JP2002308139A - 走行装置 - Google Patents

走行装置

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JP2002308139A
JP2002308139A JP2001116389A JP2001116389A JP2002308139A JP 2002308139 A JP2002308139 A JP 2002308139A JP 2001116389 A JP2001116389 A JP 2001116389A JP 2001116389 A JP2001116389 A JP 2001116389A JP 2002308139 A JP2002308139 A JP 2002308139A
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gear
hst
turning
shaft
differential
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JP2001116389A
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Takahiko Kamimura
孝彦 上村
Takafumi Akiyama
尚文 秋山
Mikiji Hirota
幹司 廣田
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Original Assignee
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンの動力を走行用HSTと旋回用H
STに伝達する機構をコンパクト化でき、かつ他の部材
との干渉の問題を解決し、さらに両HSTの取付剛性を
高める。 【解決手段】 左右に走行装置への動力断続を行うサイ
ドクラッチを設け、左右のサイドクラッチ軸に設けたサ
イドクラッチギヤ間に亘って差動伝動機構を設け、旋回
用HST6による差動伝動機構の駆動によって旋回内側
の車軸18を正逆に無段変速する走行装置であって、エ
ンジンの出力を走行用HST5の入力軸11にベルト伝
動により入力すると共に、走行用HST5の入力軸11
と旋回用HST6の入力軸19とを3連のギヤ73a,
73b,73cによってギヤ伝動する。この3連のギヤ
によるギヤ伝動機構をミッションケース32L,32R
とは別体の専用ギヤケース70L,70Rに内装する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバイン、トラ
クタ等の走行装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンバイン等における左右一対の
クローラ走行装置を有する車両において、走行用と旋回
用の各油圧無段変速機構(以下「HST」と称する)な
らびに左右のサイドクラッチ機構、差動伝動機構、逆転
ギヤ等を備え、旋回用HSTによって旋回内側の車軸を
正逆に無段変速する走行伝動装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図18は従来の伝動装
置の斜視図である。2分割可能な左右のミッションケー
ス32L,32R内に走行用HST5からの伝動経路と
旋回用HST6からの伝動経路とが内蔵されている。そ
して、エンジンからの動力は、図示していないエンジン
プーリと走行用HST5の入力軸11に取り付けたプー
リ33aとのあいだにベルト50を掛け渡してベルト伝
動により走行用HST5へ入力する。さらに、上記プー
リ33aと一体に並設したプーリ33bと旋回用HST
6の入力軸19に取り付けたプーリ39とのあいだにベ
ルト51を掛け渡してエンジンの動力を旋回用HST6
に伝達する。つまり、ベルト伝動によってエンジンの動
力を走行用HST5及び旋回用HST6へ伝達している
わけである。しかしながら、上記の構成の場合、旋回用
HST6の入力軸19に設けたプーリ39が近傍の刈取
出力プーリ34等に干渉するため、これを避けるための
スペースが必要で伝動部をコンパクト化しにくいという
問題があった。本発明は、上記従来の問題を解決するた
めになされたものであって、その目的とするところは、
