JPH04364240A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH04364240A
JPH04364240A JP3287006A JP28700691A JPH04364240A JP H04364240 A JPH04364240 A JP H04364240A JP 3287006 A JP3287006 A JP 3287006A JP 28700691 A JP28700691 A JP 28700691A JP H04364240 A JPH04364240 A JP H04364240A
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recording layer
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Kenji Uchiyama
内山 謙治
Mamoru Usami
守 宇佐美
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板上に記録層を有す
る光記録媒体、特にコンパクトディスク対応のライト・
ワンス型の光記録ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】基板上に記録層と反射層とを有する光記
録媒体として、例えば、コンパクトディスク(以下、C
Dと略称する)規格に対応して追記ないし記録を行なう
ことのできる光記録ディスクが提案されている(日経エ
レクトロニクス1989年1月23日号,No.465
,P107、社団法人近畿化学協会機能性色素部会,1
989年3月3日,大阪科学技術センター、SPIE 
vol 1078 Optical Data Sto
rage Topical Meeting, 80 
1989等)。
【0003】このものは、透明樹脂基板上に、色素層、
Au反射層および保護膜をこの順に設層して形成される
。すなわち、反射層を色素層に密着して設けるものであ
る。
【0004】従来は、色素層にピットを形成するために
色素層上に空気層を設けていたが、この提案では、反射
層を色素層に密着して設ける密着型であるので、CD規
格のディスク全厚1.2mmの構成が可能となっている
【0005】このような反射層と色素を含有する記録層
とを密着して設ける密着型の媒体の場合には、特に、記
録層の記録光および再生光に対し、60%以上、特にC
D規格では70%以上の反射率をもつ必要がある。この
ため、特開平2−79235号公報等に開示されている
とおり、反射層には、反射率が高く、しかも耐食性が良
いAu薄膜が使用されている。
【0006】しかし、Auは、やわらかいため、記録光
を記録層に照射してピット部を形成すると、記録層の熱
膨張によってピット部上のAu薄膜が変形することがあ
る。このため、再生出力波形であるアイパターンが乱れ
たり、ジッターの増加を招いてしまう。
【0007】また、Auは高価であるため、反射層とし
て、Ag、Cu等の比較的安価な金属薄膜を使用する提
案がされている。例えば、特開平2−79235号、同
2−87341号公報等には、反射層としてAg薄膜や
Cu薄膜等を使用する具体例が記載されている。
【0008】しかし、Cu薄膜やAg薄膜の場合、成膜
当初は70%程度の反射率が得られるが、耐食性が不十
分である。
【0009】一方、Au、AgおよびCu以外の金属薄
膜、例えばAl薄膜では、十分な反射率が得られない。
【0010】このため、Au以外の金属薄膜を反射層に
適用した光記録ディスクは、エラーレートが大きく、実
用が困難である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、反射
率が高く、しかも耐食性が良い反射層を有し、アイパタ
ーンの乱れやジッターの増加がなく、しかもエラーレー
トが小さく、良好な記録や再生を行なうことができる光
記録媒体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(6)の本発明により達成される。
【0013】(1)基板上に記録層を有し、この記録層
上に、Cuと40at% 未満のAgとを含有する合金
薄膜の反射層を有することを特徴とする光記録媒体。
【0014】(2)前記記録層は色素を含有し、前記記
録層上に密着して前記反射層を積層して構成され、記録
光を前記記録層に照射してピット部を形成し、再生光に
より再生を行なう上記(1)に記載の光記録媒体。
【0015】(3)基板側から再生光を照射したとき、
未記録部分の反射率が60%以上であり、記録部分の反
射率が未記録部分の反射率の60%以下であり、記録光
および再生光の波長における前記記録層の消衰係数kが
0.01〜0.25であり、記録光および再生光の波長
における前記記録層の屈折率nが1.8〜4.0であり
、記録光および再生光の波長が600〜900nmであ
る上記(2)に記載の光記録媒体。
【0016】(4)前記ピット部の前記基板と前記記録
層の界面部には、記録層材質の分解物を含有し、かつ基
