JP4638015B2 - 薄膜形成用スパッタリングターゲット材、それを用いて形成されて成る薄膜及び光学記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜形成用スパッタリングターゲット材、それを用いて形成されて成る薄膜及び光学記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスク、または、MD(Mini Disc)やMO(Magnet Optical Disc)等の光磁気ディスク、あるいは相変化型光ディスク等の書換え可能な光学記録媒体、これら光学記録媒体に適用する反射膜の材料としては、AlやAl合金が一般的に知られている。
【0003】
このAlやAl合金は、上記の種々の光学記録媒体において、記録情報の再生を行う際に、特定光学波長領域中で、一定以上の反射率が得られ、かつ、熱伝導特性に優れている。
また、光学記録媒体に形成されている微細凹凸の溝に対して、安定した被覆性を得られ、さらに、光学記録媒体製品となった場合に、空気中に含有されている非金属元素に対する耐候性にも優れていて、長期間に渡って計時変化が極めて少ないという利点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、AlあるいはAl合金により形成した薄膜の反射率は、例えば波長が800nmである光に対しては、80%程度であり、光学記録媒体の用途によっては、いまだ充分な反射率が得られているとはいえない。
【0005】
一方、CD−R(Compact Disc−Recordable)においては、Al系の材料を用いて反射膜を形成すると、充分に高い反射率が得られないということから、Auを反射膜の材料として適用することは検討されている。
しかしながら、Auは、材料としてコストが高いという問題があるため、Auの代替材料として、AgもしくはCuが検討されている。
【0006】
しかしながら、Agは、塩素、酸素、硫黄等の非金属元素、これらのイオンに対して化学的に活性であるため、海水中等の特殊環境においては、耐候性の点で問題を有している。
【0007】
一方、特開昭57−186224号公報、特開平7−3363号公報、特開平9−156224号公報には、Agに、所定の不純物を添加することにより、耐候性を向上させるという技術が開示されている。
すなわち、特開昭57−186224号公報にはAgCu合金(Agの含有量が40原子%以上)について、特開平7−3363号公報にはAgMg合金(Mgの含有量が1〜10原子%以上)、特開平9−156224号公報にはAgOM(MはSb,Pd,Pt)合金(Oの含有量が10〜40原子%、Mの含有量が0.1〜10原子%)についての技術が開示されている。
【0008】
しかし、これらの合金材料においては、その合金を形成する元素の組成範囲が広く、合金を構成する元素の含有量と、耐候性や、薄膜を形成した場合の反射率の関係が必ずしも明確に記載されていない。
特に、Agに微量な不純物を添加したことによる耐候性の改善が充分に達成されておらず、光学記録媒体に採用される上での反射膜としての信頼性については不明確である点が多い。
【0009】
また、Mgについては、アルカリ土類金属であり、この種の元素あるいはイオンは、化学的に不安定であるため、これを用いた合金については、塩素等に対しての耐候性の改善を図る必要があった。
【0010】
そこで、本発明者らは、上記課題を解決すべく、Agと比較した場合の高反射率の維持、耐候性の改善、合金作製にあたっての製造容易さ、スパッタリングターゲットとして使用する場合のスパッタリング工程における安定性、簡易性の種々の問題について鋭意研究を重ねた結果、これらの諸問題の解決を図ることのできる薄膜形成用スパッタリングターゲット材、それを用いて形成されて成る薄膜及び光学記録媒体を得ることができた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る薄膜形成用スパッタリングターゲット材は、Auを0.1mass%以上5.0mass%以下含有し、Al、Ti、Ni、V、Ta、W、Mo、Cr、Mgからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の元素を0.1mass%以上5.0mass%以下含有し、残部がAg及び不可避的不純物からなる金属材料からなることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る薄膜は、Auを0.1mass%以上5.0mass%以下含有し、Al、Ti、Ni、V、Ta、W、Mo、Cr、Mgからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の元素を0.1mass%以上5.0mass%以下含有し、残部がAg及び不可避的不純物からなる金属材料を用いて形成されて成ることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る光学記録媒体は、Auを0.1mass%以上5.0mass%以下含有し、Al、Ti、Ni、V、Ta、W、Mo、Cr、Mgからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の元素を0.1mass%以上5.0mass%以下含有し、残部がAg及び不可避的不純物からなる金属材料を用いて形成された薄膜を有することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、薄膜形成用スパッタリングターゲット材、光学記録媒体用の薄膜として適用した場合に、Agの耐水素性、耐酸素性やAuの耐塩素性、耐硫黄性の相互作用により、塩素、水素、酸素、硫黄という大気中あるいは特殊環境中で検討される非金属元素による汚染や光学記録媒体に採用される際に要求される環境や雰囲気下での高い耐候性の向上を図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施の形態による薄膜形成用スパッタリングターゲット材は、Agを主成分とし、Auを0.1wt%以上5.0wt%以下含有し、Cu、Al、Ti、Pd、Ni、V、Ta、W、Mo、Cr、Ru、Mgからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の元素を0.1wt%以上5.0wt%以下含有するもので、これらの元素を少なくとも含有する金属材料からなるものである。
【0016】
以下に示す例においては、本発明の薄膜形成用スパッタリングターゲット材、それを用いて形成されて成る薄膜及びこの薄膜を有する光学記録媒体について、2層の情報記録層を有する構造のディスク状、いわゆる円板状の光ディスクに適用する場合について説明する。ただし、本発明は、このような光ディスクや、その形状に限定されるものではなく、光磁気ディスク、相変化ディスク、その他のカード状、シート状等の情報層に金属薄膜を有する各種の光学記録媒体に適用することができる。
【0017】
以下の例において作製する光学記録媒体は、図1に示すように、第1の基板1と第2の基板2とが、例えば光透過性の光硬化性樹脂20を介して積層された2層構造の光学記録媒体とする。
【0018】
第1の基板1は、例えばポリカーボネート等の光透過性樹脂の射出成形により、一主面にデータ記録ピット、またはプリグルーブ等の第1の微細凹凸21を有し、これの上に半透明膜15を有し、第1の情報記録層11が形成されてなるものである。
【0019】
また、上述した第1の基板1と積層される第2の基板2は、第1の基板1と同様に、例えばポリカーボネート等の光透過性樹脂の射出成形によって、一主面にデータ記録ピット、またはプリグルーブ等の第2の微細凹凸22を有し、これの上に、本発明に係る銀合金を用いて形成した反射膜16を有し、第2の情報記録層12が形成されてなるものである。
この銀合金による反射膜16は、例えばRF(交流)マグネトロンスパッタリング法により成膜することができ、膜厚は、例えば50〜150nm程度に形成する。
【0020】
さらに、第2の情報記録層12上には、例えばアクリル系の紫外線硬化性樹脂よりなる保護膜30が形成されている。
【0021】
図1に示す2層構造の光学記録媒体において、第2の情報記録層12に記録された情報の再生を行うときには、波長800nmの光ビームを照射して第2の情報記録層12に焦点が結ばれるようにし、情報の再生を行うようにする。
一方、第1の情報記録層11に記録された情報の再生を行うときには、波長650nmの光ビームを照射して第1の情報記録層11に焦点が結ばれるようにし、情報の再生を行うようにする。
【0022】
以下、本発明に係る銀合金及びこれを用いて作製した薄膜、すなわち図1に示した反射膜16について説明する。
【0023】
