JP4023683B2 - 油圧サーボ機構における操作位置検出装置及び作業車の旋回制御装置 - Google Patents

油圧サーボ機構における操作位置検出装置及び作業車の旋回制御装置 Download PDF

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本発明は、手動操作により中立位置から正逆方向に回動操作自在な操作具と、油圧操作力により移動操作されるサーボピストンと、そのサーボピストンを移動させるように油圧操作力を付与する圧油供給状態と前記油圧操作力の付与を停止する供給停止状態とに切り換え自在な油圧切換弁と、長手方向の一端側が前記操作具における回動軸芯から偏芯した箇所に形成された操作具側被係合部に係合し、長手方向の他端側が前記サーボピストンに形成されたピストン側被係合部に係合し、且つ、長手方向の中間位置が前記油圧切換弁の弁操作体に枢支連結しているフィードバックレバーとが備えられ、前記操作具が回動すると前記フィードバックレバーが前記ピストン側被係合部を中心に揺動して前記弁操作体が圧油供給用操作位置に移動して前記油圧切換弁が前記圧油供給状態に切り換わり、且つ、前記サーボピストンが移動して前記フィードバックレバーが前記操作具側被係合部を中心にして前記操作具の回動位置に対応する位置まで揺動すると、前記弁操作体が供給停止用操作位置に移動して前記油圧切換弁が前記供給停止状態に切り換わるように構成されている油圧サーボ機構における操作位置検出装置、及び、それを用いた作業車の旋回制御装置に関する。
上記したような油圧サーボ機構は、例えばコンバイン等の作業車の変速を行う油圧式無段変速装置(HST)やベルト式無段変速装置等を手動にて変速操作するような場合にその操作負担の軽減を図るために用いられるものである。すなわち、このような無段変速装置は駆動負荷が大きいと変速操作するときの操作反力が大きくなるものであるが、手動にて変速する場合にはこのような大きな操作反力に抗して操作する必要があるので変速操作が重く操縦者に対する操作負担が大きいものとなる。そこで、油圧サーボ機構を用いて油圧操作力を利用して無段変速装置の変速操作を軽く行えるようにしているのである(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、このような油圧サーボ機構を用いて上述したような無段変速装置を変速操作するような場合であっても、その無段変速装置の変速操作位置の検出情報が別の装置を制御するために必要とされるような場合がある。例えば、作業車の一例としてのコンバインにおいて、旋回走行を行うときに左右一対の走行装置を一対の無段変速装置にて各別に変速させるような伝動構成として、旋回中心側とは反対側の走行装置に対する無段変速装置を手動操作にて変速させる構成とし、旋回中心側の走行装置に対する無段変速装置を油圧シリンダ等のアクチュエータにて自動変速させる構成とする場合がある。そして、このような構成における手動操作にて変速される無段変速装置を、上記したような油圧サーボ機構を用いて操作することによって変速操作を軽く行えるようにすることができる。
手動で変速操作される無段変速装置の変速操作位置の検出情報が必要とされることについて説明を加えると、作業車が旋回走行を行うときは、旋回中心側とは反対側に位置する走行装置の走行速度を基準として旋回中心側の走行装置の走行速度を減速させて所望の旋回状態が得られるように、旋回レバーの移動操作量に応じてその減速比率を大きくさせるように旋回中心側の走行装置に対する無段変速装置を自動変速させる構成としている。従って、減速比率の基準となるために、手動で変速操作される無段変速装置の変速操作位置の検出情報が必要とされるのである。
そして、手動で変速操作される無段変速装置の変速操作位置の検出情報を得るための操作位置検出構成として、従来では、無段変速装置のケーシングに取付け用孔を穿設して、その取付け用孔を通して例えば回転角度を検出するようにした検出装置本体を装着するとともに、その検出装置本体から変速操作用の被操作体としての斜板に操作位置検出のための特別な突起を形成したり、斜板の操作位置の情報を検出装置本体側に伝えて操作位置を検出するための被検出体を延設させるようにした構成のものがあった(例えば、特許文献2参照。)。従って、従来では、上述したような油圧サーボ機構を用いて無段変速装置を変速操作する構成とする場合であっても、手動にて変速操作させる被操作対象である変速操作用の被操作体の操作位置を上記したような構成の検出装置を用いて操作位置を検出する構成となる。
特開2002−364746号公報 実開平7−10470号公報
上記したような従来の操作位置検出構成においては、例えば油圧サーボ機構によって操作される操作対象である無段変速装置の大型の部材であるケーシングや斜板等に対して大幅な構造改良を加える必要があり、又、検出装置本体を支持する部材や被操作対象の操作位置を検出するための被検出体も専用の部材として作成しなければならず、全体として構造が複雑で作成の手間がかかり、コスト高を招く不利があった。
本発明の目的は、油圧サーボ機構が本来有する構造を有効利用することで、簡単な構造で、油圧サーボ機構にて操作される被操作対象の操作位置を検出することが可能となる油圧サーボ機構における操作位置検出装置を提供する点にある。
又、本発明の別の目的は、油圧サーボ機構にて変速操作される無段変速装置の変速位置を検出して旋回走行を良好に行えるものでありながら、構成の簡素化を図ることが可能な作業車の旋回制御装置を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、手動操作により中立位置から正逆方向に回動操作自在な操作具と、油圧操作力により移動操作されるサーボピストンと、そのサーボピストンを移動させるように油圧操作力を付与する圧油供給状態と前記油圧操作力の付与を停止する供給停止状態とに切り換え自在な油圧切換弁と、長手方向の一端側が前記操作具における回動軸芯から偏芯した箇所に形成された操作具側被係合部に係合し、長手方向の他端側が前記サーボピストンに形成されたピストン側被係合部に係合し、且つ、長手方向の中間位置が前記油圧切換弁の弁操作体に枢支連結しているフィードバックレバーとが備えられ、前記操作具が回動すると前記フィードバックレバーが前記ピストン側被係合部を中心に揺動して前記弁操作体が圧油供給用操作位置に移動して前記油圧切換弁が前記圧油供給状態に切り換わり、且つ、前記サーボピストンが移動して前記フィードバックレバーが前記操作具側被係合部を中心にして前記操作具の回動位置に対応する位置まで揺動すると、前記弁操作体が供給停止用操作位置に移動して前記油圧切換弁が前記供給停止状態に切り換わるように構成されている油圧サーボ機構における操作位置検出装置であって、前記操作具における回動軸部に対して同一軸芯周りで相対回動自在に設けられた検出用回動体と、長手方向の一端側が前記検出用回動体と一体的に連結され、且つ、長手方向の他端側が前記ピストン側被係合部に係合して、前記サーボピストンの移動操作に伴って前記検出用回動体を回動操作させる検出用連係部材と、前記検出用回動体の回動操作位置を前記サーボピストンの操作位置として検出する操作位置検出手段とが設けられている点にある。