板材質を実質的に含有しない層が存在している上記(2
)または(3)に記載の光記録媒体。
【0017】(5)前記ピット部には、空隙が形成され
ている上記(4)に記載の光記録媒体。
【0018】(6)前記反射層上に保護膜を有し、この
保護膜の25℃における鉛筆硬度がH〜8Hである上記
(2)ないし(5)のいずれかに記載の光記録媒体。
【0019】
【作用】本発明の光記録媒体の反射層に用いる合金薄膜
は、反射率が高く、しかも耐食性が高い。このため、エ
ラーレートが小さく、良好な記録や再生を行なうことが
できる光記録媒体が実現する。
【0020】また、基板上に記録層を有し、この記録層
上に密着して反射層を積層した光記録媒体の場合、反射
層が硬いため、記録光を記録層に照射してピット部を形
成しても、ピット部上の反射層が変形しない。このため
、アイパターンの乱れやジッターの増加が生じない。
【0021】なお、特開昭57−18624号公報には
、基板上に40at%より多量のAgを含むAg−Cu
合金薄膜の反射層を有する光学読取情報ディスクが記載
されている。この光学読取情報ディスクは、記録層のな
い再生専用ディスクであるため、反射層について何の問
題も生じない。
【0022】しかし、Ag−Cu合金薄膜の場合、Ag
が40at% 以上含まれていると、光記録媒体の反射
層としての十分な硬さが得られない。このため、特に、
記録層上に密着して反射層を積層した光記録媒体の場合
、記録光を照射してピット部を形成すると、記録層の熱
膨張によってピット部上の反射層が変形してしまうこと
がある。そして、この結果、アイパターンが乱れたり、
ジッターの増加を招いてしまう。
【0023】これに対し本発明では、Cu−Ag合金薄
膜のAgの含有量を40at% 未満に規制するため、
前記のとおり十分な硬さを有する反射層とすることがで
きる。
【0024】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0025】本発明の光記録媒体は、基板上に記録層を
有し、この記録層上に反射層を有する。この場合、記録
層は、後から情報を記録できるものであれば特に制限は
ないが、ここでは好適例として図1に示される光記録媒
体を例に挙げて説明する。
【0026】この光記録媒体1は、基板2上に、色素を
含有する記録層3を有し、記録層3に密着して、反射層
4、保護膜5を形成した密着型のものである。
【0027】基板2は、記録光および再生光(600〜
900nm程度、特に700〜800nm程度の半導体
レーザー光、特に780nm)に対し、実質的に透明(
好ましくは透過率80%以上)な樹脂あるいはガラスか
ら形成される。これにより、基板裏面側からの記録およ
び再生が可能となる。
【0028】基板2は、通常のサイズのディスク状であ
って、CDとして用いる場合、厚さは1.2mm程度、
直径は80ないし120mm程度とする。
【0029】この場合、基板材質としては、樹脂を用い
ることが好ましく、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹
脂、アモルファスポリオレフィン、TPX等の各種熱可
塑性樹脂が好適である。
【0030】なお、必要に応じ、基板2の外表面、内表
面の少なくとも一方と、さらに必要に応じ、内・外周面
に酸素遮断性の被膜を形成してもよい。
【0031】基板2の記録層3形成面には、トラッキン
グ用のグルーブが形成されることが好ましい。
【0032】グルーブは、スパイラル状の連続型グルー
ブであることが好ましく、深さは250〜1800A 
、幅は0.2〜1.1μm 、特に0.3〜0.6μm
 、ランド(隣り合うグルーブ同士の間の部分)幅は0
.5〜1.4μm 、特に1.0〜1.3μm である
ことが好ましい。
【0033】グルーブをこのような構成とすることによ
り、グルーブ部の反射レベルを下げることなく良好なト
ラッキング信号を得ることができる。なお、グルーブに
は、アドレス信号用の凹凸を設けることもできる。
【0034】本発明では、基板がグルーブを有する場合
、記録光はグルーブ内の記録層に照射されるよう構成さ
れることが好ましい。すなわち、本発明の光記録媒体は
、グルーブ記録の光記録媒体として用いられることが好
ましい。グルーブ記録とすることにより、記録層の有効
厚さを大きくすることができる。
【0035】また、基板2上に図示しない樹脂層を例え
ば2P法により設層して、樹脂層にトラッキング用の溝
やアドレス信号用の凹凸を設けてもよい。
【0036】樹脂層を構成する樹脂材質に特に制限はな
く、いわゆる2P法に用いられる公知の樹脂から適宜に
選択すればよいが、通常、放射線硬化型化合物が用いら
れる。
【0037】記録層3は、1種あるいは2種以上の色素
を相溶して形成される。
【0038】この場合、光吸収色素にクエンチャーを混
合してもよく、さらに、色素カチオンとクエンチャーア
ニオンとのイオン結合体を光吸収色素として用いてもよ
い。
【0039】記録層3の記録光および再生光波長におけ
る消衰係数(複素屈折率の虚部)kは、0.01〜0.
