JP3971560B2 - 光記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報記録媒体に関するものであって、特に光ビームを照射することにより、記録材料の透過率、反射率等の光学的な変化を生じさせ、情報の記録、再生を行ない、かつ追記が可能な情報記録媒体に関するものであり、データ用追記光ディスクに用いられ、DVD+Rに応用される。
【0002】
【従来の技術】
従来、データ用追記型ディスクとして、シアニン色素を記録材料として用いたもの(特開昭57−82093号公報、特開昭58−56892号公報、特開昭58−112790号公報、特開昭58−114989号公報、特開昭59−85791号公報、特開昭60−83236号公報、特開昭60−89842号公報、特開昭61−25886号公報等参照)、フタロシアニン色素を記録材料として用いたもの(特開昭61−150243号公報、特開昭61−177287号公報、特開昭61−154888号公報、特開昭61−246091号公報、特開昭62−39286号公報、特開昭63−37791号公報、特開昭63−39888号公報等参照)が提案されている。
【0003】
また、追記型コンパクトディスクとして、シアニン色素/金属反射層を記録材料として用いたもの(特開平1−159842号公報、特開平2−42652号公報、特開平2−13656号公報、特開平2−168446号公報等参照)、フタロシアニン(アザアヌレン)色素を記録材料として用いたもの(特開平1−176585号公報、特開平3−215466号公報、特開平4−113886号公報、特開平4−226390号公報、特開平5−1272号公報、特開平5−171052号公報、特開平5−116456号公報、特開平7−268227号公報、特開平7−314897号公報等参照)、アゾ金属キレート色素を記録材料として用いたもの(特開平4−46186号公報、特開平4−141489号公報、特開平4−361088号公報、特開平5−279580号公報、特開平7−51673号公報、特開平7−161069号公報、特開平7−372272号公報、特開平7−71867号公報、特開平8−231866号公報、特開平8−295811号公報等参照)が提案されている。
【0004】
さらにまた、DVD−Rに係わるものとしては、シアニン色素/金属反射層を記録材料として用いたもの(Pioneer R&D Vol.6 No.2:DVD−Recordableの開発、DVD−R色素ディスクの基礎研究)、ISOM/ODS(‘96:High Density of recording on Dye material Disc approach for4.7GB)、ポリメチン色素を記録材料として用いたもの(特開平10−83577号公報、特開平10−119434号公報、特開平10−149583号公報、特開平10−188339号公報、特開平10−278426号公報等参照)、ポリメチン色素+光安定化材を記録材料として用いたもの(特開平10−109475号公報、特開平10−109476号公報、特開平10−134413号公報、特開平10−166739号公報等参照)、アゾ金属キレート色素/金属反射層を記録材料として用いたもの(特公平5−67438号公報、特開平7−161069号公報、特開平8−156408号公報、特開平8−231866号公報、特開平8−332772号公報、特開平9−58123号公報、特開平9−175031号公報、特開平9−193545号公報、特開平9−274732号公報、特開平9−277703号公報、特開平10−6644号公報、特開平10−6650号公報、特開平10−6651号公報、特開平10−36693号公報、特開平10−44606号公報、特開平10−58828号公報、特開平10−86519号公報、特開平10−149584号公報、特開平10−157293号公報、特開平10−157300号公報、特開平10−157301号公報、特開平10−157302号公報、特開平10−181199号公報、特開平10−181201号公報、特開平10−181203号公報、特開平10−181206号公報、特開平10−188340号公報、特開平10−188341号公報、特開平10−188358号公報、特開平10−208303号公報、特開平10−214423号公報、特開平10−228671号公報、特開平10−36693号公報、特開平11−12483号公報等参照)、テトラアザポルフィリン(ポルフィラジン)色素/金属反射層を記録材料として用いたもの(特開平9−267562号公報、特開平9−309268号公報、特開平10−856号公報等参照)、その他の色素/金属反射層を記録材料として用いたもの(特開平10−86517号公報、特開平10−93788号公報、特開平10−226172号公報、特開平10−244752号公報、特開平10−287819号公報、特開平10−297103号公報、特開平10−309871号公報、特開平10−309872号公報等参照)、シアニン色素+アゾ金属キレート色素/金属反射層を記録材料として用いたもの(特公平7−51682号公報、特開平11−34499号公報等参照)、ホルマザン(金属キレート)色素+その他の色素を記録材料として用いたもの(特許第2791944号公報、特開平8−295079号公報、特開平9−095520号公報、特開平9−193546号公報、特開平10−337958号公報等参照)、ジピロメテン(金属キレート)色素+その他の色素を記録材料として用いたもの(特開平10−162430号公報、特開平10−166732号公報、特開平10−226172号公報、特開平11−042858号公報、特開平11−042858号公報、特開平11−092682号公報、特開平11−165465号公報、特開平11−208111号公報、特開平11−227332号公報、特開平11−227333号公報、特開平11−255774号公報、特開平11−256057号公報等参照)が提案されている。
【0005】
現在、次世代大容量光ディスクとして、DVD−Rの開発が進められている。記録容量の向上の要素技術は、記録ピット微少化のための記録材料開発、MPEG2に代表される画像圧縮技術の採用、記録ピット読みとりのための半導体レーザの短波長化等の技術開発が必要である。
