JP2014238896A - 光情報記録媒体用反射膜、光情報記録媒体用反射膜形成用スパッタリングターゲット、および光情報記録媒体 - Google Patents

光情報記録媒体用反射膜、光情報記録媒体用反射膜形成用スパッタリングターゲット、および光情報記録媒体 Download PDF

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中井 淳一
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Abstract

【課題】純Cuや従来のCu合金(Cuを含むAg合金)と比べて、高反射率と高耐食性の両方を発揮するCu合金からなる光情報記録媒体用反射膜と、該光情報記録媒体用反射膜を備えて情報の記録再生特性が格段に高められた光情報記録媒体と、該光情報記録媒体用反射膜の形成に好適に使用されるスパッタリングターゲットを提供する。
【解決手段】本発明の光情報記録媒体用反射膜は、Agを35原子%以上65原子%以下含有するCu合金からなり、かつ膜厚が30nm以上300nm以下であるところに特徴を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)やBlu−ray Disc(登録商標である。以下同じ。)等の光情報記録媒体の分野における、高反射率・高耐食性を有する光情報記録媒体用反射膜と、この光情報記録媒体用反射膜の形成に用いられるスパッタリングターゲット、およびこの光情報記録媒体用反射膜を備えた光情報記録媒体に関するものである。
光情報記録媒体(光ディスク)には、記録容量の違いからCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、Blu−ray Discといった種類がある。また情報の記録再生方式の違いから、再生専用型、追記型、書換型といった種類がある。いずれの光情報記録媒体も、情報を記録再生するために光情報記録媒体に照射したレーザー光を反射するための反射膜を有する。
前記レーザー光として、前記CDでは波長780nm、前記DVDでは波長650nm、前記Blu−ray Discでは波長405nmのレーザー光が使用される。よって、上記各光情報記録媒体に備わった反射膜には、上記各波長のレーザー光に対する高い反射率が要求される。この要件を満たす反射膜に使用可能な材料としてAu、Ag、Al、Cuが挙げられる。これらの材料のうち、AuやAgは耐食性に優れているため、光情報記録媒体の情報の記録再生特性が劣化しにくいという長所がある。しかしいずれも貴金属であり、原料が高価であるという短所がある。一方、Alは原料が安価という長所があるが、例えばDVDで使用される波長650nmのレーザー光に対しては高い反射率を示さないという短所がある。またCuは、原料が安価であり、かつ例えばDVDで使用される波長650nmのレーザー光に対しても反射率が高いという長所がある。しかしCuは、耐食性が不十分であり、光情報記録媒体の情報の記録再生特性が劣化しやすいといった短所がある。
これまでに、光情報記録媒体の反射膜にCu合金が検討された従来技術として、次の技術が挙げられる。まず特許文献1には「AgにCuを0.5〜30原子%含有せしめたAg合金」からなる金属反射層が示されている(特許請求の範囲)。上記Ag合金は、CuにAgを70〜99.5原子%含有せしめたCu合金と等しい。また特許文献2の特許請求の範囲には、Cuを99.7〜85.0重量%含み、Cu主成分であって、更にAgと耐食性向上目的の添加元素の、少なくとも3元素の金属材料で構成される合金(Cu基合金)が示されている。該Cu基合金に含まれる上記Agと耐食性向上目的の添加元素の合計含有量は、0.3〜15.0重量%である。
特許文献3および4は、書換型の光情報記録媒体を対象とするものであって、特許請求の範囲には、該光情報記録媒体を構成する反射放熱層の材料としてCu合金が示されている。しかし、特許文献3におけるCu合金の具体的な例示は、実施例2のCu−1重量%Pdのみである。また特許文献4におけるCu合金の具体的な例示は、実施例3のCu−1重量%PdとCu−1重量%Ru−1重量%Wのみである。
特許文献5には、光記録媒体の金属反射層として、Au、Ag、Cr、Ni、Al、Fe、Sn、Cu等が挙げられ、反射率や生産性の点からAu、Ag、Al、Cuが好ましいことが記載されている。しかし特許文献5には、具体的なCu合金について全く示されていない。
