JP2002307711A - 液体収納容器および記録装置 - Google Patents

液体収納容器および記録装置

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JP2002307711A JP2002028420A JP2002028420A JP2002307711A JP 2002307711 A JP2002307711 A JP 2002307711A JP 2002028420 A JP2002028420 A JP 2002028420A JP 2002028420 A JP2002028420 A JP 2002028420A JP 2002307711 A JP2002307711 A JP 2002307711A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体接続部の接続と情報記憶媒体9の接続と
を有する液体収納容器を、両方の接続部に応力を生じさ
せることなく記録装置本体に接続する。 【解決手段】 情報記憶媒体9は、情報記憶媒体ホルダ
8の接続口8aの内壁上に固定されている。情報記憶媒
体ホルダ8は、情報記憶媒体ホルダ収容部とボトムカバ
ー1によって囲まれる空間内に保持されている。この空
間は、情報記憶媒体ホルダ8をそれに接触することなく
収容できる大きさを有しており、情報記憶媒体ホルダ8
は、この空間内で位置および向きを変えることができ
る。情報記憶媒体ホルダ8が位置および向きを変えるこ
とによって、記録装置本体の流体接続部と情報記憶媒体
の接続部との相対位置および相対的な向きに多少のずれ
があっても、接続部に応力を生じさせることなく両方の
接続を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置のインクタンクなどとして用いられる、記録装置
本体に対して着脱可能な液体収納容器およびそれを装着
可能な記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、記録時に、
インクジェットヘッドに設けられた微細な吐出口からイ
ンク滴を飛翔させ、そのインク滴を記録媒体に着弾させ
ることにより所望の記録を行う記録方式である。
【0003】このインクジェット記録方式により記録を
行うインクジェット記録装置には、インク滴を吐出させ
るインクジェットヘッドが備えられている。インクジェ
ットヘッドに備えられる、吐出口からインクを吐出する
ためのエネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子と
しては、ピエゾ素子などの電気機械変換体や、あるいは
発熱抵抗体を有する電気熱変換素子などが用いられる。
電気機械変換体を用いたインクジェットヘッドでは、イ
ンクに直接物理的な力を加えてインク滴を吐出させる。
電気熱変換素子を用いたインクジェットヘッドでは、液
体を加熱してインク滴を吐出させる。
【0004】このようなインクジェット記録装置におい
ては、最近では、ソフトウェアーおよびコンピュータの
進歩によりカラー画像を出力することが求められてい
る。この状況に応じてインクジェットヘッドもまたカラ
ー画像を形成するのに適した構成のものが製造されるよ
うになってきた。このようなカラー化の状況に加え、画
像出力の高精細化も求められており、インクジェット記
録方式においては、記録密度を高密度化したり、インク
の濃度を変化させたりすることで、より高精細、高画質
な画像記録が実現され、今ではビジネスやコンピュータ
の専門家だけでなく、家庭や小規模オフィスなどのパー
ソナルユーザーにも広く使用されるようになった。
【0005】このようなインクジェット記録装置には、
記録に用いられるインクをインクジェットヘッドに供給
するインク供給系が設けられ、このインク供給系の末端
に、インクを保持するインクタンクが着脱自在に接続さ
れる構成のものがある。従来の交換型のインクタンクに
は、特開平11-348308などに開示されているように、イ
ンクタンク内のインクの情報を記録できる情報記憶媒体
を有するインクタンクが知られている。この情報記憶媒
体にはインクに関する様々な情報が収められており、ま
た、記録装置の使用状況に応じて様々な情報が書き込ま
れ、ユーザーが常に良好な記録出力を得ることができる
ようになっている。
【0006】図28はこの従来例(以下従来例1)の特
徴を示す模式図であり、図28(a)はインクタンク2
00の正面断面図、図28(b)は側面断面図である。
インクタンク200には、記録装置本体(不図示)への
インクタンク207の挿入方向207側の面に、インク
を供給するための流体接続口201が1つ設けられてい
る。この流体接続口201が設けられた面にはさらに、
インクタンク200に備えられた情報記憶媒体204を
記録装置本体側と接続するための接続端子203が設け
られている。接続端子203は、タンク挿入方向(Z方
向207)に平行なXZ平面内に配置されている。そし
て、記録装置本体のインクタンク装着部には、インクタ
ンク200の流体接続口201に対向する位置に1本の
インク供給用の中空針が設けられ、またインクタンク2
00の接続端子203に対向する位置にコネクタが設け
られている。
【0007】インクタンク200を記録装置本体に装着
すると、本体側の中空針は、インクタンク200の流体
接続口201に挿入されてインク流路の接続が行われ
る。また、インクタンク200側の接続端子203と本
体側のコネクタは、両者の接点が接触するように係合さ
れ、電気的な接続が行われる。この際、流体接続口20
1と中空針との接続位置と、接続端子203とコネクタ
との接続位置との相対位置には、通常、製造時の形成位
置精度のために多少のばらつきが生じる。このため、両
者を固定された位置に配置したのでは、接続部位に不要
な応力が加わってしまうなど、良好な接続を行うことが
できない場合がある。そこで、記録装置本体側のコネク
タは、インクタンクの装着面に平行なXY平面内の、直
行する2方向(X方向208、Y方向209)に平行に
移動可能に構成されている。
【0008】別の従来の交換型のインクタンク(以下、
従来例2)として、USP第6074042号明細書に
開示されているインクタンクがある。図29は、この従
来例2の特徴を示す模式図であり、図30(a)はこの
インクタンク300の正面断面図、図30(b)は側面
断面図である。このインクタンク300は、インクタン
ク300内のインクの情報を記録できる情報記憶媒体3
04を有すると共に、インクを外部へ供給するための流
体接続口301、および加圧エアを内部へ送り込むため
の流体接続口302が設けられている。また、情報記憶
媒体304とその電気接続部である複数の接続端子30
3はインクタンク300の挿入方向207に対して直行
するXY平面内に、X方向308に並んで配置されてい
る。そして、記録装置本体のインクタンク装着部には、
インクタンク300の流体接続口301,302に対向
する位置に2本のインク供給用の中空針312が設けら
れ、またインクタンク200の接続端子203に対向す
る位置に記録装置本体側コネクタ311が設けられてい
る(図30参照)。また、インクタンク300の情報記
憶媒体304が設けられた面には、インクタンク300
に備えられた接続端子303と記録装置本体側コネクタ
311とを接続するためのガイド306が設けられてい
る。
【0009】インクタンク300を記録装置本体に装着
すると、本体側の2つの中空針312は、インクタンク
300の流体接続口301,302に挿入されてインク
流路の接続が行われる。また記録装置本体側コネクタ3
11は、インクタンク300側のガイド306に導かれ
て情報記憶媒体304の接続端子303と接触し、電気
的な接続が行われる。この際、流体接続口301,30
2と中空針312との接続位置と、接続端子303と記
録装置本体側コネクタ311との接続位置との相対位置
には、製造時の形成位置精度のために、通常、多少のば
らつきが生じる。このため、両者を固定された位置に配
置したのでは、接続部位に不要な応力が加わってしまう
など、良好な接続を行うことができない場合がある、そ
こで、記録装置本体側コネクタ311は、インクタンク
300の装着面に平行なXY平面内の、直行する2方向
(X方向208、Y方向209)に平行に移動可能に構
成されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
2と同じように流体接続部を2つ設けつつ、接続端子面
をタンク挿入方向(Z方向)に平行な面内に配置したい
場合がある。すなわち、図28の構成において、流体接
続部を2つ設けた、図31に示すような構成のインクタ
ンク400を用いたい場合がある。2つの流体接続部
は、例えば、インクをインクタンク400から記録装置
本体側に供給するための流体接続口201と、インクの
供給に伴うインクタンク内の圧力低下を補うように空気
をインクタンク内に通すための流体接続口202として
設けられる。また、例えば、記録装置本体にインクタン
クを複数並べて装着する場合など、装着スペースの制約
からインクタンクを偏平な形状にするのが有利な場合が
ある。このような場合に接続端子をインクタンクの装着
面に設けるには、接続端子面を装着面に垂直な面内に設
けるのが有利である。これら両者の条件が重なった場合
には、図31に示すような構成のインクタンク400が
用いられることが考えられる。
【0011】このように流体接続部が2つ設けられてい
る場合には、電気的な接続が行われるコネクタ部と合わ
せて、同一面内の3箇所で接続が行われることになる。
このため、コネクタ部をこの面内で直行する2方向に平
行に移動可能にしただけでは、必ずしも良好な接続を行
うことはできない。すなわち、例えば2箇所の流体接続
部の位置を決めてインクタンクを装着すると、その装着
位置は、X方向208およびY方向209の位置が決ま
るだけでなく、XY平面内での回転方向の(Z方向20
7回りの)向きも決まることになる。したがって、コネ
クタ部をX方向208およびY方向209に平行に移動