これまで赤色波長域の半導体レーザとしては、バーコードリーダ、計測器用に670nm体のAlGaInPレーザダイオードが商品化されているのみであったが、光ディスクの高密度化に伴い、赤色レーザが本格的に光ストレージ市場で使用されつつある。DVDドライブの場合、光源として635nm帯と650nm帯のレーザダイオードの2つの波長で規格化されている。一方、再生専用のDVD−ROMドライブは波長650nmまでで商品化されている。このような状況下で最も好ましいDVD−Rメディアは、波長630〜680nmで記録、再生が可能なメディアである。
【0006】
また、DVD−Rメディアのフォーマットはランドプリピットと呼ばれるランド部の一部をカットしたフォーマットで規格化されている。この方式をとると、ランドプリピット信号(Lppb)が0.16以下ではプリピットアドレス等のプリピット情報が良好に再生できず、0.32以上であると今度はLpp信号自体がデータ領域においてノイズ的な振る舞いをし、データエラーが多く発生してしまう。従って、Lppはその記録材にあったカット幅をスタンパで微調整して(Lppb=)0.16〜0.32の範囲になるようにランドカット幅を制御しなければならない。
さらにまた、ウォブル溝の高さについて、特開平11−134718号公報には、垂直磁化膜の記録層を有するミニディスクに関するものであるが、全面で均一であってADIP(径方向に分割された検出器での差動信号により案内溝のアドレス情報を検出)エラーレートの小さい光ディスクを作製することのできる光ディスク基板とするため、アドレス情報を有する蛇行したウォブル溝からなるスパイラル状の凸部を備えた光ディスク基板用スタンパを作製する際に、最内周部での凸部の高さを65nm程度であり外周側にいくにしたがって70nmに漸近する程度に、内周側の凸部の高さを外周側の凸部の高さよりも小さくすることが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来システムに比べて、短波長に発振波長を有する半導体レーザーを用いる追記型DVDシステムの新フォーマット方式であり、Lpp方式同様のデータの書き足し部における未記録領域をなくす有効な方式を提供するものである。かつ、その全面均一性をさらに向上させることを目的としている。また、DVD−Rランドプリピット方式に比較して、スタンパ作製時に於ける微細なカット幅制御やLpp信号のデータ部への漏れだしによるデータエラーが生じない優れた方式を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明の(1)「案内溝を有する基板上に記録層を設けてなり、必要に応じて反射層を設けてなる追記型DVDの光記録媒体であって、前記記録層として記録再生波長±5nmの波長域の光に対する記録層単層の屈折率nが1.5≦n≦3.0であり、消衰係数kが0.02≦k≦0.2である有機色素膜を有し、前記案内溝が基本クロック長Tを0.133μmとした4T〜96Tの周期を有すると共に変調によりアドレスを付与するウオブルを有し、該案内溝深さが1000Å〜2500Åであり、該案内溝幅の半値幅で0.18〜0.40μmであり、トラックピッチが0.64μm〜0.8μmであり、前記ウオブル、最内周案内溝のウオブルの振れ量よりも最外周案内溝のウオブルの振れ量が大きいことを特徴とする光記録媒体」、(2)「ウオブルの小さい内周部振り量Wi(Å)とウオブルの大きい外周部振り量Wo(Å)としたとき、Wo/Wi=1.05〜1.40であるスタンパを用い、成形した基板を用いることを特徴とする前記第(1)項に記載の光記録媒体」、(3)「前記案内溝の深さ=d1(Å)と前記ウオブルのウオブル周期=m(T)としたとき、4000≦d1×m≦240000の関係が成り立つことを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の光記録媒体」、(4)「記録層の有機色素が、金属キレート色素、メチン色素、ポリメチン色素、スクアリリウム色素、アザアヌレン系色素のいずれか少なくとも1種を含有してなることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れか1に記載の光記録媒体」、(5)「記録層の金属キレート色素が、アゾ金属キレート色素、ホルマザン金属キレート色素、ジピロメテン金属キレート色素のいずれかであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項の何れか1に記載の光記録媒体」、(6)「記録層の金属キレート色素の金属が、ニッケル、銅、コバルト、マンガン、酸化バナジウムであることを特徴とする前記第(4)項または第(5)項に記載の光記録媒体」、(7)「記録層の(ポリ)メチン色素がトリメチンシアニン色素であり、アザアヌレン系色素がテトラアザポルフィリン色素であることを特徴とする前記第(4)項に記載の光記録媒体」、(8)「反射層が必要な場合の反射層が、金、銀、アルミニウムもしくはこれらを主成分とした他の金属との合金であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項の何れか1に記載の光記録媒体」、(9)記録波長が720〜600nmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項の何れか1に記載の光記録媒体」、(10)「前記第(1)項に記載の光記録媒体の製造方法であって、少なくとも最内周のウオブリング量よりも最外周のウオブリング量が大きいスタンパを用いて基板上に案内溝を形成することを特徴とする光記録媒体の製造方法」によって達成される。
【0009】
従って、その効果を述べると、(1)は本発明の基本構成及び全面均一な媒体を構成するための基板を生産性よく得られる基本構成、最適溝形状の最適範囲の限定及び最適記録材料の物性値であり、(2)は(1)において内外周差最適なウオブル振り量の範囲限定であり、()は(1)〜()での基板溝深さとウオブル周波数の最適関係式であり、()は本発明における使用可能な有機材料の構成であり、()はキレート色素の材料限定であり、()は使用キレート金属の限定であり(材料最適化)、()は非キレート色素系の構造の限定であり、()は反射層を用いる場合の生産性の良好な最適材料の限定であり、()は本発明における記録波長の限定であり、(10)は(1)の記録媒体の製造方法である。
【0010】
