JP2004118898A - 光記録媒体、これを用いる光記録方法および装置 - Google Patents

光記録媒体、これを用いる光記録方法および装置 Download PDF

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戸村 辰也
Tsutomu Sato
佐藤 勉
Yasunobu Ueno
植野 泰伸
So Noguchi
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Abstract

【課題】色素系追記型DVDメディア(光記録媒体)およびその記録再生方法、装置に関するものであって、色素系DVDメディアの記録時波長依存性を低減し、ドライブとのマッチングに優れた光記録媒体の提供し、また、前記CD系メディアに比べて、短波長に発振波長を有する半導体レーザーを用いる追記型DVDシステムの新フォーマット(DVD+Rフォーマット)方式であり、LPP方式同様のデータの書き足し部における未記録領域をなくす有効な方式を提供し、さらに、DVD−Rランドプリピット方式に比較して、スタンパ作製時に於ける微細なカット幅制御やLPP信号のデータ部への漏れだしによるデータエラーが生じない優れた方式を提供すること。
【解決手段】基板上に記録層を設けてなる光記録媒体において、該記録層中少なくとも1種、膜の吸収スペクトル最大吸収波長が500〜650nmである有機色素と更に少なくとも1種、膜の吸収スペクトル最大吸収波長が660〜720nmである有機色素を混合してなる記録層であることを特徴とする光記録媒体。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機色素を含有する記録層が設けられた光記録媒体に関するものであって、特に光ビームを照射することにより、記録材料の透過率、反射率等の光学的な変化を生じさせ、情報の記録、再生を行ない、かつ追記が可能な光記録媒体に関するものであり、データ用追記光ディスク、追記型コンパクトディスクに用いられ、CD−I、CD−V、DVD+R(DVD−R)に応用される。
【0002】
【従来の技術】
従来から、有機色素を含有する記録層が設けられた光記録媒体は、種々提案されて様々な有機色素が用いられているが、特にシアニン系色素あるいはフタロシアニン系色素が多く用いられている。(例えば、特許文献1、2、3、4、5、6、7参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−262041号公報
【特許文献2】
特開平6−15962号公報
【特許文献3】
特開2000−343819号公報
【特許文献4】
特開2001−26180号公報
【特許文献5】
特開2001−93187号公報
【特許文献6】
特開2001−246850号公報
【0004】
現在、次世代大容量光ディスクとして、DVD−Rの開発が進められている。記録容量の向上の要素技術は、記録ピット微少化のための記録材料開発、MPEG2に代表される画像圧縮技術の採用、記録ピット読みとりのための半導体レーザの短波長化等の技術開発が必要である。
光ディスクの高密度化に伴い、赤色レーザが本格的に光ストレージ市場で使用されつつある。DVDドライブの場合、光源として635nm帯と650nm帯のレーザダイオードで2つの波長で規格化されている。一方、再生専用のDVD−ROMドライブは波長〜650nmで商品化されている。
【0005】
上述のように記録系DVDメディアは、630〜670nm付近の記録波長で記録されるが、CD−R同様に追記型色素系DVDの場合、色素膜の吸収は記録波長が色素膜長波長吸収端になるように設計されている。
従って、記録波長が変動すると色素記録膜の吸収(k)が変動し、記録再生特性に影響を及ぼす。具体的には波長が短くなれば記録パワーは少なくてすむが、記録波長が長波長へシフトすると記録パワーを大きくしなければならなくなる。
【0006】
このような記録波長の変動は、実際のドライブでは使用環境条件で温度が上昇するにつれ、レーザー波長が長波長化することが一般的である。
従って、色素系メディアはドライブ使用環境条件が高温化すると感度不足を起こしてしまう可能性がある。
また、DVD記録系メディアの物理フォーマットに関しDVD−Rメディアのフォーマットは、ランドプリピットと呼ばれるランド部の一部をカットしたフォーマットで規格化されている。