25、より好ましくは0.03〜0.25であることが
好ましい。kが前記範囲未満となると記録層の吸収率が
低下し、通常の記録パワーで記録を行うことが困難であ
る。また、kが0.25をこえると、反射率が60%を
下回ってしまい、CD規格による再生を行うことが困難
である。この場合、kが0.04〜0.20、特に0.
05〜0.15であると、きわめて好ましい結果をうる
【0040】また、屈折率(複素屈折率の実部)nは、
1.8〜4.0、より好ましくは、2.2〜3.3であ
ることが好ましい。n<1.8では反射率が低下し、C
D規格による再生が困難となる傾向にある。また、n>
4.0とするためには、原料色素の入手が難しい。
【0041】nおよびkの測定に際しては、所定の透明
基板上に記録層を例えば400〜1000A 程度の厚
さに実際の条件にて設層して、測定サンプルを作製する
。 次いで、基板を通しての、あるいは記録層側からの反射
率を測定する。反射率は記録再生光波長を用いて鏡面反
射(5°程度)にて測定する。また、サンプルの透過率
を測定する。これらの測定値から、例えば、共立全書「
光学」石黒浩三P168〜178に準じ、n、kを算出
すればよい。
【0042】用いる光吸収性の色素としては、吸収極大
が600〜900nm、好ましくは600〜800nm
、より好ましくは650〜750nmであれば、他に特
に制限はないが、シアニン系、フタロシアニン系、ナフ
タロシアニン系、アントラキノン系、アゾ系、トリフェ
ニルメタン系、ピリリウムないしチアピリリウム塩系、
スクワリリウム系、クロコニウム系、金属錯体色素系等
の1種ないし2種以上が好ましい。
【0043】シアニン色素としては、インドレニン環、
特にベンゾインドレニン環を有するシアニン色素である
ことが好ましい。
【0044】記録層3の設層方法には特に制限がなく、
例えば、各種溶媒等を用いて塗布によって設層したり、
蒸着等公知の方法を用いればよい。
【0045】記録層3の厚さは、ランド部で500〜2
000A とすることが好ましい。この範囲外では反射
率が低下して、CD規格の再生を行うことが難しくなる
【0046】このような記録層3には、直接密着して反
射層4が設層される。
【0047】反射層4は、CuとAgとを含有する合金
薄膜で構成される。前記の合金薄膜を用いることにより
、高い反射率が得られ、Cu薄膜やAg薄膜に比べ、膜
の耐食性が格段と向上し、しかもAu薄膜に比べ、膜の
硬度が格段と増加する。
【0048】反射層4中のAgの含有量は、40at%
 未満とする。前記範囲をこえると、膜の硬さが不十分
であるため、記録光を記録層3に照射してピット部6を
形成する際、記録層3の熱膨張により、ピット部6上の
反射層4が変形してしまう。このため、アイパターンが
乱れたり、ジッターが増加する。
【0049】ただし、Agの含有量が少なすぎると、耐
食性が不十分である。例えば、高温・高湿下で長期間保
存あるいは使用すると、膜の反射率が低下し、エラーが
増加する。また、反射層4中のCuが色素を含有する記
録層3中に拡散し易くなり、悪い影響を及ぼす。
【0050】前記の理由から、反射層4中のAgの含有
量の上限は、好ましくは38at% 、より好ましくは
36at% 、特に好ましくは35at% である。
【0051】また、下限は、好ましくは5at% 、よ
り好ましくは6at% 、さらに好ましくは8at% 
、特に好ましくは10at% である。
【0052】反射層4の厚さは500A 以上であるこ
とが好ましく、蒸着、スパッタ等により設層すればよい
。 また、厚さの上限に特に制限はないが、コスト、生産作
業時間等を考慮すると、1200A 程度以下であるこ
とが好ましい。
【0053】これにより、反射層4単独での反射率は、
90%以上、媒体の未記録部の基板をとおしての反射率
は、60%以上、特に70%以上がえられる。
【0054】反射層4上には、保護膜5が設層される。
【0055】保護膜5は、例えば紫外線硬化樹脂等の各
種樹脂材質から、通常は、0.1〜100μm 程度の
厚さに設層すればよい。保護膜5は、層状であってもシ
ート状であってもよい。