本発明は基板上に記録層を設け、必要に応じ反射層を設けてなる光記録媒体であって、案内溝が形成され、かつウオブリングしており、そのウオブリング量が外周にいくに従い、大きくなるスタンパを用いて成形した基板を用いることで本発明は達成される。本発明の光記録媒体は、4T〜96Tの高周波なウオブルを有し、記録層として記録再生波長±5nmの波長域の光に対する記録層単層の屈折率nが1.5≦n≦3.0であり、消衰係数kが0.02≦k≦0.2である有機色素膜を有することを特徴とする構成でなるものである。
なお、ここで定義するTとは、基本クロック周期で記録したときの記録ピット長(単位はμm)であり、DVD(4.7GB)メディアであれば、約0.133μmである。
【0011】
通常の光記録媒体の基板は、スタンパを成形法により転写し、基板を得ている。成形工程は基板材料となる樹脂を溶融し内周から外周に充填する。従って、スタンパの溝深さが深かったり、溝幅が広かったりすると成形工程に負荷がかかる。とりわけ、外周部において転写性が確保できないことが問題となっている。そこで本発明は、外周部に大きな振り量を有するウオブルを形成した光記録媒体用のスタンパをあらかじめ作成しておき、成形工程に負荷をかけずに外周部までにウオブル信号信頼性を確保することを目的として検討し、目的を達成した。
【0012】
外周部の最大ウオブルの振り量をWoとし、内周部の最小ウオブル振り量をWiとしたときに、Wo/Wi=1.02〜1.40が本発明の最適範囲であり、1.05より小さい場合、本発明の外周部でのウオブル再生信頼性を確保するには、成形工程で全面均一な転写性を要求される。ただし、Wo/Wiが0.85以下では、いくら成形工程を最適化しても均一性を達成できないことは言うまでもない。一方、Wo/Wiが1.40を越えてしまうと振り量が大きすぎ、記録特性が悪化する。例えばウオブリング量が大きすぎる場合、そのトラックセンターで記録できればさほど問題は生じないが、トラックオフセット量が生じた場合のジッタの悪化傾向が振り量の少ないものに比べて著しく大きい。言い換えるとトラックオフセットマージンが減少する。そのため、書き込み装置(ドライブ)と組み合わせた場合のマージンが損なわれるため1.40より大きくはできない。
【0013】
ウオブルを内周から外周にむけて大きくする方法であるが、内周から外周に連続的に大きくする方法でもよいし、特定の半径位置を少なくとも一ヶ所設け、その半径位置を境に大きくする方法でもよい。特定半径位置の好ましい位置としては中周以降が良い。
【0014】
成形工程は溝が浅ければ比較的容易に転写性を確保できるが、溝深さが深くなると外周の転写性の確保が困難になってくる。そこで、本発明の適用溝深さは1000Å〜2500Åである。もちろん1000Å以下の深さでも本発明は適用可能であるが、全面均一性をスタンパ作成工程か、成形工程のどちらで吸収するかで決まり、1000Å以下の深さ範囲であれば成形工程で生産性良く、外周部まで転写性が確保できる。また、溝深さが2500Åを越えてしまうと現状の成形法であると外周部での転写性が確保できない。また、本発明の溝深さ範囲での最適溝幅は半値幅で0.18μm〜0.40μmである。溝半値幅が0.18μm以下ではトラッキング信頼性が落ちたり、ウオブリングの影響を受けやすく、ジッタ特性をはじめとする記録特性の悪化が生じる。一方、溝半値幅が0.40μmを越えると、記録ピットが溝方向へ広がりやすく、やはりジッタを始めとする記録特性が悪化することに加え、本発明の最も大きな目的である成形工程に負荷をかけず光記録媒体を得るという目的に逆行する結果となる。
【0015】
通常、ウオブルの周期帯は150T〜400T相当が用いられている。この周期帯であると、周期変調にしろ、位相変調にしろデータの書き足しをする場合、ウオブルの周期すぎて、前データと書き足しデータとの間がかなり空いてしまい、高密度記録には向かない。一方、DVD−RではこれをLppとして設けこのLpp信号で、データの書き込む位置を制御している。しかしながら、Lpp方式ではLppの振幅が小さすぎてはLppが良好に読み出せず、逆にLppが大きすぎると今度はLpp信号自体が書き込みデータへ漏れ込んでデータエラーが多発するという不具合が生じるため、Lppは0.16≦Lppb≦0.32の範囲、好ましくは0.18≦Lppb≦0.26という制約が生じ、スタンパ作成の際、ランドのカット幅を微細に制御しなくてはならない。
一方、高周波(短周期)ウオブルにすれば、Lppは必要なく、ウオブルを変調して同期をとるため、Lpp方式のようにデータエラーが多発するような事態には至らない。
【0016】
本発明に於けるウオブルの振れ量であるが、200Å〜2000Åの範囲で振れていればよく、この範囲はウオブルの周期の兼ね合いであり周期としてどこの山と山(谷と谷)を測定するかで大きな幅をもつ。本発明を達成するには200Åを切ると信号強度が弱くアドレス信号が再生不能となり、大きく振りすぎると記録特性が悪化傾向と、トラックオフセットに関するマージンが減少する。信号振幅であるが、適当なフィルターを通した後のウオブル振幅(Wob)に対する、これも適当なフィルターを通したプシュプル信号(PP)割合Wob/PP=NWOが0.1≦NWO≦0.4の範囲にあれば、本発明の目的であるウオブルでの同期合わせは可能であり、更に好ましいNWOの値は0.15≦NWO≦0.30の範囲である。NWOの値が0.1以下であると同期をとるには不十分な信号強度であり、0.4を越えてしまうとデータ部エラーが増えてくる傾向にある。但し、Lpp方式に比べ、Lppが大きなメディアのデータエラーに比較してデータエラーの発生の影響度は小さく、ウオブル振幅の増加に伴うデータエラーは緩やかである。更にスタンパを作成する際、Lpp方式のLppカット幅はLppb=0.16〜0.32内の範囲にするには高度なカット幅制御技術を必要とするが、本発明の高周波(短周期)ウオブル方式においては、高周波発生源とウオブルの振り量の大きさ(ウオブル振り量を制御する回路で振り量は任意に再現性よく作成できる)だけを管理しさえすれば目的は達成されるため、スタンパの歩留まりや、メディアの歩留まりが飛躍的に向上できる。
【0017】