させてX方向208およびY方向209の位置を合わせ
ることはできても、回転方向の向きを合わせることはで
きず、各接続部に不要な応力がかかってしまう恐れがあ
る。
【0012】このような応力が電気的な接続部に加わっ
た場合には、電気的な接続が不完全になり、接触不良を
引き起こす恐れがある。また、流体接続部に応力が加わ
った場合には、流体接続口と中空針との間に配置される
シール部材に応力が加わることになり、シールが不完全
になってインク漏れを引き起こす恐れがあり、場合によ
っては中空針が曲がってしまう恐れもある。
【0013】またさらに、流体接続口、接続端子、中空
針、コネクタの形成位置のずれとしては、X方向208
およびY方向209のずれだけでなく、X,Y軸回りの
傾きのずれも生じる可能性がある。特に、中空針が延び
る方向がZ方向207から傾いている場合に、インクタ
ンクをZ方向207に真っ直ぐに装着した場合には、シ
ール部材に応力がかかって、流体接続部からインク漏れ
が生じてしまう危惧がある。そこで、このようにならな
いように、インクタンクは、中空針が延びている方向に
合わせて、X,Y軸回りの回転方向にZ軸方向から多少
傾けて装着可能にすることが好ましい。これに対して、
図31の構成では、このようにインクタンクを傾けて装
着した場合には、コネクタ部を良好に接続することがで
きない。
【0014】また、従来例1では、インクタンク200
と記録装置本体側との間の電気的な接続を行うコネクタ
部のうち、記録装置本体側のコネクタの保持部に可動機
能を持たせており、可動機構に故障が生じると記録装置
自体を修理に出さなくてはならなくなり、修理に出して
いる間、記録装置を使用できなくなるなど、ユーザーに
大きな不利益を与える恐れがある。
【0015】また、従来例2のインクタンク300で
は、流体接続口301と302が1つずつ設けられ、記
録装置本体側コネクタ311を導いて電気的な接続を行
うガイド部306と合わせて、同一面内の3箇所で接続
が行われることになる。この3箇所の接続部のうち、2
箇所の流体接続口301および302の位置を決めてイ
ンクタンク300を装着すると、その装着位置は、X方
向208およびY方向209の位置が決まるだけでな
く、全ての回転方向(X方向208、Y方向209、Z
方向207それぞれの軸回りの回転方向)の向きも決ま
る。
【0016】そこで、流体接続口301および302、
複数の接続端子303の群、記録装置本体側の中空針3
12、記録装置本体側コネクタ311の形成位置のずれ
に応じて、X方向208およびY方向209のずれだけ
でなく、X方向208およびY方向209の軸回りの傾
きのずれも生じる可能性がある。これに対して、従来例
2の構成では、記録装置本体側コネクタ311は直行す
る2方向(X方向208およびY方向209)のみに平
行に移動可能に構成されている。このため、図30に示
すように、特に複数の接続端子303が並んでいる方向
(X’方向210)が、記録装置本体側コネクタ311
の並び方向(X方向207)に対して傾いた場合、この
傾きのずれを記録装置本体側コネクタ311の動きによ
って補うことはできず、接続端子303と記録装置本体
側コネクタ311との接触圧にばらつきが生じ、最悪の
場合には接触不良を引き起こす恐れがある。
【0017】また、何らかの理由で流体接続口301お
よび302からインクが漏れ出した場合、従来例2のよ
うに流体接続口301、302と同一面に接続端子30
3が配置されていると、漏れ出したインクを遮るものが
ないため、インクが接続端子303部分まで到達しまう
可能性がある。このようにインクが接続端子303部分
まで到達すると、複数の接続端子303同士がインクを
介して導通し、その結果、インクタンク300の情報記
憶媒体304または記録装置本体が電気的に誤動作し、
また最悪の場合には情報記憶媒体304または記録装置
本体が破壊されてしまう危惧がある。
【0018】また、従来例1と同様に、インクタンク3
00と記録装置本体との間の電気的な接続を行うコネク
タ部のうち、記録装置本体側コネクタ311の保持部に
可動機能を持たせており、可動機構に故障が生じると記
録装置自体を修理に出さなくてはならなくなり、修理に
出している間、記録装置を使用できなくなるなど、ユー
ザーに大きな不利益を与える恐れがある。
【0019】本発明は上記課題を鑑みてなされたもので
あり、本発明の目的は、記録装置本体との流体接続部と
電気接続部を良好に接続することができ、それによって
良好な記録を行うことを可能にする液体収納容器、およ
びその液体収納容器を装着可能な記録装置を提供するこ
とにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
め、本発明による液体収納容器は、記録媒体に記録用液
体を付着させて記録を行う記録装置に着脱可能な液体収
納容器であって、記録用液体を収納する液体収納室と、
記録装置に装着された際に、液体収納室を記録装置の記
録用液体供給系に連通させる流体接続口と、液体収納容
器に関連する情報を含む情報を保持し、かつ記録装置と
の連携によって情報の更新・追加が可能な情報記憶媒体
と、記録装置に装着された際に、記録装置のガイド部と
係合され、情報記憶媒体を記録装置と情報交換可能な位
置に誘導する情報記憶媒体ユニットとを有し、情報記憶
媒体ユニットが、記録装置のガイド部の位置および向き
に合わせて、流体接続口に対して相対的に位置および向
きを変えることができることを特徴とする。
【0021】この構成によれば、記録装置本体の、流体
接続口との接続部とガイド部との相対位置に多少のずれ
があっても、情報記憶媒体ユニットが流体接続口に対し
て相対的に位置を変えることにより、流体接続口と情報
記憶媒体ユニットとの両者が、記録装置のそれぞれの接
続部に合った位置に配置されるようにできる。したがっ
て、流体接続と情報記憶媒体の接続とを、両接続部に不
要な応力を生じさせることなく良好に行うことができ
る。特に、本発明の液体収納容器では、情報記憶媒体ユ
ニットがその向きも変えることができるので、記録装置
本体の、流体接続口との接続部とガイド部との相対的な
向きに多少のずれがあっても、流体接続口と情報記憶媒
体ユニットとの両者が、記録装置のそれぞれの接続部に
合った向きを向くようにできる。
【0022】また、接続部を可動にする可動機構を液体
収納容器側に設けているので、可動機構に万一故障が生
じても、記録装置本体を修理に出さなくても済み、ユー
ザーが被る不利益を低減できる。
【0023】本発明において情報記憶媒体と記録装置本
体側との接続は、両者が情報交換可能な状態にすること
を意味している。情報記憶媒体と記録装置本体は、無線
通信用のアンテナを介して、すなわち非接触で情報交換
する構成としてもよいし、両者にもうけられた接点部同
士を互いに接触させることによって情報交換する構成に
してもよい。前者の場合、情報記憶媒体ユニットをガイ
ド部に合わせて所定の位置、向きにすることによって、
情報記憶媒体ユニットと記録装置本体との位置関係を、
最も効率良く通信できる位置関係にすることができる。
それによって、両者の通信に必要なアンテナをコンパク
トにすることができ、したがって液体収納容器と記録装
置本体のサイズをコンパクトにすることができる。ま
た、後者の場合には、接点同士を良好に接触させること
ができる。
【0024】情報記憶媒体ユニットが位置および向きを
変えることができるようにするための構成としては、記
録装置のガイド部との接続方向に情報記憶媒体接続部開
口を有しており、情報記憶媒体ユニットをそれに接触す
ることなく収容できる大きさの内部空間を有する情報記
憶媒体ユニット収容部を有し、情報記憶媒体ユニットが
情報記憶媒体ユニット収容部内にその中で自由に動ける
ように収容されている構成とすることができる。
【0025】このように構成することで、情報記憶媒体
ユニットは、その位置および向きを、情報記憶媒体ユニ
ット収容部の内部空間の大きさに応じた所定の範囲で変
えることができる。特に、情報記憶媒体ユニットは、記
録装置のガイド部との接続方向(Z方向)に垂直な面内
の軸(X,Y軸)回りの回転(θXY方向の回転)を
含む、あらゆる方向の回転を行って向きを変えることが
できる。
【0026】さらにこの構成では、情報記憶媒体ユニッ
トの外面と情報記憶媒体ユニット収容部の内面に、両者
間で互いに当接して情報報記憶媒体ユニットの移動範囲
を規制する凸部または凹部を設けることが好ましい。こ
のようにすることで、情報記憶媒体ユニットの移動範囲
を適正に規制することができ、また、移動時に接触する
部分の面積を小さく抑えて、情報記憶媒体ユニットがス
ムースに動くようにできる。
【0027】またこの構成では、少なくとも情報記憶媒
体ユニット収容部の、情報記憶媒体接続部開口が開口さ
れた面を構成するガード部材を設け、このガード部材は
弾性変形可能な接続爪を介して取り付けた構成とするこ
とが好ましい。このようにすることによって、液体収納
容器をインクジェット記録装置に装着していない時に、
誤って床などに落とすなどして、情報記憶媒体付近に衝
撃が加わった場合、ガード部材によって、特にその接続
爪の弾性変形によって衝撃を吸収することができ、情報
記憶媒体に加わる衝撃を緩和することができる。それに
よって、情報記録媒体に破壊などの悪影響が生じること
を防止できる。
【0028】情報記憶媒体ユニットが位置および向きを
変えることができるようにするためのさらに具体的な構
成として、情報記憶媒体ユニットは、接続口が開口して
おり、接続口の周りに、その開口方向に突き出ている接
続口縁部を有する情報記憶媒体ホルダと、接続口内に固
定された、記録装置との情報交換手段を備える情報記憶
媒体とから構成できる。そして、情報記憶媒体ホルダを
接続口縁部が情報記憶媒体接続部開口から露出するよう
に情報記憶媒体ユニット収容部内に収容し、その移動範
囲を、接続口縁部と情報記憶媒体接続部開口の縁との間
に所定量以上の隙間ができ、かつ接続口縁部が形成され
た面と情報記憶媒体ユニット収容部の内壁との間に所定
量以上の隙間ができる範囲に規制することができる。こ
の構成では、万一、情報記憶媒体ユニット収容部外の流
