JP3966824B2 - 作業車の変速制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、正転方向並びに逆転方向の夫々に無段階に変速自在な無段変速装置と、その無段変速装置における変速用の被操作体を操作する変速操作手段と、前記変速用の被操作体の変速位置を検出する変速位置検出手段と、前記無段変速装置の出力回転状態を検出する回転検出手段と、前記変速位置検出手段と前記回転状態検出手段との検出情報に基づいて前記変速操作手段を制御する制御手段とが備えられた作業車の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記構成の作業車の変速制御装置において、従来では、例えば、前記無段変速装置として変速用の被操作体としての斜板を操作する静油圧式無段変速装置(HST)を用いて作業車の走行装置をこの無段変速装置により駆動する構成として、走行装置の走行速度を目標とする速度にするように前記変速操作手段を制御するような構成したものがある。そして、無段変速装置の出力回転速度を目標回転速度にするために無段変速装置の出力回転速度を検出する回転検出手段として1個の回転センサを設けて、その検出値が目標回転速度になるように無段変速装置における変速用の被操作体としての斜板を操作する構成となっていた。又、上記したような正転方向並びに逆転方向の夫々に無段階に変速自在な無段変速装置においては、変速位置検出手段として位置センサを設けて斜板の位置を直接検出するようになっていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−63218号公報(第3−5頁、図1、図5、図7)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成においては、前記無段変速装置の出力回転状態を検出する回転検出手段が1個だけであり、このような回転検出手段は回転速度を検出することはできるが、現在の回転方向が正転方向であるか逆転方向であるかを検出することはできないので、前記変速位置検出手段として位置センサを設けてその位置センサの情報を利用して回転方向を判別できるようにしている。
又、上述したような無段変速装置は、変速用の被操作体を前記目標回転速度に対応する変速位置まで操作した場合であっても、無段変速装置の実際の出力回転速度が目標回転速度になるまでには少し遅れ時間がある。その結果、走行速度を増速させたり減速させたりするために目標回転速度自身が変化しているような場合には、回転速度検出手段の検出結果に基づいて変速操作手段を制御するようにすると、上述したような時間遅れに起因した制御上の不具合が発生するおそれがあるから、このような場合には、前記変速位置検出手段の検出値が目標変速位置になるように変速操作手段を制御する場合もある。
【0005】
そして、上述したような構成において、回転検出手段及び変速位置検出手段が夫々正常に動作して適正な回転速度や変速位置の情報が得られている場合には問題は無いが、長期間の使用によって、これらの検出手段が動作異常を起こすおそれがある。
【0006】
上記従来構成においては、回転検出手段及び変速位置検出手段が夫々1個だけであるから、そのうちの回転検出手段が故障すると無段変速装置の出力回転速度を検出することができないので、無段変速装置の出力回転速度が目標回転速度になるように変速用の被操作体を操作するというような制御が行えなくなるおそれがある。又、変速位置検出手段が故障した場合には、無段変速装置の出力回転速度を検出することはできるが、現在の回転方向が正転方向であるか逆転方向であるかを検出することができないことになり、変速用の被操作体をどの方向に操作すればよいかの判断ができなくなるといった制御上の不都合が発生するおそれがある。
【0007】
そこで、このような不利が発生するおそれを少なくして変速制御装置に対する信頼性を高めるために、回転検出手段並びに変速位置検出手段の夫々を複数配備するようにして、そのうちの1個のものが故障しても他のものを利用して制御を継続して実行することができるようにすることが考えられるが、このように回転検出手段並びに変速位置検出手段の夫々を複数配備するようにすると、部品点数が多くなって構造が複雑になりコスト高を招く不利がある。
【0008】
本発明はかかる点に着目してなされたものであり、その目的は、部品点数の増加を極力少なくして大幅な構成の複雑化やコスト高を招くことを回避しながら、信頼性を向上させることが可能となる作業車の変速制御装置を提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の作業車の変速制御装置は、正転方向並びに逆転方向の夫々に無段階に変速自在な無段変速装置と、その無段変速装置における変速用の被操作体を操作する変速操作手段と、前記変速用の被操作体の変速位置を検出する変速位置検出手段と、前記無段変速装置の出力回転状態を検出する回転検出手段と、前記変速位置検出手段と前記回転状態検出手段との検出情報に基づいて前記変速操作手段を制御する制御手段とが備えられたものであって、
前記回転検出手段が、
前記無段変速装置の変速後の動力にて回転され且つ周方向に複数の被検出部を等間隔に並べた被検出体の回転に伴って互いに位相が異なる状態で複数の被検出部に対応したパルス信号を出力するように、その被検出体の外周部に周方向に位置を異ならせて配置される状態で一対設けられ、
前記制御手段が、
前記一対の回転検出手段夫々の検出結果に基づいて前記無段変速装置の出力回転速度を各別に求める回転速度判別処理、
前記一対の回転検出手段夫々の検出結果に基づいて前記無段変速装置の回転方向が正転方向であるか逆転方向であるかを求める回転方向判別処理、及び、