また、上記のフォーマットを有した基板の溝形状であるが、主に有機色素を溶剤塗工法にて記録層を形成するわけであるが、その場合の最適溝深さは300Å〜2500Åであり、さらに好ましくは1500Å〜2000Åである。特に溶剤塗工法では(但し、色素蒸着では300Åでも信号はとれる)溝深さが1000Å以下であるとプシュプル信号が充分にとれず、トラッキング制御ができず、2500Å以上であると基板成形の際、転写性があまくなり、好ましくない。この範囲の基板を用い、色素を設けると、ランドとグルーブの段差は600〜1600Åとなり、蒸着色素では300Å以上が最適段差となる。また、記録密度を4GB〜5GBの容量を確保するためには、トラックピッチは0.64μm〜0.8μm程度が必要である。溝幅に関しては、記録材料によって異なるが、ほぼ全ての有機材料において、半値幅0.15〜0.50μm、さらに好ましくは0.18〜0.40μmの幅で適用できる。
【0018】
このように構成した場合、ウオブル周期をm(T)、基板溝深さをd1(Å)、色素層を設けた時のランドとグルーブの溝深さ(高低差)をd2(Å)、基板のトラックピッチをTr(μm)、基板の溝半値幅をW1(μm)、ウオブルの振れ幅をW2(Å)とすると、上記の高周波(短周期)ウオブルフォマットでの最適な周期と溝形状の関係式は下記のようになる。
【0019】
【数1】
4000≦d1×m≦240000
【0020】
【数2】
1200≦d2×m≦160000
【0021】
【数3】
0.7≦W1×m≦40
【0022】
【数4】
2≦W2/m≦500
【0023】
【数1】
Figure 0003971560
という関係式が成り立つ。
従って、本発明は高周波(短周期)ウオブルを用い、さらに記録層に有機色素を用いた場合の最適なフォーマットと最適な溝形状範囲の関係式を定量化したものである。
【0024】
次に、記録媒体の構成について、記録層を構成するのに必要な項目として、光学特性が上げられる。
光学特性に必要な条件は、記録再生波長である630nm〜690nmに対して短波長側に大きな吸収帯を有し、かつ記録再生波長が該吸収帯の長波長端近傍にあることが必要である。これは、記録再生波長である630nm〜690nmで大きな屈折率と消衰係数を有することを意味するものである。
具体的には、記録再生波長近傍の長波長近傍の波長域光に対する記録層単層の屈折率nが1.5以上3.0以下であり、消衰係数kが0.02以上0.2以下の範囲にあることが好ましい。nが1.5未満の場合には、十分な光学的変化が得られにくいため、記録変調度が低くなるため好ましくなく、nが3.0を越える場合には、波長依存性が高くなり過ぎるため、記録再生波長領域であってもエラーとなってしまうため好ましくない。また、kが0.02未満の場合には、記録感度が悪くなるため好ましくなく、kが0.2を越える場合には、50%以上の反射率を得ることが困難となるので好ましくない。
基板形状に必要な条件は、基板上のトラックピッチが0.64μm〜0.8μmであり、溝幅が半値幅で、0.18μm〜0.40μmである。
【0025】
次に、本発明に使用可能な色素材料の具体例であるが、アゾ(金属キレート)色素、ホルマザン(金属キレート)色素、ジピロメテン(金属キレート)色素、メチン色素、ポリメチン色素、スクアリリウム色素、アザアヌレン色素等が適用可能で、具体的には金属キレート色素、トリメチンシアニン色素、スクアリリウム色素、テトラアザポルフィリン色素が特に好ましい。
ここで、アゾ(金属キレート)色素であるが、アゾ結合をはさみ両側のアゾ化合物形成ユニットが置換、未置換の芳香環、ピリジン残基、ピリミジン残基、ピラジン残基、ピペラジン残基、ピリダジン残基、トリアジン残基、イミダゾール残基、チアゾール残基、トリアゾール残基、ピラゾール残基、イソチアゾール残基、ベンズチアゾール残基等の組み合わせでアゾ化合物が形成され、それらのアゾ化合物の金属キレート化合物が特に好ましい。
また、ホルマザン(金属キレート)色素であるが、ホルマザンの一般式は下記に示される。
【0026】
【化1】
Figure 0003971560
【0027】
式中、Zはそれが結合している炭素原子および窒素原子と一緒になって多複素環を形成する残基であり、具体的にはピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環である。また、この複素環にはアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換アミノ基、アリル基、アリルオキシ基、アニリノ基、ケト基等の置換基を有していてもよい。
Aはアルキル基、アラルキル基、アリル基、シクロヘキシル基を表わし、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ケト基、カルボキシル基またはそのエステル、ニトリル基、ニトロ基等の置換基を有していても良い。
Bはアリル基を表わし、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、カルボキシル基、又はそのエステル、ニトリル基、ニトロ基等の置換基を有していても良い。金属キレート化物の場合、金属は2価の金属原子である。
次に、ジピロメテン(金属キレート)色素であるが、ジピロメテン化合物の一般式は下記に示される。
【0028】
【化2】
Figure 0003971560
【0029】
式中、R1〜R9は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換未置換のアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロアリール基を表わし、金属キレート化物の場合、金属は2価の金属原子である。
アゾ化合物、ホルマザン化合物、ジピロメテン化合物とともにキレート化合物の場合の金属は遷移金属が挙げられ、例えばNi,Co,Cu,Mn,VO,Zn,Fe,Cr,Al等が挙げられ、製造上とディスク特性上、特にNi,Co,Cu,Mn,VOが好ましい。
【0030】
ポリメチン色素としては、530nm〜600nmに吸収帯を有する色素なら本発明に適用可能であるが、とくにトリメチンシアニン色素が好ましく、トリメチン鎖の両端が置換未置換のインドレニン、ベンズインドレニンが特に好ましく、カウンターアニオンとしては、ハロゲン、ClO4、BF4、PF6、SbF6等の他にニッケルジチオレート錯体に代表される各種金属キレートアニオンでも良い。
【0031】