体接続口で記録用液体のもれが発生したとしても、情報
記憶媒体ユニット収容部の方に流れてきた記録用液体
は、情報記憶媒体ユニット収容部の壁に沿って流れる傾
向があるので、その壁から所定量以上の距離離れて保持
された情報記憶媒体ホルダには流れて行きにくい。そこ
で、記録用液体との接触によって情報記憶媒体に電気的
な不良が発生するのを防止できる。
【0029】さらに、情報記憶媒体接続部開口の縁に、
記録用液体を毛細管力によって導くことができる毛管溝
を設けることによって、記録用液体がより確実に情報記
憶媒体ユニット収容部の内壁に沿って流れるようにし
て、情報記憶媒体の電気的な不良の発生を低減すること
ができる。
【0030】また、本発明において、情報記憶媒体ユニ
ットと、記録装置のガイド部とは、一方に形成された凸
部が一方に形成された凹部内に挿入されることで係合し
て情報記録媒体ユニットが所定の位置および向きに導か
れる構成とすることができる。この際、この凸部に凹部
内への挿入方向に向って先細になっているテーパ部を設
け、凹部には凸部の挿入方向に向って狭くなっているテ
ーパ部を設けることで、この接続方向に液体収納容器を
移動させて装着する簡単な装着操作で、情報記憶媒体ユ
ニットと記録装置のガイド部とがほぼ対向する状態で両
者が押し付けられるようにし、情報記憶媒体ユニットと
記録装置のガイド部とが良好に係合するようにできる。
すなわち、情報記憶媒体ユニットと記録装置のガイド部
との位置および向きに多少のずれがあっても、情報記憶
媒体ユニットが記録装置のガイド部の位置および向きに
合わせて移動して、両者は良好に係合する。
【0031】また、情報記憶媒体接続部開口は、液体収
納容器の、流体接続口と同一の外面上に設けてもよい。
このようにすることで、液体収納容器を流体接続口と情
報記憶媒体接続部開口とが形成された面の方向に向って
移動させて記録装置に装着する簡単な装着操作によっ
て、流体接続口と情報記憶媒体ユニットとの両者が記録
装置に接続されるようにできる。
【0032】本発明は、特に、流体接続口が2個または
それ以上設けられている液体収納容器に好適に適用でき
る。すなわち、流体接続口を2個以上有する液体収納容
器では、流体接続口を接続することで、液体収納容器の
位置だけでなく、向きも決まることになる。これに対し
て本発明によれば、情報記憶媒体ユニットは位置だけで
なく向きも変えることができるので、2個の流体接続口
の接続と情報記憶媒体ユニットの接続とを無理なく、良
好に行うことができる。
【0033】2個の流体接続口を設け、流体接続口と情
報記憶媒体接続部開口とを液体収納容器の同一外面上に
設ける場合には、この外面上において2個の流体接続口
を隣接してこの外面の一端側に配置し、情報記憶媒体接
続部開口はこの外面の他端側に配置することが好まし
い。このようにすることで、万一流体接続口からの記録
用液体の漏れが発生したとしても、漏れ出したインクが
情報記憶媒体ユニット部に到達しにくくし、情報記憶媒
体の電気的な不良が生じるのを防止できる。
【0034】2個の流体接続口を設けることで、一方を
記録装置への記録用液体の供給に用い、もう一方を液体
収納室内への流体の導入に用いることができる。そし
て、記録用液体の導出に伴う液体収納室内の圧力低下を
実質的に相殺するように液体収納室内に流体を導入する
構成にできる。このようにすることで、液体収納室内の
圧力を一定に保ち、常にほぼ一定の圧力条件で記録用液
体を供給することができる。この際、液体収納室内へ導
入する流体は、液体であっても空気、特に大気であって
もよい。また特に、液体収納室内に、それに収納されて
いる記録用液体と同質の液体を導入する構成としてもよ
い。
【0035】本発明は、もちろん、従来例1にあげた、
流体接続口が1つの構成に適用することも効果的である
が、前述のように2個またはそれ以上の流体接続口を有
する液体収納容器に特に好適に適用できる。この2個以
上の流体接続口を有する液体収納容器は、前述のように
一定の圧力条件で記録用液体を供給する液体収納容器と
することができる。そこで、本発明の液体収納容器は、
一定の圧力条件で記録用液体を供給することが特に好ま
しい、記録媒体に記録用液体を吐出して付着させるイン
クジェット記録装置に好適に用いることができる。
【0036】本発明による記録装置は、以上のような液
体収納容器を装着可能に構成されている。この記録装置
は、液体収納容器を装着する際に、それを適正な装着位
置に導くガイド機構を有し、ガイド機構は、液体収納容
器の装着位置および向きを所定の範囲内で変化させるこ
とが可能であることが好ましい。この構成によれば、液
体収納容器の装着位置および向きを変化させることで、
流体接続口の位置を記録装置側の接続部に合わせて調整
し、流体接続口に不要な応力が生じないように良好に流
体接続を行うことができる。そして、情報記憶媒体ユニ
ットは、このように装着位置および向きを調整した状態
で液体収納容器を装着しても、それに応じて位置および
向きを変えることができ、記録装置側の電気接続部に、
不要な応力を生じさせることなく良好に接続可能であ
る。
【0037】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例について、
図面を参照して詳細に説明する。
【0038】『インクタンク(液体収納容器)の全体構
成』まず、インクタンク50の全体構成について図1,
2を参照して説明する。図1は本発明を適用した実施例
のインクタンク50を流体接続口11,12側を上にし
て見た斜視図であり、図2はこのインクタンク50の分
解斜視図である。なお、このインクタンクは、流体接続
口11,12側を下に向けた状態で記録装置に装着さ
れ、すなわち流体接続口11,12側が底部6bであ
る。
【0039】インクタンク50はインク容器6と蓋7を
有しており、インク容器6の上面6aに蓋7が超音波溶
着によって気密性を有するように接合されて、インク収
納室523(図3参照)が形成されており、この中にイ
ンク(吐出用液体)が収納される。インク容器6の、蓋
7が接合されている面の反対側の面、すなわち底部6b
には、その面から突出するように、流体接続口案内部6
cと情報記憶媒体ホルダ収容部6dが設けられている。
そして、これらを覆うようにボトムカバー1が取り付け
られている。ボトムカバー1には、流体接続口案内部6
cに対向する位置に流体接続部開口1aが設けられ、情
報記憶媒体ホルダ収容部6dに対向する位置に情報記憶
媒体接続部開口1bが設けられている。
【0040】流体接続口案内部6cには、それを貫通し
てインク収納室523内に通じている第1の流体接続口
11と第2の流体接続口12の2つの流体接続口が開口
されている。この流体接続口11,12の内部には弾性
部材5が挿入され、その外側に各流体接続口11,12
に対応する位置に開口を有する固定部材4が設けられ、
それが超音波溶着によって溶着され弾性部材5を押圧し
固定されている。それによって、弾性部材5は各流体接
続口11,12内に圧縮固定され、流体接続口11,1
2を気密性を有するように塞いでいる。そして、流体接
続口11,12に本体側の中空針が挿入されるまでは、
この弾性部材5と蓋7とによってインク収納室523内
は気密に保たれる。
【0041】本発明の特徴部である情報記憶媒体9の接
続部は、2つ流体接続口11,12が設けられているの
と同一方向の面、すなわち底部6bに設けられている。
情報記憶媒体9は、情報記憶媒体ホルダ8の、本体側の
突起状のコネクタ550(図5など参照)と嵌合する接
続口8aの内面上に両面テープ10で位置決め固定され
ている。この情報記憶媒体ホルダ8と、それに固定され
た情報記憶媒体9とによって情報記憶媒体ユニットが構
成されている。また、コネクタ550は、情報記憶媒体
ホルダ8と係合して、それを所定の位置および向きにす
るガイド部としての機能を有している。情報記憶媒体9
が組み込まれた情報記憶媒体ホルダ8は、情報記憶媒体
ホルダ収容部6dに開口されている凹部101内に挿入
されている。そして、情報記憶媒体ホルダ8は、ボトム
カバー1を被せることで、脱落しないように、情報記憶
媒体ホルダ収容部6dとボトムカバー1とによって形成
されている情報記憶媒体ユニット収容部内に保持されて
いる。
【0042】この際、情報記憶媒体ホルダ8は、凹部1
01とボトムカバー1によって囲まれる空間内で、位置
および向きを所定の範囲内で変えることができるよう
に、周りに隙間が取られて保持されている。このため、
情報記憶媒体ホルダ8は、情報記憶媒体9に接続される
本体側のコネクタの、情報記憶媒体ホルダ8に対する相
対位置に応じて、本体側のコネクタと情報記憶媒体9と
が良好に接続されるように位置および向きを変えること
ができる。本明細書では、このような記憶媒体ホルダ8
の動作を「イコライズ」、保持状態を「フロート」と称
する。この記憶媒体ホルダ8のイコライズ動作、および
イコライズ動作を可能にする、記憶媒体ホルダ8のフロ
ート状態での保持については、後でより詳細に説明す
る。
【0043】流体接続口案内部6cと情報記憶媒体ホル
ダ収容部6dは、インク容器6の底部6bに、互いに間
隔を置いた位置に別々に形成されている。そして、情報
記憶媒体ホルダ8が納められる凹部101は、下方に向
かってのみ開口している。このような構成とすることに
よって、流体接続口11,12の弾性部材5周辺に破損
が生じるなどして、万一インクが漏れ出して、インク容
器6の底部6bを伝わって流れたとしても、凹部101
内には進入しにくくなっている。
【0044】また、情報記憶媒体ホルダ8の前述のフロ
ート状態での保持では、情報記憶媒体ホルダ8の移動範
囲は、情報記憶媒体ホルダ8の接続口8aの周りの、そ
の開口面から突出するように形成された接続口縁部8e
が、ボトムカバー1の情報記憶媒体開口1bの縁に接触
しない範囲に規制されている。そして、ボトムカバー1
の情報記憶媒体接続部開口1bの縁には、開口方向に沿
って毛管溝1cが形成されている。このような構成とす
ることによって、万一インクが漏れ出し、インクタンク
50の底面を伝わって情報記憶媒体9の方に流れてきた