エンジンの動力を両HSTに伝達する機構をコンパクト
化でき、かつ他の部材との干渉の問題を解決し、さらに
両HSTの取付剛性を高めることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、左右に走行装置への動力断続
を行うサイドクラッチを設けるとともに、左右のサイド
クラッチ軸に設けたサイドクラッチギヤ間に亘って差動
伝動機構を設け、旋回用油圧無段変速機構による前記差
動伝動機構の駆動によって旋回内側の車軸を正逆に無段
変速する走行装置において、エンジンの出力を走行用油
圧無段変速機構の駆動入力軸にベルト伝動により入力す
ると共に、前記走行用油圧無段変速機構の駆動入力軸と
前記旋回用油圧無段変速機構の駆動入力軸とをギヤ伝動
する構成としている。走行用HSTの駆動入力軸と旋回
用HSTの駆動入力軸とをギヤ伝動するため、ミッショ
ンケースの外に露出するプーリ等が不要でベルト伝動す
る構成と比較してこの伝動機構をコンパクトに構成で
き、しかも刈取プーリ等との干渉を起きにくくすること
ができる。また、請求項2の発明は、前記ギヤ伝動機構
をミッションケースとは別体の専用ギヤケースに内装す
る構成としている。このギヤ伝動機構を内装するギヤケ
ースによって走行用HSTと旋回用HSTとを連結して
両HSTの取付剛性を高めることができる。また、請求
項3の発明は、前記ギヤ伝動機構をミッションケース上
部の一部を上方へ延出させた該延出部に内装する構成と
している。これにより、両HSTの取付剛性を高めるこ
とができるとともに、ギヤケースをミッションケースと
一体化することで部材点数を減らすことが出来る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明の
実施の形態について説明する。図1は本発明に関わるコ
ンバインの一例を示す全体図である。図示するコンバイ
ンは、クローラaと、クローラ駆動軸(いわゆる車軸で
あり、以下「ホイル軸」と称する)18と、刈取部b
と、刈り取った穀稈を搬送しながら脱穀機dに供給する
フィードチェーンcと、脱穀機dと、脱穀した穀物を貯
留する穀物タンクeと、貯留した穀物を機外へ排出する
オーガfとを有している。
【0006】図2はコンバインの運転席のスイッチ配置
図である。HSTレバー1は、前後に傾動して車速を増
減するもので、図の中立(ニュートラル)位置から前方
に倒すと前進方向に増速し、後方に倒すと後進方向に増
速する。そして、前進あるいは後進位置から中立位置方
向に戻すと減速し、中立位置で機体は停止する。アクセ
ルレバー2は、前後に傾動してスロットルを開閉するこ
とによりエンジン回転数を上げ下げするもので、後方に
倒すとスロットルが開いてエンジン回転数を上げ、前方
に倒すとスロットルが閉じてエンジン回転数を下げる。
パワステレバー3は、前後左右に傾動して刈取部の上げ
下げと機体の旋回を操作するもので、中立位置から後方
に倒すと刈取部が上昇し、前方に倒すと刈取部が下降す
る。また、左側に倒すと機体は左旋回し、右側に倒すと
右旋回する。また、4は副変速レバーである。
【0007】次に、伝動装置の構成について説明する。
図3はミッションケースを2分割したときの右側面から
みた伝動装置内の各伝動軸の配置構成を示す図で、図4
は図3におけるA−A及びS1−S1に沿った断面図で
ある。図6は伝動装置の斜視図、図7は伝動装置を含む
全体の油圧配置図であり、図8は図4の一部拡大図であ
る。
【0008】左右に、走行装置への動力断続を行うサイ
ドクラッチ24L.24Rを設け、該サイドクラッチ2
4L,24Rの「切」に関連して走行装置への動力伝達
を行う差動ギヤ機構を左右のサイドクラッチギヤ間に設
けている。差動ギヤ機構は、デフケース25、デフ差動
軸22、差動入出力ギヤP,Q,R等から構成されてい
る。そして、走行用油圧無段変速機構(以下「走行用H
ST」と称する)5と旋回用油圧無段変速機構(以下
「旋回用HST」と称する)6を、左右に分割構成され
ているが一体となっているミッションケースに対し前後
に配置し、ミッションケース内において側面視で、「走
行用HST入力軸11→同出力軸12→副変速軸13→
走行系減速軸15→サイドクラッチ軸16」の伝動経路
と、「旋回用HST入力軸19→同出力軸20→差動系
減速軸21→デフ差動軸22→サイドクラッチ軸16」
