JP2015229721A - 透湿性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】風合い及び柔軟性に富み、通気性、耐熱性、及び耐液漏れ性に優れる透湿性フィルムを提供する。【解決手段】(A)密度が0.910〜0.960g/cm3、融点が100〜140℃であるポリエチレン樹脂40〜90質量部、(B)メソペンタッド分率(mmmm)が90%以上100%以下のプロピレン単独重合体5〜30質量部、及び(C)メソペンタッド分率(mmmm)が30%以上90%未満のプロピレン単独重合体5〜30質量部を含む100質量部の樹脂成分と、該樹脂成分に対して(D)無機充填剤100〜200質量部、及び(E)可塑剤1〜20質量部とを含む樹脂組成物からなり、透気度が50〜5,000秒/100mL、機械流れ方向の引張弾性率が50MPa以下、かつ耐熱温度が160℃以上である透湿性フィルムである。【選択図】なし

Description

本発明は、透湿性フィルムに関する。
従来、ポリオレフィン樹脂、及び無機充填剤を含む樹脂組成物からなる透湿性フィルムが、一般的に紙おむつ及び生理処理用品などの透湿防水用バックシートなどの衛生材料に好適に使用されている。この防湿性フィルムは、上記樹脂組成物を延伸し、樹脂と無機充填剤との間で界面剥離を発生させて無数のボイド(微孔)が形成することにより、透湿性、通気性を有するものである。防湿性フィルムを衛生材料、例えば紙おむつのバックシートに用いる場合、次のような性能が求められる。まず、紙おむつ着用時のムレを防止し、かつ尿漏れなどを防止する性能として、透湿性及び通気性と、それに相反する耐水性及び耐液漏れ性とが求められる。また、風合い及び肌触りが良く、ガサガサ、ゴワゴワせず、乳幼児の活動の妨げにならないように柔軟性に富んでいることが必要である。
さらに、高温で噴霧されるホットメルト接着剤への耐熱性に優れ、フィルムが破れ生産工程のトラブルに発展しないことも非常に重要な性能として求められる。透湿防水用バックシートは不織布と透湿性フィルムとのホットメルトラミネーションを行なうのが一般的な製造法であるが、ホットメルト接着剤は100〜200℃に加熱、溶融させて使用されるからである。
特許文献1には、柔軟で伸縮性に富み、透湿性に優れ、特に使い捨ておむつのバックシートとして使用できる多孔性フィルムとして、密度が0.86〜0.90g/cm3、及び融点が60〜100℃のエチレン−(α−オレフィン)共重合体と熱可塑性エラストマーとを樹脂成分とする多孔性フィルムが開示されている。
特許文献2には、透気度、均一延伸性、接着性、遮蔽性等に優れるフィルムとして、ポリオレフィン樹脂、充填剤及び第三成分を含有する組成物を溶融成形しフィルムとなし、次いで該フィルムを延伸処理して得た多孔性フィルムであって、該第三成分が硬化ひまし油と、炭素数4以上の多価アルコールと脂肪酸とから構成されるポリエステルとの混合物であることを特徴とする多孔性フィルムが開示されている。
特許文献3には、ボイド(微孔)を有する多孔性フィルムとして、密度0.930〜0.975の高密度ポリエチレン及びポリプロピレンから選ばれた少なくとも一種の樹脂、密度0.905〜0.930の線形低密度ポリエチレン、及び分岐状低密度ポリエチレンを所定の割合で含むものが開示されている。
特開平7−228719号公報 特開2001−226506号公報 特開2002−249622号公報
特許文献1の多孔性フィルムは、柔軟性には富むが、熱による収縮が発生し、寸法安定性に乏しく、特に衛生材料以外の用途には不向きであった。特許文献1のように、基材となる樹脂を軟質化及び低融点化すると、耐熱性、熱収縮、及び生産性の課題が満足されない問題があった。
特許文献2の多孔性フィルムは、透気度、均一延伸性等に優れるが、第三成分として添加するポリエステルの化学構造、種類等によっては、フィルム表面が親水化することにより、耐水性及び耐液漏れ性が大きく低下するため、紙おむつの防水シート用途には不向きであった。また、特に液状ポリエステルを用いる場合、原料ブレンド、フィルム成形等の製造工程時に発泡、噴出、ブリードアウト、フィルム同士のブロッキング等の生産トラブルを引き起こすことがあった。更に、直鎖状低密度ポリエチレンを母材として用いているため、耐熱性が低いという問題があった。
特許文献3の多孔性フィルムは、適度な透湿度、機械方向の強度、及び剛軟度などの機械特性を有しているものの、その記述がないことから、耐熱性及び耐液漏れ性に関しての検討は一切されていない。すなわち、この多孔性フィルムは、風合い、柔軟性、通気性、透湿性、耐液漏れ性、機械流れ方向の機械特性及び耐熱性の全ての性能をバランスよく十分に満足するものとはいえなかった。