上記第1特徴構成によれば、油圧サーボ機構を手動にて操作するために正逆方向に回動操作されることになる操作具の回動軸部に対して、それと同一軸芯周りで相対回動自在に検出用回動体が設けられる。このように操作具を回動自在に支持するのに必要とされる回動軸部の構造を有効利用して検出用回動体を回動自在に設ける構成としているのである。
又、長手方向の一端側がこの検出用回動体と一体的に連結され、且つ、長手方向の他端側が前記フィードバックレバーが係合する箇所と同じピストン側被係合部に係合する検出用連係部材が設けられ、この検出用連係部材によってサーボピストンの移動操作に伴って検出用回動体が連動して回動することになる。このようにサーボピストンの移動した結果を油圧切換弁に対してフィードバックするために設けられるフィードバックレバーが係合する箇所の構成を有効利用して検出用連係部材をサーボピストンに対して係合させる構成としている。
そして、前記操作位置検出手段が検出用回動体の回動操作位置をサーボピストンの操作位置として検出するのである。つまり、油圧操作力によってサーボピストンが移動操作されると、それに係合した検出用連係部材、並びに、その検出用連係部材に連結された検出用回動体が、操作具の回動軸部における回動軸芯と同一軸芯周りで回動することになる。従って、検出用回動体はサーボピストンの移動操作位置に対応した回動位置になるので、操作位置検出手段は検出用回動体の回動操作位置をサーボピストンの操作位置として検出することができるのである。
つまり、操作具の回動支持構成を有効利用することで、操作位置の検出に必要な回動支持構造を、例えばケーシングに専用の回動支持用の筒部を形成する等の複雑な構造が不要で簡素な構成で済ませることができる。しかも、フィードバックレバーが係合する箇所の構成を有効利用して操作位置の検出対象であるサーボピストンに特別に加工を施す必要がなく検出のための構成を簡単なもので済ませることができる。
従って、油圧サーボ機構が本来備えている構成を有効利用することで、簡単な構造で、油圧サーボ機構にて操作される被操作対象の操作位置を検出することが可能となる油圧サーボ機構における操作位置検出装置を提供できるに至った。
本発明の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記検出用回動体の回動に伴って一体的に回動する回動アームが前記検出用回動体の径方向外方側に延びる状態で設けられ、前記操作位置検出手段が、前記検出用回動体に対して前記回動アームが延設される方向に偏移した箇所に配備され、前記操作位置検出手段の検出用の入力軸と一体回動する検出用アームが前記回動アームの延設方向に沿うように且つ回動アームよりも短くなる状態で設けられ、前記回動アームの先端側箇所と前記検出用アームの先端側箇所とが連動して回動すべく係合連係されている点にある。
上記第2特徴構成によれば、検出用回動体の回動に伴って径方向外方側に延びる状態で設けられた回動アームが一体的に回動することになり、この回動アームの先端側箇所に対して、操作位置検出手段の検出用の入力軸から一体回動する状態で延設された検出用アームの先端側箇所が係合連係されているから、回動アームの回動と伴って検出用アームが連動して回動することになる。そして、操作位置検出手段が検出用回動体に対して回動アームが延設される方向に偏移した箇所に配備されており、検出用アームは回動アームよりも短くなる状態で設けられるから、検出用回動体の回動角度よりも操作位置検出手段の検出用の入力軸の回動角度が大きな角度に拡大されることになる。つまり、検出用アームと回動アームとは夫々の先端側箇所が係合連係されているから、それらの先端側箇所における回動操作量は同じであるが、回動軸芯が異なり、検出用アームは回動アームよりも短いので回動角度が回動アームより大きくなる。その結果、検出用の入力軸の回動角度は検出用回動体の回動角度よりも大きな角度になる。
従って、検出用の入力軸の回動角度は検出用回動体の回動角度に比べて拡大されることになるから、サーボピストンの移動に伴う検出用回動体の回動角度が少ない場合であっても、サーボピストンの操作位置を精度よく検出することが可能となる。
本発明の第3特徴構成は、請求項1又は2に記載の油圧サーボ機構における操作位置検出装置を備えた作業車の旋回制御装置であって、旋回走行状態において左右一対の走行装置の夫々を各別に駆動する一対の無段変速装置が備えられ、旋回中心側に位置する走行装置を駆動する旋回側の無段変速装置における変速操作用の被操作体がアクチュエータにより操作され、且つ、旋回中心側とは反対側の旋回外方側に位置する走行装置を駆動する旋回外方側の無段変速装置における変速操作用の被操作体が前記サーボピストンにより操作されるように構成され、前記操作位置検出手段にて検出される前記旋回外方側の無段変速装置の前記変速用の被操作体の操作位置、及び、目標旋回指令情報に基づいて旋回用の目標変速位置を設定して、前記旋回側の無段変速装置の被操作体の変速位置が前記目標変速位置になるように前記アクチュエータの作動を制御する制御手段が備えられている点にある。
上記第3特徴構成によれば、作業車が旋回走行している状態において、前記旋回側の無段変速装置における変速操作用の被操作体がアクチュエータにより操作され、且つ、前記旋回外方側の無段変速装置における変速操作用の被操作体がサーボピストンにより操作される。そして、制御手段が、操作位置検出手段にて検出される旋回外方側の無段変速装置の変速用の被操作体の操作位置、及び、目標旋回指令情報に基づいて旋回用の目標変速位置を設定して、旋回側の無段変速装置の被操作体の変速位置が目標変速位置になるようにアクチュエータの作動を制御することになる。