の伝動経路とを、上部は分離して下部においては連結
し、真ん中に空間部を有する略U字状に配置している。
なお、上記差動入出力ギヤP,Q,Rは、走行用HST
5を規準にするとQが入力ギヤとなり、旋回用HST6
を規準にするとP,Rが入力ギヤとなるが、以降では
P,Rを出力ギヤとし、Qを入力ギヤとして説明するこ
ととする。そして、伝動経路中における上記副変速軸1
3の下手側であってサイドクラッチ軸16の上手側に位
置する減速軸15の端部(図4では右側端部)に逆転ギ
ヤ23を遊転自在に軸装して設ける。該逆転ギヤ23は
上記サイドクラッチ軸16に設けたサイドクラッチギヤ
37aと、上記デフ差動軸22に設けた差動出力ギヤR
とに直接噛合する構成としている(図3の太線矢印及び
図4の太線で噛合する関係を示している)。
【0009】すなわち、走行用HST5と旋回用HST
6は前後に配置すると共に、走行用HST5からの動力
と旋回用HST6からの動力は前記サイドクラッチ24
L,24Rを有するサイドクラッチ軸16にて合流す
る。左右一体のミッションケース(メインケース)32
L,32Rの上部は分離して走行用HST5の動力系と
旋回用HST6の動力系の入力軸がそれぞれ入力してお
り、ミッションケース32L,32Rの全体形状はこの
ような伝動経路に対応して略U字状に形成している。こ
のように、走行用の伝動経路と旋回用の伝動経路とがサ
イドクラッチ軸16を起点として前後に略U字状に立ち
上がるため、ミッションケースの最低地上高を高く確保
でき、湿田走行性能を高めることが出来るとともに、ミ
ッションケース自体をコンパクトに形成することができ
る。
【0010】かかる構成において、たとえば図6に示す
ように、走行用HST5の入力軸11及び旋回用HST
6の入力軸19にはエンジンプーリを介してエンジンの
動力が伝達される。なお、図6には図示していないが、
詳しくは後述するように、走行用HST5の入力軸11
と旋回用HST6の入力軸19とはギヤ伝動により動力
が伝達される。そして、左右のサイドクラッチ24L,
24R間に設けた差動ギヤ機構及び減速軸15に設けた
逆転ギヤ23を介し、旋回時に旋回用HST6によるデ
フケース25の回転駆動によって旋回内側の車軸を正逆
に無段変速できるように構成している。
【0011】図4を参照して説明すると、上でも述べた
ように、入力プーリ33を介して走行用HST5の入力
軸11にエンジンからの動力が伝達される。同図中の5
3は走行用HSTのトラニオン軸である。そして、同出
力軸12から副変速軸13へと動力が伝達される。該副
変速軸13の一端には刈取出力プーリ34が取り付けら
れ、該刈取出力プーリ34は、刈取部を駆動する刈取入
力プーリとベルトで掛け渡されている。また、副変速軸
13と刈取出力プーリ34との間にはワンウェイクラッ
チが介装されている。また、図示しないシフタによって
切り換えられる副変速軸13のギヤ13a、13b、1
3cと噛合する走行系減速軸15のギヤ15a,15
b、15cを介して該減速軸15が駆動する。上記シフ
タの切換えによって副変速軸13のギヤ13a、13
b、13cと走行系減速軸15のギヤ15a,15b、
15cとがそれぞれ噛合して、高速・中速・低速の3段
に切り換えられる。
【0012】さらに、上記減速軸15の駆動により、同
じ減速軸15に設けられたギヤ15bと噛合するサイド
クラッチ軸16中央のギヤ16aを介して該サイドクラ
ッチ軸16が駆動する。サイドクラッチ24L,24R
は、油圧でディスク板36を内方に押し付けると接続状
態になり、動力はサイドクラッチ軸16より回転体35
へ伝達され、さらに接続状態のディスク板36を介して
ケーシング37へ伝達され、ケーシング37の内径部は
回転体101とスプライン嵌合なので回転体101が回
転して、さらに回転体101と一体構成されているギヤ
37a及びギヤ16bが回転する。この実施例ではエン
ジンが始動している時は、常に油圧力によりディスク3
6が押し付けられて接続状態になっている。そして、ギ
ヤ16bと噛合するギヤ17aを介しスプライン嵌合に
より減速ギヤ軸17が駆動する。さらに、減速ギヤ軸1
7の駆動により、同じギヤ軸17のギヤ17bと噛合す
るギヤ18aを介しスプライン嵌合によりホイル軸18
が駆動する。なお、同図中の38はホイル軸18に取付
