JP4089868B2 - 光記録媒体および光記録方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は情報記録媒体に関するものであって、特に光ビームを照射することにより、記録材料の透過率、反射率等の光学的な変化を生じさせ、情報の記録、再生を行ない、かつ追記が可能な情報記録媒体に関するものであり、データ用追記光ディスク、追記型コンパクトディスクに用いられ、CD−I、CD−V、DVD−Rに応用される。
【0002】
【従来の技術】
従来、データ用追記型ディスクとしては、シアニン色素を記録材料として用いたもの(特開昭57−82093号公報、特開昭58−56892号公報、特開昭58−112790号公報、特開昭58−114989号公報、特開昭59−85791号公報、特開昭60−83236号公報、特開昭60−89842号公報、特開昭61−25886号公報等参照)、フタロシアニン色素を記録材料として用いたもの(特開昭61−150243号公報、特開昭61−177287号公報、特開昭61−154888号公報、特開昭61−246091号公報、特開昭62−39286号公報、特開昭63−37791号公報、特開昭63−39888号公報等参照)が提案されている。
【0003】
また、追記型コンパクトディスクとしては、シアニン色素/金属反射層を記録材料として用いたもの(特開平1−159842号公報、特開平2−42652号公報、特開平2−13656号公報、特開平2−168446号公報等参照)、フタロシアニン(アザアヌレン)色素を記録材料として用いたもの(特開平1−176585号公報、特開平3−215466号公報、特開平4−113886号公報、特開平4−226390号公報、特開平5−1272号公報、特開平5−171052号公報、特開平5−116456号公報、特開平7−268227号公報、特開平7−314897号公報等参照)、アゾ金属キレート色素を記録材料として用いたもの(特開平4−46186号公報、特開平4−141489号公報、特開平4−361088号公報、特開平5−279580号公報、特開平7−51673号公報、特開平7−161069号公報、特開平7−372272号公報、特開平7−71867号公報、特開平8−231866号公報、特開平8−295811号公報等参照)が提案されている。
【0004】
さらに、DVD−Rに係わるものとしては、シアニン色素/金属反射層を記録材料として用いたもの(Pioneer R&D Vol.6 No.2:DVD−Recordableの開発、DVD−R色素ディスクの基礎研究)、ISOM/ODS(‘96:High Density of recordingon Dye material Disc approach for 4.7GB)、ポリメチン色素を記録材料として用いたもの(特開平10−83577号公報、特開平10−119434号公報、特開平10−149583号公報、特開平10−188339号公報、特開平10−278426号公報等参照)、ポリメチン色素+光安定化材を記録材料として用いたもの(特開平10−109475号公報、特開平10−109476号公報、特開平10−134413号公報、特開平10−166739号公報等参照)、アゾ金属キレート色素/金属反射層を記録材料として用いたもの(特公平5−67438号公報、特開平7−161069号公報、特開平8−156408号公報、特開平8−231866号公報、特開平8−332772号公報、特開平9−58123号公報、特開平9−175031号公報、特開平9−193545号公報、特開平9−274732号公報、特開平9−277703号公報、特開平10−6644号公報、特開平10−6650号公報、特開平10−6651号公報、特開平10−36693号公報、特開平10−44606号公報、特開平10−58828号公報、特開平10−86519号公報、特開平10−149584号公報、特開平10−157293号公報、特開平10−157300号公報、特開平10−157301号公報、特開平10−157302号公報、特開平10−181199号公報、特開平10−181201号公報、特開平10−181203号公報、特開平10−181206号公報、特開平10−188340号公報、特開平10−188341号公報、特開平10−188358号公報、特開平10−208303号公報、特開平10−214423号公報、特開平10−228671号公報、特開平10−36693号公報、特開平11−12483号公報等参照)、テトラアザポルフィリン(ポルフィラジン)色素/金属反射層を記録材料として用いたもの(特開平9−267562号公報、特開平9−309268号公報、特開平10−856号公報等参照)、その他の色素/金属反射層を記録材料として用いたもの(特開平10−86517号公報、特開平10−93788号公報、特開平10−226172号公報、特開平10−244752号公報、特開平10−287819