説明を加えると、旋回外方側の無段変速装置は油圧サーボ機構を用いて手動にて変速操作され、その旋回外方側の無段変速装置の変速用の被操作体の操作位置すなわち変速操作位置を前記操作位置検出手段により検出して、例えば、一対の走行装置の速度比率が旋回走行に対応する速度比率になるように設定された目標旋回指令情報と前記操作位置の検出結果とから旋回用の無段変速装置の目標変速位置を設定してアクチュエータの作動を制御するのである。
従って、油圧サーボ機構にて変速操作される無段変速装置の変速位置を検出して旋回走行を良好に行えるものでありながら、上記したような簡単な構造の操作位置検出装置を用いることにより、構成の簡素化を図ることが可能な作業車の旋回制御装置を提供できるに至った。
本発明の第4特徴構成は、第3特徴構成に加えて、直進を指令する直進指令位置及び旋回を指令する旋回指令用操作領域の全範囲にわたり移動操作自在で、且つ、前記目標旋回指令情報として、前記旋回指令操作領域において直進指令位置から離れる方向への移動量が大きいほど大きな旋回力となる旋回状態を指令する旋回指令手段が備えられ、前記制御手段が、前記操作位置検出手段にて検出される前記旋回外方側の無段変速装置における被操作体の変速位置に対して、前記旋回指令手段の直進指令位置から離れる方向への移動量が大きいほど低速となるように目標変速位置を設定して、前記旋回側の無段変速装置の被操作体の変速位置がその目標変速位置になるように、前記アクチュエータの作動を制御するように構成されている点にある。
すなわち、旋回指令手段が旋回指令操作領域において直進指令位置から離れる方向への移動量が大きいほど低速となるように目標変速位置が設定され、旋回側の無段変速装置の被操作体の変速位置がその目標変速位置になるようにアクチュエータの作動が制御されるので、走行速度の急激な変化に伴うショック等の発生するおそれが少ない滑らかな旋回走行を行うことが可能となる。
以下、本発明に係る油圧サーボ機構における操作位置検出装置及びそれを用いた作業車の旋回制御装置を作業車の一例であるコンバインに適用した場合について図面に基づいて説明する。
図1に作業車の一例であるコンバインの全体側面が示されており、このコンバインは、左右一対のクローラ式の走行装置1R、1Lの駆動で走行する走行機体2の前部に、植立穀稈を刈り取って後方に向けて搬送する刈取搬送装置3を昇降可能に連結し、走行機体2に、刈取搬送装置3からの刈取穀稈を受け取って脱穀・選別処理を施す脱穀装置4と、脱穀装置4からの穀粒を貯留する穀粒タンク5とを搭載するとともに、穀粒タンク5の前方箇所に搭乗運転部6を形成することによって構成されている。
このコンバインは、旋回走行状態において左右一対の走行装置の夫々を各別に駆動する一対の無段変速装置7、8が備えられ、旋回中心側に位置する走行装置を駆動する旋回側の無段変速装置8における変速操作用の被操作体がアクチュエータとしての油圧シリンダ17により操作され、且つ、旋回中心側とは反対側の旋回外方側に位置する走行装置を駆動する旋回外方側の無段変速装置7における変速操作用の被操作体が後述するような油圧サーボ機構SVにおけるサーボピストンにより操作されるように構成されている。
次に、このコンバインの伝動構造について説明する。
図2に示すように、直進走行状態における走行速度を高低変速自在な直進変速用の無段変速装置7と、旋回走行時において旋回中心側に位置する走行装置の走行速度を高低変速自在な操作用の無段変速装置8と、それらの無段変速装置7、8からの動力が入力され、左右の走行装置1R、1Lへの動力が出力されるミッションケース9とを備えて伝動系が構成されている。前記直進変速用の無段変速装置7と旋回操作用の無段変速装置8は、コンバインの車体に搭載されているエンジンから伝動ベルト10、及び伝動プーリ11を介して駆動される伝動軸12によって駆動される可変油圧ポンプ7A、8Aと、その可変油圧ポンプ7A、8Aからの供給油で回転駆動される油圧モーター7B、8Bとの対で構成された周知構造の静油圧式無段変速装置(HST)によって構成されている。
前記ミッションケース9は、その内部に、前記直進変速用の無段変速装置7の出力軸20と、前記旋回操作用の無段変速装置8の出力軸21との夫々が内挿され、これら両出力軸20、21からの動力が左右一対の走行装置1R、1Lに伝達される一方、直進変速用の無段変速装置7の動力が刈取搬送装置3に伝達される構成となっている。前記直進変速用の無段変速装置7の出力軸20には、副変速用の大小一対の出力ギヤ20a、20b及び刈取部駆動用の出力ギア20cが固着されている。
副変速軸22には、前記出力ギヤ20a、20bが常時噛合する副変速用の小径ギヤ22aと大径ギヤ22bとが相対回転自在に支持され、その両ギヤ22a、22bの中間位置に、副変速軸22と一体回転する副変速用シフトギヤ22dが軸芯方向で摺動自在に外嵌されている。この副変速用シフトギヤ22dを摺動操作することで高低二段に変速操作自在な副変速装置が構成されている。又、副変速軸22には出力ギア22eが固着されており、この出力ギア22eに対して、支持軸23に一体に設けたセンターギヤ24が常時噛合する状態で設けられている。
前記支持軸23には、センターギヤ24を挾む両側に、そのセンターギヤ24を通して伝えられる動力を前記各無段変速装置7、8のうちの何れの駆動系から入力させるかを左右各別に切り換え自在な伝動経路切り換え機構が設けられている。この伝動経路切り換え機構は、外周部に旋回操作用の無段変速装置8の伝動系に連係された外周ギヤ部25aを備える左右一対の多板式の摩擦クラッチ25、25と、前記センターギヤ24の両側面とこれに対向するシフトギア26との間に形成された左右一対の噛み合いクラッチ27、27とで構成されている。前記左右のシフトギア26は、回転軸芯方向にシフト操作自在であって、噛み合いクラッチ27が噛み合う状態と、多板式の摩擦クラッチ25が圧接して伝動入りとなる状態とに切り換え自在に構成され、左右一対の噛み合いクラッチ27、27が夫々噛み合う状態では左右の摩擦クラッチ25、25は夫々切り状態となる。つまり、クラッチ27、27が夫々噛み合い左右のシフトギア26が共にセンターギヤ24に係合している状態では、シフトギア26を介して、左右の走行装置1R、1Lが同方向に同速駆動される機体直進状態となる。
