JP2002308928A - アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法 - Google Patents

アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法

Info

Publication number
JP2002308928A
JP2002308928A JP2001119002A JP2001119002A JP2002308928A JP 2002308928 A JP2002308928 A JP 2002308928A JP 2001119002 A JP2001119002 A JP 2001119002A JP 2001119002 A JP2001119002 A JP 2001119002A JP 2002308928 A JP2002308928 A JP 2002308928A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pva
polyvinyl alcohol
diketene
parts
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001119002A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4627381B2 (ja
Inventor
Masahiro Saito
昌宏 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2001119002A priority Critical patent/JP4627381B2/ja
Publication of JP2002308928A publication Critical patent/JP2002308928A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4627381B2 publication Critical patent/JP4627381B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 着色のない、透明性に優れたアセト酢酸基含
有ポリビニルアルコール系樹脂が得られ、かつ不溶解物
の生成が抑制でき、粗粒物、ブロック物の発生も抑制で
き、良好な形状の生成物が得られるアセト酢酸基含有ポ
リビニルアルコール系樹脂の製造方法を提供すること。 【解決手段】 ポリビニルアルコール系樹脂とジケテン
を反応させてアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアル
コール系樹脂を製造するにあたり、有機酸及び酸無水物
の共存下でポリビニルアルコール系樹脂とジケテンを反
応させるアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコー
ル系樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アセト酢酸エステ
ル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(以下、AA化P
VAと略記する)の製造法に関し、更に詳しくは不溶解
物や粗粒物の生成が抑制でき、かつ透明性に優れたAA
化PVAの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、AA化PVAの製造方法とし
ては、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVAと略
記する)にジケテンを反応させる方法が行われており、
例えば、PVA粉末に液状ジケテンを反応、或いは液
状ジケテンとジケテンに不活性でかつPVAの非溶媒を
添加して反応させる方法(特開昭55−94904号公
報)、PVAとジケテンガスを反応させる方法(特開
昭55−137107号公報)、PVAに吸蔵しうる
有機酸を吸着させてジケテンを反応させる方法(特開昭
57−40508号公報)、脂肪酸エステルの共存下
でPVAとジケテンを反応させる方法(特開2000−
63427号公報)が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
の方法では、ジケテンの反応性が不均一なためか得ら
れたAA化PVAが着色したり、不溶解物が生成される
恐れがあり、の方法においても製造条件等により不溶
解物が生成される恐れがあるので、細心の工程管理が必
要とされるものであった。又、の方法においてはケン
化度が85モル%以下のPVAの場合に不溶解物が生成
される恐れがあり、更にの方法では良好なAA化PV
Aが得られるものの、着色についてはまだ改善の余地が