特許文献6の特許請求の範囲には、光記録媒体の反射膜としてAg、Cu、Auの何れかを主成分とした材料が示されており、具体的に、Ag:Cu=58:42の合金からなる反射膜が示されている。尚、規定の反射率比を満たすには、該反射膜の膜厚を0.6nm程度以上且つ22nm程度以下とすることが示されている。
特許文献7の特許請求の範囲には、光記録媒体の反射層を構成する材料としてCu及びAgから選ばれる金属、又はこれらの金属の少なくとも1種を含む合金が示されているが、具体的なCu合金の例示はない。また特許文献8の特許請求の範囲にも、光記録媒体の反射層を構成する材料としてCu、Ag及びAuから選ばれる金属、又はこれらの金属の少なくとも1種を含む合金が示されているが、具体的なCu合金の例示はない。
特許文献9は、銀を主成分とする反射放熱層を有する相変化光記録媒体(特には書換型の光情報記録媒体)を対象とするものであって、特許文献9の特許請求の範囲には、前記反射放熱層を構成する材料として、Cuの含有率が0.1≦Cu/Ag(モル比)≦10のAg−Cu合金が好ましい旨示されている。これはCuを9.1〜90.9原子%含むAgを意味している。しかし特許文献9には、Cu添加量について「銅の添加量は耐蝕性の面から多すぎると逆に耐蝕性が劣化する。0.1at%〜10at%程度の範囲がよく、特に0.5at%〜3at%程度の範囲が最適量である。」との記載もあり、実施例にはAg−1at%CuやAg−2at%Cu(膜厚150nm)といったCuを少量含むAg主成分の合金層が示されている。
この様に光情報記録媒体用反射膜として、上記の通り種々のCu合金膜やCuを含むAg合金層が提案されている。しかし、Cuが本来有する高い反射率を維持しつつ、Cuの短所である耐食性をより高めたCu合金からなる反射膜は実現されていない。
特開2000−228032号公報 特開2002−74753号公報 特開2002−230835号公報 特開2002−269825号公報 特開2002−307826号公報 特開2012−89197号公報 特開平11−185310号公報 特開平11−185292号公報 特開2002−260283号公報
本発明は以上のような状況を鑑みてなされたものであって、その目的は、Cuが本来有する高い反射率を維持しつつ、Cuの短所である耐食性をより高め、純Cuや従来のCu合金では実現し得なかった、高反射率と高耐食性を兼備するCu合金からなる光情報記録媒体用反射膜と、該反射膜が備えられ情報の記録再生特性が格段に高められた光情報記録媒体、更には、上記光情報記録媒体用反射膜の形成に好適に使用されるスパッタリングターゲットを提供することにある。
前記課題を解決し得た本発明の光情報記録媒体用反射膜は、Agを35原子%以上65原子%以下含有するCu合金からなり、かつ膜厚が30nm以上300nm以下であるところに特徴を有する。
前記光情報記録媒体用反射膜は、好ましくはDVD(Digital Versatile Disc)、より好ましくは追記型のDVD−R(Digital Versatile Disc−Recordable)に用いられる。
本発明には、前記光情報記録媒体用反射膜の形成に用いられるCu合金スパッタリングターゲットであって、Agを35原子%以上65原子%以下含有するCu合金からなるところに特徴を有するCu合金スパッタリングターゲットも含まれる。
また本発明には、前記光情報記録媒体用反射膜を備えた光情報記録媒体(特にはDVD、更に特にはDVD−R)も含まれる。
本発明によれば、純Cuや従来のCu合金では実現し得なかった、高反射率と高耐食性の両方を発揮するCu合金からなる光情報記録媒体用反射膜を実現できる。この反射膜は、高い反射率を長期間にわたり安定して示すため、該反射膜を備えた光情報記録媒体は、高い情報の記録再生特性を安定して発揮する。
本発明者らは前記の課題の下で、高反射率かつ高耐食性を示す光情報記録媒体用反射膜を提供すべく、次のような観点から鋭意研究を重ねてきた。即ち、上述したAuとAgの短所「原料が高価である」ことと、Alの短所「DVDで使用される波長650nmのレーザー光に対して反射率が高くない」ことは、材料自体の本質的な短所であり、改善することが困難である。これに対し、Cuの短所「耐食性が不十分であるため、光情報記録媒体の情報の記録再生特性が劣化する」ことは、合金化によって改善できる可能性があることに着目し、Cuをベースに該Cuに加える合金元素の種類とその含有率について種々の検討を行った。
