JP2002307826A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2002307826A
JP2002307826A JP2001099781A JP2001099781A JP2002307826A JP 2002307826 A JP2002307826 A JP 2002307826A JP 2001099781 A JP2001099781 A JP 2001099781A JP 2001099781 A JP2001099781 A JP 2001099781A JP 2002307826 A JP2002307826 A JP 2002307826A
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JP2001099781A
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So Noguchi
宗 野口
Tatsuya Tomura
辰也 戸村
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 DVD−Rのような記録層に有機色素を用い
た円盤状の光記録媒体に対してCAV方式で記録する際
に、記録特性、特に記録感度、変調度の内外周差を減少
させることが可能な光記録媒体の提供。 【解決手段】 基板上に記録層を設けてなる円盤状の光
記録媒体において、記録層の主成分が有機色素から成
り、その記録層の膜厚を内周部側から外周部側に向かっ
て漸次薄くし、かつ、内周部側よりも外周部側の方を3
〜30%薄くしたことを特徴とする光記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録層に有機色素を用い
た円盤状の光記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来技術】現在、次世代大容量光ディスクとしてDV
D−Rの開発が進められている。記録容量向上の要素技
術として、記録ピット微少化のための記録材料開発、M
PEG2に代表される画像圧縮技術の採用、記録ピット
読み取り用半導体レーザの短波長化等の技術開発が必要
である。これまで赤色波長域の半導体レーザとしては、
バーコードリーダ、計測器用に670nm帯のAlGa
InPレーザダイオードが商品化されているのみであっ
たが、光ディスクの高密度化に伴い、赤色レーザが本格
的に光ストレージ市場で使用されつつある。DVDドラ
イブの場合、光源として630〜670nm帯のレーザ
ダイオードの波長で規格化されている。一方、再生専用
のDVD−ROMドライブは波長約650nmで商品化
されている。このような状況下で最も好ましいDVD−
Rは、波長630〜670nmで記録、再生が可能なも
のである。しかしながら、耐光性、保存安定性、面内均
一性に優れ、670nm以下のレーザを用いた光ピック
アップで記録、再生が可能な記録材料は未だに開発され
ていない。また、このような光記録媒体への記録、再生
に際しては、その光記録媒体を高速で回転させる必要が
あり、該回転方式としては線速度一定(CLV)方式
と、角速度一定(CAV)方式の二つの方式がある。こ
こで、DVD等の光記録媒体は円盤状であるから、CA
V方式を採用した場合には内周部側に対し外周部側の線
速度が速くなる。このために光記録媒体の内周部と外周
部で記録特性の差を生じてしまう。特に、有機色素を記
録材として用いる場合には、記録感度、変調度等に大き
な差が生じることになる。
【0003】この記録特性の内外周差を解決する方法と
して、特開昭61-211852号公報及び特開昭61-
211853号公報には、光磁気記録媒体の金属反射
層、誘電体層、又はスペーサー層の膜厚を半径方向に変
化させる手段が、特開平4-17139号公報には、光
記録媒体のUV樹脂層などの保護層膜厚を半径方向に変
化させる手段が、特開平6-302013号公報には、
光情報記録媒体の誘電体層の膜厚を半径方向に変化させ
る手段がそれぞれ開示されており、特開平10-215
80号公報には、光記録媒体の合金からなる記録層の膜
厚を半径方向に変化させる手段が開示されている。しか
しながら、何れの文献にも光記録媒体の有機色素からな
る記録層の膜厚を半径方向に変化させて記録特性の内外
周差を解決することは記載されていない。従来、有機色
素を用いた光記録媒体においては、高密度化に有利なC
LV方式を採用したものが主流であった。その場合、記
録特性の内外周差をなくすためには記録層の膜厚を出来
るだけ均一にする必要があった。しかし、最近合金から
なる記録層を持つ光記録媒体において、ランダムアクセ
ス性に優れたCAV方式を採用するものが出てきてお
り、有機色素を記録材として用いた光記録媒体において