【0056】保護膜5は、特に放射線硬化型化合物およ
び光重合増感剤を含有する塗膜を放射線硬化したもので
あることが好ましい。そして、保護膜5の硬度が、25
℃における鉛筆硬度(JIS  K−5400)で、H
〜8H、特に2H〜7Hであるように構成されることが
好ましい。
【0057】このように構成することにより、アイパタ
ーンがより一層良好になり、ジッターが格段と減少する
。また、高温・高湿あるいは温湿度変化条件下の保存に
おいても、保護膜と反射層との剥離が生じない。より具
体的には、保護膜の硬度がHより軟らかいとアイパター
ンが乱れ、ジッターが増大し、8Hより硬くなると塗膜
がもろくなり膜形成能が低下する他、反射層との接着力
が低下する。
【0058】このような保護膜形成に用いる放射線硬化
型化合物には、オリゴエステルアクリレートが含まれる
ことが好ましい。
【0059】オリゴエステルアクリレートは、アクリレ
ート基またはメタクリレート基を複数有するオリゴエス
テル化合物である。そして好ましいオリゴエステルアク
リレートとしては、分子量1000〜10000、好ま
しくは2000〜7000であって、重合度2〜10、
好ましくは、3〜5のものが挙げられる。また、これら
のうちアクリレート基またはメタクリレート基を2〜6
個、好ましくは3〜6個有する多官能オリゴエステルア
クリレートが好ましい。
【0060】また、上記の化合物に加えて、あるいはこ
れにかえて熱可塑性樹脂を放射線感応変性することによ
って得られる放射線硬化型化合物を用いてもよい。
【0061】このような放射線硬化型化合物の保護膜の
膜厚は0.1〜30μm 、より好ましくは1〜10μ
m である。
【0062】この膜厚が0.1μm 未満になると、一
様な膜を形成しにくく、湿度が高い雰囲気中での防湿効
果が十分でなく、記録層の耐久性が下がる。しかも、ジ
ッター防止効果が低下する。また、30μm をこえる
と、樹脂膜の硬化の際に伴う収縮により記録媒体の反り
や保護膜中のクラックが生じやすい。
【0063】このような塗膜は、通常、スピンナーコー
ト、グラビア塗布、スプレーコート、ディッピング等、
種々の公知の方法を組み合わせて設層すればよい。この
時の塗膜の設層条件は、塗膜組成の混合物の粘度、目的
とする塗膜厚さ等を考慮して適宜決定すればよい。
【0064】本発明において塗膜に照射する放射線とし
ては、紫外線、電子線等が挙げられるが、紫外線が好ま
しい。
【0065】紫外線を用いる場合には、前述したような
放射線硬化型化合物の中には、通常、光重合増感剤が加
えられる。
【0066】光重合増感剤としては、例えば、ベンゾイ
ンメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、α−メ
チルベンゾイン、α−クロルデオキシベンゾイン等のベ
ンゾイン系、ベンゾフェノン、アセトフェノン、モルホ
リノジメチルメチル−4−メチルチオフェニルケトン、
ビスジアルキルアミノベンゾフェノン等のケトン類、ア
セトラキノン、フェナントラキノン等のキノン類、ベン
ジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィ
ド等のスルフィド類等を挙げることができる。
【0067】そして、このような光重合増感剤と放射線
硬化型化合物を含有する塗膜を紫外線によって硬化させ
るには、公知の種々の方法に従えばよい。たとえば、キ
セノン放電管、水銀放電管などの紫外線電球等を用いれ
ばよい。また、場合によっては電子線を用いることもで
きる。
【0068】このような構成の光記録媒体1に記録ない
し追記を行なうには、例えば780nmの記録光を、基
板2をとおしてパルス状に照射する。
【0069】これにより、記録層3が光を吸収して発熱
し、同時に基板2も加熱される。この結果、基板2と記
録層3との界面近傍において、色素等の記録層材質の融
解や分解が生じ、記録層3と基板2との界面に圧力が加
わり、グルーブの底壁や側壁を変形させることがある。
【0070】この場合記録層3の融解物や分解物を含有
する分解物層61が、通常グルーブ23の底部および境