けるスプロケットを示している。
【0013】また、同じく図4とさらに図8を参照して
説明すると、前述したように、ギヤ伝動により旋回用H
ST6の入力軸19にエンジンからの動力がプーリ33
を介して伝達される。ギヤ伝動機構については後述す
る。同図中の54は旋回HST用のトラニオン軸であ
る。そして、同出力軸20からギヤ20a及びこれと噛
合するギヤ21aを介して減速軸21へと動力が伝達さ
れる。また、該減速軸21のギヤ21bを介してこれと
噛合する差動入力ギヤQへ伝達される。差動入力ギヤQ
はボルトでデフケース25に固定されている。図中の4
1はデフケース25に固定したピン、42、42aと4
3はそれぞれベベルギヤを示している。また、デフ差動
軸22に設けた差動出力ギヤPは前述のサイドクラッチ
24Rのギヤ37aと噛合する。また、デフ差動軸22
の差動出力ギヤPとは反対側に設けた差動出力ギヤR
は、前述したように走行系減速軸15に軸装した逆転ギ
ヤ23と噛合し、さらに該逆転ギヤ23はサイドクラッ
チ24Lのギヤ37aと噛合する。
【0014】ここで、前述のギヤ伝動機構について説明
する。エンジンの出力は、走行用HST5の駆動入力軸
11にベルト伝動により入力するが、走行用HST5の
駆動入力軸11と旋回用HST6の駆動入力軸19とは
ギヤ伝動構成とし、旋回用HST6にはギヤ伝動によっ
て動力が入力される。図11を参照して説明すると、走
行用HST5の入力軸11にはギヤ73aを取り付け、
さらにその先に前述の入力プーリ33を取り付け、ボル
ト、ワッシャ等71で固定する。また、旋回用HST6
の入力軸19にはギヤ73cを取り付け、上記ギヤ73
aとギヤ73cとの間にギヤ73bを介在させて3連の
ギヤ構成とする。そして、この3連のギヤ73a、73
b及び73cからなるギヤ伝動機構は左右2分割可能な
ギヤケース70L,70Rに内装する構成とし、左右の
ギヤケース70Lと70Rにはそれぞれ走行用HST5
の入力軸11、旋回用HST6の入力軸19及びギヤ7
3bを軸装した軸をそれぞれ回転自在に軸支する軸受7
5、75…を設けている。左右のギヤケース70Lと7
0Rとを合体し、該ギヤケースに設けたボルト孔74、
74…を介して該ギヤケースを走行用HST5と旋回用
HST6のそれぞれの側面にボルト連結して固定する。
【0015】このように、走行用HST5の駆動入力軸
11と旋回用HST6の駆動入力軸19とをギヤ伝動構
成とすることで、ベルト伝動する構成と比較してミッシ
ョンケースの外に露出するプーリ等が不要で、この伝動
機構をコンパクトに構成でき、刈取プーリ34等との干
渉を起きにくくすることができる。また、このギヤ伝動
機構を内装するギヤケース70L,70Rを設けること
で、走行用HST5と旋回用HST6とを連結して両H
STの取付剛性を高めることができる。
【0016】また、図12は別の実施形態を示すもの
で、ミッションケース上部の一部を上方へ延出させ、こ
の延出部32aに上述の3連のギヤ73a、73b及び
73cからなるギヤ伝動機構を内装する構成としてい
る。このように、ミッションケースと一体の延出部32
aにギヤ伝動機構を内装することで、両HSTの取付剛
性を確保することができるとともに、ギヤケースをミッ
ションケースと一体化することで部材点数を減らすこと
が出来る。
【0017】同じく図4及び図8を参照して説明する
と、走行時は、走行用HST5の動力は、前述の伝動経
路を介してサイドクラッチ軸16に伝達される。走行時
(エンジン回転中)は、左右のサイドクラッチ24L,
24Rは接続状態になっているため、動力は減速ギヤ軸
17を介してホイルギヤへ伝達され、ホイル軸(車軸)
18を駆動する。なお前にも述べたように、たとえばエ
ンジンを始動すると、ソレノイドバルブと接続している
油圧配管により流入する油圧でピストン44が内方へ押
されて左右のサイドクラッチのディスク板36が接続し
て動力は伝達可能状態となり、走行用HST5の前後進
操作により動力は伝達されていく。走行用HST5を中
立にすると動力の伝達は行われなくなる。また、エンジ
ンを停止するとピストン44の内方に配設した圧縮バネ
(図示せず)でピストン44は元の位置に戻り動力の伝
達は断たれる。
【0018】そして、旋回時は、旋回内側のサイドクラ
ッチの接続状態が断たれオフになり、走行用HST5の