前記一対の回転検出手段のうちの一方の回転検出手段の検出結果に基づいて求めた出力回転速度と、他方の回転検出手段の検出結果に基づいて求めた出力回転速度と、前記変速位置検出手段にて検出される前記被操作体の変速位置に対応する出力回転速度の夫々が同じ又はほぼ同じであるという回転速度条件、及び、前記回転方向判別処理にて求めた回転方向と前記変速位置検出手段にて検出される前記被操作体の変速位置に対応する回転方向とが一致しているという回転方向条件が共に満たされていれば前記各検出結果が正常であると判別し、前記回転速度条件及び回転方向条件のいずれかの条件が満たされていない場合は前記各検出結果のうちのいずれかが異常であると判別する検出状態判別処理の夫々を実行するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
すなわち、前記回転検出手段が無段変速装置の変速後の動力にて回転される被検出体の外周部に周方向に位置を異ならせて配置される状態で一対設けられ、そして、これらの一対の回転検出手段は、被検出体の回転に伴って、被検出体の周りに周方向に等間隔に並べた複数の被検出部を検出することで互いに位相が異なる状態で複数の被検出部に対応したパルス信号を出力するように構成されている。このように一対の回転検出手段が1つの同じ被検出体の複数の被検出部に対応する信号として互いに位相が異なるパルス信号を出力するように構成されることから、その被検出体の回転方向がいずれか一方向に回転する場合において、それら一対のパルス信号は所定量だけ位相がずれた信号となる。そして、それとは逆方向に回転する場合には一対のパルス信号の位相のずれかたが前記一方向に回転する場合とは異なるものとなる。例えば、いずれか一方の回転検出手段のパルス信号が立ち上がるタイミングで他方の回転検出手段のパルス信号がハイレベルとなっているものとすると、逆方向に回転した場合には、いずれか一方の回転検出手段のパルス信号が立ち上がるタイミングで他方の回転検出手段のパルス信号がローレベルとなっているといったような違いがある。
【0011】
そこで、前記各回転検出手段の検出結果によって被検出体の回転速度を求めることに加えて、一対の回転検出手段にて検出される信号の上述したような違いによって被検出体の回転方向を判別することが可能となるのである。
【0012】
つまり、制御手段は、一対の回転検出手段夫々の検出結果に基づいて無段変速装置の出力回転速度を各別に求める回転速度判別処理と、一対の回転検出手段夫々の検出結果に基づいて前記無段変速装置の回転方向が正転方向であるか逆転方向であるかを求める回転方向判別処理とを実行することになる。
【0013】
又、制御手段は、上述したような一対の回転検出手段と変速位置検出手段の検出結果を有効に利用して、互いに検出結果と比較しながら各検出手段が正常であるか異常であるかについて故障診断を行うようにしている。つまり、前記一対の回転検出手段の検出結果に基づいて求めた夫々の出力回転速度および変速位置検出手段にて検出される被操作体の変速位置に対応する出力回転速度の夫々が同じ又はほぼ同じであればその出力回転速度の情報は信用できる。又、回転方向判別処理にて求めた回転方向と変速位置検出手段にて検出される被操作体の変速位置に対応する回転方向とが一致していれば全ての情報が正しいと考えられるので、前記回転速度条件及び回転方向条件が共に満たされていれば前記各検出結果が正常であると判別する。一方、前記回転速度条件及び回転方向条件のいずれかの条件が満たされていない場合は、前記各検出結果のうちのいずれかが異常であると判別するのである。
【0014】
このように一対の回転検出手段の配置並びに検出構成及び信号処理についての判別処理構成を工夫することによって、変速位置検出手段を複数設けて部品点数を増加させなくても、回転検出手段および変速位置検出手段が正常に動作しているか否かを判別することができ、それらのうちのいずれかの検出手段が故障している状態で誤って制御を継続するといった不利を未然に回避させることが可能となる。
【0015】
従って、部品点数の増加を極力少なくして構成の複雑化やコスト高を招くことを回避しながら、信頼性を向上させることが可能となる作業車の変速制御装置を提供できるに至った。
【0016】
請求項2に記載の作業車の変速制御装置は、請求項1において、前記制御手段が、前記検出状態判別処理において、前記一対の回転検出手段のうちの一方の回転検出手段の検出結果に基づいて求めた出力回転速度と、他方の回転検出手段の検出結果に基づいて求めた出力回転速度とが同じ又はほぼ同じでない場合であっても、それらのうちのいずれか一方が前記変速位置検出手段にて検出される前記被操作体の変速位置に対応する出力回転速度と同じ又はほぼ同じであれば、それに該当する一方の回転検出手段と前記変速位置検出手段とが正常に検出結果が正常であり、前記被操作体の変速位置に対応する出力回転速度と同じ又はほぼ同じでない他方の回転検出手段が異常であると判別するように構成されていることを特徴とする。
【0017】
すなわち、前記一対の回転検出手段の検出結果に基づいて求めた夫々の出力回転速度が互いに異なる値であっても、それらのうちのいずれか一方が前記変速位置検出手段にて検出される前記被操作体の変速位置に対応する出力回転速度と同じ又はほぼ同じであれば、それに該当する一方の回転検出手段の検出結果は信用できるものと考えられるから、その回転検出手段と変速位置検出手段とが検出結果が正常であると判別し、他方の回転検出手段が異常であると判別するのである。
【0018】
このように一対の回転検出手段のいずれか一方が故障であっても他方のものが正常であれば、その正常な回転検出手段の検出結果に基づいて制御を継続して実行することが可能となるので、装置の信頼性をより向上させることができる。