本発明は、風合い及び柔軟性に富み、通気性、耐熱性、及び耐液漏れ性に優れる透湿性フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、下記の発明により解決できることを見出した。すなわち本発明は、以下の透湿性フィルムを提供するものである。
(A)密度が0.910〜0.960g/cm3、融点が100〜140℃であるポリエチレン樹脂40〜90質量部、(B)メソペンタッド分率(mmmm)が90%以上100%以下のプロピレン単独重合体5〜30質量部、及び(C)メソペンタッド分率(mmmm)が30%以上90%未満のプロピレン単独重合体5〜30質量部を含む100質量部の樹脂成分と、該樹脂成分に対して(D)無機充填剤100〜200質量部、及び(E)可塑剤1〜20質量部とを含む樹脂組成物からなり、透気度が50〜5,000秒/100mL、機械流れ方向の引張弾性率が50MPa以下、かつ耐熱温度が160℃以上である透湿性フィルム。
本発明によれば、風合い及び柔軟性に富み、通気性、耐熱性、及び耐液漏れ性に優れる透湿性フィルムを得ることができる。
滲み出し面積の評価方法の説明図である。
[透湿性フィルム]
本発明の透湿性フィルムは、(A)密度が0.910〜0.960g/cm3、融点が100〜140℃であるポリエチレン樹脂(以下、「(A)ポリエチレン樹脂」ともいう)40〜90質量部、(B)メソペンタッド分率(mmmm)が90%以上100%以下のプロピレン単独重合体(以下、「(B)プロピレン単独重合体」ともいう)5〜30質量部、及び(C)メソペンタッド分率(mmmm)が30%以上90%未満のプロピレン単独重合体(以下、「(C)プロピレン単独重合体」ともいう)5〜30質量部を含む100質量部の樹脂成分と、該樹脂成分に対して(D)無機充填剤100〜200質量部、及び(E)可塑剤1〜20質量部とを含む樹脂組成物からなり、透気度が50〜5,000秒/100mL、機械流れ方向の引張弾性率が50MPa以下、かつ耐熱温度が160℃以上であることを特徴とするものである。
<(A)ポリエチレン樹脂>
(A)ポリエチレン樹脂は、本発明の透湿性フィルムに優れた機械特性を付与する成分であり、密度が0.910〜0.960g/cm3、融点が100〜140℃であれば特に制限はない。
ここで、密度はピクノメーター法(JIS K7112 B法)により測定した密度であり、他の樹脂の密度の測定方法もこれと同じである。
また、融点は、JIS K7121に準拠して測定される値であり、その測定条件は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で−40℃から200℃まで昇温し、200℃で1分間保持した後、冷却速度10℃/分で−40℃まで降温し、再度、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから求めた結晶融解ピーク温度(Tm)(℃)であり、他の樹脂の融点の測定方法もこれと同じである。
(A)ポリエチレン樹脂としては、例えばエチレン単独重合体、又はエチレン−プロピレン、エチレン−(1−ブテン)、エチレン−(1−ヘキセン)、エチレン−(4−メチル−1−ペンテン)及びエチレン−(1−オクテン)等のエチレン−(α−オレフィン)共重合体からなるものを用いることができる。
これらの重合体の重合に用いられる重合触媒としては、例えば、公知のチーグラー系、フィリップス系等のマルチサイト触媒、又はジルコノセン、チタノセン、ハフノセン(総称して、メタロセン)のカミンスキー触媒、ポストメタロセン触媒等の高活性なシングルサイト触媒等が挙げられる。
(A)ポリエチレン樹脂の密度は、風合い及び柔軟性に富み、通気性、耐熱性、及び耐液漏れ性に優れる透湿性フィルムを得る観点から、0.910〜0.960g/cm3である。また、(A)ポリエチレン樹脂の融点は、同様の観点から、100〜140℃である。
(A)ポリエチレン樹脂のメルトフローレート(MFR)は、同様の観点から、好ましくは0.5〜10g/10minである。ここで、(A)ポリエチレン樹脂のMFRはJIS K7210条件Dに準拠して測定される値であり、その測定条件は190℃、2.16kg荷重である。
樹脂組成物中の樹脂成分100質量部中の(A)ポリエチレン樹脂の含有量は、風合い及び柔軟性に富み、通気性、耐熱性、及び耐液漏れ性に優れる透湿性フィルムを得る観点から、40〜90質量部であり、60〜90質量部が好ましい。
<(B)プロピレン単独重合体>
