間隙から新たなグラウト9が漏出するという問題点があった。
このとき、従来のグラウト再注入方法においては、新たなグラウト9の漏出を防止するために、新たなグラウト9を注入するときの圧力を最大で0.1Mpa程度と低いものにしか設定できず、新たなグラウト9の効率的な再注入が困難なものとなるという問題点があった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、橋梁の主桁等の既設構造物の内部に新たなグラウトを確実かつ効率的に再注入することのできるグラウト再注入方法及びキャップ部材を提供することにある。
第1発明に係るグラウト再注入方法は、既設構造物の内部にグラウトを充填するグラウト再注入方法において、既設構造物を削孔して削孔部を形成するとともに、既設構造物の内部に設けられたシース管に注入排出孔を形成する削孔工程と、前記削孔部の奥の前記注入排出孔近傍までにキャップ部材を差し込んで、前記削孔部の周縁部と前記キャップ部材の外縁部との間隙を充填材で充填して密閉する取付工程と、前記キャップ部材に設けられたニップルに取り付けられたホースによってグラウトを供給し、前記注入排出孔から前記シース管にグラウトを注入する注入工程とを備えることを特徴とする。
第2発明に係るグラウト再注入方法は、第1発明において、前記注入工程では、前記シース管の管内における既存のグラウトの空隙から、細管によって空気を排出する排気工程をさらに備えることを特徴とする。
第3発明に係るグラウト再注入方法は、第1発明において、前記注入工程では、前記注入排出孔から前記シース管にグラウトを注入する前に、前記キャップ部材に設けられたニップルに、真空ポンプが接続されたホースを取り付けて、前記シース管の管内における既存のグラウトの空隙を真空状態とする真空工程をさらに備えることを特徴とする。
第4発明に係るグラウト再注入方法は、第1発明〜第3発明の何れかにおいて、前記注入工程では、前記キャップ部材に設けられたニップルに、電動ポンプが接続されたホースを取り付けて、グラウトを段階的に加圧して供給する加圧工程をさらに備えることを特徴とする。
第5発明に係るキャップ部材は、既設構造物を削孔して形成された削孔部に取り付けられる蓋部材と、前記蓋部材の表面側と裏面側とを貫通させて設けられるニップルとを備え、
前記蓋部材は、前記削孔部の奥まで差し込まれて取り付けられて、前記削孔部の周縁部と前記蓋部材の外縁部との間隙が充填材で充填されて密閉されるものであり、前記ニップルは、前記蓋部材の表面側からグラウトを供給するホースが取り付けられて、既設構造物の内部に設けられたシース管に形成された注入排出孔から、前記シース管の管内にグラウトが注入されるものであることを特徴とする。
第1発明〜第5発明によれば、キャップ部材とシース管の注入排出孔との間に形成される空間が大きくならないように形成されるため、ニップルに取り付けられたホースからシース管の注入排出孔に新たなグラウトを直接的に供給することができ、シース管の管内に新たなグラウトを効率的に注入することが可能となる。
第1発明〜第5発明によれば、あらかじめ削孔部の形状に合わせて形成されたキャップ部材が削孔部に取り付けられることで、削孔部の周縁部とキャップ部材における蓋部材の外縁部との間に形成された間隙を充填材で密閉することができるため、シース管の管内の空隙の安定した真空状態を効率的に実現することが可能となるとともに、最大圧力を0.7Mpa程度に設定して、新たなグラウトの効率的な再注入を実現することが可能となる。
特に、第3発明によれば、キャップ部材とシース管の注入排出孔との間に形成される空間が大きくならないように形成されるため、この空間を真空にするために必要となる時間を短縮することができ、効率的な真空工程を実現することが可能となる。
特に、第4発明によれば、電動ポンプの圧力計の目盛の揺動の停止を確認したうえで、電動ポンプによって供給される新たなグラウトを段階的に加圧することができ、ポーラス状の既存グラウトによって形成された空隙に、新たなグラウトが十分に充填されたことを確認することが可能となる。
特に、第4発明によれば、電動ポンプによって供給される新たなグラウトを段階的に加圧することができ、新たなグラウトを低速度で繰り返し加圧することで、シース管の管内の障害物を新たなグラウトで押し退けたり、空隙の空気を十分に押し出すことが可能となる。