も前記媒体と互換性を持たせるためにCAV方式を採用
する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な理由から、DVD−Rのような記録層に有機色素を用
いた円盤状の光記録媒体に対してCAV方式で記録する
際に、記録特性、特に記録感度、変調度の内外周差を減
少させることが可能な光記録媒体の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等が検討した結
果、有機色素を用いた光記録媒体の記録層の膜厚を内周
部側から外周部側に向かって漸次薄くすることにより、
CAV方式で記録した場合の記録特性、特に記録感度、
変調度の内外周差を減少させることが可能であることを
見出だし本発明に至った。即ち、上記課題は、次の1)
〜12)の発明(以下、本発明1〜12という)によっ
て解決される。 1) 基板上に記録層を設けてなる円盤状の光記録媒体
において、記録層の主成分が有機色素から成り、その記
録層の膜厚を内周部側から外周部側に向かって漸次薄く
し、かつ、内周部側よりも外周部側の方を3〜30%薄
くしたことを特徴とする光記録媒体。 2) 記録層の有機色素が、金属キレート色素、ポリメ
チン色素、スクアリリウム色素、アザアヌレン色素のう
ちの少なくとも一種を含有することを特徴とする1)記
載の光記録媒体。 3) 前記金属キレート色素が、アゾ金属キレート色
素、ホルマザン金属キレート色素、ジピロメテン金属キ
レート色素のうちの少なくとも1種を含有することを特
徴とする2)記載の光記録媒体。 4)前記金属キレート色素の金属が、ニッケル、銅、コ
バルト、マンガン、バナジウムの何れかであることを特
徴とする2)又は3)記載の光記録媒体。 5) 前記ポリメチン色素が、トリメチンシアニン色素
であることを特徴とする2)記載の光記録媒体。 6) 前記アザアヌレン色素が、テトラアザポルフィリ
ン色素であることを特徴とする2)記載の光記録媒体。 7) 記録再生波長±5nmの波長領域の光に対する記
録層単層の屈折率nが、1.5≦n≦3.0、消衰係数
kが、0.02≦k≦0.3であることを特徴とする
1)〜6)の何れかに記載の光記録媒体。 8) 更に金、銀、銅、アルミニウム、又はこれらの金
属の合金から選ばれた少なくとも一種の金属からなる反
射層を有することを特徴とする1)〜7)の何れかに記
載の光記録媒体。 9)基板上のトラックピッチが0.64〜0.80μm
であり、溝幅が半値幅で0.18〜0.40μmである
ことを特徴とする1)〜8)の何れかに記載の光記録媒
体。 10) 1)〜9)の何れかに記載の光記録媒体に対
し、630〜690nmの波長の光を用いて記録するこ
とを特徴とする光記録方法。 11) 角速度一定(CAV)方式で記録することを特
徴とする10)記載の光記録方法。 12) 1)〜9)の何れかに記載の光記録媒体の記録
層を、スピンコート法で形成することを特徴とする光記
録媒体の製造方法。
【0006】以下、上記本発明について詳しく説明す
る。本発明の光記録媒体は、主成分が有機色素からなる
記録層の膜厚を内周部側から外周部側に向かって漸次薄
くしたことを特徴とする。このように記録層の膜厚に傾
斜を持たせることにより、角速度一定(CAV)方式で
記録される場合の諸特性、特に記録感度、変調度の内外
周差を減少させた光記録媒体が得られる。なお、本発明
において、内周部、外周部とは、例えばDVDのような
直径120mmの光記録媒体の場合、半径25mm付近
よりも内側を内周部、半径55mm付近よりも外側を外
周部とする。記録層に有機色素を用いた円盤状の光記録
媒体においては、CAV方式で記録すると外周に行くほ
ど大きい記録パワーが必要となり、DVDのような直径
12cmの光記録媒体の場合、内周部に比べ外周部では
50%以上余計に記録パワーが必要となる。しかし、記
録層の膜厚を内周から外周に向かって漸次薄くすること
により、外周部の感度を向上させ、記録感度の内外周差
を減少させることができる。但し、記録層の内周部の膜
厚を薄くし過ぎると変調度等が小さくなってしまうとい
う問題を生じ、逆に内周部の膜厚を厚くし過ぎると反射
率が低くなる等の問題を生じる。そこで、具体的には記
録層の内周部側よりも外周部側の方が3〜30%薄くな
るような構成にする必要がある。また、CAV方式記録
の場合、外周部で記録パワーが大きくなることの影響に
より変調度も大きくなるため、通常では変調度の内外周
差も大きくなるが、上記のように記録層の膜厚を内周か
ら外周に向かって漸次薄くすることにより、変調度の内
外周差も減少させることができる。なお、このような内
外周で膜厚差のある記録層は、スピンコート法により容
易に形成できる。
【0007】本発明に使用可能な有機色素材料の具体例
としては、アゾ金属キレート色素、ホルマザン金属キレ