(B)プロピレン単独重合体は、透湿性フィルムに優れた機械特性と耐熱性を付与する成分である。
(B)プロピレン単独重合体としては、メソペンタッド分率(mmmm)が90%以上100%以下であれば特に制限はない。
ここで、本明細書におけるメソペンタッド分率(mmmm)とは、13C−NMRにより測定されるペンタッド構造単位の総和に対する、メソペンタッド構造単位の割合を意味し、Macromolecules, Vol. 22, No. 10, 1989に記載された方法によって測定することができる。
(B)プロピレン単独重合体のメソペンタッド分率(mmmm)は、透湿性フィルムに適度な剛性と耐熱性を付与する観点から、好ましくは92〜100%、より好ましくは95〜100%である。
(B)プロピレン単独重合体の密度は、優れた機械特性と耐熱性とを得る観点から0.890〜0.910g/cm3が好ましい。また、同様の観点から、融点は155〜170℃が好ましい。
(B)プロピレン単独重合体のMFRは10〜100g/10minであることが好ましい。ここで、(B)プロピレン単独重合体のMFRはJIS K7210条件Mに準拠して測定される値であり、その測定条件は230℃、2.16kg荷重である。
(B)プロピレン単独重合体は、市販品の中から適宜選択して用いることができる。市販品としては、例えば、「ノバテックPP」(日本ポリプロ(株)製)、「プライムポリプロ」((株)プライムポリマー製)、「住友ノーブレン」(住友化学(株)製)、サンアロマー(株)製のポリプロピレンなどが挙げられる。
樹脂組成物中の樹脂成分100質量部中の(B)プロピレン単独重合体の含有量は、5〜30質量部であり、5〜15質量部が好ましい。
(B)プロピレン単独重合体の含有量を5質量部以上とすることにより、十分な強度、剛性及びホットメルト接着剤への耐熱性を得ることができ、30質量部以下とすることで十分な生産性が得られ、(A)ポリエチレン樹脂との相容性、分散不良等による延伸ムラ及び外観不良が十分に解消される。
<(C)プロピレン単独重合体>
(C)プロピレン単独重合体は、透湿性フィルムに優れた柔軟性、風合いを付与する成分である。
(C)プロピレン単独重合体は、メソペンタッド分率(mmmm)が30%以上90%未満であり、これは前記(B)プロピレン単独重合体とは異なる特徴を示す。すなわち、C13−NMR分析で判明するメソペンタッド分率(mmmm)が(B)プロピレン単独重合体より低く、側鎖の−CH3基の立体規則性が低く制御されているポリプロピレンである。
(C)プロピレン単独重合体のメソペンタッド分率(mmmm)は、好ましくは30〜80%、より好ましくは40〜70%である。メソペンタッド分率(mmmm)を上記範囲内とすることにより、ポリプロピレンの結晶化度を適度に低下させることができ、柔軟性及び風合いの向上、並びに延伸ムラの抑制に効果を奏しながら、耐熱性を確保することができる。
(C)プロピレン単独重合体の密度は、優れた機械特性と耐熱性とを得る観点から、0.850〜0.910g/cm3が好ましい。
また、同様の観点から、融点は50〜120℃が好ましく、70〜120℃がより好ましく、70〜100℃がさらに好ましい。
(C)プロピレン単独重合体のMFRは10〜100g/10minであることが好ましい。ここで、(C)プロピレン単独重合体のMFRはJIS K7210条件Mに準拠して測定される値であり、その測定条件は230℃、2.16kg荷重である。
(C)プロピレン単独重合体は、市販品の中から適宜選択して用いることができる。市販品としては、例えば、「L−MODU」(出光興産(株)製)等が挙げられる。
樹脂組成物中の樹脂成分100質量部中の(C)プロピレン単独重合体の含有量は、5〜30質量部であり、5〜15質量部が好ましい。
(C)プロピレン単独重合体の含有量を5質量部以上とすることにより、柔軟性及び風合いを向上させることができ、30質量部以下とすることにより、優れた耐熱性を得ることができる。
本発明に用いる樹脂組成物中の全樹脂成分の含有量は、透湿性フィルムの柔軟性、通気性、透湿性、耐熱収縮性、及び耐液漏れ性の観点から、20〜60質量%であることが好ましく、25〜50質量%であることがより好ましく、30〜45質量%であることがさらに好ましい。
さらに、全樹脂成分中の(A)〜(C)成分の合計量は、透湿性フィルムの柔軟性、通気性、透湿性、耐熱収縮性、及び耐液漏れ性の観点から、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
<(D)無機充填剤>