その結果、合金元素としてAgが最適であり、かつ、このAgを35原子%以上65原子%以下含むようにすれば、純Cuに匹敵する高反射率と純Cuを著しく上回る高耐食性とを併せて実現できることを見出し、本発明を完成した。
Ag含有率が35原子%未満であると、高耐食性が得られない。Ag含有率は、好ましくは40原子%以上、より好ましくは45原子%以上である。一方、Ag含有量が65原子%を超える場合は高反射率が得られない。Ag含有率は、好ましくは60原子%以下、より好ましくは55原子%以下である。
本発明の反射膜を構成するCu合金の成分組成は、上述の通りであり、残部はCuおよび不可避的不純物である。該不可避的不純物として、反射膜の製造等で不可避的に混入する例えば水素(H)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)等が含まれうる。
本発明の反射膜の膜厚は、好ましくは30nm以上300nm以下である。膜厚が30nm未満の場合、入射するレーザー光の一部が透過して全てが反射されず、本来の高反射率が得られにくくなる。よって前記膜厚は30nm以上であることが好ましく、より好ましくは50nm以上、更に好ましくは70nm以上である。一方、膜厚が300nmを超える場合は、高反射率と高耐食性が得られるものの、反射膜を製造する時間が長くなり、光情報記録媒体の生産性が低下しやすくなる。よって、前記膜厚は300nm以下であることが好ましく、より好ましくは200nm以下、更に好ましくは150nm以下である。
本発明の反射膜は、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの薄膜形成方法によって形成することが可能である。これらの薄膜形成方法の中でもスパッタリング法が推奨される。スパッタリング法で形成された反射膜は、真空蒸着法やイオンプレーティング法で形成されたものに比べて薄膜の合金組成や膜厚の均一性に優れ、反射膜としての特性(反射率、耐食性)を良好に高めることができる。
前記スパッタリング法で本発明の反射膜を形成するには、Agを35原子%以上65原子%以下含有するCu合金からなるものであって、所望の合金組成の反射膜と同一の合金組成のCu合金スパッタリングターゲットを用いれば、組成ズレすることなく、高反射率と高耐食性を兼ね備えた反射膜を形成できるのでよい。
前記Cu合金スパッタリングターゲットの合金組成(Ag含有率を35原子%以上65原子%以下とする。)の規定理由は、前述の反射膜の合金組成の規定理由と同じであり、形成する反射膜の合金組成に応じて、Ag含有率の下限値を、40原子%以上、更に45原子%以上としたり、Ag含有率の上限値を、60原子%以下、更に55原子%以下とすることができる。
本発明のスパッタリングターゲットを構成するCu合金の成分組成は、上述の通りであり、残部はCuおよび不可避的不純物である。前記不可避的不純物として、スパッタリングターゲットの製造等で混入する例えば炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)およびケイ素(Si)等が含まれうる。
前記Cu合金スパッタリングターゲットは、粉末焼結法、スプレイフォーミング法、または溶解鋳造法によって製造することが可能である。これらの製造方法の中でも溶解鋳造法が推奨され、特には、真空溶解鋳造法が推奨される。溶解鋳造法、特に真空溶解鋳造法で製造されたCu合金スパッタリングターゲットは、他の粉末焼結法やスプレイフォーミング法で製造されたものと比べて窒素や酸素などの不純物が少ない。この様に不純物の少ないCu合金スパッタリングターゲットを用いれば、特性(反射率、耐食性)の良好な反射膜が得られるため好ましい。
本発明には、上記反射膜を備えた光情報記録媒体も含まれる。上記光情報記録媒体としては、CD、DVD、またはBlu−ray Discが挙げられる。本発明の光情報記録媒体は、前記合金組成を満たすCu合金からなる反射膜を備えているところに特徴があり、当該反射膜が適用される光情報記録媒体の構成については特に問わない。また、光情報記録媒体における反射膜以外の構成部分(記録膜、誘電体保護膜、接着剤、基板などの種類)についても特に限定されず、通常、用いられるものを採用することができる。
本発明の反射膜は、以下に示す通り、DVDの反射膜として用いるとその効果を十分に発揮する。
前記光情報記録媒体における情報の記録再生に用いられるレーザー光の波長は、上述した通り、それぞれ780nm、650nm、405nmであるが、本発明の反射膜は、特に波長650nmのレーザー光に対する反射率が高い。よって本発明の反射膜を、波長650nmのレーザー光を使用するDVDの反射膜として用いれば、本発明の効果(高反射率かつ高耐食性)が存分に発揮される。