号公報、特開平10−297103号公報、特開平10−309871号公報、特開平10−309872号公報等参照)、シアニン色素+アゾ金属キレート色素/金属反射層を記録材料として用いたもの(特公平7−51682号公報、特開平11−34499号公報等参照)、ホルマザン(金属キレート)色素+その他の色素を記録材料として用いたもの(特許第2791944号公報、特開平8−295079号公報、特開平9−095520号公報、特開平9−193546号公報、特開平10−337958号公報等参照)、ジピロメテン(金属キレート)色素+その他の色素を記録材料として用いたもの(特開平10−162430号公報、特開平10−166732号公報、特開平10−226172号公報、特開平11−042858号公報、特開平11−042858号公報、特開平11−092682号公報、特開平11−165465号公報、特開平11−208111号公報、特開平11−227332号公報、特開平11−227333号公報、特開平11−255774号公報、特開平11−256057号公報等参照)が提案されている。
【0005】
現在、次世代大容量光ディスクとしてDVD−Rの開発が進められている。記録容量の向上の要素技術は、記録ピット微少化のための記録材料開発、MPEG2に代表される画像圧縮技術の採用、記録ピット読みとりのため、半導体レーザの短波長化等の技術開発が必要である。
【0006】
これまで赤色波長域の半導体レーザとしては、バーコードリーダ、計測器用に670nm体のAlGaInPレーザダイオードが商品化されているのみであったが、光ディスクの高密度化に伴い、赤色レーザが本格的に光ストレージ市場で使用されつつある。DVDドライブの場合、光源として635nm帯と650nm帯レーザダイオードの2つの波長で規格化されている。一方、再生専用のDVD−ROMドライブは波長650nmで商品化されている。このような状況下で最も好ましいDVD−Rメディアは、波長630nm〜680nmで記録、再生が可能なメディアである。DVD−Rメディアのフォーマットはランドプリピットと呼ばれるランド部の一部をカットしたフォーマットで規格化されている。この方式をとると、ランドプリピット信号(LPPb)が0.16以下ではプリピットアドレス等のプリピット情報が良好に再生できず、0.32以上であると今度はLPP信号自体がデータ領域においてノイズ的な振る舞いをし、データエラーが多く発生してしまう。従って、LPPはその記録材にあったカット幅をスタンパで微調整して(LPPb=)0.16〜0.32の範囲になるようにランドカット幅を制御しなければならない。
【0007】
一方、記録材料は記録波長帯が600nm〜720nmで記録可能な材料が望まれるが有機色素メディアでは色素自体の吸収を利用して記録を行なうため、波長依存性が大きく広範囲な記録波長で記録を可能にすることは困難なことが一般的である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来システムに比べて、短波長に発振波長を有する半導体レーザーを用いる追記型DVDシステムの新フォーマット方式であり、LPP方式同様のデータの書き足し部における未記録領域をなくす有効な方式を提供するものである。また、DVD−Rランドプリピット方式に比較して、スタンパ作製時に於ける微細なカット幅制御やLPP信号のデータ部への漏れだしによるデータエラーが生じない優れた方式を提供するものである。さらに、基板に形成された溝の壁の傾斜を最適化することで、記録パワーマージンが拡大され、記録機と合わせたシステムとしてよりマージンの大きいシステムとして構築を可能にするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等が検討した結果、トラックピッチが0.64μm〜0.8μmである案内溝を有する基板上に有機色素記録層を設けてなり、必要に応じて反射層を設け、更に必要に応じて保護層を設け、基板溝に周波数4T〜96Tのウォブルを有する光記録媒体において、基板の溝深さが1000Å〜2500Åであり、溝幅が半値幅で0.18〜0.40μmであり、基板溝の壁の傾斜が65〜80゜であり、記録層として記録再生波長±5nmの波長域の光に対する記録層単層の屈折率nが1.5≦n≦3.0であり、消衰係数kが0.02≦k≦0.2である有機色素膜を有する光記録媒体を作成することにより、書き足しデータ部先頭の未記録領域を低減でき、低エラー率なDVD追記型ディスクが得られる。
また、基板溝の傾斜を最適化することで、より記録パワーマージンが拡大できる。
即ち、高周波なウォブルフォーマットと有機色素の組み合わせと基板溝の傾斜最適化により本発明に至った。
【0010】