スクアリリウム色素としては、スクアレン環の両端が置換未置換のインドレニン、ベンズインドレニン、ピラゾール、カルバゾール、キノキサリン、イソインドール、芳香環、置換アミノ基残基のうちの組み合わせで形成されたスクアリリウム色素が好ましく、本発明に使用できる。
【0032】
アザアヌレン系色素としては、各々特定の置換基を有したフタロシアニン、ナフタロシアニン、テトラピラジノポルフィラジン、テトラピリジノポルフィラジン、テトラアザポルフィリン等が挙げられるが、このうち特に好ましいのはテトラアザポルフィリンであり、ついでテトラピリジノポルフィラジン、テトラピラジノポルフィラジン、フタロシアニンの順で好ましい。
【0033】
上記にあげた色素の熱分解特性であるが、色素単独で用いる場合も混合して用いる場合も、その記録材料の分解開始温度が360℃以下であることが好ましい。特に100〜350℃が好ましい。分解温度が360℃以上であると記録時のピット形成がうまく行なわれず、ジッタ特性が悪い。また100℃以下であると今度はディスクの保存安定性が悪化する。
【0034】
(記録体の構成)
本発明の記録体は、通常の追記型光ディスクである図2の構造(図2を2枚貼合わせたいわゆるエアーサンドイッチ、又は密着貼合わせ構造としてもよい)と図3からなるCD−R用メディアの構造としてもよい。
【0035】
(各層の必要特性及び構成材料例)
本発明の記録媒体の構成としては、第1基板と第2基板とを記録層を介して接着剤で張り合わせた構造を基本構造とする。記録層は有機色素層単層でもよく、反射率を高めるため有機色素層と金属反射層との積層でも良い。記録層と基板間は下引き層あるいは保護層を介して層成してもよく、機能向上のためそれらを積層化した構成でも良い。最も通常に用いられるのは、第1基板/有機色素層/金属反射層/保護層/接着層/第2基板構造である。
【0036】
《基板》
用いる基板としては、基板側より記録再生を行なう場合のみ使用レーザーに対して透明でなければならず、記録層側から記録、再生を行なう場合、基板は透明である必要はない。基板材料としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドなどのプラスチック、又はガラス、セラミック、あるいは金属などを用いることができる。なお、基板の表面にトラッキング用の案内溝や、案内ピット、さらにアドレス信号などのプリフォーマットなどが形成されていても良い。
【0037】
《記録層》
記録層は、レーザー光の照射により何らかの光学的変化を生じさせ、その変化により情報を記録するものであって、この記録層中には本発明の色素が含有されていることが必要で、記録層の形成に当たって、本発明の色素1種、又は2種以上の組み合わせで用いても良い。さらに、本発明の上記色素は光学特性、記録感度、信号特性などの向上の目的で他の有機色素及び金属、金属化合物と混合又は積層化して用いても良い。有機色素の例としては、ポリメチン色素、ナフタロシアニン系、フタロシアニン系、スクアリリウム系、クロコニウム系、ピリリウム系、ナフトキノン系、アントラキノン系(インダンスレン系)、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アズレン系、テトラヒドロコリン系、フェナンスレン系、トリフェノチアジン系染料、及び金属錯体化合物などが挙げられる。
金属、金属化合物の例としては、In,Te,Bi,Se,Sb,Ge,Sn,Al,Be,TeO2,SnO,As,Cdなどが挙げられ、それぞれを分散混合あるいは積層の形態で用いることができる。
さらに、上記染料中に高分子材料、例えばアイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の材料もしくはシランカップリング剤などを分散混合しても良いし、特性改良の目的で安定剤(例えば遷移金属錯体)、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤などを一緒に用いることができる。
【0038】
記録層の形成方法としては、蒸着、スパッタリング、CVDまたは溶剤塗布などの通常の手段によって行なうことができる。塗布法を用いる場合には、上記染料などを有機溶剤に溶解して、スプレー、ローラーコーティグ、ディピング、及びスピンコーティングなどの慣用のコーティング法によって行なうことができる。用いられる有機溶媒としては、一般にメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、四塩化炭素、トリクロロエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族類、メトキシエタノール、エトキシエタノールなどのセロソルブ類、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素類などが挙げられる。記録層の膜厚は100Å〜10μm、好ましくは200Å〜2000Åが適当である。
【0039】
《下引き層》
下引き層は▲1▼接着性の向上、▲2▼水又はガスなどのバリアー、▲3▼記録層の保存安定性の向上、▲4▼反射率の向上、▲5▼溶剤からの基板の保護、▲6▼案内溝、案内ピット、プレフォーマットの形成などを目的として使用される。▲1▼の目的に対しては高分子材料、例えばアイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の高分子化合物、及びシランカップリング剤などをを用いることができ、▲2▼及び▲3▼の目的に対しては上記高分子材料以外に無機化合物、例えばSiO、MgF、SiO2、TiO、ZnO、TiN、SiNなどがあり、さらに金属又は半金属、例えばZn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Alなどを用いることができる。又、▲4▼の目的に対しては金属、例えばAl、Au、Ag等や、金属光沢を有する有機薄膜、例えばメチン染料、キサンテン系染料などを挙げることができ、▲5▼、▲6▼の目的に対しては紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。下引き層の膜厚としては0.01〜30μm、好ましくは、0.05〜10μmが適当である。
【0040】
《金属反射層》