ート色素、ジピロメテン金属キレート色素、ポリメチン
色素、スクアリリウム色素、アザアヌレン色素等が挙げ
られ、特に好ましいのは、金属キレート色素、トリメチ
ンシアニン色素、スクアリリウム色素、テトラアザポル
フィリン色素である。アゾ金属キレート色素としては、
アゾ結合を挟む両側のアゾ化合物形成ユニットが、置換
・未置換の芳香環、ピリジン残基、ピリミジン残基、ピ
ラジン残基、ピリダジン残基、トリアジン残基、イミダ
ゾール残基、トリアゾール残基、ピラゾール残基、チア
ゾール残基、イソチアゾール残基、ベンズチアゾール残
基等の組み合わせからなるアゾ化合物の金属キレート化
合物が特に好ましい。
【0008】また、ホルマザン金属キレート色素は、次
の一般式で示されるホルマザン化合物と2価の金属原子
とのキレート化合物である。
【化1】 式中、Zは、それが結合している炭素原子及び窒素原子
と一緒になって複素環を形成する残基であり、具体的に
はピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、又はトリ
アジン環である。また、これらの複素環はアルキル基、
アルコキシ基、アルキルチオ基、置換アミノ基、アリル
基、アリルオキシ基、アニリノ基、ケト基等の置換基を
有していてもよい。Aは、アルキル基、アラルキル基、
アリル基、又はシクロヘキシル基を表し、ハロゲン原
子、アルキル基、アルコキシ基、ケト基、カルボキシル
基又はそのエステル、ニトリル基、ニトロ基等の置換基
を有していてもよい。Bは、アリル基を表し、ハロゲン
原子、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基又は
そのエステル、ニトリル基、ニトロ基等の置換基を有し
ていてもよい。
【0009】ジピロメテン金属キレート色素は、次の一
般式で示されるジピロメテン化合物と2価の金属原子と
のキレート化合物である。
【化2】 式中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、ハロゲン
原子、置換・未置換のアルキル基、アルコキシ基、アル
ケニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アラル
キル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。上
記アゾ化合物、ホルマザン化合物、又はジピロメテン化
合物とキレート化合物を形成する金属としては、例え
ば、Ni、Co、Cu、Mn、V、Zn、Fe、Cr、
Al等が挙げられ、製造上及びディスク特性上から、特
にNi、Co、Cu、Mn、Vが好ましい。
【0010】ポリメチン色素としては、530nm〜6
00nmに吸収帯を有するものならば使用可能である
が、中でもトリメチンシアニン色素が好ましく、トリメ
チン鎖の両端が置換・未置換のインドレニン、ベンズイ
ンドレニンのものが特に好ましく、カウンターアニオン
としては、ハロゲンアニオン、ClO 、BF
PF 、SbF 等の他にニッケルジチオレート錯
体に代表される各種金属キレートアニオンでもよい。ス
クアリリウム色素としては、スクアレン環の両端が置換
・未置換のインドレニン、ベンズインドレニン、ピラゾ
ール、カルバゾール、キノキサリン、イソインドール、
芳香環、置換アミノ基残基のうちの組み合わせからなる
ものが好ましい。アザアヌレン色素としては、各々特定
の置換基を有したフタロシアニン、ナフタロシアニン、
テトラピラジノポルフィラジン、テトラピリジノポルフ
ィラジン、テトラアザポルフィリン等が挙げられるが、
このうち特に好ましいのはテトラアザポルフィリンであ
り、次いでテトラピリジノポルフィラジン、テトラピラ
ジノポルフィラジン、フタロシアニンの順で好ましい。
【0011】記録再生において要求される光学特性は、
色素がDVD−Rの記録再生波長である630〜690
nmの光に対して短波長側に大きな吸収帯を有し、かつ
記録再生波長が該吸収帯の長波長端近傍にあることであ
る。これは、記録再生波長である630〜690nmで
大きな屈折率と消衰係数を有することを意味するもので
ある。具体的には、記録再生波長±5nmの波長域光に
対する記録層単層の屈折率nが1.5≦n≦3.0、消
衰係数kが0.02≦k≦0.3の範囲にあることが好
ましい。nが1.5未満の場合には、十分な光学的変化
を得難く、記録変調度が低くなるため好ましくないし、
nが3.0を超えると、波長依存性が高くなり過ぎ、記
録再生波長領域であってもエラーとなってしまうため好
ましくない。また、kが0.02未満の場合には、記録
感度が悪くなるため好ましくなく、kが0.3を超える
と、50%以上の反射率を得ることが困難となるので好
ましくない。
【0012】基板形状としては、基板上のトラックピッ
チが、0.64〜0.80μm、溝幅が半値幅で、0.
