JP2005104292A - 作業車の旋回制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 直進用の無段変速装置7と旋回用の無段変速装置8とを備え、直進用の無段変速装置7をサーボ機構SVを用いて変速するための手動操作式の変速操作具14と、直進及び旋回を指令する旋回指令手段56と、伝動状態切換手段及びアクチュエータの作動を制御する制御手段Hとが備えられ、変速操作具14による目標変速指令に応じて位置変位する位置変位部材の位置を検出する目標変速位置検出手段Mの検出情報に基づいて、旋回用の無段変速装置8を制御する。
【選択図】 図3
Description
すなわち、旋回指令手段の操作情報と車速との情報に基づいて旋回用の無段変速装置を変速制御する構成としたものがあった。具体的に説明すると、旋回指令手段として、回動操作式の旋回用レバーが設けられ、その旋回用レバーの回動操作角をポテンショメータにて検出して、そのポテンショメータの検出情報に基づいて、直進、右旋回、左旋回のいずれが指令されているかを判別するようにしている。一方、車速の情報、言い換えると直進用の無段変速装置による変速出力の情報を検出するために、直進伝動系の途中のギアに対向して歯数を検出する電磁ピックアップ式の回転センサが設けられ、右旋回や左旋回などの旋回が指令されている状態では、旋回用レバーの回動操作角が大きいほど旋回用の無段変速装置が減速されるように、前記回転センサにて検出される回転速度の情報と旋回用レバーの回動操作角の情報に基づいて、旋回用の無段変速装置の目標速度が設定されて、その目標速度になるように変速制御が行われる構成となっている。又、直進状態では、前記回転センサにて検出される回転速度の情報に基づいて旋回用の無段変速装置が直進用の無段変速装置と同じ又は略同じ速度になるように制御される構成となっていた(例えば、特許文献1参照)。
つまり、変速操作具の操作位置の検出情報は、直進用の無段変速装置の被操作体の情報よりも先行することになり、直進用の無段変速装置に対する変速の目標となる情報を最も早いタイミングでしかも正確に検出することができる。
図2に示すように、直進走行状態における走行速度を高低変速自在な直進用の無段変速装置7と、旋回走行時において旋回中心側に位置する走行装置の走行速度を高低変速自在な操作用の無段変速装置8と、それらの無段変速装置7、8からの動力が入力され、左右の走行装置1R、1Lへの動力が出力されるミッションケース9とを備えて伝動系が構成されている。前記直進用の無段変速装置7と旋回用の無段変速装置8は、コンバインの車体に搭載されているエンジンから伝動ベルト10、及び伝動プーリ11を介して駆動される伝動軸12によって駆動される可変油圧ポンプ7A、8Aと、その可変油圧ポンプ7A、8Aからの供給油で回転駆動される油圧モーター7B、8Bとの対で構成された周知構造の静油圧式無段変速装置(HST)によって構成されている。
副変速軸22には、前記出力ギヤ20a、20bが常時噛合する副変速用の小径ギヤ22aと大径ギヤ22bとが相対回転自在に支持され、その両ギヤ22a、22bの中間位置に、副変速軸22と一体回転する副変速用シフトギヤ22dが軸芯方向で摺動自在に外嵌されている。この副変速用シフトギヤ22dを摺動操作することで高低二段に変速操作自在な副変速装置が構成されている。又、副変速軸22には出力ギア22eが固着されており、この出力ギア22eに対して、支持軸23に一体に設けたセンターギヤ24が常時噛合する状態で設けられている。
この油圧サーボ機構SVは、手動操作により中立位置から正逆方向に回動操作自在な油圧サーボ用の操作具63と、油圧操作力により移動操作されるサーボピストン64と、そのサーボピストン64を移動させるように油圧操作力を付与する圧油供給状態と前記油圧操作力の付与を停止する供給停止状態とに切り換え自在な油圧切換弁65と、長手方向の一端側が前記油圧サーボ用の操作具63における回動軸芯から偏芯した箇所に形成された操作具側被係合部66に係合し、長手方向の他端側が前記サーボピストン64に形成されたピストン側被係合部67に係合し、且つ、長手方向の中間位置が前記油圧切換弁65の弁操作体68に枢支連結しているフィードバックレバー69とが備えられている。