金属反射層は単体で高反射率の得られる腐食されにくい金属、半金属等が挙げられ、材料例としてはAu、Ag、Cr、Ni、Al、Fe、Snなどが挙げられるが、反射率、生産性の点からAu、Ag、Alが最も好ましく、これらの金属、半金属は単独で使用しても良く、2種の合金としても良い。膜形成法としては蒸着、スパッタリングなどが挙げられ、膜厚としては50〜5000Å、好ましくは100〜3000Åである。
【0041】
《保護層、基板面ハードコート層》
保護層及び基板面ハードコート層は▲1▼記録層(反射吸収層)を傷、ホコリ、汚れ等から保護する、▲2▼記録層(反射吸収層)の保存安定性の向上、▲3▼反射率の向上等を目的として使用される。これらの目的に対しては、前記下引き層に示した材料を用いることができる。また、無機材料として、SiO、SiO2なども用いることができ、有機材料としてポリメチルアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性、熱溶融性樹脂も用いることができる。上記材料のうち最も好ましい例としては、生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。保護層又は基板面ハードコート層の膜厚は0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当である。本発明において、前記下引き層、保護層、及び基板面ハードコート層には記録層の場合と同様に、安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させることができる。
【0042】
《保護基板》
保護基板はこの保護基板側からレーザー光を照射する場合、使用レーザー光に対し透明でなくてはならず、単なる保護板として用いる場合、透明性は問わない。使用可能な基板材料としては基板材料と全く同様であり、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドなどのプラスチック又は、ガラス、セラミック、あるいは金属などを用いることができる。
【0043】
《接着材、接着層》
2枚の記録媒体を接着できる材料なら何でもよく、生産性を考えると、紫外線硬化型もしくはホットメルト型接着剤が好ましい。
【0044】
【実施例】
《実施例1》
基板溝深さ(d1=)1750Å、溝半値幅(W1=)0.25μm、トラックピッチ(Tr=)0.74μm、ウオブル周期32T相当、ウオブル振れ幅(W2=)が最内周から最外周にかけて250Å(=W)から300Å(=Wo)と連続的に変化した案内溝を有する厚さ0.6mm、外径120mmの射出成形ポリカーボネート基板上に下記化合物例(I)を2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールに溶解した液をスピンナー塗布し、厚さ1200Åの有機色素層を形成し、次いでスパッタ法により金1400Åの反射層を設け、更にその上にアクリル系フォトポリマーにて7μmの保護層を設けた後、厚さ0.6mm、外径120mmの射出成形ポリカーボネート平板基板をアクリル系フォトポリマーにて接着し記録媒体とした。なお、色素を成膜したときのランドとグルーブの段差は(d2=)1000Åであった。
本発明の関係式は下記に示すとおりである。
【0045】
【数6】
Wo/Wi=300/250=1.20
【0046】
【数7】
d1×m=1750×32=56000
【0047】
【数8】
d2×m=1000×32=32000
【0048】
【数9】
W1×m=0.25×32=8
【0049】
【数10】
W2/m=250/32=7.8
【0050】
【数11】
W2/m=300/32=9.4
【0051】
【数12】
Tr×m=0.74×32=23.68
【0052】
【化3】
Figure 0003971560
【0053】
《実施例2》
基板溝深さ(d1=)1950Å、溝半値幅(W1=)0.28μm、トラックピッチ(Tr=)0.70μm、ウオブル周期64T相当、ウウオブル振れ幅(W2=)が最内周から最外周にかけて280Å(=Wi)から300Å(=Wo)と連続的に変化した案内溝を有する厚さ0.6mm、外径120mmの射出成形ポリカーボネート基板上に、下記化合物例(II)、(III)を重量比1:1にて2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールに溶解した液をスピンナー塗布し、厚さ1050Åの有機色素層を形成し、次いでスパッタ法により銀1000Åの反射層を設け、更にその上にアクリル系フォトポリマーにて10μmの保護層を設けた後、厚さ0.6mm、外径120mmの射出成形ポリカーボネート平板基板をアクリル系フォトポリマーにて接着し記録媒体とした。なお、色素を成膜したときのランドとグルーブの段差は(d1=)950Åであった。
本発明の関係式は下記に示すとおりである。
【0054】
【数13】
Wo/Wi=280/250=1.12
【0055】
【数14】
d1×m=1950×64=124800
【0056】
【数15】
d2×m=950×64=60800
【0057】
【数16】
W1×m=0.28×64=17.92
【0058】
【数17】
W2/m=280/64=4.4
【0059】
【数18】
W2/m=300/64=4.7
【0060】
【数19】
Tr×m=0.7×64=44.8
【0061】
【化4】
Figure 0003971560
【0062】
【化5】
Figure 0003971560
【0063】
《実施例3》
基板溝深さ(d1=)1550Å、溝半値幅(W1=)0.20μm、トラックピッチ(Tr=)0.74μm、ウオブル周期16T相当、ウオブル振れ幅(W2=)が最内周から最外周にかけて400Å(Wi)から520Å(=Wo)と連続的に変化した案内溝を有する厚さ0.6mm、外径120mmの射出成形ポリカーボネート基板上に下記化合物例(IV)をメチルシクロヘキサンに溶解した液をスピンナー塗布し、厚さ1100Åの有機色素層を形成し、次いでスパッタ法により金1000Åの反射層を設け、更にその上にアクリル系フォトポリマーにて10μmの保護層を設けた後、厚さ0.6mm、外径120mmの射出成形ポリカーボネート平板基板をアクリル系フォトポリマーにて接着し記録媒体とした。なお、色素を成膜したときのランドとグルーブの段差は(d2=)900Åであった。
本発明の関係式は下記に示すとおりである。