動力はホイル軸18へは伝達されない。たとえば、左側
のサイドクラッチ24Lはオフで、右側のサイドクラッ
チ24Rがオンになっている場合を考えると、走行用H
ST5の動力はサイドクラッチ軸16から右側(旋回外
側)のホイル軸18へ伝達されるが、左側(旋回内側)
のホイル軸18へは伝達されない。そして、旋回用HS
T6の動力が前記差動ギヤ機構に入力し、差動入力ギヤ
Q、デフケース25の回転駆動によって、デフ差動軸2
2に伝達され、差動出力ギヤR、逆転ギヤ23を介して
サイドクラッチ24Lの回転体101とギヤ16bが回
転し、左側(旋回内側)のホイル軸18へと伝達され、
該ホイル軸18を正転側又は逆転側に無段で変速する。
また、本発明では、上記逆転ギヤ23を副変速後の減速
軸15に遊転自在に軸装して設けているため、この逆転
ギヤ23を支持する軸を別途設ける必要がなく、軸数を
減らして、コスト及び重量を低減することができる。さ
らに、伝動装置のコンパクト化の達成も可能になる。ま
た、後でも詳しく述べるが、デフ差動軸22に設けるブ
レーキ27についてここで簡単に説明しておくと、左右
のブレーキプレート46L,46Rを回転させるとピス
トン47が内方に押されて多板式のディスク板45が接
続することにより駐車ブレーキがかかるようになってい
る。
【0019】図5は上記差動入出力ギヤP,Q,Rの回
転数の関係を示す線図である。走行(直進)時は、左右
のベベルギヤ43、43が逆回転し、ベベルギヤ42と
42aは軸22に対して公転せず自転している。そし
て、旋回のときは、旋回用HST6より動力が伝達さ
れ、パワステレバー3の傾動角度に応じて、差動入力ギ
ヤQがゼロ回転から立ち上がり、旋回外側の差動出力ギ
ヤP又はRに対して差動入力ギヤQが加速していく。ギ
ヤR又はギヤPの一方が他方に対して逆転(旋回外側と
内側とが同方向回転で且つ旋回内側が外側より低回転)
している間は緩やかな旋回角度での旋回(ここでは「マ
イルドターン」と称する)、停止(ギヤQがギヤP又は
Rの1/2回転状態で旋回内側の回転停止)した時はブ
レーキターンとなる。差動出力ギヤPとRが互いに逆転
しているにもかかわらず、ホイル軸18が同方向に回転
するのは逆転ギヤ23を介しているためである。そし
て、デフケース25はギヤQと一体で回転し、ギヤPと
同回転目指して加速し、ギヤRとギヤPの一方が他方に
対し正転(旋回外側と内側とが異方向回転)していると
きはスピンターンとなる。もちろん、左旋回と右旋回の
場合とでは旋回内側と外側が逆になる。ところで、旋回
用HST6の駆動回転速度の制御によってスピンターン
状態における旋回内側の車軸回転数と旋回外側の車軸回
転数との比を1:3となるように設定した場合、1:1
のスピンターンと比較して、旋回中の馬力損失が少なく
なり、またスピンターンしながらも機体旋回中心が移動
するため、枕地等での旋回後、条合わせが容易になる。
【0020】また、前述したように、ミッションケース
の外形は略U字状に形成されているが、その上部中央の
空間部である凹部には、図6に示すように副変速の切換
手段を設けている。8は副変速レバーであり、リンク機
構48を介してミッションケースの凹部のピン40に接
続している。このピン40はU字状プレート40aに固
定していて、さらにU字状プレート40aは副変速を変
速するシフタに連結している。また、主変速レバー7は
リンク機構49を介して走行用HST5のピン53aに
接続している。このピン53aはU字状プレート53b
に固定されている。55は定量モータである。また、旋
回用HST6のトラニオン軸54にはピニオン56aと
歯車56を介してモータ57を取付けている。前にも説
明したように、入力プーリ33を介して走行用HST5
の入力軸11にエンジンからの動力が伝達されるが、こ
の動力はエンジンプーリ58(図7)よりベルト50を
介して入力プーリ33に伝達される。また、入力プーリ
33には入力プーリ39との間にもベルト51が掛け渡
され、エンジンからの動力が入力プーリ39にも伝達さ
れる。なお、52はテンションプーリで、その作動・不
作動によって旋回用HST6への動力の断続を行う。す
なわち、ブレーキペダル9を踏むとベルト51は緩み、
動力が伝達されなくなるので、不用意にパワステレバー
3を左右に傾動してもコンバインの不用意な旋回を防止