としても、このインクが毛管溝1cの毛管力によって、
情報記憶媒体ホルダ8と情報記憶媒体ホルダ収容部6d
との間の空間に呼び込まれるようにして、情報記憶媒体
ホルダ8の接続口8a内には入りにくいようにできる。
【0045】このように本実施例のインクタンクは、万
一インクが漏れ出したとしても、インクが情報記憶媒体
9に到達しにくいように構成されており、これによっ
て、インクを介したショートなどの電気的な不良の発生
を防止している。この構成は、さらにまた、インクタン
ク50を記録装置本体から取り外した際に、流体接続口
11,12付近に付着したインクによって電気的な不良
が発生することを防止する効果も発揮する。特に、イン
クタンク50を取り外した後、インクタンク50の底部
を上に向けたとしても、前述のように、インクタンク5
0の底部を伝わって情報記憶媒体9側に流れてくるイン
クは、情報記憶媒体ホルダ8と情報記憶媒体ホルダ6d
との間の空間に呼びこまれるので、情報記憶媒体9には
インクが接触しにくい。
【0046】『インク供給システム(記録用液体供給
系)』次に、本実施例のインクタンク50が接続される
インクジェット記録装置のインク供給システムの一例に
ついて図3を参照して説明する。図3は、記録媒体にイ
ンクを飛翔させて記録を行うインクジェットヘッド52
4に接続され、それにインクを供給するインク供給シス
テム全体の概略構成図である。
【0047】インクジェットヘッド524はインク供給
管526を介してインクタンク50と流体接続されてい
る。インク供給管526のインクタンク50側の先端
は、インク供給ユニット525のバッファ室530に接
続されている。インク供給ユニット525には、バッフ
ァ室530に連通する中空のインク供給針528が設け
られている。このインク供給針528はインクタンク5
0の第1の流体接続口11内に配された弾性部材5を貫
通しインク収納室523内に延びており、先端付近に開
口している針穴を通してインク収納室内523のインク
を流通させることができるようになっている。この際、
弾性部材5は前述のように圧縮固定されているので、貫
通したインク供給針528の外周を押圧しインク供給針
528の周囲を気密に保持しインクの漏れ出しを防止し
ている。
【0048】また、インク供給ユニット525には、バ
ッファ室530に連通する空気導入針529が設けられ
ている。この空気導入針529は、前述のインク供給針
528と同様に、インクタンク50の第2の流体接続口
12に貫通している。バッファ室530には、その上部
からインク供給ユニット525の外部に連通するバッフ
ァ室空気連通部527が設けられている。空気導入針5
29はバッファ室530の高さ方向の中ほどまで延びて
おり、インク供給針528は空気導入針529よりも下
方まで延びている。定常状態では、バッファ室530内
には、空気導入針529の下端の位置までインクが満た
され、上方にバッファ空間が生じた状態になっている。
【0049】本実施例では、インクタンク50のインク
収納室523内には、インクタンク50をインク供給ユ
ニット525にセットした状態で、インク収納室523
内に延びる空気導入針529の側方を囲む円筒状部6e
が設けられている。この際、空気導入針529の針穴か
ら導入される空気は、インク収納室523内で気泡を形
成するので、この気泡が円筒状部6e内で滞留すること
がないように、空気導入針529の径と円筒状部6eの
内径との間には十分なクリアランスが設けられている。
【0050】円筒状部6eは、挿入されている空気導入
針529の上端よりも上方まで延びている。そして、イ
ンク供給針528と空気導入針529は導電性の材料か
らなっており、インク供給針526と空気導入針529
との間の電気抵抗の変化からインクタンク50内のイン
クの残量が一定量以下になったことを検知できるように
なっている。すなわち、インクが消費されて、インクの
液面が円筒状部6eよりも低くなった場合には、インク
供給針528と空気導入針529との間ではインクを介
して電気が流れなくなるので、これを検知することで、
インクの残量が少なくなったことを検知できる。
【0051】この検知を良好に行えるようにするため
に、円筒状部6eの上端部には、インクの液面が上端部
よりやや上にある状態から液面か低下するのに伴い、す
みやかに円筒状部6e内外のインクが分断されるように
するための面取りがなされている。本実施例では、円筒
状部6eの高さは、インクタンク50のインク残量が1
0%未満となった時にそのことを検知できる高さに設定
されている。
【0052】なお、この円筒状部6eは、顔料インクの
沈降状態を復帰させるためにインク収納室523内のイ
ンクに流れを生じさせる攪拌促進構造を有していてもよ
い。また、インク供給針528が挿入されている部分
に、同様の円筒状部を設け、その開口にフィルタを配し
て、インク収納室523から導出するインクがフィルタ
を通過するように構成してもよい。このフィルタとして
は、タンクに用いられている材料と同材質の繊維体、繊
維シート、発泡体、ビーズ成形体、溶解脱孔体などを適
宜選択して使用できる。
【0053】以上、本発明におけるインクタンクの構成
例として、2つの流体接続口を有するインクタンクにつ
いて、内部構成例や動作例を説明してきたが、本発明
は、流体接続口の数や内部構成などについて、この構成
に限られるものではない。すなわち、例えば、従来例2
として前述した、USP第6074042号明細書に記
載されているインクタンクのように、容器内部に、イン
クを収容する可撓性の袋を有し、その袋の内部と外部と
にそれぞれ連通するように2つの流体接続口を設けた構
成などであってもよい。
【0054】次に、インク供給動作の概略について説明
する。
【0055】インクジェットヘッド524はインク吐出
口面524aからインクを吐出し、記録媒体に記録を行
う。すると、吐出された分のインクを補うようにインク
がインク供給管526を介してインクタンク50からイ
ンクジェットヘッド524へ供給される。インクの供給
に伴ってインクタンク50内のインクが減るとインクタ
ンク50内の圧力が低下する。すると、バッファ室空気
連通部527を通じて空気導入針529から空気がイン
クタンク50内へ導入される。
【0056】ここで、インクジェット記録装置において
は、インクジェットヘッドに対して供給されるインクが
負圧に保持されている必要があることが知られている。
本実施例のインク供給システムの場合は、空気導入針5
29の下端に位置する、気泡をタンク内へ導入する点5
29aがインクジェットヘッド524の吐出口面524
aより下に配置されており、この点529aと吐出口面
524aの高さの差(水頭差)hが常に負圧としてイン
クジェットヘッド524に働く構成となっている。すな
わち、インクタンク50内のインクの液面の高さにかか
わらず常にほぼ一定の負圧hがインクジェットヘッド5
24に働く構成となっている。
【0057】次に、温度、気圧などの環境変化によりタ
ンク内の空気が膨張収縮した場合について説明する。空
気の膨張時にはインクが空気導入管529を介してバッ
ファ室530内に押し出されるが、バッファ室530
は、想定される環境変化が生じてもインクがバッファ室
から溢れないように、十分な容積を有している。また万
一多少のインクが溢れても、このインクは、バッファ室
空気連通部527の先に設けられている廃インク吸収体
(不図示)に吸収され、記録装置内の他の部分をインク
で汚すことはない。一方、収縮時には空気が空気導入管
527を介してインクタンク50内へ導入される。
【0058】なお、本実施例では、インクの供給に伴う
インク収納室523内の圧力低下を補うのに、空気導入
針529から空気を導入する構成を示したが、第2の流
体接続口12に一定の圧力条件で液体を供給するシステ
ムを接続して、圧力低下を補うのに液体を供給するよう
にしてもよい。この液体は、特に、インク収納室523
内に収納されているのと同じ種類のインクであってもよ
い。
【0059】『情報記憶媒体』次に、本実施形態におい
てインクタンク50に備えられる情報記憶媒体9(図
1,2など参照)について説明する。この情報記憶媒体
9は、インクタンク50がインクジェット記録装置に装
着された状態で、インクジェット記録装置との間で情報
交換を行うことが可能である。情報記憶媒体9とインク
ジェット記録装置との間で交換される情報は、例えば、
インクの使用期限、インクタンク50内のインク量、イ
ンクの色などである。このような情報の交換を行うこと
で、使用期限切れ、またはインク切れのアラームを出し
てユーザーにインクタンクの交換を促すなどすることが
できる。それによってインクの変色や増粘によって記録
画像に影響が生じるのを防止したり、またインクが空の
状態で記録動作を行ったり、違う色のインクを保持する
インクタンクを誤装着した状態で記録動作を行ったりし
て、記録不良が発生するのを防止したりなどの処理を行
うことができる。このようにすることによって、常に良
好に記録動作を行えるようにし、高品位な画像出力が得
られるようにできる。
【0060】情報記憶媒体9としては、磁気、光磁気、
電気、メカなど各種の情報取得手段により識別情報が得
られる媒体であれば、フラッシュメモリやライトアット
ワンス的な磁気媒体など、そのようなものを用いてもよ
い。本実施例のインクタンク50では、タンク識別情報
の保持、記録装置本体側からの情報の読み込みに加え
て、記録装置本体側からの記憶情報の追加、あるいは記
憶情報の変更・削除などが可能な媒体として、電気的な
書き込み消去処理が可能なEEPROM9bが用いられている
(図2参照)。このEEPROM9bは、記録装置本体側に固
定されたコネクタ550に設けられた接点部(不図示)
と接触して電気的に接続される接点部9aを有するプリ
ント配線基板上に搭載され、これらが一体となって情報
記憶媒体9が構成されている。この構成では、情報記憶
媒体9は、電気的に接続することによって記録装置本体
との間で情報交換可能になり、すなわちコネクタ550
に設けられた接点部と、情報記憶媒体9に設けられた接
点部9aが情報交換手段を構成している。