残るものであり、又、アセト酢酸エステル基含有量(A
A化度と略記することがある)の高いAA化PVAを得
るに当たっては、水溶液にしたときの不溶解物の発生や
透明度の低下等の問題が残るものであった。
【0004】従って、原料PVAのケン化度に関係な
く、不溶解物の生成が抑制でき、かつ着色のない、透明
性に優れ、高AA化度のAA化PVAの製造に有効なA
A化PVAの製造方法が望まれるところである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者はかか
る現況に鑑みて鋭意検討した結果、PVAとジケテンを
反応させてAA化PVAを製造するにあたり、有機酸及
び酸無水物の共存下でPVAとジケテンを反応させるA
A化PVAの製造方法を採用することにより、原料PV
Aのケン化度に関係なく、水溶液の着色や不溶解物の抑
制ができ、透明性に優れたAA化PVAが得られ、かつ
粗粒やブロック物の発生も抑制でき、良好な形状の生成
物が得られることを見出し本発明を完成した。本発明で
は、特に高AA化度のAA化PVAを得るのにも有効な
製造方法である。
【0006】
【発明に実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明の原料として用いられるPVAとしては、特に限
定されないが、一般的にはポリ酢酸ビニルの低級アルコ
ール溶液をアルカリ等のケン化触媒によってケン化して
得られたPVA、又はその誘導体、更には酢酸ビニルと
共重合性を有する単量体と酢酸ビニルとの共重合体のケ
ン化物等を挙げることができる。
【0007】該単量体としては、例えばエチレン、プロ
ピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、
α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ
又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタア
クリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタ
クリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリ
ルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンス
ルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、
N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジ
メチルジアリルアンモニウムクロリド、ジメチルアリル
ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエー
テル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等
のポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリ
オキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロ
ピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン
(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)ア
クリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリル
アミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミ
ド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド
−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエ
チレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシ
プロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルア
ミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられ
る。
【0008】又、本発明の原料となるPVAのケン化度
は特に限定されないが、5〜100モル%、更には65
〜99.5モル%が好ましく、又、平均重合度は50〜
6000、更には100〜4000が好ましい。
【0009】更に該PVAの形状としては、特に限定さ
れないが、ジケテンの均一吸着、吸収による反応の均一
化及びジケテンとの反応率の向上等を考慮すれば、粉末
状、なかんずく粒径分布が狭く、かつ多孔性であるもの