前記左右のシフトギア26、26は夫々、押圧スプリング29、29による押圧力に抗して操向用油圧シリンダ30R、30Lでシフト操作することにより、噛み合いクラッチ27、27を切り操作して摩擦クラッチ25、25を入り操作可能に構成されており、この操向用油圧シリンダ30R、30Lの操作は、図3に示すように、電磁弁32、33を切り換え操作することにより行うように構成されている。左右いずれかのシフトギア26が摩擦クラッチ25入り状態になると、それに連動される走行装置は、旋回操作用の無段変速装置8の変速動力が伝達される状態となる。
前記旋回操作用の無段変速装置8の出力軸21には、その両端部に伝動ギヤ21a、21bが固着され、両伝動ギヤ21a、21bのそれぞれに前記各摩擦クラッチ25、25の外周ギヤ部25a、25aが噛合されている。前記左右のシフトギア26、26のうちの一方を、センターギヤ24との噛み合いを外す側にシフト操作すると、そのシフトギア26の移動した側の摩擦クラッチ25が圧接されて入り状態となり、その摩擦クラッチ25を介して旋回操作用の無段変速装置8の動力がシフトギア26に伝達され、シフトギア26から中継ギア34及びファイナルギア35を介して一方の走行装置に伝達され、機体旋回状態となる。このシフトギア26はセンターギヤ24に噛合しているとき、及び、摩擦クラッチ25の入り側に操作されているときのいずれのときにおいても、走行装置への伝動系の中継ギヤ34に噛合するように構成されている。
前記直進変速用の無段変速装置7は、中立位置から正転方向並びに逆転方向夫々について無段階に変速操作可能な構成となっており、又、搭乗運転部6には前後方向に沿って所定の前後操作範囲にわたり手動操作によって揺動可能な主変速レバー14が設けられている。そして、図3に示すように、可変油圧ポンプ7Aの斜板13が油圧サーボ機構SVを介して主変速レバー14に連係され、主変速レバー14の操作指令に基づいて斜板13の角度を変更することにより油圧モーター7B側の出力状態を無段階に変更するように構成されている。つまり、主変速レバー14に対する手動操作があれば、その操作に対して油圧サーボ機構SVの作用により油圧操作力にてアシスト操作を行うことにより変速操作を軽く操作することができる構成となっている。
次に、前記油圧サーボ機構の構成について説明する。
この油圧サーボ機構SVは、手動操作により中立位置から正逆方向に回動操作自在な油圧サーボ用の操作具63と、油圧操作力により移動操作されるサーボピストン64と、そのサーボピストン64を移動させるように油圧操作力を付与する圧油供給状態と前記油圧操作力の付与を停止する供給停止状態とに切り換え自在な油圧切換弁65と、長手方向の一端側が前記油圧サーボ用の操作具63における回動軸芯から偏芯した箇所に形成された操作具側被係合部66に係合し、長手方向の他端側が前記サーボピストン64に形成されたピストン側被係合部67に係合し、且つ、長手方向の中間位置が前記油圧切換弁65の弁操作体68に枢支連結しているフィードバックレバー69とが備えられている。
以下、図4〜図6を参照しながら油圧サーボ機構の構成について説明を加える。
旋回操作用の無段変速装置8に連なるように設けられたケーシング70に、斜板を変速操作するサーボピストン64をスライド自在に支持するための支持部71が形成され、サーボピストン64の左右両側には作動油が供給される油室72、73が形成されている。このサーボピストン64はスプリング64aによって中立位置に復帰付勢される構成となっており、前記ケーシング70には、圧油が供給される圧油ポート74、サーボピストン64の一方の油室72に連なる正方向供給ポート75、サーボピストン64の他方の油室73に連なる逆方向供給ポート76が夫々形成されている。又、ケーシング70のバルブ形成部77には、圧油ポート74を正方向供給ポート75に接続する正方向操作位置、圧油ポート74を逆方向供給ポート76に接続する逆方向操作位置、及び、圧油ポート74を正方向供給ポート75及び逆方向供給ポート76のいずれにも接続しない中立位置の夫々に移動自在な弁操作体68が設けられている。従って、ケーシング70のバルブ形成部77と弁操作体68とにより油圧切換弁65が形成されている。
前記ケーシング70に形成された軸支部78には、ケーシング70の内外にわたって挿通するとともに回動自在並びに抜け止め具79により軸芯方向への移動が阻止された状態で支持される筒状の回動軸部80が設けられている。その筒状の回動軸部80にはケーシング70の外方側箇所において主変速レバー14にリンク又はワイヤ等などの連係機構81によって連動操作可能に連係された揺動アーム82が一体回動する状態で取り付けられ、回動軸部80のケーシング70の内部側には回動軸芯から偏芯した箇所に係合ピン83が軸端部から突出する状態で形成されている。主変速レバー14が操作されると、回動軸部80、揺動アーム82、及び、係合ピン83の夫々が一体的に回動することになる。そして、前記係合ピン83には、前記フィードバックレバー69の一端側に形成された略U字状の形成された係合凹部69aがフィードバックレバー69の長手方向に相対移動自在に且つ回動軸部80の回動方向に一体的に移動する状態で係合するような周溝として操作具側被係合部66が形成されている。従って、これらの回動軸部80、揺動アーム82、及び、係合ピン83により前記油圧サーボ用の操作具63が構成される。
このような構成の油圧サーボ機構SVは、図7に示す中立位置から主変速レバー14の操作に伴って油圧サーボ用の操作具63が中立位置から正逆いずれかの方向に回動すると、図8に示すように、フィードバックレバー69がピストン側被係合部67を中心に揺動する。上述したようにフィードバックレバー69の長手方向の中間位置は油圧切換弁65の弁操作体68に枢支連結されているから、フィードバックレバー69の揺動に伴い弁操作体68が圧油供給用操作位置に移動して油圧切換弁65が圧油供給状態に切り換わりサーボピストン64が移動する。そして、図9に示すように、フィードバックレバー69が操作具側被係合部66を中心にして油圧サーボ用の操作具63の回動位置に対応する位置まで揺動すると、弁操作体68が供給停止用操作位置に移動して油圧切換弁65が供給停止状態に切り換わることになる。このようにして主変速レバー14の操作に伴いその操作状態に対応させて油圧操作力を作用させるようにして、手動操作を油圧操作力にてアシストさせる状態で斜板13を変速操作させることができる。
そして、この油圧サーボ機構SVにはサーボピストン64の操作位置を検出するための操作位置検出装置が備えられている。