【0061】このような接点部9aを有する接触式の情
報記憶媒体9では、記録装置本体への接続のたびにコネ
クタ550の接点部と情報記憶媒体9の接点部9aが擦
れ合い磨耗する。このような磨耗を避けることができる
ように、情報記憶媒体9として、無線を利用して起電お
よび通信が可能な、すなわち非接触式の情報記憶媒体を
用いてもよい。この場合には、情報交換手段として、情
報記憶媒体9側と、記録装置本体側に無線通信用のアン
テナが設けられる。
【0062】『装着説明』図4〜8参照して、本発明の
インクタンクをインクジェット記録装置に装着する過程
について説明する。図4は、本発明を適用したインクタ
ンクの外観図であり、図4(a)は側面図、図4(b)
は流体接続口11,12側から見た平面図である。図5
〜8は、(a)が図4のA−A線に沿った断面図、
(b)が図4のB−B線に沿った断面図であり、インク
ダンク50を装着する各段階での状態を示している。
【0063】インクタンク50は、不図示のインクジェ
ット記録装置のインクタンク装着部に上方から下方に向
かって挿入されて装着される。記録装置本体側には、例
えばインクタンク50の側面の一部を当接させた状態で
インクタンク50をスライドさせるようにして所定の位
置に装着できるようにするためのガイドレールなどのガ
イド機構が通常設けられている。
【0064】本実施例では、このようなガイド機構は、
インクタンク50を、その位置および向きを多少変化さ
せた状態で、特に鉛直方向から多少傾けた状態でも保持
できるように構成されていることが好ましい。このよう
にするには、例えば、インクタンク50を挟み込む位置
に配置されたガイド部材の間隔を多少大き目にしておけ
ばよい。このようにインクタンク50の装着位置および
向きを変えられるように構成することで、例えば、空気
導入針529やインク供給針528が延びている方向が
鉛直方向から多少ずれているなどしても、装着位置や向
きを調整することによって、空気導入針529やインク
供給針528が流体接続口11,12内に真っ直ぐ入る
ようにできる。そうすることで、弾性部材5に不要な応
力が加わらないようにでき、インク漏れを生じさせるこ
となく、良好に接続を行うことができる。
【0065】このような本体側のガイド機構に沿ってイ
ンクタンク50を装着していくと、インクタンク50
は、図5に示すように、情報記憶媒体ホルダ8が本体側
のコネクタ550に対向し、第1の流体接続口11が本
体側のインク供給針528に対向し、第2の流体接続口
12が本体側の空気導入針529に対向する位置に導か
れる。コネクタ550は、情報記憶媒体ホルダ8の接続
口8aと嵌合する突起状の形状を有しており、図5に示
すように直立した姿勢で固定されている。コネクタ55
0の側面には、情報記憶媒体9の接点部9aと接触して
電気的な接続を行う電気接点551が突き出ている。電
気接点551は、弾性的に突き出し量を変化させること
ができるように構成されており、情報記憶媒体ホルダ8
内にコネクタ550が挿入されると、適切な押圧力で接
点部9aに当接し、良好に電気接続される。
【0066】なお、図5には、記録装置本体側の構成
は、コネクタ550、空気導入針529、インク供給針
528のみを示しているが、空気導入針529、インク
供給針528は前述のようにインク供給ユニット525
に接続されており、コネクタ550は、記録装置の制御
回路に接続されており、これらの図示は省略している。
【0067】図5に示す状態から、インクタンク50を
さらに下方に向って装着していくと、図6に示すように
インク供給針528と空気導入針529が流体接続口1
1,12の開口から挿入され、内部の弾性部材5に進入
していく。ここで、インク供給針528と空気導入針5
29の先端は先細になっており、流体接続口11,12
の入口には、中の方ほど穴が狭くなるように傾斜したテ
ーパ部11a,12aが形成されている。そこで、イン
ク供給針528と空気導入針529が流体接続口11,
12内に挿入される際に、両者の位置にずれがある場合
には、インク供給針528および空気導入針529の傾
斜した側面がテーパ部11a,12bに当接することに
よって、インクタンク50に水平方向に力が加わる。こ
れによって、インクタンク50は、インク供給針528
および空気導入針529と流体接続口11,12との位
置が合うように位置調整される。
【0068】ここで、本実施例では、インク供給針52
8および空気導入針529と流体接続口11,12とに
よって、2個所の接続位置が決まる。そこで、水平方向
の位置調整では、インクタンク50が単に水平方向に平
行移動されるだけでなく、水平面内で回転移動もされれ
る。
【0069】そして、インク供給針528および空気導
入針529が流体接続口11,12内にある程度進入す
ると、今度は、コネクタ550の先端が情報記憶媒体ホ
ルダ8の接続口8aに接触する。ここで、コネクタ55
0の先端には、先細になったテーパ部550aが形成さ
れており、また情報記憶媒体ホルダ8の接続口8aの入
口には、中の方ほど穴が狭くなるように傾斜したテーパ
部8bが形成されている。そこで、コネクタ550と情
報記憶媒体ホルダ8の位置にずれがある場合には、テー
パ部550aとテ−パ部8bとが当接することにより、
情報記憶媒体ホルダ8に水平方向に力が加わる。情報記
憶媒体ホルダ8は、前述のように情報記憶媒体ホルダ収
容部6dの凹部101内で移動できるようになってお
り、水平方向に加わる力によって、接続口8aとコネク
タ550の位置が合うように位置調整される。ここで、
情報記憶媒体ホルダ8は、単に平行移動されるだけでな
く、水平面内で回転移動もされる。
【0070】そして、さらにインクタンク50を下方に
むかって装着していくと、図7に示すように、インク供
給針528と空気導入針529が流体接続口11,12
内にさらに進入していく。これに伴い、針528,52
9の側面が流体接続口11,12の側面に当接すること
によって、インクタンク50の向きが、針528,52
9が真っ直ぐに流体接続口11,12内に進入するよう
に調整される。
【0071】そして、さらにインクタンク50を下方に
むかって装着していくと、コネクタ550も情報記憶媒
体ホルダ8の接続口8a内に進入していき、今度は、コ
ネクタ550の側面が接続口8aの側面に当接する。こ
れによって、情報記憶媒体ホルダ8の向きが、コネクタ
550が接続口8a内に真っ直ぐに入るように調整され
る。
【0072】インクタンク50を下方に向ってさらに装
着していき、コネクタ550が接続口8a内にさらに進
入すると、コネクタ550の電気接点551が情報記憶
媒体ホルダ8の側面に当接して引っ込む。そして、図8
に示す状態まで進入させると、電気接点551は情報記
憶媒体9の電気接点551に、前述のように適切な押圧
力で当接し、情報記憶媒体9が記録装置本体側と電気的
に接続される。
【0073】このように本実施例では、インクタンク5
0の装着位置および装着の向きは、インク供給針528
と空気導入針529に合わせて、それらが流体接続口1
1,12内に真っ直ぐに入るように調整される。一方、
情報記憶媒体ホルダ8は、コネクタ550が情報記憶媒
体ホルダ8の接続口8a内に真っ直ぐに入るように位置
および向きを変える、すなわちイコライズする。この
際、情報記憶媒体ホルダ8は、インクタンク50の他の
部分、特に流体接続口11,12に対して、その位置お
よび向きを相対的に変えることができるように構成され
ているため、イコライズ動作は、インクタンク50の位
置および向きを変えることなく、したがって、流体接続
部に不要な応力を生じさせることなく行われる。
【0074】以上のように、本実施例によれば、流体接
続を、その接続部に不要な応力を生じさせることなく行
い、同時に電気接続も良好に行うことができる。
【0075】また、情報記憶媒体9として、前述のよう
な非接触方式のものを用いる場合にも本実施例の構成を
適用することは好ましい。非接触方式の情報記憶媒体を
用いる場合、非接触方式であるとはいっても、無条件に
距離、方向を設定できるわけではない。すなわち、より
長い距離間で通信を行ったり、方向に関係無く通信を行
ったりする場合には、情報記憶媒体9および記録装置本
体の双方のアンテナをより長く、またはアンテナの面積
をより大きくしなければならず、双方のサイズが大きく
なってしまう。
【0076】そこで、本実施例では、このような非接触
方式の情報記憶媒体9を用いる場合、情報記憶媒体ホル
ダ8と係合するガイド部を記録装置本体側に設ける。そ
して、インクタンクを装着する際、情報記憶媒体ホルダ
8を記録装置本体側のガイドに合わせてイコライズさせ
ることによって、情報記憶媒体側のアンテナと記録装置
本体側側のアンテナとの間の相対的な距離および向きを
精度良く所定の距離および向きにすることができる。し
たがって、情報記憶媒体側のアンテナと記録装置本体側
のアンテナとの相対的な位置を両者の間で最も効率的に
通信を行うことができる位置に精度良く合わせることが
できる。このため、本実施例の構成によれば、小型のア
ンテナを用いても良好に通信可能にすることができ、情
報記憶媒体9および記録装置本体のサイズをコンパクト
にすることが可能になる。
【0077】『情報記憶媒体ホルダのフロートの説明』
次に図9〜21を参照して情報記憶媒体ホルダのフロー
ト状態での保持について説明する。図9はインクタンク
50の分解斜視図、図10〜21はインクタンク50の
断面図を、情報記憶媒体ホルダ8の周辺部について拡大
して示している。図10〜13は、情報記憶媒体ホルダ
収容部6dの中央付近で、図9に示す座標のXZ平面に
沿って断面した図である。図14〜19は、図9に示す
座標のXY平面に沿って断面した、底部側から見た図で
ある。図20,21は、図9に示す座標のYZ平面に沿
って断面した、情報記憶媒体ホルダ収容部6dがある側
から見た図である。
【0078】情報記憶媒体9が両面テープで接続口8a
内に保持された情報記憶媒体ホルダ8は、前述のよう
に、インク容器6の底部6bに形成されている情報記憶
媒体ホルダ収容部6dとボトムカバー1とによって囲ま
れて保持されている。情報記憶媒体ホルダ8が、X方
向、Y方向、Z方向に所定量の範囲内で移動できるよう
に、およびX軸、Y軸、Z軸周りに所定量の範囲内で回
転できるように、情報記憶媒体ホルダ収容部6dとボト
ムカバー1とによって囲まれる空間は、全周にわたっ
て、情報記憶媒体ホルダ8よりも大きくとられている。
【0079】本実施例では、情報記憶媒体ホルダ8が記
録装置本体側のコネクタ550と当接することによって
加わる力でスムースにイコライズできるようにするため
に、情報記憶媒体ホルダ8が情報記憶媒体ホルダ収容部
6dおよびボトムカバー1と接触する面積が、あまり大
きくならないように構成されている。すなわち、接触面
積を小さくすることで、情報記憶媒体ホルダ8は、接触
部での摩擦力があまり加わらなくなるのでスムースに動
くことができる。このように接触面積を小さくし、かつ
情報記憶媒体ホルダ8の移動範囲を適正に規制するため
に、情報記憶媒体ホルダ8と情報記憶媒体ホルダ収容部
6dとボトムカバー1には、凸部や凹部が形成されてい
る。
【0080】情報記憶媒体ホルダ8の接続口8aの周り
には、Z方向に突き出ている接続口縁部8eが形成され
ている。接続口縁部8eのX方向の両側には、縁部8e
より少し低くなっており、平らになっている肩部8cが
形成されている。情報記憶媒体ホルダ8のX方向の両側
面には、矩形の凹部8dが形成されている。この凹部8
dは、接続口8aが開口された面の反対側の面に貫通し
ている。
【0081】情報記憶媒体ホルダ収容部6dの凹部10
1内には、そのX方向の両側面上にそれぞれ2つづつの
リブ102,103とリブ104,105が形成されて
いる。これらのリブ102,103とリブ104,10
5は、 Z方向に凹部101の底部まで延びており、 X
方向に突き出て情報記憶媒体ホルダ8の凹部8d内まで
延びている。すなわち、情報記憶媒体ホルダ8は、それ
を情報記憶媒体ホルダ収容部6dの凹部101内に収容
する際には、リブ102,103,104,105を凹
部8d内に、そのZ方向の開口から通すようにして挿入
される。
【0082】ボトムカバー1の内面には、情報記憶媒体
接続部開口1bの周りの位置で、情報記憶媒体ホルダ8
の肩部8cに面する位置に、Z方向に突出する4つの突
起21,22,23,24が形成されている。なお、突
起24は、図では見えていない。
【0083】次に、情報記憶媒体ホルダ8の動作範囲に
ついて説明する。
【0084】まずZ方向上方には、情報記憶媒体ホルダ
8は、図10に示すように、凹部8dの接続口8a側の
側面が情報記憶媒体ホルダ収容部6dのリブ102,1
03,104,105に当接するまで移動できる。Z方
向下方には、情報記憶媒体ホルダ8は、図11に示すよ
うに、肩部8cがボトムカバー1の突起21,22,2
3,24に当接するまで移動できる。このように、情報
記憶媒体ホルダ8の肩部8cとボトムカバー1の内面と
の間には、常に所定量以上の隙間が確保される。これに
よって、前述のようにボトムカバー1の毛管溝1cに導
かれたインクが肩部8cに伝わりにくくなるようにし
て、情報記憶媒体9がインクに接触することを防止でき
る。
【0085】次にY軸回りの回転方向θYついては、情
報記憶媒体ホルダ8は、図12に示す時計周り方向に
は、片側の肩部8cが片側の2つの突起23,24に当
接し、片側の凹部8dの接続口8a側の側面が情報記憶
媒体ホルダ収容部6dの片側のリブ102,103に当
接するまで回転できる。また反対向きには、図13に示
すように、情報記憶媒体ホルダ8は、片側の肩部8cが
片側の2つの突起21,22に当接し、片側の凹部8d
の接続口8a側の側面が情報記憶媒体ホルダ収容部6d
の片側のリブ104,105に当接するまで回転でき
る。
【0086】次にX方向には、情報記憶媒体ホルダ8
は、図14に示すように、片側の凹部8dの底面が、図
14の右側のリブ104,105に当接する位置と、図
15に示すように、反対側の凹部8dの底面がリブ10
2,103に当接する位置との間で移動できる。また、
Y方向には、情報記憶媒体ホルダ8は、図16に示すよ
うに、凹部8dの、図16に示す下側の側面が下側のリ
ブ102,105に当接する位置と、図17に示すよう
に、凹部8dの、図17に示す上側の側面が上側のリブ
103,104に当接する位置との間で移動できる。
【0087】次に、Z軸回りの回転方向θZについて
は、図18に示す反時計回り方向には、情報記憶媒体ホ
ルダ8は、凹部8dの、図18に示す右下の側面がリブ
105に当接し、凹部8dの、図18に示す左上の側面
がリブ103に当接するまで回転できる。同様に、反対
向きには、図19に示すように、情報記憶媒体ホルダ8
は、リブ102,104にそれぞれ対応する凹部8dの
側面が当接するまで回転できる。
【0088】次に、X軸回りの回転方向θXについて
は、図20に示す時計回り方向には、情報記憶媒体ホル
ダ8は、凹部8dの、図20に示す左側面の上端がリブ
103,104に当接し、肩部8cが右側の突起21,
24に当接するまで回転できる。同様に、反対反対向き
には、情報記憶媒体ホルダ8は、凹部8dの、図21に
示す右側面の上端がリブ102,105に当接し、肩部
8cが左側の突起22,23に当接するまで回転でき
る。
【0089】以上のように、情報記憶媒体ホルダ8は、
所定の範囲内で位置および向きを変えることができるよ
うに保持されている。この際、情報記憶媒体ホルダ8の
移動範囲は、各所の凹部や凸部の大きさや位置を適宜決
めることにより調整できる。この移動範囲は、公差のた
めに生じる可能性がある、流体接続部と情報記憶媒体接
続部との間の位置および向きの最大のずれよりもわずか
に大きく設定することが好ましい。こうすることによっ
て、情報記憶媒体ホルダ8のイコライズ動作により、流
体接続部にも情報記憶媒体接続部にも不要な応力を生じ
させることなく、両方の接続を良好に行うことが可能に
なる。また、どの方向にイコライズした場合においても
前述のように、情報記憶媒体ホルダ8の肩部8cとボト
ムカバー1の内面との間には、常に所定量以上の隙間が
確保される構成となっており、これによって、前述のよ
うにボトムカバー1の毛管溝1cに導かれたインクが肩
部8cに伝わりにくくなるようにして、情報記憶媒体9
がインクに接触することを防止できる。
【0090】なお、情報記憶媒体ホルダ8、情報記憶媒
体ホルダ収容部6d、ボトムカバー1に設ける凹部や凸
部の構成は、例えば情報記憶媒体ホルダ8の側面にリブ
を設け、それを挟むように情報記憶媒体ホルダ収容部6
dの側面にリブを設けるようにするなど、適宜変更が可
能である。
【0091】『ボトムカバー接合の説明』次に、図23
と図24を参照して、ボトムカバーの接続について説明
する。
【0092】まず、図23は本実施例の構成部品のう
ち、ボトムカバー1を詳細に示す斜視図である。図23
は、特に、ボトムカバー1に設けられた接続爪30,3
1,32,33,34の配置が分かるように図示してお
り、図23(a)と図23(b)はそれぞれボトムカバ
ー1を反対向きにして示している。図24は、ボトムカ
バー1とインク容器6の係合状態を示すため、ボトムカ
バー1を一破断して示す、インクタンク50の、流体接
続口が設けられた端部付近を示す斜視図である。図24
には、各接続爪30,31,32,33,34の係合部
のうち、特に接続爪31の係合部を示している。
【0093】上述したように、インクタンク50にはイ
ンク容器6の、蓋7が接合されている面の反対側の面、
すなわち底部6bに、その面から突出するように、流体
接続口案内部6cと情報記憶媒体ホルダ収容部6dが設
けられている。そして、これらを覆うようにボトムカバ
ー1が取り付けられている。ボトムカバー1には、流体
接続口案内部6cに対向する位置に流体接続部開口1a
が設けられ、情報記憶媒体ホルダ収容部6dに対向する
位置に情報記憶媒体接続部開口1bが設けられている。
【0094】そして、図23(a)および図23(b)
に示すように、ボトムカバー1の側壁には、インク容器
6の接続部6fと係合する接続爪30,31,33,3
4が設けられている。各接続爪30,31,33,34
は、側壁にボトムカバー1の装着方向に延びる、両脇に
形成されたスリット1dによって側壁の周りの部分とは
独立して弾性変形可能な板状部と、その先端に内側に向
かって突出する係合部から構成されている。接続爪32
は、流体接続部開口1aと情報記憶媒体接続部開口1b
との仕切り壁に同様に形成されており、その係合部は流
体接続部開口1a側に突出している。インク容器6の接
続部6fは、流体接続口案内部6cと情報記憶媒体ホル
ダ収容部6dの側壁に、各接続爪30,31,32,3
3,34に対応する位置に設けられた外側に向かう突出
部によって構成されている。各接続爪30,31,3
2,33,34は、ボトムカバー1の装着方向に向かう
傾斜部が係合部に形成されており、ボトムカバー1をイ
ンク容器6に向かって押し付けることによって一旦弾性
変形し、復原力によって図24に示すように接続部6f
に係合する。このように係合させた状態で、各接続爪3
0,31,32,33,34と接続部6fは少量の隙間
を伴って緩やかに係合している。
【0095】この構成では、インクタンク50を記録装
置本体に装着していない時に誤って床などに落とすなど
して衝撃が加わった場合、ボトムカバー1の接続爪3
0,31,32,33,34が弾性変形し、それによっ
て落下時の衝撃を吸収させることができる。したがっ
て、落下時にインクタンク50の各部、特に情報記憶媒
体9に加わる衝撃を緩和することができ、破損などの悪
影響が生じるのを防止できる。すなわち、この構成で
は、ボトムカバー1が、情報記録媒体に加わる衝撃を緩
和するガード部材として機能する。
【0096】図23に示す例では、各接続爪30,3
1,32,33,34は、両脇にスリット1dを設ける
ことによって弾性変形可能になっている構成を示した。
このようにスリット1dを設けることは、各接続爪3
0,31,32,33,34を他の部分とは実質的に独
立して比較的大きく弾性変形させることができ好まし
い。しかし、この構成は、接続爪30,31,32,3