(D)無機充填剤は、ボイド(微孔)の形成に寄与する成分であり、透湿性フィルムに通気性及び透湿性と耐液漏れ性とを付与する成分である。
(D)無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、タルク、クレイ、カオリナイト、モンモリロナイト、ハイドロタルサイトなどの微粒子、及び鉱物が挙げられ、これらを単独で又は複数種を用いることができる。これらの中でも、ボイド(微孔)の発現、汎用性の高さ、低価格、及び銘柄の豊富さなどに優れることから、炭酸カルシウム、及び硫酸バリウムが好ましい。
(D)無機充填剤は、原石鉱物の粉砕により得られる重質品でも、化学合成により得られる軽質品のいずれであってもよい。
(D)無機充填剤のD50平均粒子径は、0.5〜3μmが好ましく、0.8〜2μmがより好ましい。平均粒子径が0.5μm以上であると、無機充填剤の分散分配不良、及び二次凝集がなく、より均一に分散させることができる。一方、3μm以下であると、薄膜化した際にボイド(微孔)の大きさが適度なものとなり、優れた通気性、及び透湿性とともに、機械特性、耐水性、及び耐液漏れ性が得られる。
また、あらかじめ脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸塩などの金属石鹸などでその表面をコーティングした無機充填剤、シランカップリング剤でその表面をコーティングした無機充填剤を用いることが好ましい。このような無機充填剤は樹脂成分となじみ易くなるため、樹脂成分との分散混合性が向上し、均質なボイド(微孔)を形成することができ、優れた通気性、透湿性とともに、機械特性、耐水性、及び耐液漏れ性が得られる。
樹脂成分100質量部に対する(D)無機充填剤の含有量は、100〜200質量部であり、120〜190質量部が好ましく、140〜180質量部がより好ましい。(D)無機充填剤の含有量が上記範囲内であると、優れた通気性、及び透湿性とともに、機械特性、耐水性、及び耐液漏れ性が得られる。
<(E)可塑剤>
(E)可塑剤は、樹脂組成物をフィルム状に成形する際の加工性の向上に寄与する成分である。(E)可塑剤としては、例えば、ひまし油、水添ひまし油、硬化ひまし油、脱水ひまし油などのひまし油類、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、金属石鹸、高級アルコール、ワセリン、パラフィンワックス、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、芳香族エステル、芳香族アミド及びポリエーテル、ポリエステルなどの低分子量ポリマー(オリゴマー)などが挙げられ、これらを単独で又は複数種を用いることができる。
本発明においては、ひまし油、水添ひまし油、硬化ひまし油、脱水ひまし油などのひまし油類が好ましく、中でも12−ヒドロキシオクタデカン酸とグリセリンからなるトリグリセライドを主成分とする硬化ひまし油が好ましく用いられる。硬化ひまし油は、融点が80〜90℃の粉末状であるため、生産時のハンドリングが容易であり、また、樹脂成分に優れた可塑性、延展性を付与するので、樹脂組成物をフィルム状に成形する際の加工性が得られ、また耐水性、耐液漏れ性が得られる。
硬化ひまし油は市販品の中から適宜選択して用いることができる。市販品としては、例えば、「ヒマシ硬化油」、「ヒマシ硬化油A」(以上、伊藤製油(株)製)、「ヒマ硬」、「HCO−I」(以上、(株)ケイエフ・トレーディング製)、「キャスターワックス」(豊国製油(株)製)などの商品が挙げられる。
樹脂成分100質量部に対する(E)可塑剤の含有量は、1〜20質量部であり、1〜15質量部が好ましく、3〜15質量部がより好ましい。(E)可塑剤の含有量が上記範囲内であると、生産時のハンドリングが容易であり、また、樹脂成分に優れた可塑性、延展性を付与するので、樹脂組成物をフィルム状に成形する際の加工性が得られ、また耐水性、耐液漏れ性が得られる。
また使用目的に応じて、上記(A)〜(C)成分以外の樹脂、相容化剤、加工助剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、艶消し剤、抗菌剤、消臭剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤及び顔料などを、樹脂組成物に本発明の効果を阻害しない程度に適量添加してもよい。
本発明の透湿性フィルムは、用途及び目的に応じて、単層構造としてもよく、また上記の樹脂組成物を用いて得られる複数のフィルムを用いた2層以上の多層構造のものであってもよい。また、本発明の透湿性フィルムと、他の樹脂フィルム、不織布等他の材質からなるシートとを組み合わせて用いてもよい。