特に、第5発明によれば、キャップ部材とシース管の注入排出孔との間に形成される空間に空気が残らないように新たなグラウトを充填することができ、蓋部材の表面側で削孔部に無収縮モルタルを充填するとともに、ポリマーセメントモルタルで被覆することで、既設構造物の強度を低下させることなく、削孔部を修復させることが可能となる。
本発明を適用したグラウト再注入方法が実施される橋梁の主桁を示す斜視図である。 本発明を適用したグラウト再注入方法が実施される橋梁の主桁を示す正面図と、その部分拡大図である。 本発明を適用したグラウト再注入方法が実施されるシース管の管内の空隙を示す正面斜視図である。 本発明を適用したキャップ部材を示す斜視図である。 本発明を適用したグラウト再注入方法の取付工程を示す正面斜視図である。 本発明を適用したグラウト再注入方法の気密確認工程を示す側面図である。 本発明を適用したグラウト再注入方法の注入工程を示す側面図である。 本発明を適用したグラウト再注入方法の加圧工程における電動ポンプの圧力計を示す説明図である。 本発明を適用したグラウト再注入方法の第1実施形態を示す正面図と、その部分拡大図である。 本発明を適用したグラウト再注入方法の第2実施形態を示す正面図と、その部分拡大図である。 本発明を適用したグラウト再注入方法の第3実施形態を示す正面図と、その部分拡大図である。 本発明を適用したグラウト再注入方法の真空工程における真空ポンプ及び電動ポンプを示す説明図である。 本発明を適用したグラウト再注入方法で削孔部の最終処理がされた状態を示す側面図である。 従来のグラウト再注入方法を示す側面図である。
以下、本発明を適用したグラウト再注入方法及びキャップ部材1を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用したグラウト再注入方法は、主に、既設構造物に用いられるものであり、図1に示すように、例えば、ポストテンション方式によって構築された橋梁7の主桁71を既設構造物として、既設の主桁71の内部に新たなグラウト5を充填するものである。
主桁71は、橋梁7の床版72を下方から支持するものとして、橋長方向Xに延びて設けられる。主桁71は、図2に示すように、橋長方向Xに延びる複数のシース管2が内部に設けられ、シース管2の管内2aにPC鋼材が緊張材3として設けられる。
シース管2は、主桁71の内部で下方に向けて湾曲させて設けられ、緊張材3となるPC鋼材に引張力が付与された状態で、主桁71の両端部にPC鋼材が拘束されるものとなることによって、プレストレストコンクリートとして主桁71が構築されるものとなる。
緊張材3は、既設の主桁71の内部において、シース管2の管内2aに設けられた状態で、シース管2の管内2aに既存グラウト8が注入されることによって、長期間に亘る防食防錆が図られているが、従来の注入方法で注入された既存グラウト8は、シース管2の管内2aで十分に充填されないものとなり、空隙8aが形成されるものとなっている。
空隙8aは、既設の主桁71の内部において、シース管2の管内2aに形成されるものであり、この空隙8aに雨水や融雪剤の塩化物等が浸入することによって、緊張材3となるPC鋼材の長期間に亘る防食防錆を不十分なものとする原因になる。このとき、本発明を適用したグラウト再注入方法は、この空隙8aに新たなグラウト5を十分に充填して、緊張材3となるPC鋼材の長期間に亘る防食防錆を確実なものとするために用いられるものとなる。
最初に、本発明を適用したグラウト再注入方法は、既存グラウト8の充填が不十分となっていることによって、シース管2の管内2aに空隙8aが形成された箇所を特定するために、必要に応じて、既設の主桁71に対するインパクトエコー法やX線透過法等を用いて、非破壊検査工程が実施される。
次に、本発明を適用したグラウト再注入方法は、非破壊検査工程によって特定されたシース管2の管内2aで空隙8aが形成された箇所において、必要に応じて、既設の主桁71を部分的に削孔するとともに、シース管2の外面を部分的に開被して、空隙8aの有無や、緊張材3となるPC鋼材の腐食状況を視認等で確認する微破壊検査工程が実施される。