この方式をとると、ランドプリピット信号(LPPb)が0.16以下ではプリピットアドレス等のプリピット情報が良好に再生できず、0.32以上であると今度はLPP信号自体がデータ領域においてノイズ的な振る舞いをし、データエラーが多く発生してしまう。
従って、LPPはその記録材にあったカット幅をスタンパで微調整して(LPPb=)0.16〜0.32の範囲になるようにランドカット幅を制御しなければならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、以上述べた実情に鑑みて、色素系追記型DVDメディア(光記録媒体)およびその記録再生方法、装置に関するものであって、色素系DVDメディアの記録時波長依存性を低減し、ドライブとのマッチングに優れた光記録媒体の提供することである。
また、本発明の課題は、前記CD系メディアに比べて、短波長に発振波長を有する半導体レーザーを用いる追記型DVDシステムの新フォーマット(DVD+Rフォーマット)方式であり、LPP方式同様のデータの書き足し部における未記録領域をなくす有効な方式を提供することである。
さらに、本発明の課題は、DVD−Rランドプリピット方式に比較して、スタンパ作製時に於ける微細なカット幅制御やLPP信号のデータ部への漏れだしによるデータエラーが生じない優れた方式を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等が検討した結果、色素系メディアとその記録法、及びその記録装置であって、基板上に記録層を設けてなる光記録媒体において、該記録層中に少なくとも1種、膜の吸収スペクトル最大吸収波長が500〜650nmである有機色素と、さらに、膜の吸収スペクトル最大吸収波長が660〜720nmである有機色素を少なくとも1種混合使用されたものであり、さらに長波長成分の吸収係数の規定と混合比の最適化を計ることにより、レーザーの長波長シフトに伴う波長依存性の少ない光記録媒体を見出し本発明に至った。
また、該混合色素記録層と高周波なウォブルフォマットと色素記録層とを組み合わせる場合に、特に優れた光記録媒体になることが確認し、本発明に至った。
【0009】
即ち、上記課題は、本発明の(1)「基板上に記録層を設けてなる光記録媒体において、該記録層中少なくとも1種、膜の吸収スペクトル最大吸収波長が500〜650nmである有機色素と更に少なくとも1種、膜の吸収スペクトル最大吸収波長が660〜720nmである有機色素を混合してなる記録層であることを特徴とする光記録媒体」、(2)「膜の吸収スペクトル最大吸収波長が660〜720nmである色素の割合が膜の吸収スペクトル最大吸収波長が500〜650nmである色素に対して重量比で0.1〜5%であることを特徴とする前記第(1)項に記載の光記録媒体」、(3)「膜の吸収スペクトル最大吸収波長が660〜720nmである色素の溶液でのモル吸収係数が10万以上であることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の光記録媒体」、(4)「基板溝に周波数4T〜96Tのウォブルを有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れか1に記載の光記録媒体」、(5)「ウォブル振幅Woとプッシュプル振幅PPとの割合(Wo/PP)が0.1≦Wo/PP≦0.4の範囲にあることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項の何れかに記載の光記録媒体」、(6)「反射層が必要な場合の反射層が金、銀、アルミニウムもしくはこれらを主成分とした他の金属との合金であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項の何れかに記載の光記録媒体」、(7)「保護層が必要な場合の保護層が紫外線硬化樹脂であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項の何れかに記載の光記録媒体」、(8)「もう1枚の基板を貼り合わせる構造である場合の接着剤が紫外線硬化樹脂であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項の何れかに記載の光記録媒体」により達成される。
【0010】
また、上記課題は、本発明の(9)「前記第(1)項乃至第(8)項の何れかに記載の光記録媒体を用いた記録再生方法」により達成される。
【0011】
また、上記課題は、本発明の(10)「記録波長が630〜690nmであることを特徴とする前記第(9)項に記載の記録再生方法」により達成される。