<透湿性フィルムの物性>
本発明の透湿性フィルムは、透気度が50〜5,000秒/100mLであり、優れた通気性を有する。透気度が50秒/100mL以上であることにより、優れた機械特性、耐水性、及び耐液漏れ性が得られ、5,000秒/100mL以下であることにより優れた通気性、透湿性が得られ、本発明の透湿性フィルムを紙おむつ、生理処理用品などの透湿防水用バックシートなどの衛生材料に用いる場合に優れた快適性が得られる。これと同様の観点から、透気度は100〜1,000秒/100mLが好ましい。ここで、透気度は、JIS P8117:2009(ガーレー試験機法)に規定される方法に準じて測定される100mLの空気が紙片を通過する秒数であり、例えば透気度測定装置(旭精工(株)製 王研式透気度測定機 EGO1−55型)を用いて測定することができる。本発明においては、サンプルは無作為に10点測定し、その算術平均値を透気度とした。
本発明の透湿性フィルムの透湿度は、1,000〜20,000g/(m2・24h)であることが好ましく、5,000〜15,000g/(m2・24h)であることがより好ましい。透湿度が1,000g/(m2・24h)以上であると、湿気を十分に逃がすことができるので、本発明の透湿性フィルムを紙おむつ及び生理処理用品などの透湿防水用バックシートなどの衛生材料に用いる場合に、湿気によるムレ、素肌のかぶれがなく快適に着用ができる。また、20,000g/(m2・24h)以下であると、優れた機械物性、耐水性、及び耐液漏れ性が確保される。ここで、透湿度はJIS Z0208(防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法))の諸条件に準拠して、吸湿剤として無水塩化カルシウム15gを用い、40℃、相対湿度90%の恒温恒湿環境下で、サンプルは無作為に3点測定し、その算術平均値を求めた。
本発明の透湿性フィルムの機械流れ方向(MD方向)の引張弾性率は50MPa以下である。引張弾性率が50MPa以下であると、加工した後の風合い及び柔軟性が確保され、本発明の透湿性フィルムを紙おむつ及び生理処理用品などの透湿防水用バックシートなどの衛生材料に用いる場合に、硬さ、シャリ感、及びゴワゴワ感がなく肌触りが良く、優れたはき心地が得られる。これと同様の観点から、引張弾性率は10〜40MPaが好ましい。ここで、機械流れ方向の引張弾性率は、JIS K7127に準拠して、幅25mmのサンプルを作製し、23℃、相対湿度50%の環境下で、引張速度200mm/分、チャック間距離50mmの条件で引張試験機を用いて測定して得られた引張応力−ひずみ曲線の初めの直接部分から、次の式により算出したE(引張弾性率)である。本発明においては、3回測定を行い、その算術平均値をE(引張弾性率)とした。
引張弾性率=Δρ/Δε
Δρ:直線上の2点間の元平均断面積による応力差
Δε:同じ2点間のひずみ差
本発明の透湿性フィルムの機械流れ方向(MD方向)の引張破断強度は、3〜10N/25mmであることが好ましく、5〜8N/25mmであることがより好ましい。引張破断強度が3N/25mm以上であると、適度な剛性と抗張力を有し機械特性に優れ、印刷、スリット、並びに巻取加工時にフィルムの伸び及びひずみが無く、生産ラインにおける優れた機械適性が得られる。また、10N/25mm以下であると、加工した後の風合い及び柔軟性が確保され、本発明の透湿性フィルムを紙おむつ及び生理処理用品などの透湿防水用バックシートなどの衛生材料に用いる場合に、硬さ、シャリ感、及びゴワゴワ感がなく肌触りが良く、優れたはき心地が得られる。ここで、機械流れ方向の引張破断強度は、JIS K7127に準拠して、幅25mmのサンプルを作製し、23℃、相対湿度50%の環境下で、引張速度200mm/分、チャック間距離50mmの条件で引張試験機を用いて破断した際の引張破断強度である。本発明においては3回測定を行い算出した引張破断強度の算術平均値とした。
本発明の透湿性フィルムの機械流れ方向(MD方向)の引張伸びは、100〜400%であることが好ましく、150〜300%であることがより好ましい。引張伸びが100%以上であると、本発明の透湿性フィルムを紙おむつ及び生理処理用品などの透湿防水用バックシートなどの衛生材料に用いる場合、硬さ、シャリ感、及びゴワゴワ感がなく肌触りが良く、優れたはき心地が得られる。また、引張伸びが400%以下であると、適度な剛性と抗張力を有し機械特性に優れ、印刷、スリット、並びに巻取加工時にフィルムの伸び及びひずみが無く、生産ラインにおける優れた機械適性が得られる。ここで、機械流れ方向の引張伸びは、JIS K7127に準拠して、幅25mmのサンプルを作製し、23℃、相対湿度50%の環境下で、引張速度200mm/分、チャック間距離50mmの条件で引張試験機を用いて破断した際の伸びである。本発明においては、3回測定を行い、その算術平均値を引張伸びとした。
本発明の透湿性フィルムの滲み出し面積は30%未満が好ましい。滲み出し面積が30%未満であると、優れた耐水性、耐液漏れ性が得られ、本発明の透湿性フィルムを紙おむつ及び生理処理用品などの透湿防水用バックシートなどの衛生材料に用いる場合に、尿などの滲み出し及び漏れが発生しない。これと同様の観点から、滲み出し面積は20%未満であることがより好ましく、10%未満がさらに好ましい。
ここで、滲み出し面積は、以下のように求めた値である。
蒸留水99.8質量部に、カチオン型界面活性剤(「エレガン263−40(商品名)」,日油(株)製)0.2質量部、赤色102号顔料(和光純薬工業(株)製)0.30質量部を徐々に加えて、1時間攪拌し、均一に溶解、分散させて赤色の試験液を準備した。
温度23℃、相対湿度50%に調温湿された恒温恒湿屋内で、図1に示されるように、ろ紙(「FILTER PAPER No.2(商品名)」,アドバンテック(株)製,直径:70mm)の上に、100mm×100mm角に切り出した透湿性フィルム、70mm×70mm角に切り出した市販のキッチンペーパーを重ねて、試験液を該キッチンペーパーの中心部分にスポイトで静かに2.0mL滴下した。滴下した後、前記市販のキッチンペーパーの上に、樹脂プレート(直径:60mm,厚み:5mm)を重ねて、さらに質量が2kgの分銅を載せて30分間放置した。ろ紙が試験液の滲み出しにより赤色に着色された部分(図1の試験後のろ紙に示される着色部分)の面積を測定して、加圧したろ紙全体において、該面積の占める割合を算出した値を滲み出し面積とする。
本発明の透湿性フィルムの耐熱温度は160℃以上である。耐熱温度が160℃以上であると、本発明の透湿性フィルムを紙おむつ及び生理処理用品などの透湿防水用バックシートなどの衛生材料に用いる場合に、その製造工程で使用される高温で噴霧されるホットメルト接着剤への耐熱性に優れ、フィルムが破れるといった生産工程のトラブルに発展しない。ここで、耐熱温度は、サンプル(100mm×100mm)を、その中心をφ50mmの円状に打ち抜いたステンレス鋼板(100mm×100mm×2mm(厚さ))2枚で挟み、クリップで四辺を固定し、槽内温度160℃の対流オーブンに2分間静置して加熱した後、ステンレス鋼板の円状打抜き箇所のサンプルが溶融し、穴が開いていないか、その様子を目視判断し、破れ及び穴あきがないものを耐熱温度160℃以上とする。
本発明の透湿性フィルムの坪量は5〜50g/m2であることが好ましく、10〜25g/m2であることがより好ましい。坪量が5g/m2以上であると、透湿性フィルムの引張破断強度、引裂強度及び適度な剛性を確保することができ、50g/m2以下であると、軽量化が図れ、優れた風合い及び柔軟性も得られる。ここで、坪量は、サンプル(機械流れ方向(MD方向):250mm、垂直方向(TD方向):200mm)の質量を電子天秤で測定し、その数値を20倍した値を坪量とした。
本発明の透湿性フィルムの厚さは、5〜50μmであることが好ましく、10〜25μmであることがより好ましい。厚さが5μm以上であると優れた機械特性が得られる。また50μm以下であると、薄膜化、軽量化が図れ、優れた柔軟性も得られる。ここで、透湿性フィルムの厚さは、サンプル(機械流れ方向(MD方向):100mm、垂直方向(TD方向):100mm)について、定圧厚み測定計を用いて測定した任意の9点の厚さの算術平均値である。
本発明の透湿性フィルムは、延伸されたものであることが好ましい。延伸されることにより、ボイド(微孔)が形成されるので、優れた通気性及び透湿性が得られる。延伸ムラがなく均一に延伸し、優れた透湿性、耐水性、及び耐液漏れ性をバランスよく得る観点から、機械流れ方向(MD方向)の延伸倍率は1.5〜4.0倍であることが好ましく、2.0〜3.5倍であることがより好ましい。
[透湿性フィルムの製造方法]
本発明の透湿性フィルムは、例えば、工程(1)前記(A)ポリエチレン樹脂40〜90質量部、前記(B)プロピレン単独重合体5〜30質量部、及び前記(C)プロピレン単独重合体5〜30質量部を含む100質量部の樹脂成分と、該樹脂成分に対して(D)無機充填剤100〜200質量部、及び(E)可塑剤1〜20質量部とを含む樹脂組成物をフィルム状に成形する工程、及び工程(2)フィルム状にした樹脂組成物を、少なくとも機械流れ方向に0〜100℃で1.5〜4.0倍延伸を行う延伸工程を順に有する製造方法により製造することができる。