【0019】
請求項3記載の作業車の変速制御装置は、請求項1又は2において、前記無段変速装置が、旋回走行状態において前記左右一対の走行装置のうちの旋回中心側に位置する走行装置の速度を変速させるように構成され、
直進及び旋回を指令自在で且つ旋回するときの旋回半径の大きさを指令自在な旋回指令手段が備えられ、
前記制御手段が、
前記各検出結果が正常であると判別した場合には、そのときの旋回中心側とは反対側の走行装置の走行速度と旋回中心側に位置する走行装置の走行速度との速度比率が、前記旋回指令手段にて指令される旋回半径に対応する速度比率となるように前記無段変速装置の目標回転速度を求め、前記無段変速装置の出力回転速度が前記目標回転速度になるように前記変速操作手段を制御するように構成されていることを特徴とする。
【0020】
すなわち、旋回指令手段により旋回が指令されると、制御手段が、前記検出状態判別処理によって各検出結果が正常であると判別した場合には、左右走行装置の夫々の走行速度の速度比率が旋回指令手段にて指令される旋回半径に対応する速度比率となるように目標回転速度を求めて、旋回中心側に位置する走行装置の速度を変速させる無段変速装置の出力回転速度が前記目標回転速度になるように前記変速操作手段を制御する。従って、旋回中心側に位置する走行装置の速度を無段変速装置によって変速することで作業車の旋回半径の変更を滑らかに行うことができるものとなる。
【0021】
請求項4記載の作業車の変速制御装置は、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記制御手段が、前記一対の回転検出手段のうちの一方の回転検出手段の検出結果に基づいて求めた出力回転速度と、他方の回転検出手段の検出結果に基づいて求めた出力回転速度と、前記変速位置検出手段にて検出される前記被操作体の変速位置に対応する出力回転速度の夫々が互いに異なる値である場合には、前記出力回転速度が零速になるように前記変速操作手段を制御するように構成されていることを特徴とする。
【0022】
すなわち、前記一対の回転検出手段の検出結果に基づいて求めた夫々の出力回転速度、及び、変速位置検出手段にて検出される前記被操作体の変速位置に対応する出力回転速度の夫々が互いに異なる値である場合には、いずれの出力回転速度も正しいとは言えないので、そのような信頼性の低い情報に基づいて制御を行うことができないから、このようなときは前記出力回転速度が零速になるように前記変速操作手段を制御するのである。
【0023】
従って、前記各検出手段の検出結果が異常であると判別した場合には、無段変速装置の出力回転速度が零速になるように制御するので、例えば、無段変速装置が走行装置を変速させるような構成であっても誤った検出情報に基づいて変速制御して走行を継続するといった不利がなく、又、左右一対の走行装置のうち旋回中心側に位置する走行装置の速度を変速させる構成とした場合には旋回中心側の走行装置を停止させることで確実に旋回走行を行うことが可能となる等、走行上の安全性を確保することができる。
【0024】
請求項5記載の作業車の変速制御装置は、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記制御手段が、前記回転方向判別処理にて求めた回転方向と、前記変速位置検出手段にて検出される前記被操作体の変速位置に対応する回転方向とが一致していない場合には、前記出力回転速度が零速になるように前記変速操作手段を制御するように構成されていることを特徴とする。
【0025】
すなわち、前記一対の回転検出手段の検出結果に基づいて前記回転方向判別処理にて求めた回転方向と、前記変速位置検出手段にて検出される前記被操作体の変速位置に対応する回転方向とが一致していない場合には、いずれの回転方向が正しいか判断することができない。そこで、そのような信頼性の低い情報に基づいて制御を行うことができないから、このようなときは前記出力回転速度が零速になるように前記変速操作手段を制御するのである。
【0026】
従って、前記各検出手段の検出結果が異常であると判別した場合には、出力回転速度が零速になるように制御するので、例えば、無段変速装置が走行装置を変速させるような構成であっても誤った検出情報に基づいて変速制御して走行を継続するといった不利がなく、又、左右一対の走行装置のうち旋回中心側に位置する走行装置の速度を変速させる構成とした場合には旋回中心側の走行装置を停止させることで確実に旋回走行を行うことが可能となる等、走行上の安全性を確保することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る作業車の変速制御装置を作業車であるコンバインに適用した場合について図面に基づいて説明する。
【0028】
図1に作業車の一例であるコンバインの全体側面が示されており、このコンバインは、左右一対のクローラ式の走行装置1R,1Lの駆動で走行する走行機体2の前部に、植立穀稈を刈り取って後方に向けて搬送する刈取搬送装置3を昇降可能に連結し、走行機体2に、刈取搬送装置3からの刈取穀稈を受け取って脱穀・選別処理を施す脱穀装置4と、脱穀装置4からの穀粒を貯留する穀粒タンク5とを搭載するとともに、穀粒タンク5の前方箇所に搭乗運転部6を形成することによって構成されている。
【0029】
次に、このコンバインの伝動構造について説明する。