【0012】
また、上記課題は、本発明の(11)「前記第(1)項乃至第(8)項の何れかに記載の光記録媒体を搭載したことを特徴とする光記録装置」により達成される。
【0013】
本発明は、630〜670nmを中心とした色素記録系DVDメディアの記録波長依存性を低減するものである。
記録系DVDメディアの記録波長は630〜670nm付近で記録されるが、CD−R同様に追記型色素系DVDの場合、色素膜の吸収は記録波長が色素膜長波長吸収端になるように設計されている(図1を参照)。
従って、記録波長が変動すると色素記録膜の吸収(k)が変動し、記録再生特性に影響を及ぼす。具体的には波長が短くなれば記録パワーは少なくてすむが、記録波長が長波長へシフトすると記録パワーを大きくしなければならなくなる。
【0014】
このような記録波長の変動は、実際のドライブでは使用環境条件で温度が上昇するにつれ、レーザー波長が長波長化することが一般的である。従って、色素系メディアは、ドライブ使用環境条件が高温化すると感度不足を起こしてしまう可能性がある。
そこで、500〜650nmに膜の最大吸収波長がある主記録材料に、やや長波長な添加色素を混合させると、より実使用環境条件でも波長依存性の少ない光記録媒体が得られるので、好ましい。
但し、長波長色素成分は添加量が多すぎると、記録再生波長での吸収(k)が増しすぎて、波長依存性や記録感度は改善されるが、反射率が低下する傾向がある。一方、当然のことながら、添加量が0に近づくほど波長依存性改善効果は薄れる。
そこで、主材(500〜650nm吸収色素)に対する混合割合は、0〜10重量%が望ましく、好ましくは0.1〜5.0重量%、更に好ましくは0.2〜1.5重量%である。
【0015】
さらに、長波長色素はそのモル吸収係数が小さければ重量比による添加量を増やさねば波長依存改善効果は得られない。
そこで、波長依存性が改善されても長波長色素成分で底上げされ、記録層合計膜厚が増加してしまい、ジッタ特性やパワーマージンに著しく悪影響を及ぼす。
このことは長波長色素の吸収波長が720nmを越えても同様のことが起こる。
従って、長波長色素は660〜720nmに吸収を有し、更に好ましくはその色素のモル吸収係数が10万を越えるような高吸収な色素が最も適している。
言い換えれば、吸収係数の大きな長波長吸収色素を少量添加することで、記録層の膜厚の増加を抑え、加えて波長依存性の改善が図れる。
【0016】
光学特性に必要な条件は、記録再生波長近傍の長波長近傍の波長域光に対する記録層単層の屈折率nが1.5以上3.0以下であり、消衰係数kが0.02以上0.2以下の範囲にあることが好ましい。
nが1.5未満の場合には、充分な光学的変化得られにくいため、記録変調度が低くなるため好ましくなく、nが3.0を越える場合には、波長依存性が高くなり過ぎるため、記録再生波長領域であってもエラーとなってしまうため好ましくない。
また、kが0.02未満の場合には、記録感度が悪くなるため好ましくなく、kが0.2を越える場合には、50%以上の反射率を得ることが困難となるので好ましくない。
【0017】
次に、案内溝をあらかじめ蛇行したウォブル特性について述べる。
ここでウォブルにおける定義されるTとは、記録クロック周波数で記録したときの記録ピット長(単位はμm)であり、DVD(4.7GB)メディアであれば、約0.133μmであり、時間で定義すれば約38nsec.である。
【0018】
通常、ウォブルの周波数帯は150T〜400T相当が用いられている。この周波数帯であると、周波数変調にしろ、位相変調にしろデータの書き足しをする場合、ウォブルの周波数が低すぎて、前データと書き足しデータとの間がかなり空いてしまい、高密度記録には向かない。
一方これに対し、DVD−Rでは、LPPを設けこのLPP信号でデータの書き込む位置を制御している。しかしながら、LPP方式ではLPPの信号振幅が小さすぎてはLPPが良好に読み出せず、逆にLPPが大きすぎると今度はLPP信号自体が書き込みデータへ漏れ込んでデータエラーが多発するという不具合が生じるため、LPPは0.16≦LPPb≦0.32の範囲、好ましくは0.18≦LPPb≦0.26という制約が生じ、スタンパ作成の際、ランドのカット幅を微細に制御しなくてはならない。
一方、高周波ウォブルにすれば、LPPは必要なく、ウォブルを変調して同期をとるため、LPP方式のようにデータエラーが多発するような事態には至らない。
【0019】