(工程(1))
工程(1)は、上記の本発明の透湿性フィルムを形成する樹脂組成物をフィルム状に成形する工程である。
まず、樹脂組成物に含まれる成分、すなわち樹脂成分、無機充填剤、可塑剤、及び必要に応じて各種添加剤を混合機で混合し、混練機を用いて溶融混練することが好ましい。混合機としては、例えばタンブラーミキサー、ミキシングロール、バンバリーミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサーなどが挙げられ、通常5分〜1時間程度混合する。
混練機としては、異方向二軸押出機、同方向二軸押出機などの多軸混練機を用いることができる。混練機を用いることで、樹脂組成物の均一な分散分配を促すことができる。樹脂組成物の配合に応じて、例えば、混合機による混合を行わず、該樹脂組成物の各成分を直接混練機に投入することも可能である。
得られた樹脂組成物は、製造過程を考慮するとストランドカット、ダイカットなどの方法により一旦ペレット化することが好ましいが、そのままダイを通じて薄いフィルム状に直接成形することも可能である。
樹脂組成物をフィルム状に成形する方法には、特に限定はなく、公知の方法を適用することができる。例えば、製造効率、コストなどから、前記樹脂組成物を溶融押出後、インフレーション、チューブラ、及びTダイなど成形方式により薄いフィルム状に成形する方式が好ましい。
(工程(2))
工程(2)は、上記工程(1)でフィルム状にした樹脂組成物を、少なくとも機械流れ方向に0〜100℃で1.5〜4.0倍延伸を行う延伸工程であり、この工程により樹脂組成物のフィルムにボイド(微孔)が形成し、微多孔質化するので、透湿性フィルムが得られる。
工程(1)で得られた樹脂組成物のフィルムにボイド(微孔)を形成し、微多孔質化する方法としては、延伸開孔法が一般的であるが、その方法についても制限はない。延伸方法としては、一軸延伸方式、二軸延伸方式のいずれでもよく、例えば、ロール延伸方式、テンター方式、同時式、及び逐次式などの二軸延伸方式などの公知の延伸方式を適用することができる。本発明においては少なくとも機械流れ方向に1回、または延伸ムラ、通気性との兼ね合いにより2回以上行なってもよい。
透湿性フィルムの製造方法において、延伸倍率は1.5〜4.0倍が好ましく、2.0〜3.5倍がより好ましい。延伸温度は、0〜100℃が好ましく、40〜100℃がより好ましい。延伸温度が上記範囲内であると、優れた通気性、透湿性、及び耐液漏れ性をバランスよく得られる。
延伸倍率を1.5倍以上とすることで、延伸ムラがなく均一に延伸された透湿性フィルムが得られる。また、延伸倍率を4.0倍以下とすることで、優れた透湿性、耐水性、及び耐液漏れ性をバランスよく得られる。
透湿性フィルムの製造方法において、延伸温度と延伸倍率とを上記範囲内で組み合わせることで、風合い及び柔軟性に富み、通気性、耐熱性、及び耐液漏れ性に優れる透湿性フィルムが得られ、所望の性能に応じてその条件を適宜選択することができる。
透湿性フィルムの延伸方向の熱収縮対策として、延伸工程の後に熱固定を行うことが好ましい。熱固定の工程を経た透湿性フィルムは、ロール状巻物として長期保管しても、弾性回復、及び熱による収縮及び巻き絞まり、フィルム同士の貼り付き及びブロッキングが少なく、次工程でも問題なく加工できる。熱固定とは、あらかじめフィルムに熱をかけフィルムをわざと熱収縮させて、製品ロールの収縮を抑えることを指す。
熱固定の方法としては、例えば、ロール延伸方式を採用する場合、延伸後のフィルムを加熱したロール(アニールロール)により加熱しながらドロー比(巻取側ロール速度/巻出側ロール速度の比)を負数にする方法が挙げられる。また、テンター延伸方法を採用する場合、テンター出口付近でフィルムを過熱し、両端のクリップ幅を延伸後の幅より狭くすることでフィルムを収縮させる方法が挙げられる。
熱固定の温度としては、70〜120℃が好ましい。熱固定の温度が70℃以上であると、フィルムが十分に熱固定されるので製品ロールの収縮を抑えることができ、120℃以下であると、フィルムがロールに巻きつく、破れるなどの製造トラブルが生じにくくなる。
負数のドロー比としては、−20〜−5%が好ましい。負数のドロー比を上記範囲内とすると、製造面で熱固定がトラブルなく施され、十分な熱寸法安定性を得ることができる。