界を覆うような形状に残存する。分解物層61の材質は
、実質的に基板材質を含まない材質であり、記録層材質
の分解物あるいは記録層材質の分解物と、記録層材質と
の混合物によって構成される。分解物層61は、記録層
3の厚さの通常30〜90%程度の厚さである。
【0071】そして、通常、分解物層61上には、反射
層との界面に空隙63が形成され、分解物層61と、空
隙63とがピット部6に形成される。空隙63は、記録
層3の厚さの通常10〜70%程度の厚さである。
【0072】また、このような記録過程において、基板
2は変形しない場合もあるが、通常、基板2のピット部
6は、加熱時の圧力によって凹状にへこむことになる。 基板2のへこみ量は、ピット部6の寸法が大きい程大き
く、通常0〜300A 程度の深さである。
【0073】また、空隙63上には、反射層4に密着し
て微小膜厚にて記録層3ないしその分解物等が残存する
こともある。
【0074】このように、ピット部6の基板2と記録層
3との界面部には、実質的に基板材質を含有しない層が
形成される。
【0075】なお、記録光のパワーは、通常、5〜9m
W程度、基板回転線速度は1.2〜1.4m/s 程度
とすればよい。
【0076】このようにしてピット部6を形成したのち
、例えば780nmの再生光を、基板2をとおして照射
すると、ピット部6により光の位相差を生じ、反射率が
未記録部分の60%以下、特に50%以下、さらには4
0%以下に低下する。一方、未記録部では、60%以上
、特に70%以上の高反射率を示しているので、CD規
格による再生が可能となる。
【0077】再生光のパワーは、0.1〜10mW程度
とする。
【0078】なお、前記の光記録媒体は、本発明の光記
録媒体の1例であり、このほか、変調された熱ビームあ
るいは変調された磁界により、情報が磁気的に記録され
、記録情報は磁気−光変換して再生される、いわゆる光
磁気記録媒体であってもよい。この場合、記録層は、光
磁気記録が行なえるものであればその材質に特に制限は
ないが、希土類金属元素を含有する合金、特に希土類金
属と遷移金属との合金を、スパッタ、蒸着法、イオンプ
レーティング法等により、非晶質膜として形成したもの
であることが好ましい。
【0079】また、本発明に用いる反射層は、光学式ビ
デオディスク、コンパクトディスク等の情報を予め担持
している再生専用の光再生媒体に適用することも可能で
ある。
【0080】ただ、好ましくは、前述したように色素を
含有する記録層上に密着して反射層を積層して構成した
光記録媒体である。
【0081】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0082】実施例1 連続グルーブを有する120mmφ、厚さ1.2mmの
ポリオレフィン樹脂基板上に色素を含有する記録層を設
層した。この記録層上に、スパッタリングによりCu−
Ag合金薄膜を1000A 厚に設層して反射層とし、
さらに、オリゴエステルアクリレートを含有する紫外線
硬化型樹脂を塗布した後紫外線硬化して5μm厚の保護
膜とし、光記録ディスクサンプルNo. 1を得た。
【0083】サンプルNo. 1の記録層に含有される
色素を下記化1に示す。
【0084】
【化1】
【0085】記録層の設層は、基板を500〜3000
rpm で回転させながらスピンコート塗布により行な
った。塗布溶液としては、5.0wt% シクロヘキサ
ノン溶液を用いた。記録層の厚さはグルーブ部で280
0A 、ランド部で1800A であった。また、記録
層の屈折率(n)は2.3、消衰係数(k)は、0.0
3であった。
【0086】nおよびkは、上記色素を含有する溶液を
測定用基板上に乾燥膜厚1000Aに成膜して被検記録
層とし、この被検記録層のnおよびkを測定することに
より求めた。なお、この測定は、「光学」(石黒浩三著
、共立全書)第168〜178ページの記載に準じて行
なった。また、上記化1に示される色素を含有する記録
層の測定に際しては、溶媒にシクロヘキサノン、測定用
基板にポリオレフィン基板を用いた。
【0087】反射層のCu−Ag合金薄膜の組成は、C