次に、本発明を適用したグラウト再注入方法は、図3に示すように、既設の主桁71を削孔して削孔部4を形成するとともに、既設の主桁71の内部に設けられたシース管2を削孔部4で開被して、シース管2に注入排出孔21を形成する削孔工程が実施される。削孔部4は、既設の主桁71の外面からシース管2の外面まで約100mm〜200mm程度の深さで形成されるものであり、直径が約60mm又は90mm等の略円形状に形成される。
次に、本発明を適用したグラウト再注入方法は、図4に示すように、本発明を適用したキャップ部材1を用いた取付工程が実施される。本発明を適用したキャップ部材1は、削孔部4に取り付けられる蓋部材11と、蓋部材11の略中央に設けられるニップル12とを備える。
本発明を適用したグラウト再注入方法は、図5に示すように、本発明を適用したキャップ部材1を削孔部4に取り付けて、削孔部4の周縁部4aとキャップ部材1における蓋部材11の外縁部11aとの間に形成された間隙Gを密閉する取付工程が実施されるものとなる。
蓋部材11は、高強度モルタル等が用いられて、あらかじめ削孔部4の直径に合わせて略円形状に形成される。蓋部材11は、削孔部4に取り付けられた状態で、削孔部4の周縁部4aと蓋部材11の外縁部11aとの間に形成された間隙Gに、エポキシ樹脂等の充填材41が充填されて、間隙Gが密閉されるものとなる。
ニップル12は、樹脂製等のものが用いられ、外径が約15mm〜20mmに形成される。ニップル12は、蓋部材11の表面側11bと裏面側11cとを貫通させて、蓋部材11の表面側11bに突出させて設けられる。ニップル12は、蓋部材11の略中央に設けられることで、ニップル12と削孔部4の周縁部4aとの間に所定の間隔を確保することができるため、充填材41を間隙Gに容易に充填することが可能となる。なお、ニップル12は、これに限らず、蓋部材11の略中央から外縁部11aに寄せた状態で設けられてもよい。
次に、本発明を適用したグラウト再注入方法は、必要に応じて、図6に示すように、間隙Gに充填された充填材41の表面に石鹸水等を塗布するとともに、ニップル12に取り付けられたホース13から蓋部材11の裏面側11cに空気を送り込み、石鹸水から発生する泡の有無を確認することによって気密性を確認する気密確認工程が実施されるものとなる。なお、ホース13は、内径が約19mm〜25mm程度の樹脂製等のものが用いられる。
このとき、本発明を適用したグラウト再注入方法は、気密確認工程によって石鹸水からの泡の発生が視認された場合は、間隙Gが充填材41で確実に密閉されるまで、削孔部4の周縁部4aとキャップ部材1における蓋部材11の外縁部11aとの間に形成された間隙Gに、エポキシ樹脂等の充填材41をさらに充填するものとする。
次に、本発明を適用したグラウト再注入方法は、図7に示すように、ニップル12に取り付けられたホース13から蓋部材11の裏面側11cに新たなグラウト5を送り込んで供給し、シース管2に形成された注入排出孔21からシース管2の管内2aに新たなグラウト5を注入する注入工程が実施される。
これにより、本発明を適用したキャップ部材1は、蓋部材11の表面側11bから新たなグラウト5を供給するホース13がニップル12に取り付けられて、シース管2に形成された注入排出孔21からシース管2の管内2aに新たなグラウト5が注入されるものとなる。
このとき、本発明を適用したグラウト再注入方法は、電動ポンプ61がホース13に接続されて、このホース13がニップル12に取り付けられる。本発明を適用したグラウト再注入方法は、シース管2の管内2aに新たなグラウト5を注入する注入工程で、電動ポンプ61によって供給される新たなグラウト5の圧力を、0.3Mpa、0.5Mpa、0.7Mpaと順次上昇させて、新たなグラウト5を段階的に加圧して供給する加圧工程が実施される。
本発明を適用したグラウト再注入方法は、加圧工程において、図8(a)に示すように、電動ポンプ61によって供給される新たなグラウト5の圧力を0.3Mpaに設定し、電動ポンプ61の圧力計63の目盛が0.3Mpaまで上昇して目盛の揺動が停止した段階で、この圧力を0.5Mpaに設定する。