が好ましく、その粒度としては50〜450メッシュが
好ましく、更には80〜320メッシュのものが好まし
い。
【0010】又、該PVAは製造工程中のアルコール類
及び水分を数%含むことがあるが、これらの成分中には
ジケテンと反応して、ジケテンを消費し、ジケテンの反
応率を低下せしめるので、反応に供する際には、加熱、
減圧操作を行う等して可及的に減少せしめてから使用す
ることが望ましい。
【0011】又、本発明においては、上記の如く粉末状
のPVAを原料PVAとすることができるが、製造工程
の簡略化の点を考慮すれば、原料PVAの製造時のケン
化工程後の溶剤(メタノール、メタノール、イソプロパ
ノール等)を含有したスラリー状のPVAを有機酸及び
酸無水物で置換して原料PVAとして用いることが好ま
しい。
【0012】本発明は、上記の如きPVAを有機酸及び
酸無水物の共存下でジケテンと反応させることを最大の
特徴とするもので、具体的にその反応方法について述べ
る。
【0013】まず、かかる方法に用いられる有機酸とし
ては、特に限定されず、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イ
ソ酪酸等が挙げられるが、中でも酢酸が最も有利であ
る。又、酸無水物としては、無水酢酸、無水プロピオン
酸、無水酪酸等を挙げることができ、好適には無水酢酸
が用いられる。
【0014】本発明においては、上記の如くPVAとジ
ケテンの反応時に、かかる有機酸及び酸無水物が共存し
ていればよく、かかる有機酸及び酸無水物は予めPVA
に添加しておいて、その後にジケテンを反応させてもよ
く、或いはPVAとジケテンの反応と同時に有機酸及び
酸無水物を供給してもよく、更には有機酸及び酸無水物
を予めジケテンに添加しておいて、その後にPVAを反
応させてもよく、又、有機酸、酸無水物を別々にPVA
或いはジケテンに添加しておいてもよく、特に制限はな
いが、ジケテンを均一に分散させる点で、有機酸及び酸
無水物を予めPVAに添加しておく方法が好ましく、か
かる方法について、更に詳述するが、これに限定される
ものではない。
【0015】まず、PVAに有機酸及び酸無水物を含有
させるのであるが、かかる含有方法については特に限定
されず、PVAと有機酸及び酸無水物を混合撹拌すれば
よいが、粉末状の時は該PVAに予め0.1〜1.0重
量%程度の酢酸ナトリウムを含有させておくことも好ま
しく、又、ケン化後の溶剤含有PVAを用いる時はPV
A100重量部に対して該溶剤の含有量を50〜500
重量部程度に調整したものを用いることが好ましい。
【0016】有機酸の含有量は、PVA100重量部に
対して0.1〜50重量部であることが好ましく、より
好ましくは1〜40重量部、特に好ましくは2〜30重
量部である。かかる含有量が0.1重量部未満では不均
一なAA化反応が起こり、逆に50重量部を越えると生
産性が低下して好ましくない。又、酸無水物の含有量
は、PVA100重量部に対して1〜500重量部であ
ることが好ましく、より好ましくは10〜200重量
部、特に好ましくは20〜200重量部である。かかる
含有量が1重量部未満では添加効果が得られず、逆に5
00重量部を越えてもそれ以上の添加効果が望めず好ま
しくない。
【0017】次いで、有機酸及び酸無水物が含有された
PVAは、ジケテンと反応させられるのであるが、かか
るジケテンはガス状あるいは液状のいずれの状態でも反
応に供することができ、特に制限はない。
【0018】このときの反応条件としては、液状ジケテ
ンを用いる場合には、好ましくは不活性ガス(窒素ガス
等)雰囲気下で、噴霧等の手段によって均一に溶解、吸
着、吸収せしめて、温度20〜120℃に加温し、撹拌
あるいは流動化を継続する。
【0019】又、ジケテンガスを用いる場合には、接触
温度を30〜250℃、更には50〜200℃とするこ
とが好ましく、ガス状のジケテンがPVAとの接触時に
液化しない温度でジケテン分圧条件下に接触させること
が好ましいが、ジケテンガスの一部が液滴となること
は、なんら支障はない。接触時間は、接触温度に応じて
調整(温度が低い場合は時間を長く、温度が高い場合は
時間を短く)すればよく、通常は1分〜6時間の範囲か
ら適宜選択する。
【0020】更に、ジケテンガスを供給する場合には、
他の不活性ガスと混合して用いてもよく、又、PVAに
ジケテンガスを吸収させてから昇温しても良いし、ある
いは該PVAを加熱しながら、加熱した後に該ガスを接
触させても良い。
【0021】反応時の触媒としては、酢酸ナトリウム、
酢酸カリウム、第一アミン、第二アミン、第三アミン等
の塩基性化合物が有効であり、該触媒の量は、PVAに
対して0.1〜3.0重量%程度、特には0.1〜1.
0重量%程度が好ましい。又、PVAは、通常酢酸ナト
リウムを含んでいるので、触媒を添加しなくてもよい場
合が多く、触媒量が多すぎるとジケテンの副反応が起こ