旋回用の無段変速装置8に連なるように設けられたケーシング70に、斜板を変速操作するサーボピストン64をスライド自在に支持するための支持部71が形成され、サーボピストン64の左右両側には作動油が供給される油室72、73が形成されている。このサーボピストン64はスプリング64aによって中立位置に復帰付勢される構成となっており、前記ケーシング70には、圧油が供給される圧油ポート74、サーボピストン64の一方の油室72に連なる正方向供給ポート75、サーボピストン64の他方の油室73に連なる逆方向供給ポート76が夫々形成されている。又、ケーシング70のバルブ形成部77には、圧油ポート74を正方向供給ポート75に接続する正方向操作位置、圧油ポート74を逆方向供給ポート76に接続する逆方向操作位置、及び、圧油ポート74を正方向供給ポート75及び逆方向供給ポート76のいずれにも接続しない中立位置の夫々に移動自在な弁操作体68が設けられている。従って、ケーシング70のバルブ形成部77と弁操作体68とにより油圧切換弁65が形成されている。
前記油圧サーボ用の操作具63における筒状の回動軸部80の径方向内側にその筒状の回動軸部80に対して相対回動自在並びに軸芯方向への移動が阻止された状態で検出用回動体84が内挿支持されている。この検出用回動体84のケーシング70内方側の端部には前記検出用連係部材85の長手方向の一端側が一体的に連結されており、この検出用連係部材85の長手方向の他端側が、前記フィードバックレバー69の一端がサーボピストン64に対して係合する前記ピストン側被係合部67と同じ箇所に係合する構成となっている。つまり、フィードバックレバー69が係合する構成を有効利用して検出用連係部材85を係合させている。
図13に示すように、変速レバー14が中立域にあり中立状態が指令されていると、前記斜板13が中立状態となり油圧モーター7Bは回転せず停止状態に維持され、主変速レバー14からの指令が前進増速側もしくは後進増速側への変速指令であると、主変速レバー14の操作指令に応じて上述したような油圧サーボ機構SVによって斜板13の角度が正転方向(前進増速方向)もしく逆転方向(後進増速方向)に油圧操作力のアシスト力によって主変速レバー14による指令にて操作され、油圧モーター7Bが指令に応じた速度で正転方向又は逆転方向に回転駆動されるように変速操作される構成となっている。
この油圧制御ユニットVUは、図10に示すように、変速用油圧シリンダ17を中立変速位置から正転方向及び逆転方向夫々に駆動すべく油圧供給状態を制御する油圧パイロット式の制御弁36を備えて構成されている。この制御弁36は、中立位置から正方向に移動した正方向出力位置及び前記中立位置から逆方向に移動した逆方向出力位置に移動自在なスプール37と、そのスプール37を前記中立位置に復帰付勢する付勢手段としての一対のコイルバネ38、39とを備えて構成されている。
主変速レバー14により減速が指令されている状態においては、変速レバー検出センサ93の検出位置つまり主変速レバー14により速度指令位置を読み込み(ステップ91、92)、その速度指令位置の情報に基づいて、旋回用の無段変速装置8の斜板15に対する目標変速位置を設定する(ステップ93)。但し、そのとき、時間経過に伴う速度指令位置の変化に対してそのまま対応するのではなく、単位時間当りの変化量が予め設定した設定変化量に規制する状態で目標変速位置を設定することになる。この設定変化量とは、予め判っている直進用の無段変速装置7が減速操作の際に変化する単位時間当りの速度変化量よりもわずかに速くなる程度に設定されている。このようにして、直進用の無段変速装置7における斜板13の操作位置の変位よりもわずかに先行する状態で目標変速位置を設定することになる。
尚、このとき、変速レバー検出センサ93の中立位置や最大操作位置での検出値と、旋回用の無段変速装置8の斜板15の中立位置や最大変速位置との間の相関関係は予め計測しておきキャリブレーションを行うことになる。
以下、別実施形態を列記する。
7、8 無段変速装置
13、15 被操作体
14 変速操作具
17 アクチュエータ
56 旋回指令手段
61 旋回用の変速位置検出手段
63 操作具
64 サーボピストン
65 油圧切換弁
66 操作具側被係合部
67 ピストン側被係合部
68 弁操作体
69 フィードバックレバー
86 直進用の変速位置検出手段
93 指令位置検出手段
D 伝動状態切換手段
H 制御手段
M 目標変速位置検出手段
Claims (6)
- 直進用の無段変速装置の変速出力を左右一対の走行装置の夫々に伝達する直進用伝動状態、前記直進用の無段変速装置の変速出力を右側の走行装置に伝達し且つ旋回用の無段変速装置の変速出力を左側の走行装置に伝達する左旋回用伝動状態、及び、前記直進用の無段変速装置の変速出力を左側の走行装置に伝達し且つ前記旋回用の無段変速装置の変速出力を右側の走行装置に伝達する右旋回用伝動状態に切り換え自在な伝動状態切換手段と、