本発明に於けるウォブルの振幅であるが、適当なフィルターを通した後のウォブル振幅(Wo)に対する、これも適当なフィルターを通したプシュプル信号(PP)割合、Wo/PP=NW0が0.1≦NW0≦0.4の範囲にあれば本発明の目的であるウォブルでの同期合わせは可能であり、更に好ましいNW0の値は0.15≦NW0≦0.30の範囲である。
NW0の値が0.1以下であると同期をとるには不充分な信号強度であり、0.4を越えてしまうとデータ部エラーが増えてくる傾向にある。但し、LPP方式に比べ、LPPが大きなメディアのデータエラーに比較してデータエラーの発生の影響度は小さくウォブル振幅の増加に伴うデータエラーは緩やかである。
【0020】
さらに、スタンパを作成する際、LPP方式のLPPカット幅はLPPb=0.16〜0.32内の範囲にするには高度なカット幅制御技術を必要とするが、本発明の高周波ウォブル方式においては高周波発生源とウォブルの振り量の大きさ(ウォブル振り量を制御する回路で振り量は任意に再現性よく作成できる)だけを管理しさえすれば目的は達成されるため、スタンパの歩留まりや、メディアの歩留まりが飛躍的に向上できる。
【0021】
また、上記のフォーマットを有した基板の溝形状であるが、主に有機色素を溶剤塗工法にて記録層を形成するわけであるが、その場合の最適溝深さは1000Å〜2500Åであり、さらに好ましくは1500Å〜2000Åである。
溝深さが1000Å以下であるとプシュプル信号が充分にとれず、トラッキング制御ができにくくなり、2500Å以上であると基板成形の際、転写性が甘くなり、好ましくない。
さらに、色素記録層を設けた場合の色素溝深さは、ウォブル周波数をm(T)とし、色素溝深さをd1としたときに1200≦d1×m≦16000の範囲にあることが必要で、d1×mが1200を下回ると充分な差信号が得られず、記録再生時に充分なトッラキングが実施できず、d1×mが160000を上回ると逆に発振してやはりトラッキングには好ましくなく、さらに上述のように転写限界から基板溝深さの限界もあり、実質的には160000を上回ることはできない。
また、記録密度を4GB〜5GBの容量を確保するためにのトラクピッチは0.64μm〜0.8μm程度が必要である。溝幅に関しては、記録材料によって異なるが、ほぼ全ての有機材料において、半値幅0.18〜0.40μmの幅で適用できる。
【0022】
上記に挙げた色素の熱分解特性であるが、その記録材料の分解開始温度が360℃以下であることが好ましい。特に100〜350℃が好ましい。分解温度が360℃以上であると記録時のピット形成がうまく行なわれず、ジッタ特性が悪い。また100℃以下であると今度はディスクの保存安定性が悪化する。
【0023】
(光記録媒体の構成)
本発明の光記録媒体は、通常の追記型光ディスクである図2の構造(図3を2枚貼合わせたいわゆるエアーサンドイッチ、又は密着貼合わせ構造としてもよい)と図3からなるCD−R用メディアの構造としてもよい。
【0024】
(各層の必要特性及び構成材料例)
本発明の光記録媒体の構成としては、第1基板と第2基板とを記録層を介して接着剤で貼り合わせた構造を基本構造とする。記録層は有機色素層単層でもよく、反射率を高めるため有機色素層と金属反射層との積層でも良い。
記録層と基板間は下引き層あるいは保護層を介して層成してもよく、機能向上のためそれらを積層化した構成でも良い。最も通常に用いられるのは、第1基板/有機色素層/金属反射層/保護層/接着層/第2基板構造である。
【0025】
《基板》
用いる基板としては、基板側より記録再生を行なう場合のみ使用レーザーに対して透明でなければならず、記録層側から記録、再生を行なう場合、基板は透明である必要はない。
基板材料としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドなどのプラスチック、又はガラス、セラミック、あるいは金属などを用いることができる。なお、基板の表面にトラッキング用の案内溝や、案内ピット、さらにアドレス信号などのプリフォーマットなどが形成されていても良い。
【0026】
《記録層》
記録層は、レーザー光の照射により何らかの光学的変化を生じさせ、その変化により情報を記録するものであって、この記録層中には本発明の色素が含有されていることが必要で、記録層の形成に当たって、本発明の色素1種、又は2種以上の組み合わせで用いる。
さらに、本発明に用いられる上記色素は、光学特性、記録感度、信号特性などの向上の目的で、他の有機色素及び金属、金属化合物と混合又は積層化して用いても良い。
