JP2016196779A - 真空グラウト注入工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】グラウトが充填中に分離したり詰まったりすることなくグラウトを注入することができ、充填不足とならずにシース管の隅々までグラウトを注入してPC構造物の耐久性を向上させることができる真空グラウト注入工法を提供する。
【解決手段】真空グラウト注入工法において、シース管S2と連通する真空ポンプ2でシース管S2内を所定の真空圧力まで減圧する真空工程と、真空工程の作業終了後に、シース管S2と連通するグラウトチャンバ3からシース管S2内へグラウトを真空による負圧とヘッド差により注入する注入工程と、注入工程においてグラウトの注入流量が所定の流量以下となった後に、シース管S2と連通する圧入ポンプ4でシース管内へグラウトを圧入する圧入工程を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、橋梁などのPC(プレストレスコンクリート)構造物の緊張材を挿通するシース管内を0.2気圧以下(所定の真空圧力)に減圧してPCグラウトを注入するPC構造物の真空グラウト注入工法に関するものである。
従来、橋梁などのPC構造物にプレストレスを付与する緊張材を挿通するシース管内に防錆等のためにグラウトを注入して構造物の耐久性を向上させることが行われており、充填率を向上させるため、排出側に真空ポンプを接続してシース管内を0.1〜0.05気圧程度(真空圧力)に減圧したのち、注入側にグラウトポンプを接続して加圧してPCグラウトを注入する真空ポンプ併用PCグラウト注入工法が知られている。なお、PC構造物とは、橋梁(PC桁、PC床版、セグメント)、建築物の梁などのコンクリート構造物にテンションを加えた高強度鋼材(PC緊張材)を配置し,コンクリートにプレストレス(圧縮力)を与えることで,引張力に弱くひび割れ易いコンクリートの特性を改善した構造物を指している。
しかし、このように真空ポンプとグラウトポンプを併用してシース管内に注入する場合、注入速度が速すぎて、自然流下による注入速度よりも大きくなると、即ち、時間あたりのグラウトの注入流量が自然流下以上になると、狭小な空隙部にグラウトが大量に到達し、閉塞してしまうという問題があり、反対に、注入速度が自然流下による注入速度よりも遅すぎると、即ち、時間あたりのグラウトの注入流量が自然流下以下になると、先端と後方のグラウト材で速度差が生じ、材料分離してしまうという問題があり、注入速度の管理が難しいという課題があった。
一方、PC構造物のシース管内にPCグラウトを注入する場合において、排出側に真空ポンプを接続して減圧したのち、グラウトポンプを使用せず、高低差、即ちヘッド差によりグラウトを注入する真空グラウト注入工法も知られている。例えば、特許文献1には、PCグラウト充填装置によるシースbへのグラウトの注入充填作業において真空ポンプfを作動させて、シースb、グラウトチャンバーd、起立管g1,g2,g3、吸引管h、連結管iおよび送給管j等からなる系全体を、0.02気圧程度の極低圧状態とした後、バルブ10を開き、グラウトチャンバーd内のグラウトを重力によって流下させ、シースbに注入充填することが記載されている(特許文献1の明細書の段落[0033]〜[0038]、図面の図1,2等参照)。
しかし、特許文献1に記載のPCグラウト充填工法では、シース管から漏気があり、所望圧まで減圧ができない場合は、グラウトの充填不足が発生してしまうという問題がある。また、PC構造物に高低差があり、排出側が高い場合には、所望のヘッド差を得るため高所にグラウトのタンクを設置することが困難であり、自然流下では充填できない場合があるという問題もある。さらに、既存のPC構造物に再注入する場合などは、注入するシース管内の空隙が狭すぎることによる圧力損失からヘッド差だけでは圧力不足で充填できないという問題もある。