【0064】
【数20】
Wo/Wi=520/400=1.30
【0065】
【数21】
d1×m=1550×16=24800
【0066】
【数22】
d2×m=900×16=14000
【0067】
【数23】
W1×m=0.2×16=3.2
【0068】
【数24】
W2/m=400/16=25.0
【0069】
【数25】
W2/m=520/16=32.5
【0070】
【数26】
Tr×m=0.74×16=11.84
【0071】
【化6】
Figure 0003971560
【0072】
《比較例1》
実施例1において基板溝深さ、幅、トラックピッチは全く同様であり、ウオブル振れ量が全面にわたり20Å相当で、ウオブル周期が180T相当Lppカット幅が12水準振られた条件基板を用いたこと以外は、実施例1と全く同様に記録媒体を形成した。
【0073】
《比較例2》
実施例1においてウオブル振れ量が250Åで均一なスタンパから得た基板を用いたこと以外は、実施例1と全く同様に記録媒体を得た。
【0074】
《実施例4》
基板溝深さ(d1=)1800Å、溝半値幅(W1=)0.22μm、トラックピッチ(Tr=)0.72μm、ウオブル周期32T相当、ウオブル振れ幅(W2=)が最内周から最外周にかけて1000Å(=Wi)から1200Å(Wo=)と連続的に変化した案内溝を有する厚さ0.6mm、外径120mmの射出成形ポリカーボネート基板上に、下記化合物例(V)を2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールに溶解した液をスピンナー塗布し、厚さ1000Åの有機色素層を形成し、次いでスパッタ法により銀1000Åの反射層を設け、更にその上にアクリル系フォトポリマーにて10μmの保護層を設けた後、厚さ0.6mm、外径120mmの射出成形ポリカーボネート平板基板をアクリル系フォトポリマーにて接着し記録媒体とした。なお、色素を成膜したときのランドとグルーブの段差は(d2=)950Åであった。
本発明の関係式は下記に示すとおりである。
【0075】
【数27】
Wo/Wi=1200/1000=1.20
【0076】
【数28】
d1×m=1800×32=57600
【0077】
【数29】
d2×m=950×32=30400
【0078】
【数30】
W1×m=0.22×32=7.04
【0079】
【数31】
W2/m=1200/32=37.5
【0080】
【数32】
W2/m=1000/32=31.3
【0081】
【数33】
Tr×m=0.72×32=23.04
【0082】
【化7】
Figure 0003971560
【0083】
《実施例5》
基板溝深さ(d1=)1850Å、溝半値幅(W1=)0.32μm、トラックピッチ(Tr=)0.74μm、ウオブル周期16T相当、ウオブル振れ幅(W2)最内周から半径位置40mmまでは(Wi)200Åで半径位置40mmから最外周までは(Wo=)220Åの案内溝を有する厚さ0.6mm、外径120mmの射出成形ポリカーボネート基板上に、下記化合物例(VI)、(VII)を重量比60:40にて2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールに溶解した液をスピンナー塗布し、厚さ1050Åの有機色素層を形成し、次いでスパッタ法により銀1000Åの反射層を設け、更にその上にアクリル系フォトポリマーにて10μmの保護層を設けた後、厚さ0.6mm、外径120mmの射出成形ポリカーボネート平板基板をアクリル系フォトポリマーにて接着し記録媒体とした。なお、色素を成膜したときのランドとグルーブの段差は(d2=)890Åであった。
本発明の関係式は下記に示すとおりである。
【0084】
【数34】
Wo/Wi=220/200=1.10
【0085】
【数35】
d1×m=1850×16=29600
【0086】
【数36】
d2×m=890×16=14240
【0087】
【数37】
W1×m=0.32×16=5.12
【0088】
【数38】
W2/m=200/16=12.5
【0089】
【数39】
W2/m=220/16=13.8
【0090】
【数40】
Tr×m=0.74×16=11.84
【0091】
【化8】
Figure 0003971560
【0092】
【化9】
Figure 0003971560
【0093】
《実施例6》
基板溝深さ(d1=)1700Å、溝半値幅(W1=)0.17μm、トラックピッチ(Tr=)0.74μm、ウオブル周期96T相当、ウオブル振れ幅(W2=)が最内周から最外周にかけて500Å(=Wi)から700Å(=Wo)と連続的に変化した案内溝を有する厚さ0.6mm、外径120mmの射出成形ポリカーボネート基板上に、下記化合物例(IV)をメチルシクロヘキサンに溶解した液をスピンナー塗布し、厚さ1100Åの有機色素層を形成し、次いでスパッタ法により金1000Åの反射層を設け、更にその上にアクリル系フォトポリマーにて10μmの保護層を設けた後、厚さ0.6mmの射出成形ポリカーボネート平板基板をアクリル系フォトポリマーにて接着し記録媒体とした。なお、色素を成膜したときのランドとグルーブの段差は(d2=)890Åであった。
本発明の関係式は下記に示すとおりである。
【0094】
【数41】
Wo/Wi=700/500=1.40
【0095】
【数42】
d1×m=1700×96=163200
【0096】
【数43】
d2×m=890×96=85440
【0097】
【数44】
W1×m=0.17×96=16.32
【0098】
【数45】
W2/m=500/96=5.2
【0099】
【数46】
W2/m=700/96=7.3
【0100】
【数47】
Tr×m=0.74×96=71.04
【0101】
【化10】
Figure 0003971560
【0102】
《比較例3》
実施例5において基板溝深さ、幅、トラックピッチは全く同様であり、ウオブル振れ量が全面にわたり30Å相当でウオブル周期が190T相当Lppカット幅が12水準振られた条件基板を用いたこと以外は、実施例5と全く同様に記録媒体を形成した。
【0103】
<記録条件>