次に、本発明を適用したグラウト再注入方法は、加圧工程において、図8(b)に示すように、電動ポンプ61によって供給される新たなグラウト5の圧力を0.5Mpaに設定し、電動ポンプ61の圧力計63の目盛が0.5Mpaまで上昇して目盛の揺動が停止した段階で、この圧力を0.7Mpaに設定し、最後に、電動ポンプ61の圧力計63の目盛が0.7Mpaとなるまで加圧する。
これにより、本発明を適用したグラウト再注入方法は、加圧工程において、電動ポンプ61の圧力計63の目盛の揺動の停止を確認したうえで、電動ポンプ61によって供給される新たなグラウト5を段階的に加圧することができ、ポーラス状の既存グラウト8によって形成された空隙8aに、新たなグラウト5が十分に充填されたことを確認することが可能となる。
また、本発明を適用したグラウト再注入方法は、加圧工程において、電動ポンプ61によって供給される新たなグラウト5を段階的に加圧することができ、新たなグラウト5を低速度で繰り返し加圧することで、シース管2の管内2aの障害物を新たなグラウト5で押し退けたり、空隙8aの空気を十分に押し出すことが可能となる。
本発明を適用したグラウト再注入方法は、取付工程において、キャップ部材1を削孔部4に取り付けて、削孔部4の周縁部4aとキャップ部材1における蓋部材11の外縁部11aとの間に形成された間隙Gを充填材41で密閉することができる。
これにより、従来のグラウト再注入方法においては、加圧することのできる最大圧力が0.1Mpa程度であったのに対して、本発明を適用したグラウト再注入方法は、加圧工程において、加圧することのできる最大圧力をホース13の許容圧力である0.7Mpa程度まで設定することができ、新たなグラウト5の効率的な再注入を実現することが可能となる。
本発明を適用したグラウト再注入方法は、第1実施形態において、図9に示すように、シース管2の管内2aに十分な広さを有する状態で空隙8aが形成された場合で、空隙8aが形成された区間Lの長さが約1m以上となるときに、以下のようなものとなる。
本発明を適用したグラウト再注入方法は、第1実施形態において、既設の主桁71の下部71a及び上部71bで、各々に削孔部4及び注入排出孔21を形成する削孔工程が実施される。このとき、本発明を適用したグラウト再注入方法は、第1実施形態において、下部71aの注入排出孔21からシース管2の管内2aの下部空隙8bに向けて細管14が挿入されるとともに、上部71bの注入排出孔21からシース管2の管内2aの上部空隙8cに向けて細管14が挿入される。
このとき、細管14は、内径が約2mm〜3mm程度の樹脂製等のものが用いられ、既設の主桁71の下部71a及び上部71bにおいて、各々の削孔部4に取り付けられたキャップ部材1の蓋部材11に切欠部11dが形成されて、この切欠部11dに細管14が挿通される。
次に、本発明を適用したグラウト再注入方法は、第1実施形態において、下部71aの注入排出孔21からシース管2の管内2aに新たなグラウト5を供給して、シース管2の管内2aの下部空隙8bに新たなグラウト5を注入する注入工程で、シース管2の管内2aの下部空隙8bから細管14を通じて空気を排出する排気工程が実施される。
次に、本発明を適用したグラウト再注入方法は、第1実施形態において、下部71aの注入排出孔21からシース管2の管内2aの中部空隙8dに新たなグラウト5が注入、充填されるとともに、シース管2の管内2aの上部空隙8cに新たなグラウト5を注入する注入工程で、シース管2の管内2aの上部空隙8cから細管14を通じて空気を排出する排気工程が実施される。
最後に、本発明を適用したグラウト再注入方法は、第1実施形態において、シース管2の管内2aの上部空隙8cに新たなグラウト5が充填されて、上部71bの削孔部4におけるキャップ部材1のニップル12に取り付けられたホース13から、新たなグラウト5が排出されることで、新たなグラウト5の充填を確認する排出確認工程が実施されるものとなる。
本発明を適用したグラウト再注入方法は、第2実施形態において、図10に示すように、シース管2の管内2aに十分な広さを有する状態で空隙8aが形成された場合で、空隙8aが形成された区間Lの長さが約1m未満となるときに、以下のようなものとなる。
本発明を適用したグラウト再注入方法は、第2実施形態において、既設の主桁71の中間部71cで、削孔部4及び注入排出孔21を形成する削孔工程が実施される。このとき、本発明を適用したグラウト再注入方法は、第2実施形態において、中間部71cの注入排出孔21からシース管2の管内2aの下部空隙8b及び上部空隙8cに向けて細管14が挿入される。