図2に示すように、直進走行状態における走行速度を高低変速自在な直進用の無段変速装置7と、旋回走行時において旋回中心側に位置する走行装置の走行速度を高低変速自在な操作用の無段変速装置8と、それらの無段変速装置7,8からの動力が入力され、左右の走行装置1 R,1Lへの動力が出力されるミッションケース9とを備えて伝動系が構成されている。前記直進変速用の無段変速装置7と旋回操作用の無段変速装置8は、コンバインの車体に搭載されているエンジンから伝動ベルト10、及び伝動プーリ11を介して駆動される伝動軸12によって駆動される可変油圧ポンプ7A,8Aと、その可変油圧ポンプ7A,8Aからの供給油で回転駆動される油圧モーター7B,8Bとの対で構成された、周知の静油圧式無段変速装置(HST)によって構成されている。
【0030】
前記直進変速用の無段変速装置7は、正転方向(前進方向)並びに逆転方向(後進方向)夫々について無段階に変速操作可能な構成となっており、図3に示すように、可変油圧ポンプ7Aのトラニオン軸13が主変速レバー14に連動連係され、主変速レバー14の操作指令に基づいて斜板角を変更することにより油圧モーター7B側の出力状態を変更するように構成されている。つまり、主変速レバー14からの指令が中立であると、前記斜板角が零で油圧モーター7Bは回転せず停止状態に維持され、主変速レバー14からの指令が前進側もしくは後進側への変速指令であると、前記斜板角が直進方向もしくは後進方向に指令量だけ傾倒され、油圧モーター7Bが指令に応じた速度で直進方向又は後進方向に回転駆動される構成となっている。
【0031】
一方、旋回操作用の無段変速装置8も前記直進変速用の無段変速装置7と同様に、正転方向(前進方向)並びに逆転方向(後進方向)夫々について無段階に変速操作可能な構成となっている。しかし、この旋回操作用の無段変速装置8は手動操作で変速を行うのではなく、可変油圧ポンプ8Aのトラニオン軸15が変速操作手段としての油圧式の旋回用操作機構16に連係され、この旋回用操作機構16により斜板角を変更することにより油圧モーター8B側の出力状態を変更するように構成されている。この旋回用操作機構16は、図3に示すように、旋回操作用の無段変速装置8におけるトラニオン軸15に連動連結された複動型の変速用油圧シリンダ17と、この変操用油圧シリンダ17に対する正逆方向夫々の操作に対応する一対の油室に作動油を供給する状態と供給を停止する状態とに切り換え自在な一対の2位置切換式の給油用の油圧電磁弁18と、前記一対の油室から作動油を排出する状態と排出を停止する状態とに切り換え自在な一対の2位置切換式の排油用の油圧電磁弁19とを備えて構成されている。前記変速用油圧シリンダ17は、内装されるバネの付勢力により中立位置に復帰付勢される構成となっている。前記給油用の油圧電磁弁18は、バネの付勢力によってスプールを給油停止状態に移動付勢する構成となっており、ソレノイドによる電磁力によってバネの付勢力に抗してスプールを移動操作して作動油を供給する状態に切り換える構成となっており、又、前記排油用の油圧電磁弁19は、バネの付勢力によってスプールを排出状態に移動付勢される構成となっており、ソレノイドによる電磁力によってバネの付勢力に抗してスプールを移動操作して作動油の排出を停止する状態に切り換わる構成となっている。
【0032】
前記ミッションケース9は、その内部に、前記直進変速用の無段変速装置7の出力軸20と、前記旋回操作用の無段変速装置8の出力軸21との夫々が内挿され、これら両出力軸20,21からの動力が左右一対の走行装置1R,1Lに伝達される一方、直進変速用の無段変速装置7の動力が刈取搬送装置3に伝達される構成となっている。前記直進変速用の無段変速装置7の出力軸20には、副変速用の大小一対の出力ギヤ20a,20b及び刈取部駆動用の出力ギア20cが固着されている。
副変速軸22には、前記出力ギヤ20a,20bが常時噛合する副変速用の小径ギヤ22aと大径ギヤ22bとが相対回転自在に支持され、その両ギヤ22a,22bの中間位置に、副変速軸22と一体回転する副変速用シフトギヤ22dが軸芯方向で摺動自在に外嵌されている。この副変速用シフトギヤ22dを摺動操作することで高低二段に変速操作自在な副変速装置が構成されている。又、副変速軸22には出力ギア22eが固着されており、この出力ギア22eに対して、支持軸23に一体に設けたセンターギヤ24が常時噛合する状態で設けられている。
【0033】
前記支持軸23には、センターギヤ24を挾む両側に、そのセンターギヤ24を通して伝えられる動力を前記各無段変速装置7,8のうちの何れの駆動系から入力させるかを左右各別に切り換え自在な伝動経路切り換え機構が設けられている。この伝動経路切り換え機構は、外周部に旋回操作用の無段変速装置8の伝動系に連係された外周ギヤ部25aを備える左右一対の多板式の摩擦クラッチ25,25と、前記センターギヤ24の両側面とこれに対向するシフトギア26との間に形成された左右一対の噛み合いクラッチ27,27とで構成されている。前記左右のシフトギア26は、回転軸芯方向にシフト操作自在であって、噛み合いクラッチ27が噛み合う状態と、多板式の摩擦クラッチ25が圧接して伝動入りとなる状態とに切り換え自在に構成され、噛み合いクラッチ27が噛み合う状態では左右の摩擦クラッチ25は切り状態となる。つまり、左右のシフトギア26が、ともにセンターギヤ24に係合している状態では、シフトギア26を介して、左右の走行装置1R,1Lがともに同方向に同速駆動される機体直進状態となる。
【0034】
前記左右のシフトギア26、26は夫々、押圧スプリング29、29による押圧力に抗して操向用油圧シリンダ30、31でシフト操作することにより、噛み合いクラッチ27,27を切り操作して摩擦クラッチ25,25を入り操作可能に構成されており、この操向用油圧シリンダ30,31の操作は、図3に示すように、電磁弁32,33を切り替え操作することにより行うように構成されている。左右いずれかのシフトギア26が摩擦クラッチ25入り状態になると、それに連動される走行装置は、旋回操作用の無段変速装置8の変速動力が伝達される状態となる。