18〜0.40μmであることが望ましい。基板は通
常、深さ1000〜2500Åの案内溝を有しており、
トラックピッチは、通常、0.7〜1.0μmである
が、高容量化の用途には0.64〜0.80μmが好ま
しい。溝幅が0.18μm未満の場合には、十分なトラ
ッキングエラー信号強度を得ることが困難となる恐れが
あり、また、0.40μmを超えると記録したときに記
録部が横に広がり易くなるので好ましくない。
【0013】本発明の記録媒体は、通常の追記型光記録
媒体である図1の層構造(図1の積層体を2枚貼合わせ
たいわゆるエアーサンドイッチ、又は密着貼合わせ構造
としてもよい)、又は図2のようなCD−R用積層構造
とすることができるが、図3のような基板(第1基板)
と保護基板(第2基板)とを記録層を介して接着剤で貼
合わせた積層構造を基本構造とすることが好ましい。記
録層は有機色素層単層でも、反射率を高めるため有機色
素層と金属反射層との積層でもよい。記録層と基板の間
には、下引き層又は保護層を設けてもよく、機能向上の
ためそれらを積層化した構成でもよい。最も普通に用い
られるのは、第1基板/有機色素層/金属反射層/保護
層/接着層/第2基板からなる積層構造のものである。
【0014】<基板>基板は、基板側から記録再生を行
う場合のみ使用レーザ光に対して透明であればよく、記
録層側から記録再生を行う場合には透明でなくてもよ
い。また、保護基板(第2基板)側から記録再生を行う
場合には、保護基板のみが透明であればよく、第1基板
の透明、不透明は問わない。基板材料としては、例え
ば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカ
ーボネート、ポリオレフィン、フェノール樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリイミド等のプラスチック、ガラス、セラミ
ック又は金属等を用いることができる。なお、基板を1
層しか用いない場合、或いは基板2枚をサンドイッチ状
で用いる場合は、第1基板の表面にトラッキング用の案
内溝や案内ピット、更にアドレス信号等のプレフォーマ
ットが形成されていてもよい。
【0015】<記録層>記録層はレーザ光の照射により
何らかの光学的変化を生じさせ、その変化により情報を
記録できるものであって、この記録層中には前記色素混
合物が含有されている必要があり、記録層の形成に際し
ては、前記色素を単独で用いても複数組合せて用いても
よい。更に、前記色素は、光学特性、記録感度、信号特
性等の向上の目的で他の有機色素及び金属、金属化合物
と混合又は積層化してもよい。他の有機色素の例として
は、ポリメチン色素、ナフタロシアニン系、フタロシア
ニン系、スクアリリウム系、クロコニウム系、ピリリウ
ム系、ナフトキノン系、アントラキノン(インダンスレ
ン)系、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アズレ
ン系、テトラヒドロコリン系、フェナンスレン系、トリ
フェノチアジン系各染料、及び金属キレート化合物等が
挙げられ、これらの色素は単独で用いても2種以上組合
せて用いてもよい。
【0016】また、In、Te、Bi、Se、Sb、G
e、Sn、Al、Be、TeO、SnO、As、Cd
等の金属や金属化合物を前記色素中に分散混合するか或
いはこれらの材料からなる層を積層して用いることもで
きる。更に、前記色素中に、例えば、アイオノマー樹
脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂、天然高分子、シ
リコーン、液状ゴム等の種々の高分子材料、又はシラン
カップリング剤等を分散混合して用いてもよいし、或い
は特性改良の目的で安定剤(例えば遷移金属錯体)、分
散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤
等を添加してもよい。記録層の形成は、蒸着、スパッタ
リング、CVD、溶液塗布等の通常の手段によって行う
ことができる。塗布法を用いる場合には、前記染料等を
有機溶媒等に溶解してスプレー、ローラーコーティン
グ、ディッピング、スピンコーティング等の慣用のコー
ティング法により塗布すればよい。
【0017】有機溶剤としては、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール等のアルコール類;アセトン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスル
ホキシド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル等
のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル
類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロルエタン、四
塩化炭素、トリクロルエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化
水素類;ベンゼン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジ
クロルベンゼン等の芳香族類;メトキシエタノール、エ
トキシエタノール等のセロソルブ類;ヘキサン、ペンタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水
素類等を用いることができる。記録層の膜厚は100Å
〜10μm、好ましくは200〜2000Åとする。
【0018】<下引き層>下引き層は、(a)接着性の
向上、(b)水又はガス等のバリアー、(c)記録層の
保存安定性の向上、(d)反射率の向上、(e)溶剤か
らの基板や記録層の保護、(f)案内溝、案内ピット、
プレフォーマットの形成、などを目的として使用され
る。(a)の目的に対しては、アイオノマー樹脂、ポリ
アミド、ビニル系樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコ
ーン、液状ゴム等の種々の高分子物質、及びシランカッ
プリング剤等の高分子材料を用いることができ、(b)
及び(c)の目的に対しては、前記高分子材料以外に、
Zn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、A
l等の金属、或いは、SiO、MgF、SiO、T
iO、ZnO、TiN、SiN等の金属又は半金属化
合物を用いることができる。また(d)の目的に対して
は、Al、Ag等の金属や、メチン染料、キサンテン系
染料等からなる金属光沢を有する有機薄膜等を用いるこ
とができ、(e)及び(f)の目的に対しては、紫外線
硬化樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を用いること
ができる。下引き層の膜厚は0.01〜30μm、好ま
しくは0.05〜10μmとする。
【0019】<金属反射層>反射層には、単体で高反射
率の得られる腐食され難い金属や半金属等が用いられ、
具体例としてAu、Ag、Cr、Ni、Al、Fe、S
n、Cu等が挙げられるが、反射率や生産性の点からA
u、Ag、Al、Cuが好ましい。これらは単独で用い
ても2種以上の合金として用いてもよく、膜厚は、50
〜5000Å、好ましくは100〜3000Åとする。
膜形成法としては、蒸着、スッパタリング等が挙げられ
る。
【0020】<保護層、基板表面ハードコート層>保護
層又は基板表面ハードコート層は、(a)記録層(反射
吸収層)を、傷、埃、汚れ等から保護すること、(b)
記録層(反射吸収層)の保存安定性の向上、(c)反射
率の向上等を目的として使用される。これらの目的に対
しては、前記下引き層に示した材料を用いることができ
る。また、無機材料としてSiO、SiO等も用いる
ことができ、有機材料としてポリメチルアクリレート、
ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリ
エステル、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹
脂、芳香属炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエ
ンゴム、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹
脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性、熱溶融性樹脂も用い
ることができる。上記の材料のうち最も好ましいのは、
生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。保護層又は基板
表面ハードコート層の膜厚は、0.01〜30μm、好
ましくは0.05〜10μmとする。なお、前記下引き
層、保護層及び基板表面ハードコート層には、記録層の
場合と同様に、安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防
止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させることができ
る。
【0021】<保護基板>保護基板は、この保護基板側
からレーザ光を照射する場合には、使用レーザ光に対し
透明でなくてはならず、単なる保護板として用いる場合