u65Ag35(at% )であり、成膜条件は、下記
のとおりであった。
【0088】スパッタ圧力:1.0Pa投入パワー:1
1.0W/cm2
【0089】なお、Cu−Ag合金薄膜の組成は、誘導
結合高周波プラズマ分光分析にて求めた。
【0090】また、保護膜は、下記の放射線硬化型化合
物および光重合増感剤を含む塗布組成物をスピンナーコ
ートで設層した。
【0091】(塗布組成物)   多官能オリゴエステルアクリレート[オリゴエステ
ルアクリレート(3官能以上)30重量%、トリメチル
プロパンアクリレート70重量%、商品名アロニックス
M−8030;東亜合成社製]                          
                         
    100重量部  光重合増感剤(商品名:IR
GACURE907;日本チバガイギー社製)    
                         
                         
    5重量部
【0092】このような塗布組成物を
設層後、120W/cmの紫外線を15sec 照射し
架橋硬化させ、硬化膜とした。この膜の鉛筆硬度は2H
であった。
【0093】また、反射層のみを下記表1に示される薄
膜にかえたほかはサンプルNo. 1と同様として、サ
ンプルNo. 2〜No. 6を製造した。
【0094】得られたサンプルNo. 1およびNo.
 2に対し、波長780nm、7mWのレーザーにてE
FM信号の記録を行ない、次いで市販のコンパクトディ
スクプレーヤで再生を行なった。
【0095】この結果、S/N比が高く、良好な再生を
行なうことができた。なお、未記録部で70%以上の反
射率が得られ、記録部の反射率は未記録部の反射率の4
0%以下であった。
【0096】次に、各サンプルに対し、下記の評価を行
なった。
【0097】1)反射率 サンプルに対し、波長780nm、7mWのレーザーに
てEFM信号の記録を行なった後、市販のコンパクトデ
ィスクプレーヤで再生を行なって記録部のItop レ
ベルの反射率を測定した。
【0098】次いで、サンプルを温度80℃、湿度80
%RHの環境中に200時間放置した後、同様に記録部
のItop レベルの反射率を測定した。
【0099】そして、各サンプルの初期の反射率を基準
(1.00)とし、サンプルNo. 1〜No. 6そ
れぞれについて規格化された反射率を算出した。
【0100】評価基準 ○…規格化した反射率が0.93超 ×…規格化した反射率が0.93未満
【0101】2)C1エラー 市販のコンパクトディスクプレーヤで再生を行なって、
初期および200時間(80℃、80%RH)後のC1
エラーを測定した。
【0102】この場合、C1エラーのCD規格は、22
0(カウント/秒)以内である。
【0103】評価基準 ○…C1エラー220(カウント/秒)以内×…C1エ
ラー220(カウント/秒)超
【0104】3)アイパ
ターンの乱れ 初期のアイパターンをオシロスコープを用いて観察し、
その乱れ具合を○、△、×の3段階で評価した。
【0105】評価基準 ○…アイパターンの乱れなし △…アイパターンの立ち上がり部分が少し乱れる×…ア
イパターンの立ち上がり部分が乱れる
【0106】なお
、サンプルNo. 1の初期のアイパターンのオシロ波
形の写真を図2、No.4の初期のアイパターンのオシ
ロ波形の写真を図3に示す。
【0107】4)ジッター 市販のコンパクトディスクプレーヤで再生を行なって、
初期および200時間(80℃、80%RH)後のジッ
ターを測定した。評価装置は、MEGURO社製CDジ
ッターメーターMJM−631を使用した。
【0108】評価基準 ○…30ns未満 ×…30ns以上
【0109】結果は表1に示されるとおりである。
【0110】
【表1】
【0111】表1に示される結果から本発明の効果が明
らかである。
【0112】なお、各サンプルの保護膜の鉛筆硬度を下
げたところ、アイパターンが少し乱れ、ジッターの増加
がみられた。
【0113】また、反射層中のAgの含有量をかえた各
種サンプルを作製し、前記と同様の評価を行なったとこ
ろ、同等の結果が得られた。