この操作位置検出装置は、前記油圧サーボ用の操作具63における回動軸部80に対して同一軸芯周りで相対回動自在に設けられた検出用回動体84と、長手方向の一端側が前記検出用回動体84と一体的に連結され、且つ、長手方向の他端側が前記ピストン側被係合部67に係合して、前記サーボピストン64の移動操作に伴って前記検出用回動体84を回動操作させる検出用連係部材85と、前記検出用回動体84の回動操作位置を前記サーボピストン64の操作位置として検出する操作位置検出手段としてのポテンショメータ86とを備えて構成されている。
又、検出用回動体84の回動に伴って一体的に回動する回動アーム87が検出用回動体84の径方向外方側に延びる状態で設けられ、ポテンショメータ86が、検出用回動体84に対して回動アーム87が延設される方向に偏移した箇所に配備され、ポテンショメータ86の検出用の入力軸88と一体回動する検出用アーム89が回動アーム87の延設方向に沿うように且つ回動アーム87よりも短くなる状態で設けられ、回動アーム87の先端側箇所と検出用アーム89の先端側箇所とが連動して回動すべく係合連係されている。
以下、図4〜図6を参照しながら操作位置検出装置について説明を加える。
前記油圧サーボ用の操作具63における筒状の回動軸部80の径方向内側にその筒状の回動軸部80に対して相対回動自在並びに軸芯方向への移動が阻止された状態で検出用回動体84が内挿支持されている。この検出用回動体84のケーシング70内方側の端部には前記検出用連係部材85の長手方向の一端側が一体的に連結されており、この検出用連係部材85の長手方向の他端側が、前記フィードバックレバー69の一端がサーボピストン64に対して係合する前記ピストン側被係合部67と同じ箇所に係合する構成となっている。つまり、フィードバックレバー69が係合する構成を有効利用して検出用連係部材85を係合させている。
前記検出用回動体84のケーシング70内方側の端部には、検出用回動体84の回動に伴って一体的に回動する回動アーム87が検出用回動体84の径方向外方側に延びる状態で設けられている。そして、ケーシング70の外方側であって、検出用回動体84に対して回動アーム87の延設方向に偏移させた位置にポテンショメータ86が位置固定状態で備えられている。このポテンショメータ86の検出用入力軸88は検出用回動体84の軸芯方向が平行になる状態で設けられ、その入力軸88と一体回動する検出用アーム89が回動アーム87の延設方向に沿うように且つ回動アーム87よりも短くなる状態で設けられている。そして、検出用アーム89の先端側箇所に回動軸芯方向に沿って突出する係合ピン90が設けられ、その係合ピン90が回動アーム87に形成された長孔91に嵌り合い係合して、回動アーム87の先端側箇所と検出用アーム89の先端側箇所とが連動して回動すべく係合連係されている。
このような構成の操作位置検出装置は、サーボピストン64の操作位置が変化すると、その移動量に対応して油圧サーボ用の操作具63が回動することになり、回動アーム87と検出用アーム89との連動によりポテンショメータ86の入力軸88が回動することになる。つまり、ポテンショメータ86により検出用回動体84の回動操作位置をサーボピストン64の操作位置の情報として検出することができるのである。
次に、直進変速用の無段変速装置の変速操作構成について説明する。
図13に示すように、変速レバー14が中立域にあり中立状態が指令されていると、前記斜板13が中立状態となり油圧モーター7Bは回転せず停止状態に維持され、主変速レバー14からの指令が前進増速側もしくは後進増速側への変速指令であると、主変速レバー14の操作指令に応じて上述したような油圧サーボ機構SVによって斜板13の角度が正転方向(前進増速方向)もしく逆転方向(後進増速方向)に油圧操作力のアシスト力によって主変速レバー14による指令にて操作され、油圧モーター7Bが指令に応じた速度で正転方向又は逆転方向に回転駆動されるように変速操作される構成となっている。
一方、旋回操作用の無段変速装置8も前記直進変速用の無段変速装置7と同様に、正転方向並びに逆転方向夫々について無段階に変速操作可能な構成となっている。しかし、この旋回操作用の無段変速装置8は手動操作で変速を行うのではなく、可変油圧ポンプ8Aの斜板15(変速用の被操作体の一例)が油圧式の旋回用操作機構16に連係され、この旋回用操作機構16により斜板角を変更することにより油圧モーター8B側の出力状態を変更するように構成されている。この旋回用操作機構16は、図3に示すように、旋回操作用の無段変速装置8における斜板15に連動連結された複動型の変速用油圧シリンダ17と、この変速用油圧シリンダ17に対する油圧制御を行う油圧制御ユニットVUとを備えて構成されている。前記変速用油圧シリンダ17は、内装される左右一対のバネ17a、17bの付勢力により中立位置に復帰付勢される構成となっている。
次に、前記油圧制御ユニットVUの構成について説明する。
この油圧制御ユニットVUは、図10に示すように、変速用油圧シリンダ17を中立変速位置から正転方向及び逆転方向夫々に駆動すべく油圧供給状態を制御する油圧パイロット式の制御弁36を備えて構成されている。この制御弁36は、中立位置から正方向に移動した正方向出力位置及び前記中立位置から逆方向に移動した逆方向出力位置に移動自在なスプール37と、そのスプール37を前記中立位置に復帰付勢する付勢手段としての一対のコイルバネ38、39とを備えて構成されている。
又、この制御弁36には、前記スプール37を正方向に移動させるために作動用流体としての作動油が供給される正転用の圧力操作部40、及び、前記スプール37を逆方向に移動させるために作動用流体としての作動油が供給される逆転用の圧力操作部41が夫々備えられ、正転用の圧力操作部40及び逆転用の圧力操作部41の夫々に対する作動油の供給状態を制御する一対のパイロット圧制御用の電磁弁42、43が、作動用流体を供給する供給状態と作動用流体を排出する排出状態とに切り換え自在で且つ排出状態に復帰付勢される状態で設けられている。
つまり、前記一対のパイロット圧制御用の電磁弁42、43は図示しない油圧ポンプから供給される作動用流体としての作動油を前記各圧力操作部40、41に供給する供給状態と油圧ポンプからの供給を停止して圧力操作部40、41を排油路44に接続する排出状態との二位置に切り換え自在な二位置切り換え式の電磁弁で構成され、これらのパイロット圧制御用の電磁弁42、43はバネ45、46により前記排出状態に復帰付勢される構成であり、ソレノイド47、48に通電して励磁することでバネ45、46の付勢力に抗して弁体を操作して前記供給状態に切り換える構成となっている。従って、このパイロット圧制御用の電磁弁42、43は通電を停止すると常に排出状態になりその状態を維持することになる。
そして、前記制御弁36には、変速用の油圧シリンダ17の一対の作動油室17A、17B(流体圧室の一例)に各別に接続される一対の出力ポートOP1、OP2が設けられ、前記スプール37が前記正方向出力位置に移動すると一対の出力ポートOP1、OP2のうちの一方の正方向出力ポートOP1を入力ポートIPに接続し、且つ、他方の逆方向出力ポートOP2を排出ポートDPに接続する状態となり、前記スプール37が前記逆方向出力位置に移動すると、前記逆方向出力ポートOP2を入力ポートIPに接続し且つ前記正方向出力ポートOP1を排出ポートDPに接続する状態となるように構成されている。
又、前記スプール37が、前記中立位置と前記正方向出力位置との間の正方向保持位置、及び、前記中立位置と前記逆方向出力位置との間の逆方向保持位置に移動自在に構成され、前記中立位置において前記一対の出力ポートOP1、OP2夫々を前記排出ポートDPに接続する状態となり、前記正方向保持位置及び前記逆方向保持位置の夫々において、前記一対の出力ポートOP1、OP2を前記入力ポートIP及び前記排出ポートDPのいずれにも接続されない状態となるように構成されている。
説明を加えると、前記スプール37を軸芯方向にスライド自在に支持する弁本体の摺動用の内周面には、スプール37の軸芯方向の中央部分に入力ポートIPに連通する入力ポート用油路49が形成され、その入力ポート用油路49の軸芯方向の両外側部に一対の出力ポートOP1、OP2に夫々連通する出力ポート用油路50、51が形成されている。それらの一対の出力ポート用油路50、51よりも更に軸芯方向の両外側部には排出ポートDPに夫々連通する排出ポート用油路52、53が夫々形成されている。前記スプール37の外周部には、前記各出力ポート用油路50、51と前記各排出ポート用油路52、53とを連通させたり、前記各出力ポート用油路50、51と入力ポート用油路49とを連通させるための一対の連通路54、55が夫々形成されている。
そして、図10に示すような中立位置では前記各連通路54、55が前記各出力ポート用油路50、51と前記各排出ポート用油路52、53とを接続する状態となる。そして、この中立位置からスプール37を正方向に設定量移動させると、図11(イ)に示すような正方向出力位置になり、この正方向出力位置では、一対の連通路54、55のうちの一方の連通路54が正方向出力ポートOP1に対応する出力ポート用油路50と前記入力ポート用油路49とを接続し、他方の連通路55が逆方向出力ポートOP2に対応する出力ポート用油路51と前記排出ポート用油路53とを接続する状態となる。従って、変速用油圧シリンダ17は正方向(前進増速方向)に移動操作されることになる。
又、中立位置からスプール37を逆方向に設定量移動させると、図11(ロ)に示すような逆方向出力位置になり、この逆方向出力位置では、一対の連通路54、55のうちの他方の連通路55が逆方向出力ポートOP2に対応する出力ポート用油路51と前記入力ポート用油路49とを接続し、前記一方の連通路54が正方向出力ポートOP1に対応する出力ポート用油路51と前記排出ポート用油路52とを接続する状態となる。従って、変速用油圧シリンダ17は逆方向(後進増速方向)に移動操作される。
前記中立位置からスプール37を正方向に前記設定量よりも小さい小操作量を移動させると、図12(イ)に示すような、中立位置と正方向出力位置との間の正方向保持位置になる。この正方向保持位置では、前記一対の連通路54、55は夫々一対の出力ポート用油路50、51に接続しているが、入力ポート用油路49及び排出ポート油路52、53のいずれにも接続されない状態となる。従って、変速用油圧シリンダ17はそのときの変速位置をそのまま保持する状態となる。
そして、前記中立位置からスプール37を逆方向に前記設定量よりも小さい小操作量を移動させると、図12(ロ)に示すような、中立位置と逆方向出力位置との間の逆方向保持位置になる。この逆方向保持位置では、正方向保持位置と同様に、一対の連通路54、55は夫々一対の出力ポート用油路50、51に接続しているが、入力ポート用油路49及び排出ポート油路52、53のいずれにも接続されない状態となる。従って、変速用油圧シリンダ17はそのときの変速位置をそのまま保持する状態となる。
上記したような無段変速装置7、8の変速動作について説明を加えると、例えば図7に示すように、斜板13、15の変速位置が中立位置Nを含む所定幅を有する中立域にあれば変速出力(走行速度)は零となり、斜板13、15の変速位置がその中立域から所定方向に回動操作されると前進方向への走行速度が無段階に増速操作され、斜板13、15が中立域から所定方向と反対方向に操作されると後進方向への走行速度が無段階に増速操作される構成となっている。
又、このコンバインでは、旋回外方側の無段変速装置としての直進変速用の無段変速装置7の斜板13の操作位置、及び、目標旋回指令情報に基づいて旋回用の目標変速位置を設定して、旋回用の無段変速装置8の斜板15の変速位置が目標変速位置になるように油圧シリンダの作動を制御する制御手段としての制御装置Hが備えられている。
詳述すると、搭乗運転部6には、直進を指令する直進指令位置及び旋回を指令する旋回指令用操作領域の全範囲にわたり移動操作自在で、且つ、前記目標旋回指令情報として、前記旋回指令操作領域において直進指令位置から離れる方向への移動量が大きいほど大きな旋回力となる旋回状態を指令する旋回指令手段としての旋回レバー56が備えられ、図3に示すように、その旋回レバー56の操作位置を検出する回転式のポテンショメータ86からなる旋回レバーセンサ57、一対の無段変速装置7、8夫々の出力回転速度を検出するための回転センサ58、59、上述するように無段変速装置7の斜板角を検出する前記ポテンショメータ86、無段変速装置7の斜板角を検出するポテンショメータ式の変速位置センサ61、ダイヤル操作により旋回モードを3段階に切り換える旋回モード切換え具62等が備えられ、これらの入力情報に基づいて旋回用操作機構16及び操向用油圧シリンダ30R、30Lの動作を制御する制御手段としてのマイクロコンピュータ利用の制御装置Hが備えられている。
次に、制御装置Hによる旋回制御について説明を加えると、図14のフローチャートに示すように、例えば、主変速レバー14を操作して直進走行しているときに、旋回レバー56が中立位置から左右いずれかに旋回操作されると、旋回中心側つまり旋回方向が右であれば右側の操向用油圧シリンダ30Rを作動させて右側の走行装置1Rに旋回用の無段変速装置8の変速動力を伝達させる状態に切り換える(ステップ1〜4)。つまり、旋回中心側(右側)の走行装置が旋回用の無段変速装置8にて駆動され、旋回中心側とは反対側(左側)の走行装置が直進用の無段変速装置7にて駆動される伝動状態に切り換わる。そして、左右の走行装置1R、1Lが回転方向が同じであってそれらの回転速度の速度比率が旋回レバー56にて指令される旋回半径に対応する速度比率となるように、旋回用の無段変速装置の目標変速位置を求める(ステップ5)。
その目標変速位置を求める処理について説明を加えると、前記目標旋回指令情報として、旋回レバー56の旋回指令操作領域における直進指令位置から離れる方向への移動量と旋回半径に対応する速度比率との関係が図8に示すように二次関数に対応する関係として定めて記憶されている。一方、前記変速位置センサ60によって検出される直進用の無段変速装置7の斜板角検出値と、図15に示すような関係の関数とから、旋回用の無段変速装置8の目標変速位置すなわち目標斜板位置を求めるのである。そして、変速位置センサ60によって検出される旋回用の無段変速装置8の変速位置が目標変速位置になるように旋回用操作機構16の作動を制御して変速操作を行う(ステップ6〜8)。ちなみに、直進変速用の無段変速装置7は変速レバー14に対する手動操作にて変速位置が調整されることになる。
図15に示す関係について説明を加えると、図15のラインL1は基準となる直進側の無段変速装置の速度を示している。ラインL2は緩旋回モードにおける目標回転速度の変化を示し、ラインL3は信地旋回モードにおける目標回転速度の変化を示し、ラインL4は超信地旋回モードにおける目標回転速度の変化を示しており、前記旋回モード切換え具62にて指定された旋回モードが選択されることになる。説明を加えると、ラインL2にて示す緩旋回モードでは、旋回レバー56が最大操作位置にまで操作されると、旋回側の走行装置が反対側の走行装置の走行速度Vの約1/3の速度にまで減速されるように、旋回レバー56の操作位置に対する、左右の走行装置1R、1Lの速度比率の変化特性が予め設定されている。ラインL3で示す信地旋回モードにおいては、旋回レバー56が最大操作位置にまで操作されると、旋回側の走行装置の走行速度が零となるまで減速されるように、旋回レバー56の操作位置に対する左右の走行装置1R、1Lの速度比率が予め設定されている。又、ラインL4に示す超信地旋回モードにおいては、旋回レバー56が最大操作位置にまで操作されると、旋回側の走行装置の走行速度が反対側の走行装置の駆動回転方向とは逆回転方向で、反対側の走行装置の速度と同速度になるように、旋回レバー56の操作位置に対する左右の走行装置1R、1Lの速度比率が予め設定されている。
前記旋回用の無段変速装置8を変速操作するときの前記旋回用操作機構16の作動を制御する処理について説明する。例えば、旋回レバー56の操作に伴って旋回用の無段変速装置8を前進増速方向に変速させるときには、前記制御弁36におけるスプール37を正方向出力位置に移動操作させる。具体的には、正転用の圧力操作部40に対するパイロット圧制御用の電磁弁42におけるソレノイド47に設定周期毎にオンとオフとを繰り返すパルス電流を供給するようにしており、そのデューティ比を設定値以上の大きい値に変更調整する。そのことによりスプール37が電磁力によってバネ39の付勢力に抗して移動操作され、正方向出力位置に移動するのである。旋回用の無段変速装置8を後進増速方向に変速させるときには、前記制御弁36におけるスプール37を逆方向出力位置に移動操作させるが、このときは、逆転用の圧力操作部41に対するパイロット圧制御用の電磁弁43を同様にして制御することになる。
そして、増速操作によって旋回用の無段変速装置8の変速位置が目標変速位置になると、前記スプール37を前記正方向保持位置に移動させる。つまり、前記ソレノイド47に対するパルス電流のデューティ比を前記設定値よりも小さい保持用のデューティ比になるように変更調整するのである。そのことにより、ソレノイド47の電磁力とバネ39の付勢力とが釣り合ってスプール37はその位置で保持されることになる。その結果、変速用油圧シリンダ17はそのときの変速位置をそのまま保持するのである。尚、逆方向保持位置で保持させる場合にもこのような正方向保持位置での操作を同様な処理を行う。
旋回用の無段変速装置8を中立位置に戻すときは、前記各パイロット圧制御用の電磁弁42、43に対するソレノイド47、48を夫々無通電状態に切り換えて、スプール37をバネ38、39の付勢力によって中立位置に復帰させるのである。この中立位置では、変速用油圧シリンダ17の各作動油室17A、17Bが共に排油状態となって、変速用油圧シリンダ17は、前記バネ17a、17bの付勢力並びに旋回用の無段変速装置8の斜板15の中立復元力によって中立位置に復帰することになる。
旋回レバー56が中立位置にあるときは直進走行用の速度同期処理を実行する(ステップ9)。この速度同期処理は、左右の操向用油圧シリンダ30R、30Lはいずれも作動させないので走行装置の走行速度を自動制御によって変速させる機能はないが、手動の変速操作によって変速される直進変速用の無段変速装置7の回転方向と同じ方向にその出力回転速度と同期するように略同じ出力回転速度で常に回転するように、前記各回転センサ58、59の検出情報に基づいて旋回用の無段変速装置8の斜板を変速操作する処理が行われることになる。
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、前記検出用回動体と一体的に回動する回動アームと前記操作位置検出手段の検出用の入力軸と一体回動する検出用アームとが設けられ、前記操作位置検出手段が、前記検出用回動体に対して前記回動アームが延設される方向に偏移した箇所に配備される構成として、検出用回動体の回動量を拡大させて操作位置検出手段により検出するようにしたが、このような構成に限らず、前記検出用回動体と前記操作位置検出手段の検出用の入力軸とを一体回動自在に直結する状態で設ける構成としてもよい。
(2)上記実施形態では、油圧サーボ機構を油圧式無段変速装置を操作する場合に適用したものを例示したが、このような構成に限らず、油圧サーボ機構を用いてベルト式無段変速装置を変速させる構成に適用するようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、油圧サーボ機構を作業車の旋回制御装置に適用するものを例示したが、このような構成に限らず、操作反力が大きい被操作対象を手動操作にて操作するときの操作アシストを行う構成であればよく、作業車の旋回制御装置に限定されるものではない。
(4)上記実施形態では、作業車の旋回制御装置として、旋回レバーの移動操作量をポテンショメータにて検出して、旋回レバーの操作に伴って旋回用の無段変速装置を無段階に変速操作させる構成としたが、このような構成に限らず、例えば、旋回レバーの移動操作量の変位を複数のスイッチで段階的に検出するようにしたり、旋回指令用のスイッチを押し操作する時間で旋回半径を異ならせるように指令する構成等、各種の形態で実施してもよい。
(5)上記実施形態では、油圧サーボ機構が備えられる作業車としてコンバインを例示したが、コンバインに限らずトラクターやその他の農作業機でもよく建設用作業車等であってもよい。
コンバインの全体側面図 伝動構造を示す概略構成図 制御ブロック図 油圧サーボ機構を示す縦断正面図 油圧サーボ機構を示す横断平面図 油圧サーボ機構を示す縦断側面図 油圧サーボ機構の操作状態を示す説明図 油圧サーボ機構の操作状態を示す説明図 油圧サーボ機構の操作状態を示す説明図 中立状態の油圧制御ユニットの構成を示す図 変速操作状態の油圧制御ユニットの構成を示す図 変速位置保持状態の油圧制御ユニットの構成を示す図 変速位置と変速出力との関係を示す図 制御動作のフローチャート 旋回レバーの操作位置と速度比率との関係を示す図
符号の説明
7、8 無段変速装置
13、15 被操作体
17 アクチュエータ
56 旋回指令手段
63 操作具
64 サーボピストン
65 油圧切換弁
66 操作具側被係合部
67 ピストン側被係合部
68 弁操作体
69 フィードバックレバー
80 回動軸部
84 検出用回動体
85 検出用連係部材
86 操作位置検出手段
87 回動アーム
88 入力軸
89 検出用アーム
H 制御手段

Claims (4)

  1. 手動操作により中立位置から正逆方向に回動操作自在な操作具と、
    油圧操作力により移動操作されるサーボピストンと、
    そのサーボピストンを移動させるように油圧操作力を付与する圧油供給状態と前記油圧操作力の付与を停止する供給停止状態とに切り換え自在な油圧切換弁と、
    長手方向の一端側が前記操作具における回動軸芯から偏芯した箇所に形成された操作具側被係合部に係合し、長手方向の他端側が前記サーボピストンに形成されたピストン側被係合部に係合し、且つ、長手方向の中間位置が前記油圧切換弁の弁操作体に枢支連結しているフィードバックレバーとが備えられ、
    前記操作具が回動すると前記フィードバックレバーが前記ピストン側被係合部を中心に揺動して前記弁操作体が圧油供給用操作位置に移動して前記油圧切換弁が前記圧油供給状態に切り換わり、且つ、前記サーボピストンが移動して前記フィードバックレバーが前記操作具側被係合部を中心にして前記操作具の回動位置に対応する位置まで揺動すると、前記弁操作体が供給停止用操作位置に移動して前記油圧切換弁が前記供給停止状態に切り換わるように構成されている油圧サーボ機構における操作位置検出装置であって、
    前記操作具における回動軸部に対して同一軸芯周りで相対回動自在に設けられた検出用回動体と、
    長手方向の一端側が前記検出用回動体と一体的に連結され、且つ、長手方向の他端側が前記ピストン側被係合部に係合して、前記サーボピストンの移動操作に伴って前記検出用回動体を回動操作させる検出用連係部材と、
    前記検出用回動体の回動操作位置を前記サーボピストンの操作位置として検出する操作位置検出手段とが設けられている油圧サーボ機構における操作位置検出装置。
  2. 前記検出用回動体の回動に伴って一体的に回動する回動アームが前記検出用回動体の径方向外方側に延びる状態で設けられ、
    前記操作位置検出手段が、前記検出用回動体に対して前記回動アームが延設される方向に偏移した箇所に配備され、
    前記操作位置検出手段の検出用の入力軸と一体回動する検出用アームが前記回動アームの延設方向に沿うように且つ回動アームよりも短くなる状態で設けられ、
    前記回動アームの先端側箇所と前記検出用アームの先端側箇所とが連動して回動すべく係合連係されている請求項1記載の油圧サーボ機構における操作位置検出装置。
  3. 請求項1又は2に記載の油圧サーボ機構における操作位置検出装置を備えた作業車の旋回制御装置であって、
    旋回走行状態において左右一対の走行装置の夫々を各別に駆動する一対の無段変速装置が備えられ、
    旋回中心側に位置する走行装置を駆動する旋回側の無段変速装置における変速操作用の被操作体がアクチュエータにより操作され、且つ、旋回中心側とは反対側の旋回外方側に位置する走行装置を駆動する旋回外方側の無段変速装置における変速操作用の被操作体が前記サーボピストンにより操作されるように構成され、
    前記操作位置検出手段にて検出される前記旋回外方側の無段変速装置の前記変速用の被操作体の操作位置、及び、目標旋回指令情報に基づいて旋回用の目標変速位置を設定して、前記旋回側の無段変速装置の被操作体の変速位置が前記目標変速位置になるように前記アクチュエータの作動を制御する制御手段が備えられている作業車の旋回制御装置。
  4. 直進を指令する直進指令位置及び旋回を指令する旋回指令用操作領域の全範囲にわたり移動操作自在で、且つ、前記目標旋回指令情報として、前記旋回指令操作領域において直進指令位置から離れる方向への移動量が大きいほど大きな旋回力となる旋回状態を指令する旋回指令手段が備えられ、
    前記制御手段が、
    前記操作位置検出手段にて検出される前記旋回外方側の無段変速装置における被操作体の変速位置に対して、前記旋回指令手段の直進指令位置から離れる方向への移動量が大きいほど低速となるように目標変速位置を設定して、前記旋回側の無段変速装置の被操作体の変速位置がその目標変速位置になるように、前記アクチュエータの作動を制御するように構成されている請求項3記載の作業車の旋回制御装置。

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