には透明でも不透明でもよい。使用可能な保護基板材料
は、前記の基板材料と全く同じである。 <接着剤、接着層>接着剤又は接着層に用いる材料は、
2枚の記録媒体を接着できるものならば何でもよく、生
産性を考慮すると、紫外線硬化型接着剤又はホットメル
ト型接着剤が好ましい。
【0022】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定さ
れるものではない。
【0023】実施例1 溝深さ1750Å、半値幅0.25μm、トラックピッ
チ0.74μmの案内溝を有する厚さ0.6mm、直径
120mmの射出成形ポリカーボネート基板上に、下記
化合物(1)を2,2,3,3−テトラフルオロプロパ
ノールに溶解させた溶液をスピンナー塗布し、内周部か
ら外周部に向かって、膜厚が1000Åから900Åへ
と漸次薄くなるように有機色素層を形成した。次いで、
スパッタ法により金からなる膜厚1200Åの反射層を
設け、その上にアクリル系フォトポリマーからなる膜厚
5μmの保護層を設けた。更に厚さ0.6mmの射出成
形ポリカーボネート基板をアクリルフォトポリマーによ
り接着して光記録媒体とした。
【化3】
【0024】実施例2 内周部から外周部に向かって、膜厚が1200Åから1
000Åへと漸次薄くなるように有機色素層を形成した
点以外は、実施例1と全く同様にして記録媒体を形成し
た。
【0025】実施例3 化合物(1)に代えて、下記化合物(2)と(3)を5
0:50(重量比)で混合した色素を用い、内周部から
外周部に向かって、膜厚が1200Åから1000Åへ
と漸次薄くなるように有機色素層を形成した点以外は、
実施例1と全く同様にして記録媒体を形成した。
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】実施例4 化合物(1)に代えて、下記化合物(4)を用い、塗布
溶媒を2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに
代えて、エチルシクロヘキサンと2−メトキシエタノー
ルの混合溶媒とし、内周部から外周部に向かって、膜厚
が1100Åから1000Åへと漸次薄くなるように有
機色素層を形成した点以外は、実施例1と全く同様にし
て記録媒体を形成した。
【化6】
【0028】比較例1 有機色素層の膜厚を内周部から外周部まで1000Åで
均一に形成した点以外は、実施例1と全く同様にして記
録媒体を形成した。
【0029】比較例2 内周部から外周部に向かって膜厚が1200Åから80
0Åへと漸次薄くなるように有機色素層を形成した点以
外は、実施例1と全く同様にして記録媒体を形成した。
【0030】<記録再生条件>上記各光記録媒体に対
し、発振波長658nm、ビーム径1.0μmの半導体
レーザ光を用い、トラッキングしながらEFM信号(内
周部の線速3.5m/sec、外周部の線速8.5m/
sec)を記録し、発振波長658nmの半導体レーザ
の連続光(再生パワー0.7mW)を用いて再生し、再
生波形を観察した。
【0031】<評価結果>
【表1】 表1の結果から分かるように、実施例1〜4に比べて、
比較例1では、内外感度差が大きくなっており、比較例
2では、変調度及び反射率の内外周差が大きくなってい
る。上記実施例の他に、前記例示化合物(ホルマザン金
属キレート色素、ジピロメテン金属キレート色素、スク
アリリウム色素)や金属キレートの中心金属がコバル
ト、バナジウムの化合物を用いた場合について、実施例
1と同様にして記録媒体を形成したところ、同等の効果
を奏することが確認できた。また、反射層が銀、銅、ア
ルミニウム或いはこれらの合金を用いた場合についても
実施例1と同様にして記録媒体を形成したところ、同等
の効果を奏することが確認できた。
【0032】
【発明の効果】本発明1によれば、CAV方式による記
録時において、特に記録感度、変調度の内外周差を低減
させることが可能な光記録媒体を提供できる。本発明2
〜6によれば、690nm以下の波長域のレーザ光によ
り記録再生が可能で、耐光性、保存安定性に優れた光記
録媒体が提供できる。本発明7、8によれば、高反射率
かつ高変調度で安定した記録再生が可能な光記録媒体が
提供できる。本発明9によれば、安定した記録再生が可
能な光記録媒体が提供できる。本発明10によれば、記
録波長を限定することにより、新規な光記録方法を提供
できる。本発明11によれば、CAV方式による記録時
において、特に記録感度、変調度の内外周差を低減させ
ることが可能な光記録方法を提供できる。本発明12に
よれば、本発明1〜9の光記録媒体の製造方法を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】通常の追記型光記録媒体の層構成を表す図であ