【0114】
【発明の効果】本発明の光記録媒体では、反射層の、耐
食性、耐湿性が良いため、高温、高湿下での使用や長期
保存を行なっても高反射率が維持される。
【0115】このため、エラーレートが小さく、良好な
記録や再生を行なうことができる光記録媒体が実現する
【0116】また、本発明の密着型の光記録媒体によれ
ば、高反射率で、しかもピット部での大きな反射率低下
を示すので、CD規格による再生を行なうことのできる
良好な光記録が可能となる。
【0117】しかも、従来のAu薄膜の反射層を形成し
た光記録媒体とは異なり、良好なアイパターンが得られ
、ジッターも少なく、さらに、コスト的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体を示す部分断面図である。
【図2】オシロ波形を示す図面代用写真であって、本発
明の光記録媒体のアイパターンが示される写真である。
【図3】オシロ波形を示す図面代用写真であって、従来
の光記録媒体のアイパターンが示される写真である。
【符号の説明】
1…光記録媒体 2…基板 21…ランド部 23…グルーブ 3…記録層 4…反射層 5…保護膜 6…ピット部 61…分解物層 63…空隙

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  基板上に記録層を有し、この記録層上
    に、Cuと40at% 未満のAgとを含有する合金薄
    膜の反射層を有することを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】  前記記録層は色素を含有し、前記記録
    層上に密着して前記反射層を積層して構成され、記録光
    を前記記録層に照射してピット部を形成し、再生光によ
    り再生を行なう請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】  基板側から再生光を照射したとき、未
    記録部分の反射率が60%以上であり、記録部分の反射
    率が未記録部分の反射率の60%以下であり、記録光お
    よび再生光の波長における前記記録層の消衰係数kが0
    .01〜0.25であり、記録光および再生光の波長に
    おける前記記録層の屈折率nが1.8〜4.0であり、
    記録光および再生光の波長が600〜900nmである
    請求項2に記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】  前記ピット部の前記基板と前記記録層
    の界面部には、記録層材質の分解物を含有し、かつ基板
    材質を実質的に含有しない層が存在している請求項2ま
    たは3に記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】  前記ピット部には、空隙が形成されて
    いる請求項4に記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】  前記反射層上に保護膜を有し、この保
    護膜の25℃における鉛筆硬度がH〜8Hである請求項
    2ないし5のいずれかに記載の光記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004209970A (ja) * 2002-12-16 2004-07-29 Canon Inc 液体タンクおよび記録装置
US7572517B2 (en) 2002-07-08 2009-08-11 Target Technology Company, Llc Reflective or semi-reflective metal alloy coatings
JP2014238896A (ja) * 2013-06-06 2014-12-18 株式会社コベルコ科研 光情報記録媒体用反射膜、光情報記録媒体用反射膜形成用スパッタリングターゲット、および光情報記録媒体

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