【0035】
前記旋回操作用の無段変速装置8の出力軸21には、その両端部に伝動ギヤ21a,21bが固着され、両伝動ギヤ21a,21bのそれぞれに前記各摩擦クラッチ25,25の外周ギヤ部25a,25aが噛合されている。
したがって、前記左右のシフトギア26,26のうちの一方を、センターギヤ24との噛み合いを外す側にシフト操作すると、そのシフトギア26の移動した側の摩擦クラッチ25が圧接されて入り状態となり、その摩擦クラッチ25を介して旋回操作用の無段変速装置8の動力がシフトギア26に伝達され、シフトギア26から中継ギア34及びファイナルギア35を介して一方の走行装置に伝達され、機体旋回状態となる。このシフトギア26はセンターギヤ24に噛合しているときも、摩擦クラッチ25の入り側に操作されているときにも常時走行装置への伝動系の中継ギヤ34に噛合するように構成されている。
【0036】
上記したような無段変速装置7、8の変速動作について説明を加えると、例えば図4に示すように、トラニオン軸13、15の変速位置が中立位置Nを含む所定幅を有する中立域にあれば変速出力(走行速度)は零となり、トラニオン軸13、15の変速位置がその中立域から所定方向に回動操作されると前進方向への走行速度が無段階に増速操作され、トラニオン軸13、15が中立域から所定方向と反対方向に回動操作されると後進方向への走行速度が無段階に増速操作される構成となっている。
【0037】
搭乗運転部6には、前後方向に沿って所定の前後操作範囲にわたり揺動操作可能な前記主変速レバー14、及び、左右方向に沿って所定の左右操作範囲にわたり揺動操作可能な旋回指令手段としての旋回レバー36などが装備されている。そして、図3に示すように、旋回レバー36の操作位置を検出する回転式のポテンショメータからなる旋回レバーセンサ37、一対の無段変速装置7、8の出力回転速度を検出するための2個づつ合計4個の回転検出手段としての回転センサ38〜41、前記各無段変速装置7、8のトラニオン軸13、15の斜板角を各別に検出する変速位置検出手段としてのポテンショメータ式の変速位置センサ42,43、ダイヤル操作により旋回モードを3段階に切り換える旋回モード切換え操作具44等が備えられ、これらの入力情報に基づいて変速用油圧シリンダ17、及び、操向用油圧シリンダ30、31の動作を制御する制御手段としてのマイクロコンピュータ利用の制御装置Hが備えられている。
【0038】
次に、前記回転センサ38〜41について説明を加えると、ミッションケース9内に備えられた被検出体の一例としての動力伝達用のギアを検出対象として、そのギアの回転速度に対応して周方向に等間隔に並べた複数の被検出部としての歯部と溝部とに対応したパルス信号を出力するように構成され、1つのギアに対して2個の回転センサを並べて配備させる状態で設けられている。説明を加えると、直進変速用の無段変速装置7に対しては副変速軸22に固着の出力ギア22eを検出対象としてその出力ギヤ22eに対して2個の回転センサ38,39を並べて配備している。又、旋回操作用の無段変速装置8に対しては出力軸21に固着の伝動ギヤ21aを検出対象としてその伝動ギヤ21aに対して2個の回転センサ40,41を並べて配備している。そして、図5に示すように、前記各回転センサ38〜41は、詳述はしないが電磁ピックアップコイルの作用により前記各ギアの歯部と溝部との間での近接距離の変化に対応するパルス信号を前記ギアの回転速度に対応した信号として出力するように、且つ、ギアの回転に伴って位相を異ならせる状態でパルス信号を出力するようにギアの周方向での配置位置が設定される状態で、ギアの周方向に所定間隔をあけてギアの外周部に近接する状態で配置されている。説明を加えると、例えば、図6に示すように、ギアの回転に伴って2つの回転センサのパルス信号が約90度の位相差を有する状態で出力されるように配置される構成となっている。
【0039】
そして、前記制御装置Hは、2個の回転センサ40,41の検出情報に基づいて、旋回操作用の無段変速装置8の出力回転速度を求めるとともに、回転方向が前進方向であるか後進方向であるかを判別するように構成され、2個の回転センサ38,39の検出情報に基づいて、直進変速用の無段変速装置7の出力回転速度を求めるとともに、回転方向が前進方向であるか後進方向であるかを判別するように構成されている。又、制御装置Hは、前記各回転センサ夫々がパルス信号を出力する毎に、一対の回転センサのいずれかが異常であるか否かを判別する異常判別処理を実行するように構成されている。
【0040】
説明を加えると、制御装置Hは、図7のフローチャートに示すように、各回転センサについて前記パルス信号が立ち上がるタイミングに合わせて次のような割り込みルーチンを実行する。つまり、回転センサがパルス立ち上がりタイミングに至ると、先ずパルス幅測定処理を実行する。具体的には、前記立ち上がりタイミングから基本クロックをカウンタによって計数する処理を開始し、パルス信号が立ち下がるときまでの基本クロックのカウント値によってパルス幅を求める。このパルス幅は、ギアの回転速度に対応するものである。従って、このパルス幅測定処理は、前記一対の回転センサ40,41夫々の検出結果に基づいて旋回操作用の無段変速装置8の出力回転速度を各別に求める回転速度判別処理に対応するものである。
【0041】
次に、回転方向判別処理を実行する。つまり、前記立ち上がりタイミングになったときの他方側の回転センサの出力状態から回転方向を判別するのである。図6に示す例では、回転方向が前進方向であれば、一対の回転センサ38、39及一対の回転センサ40、41のうち一方の回転センサが前記立ち上がりタイミングになったときの他方の回転センサの出力状態はローレベルであり、回転方向が後進方向であればハイレベルとなる。従って、各回転センサの立ち上がりタイミングにおいて反対側の回転センサの検出結果に基づいて回転方向を判別することになる。このようにして、回転速度及び回転方向の計測をパルス信号が出力される毎に行うようにしている。