本発明は、上述したように、高反射率の維持、耐候性の改善、合金作製にあたっての製造容易さ、スパッタリングターゲットとして使用する場合のスパッタリング工程における安定性、簡易性の種々の問題について解決を図るべく、Agを主成分とし、Auを0.1mass%以上5.0mass%以下含有し、Cu、Al、Ti、Pd、Ni、V、Ta、W、Mo、Cr、Ru、Mgからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の元素を0.1mass%以上5.0mass%以下含有するもので、これらの元素を少なくとも含有する金属材料からなる薄膜形成用スパッタリングターゲット材、及び、これを用いて形成された薄膜と、この薄膜を有する光学記録媒体を得るものである。
【0024】
本発明に係る銀合金のスパッタリングターゲット材料として、Auを選択したのは、合金を作製する際の溶融プロセス中、及び冷却して固化したときの添加元素であるAuの合金全体に対しての偏析が抑制できる。あるいは合金を作製する工程中で、金属間化合物が形成されないという利点も有する。
【0025】
また、Agは、硫黄と結合しやすく、大気中に長時間放置すると、大気と接触する界面が硫黄と反応して、硫化銀(Ag2S)となり、黒色化して反射特性が劣化してしまう。また、塩素とも激しく反応して塩化銀(AgCl)となってしまい、白濁化して反射特性が劣化する。また、塩素との反応部が成長、拡大してしまい、白濁化した部分が広がり、さらに反射特性が劣化し、Agの物理的特性を損なってしまう。
しかし、一方においてAgは、酸素や水素に対しては比較的安定な物質であり、特に水素に対しては非常に安定であり、酸素雰囲気下での長時間放置後の酸素との結合状態や、水中に浸水させて放置した後に水素との結合状態を確認しても、これらとの反応性が安定であることがわかる。このため、対酸素や水素へのバリア性を目的とした感光材用の添加材料や、高融点ロウ材等に適用されている。
【0026】
上記薄膜形成用スパッタリングターゲット材によれば、Agの耐水素性、耐酸素性やAuの耐塩素性、耐硫黄性の相互作用により、塩素、水素、酸素、硫黄という大気中あるいは特殊環境中で検討される非金属元素による汚染や光学記録媒体に採用される際に要求される環境や雰囲気下でのAgと比較した場合の高い耐候性の向上の実現が可能になるのである。
【0027】
また、上記薄膜形成用スパッタリングターゲット材を用いて光学記録媒体の薄膜を形成した場合においては、実用上望ましい高い反射率が得られること、即ち光学記録媒体の反射膜として優れた特性を有することが確認されている。
【0028】
また、光学記録媒体の反射膜の形成材として、薄膜形成用スパッタリングターゲット材を用いた場合に、光学記録媒体の反射膜として重要な耐候性に関しては、Agを単独で用いた場合に比較してさらに向上することが確認されている。
【0029】
次に、Agに所定量のAuを添加したAg−Au合金により、光学記録媒体用の薄膜、すなわち、反射膜を形成して光学記録媒体を作製した場合の、所定の波長レーザー光に対する反射率を測定した。この場合、Agに、Auが0.1〜5.0mass%それぞれの量含有されてなるAgAu合金の薄膜形成用スパッタリングターゲット材を用いて、光学記録媒体の薄膜、すなわち反射膜を形成し、光学記録媒体を作製し、波長800、600、400nmのレーザー光を照射したときの、それぞれの反射率を測定するものとし、この測定結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
この表1に示した測定結果より、AgにAuが0.1〜5.0mass%含有されているAgAu合金の薄膜形成用スパッタリングターゲット材を用いて、光学記録媒体の薄膜を形成した場合においては、実用上望ましい高い反射率が得られることがわかる。すなわち、表1に示すように、AgにAuが0.1〜5.0mass%含有されているAgAu合金の薄膜形成用スパッタリングターゲット材を用いて、光学記録媒体の薄膜を形成した場合において、特に、波長800nmのレーザー光を照射した場合においては、88%以上の高い反射率が得られ、光学記録媒体の反射膜として優れた特性を有するものであることがわかる。
【0032】
光学記録媒体の反射膜として重要な耐候性に関しては、Auを含有させることにより、Ag単独で用いた場合に比較してさらに向上させることができる。
【0033】
次に、Agに、Auが、1.2mass%含有されてなるAgAu合金に、Cu、Al、Ti、Pd、Ni、V、Ta、W、Mo、Cr、Ru、Mgの内のいずれかの元素が、それぞれ0.5〜0.9mass%添加してAgAuX(XはCu、Al、Ti、Pd、Ni、V、Ta、W、Mo、Cr、Ru、Mg)合金とし、この合金により、光学記録媒体の反射膜を形成し、光学記録媒体を作製した場合の、所定の波長のレーザー光に対する反射率を測定した。
【0034】
この場合、波長800、600、400nmのレーザー光を、それぞれ照射したときの、反射率を測定するものとし、この測定結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0039】
また、表2においては、AgAu合金に、Cu、Alなどの内のいずれかの元素を含有させた場合について説明したが、本発明はこの例に限定されるものではなく、それ以外のいずれか一種類あるいは二種類以上の元素を含有させたAgAu合金についても適用することができ、これらを用いた場合についても、高い反射率が得られ、光学記録媒体の反射膜として優れた特性を得ることができた。
【0040】
次に、本発明のAg合金を用いて、光学記録媒体用の薄膜、すなわち、反射膜を形成する場合のスパッタレートについて、Agを単独で用いて反射膜を形成する場合のスパッタリングターゲットと比較して説明する。
【0041】
スパッタリング条件としては、到達圧力を4×10-3Pa、スパッタ圧力は0.76Pa、スパッタガス及び雰囲気については、、Ar雰囲気とし、ガス流量は20sccmとした。
【0042】
以下、薄膜の作製用材料と、成膜電力、成膜時間の関係についての測定結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】
表3に示すように、本発明のAg合金を用いて薄膜を形成した場合、Agを単独で用いた場合に比較して10〜50%程度、成膜時間が増加してしまうが、代替の材料として考えられるAlやAuを用いた場合のエッチングレートと比較すると、成膜時間を著しく短縮できる。
【0045】
次に、本発明のスパッタリングターゲット材の作製方法について検討した。本発明のスパッタリングターゲット材の作製方法としては、大気雰囲気中での溶解法あるいは真空中での溶解法が挙げられる。
Ag合金を溶解法で作製する場合には、先ず、基となる母合金を作製し、これにAgを追加で混入して、Agが規定量になるように合金に含有される金属の含有量を整えるものとする。
【0046】
大気中で行う場合について説明する。
先ず、Ar雰囲気(400〜600Torr)中で、Ag−Au−X(Xは、Cu,Al,Ti,Pd,Ni,V,Ta,W,Mo,Cr,Ru,Mg)合金を、アーク溶解にて溶融混合し、母合金を作製する。
【0047】
次に、高周波溶融炉において、Agの溶解を行う。このときのAgの量は、全体溶解量から母合金中のAgの量を差し引いた量とする。
この際の溶融温度は、例えば1000〜1300℃として、例えば、0.1〜0.2リットルの並型黒鉛坩堝を用いる。
【0048】
完全に溶融した後、酸化防止材を投入し、溶融中の酸素との固溶を抑制、防止する。酸化防止材としては、ホウ砂、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸リチウム、カーボン等を用いることができる。
【0049】
完全に溶融した状態で、約1時間放置し、上記の母合金を添加してさらに0.5〜1時間溶融させる。
この際の溶融温度は、例えば1050〜1400℃とする。
【0050】
以上、大気中での溶解法について説明したが、その他の溶解法を用いることも可能であり、以下、Ar雰囲気中で行う溶解の場合について説明する。
先ず、Ar雰囲気(400〜600Torr)中で、Ag−Au−X(Xは、Cu,Al,Ti,Pd,Ni,V,Ta,W,Mo,Cr,Ru,Mg)合金を、アーク溶解にて溶融混合し、母合金を作製する。
【0051】
次に、高周波溶融炉において、上記の母合金とAgの溶解を行う。このときのAgの量は、全体溶解量から母合金中のAgの量を差し引いた量とする。
母合金とAgを入れた坩堝を高周波溶融炉に入れ、真空引きを行う。酸素を巻き込まない程度に真空に引いた後、溶融炉をAr雰囲気(100〜600Torr)にしてから溶融を開始する。
この際の溶融温度は、例えば、1050〜1400℃とし、坩堝は、例えば、0.1〜0.2リットルの並型黒鉛坩堝を用いる。
【0052】