上記課題は、本発明の(1)「基板上にトラックピッチが0.64μm〜0.8μmである案内溝を有し、有機色素記録層を設けてなり、必要に応じて反射層を設け、更に必要に応じて保護層を設け、基板溝が、変調によりアドレスを付与すると共に基本クロック長Tを0.133μmとした周期4T〜96Tのウォブルを有する光記録媒体において、基板の溝深さが1000Å〜2500Åであり、溝幅が半値幅で0.18〜0.40μmであり、基板溝の壁の傾斜が65〜80゜であることを特徴とする光記録媒体」により達成される。
【0013】
本発明の光記録媒体は、基板上にトラックピッチが0.64μm〜0.8μmである案内溝を有し、有機色素記録層を設けてなり、必要に応じて反射層を設け、更に必要に応じて保護層を設け、基板溝に周波数4T〜96Tのウォブルを有する光記録媒体において、基板の溝深さが1000Å〜2500Åであり、溝幅が半値幅で0.18〜0.40μmであり、基板溝の壁の傾斜が65〜80゜であり、記録層として記録再生波長±5nmの波長域の光に対する記録層単層の屈折率nが1.5≦n≦3.0であり、消衰係数kが0.02≦k≦0.2である有機色素膜を有する光記録媒体を作成する構成でなるものである。
なお、ここで定義するTとは基本クロック周波数で記録したときの記録ピット長(単位はμm)であり、DVD(4.7GB)メディアであれば、長さで定義すれば約0.133μmであり、時間で定義すれば約38nsec.である。
【0014】
色素を記録層として用いる場合、案内溝の壁の傾斜角は重要で90゜に近く切り立った角度であると、記録の際のピット形成の横への広がりを抑制し、ジッタやエラーに悪影響を及ぼし、逆に傾斜角が65゜より、小さくなると今度はピットが横へ広がりすぎて、クロストークの影響で、結果的にジッタやエラーに増加を招く。即ち、基板溝の壁の傾斜を65〜80゜とすることで、ジッタ、エラー率、変調度等が良好なことを確認し本発明に至った。
基板溝の壁の角度はAFMやSEMや種々の回折光を用いた測定器で測定することが可能であるが、本発明はAFMによる溝プロファイルから接線を引き、溝の壁傾斜角を測定した。
【0015】
通常、ウオブルの周波数帯は150T〜400T相当が用いられている。この周波数帯であると、周波数変調にしろ、位相変調にしろデータの書き足しをする場合、ウオブルの周波数が低すぎて、前データと書き足しデータとの間がかなり空いてしまい、高密度記録には向かない。一方、DVD−RではLPPを設けこのLPP信号で、データの書き込む位置を制御している。しかしながら、LPP方式ではLPPの信号振幅が小さすぎてはLPPが良好に読み出せず、逆にLPPが大きすぎると今度はLPP信号自体が書き込みデータへ漏れ込んでデータエラーが多発するという不具合が生じるため、LPPは0.16≦LPPb≦0.32の範囲、好ましくは0.18≦LPPb≦0.26という制約が生じ、スタンパ作成の際、ランドのカット幅を微細に制御しなくてはならない。
【0016】
一方、高周波ウオブルにすれば、LPPは必要なく、ウオブルを変調して同期をとるため、LPP方式のようにデータエラーが多発するような事態には至らない。
【0017】
本発明に於けるウオブルの振幅であるが、適当なフィルターを通した後のウオブル振幅(Wo)に対する、これも適当なフィルターを通したプシュプル信号(PP)割合Wo/PP=NWOが0.1≦NWO≦0.4の範囲にあれば本発明の目的であるウオブルでの同期合わせは可能であり、更に好ましいNWOの値は0.15≦NWO≦0.30の範囲である。NWOの値が0.1以下であると同期をとるには不充分な信号強度であり、0.4を越えてしまうとデータ部エラーが増えてくる傾向にある。但し、LPP方式に比べ、LPPが大きなメディアのデータエラーに比較してデータエラーの発生の影響度は小さくウオブル振幅の増加に伴うデータエラーは緩やかである。更にスタンパを作成する際、LPP方式のLPPカット幅はLPPb=0.16〜0.32内の範囲にするには高度なカット幅制御技術を必要とするが、本発明の高周波ウオブル方式においては高周波発生源とウオブルの振り量の大きさ(ウオブル振り量を制御する回路で振り量は任意に再現性よく作成できる)だけを管理しさえすれば目的は達成されるため、スタンパの歩留まりや、メディアの歩留まりが飛躍的に向上できる。
【0018】
また、上記のフォーマットを有した基板の溝形状であるが、主に有機色素を溶剤塗工法にて記録層を形成するわけであるが、その場合の最適溝深さは1000Å〜2500Åであり、さらに好ましくは1500Å〜2000Åである。溝深さが1000Å以下であるとプシュプル信号が充分にとれず、トラッキング制御ができず、2500Å以上であると基板成形の際、転写性があまくなり、好ましくない。更に、色素記録層を設けた場合の色素溝深さはウォブル周波数をm(T)とし、色素溝深さをd1としたときに1200≦d1×m≦160000の範囲にあることが必要で、d1×mが1200を下回ると充分な差信号が得られず、記録再生時に充分なトラッキングが実施できず、d1×mが160000を上回ると逆に発振してやはりトラッキングには好ましくなく、さらに上述のように転写限界から基板溝深さの限界もあり、実質的には160000を上回ることは出来ない。また、記録密度を4GB〜5GBの容量を確保するためのトラックピッチは0.64μm〜0.8μm程度が必要である。溝幅に関しては、記録材料によって異なるが、ほぼ全ての有機材料において、半値幅0.18〜0.40μmの幅で適用できる。