りやすくなって好ましくない。
【0022】反応を実施する際の反応装置としては、加
温可能で撹拌機の付いた装置であれば充分で、例えば、
ニーダー、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、そ
の他各種ブレンダー、撹拌乾燥装置を挙げることができ
る。
【0023】かくして、不溶解物や粗粒物が生成せず、
着色や不溶解物の発生が抑制された透明性に優れたAA
化PVAが得られ、特に高AA化度のAA化PVAを良
好に得ることができる。
【0024】本発明で得られるAA化PVAのAA化度
は特に限定されることなく、各種用途に応じて適宜調整
することができるが、被覆剤関係、疎水性樹脂ブレンド
関係等の用途で有用な高AA化度のAA化PVAを得る
に当たっても、着色のない、透明性に優れたAA化PV
Aを得ることができる。かかるアセト酢酸エステル基含
有量(AA化度)については、特に限定されないが0.
1〜30モル%であることが好ましく、より好ましくは
0.5〜20モル%、特に好ましくは1〜15モル%、
更に好ましくは5〜15モル%である。
【0025】上記の如き本発明の方法で得られたAA化
PVAは、有機酸及び酸無水物を反応時に共存させてい
るので、不溶解物や粗粒物を殆ど含有することなく、容
易に得ることができ、特に高ケン化度(80モル%以
上)のAA化PVAにおいても良好なAA化PVAを得
ることができる。得られたAA化PVAは下記の如き各
種用途に使用され得る。
【0026】・成形物関係:繊維、フィルム、シート、
パイプ、チューブ、防漏膜、暫定皮膜、ケミカルレース
用、水溶性繊維、等 ・接着剤関係:木材、紙、アルミ箔、プラスチック等の
接着剤、粘着剤、再湿剤、不織布用バインダー、石膏ボ
ードや繊維板等の各種建材用バインダー、各種粉体造粒
用バインダー、セメントやモルタル用添加剤、ホットメ
ルト型接着剤、感圧接着剤、アニオン性塗料の固着剤、
等 ・被覆剤関係:紙のクリアーコーティング剤、紙の顔料
コーティング剤、紙の内添サイズ剤、繊維製品用ザイズ
剤、経糸糊剤、繊維加工剤、皮革仕上げ剤、塗料、防曇
剤、金属腐食防止剤、亜鉛メッキ用光沢剤、帯電防止
剤、導電剤、暫定塗料、等
【0027】・疎水性樹脂用ブレンド剤関係:疎水性樹
脂の帯電防止剤、及び親水性付与剤、複合繊維、フィル
ムその他成形物用添加剤、等 ・懸濁分散安定剤関係:塗料、墨汁、水性カラー、接着
剤等の顔料分散安定剤、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
スチレン、(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等の各種
ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤、等 ・乳化分散安定剤関係:各種アクリルモノマー、エチレ
ン性不飽和化合物、ブタジエン性化合物の乳化重合用乳
化剤、ポリオレフィン、ポリエステル樹脂等疎水性樹
脂、エポキシ樹脂、パラフィン、ビチューメン等の後乳
化剤、等 ・増粘剤関係:各種水溶液やエマルジョンの増粘剤、等 ・凝集剤関係:水中懸濁物及び溶存物の凝集剤、パル
プ、スラリーの濾水性、等 ・交換樹脂等関係:イオン交換樹脂、キレート交換樹
脂、イオン交換膜、等 ・その他:土壌改良剤、感光剤、感光性レジスト樹脂、
【0028】
【実施例】以下、本発明について実施例を挙げて更に詳
しく説明する。尚、例中に断りのない限り、「%」、
「部」とあるのは、重量基準を示す。
【0029】実施例1 まず、酢酸ナトリウムを0.5%含有するPVA粉末
(ケン化度99モル%、重合度1000、粒度7メッシ
ュ以下、揮発分2.5%)100部をニーダーに仕込
み、撹拌しながら、酢酸20部及び無水酢酸80部を添
加して60℃に昇温後、更に60℃で3時間撹拌を行っ
てから、ジケテン30部を1時間かけて添加して、更に
60℃で1時間反応させて、アセト酢酸エステル基含有
量10.9モル%のAA化PVAを得た。得られたAA
化PVAをメタノールで十分に洗浄した後、50℃で1
8時間乾燥させて、乾燥AA化PVAを得て、以下の要
領で評価を行った。
【0030】(不溶解分)三角フラスコ中のイオン交換
水200mlに上記の乾燥AA化PVA約20g(S
g)を十分に分散させた後、80℃で1時間撹拌し、次
いで20℃の水槽に三角フラスコを移して1時間撹拌し
てAA化PVAを溶解させた。そして、予め秤量してあ
る44μmの金網(Ag)で濾過する。更に80〜90
℃の温水2lで三角フラスコ内の不溶解分を完全に金網
上に移して洗浄した後、105℃の電気定温乾燥器で2
時間乾燥を行い、その重量(Bg)を測定して、下記の
式(1)より、不溶解分(%)を求めた。 [(B−A)/S]×100 ・・・ (1)
【0031】(透明度)乾燥AA化PVAを105℃の
電気定温乾燥器で2時間乾燥を行い、そこから4gのA