次に、例えばアルミナ、あるいはマグネシウム系タルクを内面に塗布してあるFeの鋳型に溶融物を注湯する。
Feの鋳型は、引け巣を防止するため、予め電気炉等で300〜500℃程度に熱しておく。
【0053】
鋳型内の溶融物を、冷却、凝固し、インゴットを鋳型から取り出して、常温まで冷却する。
次に、インゴットの最上部の押湯部を切断除去し、インゴットを圧延機により圧延し、90mm×90mm×8.1mmの板状の合金を作製する。
【0054】
その後、例えば電気炉で400〜500℃によりArガスを封入した状態で、1〜1.5時間程度、熱処理し、その後さらにプレス機によりそり修正を行う。
【0055】
その後、製品形状にワイヤーカットし、耐水研磨紙を用いて製品全面を研磨し、表面粗度を調整し、最終的に本発明のAg合金のスパッタリングターゲット材を作製することができる。
【0056】
上述のように、本発明のAg合金のスパッタリングターゲット材を作製する場合において、Agに対してAu及びその他の元素Xを添加して溶融する場合においても、従来行われている容易な方法を適用することができ、価格的にも製法的にもメリットが大きい。
【0057】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。
【0058】
【発明の効果】
本発明のスパッタリングターゲット材は、Agと比較して、酸素や硫黄、塩素等に対して、高い耐久性を確保することができる。従って、このスパッタリングターゲット材を用いて薄膜の形成を行うことにより、長期にわたり、再生信号の劣化を回避することのできる高品質な光学記録媒体を得ることができた。
【0059】
また、本発明のスパッタリングターゲット材を用いて形成した薄膜及びこれを有する光学記録媒体は、高反射率を確保することが可能であり、良好な再生信号を得ることができ、高品質な光学記録媒体を得ることができた。
【0060】
本発明のスパッタリングターゲット材は、これを用いてスパッタリング法により薄膜形成を行う場合においては、Ag単独でスパッタリング法により薄膜形成を行った場合と比較し、スパッタリングレートがさほど低下せず、また、代替材料としてのAu、Alと比較するとスパッタリングレートにおいて、より優れていることがわかった。
【0061】
本発明のスパッタリングターゲット材は、従来用いられている簡易な溶融法により、製品の作製を行うことができ、また、スパッタリング法を適用して容易に光学記録媒体用の薄膜形成を行うことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるスパッタリングターゲット材を用いて形成した薄膜を有する光学記録媒体の一例であって2層構造の光学記録媒体を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…第1の基板
2…第2の基板
10…光学記録媒体
11…第1の情報記録層
12…第2の情報記録層
15…半透明膜
16…銀合金反射膜
20…光硬化性樹脂
21…第1の微細凹凸
22…第2の微細凹凸
30…保護膜
Claims (3)
- Auを0.1mass%以上5.0mass%以下含有し、Al、Ti、Ni、V、Ta、W、Mo、Cr、Mgからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の元素を0.1mass%以上5.0mass%以下含有し、残部がAg及び不可避的不純物からなる金属材料からなることを特徴とする薄膜形成用スパッタリングターゲット材。
- Auを0.1mass%以上5.0mass%以下含有し、Al、Ti、Ni、V、Ta、W、Mo、Cr、Mgからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の元素を0.1mass%以上5.0mass%以下含有し、残部がAg及び不可避的不純物からなる金属材料を用いて形成されて成ることを特徴とする薄膜。
- Auを0.1mass%以上5.0mass%以下含有し、Al、Ti、Ni、V、Ta、W、Mo、Cr、Mgからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の元素を0.1mass%以上5.0mass%以下含有し、残部がAg及び不可避的不純物からなる金属材料を用いて形成された薄膜を有することを特徴とする光学記録媒体。
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