このとき、細管14は、内径が約2mm〜3mm程度の樹脂製等のものが用いられ、既設の主桁71の中間部71cにおいて、削孔部4に取り付けられたキャップ部材1の蓋部材11に形成された切欠部11dに2本の細管14が挿通される。
次に、本発明を適用したグラウト再注入方法は、第2実施形態において、中間部71cの注入排出孔21からシース管2の管内2aに新たなグラウト5を供給して、シース管2の管内2aの下部空隙8bに新たなグラウト5を注入する注入工程で、シース管2の管内2aの下部空隙8bから細管14を通じて空気を排出する排気工程が実施される。
次に、本発明を適用したグラウト再注入方法は、第2実施形態において、中間部71cの注入排出孔21からシース管2の管内2aの上部空隙8cに新たなグラウト5を注入する注入工程で、シース管2の管内2aの上部空隙8cから細管14を通じて空気を排出する排気工程が実施される。
最後に、本発明を適用したグラウト再注入方法は、第2実施形態において、シース管2の管内2aの上部空隙8cに新たなグラウト5が充填されて、中間部71cの削孔部4におけるキャップ部材1のニップル12に取り付けられたホース13から、新たなグラウト5が排出されることで、新たなグラウト5の充填を確認する排出確認工程が実施されるものとなる。
本発明を適用したグラウト再注入方法は、第3実施形態において、図11に示すように、シース管2の管内2aで空隙8aが十分な広さを有さず、空隙8aに細管14を挿入することができない場合に、以下のようなものとなる。
本発明を適用したグラウト再注入方法は、第3実施形態において、既設の主桁71の下部71a及び上部71bで、各々に削孔部4及び注入排出孔21を形成する削孔工程が実施される。ここで、本発明を適用したグラウト再注入方法は、第3実施形態において、上部71bの削孔部4におけるキャップ部材1のニップル12に取り付けられたホース13に、図12に示すように、電動ポンプ61と真空ポンプ62とを兼用するポンプ6が接続される。
なお、本発明を適用したグラウト再注入方法は、第3実施形態において、電動ポンプ61と真空ポンプ62とを独立して用いる場合に、キャップ部材1に2本のニップル12を設けて、各々のニップル12に取り付けられた2本のホース13に、電動ポンプ61と真空ポンプ62とを独立して接続することもできる。
次に、本発明を適用したグラウト再注入方法は、第3実施形態において、図11に示すように、下部71aの注入排出孔21からシース管2の管内2aに新たなグラウト5を供給して、シース管2の管内2aの下部空隙8bに新たなグラウト5を注入する注入工程で、シース管2の管内2aの下部空隙8bの空気が中部空隙8dに押し出され、上部71bの削孔部4におけるキャップ部材1のニップル12に取り付けられたホース13から空気が排出される。
次に、本発明を適用したグラウト再注入方法は、第3実施形態において、下部71aの注入排出孔21からシース管2の管内2aの中部空隙8dに新たなグラウト5を注入する注入工程で、シース管2の管内2aの中部空隙8dの空気が上部空隙8cに押し出され、上部71bの削孔部4におけるキャップ部材1のニップル12に取り付けられたホース13から空気が排出される。
次に、本発明を適用したグラウト再注入方法は、第3実施形態において、上部71bの注入排出孔21からシース管2の管内2aの上部空隙8cに新たなグラウト5を注入する注入工程で、上部71bの削孔部4におけるキャップ部材1のニップル12に取り付けられたホース13に接続されたポンプ6を真空ポンプ62として用いて、シース管2の管内2aの上部空隙8cの空気を吸引して、上部空隙8cを−0.07Mpa以上の真空状態とする真空工程が実施される。
ここで、本発明を適用したグラウト再注入方法は、取付工程において、キャップ部材1を削孔部4に取り付けて、削孔部4の周縁部4aとキャップ部材1における蓋部材11の外縁部11aとの間に形成された間隙Gを充填材41で密閉することができるため、真空状態の空隙8aを容易に実現することが可能となる。
次に、本発明を適用したグラウト再注入方法は、第3実施形態において、上部71bの削孔部4におけるキャップ部材1のニップル12に取り付けられたホース13に接続されたポンプ6を電動ポンプ61に切り替えて、シース管2の管内2aの上部空隙8cに新たなグラウト5を注入、充填する。
最後に、本発明を適用したグラウト再注入方法は、第3実施形態において、上部71bの削孔部4におけるキャップ部材1のニップル12に取り付けられたホース13から、新たなグラウト5が排出されることで、新たなグラウト5の充填を確認する排出確認工程が実施されるものとなる。
なお、本発明を適用したグラウト再注入方法は、第1実施形態〜第3実施形態の何れにおいても、排出確認工程に加えて、必要に応じて、漏れ確認工程、流量確認工程が実施されるものとなる。ここで、漏れ確認工程は、既設の主桁71の側面や端部等から、シース管2の管内2aに充填された新たなグラウト5が漏出していないか確認するものである。また、流量確認工程は、非破壊検査工程によって算出された新たなグラウト5の予想注入流量と、実際に充填された新たなグラウト5の実注入流量とを比較するものである。
本発明を適用したグラウト再注入方法は、第1実施形態〜第3実施形態の何れにおいても、新たなグラウト5の空隙8aへの充填が完了した段階で、削孔部4の最終処理がされるものとなる。このとき、本発明を適用したキャップ部材1は、図13に示すように、蓋部材11がシース管2に近接した状態で設けられており、蓋部材11の裏面側11cとシース管2の注入排出孔21との間に形成される空間Aが大きくならないように形成されている。
これにより、本発明を適用したキャップ部材1は、空気が残らないように新たなグラウト5を空間Aに充填することが可能となる。本発明を適用したキャップ部材1は、蓋部材11の表面側11bで削孔部4に無収縮モルタル51を充填するとともに、ポリマーセメントモルタル52で被覆することで、既設の主桁71の強度を低下させることなく、削孔部4を修復させることが可能となる。
また、本発明を適用したキャップ部材1は、あらかじめ削孔部4の直径に合わせて略円形状に形成され、高強度モルタル等が用いられた蓋部材11が削孔部4に取り付けられることで、空隙8aの安定した真空状態を確保することが可能となるとともに、最大圧力を0.7Mpa程度に設定して、新たなグラウト5の効率的な再注入を実現することが可能となる。
また、本発明を適用したキャップ部材1は、蓋部材11の裏面側11cとシース管2の注入排出孔21との間に形成される空間Aが大きくならないように形成されるため、空間Aを真空にするために必要となる時間を短縮することができ、空隙8aの真空状態を確実なものとして、効率的な真空工程を実現することが可能となる。
さらに、本発明を適用したキャップ部材1は、蓋部材11の裏面側11cとシース管2の注入排出孔21との間に形成される空間Aが大きくならないように形成されるため、ニップル12に取り付けられたホース13からシース管2の注入排出孔21に新たなグラウト5を直接的に供給することができ、シース管2の管内2aに新たなグラウト5を効率的に注入することが可能となる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
例えば、本発明を適用したグラウト再注入方法は、図2に示すように、シース管2の管内2aの空隙8aが主桁71の左端部71dから右端部71eまで連通して形成される場合等においても、第1実施形態〜第3実施形態の何れかを適宜組み合わせること等によって、実施することが可能となる。
1 :キャップ部材
11 :蓋部材
11a :外縁部
11b :表面側
11c :裏面側
11d :切欠部
12 :ニップル
13 :ホース
14 :細管
2 :シース管
2a :管内
21 :注入排出孔
3 :緊張材
4 :削孔部
4a :周縁部
41 :充填材
5 :グラウト
51 :無収縮モルタル
52 :ポリマーセメントモルタル
6 :ポンプ
61 :電動ポンプ
62 :真空ポンプ
63 :圧力計
7 :橋梁
71 :主桁
71a :下部
71b :上部
71c :中間部
71d :左端部
71e :右端部
72 :床版
8 :既存グラウト
8a :空隙
8b :下部空隙
8c :上部空隙
8d :中部空隙
A :空間
G :間隙
L :区間
X :橋長方向

Claims (5)

  1. 既設構造物の内部にグラウトを充填するグラウト再注入方法において、
    既設構造物を削孔して削孔部を形成するとともに、既設構造物の内部に設けられたシース管に注入排出孔を形成する削孔工程と、
    前記削孔部の奥の前記注入排出孔近傍までにキャップ部材を差し込んで、前記削孔部の周縁部と前記キャップ部材の外縁部との間隙を充填材で充填して密閉する取付工程と、
    前記キャップ部材に設けられたニップルに取り付けられたホースによってグラウトを供給し、前記注入排出孔から前記シース管にグラウトを注入する注入工程とを備えること
    を特徴とするグラウト再注入方法。
  2. 前記注入工程では、前記シース管の管内における既存のグラウトの空隙から、細管によって空気を排出する排気工程をさらに備えること
    を特徴とする請求項1に記載のグラウト再注入方法。
  3. 前記注入工程では、前記注入排出孔から前記シース管にグラウトを注入する前に、前記キャップ部材に設けられたニップルに、真空ポンプが接続されたホースを取り付けて、前記シース管の管内における既存のグラウトの空隙を真空状態とする真空工程をさらに備えること
    を特徴とする請求項1に記載のグラウト再注入方法。
  4. 前記注入工程では、前記キャップ部材に設けられたニップルに、電動ポンプが接続されたホースを取り付けて、グラウトを段階的に加圧して供給する加圧工程をさらに備えること
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のグラウト再注入方法。
  5. 既設構造物を削孔して形成された削孔部に取り付けられる蓋部材と、前記蓋部材の表面側と裏面側とを貫通させて設けられるニップルとを備え、
    前記蓋部材は、前記削孔部の奥まで差し込まれて取り付けられて、前記削孔部の周縁部と前記蓋部材の外縁部との間隙が充填材で充填されて密閉されるものであり、
    前記ニップルは、前記蓋部材の表面側からグラウトを供給するホースが取り付けられて、既設構造物の内部に設けられたシース管に形成された注入排出孔から、前記シース管の管内にグラウトが注入されるものであること
    を特徴とするキャップ部材。
JP2013117229A 2013-06-03 2013-06-03 グラウト再注入方法及びキャップ部材 Expired - Fee Related JP6144541B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013117229A JP6144541B2 (ja) 2013-06-03 2013-06-03 グラウト再注入方法及びキャップ部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013117229A JP6144541B2 (ja) 2013-06-03 2013-06-03 グラウト再注入方法及びキャップ部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014234647A JP2014234647A (ja) 2014-12-15
JP6144541B2 true JP6144541B2 (ja) 2017-06-07

Family

ID=52137559

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013117229A Expired - Fee Related JP6144541B2 (ja) 2013-06-03 2013-06-03 グラウト再注入方法及びキャップ部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6144541B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6401358B1 (ja) * 2017-09-13 2018-10-10 中日本高速技術マーケティング株式会社 グラウト充填状況判別システム及びプログラム