できる。このように走行用HST5と旋回用HST6と
の前後間隔部の空間を有効利用して副変速操作手段を配
置できるため、全体的にコンパクトに構成することが出
来る。
【0021】ここで、図7の油圧配置図について説明す
ると、エンジンを始動すると、オイルタンク62のオイ
ルはギヤポンプ60を介して吸入され、またレデュース
バルブ61を介してソレノイドバルブ66へ送られ、こ
こで左右に分かれてそれぞれ左右のサイドクラッチ24
L,24Rに送られる。油圧により左右のサイドクラッ
チ24L,24Rは接続状態(入りの状態)になる。ま
た、オイルタンク62より走行用HST5及び旋回用H
ST6へ送られる。走行用HST5又は旋回用HST6
を使用しないときは、マニホールド65を介して一部が
オイルタンク62へ返却される。さらに、オイルタンク
62よりコントロールバルブ63を介して刈取上下用シ
リンダ67とオーガ上下用シリンダ68へ送られる。
【0022】また、前述のとおり、差動ギヤ機構(差動
装置)の左右両方のデフ差動軸22、22には駐車ブレ
ーキ27を設けている。このブレーキ27は、操縦部に
設けたブレーキペダル9に連動している(図2参照)。
図9を参照して駐車ブレーキ27の作動について説明す
る。停車時にこのブレーキペダル9を矢印A方向に踏込
操作すると、支持板69が支点72の回りを矢印B方向
に回動し、このとき図示しないワイヤを引っ張って前述
のテンションプーリ52を移動させてベルト51を緩め
ると伝動が断たれる。これと同時にチューブ10a内の
ワイヤ10が引っ張られて、ワイヤ10の先端は前述の
左右のブレーキプレート46L,46Rと連結している
ので、該左右のブレーキプレート46L,46Rが矢印
C方向に回転する(倒れる)。これによって前述のよう
にブレーキ27が作用し、差動ギヤ機構に連動連結され
た左右のサイドクラッチギヤ及びホイル軸がほぼ完全に
制動される。
【0023】このように、左右の両デフ差動軸22、2
2にブレーキ27、27を設けて制動することにより、
駐車ブレーキを確実にかけることができる。例えば坂道
で斜めに停車してもターンすることなく確実に坂道停車
でき、安全性が向上する。また、作業形態として、圃場
の一辺刈取後、畦際で停車したまま刈取部を駆動して刈
取穀稈を後送する操作を行うことがあるが、ブレーキペ
ダル9を踏み、左右両サイドクラッチ24L,24Rを
切ってブレーキ27を作用させることにより、走行用H
ST5が駆動されていても機体を確実に停車させたまま
この作業を行うことが出来る。
【0024】なお、図10は上述の図9を前後方向から
みたもので、29は刈取上下支点パイプ、30は刈取フ
レームである。なお、同図には、前述の図11に示した
ミッションケースとは別体の専用ギヤケース70L,7
0Rによる構成を示している。また、図示はしていない
が、エンスト時においてブレーキ27を作用させる緊急
停止用のモータを設けることが出来る。すなわち、エン
ジンがエンストすると上記モータが作動してワイヤケー
ブルにより前述のブレーキプレート46L,46Rを矢
印C方向に回動させ、これによって同様にブレーキ27
が入り状態となる。
【0025】図13は差動伝動機構の他の構成を示すも
ので、ミッションケースに軸受された左右方向長尺(一
本物)の差動軸22に対して、差動出力ギヤP,Rをス
プライン嵌合した左右の差動ギヤ43、43をそれぞれ
回転自在に遊嵌して設ける。左右の差動ギヤ43、43
にはデフケース25側に軸受されたデフピニオンを常時
噛合状態に設ける。上記デフケース25は、左右の差動
ギヤ43、43上に軸受(ベアリング)106を介して
軸承する。そして、デフケース25のセンターをミッシ
ョンケース中央の割面相当位置(センターギヤ位置に相
当)Aに対して一側へ偏倚させて配置する。上記差動軸
22の上記偏倚側と同じ側の端部には、該差動軸22に
スプライン嵌合する軸側一体回転部材103を設けると
共に、同じ側の差動ギヤ43に対して、ギヤ側一体回転
部材102をシフタ105により軸方向に摺動自在にス
プライン嵌合して設ける。
【0026】そして、上記軸側一体回転部材103とギ
ヤ側一体回転部材102との間には爪クラッチ104を
形成する。さらに、軸側一体回転部材103とその外側
のミッションケースとの間には、前述の多板式の駐車ブ
レーキ27を設ける。以上の構成により、前述の駐車ブ
レーキペダル9を踏み込むと、シフタ105によってギ
ヤ側一体回転部材102が摺動し、まず爪クラッチ10
4が噛合い、差動軸22を介して左右の差動ギヤ43、
43が一体的に連結され、差動出力不能の状態(デフロ
ック状態)となる。続いて、上記駐車ブレーキ27のデ
ィスク板45が押圧され、その結果、軸側一体回転部材
103、ギヤ側一体回転部材102、差動軸22、左右
の差動ギヤ43、43が制動されて駐車ブレーキが確実
に掛かる。
【0027】次に、本発明に関連して、旋回用HST6
の出力回転制御について説明する。すなわち、左右のデ
フ差動軸又は差動ギヤに夫々回転センサ76を設け(図
14参照。なお図14には左右の差動出力ギヤPとRに
回転センサを設けた場合を示している)、この左右の回
転センサ76、76の検出値の差がパワステレバー3の
操作量に応じた値となるように旋回用HST6の出力回
転を制御する。図15は制御ブロック図を示す。コント
ローラ77の入力側にパワステレバー3の回動操作角を
検出するポテンショメータ78と、上述の左右のデフ差
動軸又は差動ギヤに設ける回転センサ76と、機体の走
行速度を検出する車速センサ79とを接続し、出力側に
は左右のサイドクラッチ入切用ソレノイド81、82
と、旋回用HST6のトラニオン軸回動操作用の電動モ
ータ83とを接続する。また、入力側には上記旋回用H
ST6のトラニオン軸の回動角を検出するポテンショメ
ータ80も接続し、フィードバック制御することにより
制御精度を確保する。
【0028】そして、上記コントローラ77には、図1
6に示すようなパワステレバー3の回動操作角に応じた
左右の差動軸の回転差の関係を設定して保存する。こう
して、左右の回転センサ76、76の検出値の差、すな
わち左右のホイル軸18の回転差が図16に示すパワス
テレバー3の操作量に応じた値となるように上記電動モ
ータ83を操作して旋回用HST6の出力回転を制御す
る。これにより、車速が変化しても旋回時の旋回半径を
一定に保つことができ、操作性が向上する。
【0029】また、旋回用HST6の出力軸20又は該
出力軸20から前記デフケース25に到る間に設けた減
速軸21に上記回転センサ76を着脱自在に設ける構成
について説明する。図17に示すように、例えば上記減
速軸21の一端部21cをミッションケース32Lの外
部へ突出させて設け、該突出端部21cに回転センサ7
6をミッションケースの外から着脱自在に取り付ける。
具体的には、該突出端部21cに十字溝を形成してお
き、回転センサ76を嵌め込み式とすることにより着脱
自在とすることができる。このように、回転センサ76
を着脱自在とすることにより、取付時は旋回用HST6
の出力回転状態ないしはデフケース25の回転状態を検
出することが出来ると共に、この回転センサ76を取り
外して、その軸端部の回転状態を目視で確認することが
出来る。また、回転センサ76を取り外して、その軸端
部を手動で回転操作することにより、メンテナンス時の
ギヤ噛合状態の位相合わせ等を容易に行うことが出来
る。さらに、旋回用HST6の出力回転状態ないしはデ
フケース25の回転状態を検出してフィードバック制御
することで、より正確な旋回制御を行うことが出来る。
【0030】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の走
行装置は、左右に走行装置への動力断続を行うサイドク
ラッチを設けるとともに、左右のサイドクラッチ軸に設
けたサイドクラッチギヤ間に亘って差動伝動機構を設
け、旋回用HSTによる前記差動伝動機構の駆動によっ
て旋回内側の車軸を正逆に無段変速できる走行装置にお
いて、エンジンの出力を走行用HSTの駆動入力軸にベ
ルト伝動により入力すると共に、走行用HSTの駆動入
力軸と旋回用HSTの駆動入力軸とをギヤ伝動する構成
としている。このように、走行用HSTの駆動入力軸と
旋回用HSTの駆動入力軸とをギヤ伝動するため、ミッ
ションケースの外に露出するプーリ等が不要でベルト伝
動する構成と比較してこの伝動機構をコンパクトに構成
でき、しかも刈取プーリ等の他の部材との干渉を起きに
くくすることができる。
【0031】また、上記ギヤ伝動機構をミッションケー
スとは別体の専用ギヤケースに内装する構成とすること
により、このギヤ伝動機構を内装するギヤケースによっ
て走行用HSTと旋回用HSTとを連結して両HSTの
取付剛性を高めることができる。また、上記ギヤ伝動機
構をミッションケース上部の一部を上方へ延出させた該
延出部に内装する構成とすることにより、両HSTの取
付剛性を高めることができるとともに、ギヤケースをミ
ッションケースと一体化することで部材点数を減らすこ
とが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるコンバインの一例を示す全体側
面図である。
【図2】コンバインの運転席のスイッチ配置図である。
【図3】右側面からみた伝動装置内の各伝動軸の配置構
成を示す図である。
【図4】図3におけるA−A及びS1−S1に沿った断
面図である。
【図5】差動ギヤP,Q,Rの回転数の関係を示す線図
である。
【図6】伝動装置の斜視図である。
【図7】伝動装置を含む全体の油圧配置図である。
【図8】図4における一部拡大図である。
【図9】ブレーキ手段を示すミッション近傍の側面図で
ある。
【図10】図9を前後方向からみた図である。
【図11】ギヤ伝動機構の構成を示す斜視図である。
【図12】ギヤ伝動機構の他の構成を示す斜視図であ
る。
【図13】差動伝動機構の構成図である。
【図14】差動ギヤに回転センサを設けた構成図であ
る。
【図15】制御ブロック図である。
【図16】パワステレバーの回動操作角と左右の差動軸
の回転差との関係を示す特性図である。
【図17】差動系減速軸に回転センサを設けた構成図で
ある。
【図18】従来の伝動装置における駆動入力部のベルト
伝動機構を示す斜視図である。
【符号の説明】
a クローラ b 刈取部 c フィードチェーン d 脱穀機 e 穀物タンク f オーガ 1 HSTレバー 2 アクセルレバー 3 パワステレバー 4 副変速レバー 5 走行用HST 6 旋回用HST 7 主変速レバー 8 副変速レバー 9 ブレーキペダル 10 ブレーキワイヤ 11 走行用HST入力軸 12 同出力軸 13 副変速軸 15 走行系減速軸 16 サイドクラッチ軸 17 減速ギヤ軸 18 ホイル軸 19 旋回用HST入力軸 20 同出力軸 21 差動系減速軸 22 デフ差動軸 23 逆転ギヤ 24L,24R クラッチ 25 デフケース 27 ブレーキ 32L,32R ミッションケース(メインケース)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣田 幹司 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地井関農機株 式会社技術部内 Fターム(参考) 2B076 AA03 DA03 DB02 DB04 DB06 DB08 DC01 3D039 AA02 AA03 AA04 AB12 AB13 AC03 AC13 AC21 AC33 AC40 AC65 AC70 AC77 AD06 AD23 AD36 AD54 AD55 3D052 AA18 BB09 BB11 DD04 EE01 FF02 GG04 HH02 JJ09 JJ12 JJ21 JJ37

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右に走行装置への動力断続を行うサイ
    ドクラッチを設けるとともに、左右のサイドクラッチ軸
    に設けたサイドクラッチギヤ間に亘って差動伝動機構を
    設け、旋回用無段変速機構による前記差動伝動機構の駆
    動によって旋回内側の車軸を正逆に無段変速する走行装
    置において、エンジンの出力を走行用無段変速機構の駆
    動入力軸にベルト伝動により入力すると共に、前記走行
    用無段変速機構の駆動入力軸と前記旋回用無段変速機構
    の駆動入力軸とをギヤ伝動することを特徴とする走行装
    置。
  2. 【請求項2】 前記ギヤ伝動機構はミッションケースと
    は別体の専用ギヤケースに内装することを特徴とする請
    求項1記載の走行装置。
  3. 【請求項3】 前記ギヤ伝動機構はミッションケース上
    部の一部を上方へ延出させた該延出部に内装することを
    特徴とする請求項1記載の走行装置。
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