A化PVAを採取して、三角フラスコ中でイオン交換水
96gに十分に分散させた後、80℃で1時間撹拌し、
次いで20℃の水槽に三角フラスコを移して1時間撹拌
してAA化PVAを溶解させた。得られたAA化PVA
の溶液を25℃にて、430nmにおける光透過率
(%)を測定した。
【0032】(粗粒子量)乾燥AA化PVA100gを
標準網ふるい2800μm(7メッシュ)上に入れ、電
動式水平振動機(200回/分、振巾50mm)に乗せ
て、30分振動後、該ふるい上のAA化PVAの重量
(g)を測定した。
【0033】(着色度)上記の乾燥AA化PVA27g
をイオン交換水153mlに三角フラスコ中で十分に分
散させた後、80℃で1時間撹拌し、次いで20℃の水
槽に三角フラスコを移して1時間撹拌してAA化PVA
を溶解させた。該AA化PVA水溶液を比色管に20m
l入れ試験液とし、白色タイル板上で試験液と標準液と
を比べて、着色度を評価した。ここで、標準液は、塩化
白金酸カリウム1.25g、塩化コバルト1.00g、
塩酸100mlを1000mlメスフラスコ中で100
0mlとなるように希釈溶解した溶液(a)を、更に5
0mlメスフラスコにメスピペットで計り取り50ml
になるように希釈した液のことであり、着色度は、かか
る標準液が上記試験液と同程度の着色となるまでの、メ
スピペットで計り取った溶液(a)の量を10倍した数
値で評価した。
【0034】(ジケテン効率)下式の通り、ジケテンの
仕込み量(モル%)に対するAA化PVAのアセト酢酸
エステル基含有量(モル%)の割合(%)より評価し
た。[式]
【0035】実施例2 実施例1において、酢酸を50部に変更した以外は同様
に行い、アセト酢酸エステル基含有量10.6モル%の
AA化PVAを得た。得られたAA化PVAをメタノー
ルで十分に洗浄した後、50℃で18時間乾燥させて、
乾燥AA化PVAを得て、実施例1と同様の評価を行っ
た。
【0036】実施例3 実施例1において、酢酸を30部、無水酢酸を0.5部
に変更した以外は同様に行い、アセト酢酸エステル基含
有量9.4モル%のAA化PVAを得た。得られたAA
化PVAをメタノールで十分に洗浄した後、50℃で1
8時間乾燥させて、乾燥AA化PVAを得て、実施例1
と同様の評価を行った。
【0037】実施例4 まず、酢酸ナトリウムを0.3%含有するPVA粉末
(ケン化度80モル%、重合度2100、粒度7メッシ
ュ以下、揮発分3.0%)100部をニーダーに仕込
み、撹拌しながら、酢酸5部及び無水酢酸80部を添加
して60℃に昇温後、更に60℃で3時間撹拌を行って
から、ジケテン15部を1時間かけて添加して、更に6
0℃で1時間反応させて、アセト酢酸エステル基含有量
6.3モル%のAA化PVAを得た。得られたAA化P
VAをメタノールで十分に洗浄した後、50℃で18時
間乾燥させて、乾燥AA化PVAを得て、実施例1と同
様の評価を行った。
【0038】比較例1 実施例1において、無水酢酸を添加せず、酢酸を30
部、ジケテン40部に変えた以外は同様に行って、アセ
ト酢酸エステル基含有量9.8モル%のAA化PVAを
得て、実施例1と同様に評価を行った。
【0039】比較例2 実施例4において、酢酸20部及び無水酢酸80部を、
酢酸メチル200部及び無水酢酸80部に変えた以外は
同様に行って、アセト酢酸エステル基含有量6.2モル
%のAA化PVAを得て、同様に評価を行った。実施例
及び比較例の評価結果を表1に示す。
【0040】 [表1] 不溶解分 透明度 粗粒子量 着色度 ジケテン効率 (%) (%) (g) (%) 実施例1 0.02 94 0.1 10 77.9 〃 2 0.02 93 0.3 10 75.7 〃 3 0.04 92 0.1 15 67.1 〃 4 0.04 90 0.2 10 71.6 比較例1 1.8 30 0.3 15 54.7 〃 2 0.15 80 0.1 60 70.5
【0041】
【発明の効果】本発明のAA化PVAの製造方法におい
ては、有機酸及び酸無水物の共存下でPVAとジケテン
を反応させているため、ジケテン効率が良く、原料PV
Aのケン化度に関係なく、着色のない、透明性に優れた
AA化PVAが得られ、かつ不溶解物の生成が抑制で
き、粗粒物、ブロック物の発生も抑制でき、良好な形状
の生成物が得られるものであり、又、特に高AA化度の
AA化PVAの製造においても有効な方法となり、得ら
れたAA化PVAは前記の如き各種用途に大変有用であ
る。
【手続補正書】
【提出日】平成14年3月25日(2002.3.2
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【発明実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明の原料として用いられるPVAとしては、特に限