前記旋回用の無段変速装置を変速操作するアクチュエータと、
前記直進用の無段変速装置をサーボ機構を用いて変速するための手動操作式の変速操作具と、
直進、右旋回、及び、左旋回を指令する旋回指令手段と、
前記伝動状態切換手段及び前記アクチュエータの作動を制御する制御手段とが備えられ、
前記制御手段が、
前記旋回指令手段にて直進が指令されると、前記伝動状態切換手段を前記直進用伝動状態に切り換えて、前記旋回用の無段変速装置が前記直進用の無段変速装置と同じ又は略同じ速度になるように前記アクチュエータの作動を制御する速度同期処理を実行し、
前記旋回指令手段にて右旋回が指令されると、前記伝動状態切換手段を前記右旋回用伝動状態に切り換えて前記旋回用の無段変速装置が旋回用の目標速度になるように前記アクチュエータの作動を制御し、且つ、前記旋回指令手段にて左旋回が指令されると、前記伝動状態切換手段を前記左旋回用伝動状態に切り換えて前記旋回用の無段変速装置が旋回用の目標速度になるように前記アクチュエータの作動を制御するように構成されている作業車の旋回制御装置であって、
前記変速操作具による目標変速指令に応じて位置変位する位置変位部材の位置を検出する目標変速位置検出手段と、
前記旋回用の無段変速装置における変速用の被操作体の操作位置を検出する旋回用の変速位置検出手段とが備えられ、
前記制御手段が、
前記速度同期処理として、前記目標変速位置検出手段の検出情報に基づいて、前記旋回用の無段変速装置における変速用の被操作体の目標変速位置を設定して、前記変速位置検出手段にて検出される前記変速用の被操作体の操作位置が前記目標変速位置になるように前記アクチュエータの作動を制御するように構成されている作業車の旋回制御装置。 - 前記目標変速位置検出手段が、前記変速操作具を前記位置変位部材として、その操作位置を検出するものである請求項1記載の作業車の旋回制御装置。
- 前記制御手段が、前記速度同期処理において、
前記目標変速位置検出手段の検出情報に基づいて、前記直進用の無段変速装置における変速用の被操作体の操作位置の変位よりもわずかに先行する状態で前記目標変速位置を設定するように構成されている請求項2記載の作業車の旋回制御装置。 - 前記目標変速位置検出手段が、前記サーボ機構によって操作される前記直進用の無段変速装置における変速用の被操作体を前記位置変位部材として、その操作位置を検出するものである請求項1記載の作業車の旋回制御装置。
- 前記目標変速位置検出手段が、
前記変速操作具を前記位置変位部材として、その操作位置を検出する指令位置検出手段と、
前記サーボ機構によって操作される前記直進用の無段変速装置における変速用の被操作体を前記位置変位部材として、その操作位置を検出する直進用の変速位置検出手段とを備えて構成され、
前記制御手段が、前記速度同期処理において、
前記変速操作具により減速が指令されている状態においては、前記指令位置検出手段の検出情報に基づいて前記目標変速位置を設定し、
前記変速操作具により増速が指令されている状態においては、前記直進用の変速位置検出手段の検出情報に基づいて前記目標変速位置を設定するように構成されている請求項1記載の作業車の旋回制御装置。 - 前記サーボ機構が、
油圧操作力により移動操作されて前記直進用の無段変速装置における変速用の被操作体を移動するためのサーボピストンと、そのサーボピストンを移動させるように油圧操作力を付与する圧油供給状態と前記油圧操作力の付与を停止する供給停止状態とに切り換え自在な油圧切換弁と、長手方向の一端側が前記変速操作具に連動連係された操作具における回動軸芯から偏芯した箇所に形成された操作具側被係合部に係合し、長手方向の他端側が前記サーボピストンに形成されたピストン側被係合部に係合し、且つ、長手方向の中間位置が前記油圧切換弁の弁操作体に枢支連結しているフィードバックレバーとを備えて構成され、
前記操作具が回動するとフィードバックレバーがピストン側被係合部を中心に揺動して前記弁操作体が圧油供給用操作位置に移動して前記油圧切換弁が前記圧油供給状態に切り換わり、且つ、前記サーボピストンが移動して前記フィードバックレバーが前記操作具側被係合部を中心にして前記操作具の回動位置に対応する位置まで揺動すると、前記弁操作体が供給停止用操作位置に移動して前記油圧切換弁が前記供給停止状態に切り換わるように構成されている請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の作業車の旋回制御装置。
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