【0042】
又、前記制御装置Hは、一対の回転センサ40,41のうちの一方の回転センサの検出結果に基づいて求めた出力回転速度と、他方の回転センサの検出結果に基づいて求めた出力回転速度と、変速位置センサ43にて検出されるトラニオン軸15の変速位置に対応する出力回転速度の夫々が同じ又はほぼ同じであるという条件と、回転方向判別処理にて求めた回転方向と変速位置センサ43にて検出されるトラニオン軸15の変速位置に対応する回転方向とが一致しているという条件とが共に満たされていれば各検出結果が正常であると判別し、いずれかの条件が満たされていない場合は各検出結果のうちのいずれかが異常であると判別する検出状態判別処理の夫々を実行するように構成されている。
【0043】
又、前記検出状態判別処理により各検出結果が正常であると判別した場合には、前記出力回転速度が予め設定された目標回転速度になるように旋回用操作機構16を制御し、且つ、一対の回転センサ40,41のうちの一方の回転センサの検出結果に基づいて求めた出力回転速度と、他方の回転センサの検出結果に基づいて求めた出力回転速度と、変速位置センサ43にて検出されるトラニオン軸15の変速位置に対応する出力回転速度の夫々が互いに異なる値である場合、又は、回転方向判別処理にて求めた回転方向と変速位置センサ43にて検出される前記被操作体の変速位置に対応する回転方向とが一致していない場合には、前記出力回転速度が零速になるように旋回用操作機構16を制御するように構成されている。
【0044】
前記各検出結果が正常であると判別した場合における具体な処理としては、旋回レバーセンサ37の検出情報に基づいて旋回操作用の無段変速装置8の目標回転速度を求めて、出力回転速度が目標回転速度になるように旋回用操作機構16の作動を制御するよう構成されている。
【0045】
次に、制御装置Hによる旋回操作用の無段変速装置8に対する変速制御の具体的な処理について説明する。
図8に示すように、上述したようにして各回転センサ40,41の検出結果より求められた出力回転速度及び回転方向についての情報と、変速位置センサ43の検出結果より求められた出力回転速度及び回転方向についての情報とを読み込む(ステップ1)。そして、各回転センサ40,41の検出結果より求められた出力回転速度Na,Nbが同じか又はほぼ同じであって、しかも、その出力回転速度Naと変速位置センサ43の検出結果より求められた出力回転速度Ncとが同じか又はほぼ同じであれば(ステップ2、3)、各回転センサ40,41の検出結果より求められた回転方向と変速位置センサ43の検出結果より求められた回転方向が一致しているか否かを判別する(ステップ4)。そして、それらが一致していれば、前記各検出結果が正常であると判断して、回転センサ40(41)の検出結果より求められた出力回転速度Na(又はNb)を制御用の出力回転速度Nxとして設定し、各回転センサの検出結果より求められた回転方向を制御用の回転方向として設定する(ステップ5)。そして、後述するような旋回制御を実行する(ステップ14)。
【0046】
前記各回転センサ40,41の検出結果より求められた出力回転速度Na,Nbが同じか又はほぼ同じであっても、その出力回転速度Naと変速位置センサ43の検出結果より求められた出力回転速度Ncとが同じか又はほぼ同じでなければ、それらの検出結果が正しいと判断することができないので、このときは搭乗運転部6に備えられた報知ランプ60を点灯させて警報を発するとともに、出力回転速度が零速になるように旋回操作用の無段変速装置8のトラニオン軸15を中立位置に操作すべく旋回用操作機構16を制御する(ステップ6,7)。
【0047】
そして、前記各回転センサ40,41の検出結果より求められた出力回転速度Na,Nbが異なる値である場合には、いずれかの回転センサが異常であると考えられるので搭乗運転部6に備えられる報知ランプ60を点灯させて警報を発する(ステップ8)。但し、この場合には、前記各出力回転速度Na,Nbのうち大きい方の値が変速位置センサ43の検出結果より求められた出力回転速度Ncとが同じか又はほぼ同じであれば、その大きい方の値に該当する回転センサは正常であると考えられるから、その該当する回転センサの出力回転速度(Na又はNb)を制御用の出力回転速度Nxとして設定し、変速位置センサ43の検出結果より求められた回転方向を制御用の回転方向として設定する(ステップ9〜13)。そして、後述するような旋回制御を実行する(ステップ14)。
【0048】
次に、前記旋回制御について説明を加えると、図9のフローチャートに示すように、例えば、主変速レバー14を操作して直進走行しているときに、旋回レバー36が中立位置から左右いずれかに旋回操作されると、旋回中心側つまり旋回方向が右であれば右側の操向用油圧シリンダ30を作動させて右側の走行装置1Rに旋回用の無段変速装置8の変速動力を伝達させる状態に切り換える(ステップ141〜144)。そして、左右の走行装置1R,1Lが回転方向が同じであってそれらの回転速度の速度比率が旋回レバー36にて指令される旋回半径に対応する速度比率となるように、旋回中心側の無段変速装置の目標回転速度Nsを求める(ステップ145)。つまり、そのときの旋回中心とは反対側の走行装置の出力回転速度、つまり、直進変速用の無段変速装置7の出力回転速度が回転センサ38,39の検出情報に基づいて求めて変速位置センサ42の検出情報に基づいて回転方向を判別する。一方、旋回レバー36の旋回指令操作領域における直進指令位置から離れる方向への移動量と旋回半径に対応する速度比率との関係が、図10に示すように二次関数に対応する関係として定めて記憶されており、この関係と計測した反対側の走行装置の出力回転速度とから目標回転速度を求めるのである。そして、検出された出力回転速度Nxが目標回転速度Nsになるように旋回用操作機構16の作動を制御して変速操作を行う(ステップ146〜148)。
【0049】
尚、図10のラインL1は基準となる反対側の無段変速装置の速度を示している。ラインL2は緩旋回モードにおける目標回転速度の変化を示し,ラインL3は信地旋回モードにおける目標回転速度の変化を示し、ラインL4は超信地旋回モードにおける目標回転速度の変化を示しており、前記旋回モード切換え操作具44にて指定された旋回モードが選択されることになる。
説明を加えると、ラインL2にて示す緩旋回モードでは、旋回レバー36が最大操作位置にまで操作されると、旋回側の走行装置が反対側の走行装置の走行速度Vの約1/3の速度にまで減速されるように、旋回レバー36の操作位置に対する、左右の走行装置1R,1Lの速度比率の変化特性が予め設定されている。ラインL3で示す信地旋回モードにおいては、旋回レバー26が最大操作位置にまで操作されると、旋回側の走行装置の走行速度が零となるまで減速されるように、旋回レバー36の操作位置に対する左右の走行装置1R,1Lの速度比率が予め設定されている。又、ラインL4に示す超信地旋回モードにおいては、旋回レバー36が最大操作位置にまで操作されると、旋回側の走行装置の走行速度が反対側の走行装置の駆動回転方向とは逆回転方向で、反対側の走行装置の速度と同速度になるように、旋回レバー36の操作位置に対する左右の走行装置1R,1Lの速度比率が予め設定されている。
【0050】
旋回レバー36が中立位置にあるときは直進走行用の速度同期処理を実行する(ステップ149)。この速度同期処理は、左右の操向用油圧シリンダ30、31はいずれも作動させないので走行装置を変速させる機能はないが、直進変速用の無段変速装置7の回転方向と同じ方向にその出力回転速度と同期するように同じ出力回転速度で常に回転するように、旋回用無段変速装置8の調整処理が行われることになる。
【0051】
又、上述の制御フローチャートの説明では、旋回操作用の無段変速装置8に対する変速制御の具体的な処理について説明し、直進変速用の無段変速装置7の回転速度及び回転方向を検出する場合の処理について説明は省略したが、この場合にも上述したような検出状態判別処理(ステップ1〜13)と同様な検出状態判別処理を行う構成となっている。尚、異常が判別されても直進変速用の無段変速装置7は手動操作で変速されるので直進走行時の変速操作には支障がないが、旋回制御を実行するときには、上述の処理と同様に、一対の回転センサ38,39のうちの一方の回転センサの検出結果に基づいて求めた出力回転速度と、他方の回転センサの検出結果に基づいて求めた出力回転速度と、変速位置センサ42て検出されるトラニオン軸15の変速位置に対応する出力回転速度の夫々が互いに異なる値である場合、又は、回転方向判別処理にて求めた回転方向と変速位置センサ43にて検出される前記被操作体の変速位置に対応する回転方向とが一致していない場合には、旋回用の無段変速装置8の出力回転速度が零速になるように旋回用操作機構16を制御することになる。
【0052】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0053】
上記実施形態では、前記無段変速装置が、旋回走行状態において前記左右一対の走行装置のうちの旋回中心側に位置する走行装置の速度を変速させるように構成され、旋回指令手段としての旋回レバーにて指令される旋回半径に対応させて変速制御を行う構成としたが、このような構成に限らず、走行装置を変速するものに限らず、作業装置を変速させる構成の無段変速装置にも適用できる。
【0054】
(2)上記実施形態では、前記一対の回転検出手段の夫々の出力回転速度と、前記変速位置検出手段にて検出される出力回転速度の夫々が互いに異なる値である場合、および、一対の回転検出手段の夫々の検出結果により求めた回転方向と、変速位置検出手段にて検出される回転方向とが一致していない場合の夫々において、出力回転速度が零速になるように変速操作手段を制御するように構成したが、このような構成に代えて、出力回転速度が零速になるように変速操作手段を制御するものに代えて、予め定めた所定の速度に調整する構成としてもよい。
【0055】
(3)上記実施形態では、旋回指令手段として、左右の揺動操作自在な操作具としての旋回レバーと、その操作位置を検出するポテンショメータ式の旋回レバーセンサとを備える構成としたが、このような構成に限らず、例えば、指令する旋回半径が互いに異なる複数のスイッチで構成したり、スイッチを押し操作する時間で旋回半径を異ならせるように指令する構成等、各種の形態で実施してもよい。又、車速指令手段も旋回指令手段と同様に、複数のスイッチで構成するなど各種の形態で実施してもよい。
【0056】
(4)上記実施形態では、無段変速装置のトラニオン軸を操作するアクチュエータとして、油圧シリンダを例示したが、油圧モータや電動モータ等他のアクチュエータを用いてもよい。
【0057】
(5)上記実施形態では、直進変速用の無段変速装置と旋回用の無段変速装置とを備えて、直進走行状態においては直進変速用の無段変速装置の変速出力を分岐させて左右走行装置に伝える構成として、旋回走行状態において、旋回中心側の走行装置を旋回用の無段変速装置により変速させて旋回走行させる構成のものを例示したが、このような構成に代えて次のように構成してもよい。
例えば、左右一対の走行装置を夫々各別に無段変速装置にて変速する構成とし、直進状態では左右一対の無段変速装置を同一速度で駆動し、旋回走行状態では、左右の無段変速装置に速度差をつけるように制御して旋回させる構成としてもよい。
【0058】
(6)上記実施形態では、作業車としてコンバインを例示したが、コンバインに限らず、トラクターやその他の農作業機でもよく、建設用作業車等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】伝動構造を示す概略構成図
【図3】制御ブロック図
【図4】変速位置と変速出力との関係を示す図
【図5】回転センサの配置関係を示す図
【図6】回転センサの出力パルスを示す図
【図7】制御動作のフローチャート
【図8】制御動作のフローチャート
【図9】制御動作のフローチャート
【図10】旋回レバーの位置と速度比率との関係を示す図
【符号の説明】
1R,1L 走行装置
8 無段変速装置
15 被操作体
16 変速操作手段
40、41 回転検出手段
43 変速位置検出手段
H 制御手段

Claims (5)

  1. 正転方向並びに逆転方向の夫々に無段階に変速自在な無段変速装置と、その無段変速装置における変速用の被操作体を操作する変速操作手段と、前記変速用の被操作体の変速位置を検出する変速位置検出手段と、前記無段変速装置の出力回転状態を検出する回転検出手段と、前記変速位置検出手段と前記回転状態検出手段との検出情報に基づいて前記変速操作手段を制御する制御手段とが備えられた作業車の変速制御装置であって、
    前記回転検出手段が、
    前記無段変速装置の変速後の動力にて回転され且つ周方向に複数の被検出部を等間隔に並べた被検出体の回転に伴って互いに位相が異なる状態で複数の被検出部に対応したパルス信号を出力するように、その被検出体の外周部に周方向に位置を異ならせて配置される状態で一対設けられ、
    前記制御手段が、
    前記一対の回転検出手段夫々の検出結果に基づいて前記無段変速装置の出力回転速度を各別に求める回転速度判別処理、
    前記一対の回転検出手段夫々の検出結果に基づいて前記無段変速装置の回転方向が正転方向であるか逆転方向であるかを求める回転方向判別処理、及び、
    前記一対の回転検出手段のうちの一方の回転検出手段の検出結果に基づいて求めた出力回転速度と、他方の回転検出手段の検出結果に基づいて求めた出力回転速度と、前記変速位置検出手段にて検出される前記被操作体の変速位置に対応する出力回転速度の夫々が同じ又はほぼ同じであるという回転速度条件、及び、前記回転方向判別処理にて求めた回転方向と前記変速位置検出手段にて検出される前記被操作体の変速位置に対応する回転方向とが一致しているという回転方向条件が共に満たされていれば前記各検出結果が正常であると判別し、前記回転速度条件及び回転方向条件のいずれかの条件が満たされていない場合は前記各検出結果のうちのいずれかが異常であると判別する検出状態判別処理の夫々を実行するように構成されている作業車の変速制御装置。
  2. 前記制御手段が、
    前記検出状態判別処理において、前記一対の回転検出手段のうちの一方の回転検出手段の検出結果に基づいて求めた出力回転速度と、他方の回転検出手段の検出結果に基づいて求めた出力回転速度とが同じ又はほぼ同じでない場合であっても、それらのうちのいずれか一方が前記変速位置検出手段にて検出される前記被操作体の変速位置に対応する出力回転速度と同じ又はほぼ同じであれば、それに該当する一方の回転検出手段と前記変速位置検出手段とが検出結果が正常であり、前記被操作体の変速位置に対応する出力回転速度と同じ又はほぼ同じでない他方の回転検出手段が異常であると判別するように構成されている請求項1記載の作業車の変速制御装置。
  3. 前記無段変速装置が、旋回走行状態において前記左右一対の走行装置のうちの旋回中心側に位置する走行装置の速度を変速させるように構成され、
    直進及び旋回を指令自在で且つ旋回するときの旋回半径の大きさを指令自在な旋回指令手段が備えられ、
    前記制御手段が、
    前記各検出結果が正常であると判別した場合には、そのときの旋回中心側とは反対側の走行装置の走行速度と旋回中心側に位置する走行装置の走行速度との速度比率が、前記旋回指令手段にて指令される旋回半径に対応する速度比率となるように前記無段変速装置の目標回転速度を求め、前記無段変速装置の出力回転速度が前記目標回転速度になるように前記変速操作手段を制御するように構成されている請求項1又は2記載の作業車の変速制御装置。
  4. 前記制御手段が、
    前記一対の回転検出手段のうちの一方の回転検出手段の検出結果に基づいて求めた出力回転速度と、他方の回転検出手段の検出結果に基づいて求めた出力回転速度と、前記変速位置検出手段にて検出される前記被操作体の変速位置に対応する出力回転速度の夫々が互いに異なる値である場合には、前記出力回転速度が零速になるように前記変速操作手段を制御するように構成されている請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の作業車の変速制御装置。
  5. 前記制御手段が、
    前記回転方向判別処理にて求めた回転方向と、前記変速位置検出手段にて検出される前記被操作体の変速位置に対応する回転方向とが一致していない場合には、前記出力回転速度が零速になるように前記変速操作手段を制御するように構成されている請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の作業車の変速制御装置。
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