定されないが、一般的にはポリ酢酸ビニルの低級アルコ
ール溶液をアルカリ等のケン化触媒によってケン化して
得られたPVA、又はその誘導体、更には酢酸ビニルと
共重合性を有する単量体と酢酸ビニルとの共重合体のケ
ン化物等を挙げることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】・疎水性樹脂用ブレンド剤関係:疎水性樹
脂の帯電防止剤、及び親水性付与剤、複合繊維、フィル
ムその他成形物用添加剤、等 ・懸濁分散安定剤関係:塗料、墨汁、水性カラー、接着
剤等の顔料分散安定剤、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
スチレン、(メタ)アクリレート、酢酸ビニル等の各種
ビニル化合物の懸濁重合用分散安定剤、等 ・乳化分散安定剤関係:各種アクリルモノマー、エチレ
ン性不飽和化合物、ブタジエン性化合物の乳化重合用乳
化剤、ポリオレフィン、ポリエステル樹脂等疎水性樹
脂、エポキシ樹脂、パラフィン、ビチューメン等の後乳
化剤、等 ・増粘剤関係:各種水溶液やエマルジョンの増粘剤、等 ・凝集剤関係:水中懸濁物及び溶存物の凝集剤、パル
プ、スラリーの濾水性改善、等 ・交換樹脂等関係:イオン交換樹脂、キレート交換樹
脂、イオン交換膜、等 ・その他:土壌改良剤、感光剤、感光性レジスト樹脂、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J100 AA02Q AA03Q AA06Q AA15Q AC03Q AC04Q AD02P AD02R AE09Q AE18Q AF11Q AJ02Q AJ08Q AJ09Q AK13Q AK18Q AK32Q AL01Q AL08Q AL34Q AM02Q AM14Q AM15Q AM21Q AN02Q AN05Q AP01Q AQ08Q BA08Q BA14H BA14R BA15H BA15R BA32Q BA56Q CA01 CA03 DA62 HA11 HA61 HC27 HC38 JA01 JA03 JA05 JA11 JA13 JA15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコール系樹脂とジケテン
    を反応させてアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアル
    コール系樹脂を製造するにあたり、有機酸及び酸無水物
    の共存下でポリビニルアルコール系樹脂とジケテンを反
    応させることを特徴とするアセト酢酸エステル基含有ポ
    リビニルアルコール系樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 有機酸の共存量が、ポリビニルアルコー
    ル系樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部であ
    ることを特徴とする請求項1記載のアセト酢酸エステル
    基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 酸無水物の共存量が、ポリビニルアルコ
    ール系樹脂100重量部に対して1〜500重量部であ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載のアセト酢酸エ
    ステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 アセト酢酸エステル基含有量が0.1〜
    30モル%であることを特徴とする請求項1〜3いずれ
    か記載のアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコー
    ル系樹脂の製造方法。
JP2001119002A 2001-04-18 2001-04-18 アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法 Expired - Fee Related JP4627381B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001119002A JP4627381B2 (ja) 2001-04-18 2001-04-18 アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001119002A JP4627381B2 (ja) 2001-04-18 2001-04-18 アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002308928A true JP2002308928A (ja) 2002-10-23
JP4627381B2 JP4627381B2 (ja) 2011-02-09