またDVDには、情報の記録再生方式の違いから、再生専用型のDVD−ROMとDVD−Video、追記型のDVD−R、書換型のDVD−RWとDVD−RAMに分かれる。以下に説明する通り、これらの中でも高反射率と共により高い耐食性が反射膜に求められるDVD−Rに、本発明のCu合金反射膜を用いれば、本発明の効果(高反射率かつ高耐食性)が更に存分に発揮される。
DVD−Rでは、反射膜の反射面側に紫色の有機色素記録膜が位置するため、波長650nmのレーザー光は入射時と反射時の二回、この有機色素記録膜を通過する。この記録膜を通過する際に光が吸収されて強度が低下しやすいため、反射膜にはより高い反射率が求められる。本発明のCu合金反射膜は、上述の通り、特に波長650nmのレーザー光に対する反射率が高いため、上記DVD−Rの反射膜に用いれば、該DVD−Rの情報の記録再生が良好に行われる。また、前記DVD−Rの有機色素記録膜には反射膜を腐食させ得る成分が含まれている。よって、この有機色素記録膜に直接接する反射膜がより高い耐食性を示すほど情報の記録再生が良好に行われる。本発明の光情報記録媒体用反射膜は耐食性が高いため、このDVD−Rの反射膜に用いれば、該DVD−Rの情報の記録再生特性を格段に高めることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
〔反射膜の作製〕
純Cuスパッタリングターゲット、各種Cu合金スパッタリングターゲット(厚さ5.0mm×直径101.6mm)を用い、スパッタリング装置(株式会社島津製作所製HSM−552)を用いて、DCマグネトロンスパッタリング法により、ポリカーボネート基板(厚さ0.6mm×直径50.8mm)上に、それぞれ膜厚100nmの、純Cu反射膜、および表1に示す各種Cu合金反射膜を作製した。作製されたCu合金反射膜の合金組成は、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)発光分析法で求めた。
上記スパッタリング法では、下記スパッタリング条件を採用した。
(スパッタリング条件)
・到達真空度:1×10-5Torr以下
・Arガス圧:2mTorr
・Arガス流量:10sccm
・スパッタリングパワー:200W
・極間距離:52mm
・基板温度:室温
・スパッタリング時間:15秒
〔反射率の評価〕(初期状態の反射率の測定)
上記純Cu反射膜、および各種Cu合金反射膜の作製後(初期状態)の反射率[%]を、日本分光株式会社製紫外可視近赤外分光光度計V−570型を用いて測定した。この時レーザー光の波長を400〜800nmとした。そして、波長650nmのレーザー光の反射率が93%以上の場合を高反射率である(合格)と判定し、93%未満の場合を高反射率でない(不合格)と判定した。
〔耐食性の評価〕(加速環境保持による反射率低下量の測定)
耐食性を評価するため、まず、初期状態の反射率を測定した後の純Cu反射膜および各種Cu合金反射膜を、温度80℃、相対湿度85%RHの加速環境下で96時間保持した。次いで、前記加速環境保持後の純Cu反射膜および各種Cu合金反射膜の反射率を、前記初期状態の反射率と同様に測定した。そして、下記式(1)を用いて、加速環境保持による反射率低下量[%]を算出した。本実施例では、該反射率低下量(波長650nmのレーザー光の反射率低下量)が2.0%以下である場合を、高耐食性である(合格)と判定し、前記反射率低下量が2.0%を超える場合を高耐食性でない(不合格)と判定した。
(加速環境保持による反射率低下量[%])=(初期状態の反射率[%])−(加速環境保持後の反射率[%])・・・(1)
〔総合判定〕
前記反射率(初期状態の反射率)と前記耐食性(加速環境保持による反射率低下量)のいずれもが合格の場合を、総合的に合格と判定し、前記反射率と前記耐食性の少なくともいずれかが不合格の場合を、総合的に不合格と判定した。
これらの結果を表1に示す。
Figure 2014238896
表1より次のことがわかる。即ち、No.1(純Cu)とNo.3(Cu−50原子%Al合金)は、初期状態の反射率は高いが、加速環境保持後の反射率低下量が大きい、つまり耐食性が十分ではなく、総合判定は不合格である。
No.4(Cu−50原子%Pd合金)とNo.5(Cu−50原子%Ru合金)は、初期状態の反射率が低いため、加速環境保持後の反射率低下量は小さい、つまり高耐食性を示すが、総合判定は不合格である。