また、特許文献2には、縦向きPC緊張材挿通用シース内のグラウト充填方法において、シース内減圧用設備40によってPC緊張材挿通用シース4内を所望の真空圧に減圧した後、グラウト圧送装置33によりPC緊張材挿通用シース4内にグラウト材を圧入する際に、グラウト圧送装置33がPC緊張材挿通用シース4の下端部のグラウト注入路連結位置より高い位置に設置されているため、PC緊張材挿通用シース4内のグラウト材の上面がグラウト圧送装置33と同高さに達するまでは、ヘッド差による自然流下作用が働き、大きい加圧を要することなくグラウト材の充填がなされることが開示されている(特許文献2の明細書の段落[0048],[0049]、図面の図1,2等参照)。
しかし、特許文献2に記載の発明は、縦向きPC緊張材挿通用シース内のグラウト充填にしか適用できないうえ、あくまでも、グラウト圧送装置33で加圧する圧力を低減するために、グラウト圧送装置33で加圧する際に、補助的に高低差によるヘッド差圧分だけ加圧する圧力が低減できる旨が記載されているに過ぎず、前述のグラウトポンプの注入速度による問題点、即ちグラウトが途中で分離したり、グラウトが途中で硬化して詰まったりするという問題を解決できるものではなかった。
特開2005−226372号公報 特開2008−144449号公報
そこで、本発明は、上述した問題を鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、グラウトが充填中に分離したり詰まったりすることなくグラウトを注入することができ、充填不足とならずにシース管の隅々までグラウトを注入してPC構造物の耐久性を向上させることができる真空グラウト注入工法を提供することにある。
請求項1に記載の真空グラウト注入工法は、緊張材でプレストレスが付与されるPC構造物に埋設され、前記緊張材が挿入されるシース管内を所定の真空圧力まで減圧してグラウトを注入する真空グラウト注入工法において、前記シース管と連通する真空ポンプで前記シース管内を所定の真空圧力まで減圧する真空工程と、前記真空工程の作業終了後に、前記シース管と連通する前記グラウトチャンバから前記シース管内へグラウトを真空の負圧とヘッド差により注入する注入工程と、前記注入工程においてグラウトの注入流量が所定の流量以下となった後に、前記シース管と連通する圧入ポンプで前記シース管内へグラウトを圧入する圧入工程と、を有することを特徴とする。
請求項2に記載の真空グラウト注入工法は、請求項1に記載の真空グラウト注入工法において、前記真空ポンプは、前記シース管の前記グラウトの排出口と連通し、前記圧入ポンプ及び前記グラウトチャンバは、前記シース管の前記グラウトの注入口と連通しており、前記真空工程後に前記真空ポンプと前記シース管との連通管を閉塞し、前記注入工程においてグラウトを注入した後、前記グラウトチャンバと前記シース管との連通管を閉塞して、前記圧入工程においてグラウトを圧入することを特徴とする。
請求項3に記載の真空グラウト注入工法は、請求項1に記載の真空グラウト注入工法において、前記真空ポンプ、前記圧入ポンプ、及び前記グラウトチャンバは、全て前記シース管の前記グラウトの注入口と連通しているとともに、前記シース管を大気圧へ開放又は閉塞自在な大気圧開放手段が前記シース管の前記グラウトの排出口と連通して設けられており、前記真空工程後に前記真空ポンプと前記シース管との連通管を閉塞し、前記注入工程においてグラウトを注入した後、前記グラウトチャンバと前記シース管との連通管を閉塞して、前記圧入工程においてグラウトを圧入することを特徴とする。
請求項1〜3に記載の発明によれば、材料の分離や閉塞が起こりにくい自然流下、即ち真空の負圧とヘッド差によりグラウトを注入した後、圧入ポンプを用いてグラウトを圧入するので、グラウトが充填中に分離したり詰まったりすることなくグラウトを注入することができ、充填不足とならずにシース管の隅々まで注入してPC構造物の耐久性を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る真空グラウト注入工法に用いる真空グラウト注入装置の構成を模式的に示した構成説明図である。 本発明の第1実施形態に係る真空グラウト注入工法の各工程を示すフローチャートである。 同上の真空グラウト注入工法によりシース管内にグラウトを注入した場合の注入流量と注入時間の関係を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係る真空グラウト注入工法に用いる真空グラウト注入装置の構成を模式的に示した構成説明図である。 本発明の第1実施形態に係る真空グラウト注入工法の各工程を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る真空グラウト注入工法を実施するための一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、既存のPC床版に削孔してシース管にグラウトを再注入する場合を例示して説明する。
図1等に示すように、図中の符号S1が、PC構造物として例示するPC床版であり、符号S2が、PC床版に埋設されているシース管(鞘管)であり、符号S3が緊張材として例示するPC鋼材である。また、PC床版S1には、シース管S2の最下点付近にグラウトを注入する注入口H1が削孔されているとともに、シース管S2の最高点付近にグラウトを排出する排出口H2が削孔されている。なお、図示しないが、グラウト注入区間の長さ等に応じて排気口や中間の注入口なども適宜設けられている。
[第1実施形態]
図1〜図3を用いて、本発明の第1実施形態に係る真空グラウト注入工法及び該工法に用いる真空グラウト注入装置について説明する。
(真空グラウト注入装置)
先ず、図1を用いて、真空グラウト注入装置について説明する。第1実施形態に係る真空グラウト注入装置1は、緊張材が挿入されるシース管内を所定の真空圧力まで減圧する真空ポンプ2と、グラウトを貯留して自然流下でグラウトを注入するグラウトチャンバ3と、グラウトを圧入する圧入ポンプ4など、から構成されている。
この真空ポンプ2は、例えばSEEE式真空ポンプなどの短時間で所定の真空圧力まで減圧できる能力(例えば、1気圧(105Pa)を103〜104Pa程度に減圧する能力)を有する吸引ポンプであれば特に限定されないが、本実施形態では、シース管S2の最高点付近に削孔された排出口H2と、大気圧(真空圧力)に耐え得るグラウトホース(例えば、テトロンブレードホースやスプリングホース)からなる連結管P1により気密状態で連結されている。
また、真空ポンプ2は、ポンプの排出口H2側に排出されたグラウトがポンプ内に侵入しないように受け止めて貯留する貯留容器(図示せず)が備えられている。
このように本実施形態に係る真空ポンプ2は、グラウトが注入されてくる注入側と反対方向となる排出口H2と連通しているため、多少の漏気があってもグラウト注入から注入完了まで真空状態を維持し易くなっている。
また、連結管P1の途中には、真空ポンプ2とシース管S2とを連通する連結管P1を開放又は閉塞自在なバルブV1が設けられているとともに、真空ポンプ2での減圧状態を確認するため図示しない圧力計が設置されている。
グラウトチャンバ3は、ミキシングプラント等で調合・混練されたグラウトを貯留及び供給するチャンバであり、注入するシース管S2とのヘッド差により自然流下でグラウトを注入する。本実施形態に係るグラウトチャンバ3は、グラウトを注入する注入口H1より高い位置に設置されており、注入口H1と連結管P2で水密状態に連結されている。しかし、真空ポンプ2の吸引力が強ければ、特に、グラウトチャンバ3を注入口H1より高所に設置する必要もなく、真空ポンプ2による負圧とグラウトチャンバ3の高低(ヘッド)差による注入圧力の合計が大気圧以下、即ち負圧になる場合も有り得る。その場合でも、負圧の吸引力に応じてグラウトチャンバから自然流下でPCグラウトが供給されるので、材料の分離や閉塞が起こりにくいのは明らかである。
また、この連結管P2の途中には、連結管P2を開放又は閉塞するバルブV2が設けられているとともに、時間あたりの注入流量を測定する流量計が設置されている。
圧入ポンプ4は、スクイーズポンプやダイヤフラム式ポンプなどの一般的な注入用のグラウトポンプであり、所定の注入圧力に耐え得るグラウトホースからなる連結管P3により注入口H1と水密状態で連結されている。また、この連結管P3の途中には、連結管P3を開放又は閉塞するバルブV3が設けられているとともに、圧入ポンプ4での加圧状態を確認するための圧力計(図示せず)と、時間あたりの注入流量を測定する流量計(図示せず)が設置されている。
勿論、連結管P2と連結管P3とは、別々の注入口を介してシース管S2と連通していてもよいが、既存のPC構造物に孔を削孔する場合は、孔が構造上の弱点となるため、図示するように、連結管P2と連結管P3とが途中で合流し、1つの注入口H1のみでシース管S2と連通している方が好ましい。
(真空グラウト注入工法)
次に、図2を用いて、本発明の第1実施形態に係る真空グラウト注入工法について説明する。
(1)事前準備
先ず、PC構造物として例示するPC床版S1において、グラウト注入区間のシース管S2の最下点付近に注入口H1を削孔するとともに、シース管S2の最高点付近に排出口H2を削孔する(図1参照)。
そして、注入口H1付近に前述のグラウトチャンバ3と圧入ポンプ4を設置するとともに、排出口H2付近に真空ポンプ2を設置し、それぞれ連結管P1〜P3を連結して前述の真空グラウト注入装置1をセッティングする。
(2)真空工程
次に、バルブV2とV3を閉栓した状態で,バルブV1を開栓して連結管P1を開放する。その後、真空ポンプ2を作動させて連結管P1及び排出口H2を含めてシース管S2内の減圧を開始する。
そして、連結管P1に設置された圧力計で所定の真空圧力まで達した否かを確認する。所定の真空圧力とは、真空度が80%以上、即ち、シース管S2内の圧力が0.02MPa以下になることを指す。ここで、真空度とは、真空状態の度合いのことをいい、大気圧(圧力:0MPa)を基準とし、完全真空状態(圧力:-0.1MPa)を100%とした百分率で表している。本実施形態では、真空度が95%以上となることを目標とした。
また、所定の真空圧力まで減圧できない場合、又は所定の真空圧力まで減圧できてもすぐに圧力が上昇してしまう場合は、漏気等の不具合が疑われるので、連結管P1と排出口H2の連結部分等を点検し、不具合を是正する適切な処置を施し、所定の真空圧力まで減圧する。このように、真空グラウト注入工法によれば、密閉性の確認を、圧力計を確認するだけで行えるので、注入中のグラウト漏れなどを未然に防ぐ効果も奏する。
圧力計により所定の真空圧力まで減圧できたことを確認した場合は、バルブV1を閉栓して連結管P1を閉塞し、所定の真空状態を維持する。
(3)注入工程
次に、バルブV2を開栓して連結管P2を開放し、真空の負圧とシース管S2の高さとグラウトチャンバ3のヘッド差によりグラウトチャンバ3からグラウトをシース管S2内の間隙に注入する。
ここで、注入するPCグラウトは、ポルトランドセメントと水と少量の混和剤や混和材を混ぜ合わせたいわゆるセメントミルクであり、シース管S2内で硬化してPC鋼材などの緊張材が錆びないよう防止するとともに、緊張材とコンクリートを一体化させてPC構造物の耐久性を向上させる機能を有している。
また、第1実施形態に係る真空グラウト注入工法では、PCグラウトを真空状態で注入するため、高粘性型、低粘性型、超低粘性型いずれのPCグラウトも使用可能である。しかし、真空状態や後述のように圧力を負荷して注入するため、低粘度すぎて分離してしまわないように注意する必要がある。要するに、PCグラウトは、粘性を含めて注入する区間の長さや空隙の広狭、使用するポンプの能力等に応じて適宜調合する必要がある。
真空状態で高低(ヘッド)差によりPCグラウトをシース管S2に注入する場合は、図3に示すように、単位時間あたりの注入流量は、右肩下がりに徐々に減少していく傾向にある。そこで、流量計をモニタリングして単位時間あたりの注入流量が所定流量以下となった場合は、後述の圧入ポンプ4による圧入に切り替える。
本実施形態に係る真空グラウト注入工法では、注入流量=0.2l/minを目安としており、注入流量が0.2l/minとなった場合には、圧入ポンプ4による圧入に切り替えるため、バルブV2を閉栓して連結管P2を閉塞する。なお、この所定流量は、シース管の直径、シース管内空隙の広狭、注入区間の長さ、グラウトチャンバからの距離等、諸条件に応じて適宜定められるものであり、0.2l/minに限定されるものではない。
(4)圧入工程
次に、バルブV3を開栓して連結管P3を開放する。その後、圧入ポンプ4を作動させてPCグラウトの圧入を開始する。
そして、シース管S2の最上部までグラウトの充填が完了したことを確認した後、バルブV3を閉栓して連結管P3を閉塞し、本実施形態に係る真空グラウト注入工法による作業を終了する。
グラウトの充填が完了したことの確認は、真空ポンプ2の貯留容器にグラウトが吐出したことや、ファイバースコープ等で排出口H2を覗いてグラウトが到達しているか否かを目視することなど適当な方法により確認する。
以上に説明した本発明の第1実施形態に係る真空グラウト注入工法によれば、材料の分離や閉塞が起こりにくい自然流下によりグラウトを注入した後、自然流下では注入できない箇所に圧入ポンプ4を用いてグラウトを圧入するので、グラウトが充填中に分離したり詰まったりすることなくグラウトを注入することができるだけでなく、充填不足とならずにシース管S2の隅々まで注入してPC構造物(PC床版S1)の耐久性を向上させることができる。
[第2実施形態]
図4、図5を用いて、本発明の第2実施形態に係る真空グラウト注入工法及び該工法に用いる真空グラウト注入装置について説明する。
(真空グラウト注入装置)
先ず、図4を用いて、真空グラウト注入装置について説明するが。第1実施形態に係る真空グラウト注入装置1と相違する点は、主に、真空ポンプ2、グラウトチャンバ3、圧入ポンプ4等の配置であるので、相違する点を主に説明し、同一構成は同一符号を付し、説明を省略する。第2実施形態に係る真空グラウト注入装置1’は、真空グラウト注入装置1と同様に、真空ポンプ2と、グラウトチャンバ3と、圧入ポンプ4など、から構成されている。
真空グラウト注入装置1’では、真空ポンプ2は、グラウトホースからなる連結管P1’で注入口H1と連結され、連結管P1’の途中には、バルブV1’、図示しない圧力計が設置されている。
また、グラウトチャンバ3は、連結管P2’で注入口H1と連結され、連結管P2’の途中には、バルブV2’、図示しない流量計が設置されており、圧入ポンプ4は、グラウトホースからなる連結管P3’で注入口H1と連結され、連結管P3’の途中には、バルブV3’、図示しない圧力計・流量計が設置されている。
そして、排出口H2の先には、連結管P4’が接続されているとともに、大気に排出口H2及びシース管S2内を開放、閉塞自在なバルブV4’が設置されている。なお、前述の連結管P1’、連結管P2’、連結管P3’は、削孔箇所を極力減らす観点から、全て途中で合流して注入口H1に接続されている。
(真空グラウト注入工法)
次に、図5を用いて、本発明の第2実施形態に係る真空グラウト注入工法について説明する。
(1)事前準備
第1実施形態に係る真空グラウト注入工法と同様に事前準備を行い、注入口H1付近に真空ポンプ2、グラウトチャンバ3、及び圧入ポンプ4を設置するとともに、それぞれ前述の連結管P1’〜P4’を連結して前述の真空グラウト注入装置1’をセッティングする。
(2)真空工程
次に、バルブV1’を開栓して連結管P1’を開放した後、真空ポンプ2を作動させて連結管P1’及び排出口H2を含めてシース管S2内の減圧を開始する。
そして、連結管P1’に設置された圧力計で所定の真空圧力、即ち真空度が95%以上となったことを確認し、減圧できない場合、又はすぐに圧力が上昇してしまう場合は、連結管P1’と注入口H1の連結部分等を点検し、不具合を是正する適切な処置を施し、所定の真空圧力まで減圧する。
圧力計により所定の真空圧力まで減圧できたことを確認した場合は、バルブV1’を閉栓して連結管P1’を閉塞し、所定の真空状態を維持する。
(3)注入工程
次に、バルブV2’を開栓して連結管P2’を開放し、真空の負圧とシース管S2の高さとグラウトチャンバ3の高低(ヘッド)差によりグラウトチャンバ3からグラウトをシース管S2内の間隙に注入する。
そして、注入流量が0.2l/minとなった場合には、圧入ポンプ4による圧入に切り替えるため、バルブV2’を閉栓して連結管P2’を閉塞する。
(4)圧入工程
次に、バルブV4’及びバルブV3’を開栓して連結管P3’を開放する。その後、圧入ポンプ4を作動させてPCグラウトの圧入を開始する。そして、シース管S2の最上部までグラウトの充填が完了したことを確認した後、バルブV3’及びバルブV4’を閉栓して連結管P3’及び連結管P4’を閉塞し、本実施形態に係る真空グラウト注入工法による作業を終了する。
グラウトの充填が完了したことの確認は、連結管P4’からグラウトが吐出したことや、ファイバースコープ等で排出口H2を覗いてグラウトが到達しているか否かを目視することなど適当な方法により確認する。なお、真空状態にしてポンプで圧入すれば、シース管内に残留する気泡があってもほとんど容積がゼロに近くなるので、排出口H2や連結管P4’、バルブV4’もなくても本発明を実施することは可能である。
以上、本発明の実施形態に係る真空グラウト注入工法について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。特に、連結管の連結の仕方やバルブの位置や個数等は、適宜、増減、変更できることは云うまでもない。
1,1’ :真空グラウト注入装置
2 :真空ポンプ
3 :グラウトチャンバ
4 : 圧入ポンプ
S1 :PC床版(PC構造物)
S2 :シース管
S3 :PC鋼線(緊張材)
H1 :注入口
H2 :排出口
P1,P2,P3 :連結管
P1’,P2’,P3’,P4’:連結管
V1,V2,V3 :バルブ
V1’,V2’,V3’,V4’:バルブ
請求項1に記載の真空グラウト注入工法は、緊張材でプレストレスが付与されている既存のPC構造物に埋設され、前記緊張材が挿入されるシース管まで、前記既存のPC構造物を削孔して注入口を設け、前記シース管内を所定の真空圧力まで減圧して前記注入口からグラウトを注入する真空グラウト注入工法において、前記シース管と連通する真空ポンプで前記シース管内を所定の真空圧力まで減圧する真空工程と、前記真空工程の作業終了後に、前記シース管と連通するグラウトチャンバから前記シース管内へグラウトを真空の負圧とヘッド差により注入する注入工程と、前記グラウトチャンバから前記シース管までの間のグラウトの注入経路に設置された流量計により前記注入工程で注入するグラウトの単位時間あたりの注入流量をモニタリングする工程と、 前記シース管と連通する圧入ポンプで前記シース管内へグラウトを圧入する圧入工程と、を有し、前記流量計によりモニタリングした注入流量が所定の流量以下となった後に前記注入工程を前記圧入工程に切り替えることを特徴とする。

Claims (3)

  1. 緊張材でプレストレスが付与されるPC構造物に埋設され、前記緊張材が挿入されるシース管内を所定の真空圧力まで減圧してグラウトを注入する真空グラウト注入工法において、
    前記シース管と連通する真空ポンプで前記シース管内を所定の真空圧力まで減圧する真空工程と、
    前記真空工程の作業終了後に、前記シース管と連通するグラウトチャンバから前記シース管内へグラウトを真空の負圧とヘッド差により注入する注入工程と、
    前記注入工程においてグラウトの注入流量が所定の流量以下となった後に、前記シース管と連通する圧入ポンプで前記シース管内へグラウトを圧入する圧入工程と、を有すること
    を特徴とする真空グラウト注入工法。
  2. 前記真空ポンプは、前記シース管の前記グラウトの排出口と連通し、前記圧入ポンプ及び前記グラウトチャンバは、前記シース管の前記グラウトの注入口と連通しており、
    前記真空工程後に前記真空ポンプと前記シース管との連通管を閉塞し、前記注入工程においてグラウトを注入した後、前記グラウトチャンバと前記シース管との連通管を閉塞して、前記圧入工程においてグラウトを圧入すること
    を特徴とする請求項1に記載の真空グラウト注入工法。
  3. 前記真空ポンプ、前記圧入ポンプ、及び前記グラウトチャンバは、全て前記シース管の前記グラウトの注入口と連通しているとともに、前記シース管を大気圧へ開放又は閉塞自在な大気圧開放手段が前記シース管の前記グラウトの排出口と連通して設けられており、
    前記真空工程後に前記真空ポンプと前記シース管との連通管を閉塞し、前記注入工程においてグラウトを注入した後、前記グラウトチャンバと前記シース管との連通管を閉塞して、前記圧入工程においてグラウトを圧入すること
    を特徴とする請求項1に記載の真空グラウト注入工法。
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