Family

ID=18969289

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001119002A Expired - Fee Related JP4627381B2 (ja) 2001-04-18 2001-04-18 アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4627381B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015064337A1 (ja) 2013-10-30 2015-05-07 日本合成化学工業株式会社 アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂粉末およびその製造方法
JP2015124261A (ja) * 2013-12-26 2015-07-06 日本合成化学工業株式会社 アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5594904A (en) * 1979-01-10 1980-07-18 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The Preparation of acetoacetylated polyvinyl alcohol resin
JPS5740508A (en) * 1980-08-21 1982-03-06 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The Production of polyvinyl alcohol resin containing acetoacetic ester groups
JP2000063427A (ja) * 1998-08-24 2000-02-29 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5594904A (en) * 1979-01-10 1980-07-18 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The Preparation of acetoacetylated polyvinyl alcohol resin
JPS5740508A (en) * 1980-08-21 1982-03-06 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The Production of polyvinyl alcohol resin containing acetoacetic ester groups
JP2000063427A (ja) * 1998-08-24 2000-02-29 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015064337A1 (ja) 2013-10-30 2015-05-07 日本合成化学工業株式会社 アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂粉末およびその製造方法
JP5718516B1 (ja) * 2013-10-30 2015-05-13 日本合成化学工業株式会社 アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂粉末およびその製造方法
CN105492471A (zh) * 2013-10-30 2016-04-13 日本合成化学工业株式会社 含有乙酰乙酰基的聚乙烯醇系树脂粉末及其制造方法
KR20160079766A (ko) 2013-10-30 2016-07-06 닛폰고세이가가쿠고교 가부시키가이샤 아세토아세틸기 함유 폴리비닐 알코올계 수지 분말 조성물 및 그 제조 방법
US9593174B2 (en) 2013-10-30 2017-03-14 The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. Acetoacetyl group-containing polyvinyl alcohol resin powder composition, and production method therefor
JP2015124261A (ja) * 2013-12-26 2015-07-06 日本合成化学工業株式会社 アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4627381B2 (ja) 2011-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5718516B1 (ja) アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂粉末およびその製造方法
JP3612124B2 (ja) アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂組成物
DE19733157A1 (de) Vernetzbare, in Wasser redispergierbare Pulverzusammensetzung
JP4052497B2 (ja) アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造法
JP4627381B2 (ja) アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法
EP3781605A1 (de) Wasserlösliche copolymere
JP4689854B2 (ja) 2液型速硬化水性接着剤
JP3766457B2 (ja) アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂及びその製造法
JP3612110B2 (ja) アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂組成物
JP3565641B2 (ja) アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂組成物
JP4245213B2 (ja) 酢酸ビニル樹脂系エマルジョン製造用乳化用分散安定剤およびその用途
GB2181143A (en) Dispersion stabilizer
JP3579152B2 (ja) アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂
EP3492534B1 (en) Resin composition and method for producing said resin composition
JPH10259213A (ja) 安定性に優れた部分ケン化ビニルエステル系樹脂水溶液
JP6301128B2 (ja) アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法
JP5025155B2 (ja) アセトアセチル化ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法
JP2000297107A (ja) 乳化分散安定剤及びそれを用いたエマルジョン、再分散性エマルジョン粉末
TWI297022B (en) Dispersion powders comprising optical brighteners, their preparation and use
JPS63214333A (ja) 新規界面活性剤
WO2022065358A1 (ja) アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂の製造方法
JPH0931112A (ja) 乳化分散安定剤
JP2023143188A (ja) アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂
JP2012136639A (ja) 合成樹脂粉末
JPH0610226B2 (ja) 合成樹脂エマルジヨンの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080325

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101029

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101102

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101105

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131119

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4627381

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131119

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131119

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees