JP2002193140A - 走行装置 - Google Patents

走行装置

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JP2002193140A
JP2002193140A JP2000399478A JP2000399478A JP2002193140A JP 2002193140 A JP2002193140 A JP 2002193140A JP 2000399478 A JP2000399478 A JP 2000399478A JP 2000399478 A JP2000399478 A JP 2000399478A JP 2002193140 A JP2002193140 A JP 2002193140A
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turning
shaft
traveling
gear
hst
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JP2000399478A
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English (en)
Inventor
Koji Yasuno
公二 安野
Takahiko Kamimura
孝彦 上村
Takafumi Akiyama
尚文 秋山
Mikiji Hirota
幹司 廣田
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Original Assignee
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機体旋回時の旋回半径をほぼ一定に保ち安定
した操舵感覚を得ることができるようにした走行装置を
提供する。 【解決手段】 パワステレバー3の傾動操作によって機
体の左右旋回を操作する走行装置であって、パワステレ
バー3の傾動角の検出結果と機体の走行速度の検出結果
とに基づいて旋回用HST6の駆動回転速度を制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバイン、トラ
クタ等の走行装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コンバイン等における左右一対の
クローラ走行装置を有する車両において、左右のサイド
クラッチ機構、ギヤ変速機構、逆転カウンタギヤ機構等
を備え、油圧無段変速機構によって旋回内側の車軸を正
逆に無段変速する走行伝動装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
走行伝動装置は、パワステレバーの傾動操作角のみに応
じて旋回用油圧無段変速機構の駆動回転速度を制御する
構成となっており、機体の走行変速によって旋回半径が
変化するため、一定の操舵感覚を得ることができないと
いう欠点がある。本発明は、上記従来の問題を解決する
ためになされたものであって、その目的とするところ
は、機体旋回時の旋回半径をほぼ一定に保ち安定した操
舵感覚を得ることができるようにした走行装置を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる目的は、請求項1
の発明によれば、左右のサイドクラッチギヤ間に亘って
差動ギヤ機構及び逆転カウンタギヤを設け、旋回用油圧
無段変速機構による前記差動ギヤ機構のデフケースの回
転駆動によって旋回内側の車軸を正逆に無段変速する走
行装置であって、パワステレバーの傾動角の検出結果と
機体の走行速度の検出結果とに関連して機体の旋回半径
を略同じにする手段を設けた走行装置を提供することに
よって達成される。また、請求項2の発明は、前記機体
の旋回半径を略同じにする手段は、旋回用油圧無段変速
機構を制御する手段である構成としたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明の
実施の形態について説明する。図1は本発明に関わるコ
ンバインの一例を示す全体図である。図示するコンバイ
ンは、クローラaと、クローラ駆動軸bと、刈取部c
と、刈り取った穀稈を搬送しながら脱穀機に供給するフ
ィードチェーンdと、脱穀した穀物を貯留する穀物タン
クeと、貯留した穀物を機外へ排出するオーガfとを有
している。
【0006】図2はコンバインの運転席のスイッチ配置
図である。HSTレバー1は、前後に傾動して車速を増
減するもので、図の中立(ニュートラル)位置から前方
に倒すと前進方向に増速し、後方に倒すと後進方向に増
速する。そして、前進あるいは後進位置から中立位置方
向に戻すと減速し、中立位置で機体は停止する。アクセ
ルレバー2は、前後に傾動してスロットルを開閉するこ
とによりエンジン回転数を上げ下げするもので、後方に
倒すとスロットルが開いてエンジン回転数を上げ、前方
に倒すとスロットルが閉じてエンジン回転数を下げる。
パワステレバー3は、前後左右に傾動して刈取部の上げ
下げと機体の旋回を操作するもので、中立位置から後方
に倒すと刈取部が上昇し、前方に倒すと刈取部が下降す
る。また、左側に倒すと機体は左旋回し、右側に倒すと
右旋回する。また、4は副変速レバーである。
【0007】次に、伝動装置の構成について説明する。
図3は右側面からみた伝動装置内の各伝動軸の配置構成
を示す図で、図4は同じく右側面からみた 伝動装置内
部の構成図である。また、図5及び図6はそれぞれ左側
面からみた伝動装置の同様の構成図である。さらに、図
7は図4におけるS1−S1に沿った断面図であり、図
8は図4におけるS2−S2に沿った断面図である。図
10は伝動装置の斜視図である。図12は伝動装置を含
む全体の油圧配置図である。
【0008】左右に、走行装置への動力断続を行うサイ
ドクラッチ24L.24Rを設け、該サイドクラッチ2
4L,24Rの「切」に関連して走行装置への動力伝達
を行う差動ギヤ機構を左右のサイドクラッチギヤ間に設
けている。差動ギヤ機構は、デフケース25、デフ差動
軸22、差動ギヤP,Q,R等から構成されている。そ
して、走行用油圧無段変速機構(以下「走行用HST」
と称する)5と旋回用油圧無段変速機構(以下「旋回用
HST」と称する)6を、左右に分割構成されているが
一体となっているミッションケースに対し前後に配置
し、ミッションケース内において側面視で、「走行用H
ST入力軸11→同出力軸12→副変速軸13→カウン
タ軸14→走行系減速軸15→サイドクラッチ軸16」
の伝動経路と、「旋回用HST入力軸19→同出力軸2
0→差動系減速軸21→デフ差動軸22→逆転ギヤ軸2
3→サイドクラッチ軸16」の伝動経路とを、上部は分
離して下部においては連結し、真ん中に空間部を有する
略U字状に配置している。
【0009】すなわち、走行用HST5と旋回用HST
6は前後に配置すると共に、走行用HST5からの動力
と旋回用HST6からの動力は前記サイドクラッチ24
L,24Rを有するサイドクラッチ軸16にて合流す
る。左右一体のミッションケース(メインケース)32
L,32Rの上部は分離して走行用HST5の動力系と
旋回用HST6の動力系の入力軸がそれぞれ入力してお
り、ミッションケース32L,32Rの全体形状はこの
ような伝動経路に対応して略U字状に形成している。こ
のように、走行用の伝動経路と旋回用の伝動経路とがサ
イドクラッチ軸16を起点として前後に略U字状に立ち
上がるため、ミッションケースの最低地上高を高く確保
でき、湿田走行性能を高めることが出来るとともに、ミ
ッションケース自体をコンパクトに形成することができ
る。
【0010】かかる構成において、たとえば図10に示
すように、走行用HST5の入力軸11及び旋回用HS
T6の入力軸19にはエンジンプーリを介してエンジン
の動力が伝達される。そして、左右のサイドクラッチ2
4L,24R間に設けた差動ギヤ機構及び逆転ギヤ23
を介し、旋回時に旋回用HST6によるデフケース25
の回転駆動によって旋回内側の車軸を正逆に無段変速で
きるように構成している。
【0011】図7を参照して説明すると、上でも述べた
ように、入力プーリ33を介して走行用HST5の入力
軸11にエンジンからの動力が伝達される。同図中の5
3は走行HST用のトラニオン軸である。そして、同出
力軸12から副変速軸13へと動力が伝達され、副変速
軸13の一端には刈取部を駆動する刈取入力プーリとベ
ルトで掛け渡された刈取出力プーリ34が取付けられ、
副変速軸13と刈取出力プーリ34との間にはワンウェ
イクラッチが介装されている。また、シフタの切換えに
よって高速・中速・低速に切り換えられ、副変速ギヤ1
3aと噛合するカウンタ軸14のギヤ14a、14b、
14cを介してカウンタ軸14が駆動する。カウンタ軸
14の駆動により、同じくカウンタ軸14に設けられた
ギヤ14bと噛合する走行系減速軸15のギヤ15bを
介して該減速軸15が駆動する。
【0012】さらに、上記減速軸15の駆動により、同
じ減速軸15に設けられたギヤ15aと噛合するサイド
クラッチ軸16中央のギヤ16aを介して該サイドクラ
ッチ軸16が駆動する。サイドクラッチ24L,24R
は、油圧でディスク板36を内方に押し付けると接続状
態になり、動力が回転体35からギヤ37aと一体構成
されているケーシング37へ伝達され、さらにサイドク
ラッチ軸16とのスプライン嵌合によりギヤ16bが回
転する。この実施例ではエンジンが始動している時は、
常に油圧力によりディスク36が押し付けられて接続状
態になっている。そして、ギヤ16bと噛合するギヤ1
7aを介しスプライン嵌合により減速ギヤ軸17が駆動
する。さらに、減速ギヤ軸17の駆動により、同じギヤ
軸17のギヤ17bと噛合するギヤ18aを介しスプラ
イン嵌合によりホイル軸18が駆動する。なお、同図中
の38はホイル軸18に取付けるスプロケットを示して
いる。
【0013】また、図8を参照して説明すると、前述し
たように、入力プーリ39を介して旋回用HST6の入
力軸19にエンジンからの動力が伝達される。同図中の
54は旋回HST用のトラニオン軸である。そして、同
出力軸20からギヤ20a及びこれと噛合するギヤ21
aを介して減速軸21へと動力が伝達される。また、該
減速軸21のギヤ21bを介してこれと噛合する差動ギ
ヤQへ伝達される。差動ギヤQはボルトでデフケース2
5に固定されている。図中の41はデフケース25に固
定したピン、42と43はそれぞれベベルギヤを示して
いる。また、デフ差動軸22に設けた差動ギヤPは前述
のサイドクラッチ24Lのギヤ37aと噛合する。ま
た、デフ差動軸22の差動ギヤPとは反対側に設けた差
動ギヤRは、逆転ギヤ軸23の逆転ギヤ23aと噛合
し、さらに該逆転ギヤ23aはサイドクラッチ24Rの
ギヤ37aと噛合する。
【0014】図11を参照して説明すると、走行時は、
走行用HST5の動力は、前述の伝動経路を介してサイ
ドクラッチ軸16に伝達される。走行時は、左右のサイ
ドクラッチ24L,24Rは接続状態になっているた
め、動力は減速ギヤ軸17を介してホイルギヤへ伝達さ
れ、ホイル軸(車軸)18を駆動する(同図の実線矢印
の流れを参照)。なお前にも述べたように、たとえばエ
ンジンを入れると、ソレノイドバルブと接続している油
圧配管により流入する油圧でピストン44が内方へ押さ
れてサイドクラッチのディスク板36が接続して動力は
伝達され、エンジンを切ると圧縮バネ45でピストン4
4は元の位置に戻り動力の伝達は断たれる。
【0015】そして、旋回時は、旋回内側のサイドクラ
ッチがオフになり、走行用HST5の動力はホイル軸へ
は伝達されない。ここでは、左側のサイドクラッチ24
Lはオンで、右側のサイドクラッチ24Rがオフになっ
ている場合を考えると、走行用HST5の動力はサイド
クラッチ軸16から左側(旋回外側)のホイル軸18へ
伝達されるが、右側(旋回内側)のホイル軸18へは伝
達されない。そして、旋回用HST6の動力が前記差動
ギヤ機構に入力し、図11の破線矢印の流れに示すよう
に、差動ギヤQ、デフケース25の回転駆動によって、
デフ差動軸22に伝達され、差動ギヤR、逆転ギヤ23
を介して右側(旋回内側)のホイル軸へと伝達され、ホ
イル軸を正転側又は逆転側に無段で変速する。また、ブ
レーキ27について説明すると、ブレーキプレート46
を回転させるとピストン47が内方に押されてディスク
板27aが接続することによりブレーキがかかるように
なっている。
【0016】図9は上記差動ギヤP,Q,Rの回転数の
関係を示す線図である。走行(直進)時は、デフ差動軸
22は左右が逆回転し、ベベルギヤ42と42aは自転
している。そして、旋回のときは、旋回用HST6より
動力が伝達され、パワステレバー3の傾動角度に応じ
て、差動ギヤQがゼロ回転から立ち上がり、旋回外側の
差動ギヤP又はRに対して差動ギヤQが加速していく。
ギヤR又はギヤPの一方が他方に対して逆転(旋回外側
と内側とが同方向回転で且つ旋回内側が外側より低回
転)している間は緩やかな旋回角度での旋回(ここでは
「マイルドターン」と称する)、停止(旋回内側の回転
停止)した時はブレーキターンとなる。そして、デフケ
ース25が逆方向回転を始め、ギヤRとギヤPの一方が
他方に対し正転(旋回外側と内側とが異方向回転)して
いるときはスピンターンとなる。もちろん、左旋回と右
旋回の場合とでは旋回内側と外側が逆になる。ところ
で、旋回用HST6の駆動回転速度の制御によってスピ
ンターン状態における旋回内側の車軸回転数と旋回外側
の車軸回転数との比を1:3となるように設定した場
合、1:1のスピンターンと比較して、旋回中の馬力損
失が少なくなり、またスピンターンしながらも機体旋回
中心が移動するため、枕地等での旋回後、条合わせが容
易になる。
【0017】また、前述したように、ミッションケース
の外形は略U字状に形成されているが、その上部中央の
空間部である凹部には、図10に示すように副変速の切
換手段を設けている。8は副変速レバーであり、リンク
機構48を介してミッションケースの凹部のピン40に
接続している。このピン40はU字状プレート40aに
固定していて、さらにU字状プレート40aは副変速を
変速するシフタに連結している。また、主変速レバー7
はリンク機構49を介して走行用HST5のピン53a
に接続している。このピン53aはU字状プレート53
bに固定されている。55は定量モータである。また、
旋回用HST6のトラニオン軸54にはピニオン56a
と歯車56を介してモータ57を取付けている。前にも
説明したように、入力プーリ33を介して走行用HST
5の入力軸11にエンジンからの動力が伝達されるが、
この動力はエンジンプーリ58(図12)よりベルト5
0を介して入力プーリ33に伝達される。また、入力プ
ーリ33には入力プーリ39との間にもベルト51が掛
け渡され、エンジンからの動力が入力プーリ39にも伝
達される。なお、52はテンションプーリで、その作動
・不作動によって旋回用HST6への動力の断続を行
う。このように走行用HST5と旋回用HST6との前
後間隔部の空間を有効利用して副変速操作手段を配置で
きるため、全体的にコンパクトに構成することが出来
る。
【0018】ここで、図12の油圧配置図について説明
すると、エンジンを駆動すると、オイルタンク62のオ
イルはギヤポンプ60を介して吸入され、またレデュー
スバルブ61を介してソレノイドバルブ66へ送られ、
ここで左右に分かれてそれぞれ左右のサイドクラッチ2
4L,24Rに送られる。油圧により左右のサイドクラ
ッチ24L,24Rは接続状態(入りの状態)になる。
また、オイルタンク62より走行用HST5及び旋回用
HST6へ送られる。走行用HST5又は旋回用HST
6を使用しないときは、マニホールド65を介して一部
がオイルタンク62へ返却される。さらに、オイルタン
ク62よりコントロールバルブ63を介して刈取上下用
シリンダ67とオーガ上下用シリンダ68へ送られる。
【0019】また、前述のとおり、差動ギヤ機構(差動
装置)の一方(図示では右側)のデフ差動軸22には駐
車ブレーキ27を設けている。このブレーキ27は、操
縦部に設けたブレーキペダル9に連動している(図2参
照)。図13を参照して駐車ブレーキ27の作動につい
て説明する。停車時にこのブレーキペダル9を矢印A方
向に踏込操作すると、支持板69が支点72の回りを矢
印B方向に回動し、このときワイヤ73を引っ張って前
述のテンションプーリ52を移動させてベルト51を緩
めると伝動が断たれる。これと同時にチューブ10a内
のワイヤ10が引っ張られて、支持板70が支点70a
の回りを矢印C方向に回動する。この支持板70が回動
したときにロッド71を押して、ロッド71先端に取付
けたブレーキプレート46が矢印D方向に回転する(倒
れる)。これによって前述のようにブレーキ27が作用
し、差動ギヤ機構に連動連結された左右のサイドクラッ
チギヤ及びホイル軸が制動される。
【0020】これにより、駐車ブレーキを確実にかける
ことができ、例えば坂道で斜めに停車してもターンする
ことなく確実に坂道停車でき、安全性が向上する。ま
た、作業形態として、圃場の一辺刈取後、畦際で停車し
たまま刈取部を駆動して刈取穀稈を後送する操作を行う
ことがあるが、ブレーキペダル9を踏み、左右両サイド
クラッチ24L,24Rを切ってブレーキ27を作用さ
せることにより、走行用HST5が駆動されていても機
体を確実に停車させたままこの作業を行うことが出来
る。さらには、ブレーキ27がデフケース25の側部空
間に配置されることで、空間の有効利用によるミッショ
ンケースのコンパクト化も可能である。
【0021】なお、図14は上述の図13を前後方向か
らみたもので、28は刈取入力プーリ、29は刈取上下
支点パイプ、30は刈取フレーム、31はエンスト時に
おいてブレーキ27を作用させるモータである。エンジ
ンがエンストするとモータ31を作動してケーブル10
0を引っ張る。すると、支持板70が支点70aの回り
を矢印C方向に回動する。これによってブレーキ27が
入り状態となる。
【0022】また、前にも説明したとおりサイドクラッ
チギヤとホイル軸18のギヤとの間に減速ギア軸17を
設けることにより、サイドクラッチ軸16の回転数を高
める設定ができ、相対的に、このサイドクラッチ軸16
に設けるサイドクラッチ24L,24Rの容量(ディス
ク径、枚数等)を小さくすることが出来、生産コスト低
減を可能にする。
【0023】また、図7、図8等を参照すると明らかな
ように、サイドクラッチ軸16及びデフ差動軸22をミ
ッションケース(メインケース)32L,32Rによっ
て軸承し、該ミッションケース(メインケース)32
L,32Rの外側に左右のサイドクラッチ24L,24
R及び差動ギヤP,Rを設ける構成としている。そし
て、これらの左右のサイドクラッチ24L,24R及び
差動ギヤP,Rの外側を着脱自在な同じサイドケース3
3L,33Rによって一体的に覆う構成としている。こ
れによって不具合が生じたときのメンテナンスは、メイ
ンのミッションケース32L,32Rを分解しなくても
サイドケース33L,33Rを取り外すだけでできるの
で、サイドクラッチ24L,24Rや差動ギヤP,Rの
メンテナンスを容易に行うことが出来る。
【0024】また、上記サイドケース33L,33Rに
は、サイドクラッチ24L,24Rを挿抜可能な穴を形
成すると共に、該穴に蓋体34L,34Rを着脱自在に
設ける構成としている。これによって、蓋体34L,3
4Rを取り外すだけで、サイドクラッチ24L,24R
を挿抜してこのサイドクラッチのメンテナンスを容易に
行うことが出来る。
【0025】次に、パワステレバーの傾動角の検出結果
と機体の走行速度の検出結果とに関連して機体の旋回半
径を略同じにする手段について説明する。図15に示す
ように、コントローラ74の入力側にパワステレバー3
の傾動操作角を検出するポテンショメータ75と機体の
走行速度を検出する車速センサ77を接続する一方、そ
の出力側に旋回用HST6の斜板角変更用の電動モータ
76を接続する。なお、コントローラ74の入力側には
旋回用HST6の斜板角を検出するポテンショメータも
接続し、フィードバック制御することにより制御精度を
確保している。
【0026】コントローラ74には、ポテンショメータ
値と車速センサ値とに応じて決定される斜板変位角(図
16参照)を制御値として設定し、パワステレバーの傾
動角の検出結果と機体の走行速度の検出結果から上記制
御値に基づいて旋回用HST6の駆動回転速度を制御す
る構成とする。このように、旋回用HST6の駆動回転
速度の制御に機体の走行速度を加味することで、機体旋
回時の旋回半径をほぼ一定に保ち、その結果安定した操
舵感覚を得ることが出来る。また、機械的な操作連繋機
構を構成することも考えられるが、このような場合と比
較して、本実施形態によれば上記制御ラインの変更設定
等により操向状態(操舵感覚)の調整を容易に行うこと
が出来る。
【0027】ところで、上記車速センサ77は、ミッシ
ョン内部のサイドクラッチ軸16より伝動上手側で副変
速軸13より伝動下手側の軸、例えばカウンタ軸14に
設けるようにする(図7参照)。回転数の低い軸よりも
比較的回転数の高い軸に車速センサを設けることによ
り、検出精度を高めて安定した制御を行うことが出来
る。
【0028】次に、パワステレバーの傾動操作角の検出
結果に基づいて旋回用HST6の駆動回転速度を制御す
る場合において、パワステレバー3の傾動操作角と旋回
用HST6の駆動回転速度との関係が折線を成す如く設
定する構成について説明する。図17はパワステレバー
の傾動角と旋回用HSTの駆動回転速度との関係の一例
を示す線図であり、前述のコントローラ74には、操作
角ポテンショメータ値に応じて決定される斜板角ポテン
ショメータ値(旋回用HSTの駆動回転速度に比例)を
折線の制御ラインとして設定する。パワステレバーの傾
動角と旋回用HSTの駆動回転速度との関係が曲線を成
す如く設定すると、パワステレバーの傾動角の増大に対
して旋回用HSTの駆動回転速度の増速変化が急激とな
り、操舵感覚が一定しないという問題があるが、本態様
のように折線を成す如く設定すると、パワステレバーの
傾動角の増大に対する旋回用HSTの駆動回転速度の増
速変化が、或る一定の範囲を境として夫々直線的に変化
するため、操舵感覚を一定化することができる。
【0029】次に、車速センサによって微速走行状態が
検出されている場合には旋回用HSTの回転駆動を牽制
する手段について説明する。従来の走行装置では、副変
速装置の中立状態を検出して旋回用HSTの回転駆動を
牽制するものが知られている。しかし、この構成では、
主変速装置を中立として停車している場合にパワステレ
バーが操作されると、旋回用HSTが回転駆動して機体
が旋回してしまう不具合が生じる。そこで、車速センサ
77による検出結果が微速域のとき停車状態と判断し、
このときパワステレバー3を傾動操作してもコントロー
ラ74から電動モータ76へ駆動出力されない設定を行
うことにより、旋回用HST6の回転駆動を牽制する。
すなわち、車速センサ77によって微速走行状態が検出
されている場合には、パワステレバー3が操作されても
牽制手段によって旋回用HST6は回転駆動しないた
め、これによって機体の不用意な旋回を防止し、安全性
を高めることが出来る。
【0030】また、車速センサ77によって微速走行状
態が検出されている場合(車速センサ77による検出結
果がゼロのとき)にも同様に旋回用HST6の回転駆動
を牽制することにより、機体の不用意な旋回を防止し、
安全性を高めることが出来る。
【0031】次に、パワステレバーの傾動操作角の検出
結果に基づいて旋回用HST6の駆動回転速度を制御す
る場合において、主変速レバーにスピンターン入切スイ
ッチを設け、パワステレバーの傾動角がスピンターン実
行可能領域にあるときに上記スピンターン入切スイッチ
を入操作すると旋回用HSTの駆動回転速度が旋回内側
の車軸を逆転させる速度にまで一気に上昇する構成につ
いて説明する。前述のコントローラ74の入力側に更に
主変速レバー7に設けたスピンターン入切スイッチを接
続するとともに、該コントローラ74に設定した前述の
制御ラインには所定のパワステレバーポテンショメータ
値を基準としてスピンターン実行可能領域を設定する。
【0032】これにより、パワステレバー3が設定され
たスピンターン実行可能領域まで傾動され、この状態で
主変速レバー7に設けたスピンターン入切スイッチが入
操作されると、電動モータ76が急速に駆動して旋回用
HST6の駆動回転速度が旋回内側の車軸を逆転させる
速度にまで一気に上昇する。なお、上述の旋回内側の車
軸を逆転させる速度とは、たとえばブレーキ位置(内側
の車軸の回転がゼロ)、スピン1/3(内側の車軸の回
転数が外側の1/3速)、スピン1/1(内側の車軸の
回転数が外側と同速)のいずれの設定にすることも可能
である。このように、スピンターン入切スイッチを意図
的に操作することでスピンターンが実行されるため、よ
り安全な旋回を行うことが出来る。
【0033】また、この構成と関連して、上記スピンタ
ーン入切スイッチを入操作した後にパワステレバー3を
傾動操作すると、設定された制御ラインに沿うことなく
電動モータ76が急速に駆動して旋回用HST6の駆動
回転速度が旋回内側の車軸を逆転させる速度にまで一気
に上昇する構成とすることによっても、より安全な旋回
を行うことが出来る。
【0034】また、パワステレバー3が設定されたスピ
ンターン実行可能領域まで傾動されても、この状態で主
変速レバー7に設けたスピンターン入切スイッチが切操
作されていると、旋回用HST6の駆動回転速度が旋回
内側の車軸を停止させる状態(つまりブレーキターン状
態)にまでしか上昇しない構成とすることもできる。こ
れにより、ブレーキターンを確実に実行でき、スピンタ
ーン入切スイッチを意図的に入操作するまでスピンター
ンが実行されないため、より安全な旋回を行うことが出
来る。
【0035】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の走
行装置によれば、パワステレバーの傾動操作によって機
体の左右旋回を操作する走行装置において、パワステレ
バーの傾動角の検出結果と機体の走行速度の検出結果と
に関連して機体の旋回半径を略同じにする手段を設けた
ので、機体旋回時の旋回半径をほぼ一定に保ち安定した
操舵感覚を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるコンバインの一例を示す全体側
面図である。
【図2】コンバインの運転席のスイッチ配置図である。
【図3】右側面からみた伝動装置内の各伝動軸の配置構
成を示す図である。
【図4】同じく右側面からみた 伝動装置内部の構成図
である。
【図5】左側面からみた伝動装置内の各伝動軸の配置構
成を示す図である。
【図6】同じく左側面からみた 伝動装置内部の構成図
である。
【図7】図4におけるS1−S1に沿った断面図であ
る。
【図8】図4におけるS2−S2に沿った断面図であ
る。
【図9】差動ギヤP,Q,Rの回転数の関係を示す線図
である。
【図10】伝動装置の斜視図である。
【図11】伝動経路を示す図である。
【図12】伝動装置を含む全体の油圧配置図である。
【図13】ブレーキ手段を示すミッション近傍の側面図
である。
【図14】図13を前後方向からみた図である。
【図15】パワステレバーの動作機構の説明図である。
【図16】斜板角算出のフロー図である。
【図17】パワステレバーの傾動角と旋回用HSTの駆
動回転速度との関係の一例を示す線図である。
【符号の説明】
a クローラ b クローラ駆動軸 c 刈取部 d フィードチェーン e 穀物タンク f オーガ 1 HSTレバー 2 アクセルレバー 3 パワステレバー 4 副変速レバー 5 走行用HST 6 旋回用HST 7 主変速レバー 8 副変速レバー 9 ブレーキペダル 10 ブレーキワイヤ 11 走行用HST入力軸 12 同出力軸 13 副変速軸 14 カウンタ軸 15 走行系減速軸 16 サイドクラッチ軸 17 減速ギヤ軸 18 ホイル軸 19 旋回用HST入力軸 20 同出力軸 21 差動系減速軸 22 デフ差動軸 23 逆転ギヤ軸 24L,24R クラッチ 25 デフケース 26 逆転ギヤ 27 ブレーキ 32L,32R ミッションケース(メインケース) 33L,33R サイドケース 34L,34R 蓋体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 尚文 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 (72)発明者 廣田 幹司 愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機 株式会社技術部内 Fターム(参考) 2B043 AA04 BA02 BA05 BB14 DA04 DB18 DC01 EA02 EA13 ED22 2B076 AA03 DA03 DA15 EA03 EC09 EC16 EC23 ED30 3D052 AA02 AA06 BB08 DD03 DD04 EE01 FF02 HH03 JJ08 JJ14 JJ23 3J027 FB09 HA10 HB07 HB11 HC07 HH04 HK02 HK32 3J053 AB03 DA06 DA22 EA07 EA11

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右のサイドクラッチギヤ間に亘って差
    動ギヤ機構及び逆転カウンタギヤを設け、旋回用油圧無
    段変速機構による前記差動ギヤ機構のデフケースの回転
    駆動によって旋回内側の車軸を正逆に無段変速する走行
    装置であって、パワステレバーの傾動角の検出結果と機
    体の走行速度の検出結果とに関連して機体の旋回半径を
    略同じにする手段を設けたことを特徴とする走行装置。
  2. 【請求項2】 前記機体の旋回半径を略同じにする手段
    は、旋回用油圧無段変速機構を制御する手段であること
    を特徴とする請求項1記載の走行装置。
JP2000399478A 2000-12-27 2000-12-27 走行装置 Withdrawn JP2002193140A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005104292A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Kubota Corp 作業車の旋回制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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