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5540030A (en) * 1994-07-01 1996-07-30 Morrow; Jack A. Process for the grouting of unbonded post-tensioned cables
JP4280535B2 (ja) * 2003-04-08 2009-06-17 極東鋼弦コンクリート振興株式会社 シース管のエア抜き・注入装置
JP5625219B2 (ja) * 2012-05-31 2014-11-19 株式会社ピーエス三菱 Pc緊張材挿通用シース内のグラウト未充填空洞へのグラウト再注入方法
JP6025097B2 (ja) * 2012-09-21 2016-11-16 株式会社ピーエス三菱 グラウト再注入用ホース連結装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6401358B1 (ja) * 2017-09-13 2018-10-10 中日本高速技術マーケティング株式会社 グラウト充填状況判別システム及びプログラム
JP2019052441A (ja) * 2017-09-13 2019-04-04 中日本高速技術マーケティング株式会社 グラウト充填状況判別システム及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014234647A (ja) 2014-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010222809A (ja) 既設pc構造物におけるケーブルシース内へのグラウト再充填方法
JP5712282B2 (ja) 撚線案内装置の改善
JP2010013858A (ja) せん断補強材の定着方法
US8656680B2 (en) Method of reinforcing a structure and apparatus therefor
KR101912346B1 (ko) 지반보강구조물 및 그 시공방법
JP6144541B2 (ja) グラウト再注入方法及びキャップ部材
JP2008095400A (ja) 斜材ケーブル撤去方法
KR100563990B1 (ko) 가압식 초음파 진동체를 이용한 터널 다단 보강그라우팅공법 및 그 장치
JP6098009B2 (ja) 既設pc構造物のシース内グラウト未充填空洞へのグラウト再充填方法
JP4982666B2 (ja) Pc構造物におけるpc緊張材挿通用シース内へのグラウトの注入方法
US10392819B2 (en) Grouting apparatus
JP2018080556A (ja) コンクリート構造物の補修方法
JP2016037787A (ja) せん断補強工法
JP6197276B2 (ja) Pc部材のグラウトの充填度の評価方法
JP2010248714A (ja) 杭孔壁防護方法
JP3140216U (ja) クラック誘発防水構造
CN210737523U (zh) 破除钢护筒外混凝土的结构
CN210141133U (zh) 微盾构混凝土管涵修复加固结构
JP6263598B2 (ja) 擁壁の補強方法
JP7107612B1 (ja) あと施工アンカーの施工方法、それを用いる付属物取り付け方法、及びそれらを実施するために用いられるあと施工アンカー施工システム
JP2006307534A (ja) コンクリート構造物の止水工法
JP4221674B2 (ja) グランドアンカー工に於ける再生補修工法
JP2018105063A (ja) Pc緊張材挿通用シース内のグラウト未充填空洞部へのグラウト再注入方法
JP3775399B2 (ja) 組積造躯体の補強方法
JP5857555B2 (ja) 鋼矢板の継手の止水方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160307

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170511

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6144541

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees