JP2002307627A - 通気性積層シートの製造方法 - Google Patents

通気性積層シートの製造方法

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JP2002307627A
JP2002307627A JP2001110834A JP2001110834A JP2002307627A JP 2002307627 A JP2002307627 A JP 2002307627A JP 2001110834 A JP2001110834 A JP 2001110834A JP 2001110834 A JP2001110834 A JP 2001110834A JP 2002307627 A JP2002307627 A JP 2002307627A
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nonwoven fabric
gear
laminated sheet
stretching
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Shigeru Yano
滋 矢野
Meichiyou Ou
銘調 王
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた伸縮性、柔軟性を有しする通気性積層
シートの生産性良い製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂25〜70重量%
及び無機充填材75〜30重量%を含むフィルムを機械
方向に延伸して多孔化する第1工程、対をなすギアロー
ルにより機械方向と直交する方向にギア延伸してフィル
ムを多孔化しながらヒダ状凹凸を賦形する第2工程、エ
ンボスロールにより挟持してヒダ状凹凸を部分的になく
する第3工程、を実施して部分的ヒダ付多孔性フィルム
を製造し、ポリオレフィン系不織布を対をなすギアロー
ルにより機械方向と直交する方向にギア延伸して不織布
を柔軟化する第4工程を実施して延伸不織布を製造し、
次いで、部分的ヒダ付多孔性フィルムとヒダ付延伸不織
布とを積層する第5工程を実施する通気性積層シートの
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通気性積層シート
の製造方法に関する。詳しくは、伸縮性、柔軟性、風合
い、形状保持性、透湿度に優れ、生産性も優れた、不織
布と多孔性フィルムとの積層体である通気性積層シート
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、使い捨ておむつ、生理用ナプキン
等のバックシートとして通気性フィルムが用いられてい
る。また、バックシートの強度を上げ、且つ肌触りを布
用にするため、通気性フィルムと不織布をラミネートし
た積層シートも使われるようになってきている。しかし
ながら、近年は強度、布用の肌触りのみならず、伸縮性
の優れたバックシートが求められてきており、従来のバ
ックシートでは問題があった。
【0003】上記課題を解決する手段として、特表20
00−512934号公報には、特殊なギア延伸法によ
り、フィルムに部分延伸を施すことによって伸縮性をも
たせる方法が開示されている。しかしながら、本発明者
らの知見によれば、該方法は、延伸時に延伸部と未延伸
部の境界部に破れが発生し易いと考えられる。また、特
表2000−504644号公報には、不織布と微多孔
質形成可能熱可塑性フィルムをラミネートした後、ギア
延伸法によりフィルムに通気性を付与し、且つ柔軟性も
付与する方法が開示されている。しかしながら、該方法
も破れが発生しやすい欠点があった。また、上記方法に
より得られる積層体は、充分な形状保持性を有するもの
ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決課題は、
上記問題に鑑み、優れた伸縮性、柔軟性、風合い、形状
保持性、透湿度を有する、不織布と多孔性フィルムとの
積層体である通気性積層シートを破れ等なく生産性良く
製造し得る通気性積層シートの製造方法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、多孔性フィルムを
製造するに際し、先ず、機械方向に延伸して多孔化し、
次いで、ギアロールにより機械方向と直交する方向にギ
ア延伸してフィルムを多孔化しながらヒダ状凹凸を賦形
し、更に、エンボスロールにより挟持してヒダ状凹凸を
部分的になくする方法を採用する。また、ポリオレフィ
ン系不織布を製造するに際しては、ギアロールにより機
械方向と直交する方向にギア延伸して不織布を柔軟化す
る。最後に得られた両者を積層する方法を採用すること
により、上記課題が解決できることを見出し、本発明に
到達した。
【0006】すなわち、本発明は、ポリオレフィン系樹
脂25〜70重量%及び無機充填材75〜30重量%を
含む多孔性フィルムとポリオレフィン系不織布とを積層
する通気性積層シートの製造方法であって、(1)ポリ
オレフィン系樹脂25〜70重量%及び無機充填材75
〜30重量%を含む樹脂組成物をフィルム成形し、得ら
れたフィルムを機械方向に延伸して多孔化する第1工
程、(2)対をなすギアロールにより機械方向と直交す
る方向にギア延伸してフィルムを多孔化しながらヒダ状
凹凸を賦形する第2工程、(3)エンボスロールにより
挟持してヒダ状凹凸を部分的になくする第3工程、を実
施して部分的ヒダ付多孔性フィルムを製造し、(4)ポ
リオレフィン系不織布を対をなすギアロールにより機械
方向と直交する方向にギア延伸して不織布を柔軟化する
第4工程を実施して延伸不織布を製造し、(5)次い
で、前記部分的ヒダ付多孔性フィルムと前記延伸不織布
とを積層する第5工程、を実施することを特徴とする通
気性積層シートの製造方法である。
【0007】本発明に係わる通気性積層シートの製造方
法の好ましい態様として、前記第5工程を実施した後、
通気性積層シートの端部を切断、除去するスリット工程
を実施する方法、更に、端部の切断除去部を前記工程
(1)にリサイクルする方法が挙げられる。また、前記
第1工程における延伸倍率が1.1〜4.0倍である方
法、前記第2工程、及び第4工程におけるギアロールの
ギアピッチが1〜5mm、ギア深さが2〜100mmで
ある方法、前記第3工程におけるエンボスロールの帯状
エンボスパターンの凸部の巾(回転軸と直交する方向)
が0.3〜10mmである方法、等が挙げられる。
【0008】本発明の製造方法によれば、優れた伸縮
性、柔軟性、風合い、形状保持性、透湿度を有する、不
織布と多孔性フィルムとの積層体である通気性積層シー
トが、破れ等することなく生産性良く製造することがで
きる。そのため、本発明に係わる通気性積層シートの製
造方法は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等のバック
シート等の製造方法として極めて有用である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明は、特定の方法により部分的ヒダ付多孔性
フィルムを製造し、次いで、得られた部分的ヒダ付多孔
性フィルムに延伸不織布を積層する通気性積層シートの
製造方法である。
【0010】先ず、本発明に使用する多孔性フィルムの
製造方法について説明する。多孔性フィルムの製造に際
しては、ポリオレフィン系樹脂に特定量の無機充填材を
添加して、樹脂組成物となし、得られた樹脂組成物をフ
ィルム成形する。次いで、フィルムを延伸して多孔化す
る。通常、このときの延伸方向は、機械方向(以下、M
D方向という)である。次いで、ギア延伸法により延伸
して多孔化しながら、フィルムをヒダ状凹凸を賦形す
る。通常、このときの延伸方向はMD方向と直交する方
向(以下、TD方向という)である。更に、エンボスロ
ールにより挟持して、前工程で賦形されたヒダ状凹凸を
部分的に無くする。
【0011】本発明に使用されるポリオレフィン系樹脂
は、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテ
ン等のモノオレフィン重合体、及びそれらの共重合体を
主成分とするものである。低密度ポリエチレン、線形低
密度ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合
体)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポ
リエチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、及びこれらの混合物が挙げられる。これ
らのポリオレフィン系樹脂は、ツィーグラー触媒を用い
て製造された樹脂であっても、また、メタロセン触媒の
如きシングルサイト触媒を用いて製造された樹脂であっ
ても良い。
【0012】強度と柔軟性、積層の容易さ、リサイクル
の容易さ等の観点から、線形低密度ポリエチレンとポリ
プロピレンの混合物を主たる組成とするポリオレフィン
系樹脂が好ましい。両者の混合比としては、線形低密度
ポリエチレン10〜90重量%とポリプロピレン90〜
10重量%が好ましい。
【0013】無機充填材は、例えば、炭酸カルシウム、
硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、水酸化
マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マ
グネシウム、酸化チタン、シリカ、タルク等が挙げられ
る。これらのうち、炭酸カルシウム及び硫酸バリウムが
特に好ましい。無機充填材の平均粒径は20μm以下の
ものが好ましい。更に好ましくは10μm以下であり、
0.5〜5μmのものが最も好ましい。
【0014】無機充填材は、樹脂との分散性を向上させ
るために表面処理が施されているものがより好ましい。
表面処理剤としては、無機充填材の表面を被覆すること
により、その表面を疎水化できるものが好ましい。例え
ば、ステアリン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸、または
それらの金属塩を挙げることができる。
【0015】前記ポリオレフィン系樹脂と無機充填材と
の組成比は、前記ポリオレフィン系樹脂が25〜70重
量%、無機充填材が75〜30重量%である。好ましく
は、ポリオレフィン系樹脂が30〜50重量%、無機充
填材が70〜50重量%の範囲である。無機充填材が3
0重量%未満になると、ポリオレフィン系樹脂と無機充
填材の界面が剥離して、できる隣接したボイド同士が連
通しにくくなり、通気性が悪化する。また、75重量%
を超えると、フィルムの延伸時の伸び特性が低下し、延
伸が困難になる。
【0016】多孔性フィルムには、本発明の目的を妨げ
ない範囲で延伸助剤、分散剤、酸化防止剤、熱安定剤、
光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アン
チブロッキング剤、帯電防止剤、スリップ剤、着色剤等
の他の添加剤を添加しても良い。
【0017】通常、本発明に係わる多孔性フィルムは次
の方法で製造される。ポリオレフィン系樹脂と無機充填
材、必要に応じて他の添加剤とを混合した後、ヘンシェ
ルミキサー、スーパーミキサー、タンブラー型等の混合
機を用いて混合し、その後、通常の一軸あるいは二軸ス
クリュー押出機によって混練し、ペレット化する。次い
で、そのペレットをポリオレフィン系樹脂の融点以上、
好ましくは融点+20℃以上、分解温度未満の温度にお
いて、Tダイ等が装着された押出成形機、円形ダイが装
着されたインフレーション成形機等の公知の成形機を用
いて溶融、製膜する。場合によっては、ペレット化せ
ず、直接成形機で製膜することもできる。
【0018】本発明の第1工程では、製膜されたフィル
ムは、室温以上、樹脂の軟化点(JIS K−6760
に規定される方法により測定した値)未満の温度範囲に
おいて、MD方向に延伸される。延伸方法はロール延伸
法が好ましい。引き続いて、第2工程において、対をな
すギアロールを用いるギア延伸法により、TD方向に延
伸して多孔化すると共に、フィルムにヒダ状凹凸を付与
する賦形を行う。ここで、ヒダ状凹凸を付与するとは、
所謂、ジャバラ状に賦形することを意味する。それぞれ
の方法において、延伸倍率を変えることにより、透湿度
をコントロールする。通常、第1工程における延伸倍率
は1.1〜4.0倍である。また、第2工程における延
伸倍率は1.1〜4.0倍である。更に必要に応じ、M
D方向にギア延伸を行うこともできる。MD方向のギア
延伸は、TD方向のギア延伸の前でも後でも良い。
【0019】低コストで生産性よくギア延伸を行うた
め、また、多孔性フィルムに優れた伸縮性、柔軟性、風
合い等を付与するためには、凹部と凸部を歯車状に噛み
合わせた一対のギアロール(波状ロール)にフィルムを
噛ませるギア延伸法が好ましい。ギアロールの谷(山)
と山(谷)の間隔(以下、ギアピッチという)は1〜5
mm、谷と山の高低差(以下、ギアの深さという)は2
〜100mm程度であることが好ましい。エンボス処理
後のフィルムの目付は10〜50g/m2であることが
好ましい。
【0020】第1工程及び第2工程において延伸した
後、必要に応じて得られた開孔の形態を安定させるため
に熱固定処理を行っても良い。熱固定処理としては、樹
脂の軟化点以上、融点未満の温度において、0.1〜1
00秒間熱処理する方法が挙げられる。
【0021】本発明では、その後、第3工程において、
エンボスロールにより挟持して、加熱加圧処理し、多孔
性フィルムを部分的に溶融させ、フィルムのヒダ状凹凸
を部分的に無くし、部分的ヒダ付多孔性フィルムを製造
する。エンボスロールにより挟持する方法としては、例
えば、エンボスロールと他のゴムロールなどを対にして
用いる方法が挙げられる。ヒダ状凸凹部の多寡は、得ら
れる多孔性フィル及び通気性積層体の柔軟性、形状保持
性等の特性に影響を及ぼす。ヒダ状で無い部分が多い
と、柔軟性が損なわれ、逆に少ないと、形状保持性が損
なわれるである。かかる観点から、この工程において、
フィルムのヒダ状凸凹部を部分的に無くする比率は面積
比で2〜50%であることが好ましい。
【0022】エンボスロールのエンボスパターン(表面
模様)は、定ピッチ間隔が好ましい。部分的ヒダ付多孔
性フィルムの形状保持を考慮すると、エンボスロールの
エンボスパターンは、回転軸方向に帯状であることが好
ましい。帯状エンボスパターンの凸部の巾(回転軸と直
交する方向)は0.3〜10mmであることが好まし
い。エンボスロールによる加熱加圧処理の温度および圧
力は、多孔性フィルムの樹脂組成、目付、加工速度等に
応じて適宜選択される。通常、80〜150℃程度、1
00〜500N/cm程度の圧力である。
【0023】上記方法により製造される部分的ヒダ付多
孔性フィルムの主な特性は、透湿度が少なくとも500
g/m2・24hr、ヒダ付き部の伸縮性が1〜40g
/25mm、目付が10〜50g/m2である。
【0024】次に、本発明に用いるポリオレフィン系不
織布について説明する。不織布の原料としては、ポリエ
チレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂及び
その混合物が挙げられる。これらのポリオレフィン系樹
脂は、ツィーグラ−触媒を用いて製造された樹脂であっ
ても、また、メタロセン触媒の如きシングルサイト触媒
を用いて製造された樹脂であっても良い。不織布は、ス
パンボンド法、メルトブローン法、フラシュ紡糸法等
の、原料樹脂を溶融または溶解した後,繊維化および不
織布に成形する方法に従って成形することができる。ま
た、鞘部と芯部が異なる樹脂から構成される芯鞘型複合
繊維からなる不織布も好適に用いられる。ギア延伸の容
易を考慮すると、不織布のTD方向の伸びが100%以
上の弾性不織布が好ましい。不織布の目付は10〜50
g/m2が好ましい。本発明に用い得るポリオレフィン
系不織布の市販品として、例えば、三井化学(株)製、
商品名:シンテックスなどが挙げられる。
【0025】本発明では、第4工程において、不織布を
ギア延伸法によりTD方向に延伸して不織布を柔軟化
し、延伸不織布を製造する。低コストで生産性よく行う
ために。延伸不織布の目付は10〜60g/m2程度で
ある。は、前記第2工程で用いる対をなすギアロールと
同様のものが好ましく用いられる本発明の第5工程で
は、前記第1〜第3工程により製造された部分的ヒダ付
多孔性フィルムと、前記第4工程で製造された延伸不織
布とを積層して通気性積層シートを製造する。両者を積
層する方法には特に制限はない。例えば、ホットメルト
方法でも良いし、エンボスロールを用いて、加熱加圧に
より貼り合わせる方法でもよい。
【0026】第5工程で得られた通気性積層シートは、
用途に適した寸法に裁断した後、部分的ヒダ付多孔性フ
ィルムと延伸不織布との接着に用いたホットメルトが付
着していない箇所が存在する場合、この不要の端部を切
断、除去することが好ましい。切断、除去部分は、多孔
性フィルムの原料としてリサイクルして使用することが
好ましい。その際、多孔性フィルム組成の樹脂成分が、
線形低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどが主原料
であれば、不織布がポリプロピレン製でも、線形低密度
ポリエチレン製でも、ポリプロピレン及び線形低密度ポ
リエチレンのブレンドでも、リサイクルして用いること
ができ好適である。
【0027】
【実施例】以下、本発明について更に具体的に説明する
ため,以下に実施例を示す。尚、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。実施例に示した透湿度、
伸縮性、形状保持、及びピンホールは下記方法により測
定した値である。
【0028】(1)透湿度(g/m2・24hr) 通気性積層シートから試料(10cm×10cm)を1
0枚採取し、ASTME−96に規定される方法に準拠
して、温度40℃、相対湿度60%、純水法の条件で測
定し、その平均値を算出する。測定時間は24時間とす
る。測定初期の水面と試料の距離は8mmとする。
【0029】(2)伸縮性(g/25mm) 通気性積層シートの帯状のエンボス部(ヒダ付凹凸部が
ない部分)を除いた部分から、巾(MD方向)25m
m、長さ(TD方向)150mmのサンプルを切り取
る。ASTM D−882に規定される方法に従い、チ
ャック間距離50mm、引張り速度500mm/min
でTD方向に引張り、サンプル(チャック間距離)が2
0%(10mm)伸びたときのTD方向の強度(応力)
を測定する。強度が40g/25mm未満のものを合格
とする。
【0030】(3)形状保持(g/25mm) 通気性積層シートから帯状のエンボス部(ヒダ付凹凸部
がない部分)を中心にして、巾(MD方向)25mm、
長さ(TD方向)150mmのサンプルを切り取る。A
STM D−882に規定される方法に従い、チャック
間距離50mm、引張り速度500mm/minでTD
方向に引張り、サンプル(チャック間距離)が20%
(10mm)伸びたときのTD方向の強度(応力)を測
定する。強度が60g/25mm以上のものを合格とす
る。
【0031】(4)ピンホール(個) TD方向200mm、MD方向10mのサンプルを目視
でチェックし、ピンホールの数を数える。
【0032】実施例1 ポリプロピレン(グランドポリマー(株)製、商品名:
F103WH)18重量部、線形低密度ポリエチレン
(三井化学(株)製、商品名:エボリューSP254
0)20重量部、分岐状低密度ポリエチレン(三井化学
(株)製、商品名:ミラソンF967)2重量部、炭酸
カルシウム(同和カルファイン(株)製、商品名:SS
T−40)60重量部、硬化ひまし油(伊藤製油(株)
製、商品名;カスターワックス)2重量部、脱水ひまし
油(伊藤製油(株)製、商品名;DCO)2重量部をタ
ンブラーミキサーにて混合した後、タンデム型混練押出
機を用いて、230℃において均一に混練し、ペレット
状に加工した。このペレットをTダイが装着された押出
成形機を用いて、240℃において溶融製膜し、70℃
に加熱した予熱ロールと延伸ロールとの間で、2.0倍
の延伸倍率で、ライン速度20m/minで機械方向に
一軸延伸した。引き続き、ギアピッチ(W)2.5m
m、ギア深さ(H)6mmの一対のギアロールを用い、
ギアのかみ合い度(V)2.5mmとして、TD方向に
ギア延伸してフィルムを多孔化しながらフィルムにヒダ
状凹凸を賦形した。ギア延伸後の多孔性フィルムの目付
は25g/m 2であった。引き続いて、ロールの巾方向
(回転軸方向と直交する方向)に6mm巾の帯状の凸部
が30mm(凹部長さ)間隔で定ピッチのエンボスパタ
ーンが形成されたエンボスロールにより、110℃で2
00N/cmの圧力で加圧して部分的に溶融させ、TD
方向に帯状に凸凹を無くした部分を作り、部分的ヒダ付
多孔性フィルムを製造した。
【0033】また、ポリプロピレン(融点160℃)製
スパンボンド不織布(三井化学(株)製、目付22g/
2、繊度2.5d)をギアピッチ(W)2.5mm、
ギア深さ(H)6mmの一対のギアロールを用い、ギア
のかみ合い度(V)1.6mmとして、TD方向にギア
延伸を行い、延伸不織布を製造した。引き続き、部分的
ヒダ付多孔性フィルムと延伸不織布をSIS(スチレン
・イソプレン・スチレン共重合体)系ホットメルト接着
剤(塗布量:2g/m2)を用いて貼り合わせて、通気
性積層シートを製造した。得られたシートの伸縮性、形
状保持、透湿度、ピンホールを上記方法により測定し
た。得られた結果を表1に示す。尚、得られた通気性積
層シートのTD方向の両端部の約30mmが未接着であ
った。該箇所を切断、除去し、通常の多孔性フィルム製
造工程へリサイクルした。
【0034】実施例2 実施例1の多孔性フィルムのポリオレフィン樹脂を、線
形低密度ポリエチレン(三井化学(株)製、商品名:エ
ボリューSP2540)38重量部、分岐状低密度ポリ
エチレン(三井化学(株)製、商品名:ミラソンF96
7)2重量部に変えた以外は、実施例1と同じ方法で通
気性積層シートを得た。得られた結果を表1に示す。
【0035】比較例1 実施例1の多孔性フィルムの製造において、エンボスロ
ールによるエンボス加工を実施しなかた以外は、実施例
1と同じ方法で通気性積層シートを得た。得られた結果
を表1に示す。
【0036】比較例2 実施例1の多孔性フィルムの製造において、エンボスロ
ールによるエンボス加工を実施せず、また、不織布のギ
ア延伸を実施しなかった以外は、実施例1と同じ方法で
通気性積層シートを得た。得られた結果を表1に示す。
【0037】比較例3 比較例1と同様にして通気性積層シートを製造した後、
ギアピッチ(W)2.5mm、ギア深さ(H)6mmの
一対のギアロールを用い、ギアのかみ合い度(V)2.
5mmとして、TD方向に積層体をギア延伸し、ヒダ状
凹凸を有する通気性積層体シートを得た。得られた結果
を表1に示す。ギア延伸する際にときどきフィルムの破
れが観察され、ピンホールが多く発生した。
【0038】
【表1】
【0039】<表1の記載の説明> PP−SPB:ポリプロピレン製のスパンボンド不織
布、PP:ポリプロピレン、LLDPE:線形低密度ポ
リエチレン、LDPE:分岐状低密度ポリエチレン、総
合評価:○;伸縮性が40g/25mm未満、形状保持
が60g/25mm以上、透湿度が500g/m2・2
4h以上、ピンホールが10個/10m以下のもの。
×:伸縮性が40g/25mm以上、あるいは形状保持
が60g/25mm未満、あるいは透湿度が500g/
2・24h未満、あるいはピンホールが10個/10
mを超えるもの。
【0040】<実施例の考察>実施例で得られた積層体
は、伸縮度が低く、伸縮部が低い力で伸び、また、形状
保持が高く、形状保持部が変形しにくい。またピンホー
ルも認められず、透湿度も十分高い。比較例1、及び3
で得られた積層体は形状保持部が無く、形状保持が難し
い。また、比較例3はピンホールも顕著に多い。比較例
2は伸縮部が無い。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、優れた伸縮性、柔軟
性、風合い、形状保持性、透湿度を有する通気性積層シ
ートが、破れ、ピンホール等を生じることなく生産性良
く製造し得る。そのため、本発明の通気性積層シートの
製造方法は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等のバッ
クシート等の製造方法として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 5/24 101 C08J 5/18 CES 4J002 31/08 C08K 3/00 31/12 C08L 23/06 C08J 5/18 CES 23/12 C08K 3/00 A41B 13/02 F C08L 23/06 S 23/12 A61F 13/18 320 Fターム(参考) 3B029 BC02 BC03 BC06 BC07 4C003 CA06 GA04 4C098 AA09 CC10 DD01 DD10 DD24 DD25 4F071 AA19 AA20 AB01 AE17 AF08 AF21 AH19 BA01 BB06 BB07 BC02 BC08 4F100 AA08 AK03A AK03B AK06 AK07 AK07A AK63A AL05A AT00A BA02 CA04 CA23A DG15B DJ06A DJ061 EA021 EC182 EH171 EJ37A EJ37B EJ371 EJ40A EJ401 EJ943 GB66 GB72 JD02 JK08 YY00A 4J002 BB00W BB02W BB03W BB06W BB11W BB12W BB12X BB17W DE076 DE106 DE136 DE146 DE236 DG046 DG056 DJ016 DJ046 FA086 FB236 FD016 GB00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂25〜70重量%
    及び無機充填材75〜30重量%を含む多孔性フィルム
    とポリオレフィン系不織布とを積層する通気性積層シー
    トの製造方法であって、(1)ポリオレフィン系樹脂2
    5〜70重量%及び無機充填材75〜30重量%を含む
    樹脂組成物をフィルム成形し、得られたフィルムを機械
    方向に延伸して多孔化する第1工程、(2)対をなすギ
    アロールにより機械方向と直交する方向にギア延伸して
    フィルムを多孔化しながらヒダ状凹凸を賦形する第2工
    程、(3)エンボスロールにより挟持してヒダ状凹凸を
    部分的になくする第3工程、を実施して部分的ヒダ付多
    孔性フィルムを製造し、(4)ポリオレフィン系不織布
    を対をなすギアロールにより機械方向と直交する方向に
    ギア延伸して不織布を柔軟化する第4工程を実施して延
    伸不織布を製造し、(5)次いで、前記部分的ヒダ付多
    孔性フィルムと前記延伸不織布とを積層する第5工程、
    を実施することを特徴とする通気性積層シートの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記第5工程を実施した後、通気性積層
    シートの端部を切断、除去するスリット工程を実施する
    ことを特徴とする請求項1記載の通気性積層シートの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 端部の切断除去部を前記工程(1)にリ
    サイクルすることを特徴とする請求項2記載の通気性積
    層シートの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1工程の延伸倍率が1.1〜4.
    0倍であることを特徴とする請求項1記載の通気性積層
    シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第2工程、及び第4工程におけるギ
    アロールのギアピッチが1〜5mm、ギア深さが2〜1
    00mmであることを特徴とする請求項1記載の通気性
    積層シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第3工程におけるエンボスロールの
    帯状エンボスパターンの凸部の巾(回転軸と直交する方
    向)が0.3〜10mmであることを特徴とする請求項
    1記載の通気性積層シートの製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリオレフィン系樹脂が、線形低密度ポ
    リエチレン10〜90重量%及びポリプロピレン90〜
    10重量%を含むことを特徴とする請求項1記載の通気
    性積層シートの製造方法。
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