No.6(Cu−50原子%W合金)は、初期状態の反射率が低く、かつ加速環境保持後の反射率低下量が大きい、つまり耐食性が十分でなく、総合判定は不合格である。
これらNo.1および3〜6は、高反射率と高耐食性の少なくともいずれかを示さないため、光情報記録媒体の情報の記録再生を良好に行うことが難しい。
これらに対し、No.2(Cu−50原子%Ag合金)は、初期状態の反射率が高く、かつ加速環境保持後の反射率低下量が小さい、つまり高耐食性を示し、総合判定は合格である。この様にNo.2の反射膜は高反射率と高耐食性を兼備するため、光情報記録媒体の情報の記録再生を良好に行うことが可能である。
以上、表1の結果から、Cuの合金元素としてAgが最適であることがわかる。
[実施例2]
次に、Ag含有率を変化させたCu−Ag合金膜(いずれも膜厚は実施例1と同様に100nm)を、実施例1と同様にして作製した。そして、初期状態の反射率の測定、および耐食性の評価(加速環境保持による反射率低下量の測定)を実施例1と同様にして測定した。その結果を表2に示す。尚、表2のNo.1および2は、表1のNo.1および2と同じ純Cu膜、Cu−50原子%Ag合金のデータである。
Figure 2014238896
表2より次のことがわかる。即ち、No.1(純Cu)とNo.7(Cu−30原子%Ag合金)の通り、Agを含まないかAgを含むが不足している場合は、初期状態の反射率は高いが、加速環境保持後の反射率低下量が大きい、つまり耐食性が十分ではなく、総合判定は不合格である。この反射膜は高耐食性を有しないため、光情報記録媒体の情報の記録再生を良好に行うことが難しい。
また、No.14(Cu−70原子%Ag合金)は、Agが過剰に含まれている例である。この場合、初期状態の反射率が低いため、光情報記録媒体の情報の記録再生を良好に行うことが難しい。
これらNo.1、7および14は、高反射率と高耐食性の少なくともいずれかを示さないため、光情報記録媒体の情報の記録再生を良好に行うことは難しい。
これに対し、No.2および8〜13は、いずれも本発明で規定する量のAgを含むCu合金反射膜であり、初期状態の反射率が高く、かつ加速環境保持後の反射率低下量も小さく、つまり耐食性も十分であり、総合判定は合格である。この反射膜は高反射率と高耐食性を有するため、光情報記録媒体の情報の記録再生特性を格段に高めることが可能である。
以上、表2の結果から、Cuの合金元素としてAgを35原子%以上65原子%以下の範囲内で含有させたCu合金膜は、高反射率と高耐食性を兼ね備え、光情報記録媒体の反射膜として最適である。
本発明の光情報記録媒体用Cu合金反射膜は、高反射率・高耐食性を示すため、該反射膜を備えた光情報記録媒体として、情報の記録再生特性を格段に高めることができる。該光情報記録媒体として、CD、DVD、またはBlu−ray Discが挙げられる。この中でも波長650nmのレーザー光を使用するDVDに用いれば、本発明の効果が存分に発揮される。更に、本発明の光情報記録媒体用反射膜形成用Cu合金スパッタリングターゲットは、前記の光情報記録媒体用Cu合金反射膜の形成に好適に使用される。更に、前記の光情報記録媒体用Cu合金反射膜を備えた光情報記録媒体(好ましくはDVD、より好ましくはDVD−R)は、情報の記録再生特性を格段に高めることが可能となる。

Claims (7)

  1. Agを35原子%以上65原子%以下含有するCu合金からなり、かつ膜厚が30nm以上300nm以下であることを特徴とする光情報記録媒体用反射膜。
  2. DVD(Digital Versatile Disc)に用いられる請求項1に記載の光情報記録媒体用反射膜。
  3. 追記型のDVD−R(Digital Versatile Disc−Recordable)に用いられる請求項1に記載の光情報記録媒体用反射膜。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光情報記録媒体用反射膜の形成に用いられるCu合金スパッタリングターゲットであって、Agを35原子%以上65原子%以下含有するCu合金からなることを特徴とするCu合金スパッタリングターゲット。
  5. 請求項1に記載の光情報記録媒体用反射膜を備えた光情報記録媒体。
  6. 請求項2に記載の光情報記録媒体用反射膜を備えたDVD。
  7. 請求項3に記載の光情報記録媒体用反射膜を備えたDVD−R。
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