【0019】
次に記録媒体の構成について、記録層を構成するのに必要な項目として、光学特性が挙げられる。
光学特性に必要な条件は、記録再生波長である600nm〜720nmに対して短波長側に大きな吸収帯を有し、かつ記録再生波長が該吸収帯の長波長端近傍にあることが必要である。吸収極大波長は記録再生波長に対し、40〜80nm短波長であることが好ましく、40nmより小さいと吸収により、充分な反射率がとれず、80nmを越えると、記録感度が低下する。これは、記録再生波長である600nm〜720nmで大きな屈折率と消衰係数を有することを意味するものである。
具体的には、記録再生波長近傍の長波長近傍の波長域光に対する記録層単層の屈折率nが1.5以上3.0以下であり、消衰係数kが0.02以上0.2以下の範囲にあることが好ましい。nが1.5未満の場合には、充分な光学的変化得られにくいため、記録変調度が低くなるため好ましくなく、nが3.0を越える場合には、波長依存性が高くなり過ぎるため、記録再生波長領域であってもエラーとなってしまうため好ましくない。また、kが0.02未満の場合には、記録感度が悪くなるため好ましくなく、kが0.2を越える場合には、50%以上の反射率を得ることが困難となるので好ましくない。
【0020】
次に、本発明に使用可能な色素材料の具体例であるが、アゾ(金属キレート)色素、ホルマザン(金属キレート)色素、ジピロメテン(金属キレート)色素、ポリメチン色素、スクアリリウム色素、アザアヌレン色素等が適用可能である。上記に挙げた色素の熱分解特性であるが、色素単独で用いる場合も混合して用いる場合もその記録材料の分解開始温度が360℃以下であることが好ましい。特に100〜350℃が好ましい。分解温度が360℃以上であると記録時のピット形成がうまく行なわれず、ジッタ特性が悪い。また100℃以下であると今度はディスクの保存安定性が悪化する。
【0021】
(記録体の構成)
本発明の記録体は、通常の追記型光ディスクである図2の構造(図2を2枚貼合わせたいわゆるエアーサンドイッチ、又は密着貼合わせ構造としてもよい)と図3からなるCD−R用メディアの構造としてもよい。
【0022】
(各層の必要特性及び構成材料例)
本発明の記録媒体の構成としては、第1基板と第2基板とを記録層を介して接着剤で張り合わせた構造を基本構造とする。記録層は有機色素層単層でもよく、反射率を高めるため有機色素層と金属反射層との積層でも良い。記録層と基板間は下引き層あるいは保護層を介して層成してもよく、機能向上のためそれらを積層化した構成でも良い。最も通常に用いられるのは、第1基板/有機色素層/金属反射層/保護層/接着層/第2基板構造である。
【0023】
《基板》
用いる基板としては基板側より記録再生を行なう場合のみ使用レーザーに対して透明でなければならず、記録層側から記録、再生を行なう場合基板は透明である必要はない。基板材料としては例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドなどのプラスチック又は、ガラス、セラミックあるいは、金属などを用いることができる。なお、基板の表面にトラッキング用の案内溝や、案内ピット、さらにアドレス信号などのプリフォーマットなどが形成されていても良い。
【0024】
《記録層》
記録層はレーザー光の照射により何らかの光学的変化を生じさせ、その変化により情報を記録するものであって、この記録層中には本発明の色素が含有されていることが必要で、記録層の形成に当たって本発明の色素1種、又は2種以上の組み合わせで用いても良い。さらに、本発明の上記色素は光学特性、記録感度、信号特性などの向上の目的で他の有機色素及び金属、金属化合物と混合又は積層化して用いても良い。有機色素の例としては、ポリメチン色素、ナフタロシアニン系、フタロシアニン系、スクアリリウム系、クロコニウム系、ピリリウム系、ナフトキノン系、アントラキノン系(インダンスレン系)、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アズレン系、テトラヒドロコリン系、フェナンスレン系、トリフェノチアジン系染料及び、金属錯体化合物などが挙げられる。
【0025】
金属、金属化合物の例としてはIn、Te、Bi、Se、Sb、Ge、Sn、Al、Be、TeO2、SnO、As,Cd、などが挙げられ、それぞれを分散混合あるいは積層の形態で用いることができる。