有機色素の例としては、(ポリ)メチン色素、ナフタロシアニン系、フタロシアニン系、スクアリリウム系、クロコニウム系、ピリリウム系、ナフトキノン系、アントラキノン系(インダンスレン系)、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アズレン系、テトラヒドロコリン系、フェナンスレン系、トリフェノチアジン系染料、及び金属錯体化合物などが挙げられる。
【0027】
金属、金属化合物の例としては、In,Te,Bi,Se,Sb,Ge,Sn,Al,Be,TeO,SnO,As,Cdなどが挙げられ、それぞれを分散混合あるいは積層の形態で用いることができる。
さらに、上記染料中に高分子材料、例えばアイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の材料もしくはシランカップリング剤などを分散混合しても良いし、特性改良の目的で安定剤(例えば遷移金属錯体)、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤などを一緒に用いることができる。
【0028】
記録層の形成方法としては、蒸着、スパッタリング、CVDまたは溶剤塗布などの通常の手段によって行なうことができる。塗布法を用いる場合には、上記染料などを有機溶剤に溶解して、スプレー、ローラーコーティグ、ディピング、及びスピンコーティングなどの慣用のコーティング法によって行なうことができる。用いられる有機溶媒としては、一般にメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、四塩化炭素、トリクロロエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族類、メトキシエタノール、エトキシエタノールなどのセロソルブ類、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素類などが挙げられる。記録層の膜厚は100Å〜10μm、好ましくは200Å〜2000Åが適当である。
【0029】
《下引き層》
下引き層は▲1▼接着性の向上、▲2▼水又はガスなどのバリアー、▲3▼記録層の保存安定性の向上、▲4▼反射率の向上、▲5▼溶剤からの基板の保護、▲6▼案内溝、案内ピット、プレフォーマットの形成などを目的として使用される。▲1▼の目的に対しては高分子材料、例えばアイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の高分子化合物、及びシランカップリング剤などをを用いることができ、▲2▼及び▲3▼の目的に対しては上記高分子材料以外に無機化合物、例えばSiO、MgF、SiO、TiO、ZnO、TiN、SiNなどがあり、さらに金属又は半金属、例えばZn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Alなどを用いることができる。また、▲4▼の目的に対しては金属、例えばAl、Au、Ag等や、金属光沢を有する有機薄膜、例えばメチン染料、キサンテン系染料などを挙げることができ、▲5▼、▲6▼の目的に対しては紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。下引き層の膜厚としては0.01〜30μm、好ましくは、0.05〜10μmが適当である。
【0030】
《金属反射層》
金属反射層を構成する材料は、単体で高反射率の得られる腐食されにくい金属、半金属等が挙げられ、材料例としてはAu、Ag、Cr、Ni、Al、Fe、Snなどが挙げられるが、反射率、生産性の点からAu、Ag、Alが最も好ましく、これらの金属、半金属は単独で使用しても良く、2種の合金としても良い。
膜形成法としては蒸着、スパッタリングなどが挙げられ、膜厚としては50〜5000Å、好ましくは100〜3000Åである。
【0031】
《保護層、基板面ハードコート層》
保護層及び基板面ハードコート層は▲1▼記録層(反射吸収層)を傷、ホコリ、汚れ等から保護する、▲2▼記録層(反射吸収層)の保存安定性の向上、▲3▼反射率の向上等を目的として使用される。これらの目的に対しては、前記下引き層に示した材料を用いることができる。
また、無機材料として、SiO、SiOなども用いることができ、有機材料としてポリメチルアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性、熱溶融性樹脂も用いることができる。上記材料のうち最も好ましい例としては、生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。