3,34が弾性変形可能な構成であれば他の構成にして
もよい。すなわち、例えば、各接続爪30,31,3
2,33,34の両脇に、スリット1dの代わりに肉厚
を薄くした部分を設けた構成にしても、落下時の衝撃を
吸収する効果が得られる。
【0097】『インクタンクの変形例』次に、図25〜
図27を参照して、ボトムカバー1の接続部付近の構成
が異なる他の実施例(以下実施例2)について説明す
る。
【0098】図25は、実施例2のインクタンク50’
を示す分解斜視図である。図26はインク容器6とボト
ムカバー1の係合状態を示す断面図である。図27は、
インク容器6とボトムカバー1の係合状態を示すため、
インク容器6とボトムカバー1以外の構成部品を省略
し、さらに係合部を見やすくするためボトムカバー1を
任意の高さで切断して示す、インクタンク50’の、流
体接続口が設けられた端部付近の斜視図である。これら
の図において、上述した実施例(以下実施例1)と同様
の部分については同一の符号を付している。
【0099】図25に示すように、この実施例2の、実
施例1との実質的な違いは、情報記憶媒体ホルダ8を収
容する情報記憶媒体ホルダ収容部35がインク容器6の
底部6bから分離されていることである。また、実施例
1ではボトムカバー1の接続爪34が情報記憶媒体ホル
ダ収容部6dに係合されている構成を示したが、本実施
例では、この部分がインク容器6に結合されていないの
で、代わりにインク容器6の底部6bに、接続爪34に
係合する接続部6gが設けられている。
【0100】また、その他の違いとして、本実施例では
インク容器6はブロー成形によって製造したものを用い
ており、蓋7とインク容器6は一体的に形成されてい
る。また、弾性部材5を収容する弾性部材収容部36が
新たに追加されている。この弾性部材収容部36は、例
えば超音波溶着によってインク容器6と接合されてい
る。その他の部分は、実施例1と実質的に同様の構成で
あり、以下では実施例1と相違する部分について説明
し、同様の部分については説明を省略する。
【0101】接続部6gはインク容器6の底部6bから
突出するように形成されている。ボトムカバー1は、図
26に示すように接続部6gに接続爪34を係合し、ま
た他の接続爪30,31,32,33を実施例1と同様
に液体接続口案内部6cの側壁に設けられた接続部6f
に係合してインク容器6に取り付けられている。この
際、情報記憶媒体ホルダ収容部35は、インク容器6の
接続部6gの、接続爪34との係合部の反対側に配置さ
れ、ボトムカバー1の、接続爪32が形成された仕切り
壁、側壁、および情報記憶媒体接続部開口1bが開口さ
れた壁部に囲まれて、ボトムカバー1と共にインク容器
6に取り付けられている。
【0102】また、本実施例では、図27に示すよう
に、ボトムカバー1の接続爪34には、インク容器6の
接続部6gの両脇に係合する振れ止め37が設けられて
いる。振れ止め37を設けることによって、ボトムカバ
ー1が図27の矢印方向に振れることを防止できる。
【0103】『インクジェット記録装置』次に、上述し
たインクタンクが搭載されるインクジェット記録装置の
一例について、図22を参照して説明する。
【0104】図22に示すインクジェット記録装置は、
インクジェットヘッド524の往復移動(主走査)と、
一般記録紙、特殊紙、OHPフィルム等の記録用シート
(記録媒体)Sの所定ピッチごとの搬送(副走査)とを
繰り返しつつ、これらの動きと同期させながらインクジ
ェットヘッド524から選択的にインクを吐出させ、記
録用シートSに付着させることで、文字や記号、画像等
を形成するシリアル型の記録装置である。
【0105】図22において、インクジェットヘッド5
24は、2本のガイドレール534,535に摺動自在
に支持され不図示のモータ等の駆動手段によりガイドレ
ール534,535に沿って往復移動されるキャリッジ
531に着脱可能に搭載されている。記録用シートS
は、搬送ローラ532により、インクジェットヘッド5
24のインク吐出面に対面し、かつ、インク吐出面との
距離を一定に維持するように、キャリッジ531の移動
方向と交差する方向(例えば、直交する方向である矢印
A方向)に搬送される。
【0106】インクジェットヘッド524は、それぞれ
異なる色のインクを吐出するための複数のノズル列を有
する。インクジェットヘッド524から吐出されるイン
クの色に対応して、複数の独立したインクタンク50
が、インク供給ユニット525に着脱可能に装着され
る。インク供給ユニット525とインクジェットヘッド
524とは、それぞれインクの色に対応した複数のイン
ク供給管(インク供給チューブ)526によって接続さ
れ、インクタンク50をインク供給ユニット525に装
着することで、インクタンク50内に収納された各色の
インクを、インクジェットヘッド524の各ノズル列に
独立して供給することが可能となる。
【0107】インクジェットヘッド524の往復移動範
囲内で、かつ、記録用シートSの通過範囲外の領域であ
る非記録領域には、回復ユニット533が、インクジェ
ットヘッド524のインク吐出面と対面するように配置
されている。回復ユニット533は、インクジェットヘ
ッド524のインク吐出面をキャッピングするためのキ
ャップ部、インク吐出口面をキャッピングした状態でイ
ンクジェットヘッド524から強制的にインクを吸引す
るための吸引機構、インク吐出面の汚れを払拭するため
のクリーニングブレード等を有する。前述した吸引動作
は、このインクジェット記録装置の記録動作に先立っ
て、この回復ユニット533によって行われる。
【0108】これにより、このインクジェット記録装置
を長期間放置後に動作させた場合は、回復ユニット53
3はインクタンク50の底部に存在していた濃度の高い
インクを吸引し、実際の記録には、撹拌されて濃度が安
定したインクが使用される。したがって、インクジェッ
ト記録装置が長期間にわたって使用されず、インク中の
顔料成分や、記録用シートSへの定着性を向上させるた
めの樹脂微粒子がメインタンク50の底部に沈降してい
たとしても、これら顔料成分や樹脂微粒子の濃度が安定
した高品質な画像等を良好に形成することが可能とな
る。
【0109】ここではシリアル型のインクジェット記録
装置を例に挙げて説明したが、ノズル列が被記録媒体の
幅方向全幅にわたって設けられたライン型のインクジェ
ットヘッドを搭載するインクジェット記録装置にも、本
発明は適用可能である。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
流体接続部と情報記憶媒体とを有する液体収納容器にお
いて、情報記憶媒体を記録装置本体側と情報交換可能な
位置に誘導する情報記憶媒体ユニットを、記録装置本体
側のガイド部の位置および向きに合わせて位置および向
きが変わるように構成することにより、流体接続と、情
報記憶媒体の接続との両方を、両者の接続部に不要な応
力を生じさせることなく、良好に信頼性高く行うことが
可能な液体収納容器を提供できる。
【0111】本発明によれば、特に、流体接続部を2つ
有する液体収納容器において、2箇所の流体接続部で液
体収納容器の向きが決められても、情報記憶媒体接続部
の向きが変わるために、流体接続と、情報記憶媒体の電
気的な接続との両方を良好に行うことができる。なお、
ここで、本発明における情報記憶媒体の電気的な接続と
は、接点部同士を接触させることによる接触式の接続だ
けでなく、通信手段による非接触式の接続も含んでい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施例のインクタンクを流体
接続口側から見た斜視図である。
【図2】図1のインクタンクの概略分解斜視図である。
【図3】本発明を適用した記録装置のインク供給システ
ムの概略構成を示す図であり、一部を断面して示してい
る。
【図4】図1のインクタンクを示す図であり、図4
(a)は概略側面図、図4(b)は下方から見た概略平
面図である。
【図5】図1のインクタンクをインクジェット記録装置
に装着する過程の途中の段階を示す図であり、図5
(a)は図4のA−A線に沿った断面図、図5(b)は
図4のB−B線に沿った断面図である。
【図6】図5と同様の図であり、他の段階を示してい
る。
【図7】図5と同様の図であり、さらに他の段階を示し
ている。
【図8】図5と同様の図であり、さらに他の段階を示し
ている。
【図9】図1のインクタンクの情報記憶媒体周辺の拡大
分解斜視図である。
【図10】図1のインクタンクの情報記憶媒体周辺を拡
大して示す、図9に示すXZ平面に沿った断面図であ
り、情報記憶媒体ホルダを図の上方にいっぱいに移動さ
せた状態を示している。
【図11】図10と同様の断面図であり、情報記憶媒体
ホルダを図の下方にいっぱいに移動させた状態を示して
いる。
【図12】図10と同様の断面図であり、情報記憶媒体
ホルダを図の時計回りにいっぱいに回転させた状態を示
している。
【図13】図10と同様の断面図であり、情報記憶媒体
ホルダを図の反時計回りにいっぱいに回転させた状態を
示している。
【図14】図1のインクタンクの情報記憶媒体周辺を示
す、図9に示すXY平面に沿った断面図であり、情報記
憶媒体ホルダを図の右方にいっぱいに移動させた状態を
示している。
【図15】図14と同様の断面図であり、情報記憶媒体
ホルダを図の左方にいっぱいに移動させた状態を示して
いる。
【図16】図14と同様の断面図であり、情報記憶媒体
ホルダを図の上方にいっぱいに移動させた状態を示して
いる。
【図17】図14と同様の断面図であり、情報記憶媒体
ホルダを図の下方にいっぱいに移動させた状態を示して
いる。
【図18】図14と同様の断面図であり、情報記憶媒体
ホルダを図の反時計回りにいっぱいに回転させた状態を
示している。
【図19】図14と同様の断面図であり、情報記憶媒体
ホルダを図の時計回りにいっぱいに回転させた状態を示
している。
【図20】図1のインクタンクの情報記憶媒体周辺を示
す、図9に示すYZ平面に沿った断面図であり、情報記
憶媒体ホルダを図の時計回りにいっぱいに回転させた状
態を示している。
【図21】図20と同様の断面図であり、情報記憶媒体
ホルダを図の反時計回りにいっぱいに回転させた状態を
示している。
【図22】本発明を適用したインクタンクが搭載され
る、一例のインクジェット記録装置の概略構成図であ
る。
【図23】図1のインクタンクのボトムカバーを示す斜
視図である。
【図24】図1のインクタンクの、ボトムカバーとイン
ク容器の接続部を、一部を破断して示す斜視図である。
【図25】図1の変形例のインクタンクを示す分解斜視
図である。
【図26】図25のインクタンクの、ボトムカバーとイ
ンク容器の接続部を示す断面図である。
【図27】図25のインクタンクの、ボトムカバーとイ
ンク容器の接続部を、一部の構成部品を省略し、また一
分を破断して示す斜視図である。
【図28】従来例のインクタンクを示す模式図であり、
図28(a)は正面断面図、図28(b)は側面断面図
である。
【図29】他の従来例のインクタンクを示す模式図であ
り、図29(a)は正面断面図、図29(b)は側面断
面図である。
【図30】図29のインクタンクの接続状態の例を示す
断面図である。
【図31】図28の変形例のインクタンクを示す模式図
であり、図31(a)は正面断面図、図31(b)は側
面断面図である。
【符号の説明】
1 ボトムカバー 1a 流体接続部開口 1b 情報記憶媒体接続部開口 1c 毛管溝 1d スリット 4 固定部材 5 弾性部材 6 インク容器 6a 上面 6b 底部 6c 流体接続口案内部 6d 情報記憶媒体ホルダ収容部 6e 円筒状部 6f,6g 接続部 7 蓋 8 情報記憶媒体ホルダ 8a 接続口 8b テーパ部 8c 肩部 8d 凹部 8e 接続口縁部 9 情報記憶媒体 9a 接点部 9b EEPROM 10 両面テープ 11 第1の流体接続口 11a テーパ部 12 第2の流体接続口 12a テーパ部 21,22,23,24 突起 30,31,32,33,34 接続爪 35 情報記憶媒体ホルダ収容部 36 弾性部材収容部 37 振れ止め 50,50’,200,300,400 インクタン
ク 101 凹部 102,103,104,105 リブ 201,202,301,302 流体接続口 203,303 接続端子 204,304 情報記憶媒体 207 Z方向 208 X方向 209 Y方向 210 X’方向 306 ガイド 311 記録装置本体側コネクタ 312 中空針 523 インク収納室 524 インクジェットヘッド 524a 吐出口面 525 インク供給ユニット 526 インク供給管 527 バッファ室空気連通部 528 インク供給針 529 空気導入針 530 バッファ室 531 キャリッジ 532 搬送ローラ 533 回復ユニット 534,535 ガイドレール 550 コネクタ 550a テーパ部 551 電気接点 S 記録用シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮内 真一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 杉村 善彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 清水 英一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 楠城 達雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 越川 浩志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 河野 健 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA20 EA22 EA23 KC02 KC05 KC30

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に記録用液体を付着させて記録
    を行う記録装置に着脱可能な液体収納容器であって、 前記記録用液体を収納する液体収納室と、 前記記録装置に装着された際に、前記液体収納室を前記
    記録装置の記録用液体供給系に連通させる流体接続口
    と、 前記液体収納容器に関連する情報を含む情報を保持し、
    かつ前記記録装置との連携によって前記情報の更新・追
    加が可能な情報記憶媒体と、 前記記録装置に装着された際に、前記記録装置のガイド
    部と係合され、前記情報記憶媒体を前記記録装置と情報
    交換可能な位置に誘導する情報記憶媒体ユニットとを有
    し、 前記情報記憶媒体ユニットが、前記記録装置の前記ガイ
    ド部の位置および向きに合わせて、前記流体接続口に対
    して相対的に位置および向きを変えることができる液体
    収納容器。
  2. 【請求項2】 前記記録装置本体と前記情報記録媒体と
    は、無線通信用のアンテナを介して情報交換する、請求
    項1に記載の液体収納容器。
  3. 【請求項3】 前記記録装置本体と前記情報記録媒体と
    は、両者に設けられた接点部同士を互いに接触させるこ
    とによって情報交換する、請求項1に記載の液体収納容
    器。
  4. 【請求項4】 前記記録装置の前記ガイド部との接続方
    向に情報記憶媒体接続部開口を有する、前記情報記憶媒
    体ユニットをそれに接触することなく収容できる大きさ
    の内部空間を有する情報記憶媒体ユニット収容部を有
    し、 前記情報記憶媒体ユニットが前記情報記憶媒体ユニット
    収容部内にその中で自由に動けるように収容されてい
    る、請求項1から3のいずれか1項に記載の液体収納容
    器。
  5. 【請求項5】 前記情報記憶媒体ユニットの外面と前記
    情報記憶媒体ユニット収容部の内面に、両者間で互いに
    当接して前記情報記憶媒体ユニットの移動範囲を規制す
    る凸部または凹部が設けられている、請求項4に記載の
    液体収納容器。
  6. 【請求項6】 少なくとも前記情報記憶媒体ユニット収
    容部の、前記情報記憶媒体接続部開口が開口された面を
    構成するガード部材を有し、該ガード部材は弾性変形可
    能な接続爪を介して取り付けられている、請求項4また
    は5に記載の液体収納容器。
  7. 【請求項7】 接続口が開口しており、該接続口の周り
    に、その開口方向に突き出ている接続口縁部を有する情
    報記憶媒体ホルダと、該接続口内に固定された、前記記
    録装置との情報交換手段を備える情報記憶媒体とから前
    記情報記憶媒体ユニットが構成されており、 前記情報記憶媒体ホルダは、前記接続口縁部が前記情報
    記憶媒体接続部開口から露出するように前記情報記憶媒
    体ユニット収容部内に収容されており、前記接続口縁部
    と前記情報記憶媒体接続部開口の縁との間に所定量以上
    の隙間ができ、かつ前記接続口縁部が形成された面と前
    記情報記憶媒体ユニット収容部の内壁との間に所定量以
    上の隙間ができる範囲に移動範囲が規制されている、請
    求項4から6のいずれか1項に記載の液体収納容器。
  8. 【請求項8】 前記情報記憶媒体接続部開口の縁に、前
    記記録用液体を毛細管力によって導くことができる毛管
    溝が形成されている、請求項7に記載の液体収納容器。
  9. 【請求項9】 前記情報記憶媒体ユニットと、前記記録
    装置の前記ガイド部とは、一方に形成された凸部が一方
    に形成された凹部内に挿入されることで係合し、該凸部
    には該凹部内への挿入方向に向って先細になっているテ
    ーパ部が形成されており、該凹部には該凸部の挿入方向
    に向って狭くなっているテーパ部が形成されている、請
    求項1から8のいずれか1項に記載の液体収納容器。
  10. 【請求項10】 前記情報記憶媒体接続部開口が前記液
    体収納容器の、前記流体接続口と同一の外面上に位置す
    るように構成されている、請求項1から9のいずれか1
    項に記載の液体収納容器。
  11. 【請求項11】 前記流体接続口が少なくとも2個設け
    られている、請求項1から10のいずれか1項に記載の
    液体収納容器。
  12. 【請求項12】 2個の前記流体接続口と前記情報記憶
    媒体接続部開口とが前記液体収納容器の同一外面上に設
    けられており、かつ該外面上において2個の前記流体接
    続口は隣接して該外面の一端側に配置されるとともに、
    前記情報記憶媒体接続部開口は前記外面の他端側に配置
    されている、請求項8に記載の液体収納容器。
  13. 【請求項13】 2個の前記流体接続口のうち、一方が
    前記記録装置への前記記録用液体の供給に用いられ、も
    う一方が前記液体収納室内への流体の導入に用いられ
    る、請求項11または12に記載の液体収納容器。
  14. 【請求項14】 前記流体は、前記記録用液体の導出に
    伴う前記液体収納室内の圧力低下を実質的に相殺するよ
    うに前記液体収納室内に導入される、請求項13に記載
    の液体収納容器。
  15. 【請求項15】 前記流体が大気、または前記記録用液
    体と同質の液体である、請求項13または14に記載の
    液体収納容器。
  16. 【請求項16】 前記記録装置が、前記記録媒体に前記
    記録用液体を吐出して付着させるインクジェット記録装
    置である、請求項1から15のいずれか1項に記載の液
    体収納容器。
  17. 【請求項17】 請求項1から16のいずれか1項に記
    載の液体収納容器を装着可能な記録装置。
  18. 【請求項18】 前記液体収納容器を装着する際に、そ
    れを適正な装着位置に導くガイド機構を有し、該ガイド
    機構は、前記液体収納容器の装着位置および向きを所定
    の範囲内で変化させることができる、請求項17に記載
    の記録装置。
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