さらに、上記染料中に高分子材料、例えばアイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の材料もしくはシランカップリング剤などを分散混合しても良いし、特性改良の目的で安定剤(例えば遷移金属錯体)、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤などを一緒に用いることができる。
【0026】
記録層の形成方法としては蒸着、スパッタリング、CVDまたは溶剤塗布などの通常の手段によって行なうことができる。塗布法を用いる場合には上記染料などを有機溶剤に溶解して、スプレー、ローラーコーティグ、ディピング及び、スピンコーティングなどの慣用のコーティング法によって行なうことができる。用いられる有機溶媒としては一般にメタノール、エタノール、イソプロパノール、などのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、四塩化炭素、トリクロロエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、などの芳香族類、メトキシエタノール、エトキシエタノールなどのセロソルブ類、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素類などが挙げられる。記録層の膜厚は100Å〜10μm、好ましくは200Å〜2000Åが適当である。
【0027】
《下引き層》
下引き層は▲1▼接着性の向上、▲2▼水又はガスなどのバリアー、▲3▼記録層の保存安定性の向上、▲4▼反射率の向上、▲5▼溶剤からの基板の保護、▲6▼案内溝、案内ピット、プレフォーマットの形成などを目的として使用される。
【0028】
▲1▼の目的に対しては、高分子材料例えば、アイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の高分子化合物及び、シランカップリング剤などをを用いることができ、▲2▼及び▲3▼の目的に対しては、上記高分子材料以外に無機化合物、例えば、SiO、MgF、SiO2、TiO、ZnO、TiN、SiNなどがあり、さらに金属又は半金属例えば、Zn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Al、などを用いることができる。又、▲4▼の目的に対しては、金属、例えば、Al、Au、Ag等や、金属光沢を有する有機薄膜、例えば、メチン染料、キサンテン系染料などを挙げることができ、▲5▼、▲6▼の目的に対しては、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。
下引き層の膜厚としては0.01〜30μm、好ましくは、0.05〜10μmが適当である。
【0029】
《金属反射層》
金属反射層は単体で高反射率の得られる腐食されにくい金属、半金属等が挙げられ、材料例としてはAu、Ag、Cr、Ni、Al、Fe、Snなどが挙げられるが、反射率、生産性の点からAu、Ag、Alが最も好ましく、これらの金属、半金属は単独で使用しても良く、2種の合金としても良い。膜形成法としては蒸着、スッパタリングなどが挙げられ、膜厚としては50〜5000Å好ましくは100〜3000Åである。
【0030】
《保護層、基板面ハードコート層》
保護層及び基板面ハードコート層は、▲1▼記録層(反射吸収層)を傷、ホコリ、汚れ等から保護する、▲2▼記録層(反射吸収層)の保存安定性の向上、▲3▼反射率の向上等を目的として使用される。これらの目的に対しては、前記下引き層に示した材料を用いることができる。又、無機材料として、SiO、SiO2なども用いることができ、有機材料としてポリメチルアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性、熱溶融性樹脂も用いることができる。上記材料のうち最も好ましい例としては生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。保護層又は基板面ハードコート層の膜厚は0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当である。本発明において、前記下引き層、保護層、及び、基板面ハードコート層には記録層の場合と同様に、安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させることができる。
【0031】
《保護基板》
保護基板はこの保護基板側からレーザー光を照射する場合、使用レーザー光に対し透明でなくてはならず、単なる保護板として用いる場合、透明性は問わない。使用可能な基板材料としては基板材料と全く同様であり、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドなどのプラスチック又は、ガラス、セラミックあるいは、金属などを用いることができる。
【0032】
《接着材、接着層》