保護層又は基板面ハードコート層の膜厚は0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当である。本発明において、前記下引き層、保護層、及び基板面ハードコート層には記録層の場合と同様に、安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させることができる。
【0032】
《保護基板》
保護基板はこの保護基板側からレーザー光を照射する場合、使用レーザー光に対し透明でなくてはならず、単なる保護板として用いる場合、透明性は問わない。使用可能な基板材料としては基板材料と全く同様であり、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドなどのプラスチック又は、ガラス、セラミック、あるいは金属などを用いることができる。
【0033】
《接着材、接着層》
2枚の光記録媒体を接着できる材料なら何でもよく、生産性を考えると、紫外線硬化型もしくはホットメルト型接着剤が好ましい。
【0034】
【実施例】
(実施例1)
溝深さ1750Å、半値幅0.35μm、トラックピッチ0.74μm、ウォブル周波数32T相当を有する厚さ0.6mm、外径120mmの射出成形ポリカーボネート基板上に化合物例(I)と(II)と(III)を重量比で60:38.5:1.5に秤量し、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールで溶解し、スピンナー塗布し、厚さ1200Åの有機色素層を形成し、85℃で30分乾燥した後、次いでスパッタ法により銀1000Åの反射層を設け、更にその上にアクリル系フォトポリマーにて5μmの保護層を設けた後、厚さ0.6mm、外径120mmの射出成形ポリカーボネート平板基板をアクリル系フォトポリマーにて接着し光記録媒体とした。
【0035】
【化1】
Figure 2004118898
【0036】
【化2】
Figure 2004118898
【0037】
【化3】
Figure 2004118898
なお、一般式(I)の膜の最大吸収波長は606nm、一般式(II)の膜の最大吸収波長は561nmであった。
また、一般式(III)の膜の最大吸収波長は703nmであり、ε>150,000であった。
【0038】
(実施例2)
実施例1の一般式(III)の代わりに下記に示す一般式(IV)を0.8重量%の比率で混合し、それ以外は実施例と全く同様に光記録媒体を得た。
【0039】
【化4】
Figure 2004118898
なお、一般式(IV)の膜の最大吸収波長は683nmであり、ε>180,000であった。
【0040】
(実施例3)
実施例1の一般式(III)の代わりに下記に示す一般式(V)を0.6重量%の比率で混合し、それ以外は実施例と全く同様に光記録媒体を得た。
【0041】
【化5】
Figure 2004118898
なお、一般式(V)の膜の最大吸収波長は672nmであり、ε>150,000であった。
【0042】
(実施例4)
実施例1の一般式(III)の代わりに下記に示す一般式(VI)を2.4重量%の比率で混合し、それ以外は実施例と全く同様に光記録媒体を得た。
【0043】
【化6】
Figure 2004118898
なお、一般式(V)の膜の最大吸収波長は702nmであり、ε>150,000であった。
【0044】
(比較例1〜3)
表1に示すような組み合わせの色素を用いて、実施例1と全く同様に光記録媒体を形成した。比較例1は一般式(III)の色素を含まないものであり、比較例2は一般式(III)を5.5%、比較例3は一般式(III)を8.5%含んだものである。
【0045】
(比較例4)
表1に示すような組み合わせの色素を用いて、実施例1と全く同様の溝形状の基板を用いたが、LPPb方式のフォーマットであり、該メディアのLPPb信号は最適よりも大きい0.33であった。
【0046】
<記録条件>
この光記録媒体に対して、発振波長658nm、ビーム径1.0μmの半導体レーザー光を用い、トラッキングしながら、それぞれ最適なストラテジで(線速3.5m/sec.)最適記録パワーにて記録し、発振波長658nmの半導体レーザーの連続光(再生パワー0.7mW)で再生し、再生波形を観察した。さらに、発振波長670nmの半導体レーザーでも同様な記録・再生を行なった。
<色素混合比>
【0047】