る。 (a) 基板と記録層のみからなる基本的なもの。 (b) (a)に下引き層を設けたもの。 (c) (b)に保護層を設けたもの。 (d) (c)にハードコート層を設けたもの。
【図2】CD−R用光記録媒体の層構成を表す図であ
る。 (a) 典型的な層構造のもの。 (b) (a)に下引き層を設けたもの。 (c) (b)にハードコート層を設けたもの。
【図3】DVD−R用光記録媒体の層構成を表す図であ
る。 (a) 典型的な層構造のもの。 (b) (a)に保護層及び接着層を設けたもの。 (c) (b)に下引き層及びハードコート層を設けた
もの。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 G11B 7/26 531 7/26 531 B41M 5/26 Y Fターム(参考) 2H111 EA03 EA12 EA48 FA01 FA12 FA14 FA23 FA37 FB42 FB43 FB48 GA07 5D029 JA04 JB36 JB47 JC05 MA13 WB11 WB14 WC01 5D121 AA01 EE22

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に記録層を設けてなる円盤状の光
    記録媒体において、記録層の主成分が有機色素から成
    り、その記録層の膜厚を内周部側から外周部側に向かっ
    て漸次薄くし、かつ、内周部側よりも外周部側の方を3
    〜30%薄くしたことを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 記録層の有機色素が、金属キレート色
    素、ポリメチン色素、スクアリリウム色素、アザアヌレ
    ン色素のうちの少なくとも一種を含有することを特徴と
    する請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記金属キレート色素が、アゾ金属キレ
    ート色素、ホルマザン金属キレート色素、ジピロメテン
    金属キレート色素のうちの少なくとも1種を含有するこ
    とを特徴とする請求項2記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記金属キレート色素の金属が、ニッケ
    ル、銅、コバルト、マンガン、バナジウムの何れかであ
    ることを特徴とする請求項2又は3記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記ポリメチン色素が、トリメチンシア
    ニン色素であることを特徴とする請求項2記載の光記録
    媒体。
  6. 【請求項6】 前記アザアヌレン色素が、テトラアザポ
    ルフィリン色素であることを特徴とする請求項2記載の
    光記録媒体。
  7. 【請求項7】 記録再生波長±5nmの波長領域の光に
    対する記録層単層の屈折率nが、1.5≦n≦3.0、
    消衰係数kが、0.02≦k≦0.3であることを特徴
    とする請求項1〜6の何れかに記載の光記録媒体。
  8. 【請求項8】 更に金、銀、銅、アルミニウム、又はこ
    れらの金属の合金から選ばれた少なくとも一種の金属か
    らなる反射層を有することを特徴とする請求項1〜7の
    何れかに記載の光記録媒体。
  9. 【請求項9】 基板上のトラックピッチが0.64〜
    0.80μmであり、溝幅が半値幅で、0.18〜0.
    40μmであることを特徴とする請求項1〜8の何れか
    に記載の光記録媒体。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9の何れかに記載の光記録
    媒体に対し、630〜690nmの波長の光を用いて記
    録することを特徴とする光記録方法。
  11. 【請求項11】 角速度一定(CAV)方式で記録する
    ことを特徴とする請求項10記載の光記録方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜9の何れかに記載の光記録
    媒体の記録層を、スピンコート法で形成することを特徴
    とする光記録媒体の製造方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2014238896A (ja) * 2013-06-06 2014-12-18 株式会社コベルコ科研 光情報記録媒体用反射膜、光情報記録媒体用反射膜形成用スパッタリングターゲット、および光情報記録媒体

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