2枚の記録媒体を接着出来る接着できる材料なら何でもよく、生産性を考えると、紫外線硬化型もしくはホットメルト型接着剤が好ましい。
【0033】
【実施例】
《実施例1》
溝深さ1750Å、半値幅0.25μm、トラックピッチ0.74μm、ウオブル周波数32T相当、基板溝の壁傾斜角70゜の案内溝を有するバンド条件を有する厚さ0.6mmの射出成形ポリカーボネート基板上に下記化合物例〔I〕を2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールに溶解した液をスピンナー塗布し、厚さ1100Åの有機色素層を形成し、次いでスパッタ法により金1100Åの反射層を設け、更にその上にアクリル系フォトポリマーにて5μmの保護層を設けた後、厚さ0.6mmの射出成形ポリカーボネート平板基板をアクリル系フォトポリマーにて接着し記録媒体とした。
【0034】
【化1】
【0035】
《実施例2》
実施例1で化合物No.〔I〕の代わりに化合物〔II〕と〔III〕50:50重量比で混合した色素を用いたことと反射層を金とし、膜厚を1200Åにしたこと以外は、実施例1と全く同様に記録媒体を形成した。
【0036】
【化2】
【0037】
【化3】
【0038】
《実施例3》
実施例1で化合物No.〔I〕の代わりに化合物〔IV〕を用い、溶媒をエチルシクロヘキサンと2−メトキシエタノル混合溶媒にし、溝の壁傾斜角を65゜にしたこと以外は、実施例1と全く同様に記録媒体を形成した。
【0039】
【化4】
【0040】
《実施例4》
実施例1で化合物No.〔I〕の代わりに化合物〔V〕の色素を用いたことと基板溝深さ1850Å、溝半値幅を0.29μm、溝の壁傾斜角を80゜にしたこと以外は、実施例1と全く同様に記録媒体を形成した。
【0041】
【化5】
【0042】
《実施例5》
実施例4で化合物No.(V)の代わりに化合物(VI)と(VII)を40:60重量比で混合した色素を用いたこととウォブル周波数を16T、溝の壁傾斜角を70゜にしたこと以外は、実施例4と全く同様に記録媒体を形成した。
【0043】
【化6】
【0044】
【化7】
【0045】
《比較例1》
実施例1で化合物No.〔I〕の代わりに化合物〔IV〕を用い、溶媒をエチルシクロヘキサンと2−メトキシエタノル混合溶媒にしたことと溝の壁傾斜角を87゜とした以外は、実施例1と全く同様に記録媒体を形成した。
【0046】
《比較例2》
実施例1において基板溝の壁傾斜角を60゜の基板を用いたこと以外は実施例1と全く同様に記録媒体を形成した。
【0047】
<記録条件>
実施例1〜5及び、比較例1〜2で得た光記録媒体に発振波長657nm、ビーム径0.9μmの半導体レーザー光を用い、トラッキングしながらEFM信号(線速3.5m/sec.)をBottom Jitterが極小となるようなストラテジーで、最適記録パワーの−20%〜+20%のパワーを0.2mW間隔で記録し、その個所のBottom Jitterを測定して、記録パワーに対するJitterという関係を求め、Jitterが10%以下となる場合の記録パワーが中心記録パワーから±何%の記録パワーまでを許容できるかを求めた。
【0048】
【表1】
以上の評価結果から比較例1〜2に比較して実施例1〜5では良好な記録パワー許容範囲が広く、本発明の効果が充分に示された。
【0049】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明によれば、DVD−Rで用いているランドプリピットフォーマットよりも簡単に製造可能な高周波ウォブルフォーマットでデータ部の書き足しを効率良く実施でき、記録特性の良好な、しかも現在、大量に製造されているCD−R、DC−RWとほぼ同一フォーマットでの記録媒体の提供が可能となるという極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における通常の追記型光記録媒体を示した図である。
【図2】本発明におけるCD−R用の媒体構成を示した図である。
【図3】本発明におけるDVD−R用の媒体構成を示した図である。
【図4】本発明の基板溝の壁の傾斜角を示した図である。
【符号の説明】
1 基板
2 記録層
3 下引き層
4 保護層
5 ハードコート層
6 金属反射層
7 保護基板
8 接着層
Claims (1)
- 基板上にトラックピッチが0.64μm〜0.8μmである案内溝を有し、有機色素記録層を設けてなり、必要に応じて反射層を設け、更に必要に応じて保護層を設け、基板溝が、変調によりアドレスを付与すると共に基本クロック長Tを0.133μmとした周期4T〜96Tのウォブルを有する光記録媒体において、基板の溝深さが1000Å〜2500Åであり、溝幅が半値幅で0.18〜0.40μmであり、基板溝の壁の傾斜が65〜80゜であることを特徴とする光記録媒体。
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