【表1】
Figure 2004118898
*[ ]内は、色素の重量比
<評価結果>
【0048】
【表2】
Figure 2004118898
【0049】
以上、実施例1〜4、比較例1〜4から明らかなように、長波長色素を本発明量添加することにより記録波長依存性が低減でき、、反射率、Jitterともに良好な信号特性の得られる光記録媒体が提供可能となった。
また、LPP方式での大きめなランドカットサンプル(比較例4)において、ジッタは良好であるにも関わらず、PI Errorが大きく、ランドカットの精密な制御が必要であることが確認された。この点において本発明の高周波ウォブル方式のほうが優れることが明らかとなった。
【0050】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明の光記録媒体は、630〜690nmの波長域のレーザー光で記録、再生が可能で、耐光性、保存安定性に優れたものである。
特に、色素混合することにより、単独色素化合物のみを用いたときに比べ、半導体LDの波長シフトに対する依存性の少ない光記録媒体の提供が可能となった。
更に、DVD−Rで用いているランドプリピットフォーマットよりも簡単に製造可能な高周波ウォブルフォッマットでデータ部の書き足しを効率良く実施でき、しかも現在、大量に製造されているCD−R、DC−RWとほぼ同一フォーマットでの光記録媒体の提供が可能になるという極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体に用いられる、主材色素膜の吸収スペクトルを示す図である。
【図2】本発明における通常の追記型光記録媒体を示した図である。
【図3】本発明におけるCD−R用の光記録媒体構成を示した図である。
【図4】本発明におけるDVD−R用の光記録媒体構成を示した図である。
【符号の説明】
1  基板
2  記録層
3  下引き層
4  保護層
5  ハードコート層
6  金属反射層
7  保護基板
8  接着層

Claims (11)

  1. 基板上に記録層を設けてなる光記録媒体において、該記録層中少なくとも1種、膜の吸収スペクトル最大吸収波長が500〜650nmである有機色素と更に少なくとも1種、膜の吸収スペクトル最大吸収波長が660〜720nmである有機色素を混合してなる記録層であることを特徴とする光記録媒体。
  2. 膜の吸収スペクトル最大吸収波長が660〜720nmである色素の割合が膜の吸収スペクトル最大吸収波長が500〜650nmである色素に対して重量比で0.1〜5%であることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 膜の吸収スペクトル最大吸収波長が660〜720nmである色素の溶液でのモル吸収係数が10万以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒体。
  4. 基板溝に周波数4T〜96Tのウォブルを有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1に記載の光記録媒体。
  5. ウォブル振幅Woとプッシュプル振幅PPとの割合(Wo/PP)が0.1≦Wo/PP≦0.4の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の光記録媒体。
  6. 反射層が必要な場合の反射層が金、銀、アルミニウムもしくはこれらを主成分とした他の金属との合金であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の光記録媒体。
  7. 保護層が必要な場合の保護層が紫外線硬化樹脂であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の光記録媒体。
  8. もう1枚の基板を貼り合わせる構造である場合の接着剤が紫外線硬化樹脂であることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の光記録媒体。
  9. 請求項1乃至8の何れかに記載の光記録媒体を用いた記録再生方法。
  10. 記録波長が630〜690nmであることを特徴とする請求項9に記載の記録再生方法。
  11. 請求項1乃至8の何れかに記載の光記録媒体を搭載したことを特徴とする光記録装置。
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