実施例1〜3及び比較例1で得た光記録体に発振波長635nm、ビーム径0.9μmの半導体レーザー光を用い、トラッキングしながらEFM信号(線速3.5m/sec.)をBottom Jitterが極小となるようなストラテジーと記録パワーで記録し、これらの記録位置を発振波長649nmの連続光0.3mWでBottom Jitterが8.0%となるようにイコライザーゲインを調整して再生し、そのときのPI Errorを測定した。
また、比較例1でのディスクに関しては、Lppb値がそれぞれ0.12、0.20、0.36近傍となるBandを選択し、記録ピックアップにてそのときのLppブロックエラーレートも測定した。
また、実施例4〜6及び比較例3で得た光記録体に発振波長657nm、ビーム径0.85μmの半導体レーザー光を用い、トラッキングしながらEFM信号(線速3.5m/sec.)をBottom Jitterが極小となるようなストラテジーと記録パワーで記録し、これらの記録位置を発振波長649nmの連続光0.3mWでBottom Jitterが8.0%となるようにイコライザーゲインを調整して再生し、そのときのPI Errorを測定した。
また、比較例1でのディスクに関しては、Lppb値がそれぞれ0.12、0.22、0.36近傍となるBandを選択し、記録ピックアップにてそのときのLppブロックエラーレートも測定した。
【0104】
実施例1〜3で得たメディアと比較例2で得たメディアの最内周と最外周さらに半径位置30mm、40mm、50mmで発振波長635nm、ビーム径0.90μmの半導体レーザー光を用い、ウオブルC/Nをトラッキングしながら測定した。
<評価結果>
【0105】
【表1】
Figure 0003971560
上記表より明らかなように、本発明光記録媒体では安定して低エラーな光記録媒体が得られる。
【0106】
<本発明の関係式規定値>
【表2】
Figure 0003971560
<ウオブルC/N評価結果>
【0107】
【表3】
Figure 0003971560
上記表より明らかなようにウオブルの振り量を外周にいくに従い大きくするとウオブルC/Nの均一性は増す。
但し、本試験は成形タクトを10秒以下で実施したものであり、タクトを充分に長くとってやれば比較例2の同様の条件で作成したメディアでも全面均一性は保つことができる。
【0108】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明によれば、生産性良好なDVDメディアが得られ、さらにDVD−Rで用いているランドプリピットフォーマットよりも簡単に製造可能な高周波(短周期)ウオブルフォッマットでデータ部の書き足しを効率良く実施でき、しかも現在、大量に製造されているCD−R、DC−RWとほぼ同一フォーマットでの記録媒体の提供が可能になるという極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における通常の追記型光記録媒体を示した図である。
【図2】本発明におけるCD−R用の媒体構成を示した図である。
【図3】本発明におけるDVD−R用の媒体構成を示した図である。
【符号の説明】
1 基板
2 記録層
3 下引き層
4 保護層
5 ハードコート層
6 金属反射層
7 保護基板

Claims (10)

  1. 案内溝を有する基板上に記録層を設けてなり、必要に応じて反射層を設けてなる追記型DVDの光記録媒体であって、前記記録層として記録再生波長±5nmの波長域の光に対する記録層単層の屈折率nが1.5≦n≦3.0であり、消衰係数kが0.02≦k≦0.2である有機色素膜を有し、前記案内溝が基本クロック長Tを0.133μmとした4T〜96Tの周期を有すると共に変調によりアドレスを付与するウオブルを有し、該案内溝深さが1000Å〜2500Åであり、該案内溝幅の半値幅で0.18〜0.40μmであり、トラックピッチが0.64μm〜0.8μmであり、前記ウオブル、最内周案内溝のウオブルの振れ量よりも最外周案内溝のウオブルの振れ量が大きいことを特徴とする光記録媒体。
  2. ウオブルの小さい内周部振り量Wi(Å)とウオブルの大きい外周部振り量Wo(Å)としたとき、Wo/Wi=1.05〜1.40であるスタンパを用い、成形した基板を用いることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 前記案内溝の深さ=d1(Å)と前記ウオブルのウオブル周期=m(T)としたとき、4000≦d1×m≦240000の関係が成り立つことを特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒体。
  4. 記録層の有機色素が、金属キレート色素、メチン色素、ポリメチン色素、スクアリリウム色素、アザアヌレン系色素のいずれか少なくとも1種を含有してなることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1に記載の光記録媒体。
  5. 記録層の金属キレート色素が、アゾ金属キレート色素、ホルマザン金属キレート色素、ジピロメテン金属キレート色素のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1に記載の光記録媒体。
  6. 記録層の金属キレート色素の金属が、ニッケル、銅、コバルト、マンガン、酸化バナジウムであることを特徴とする請求項4または5に記載の光記録媒体。
  7. 記録層の(ポリ)メチン色素がトリメチンシアニン色素であり、アザアヌレン系色素がテトラアザポルフィリン色素であることを特徴とする請求項4に記載の光記録媒体。
  8. 反射層が必要な場合の反射層が、金、銀、アルミニウムもしくはこれらを主成分とした他の金属との合金であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1に記載の光記録媒体。
  9. 記録波長が720〜600nmであることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1に記載の光記録媒体。
  10. 請求項1に記載の光記録媒体の製造方法であって、少なくとも最内周のウオブリング量よりも最外周のウオブリング量が大きいスタンパを用いて基板上に案内溝を形成することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
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