また、前記延伸処理と同様に熱固定も複数回分割して実施してもよい。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
(1)外観、風合い
得られた透湿性フィルムを 機械流れ方向(MD方向):3m,横断方向(TD方向):0.5mで切り出し、目視判断した。
A:延伸ムラが無く、風合いに優れる。
B:延伸ムラが一部あるが、風合いも良好である。
C:延伸ムラがあり、風合いが少し劣る。
D:延伸ムラが酷く、ガサガサ・ゴワゴワする。
(2)坪量の測定
上記の方法に従い、坪量を測定した。
(3)透気度の測定
上記の方法に従い、透気度を測定した。透気度測定装置として、王研式透気度測定機(「EGO1−55型(型番)」,旭精工(株)製)を用いた。
(4)透湿度の測定
上記の方法に従い、透湿度を測定した。
(5)機械流れ方向(MD方向)引張破断強度の測定
上記の方法に従い、機械流れ方向(MD方向)引張破断強度を測定した。
(6)機械流れ方向(MD方向)引張伸びの測定
上記の方法に従い、機械流れ方向(MD方向)引張伸びを測定した。
(7)機械流れ方向(MD方向)引張弾性率の測定
上記の方法に従い、機械流れ方向(MD方向)引張弾性率を測定した。
(8)滲み出し面積の測定(耐液漏れ性の評価)
上記の方法に従い、滲み出し面積を算出し、以下の基準で評価した。
A:滲み出し面積が10%未満
B:滲み出し面積が10%以上、20%未満
C:滲み出し面積が20%以上、30%未満
D:滲み出し面積が30%以上
(9)耐熱性の評価
上記の方法に従い、破れ及び穴あきがないものを耐熱温度160℃以上(A評価)とし、破れ及び穴あきが確認されたものは耐熱温度160℃未満(B評価)とした。
[透湿性フィルムの製造]
実施例1、比較例1〜2
表1に示される樹脂組成物の各成分を用意し、これらをスーパーミキサーに投入し、10分間混合、分散させて、同方向二軸押出機を用いて設定押出温度を180℃として溶融混練させて樹脂組成物を得て、これをストランドカット方式でコンパウンドペレットを得た。得られたペレットを用いて、単軸押出機とインフレーション・ダイを用いてフィルム状に成形し、ロール式縦延伸機を用いて、延伸温度65℃、延伸倍率2.5倍で機械流れ方向(MD方向)に延伸を一回行い、次いで、90℃で熱固定、弛緩することで透湿性フィルムを得た。得られた透湿性フィルムについて、上記の(1)〜(9)に示す方法に従い、各性能の測定及び評価を行い、その結果を表2に示す。
表2より実施例1は、通気性と透湿性に優れ、耐液漏れ性も良好であった。
また、実施例1は、(C)プロピレン単独重合体を含有することにより、MD方向引張弾性率が50MPa以下であり風合いと柔軟性に優れると共に、160℃のオーブン処理でもフィルムが破れず、高温のホットメルト接着剤への耐熱性も十分備わっていることが分かる。すなわち、実施例1で得られた透湿性フィルムは柔軟性と耐熱性とを高度に両立するものであった。
一方、比較例1は、外観、透湿性、柔軟性(MD方向引張弾性率)は満足しているものの、耐熱性に劣っていた。比較例2は耐熱性が備わっているが、耐液漏れ性に劣っていた。加えて、比較例2は実施例1より剛性(MD方向引張弾性率)が高く、柔軟性に劣っていた。
本発明により得られた透湿性フィルムは、風合い及び柔軟性に富み、通気性及び透湿性に優れながらも、液漏れしにくい透湿性フィルムであるため、紙おむつ、及び生理処理用品などの透湿防水用バックシートなどの衛生材料として特に好適に使用することができる。

Claims (6)

  1. (A)密度が0.910〜0.960g/cm3、融点が100〜140℃であるポリエチレン樹脂40〜90質量部、(B)メソペンタッド分率(mmmm)が90%以上100%以下のプロピレン単独重合体5〜30質量部、及び(C)メソペンタッド分率(mmmm)が30%以上90%未満のプロピレン単独重合体5〜30質量部を含む100質量部の樹脂成分と、該樹脂成分に対して(D)無機充填剤100〜200質量部、及び(E)可塑剤1〜20質量部とを含む樹脂組成物からなり、透気度が50〜5,000秒/100mL、機械流れ方向の引張弾性率が50MPa以下、かつ耐熱温度が160℃以上である透湿性フィルム。
  2. 前記(E)可塑剤が、ひまし油、水添ひまし油、硬化ひまし油、及び脱水ひまし油から選ばれる少なくとも一種のひまし油類である請求項1に記載の透湿性フィルム。
  3. 滲み出し面積が30%未満である請求項1又は2に記載の透湿性フィルム。
  4. 坪量が5〜50g/m2、透湿度が1,000〜20,000g/(m2・24h)である請求項1〜3のいずれか1項に記載の透湿性フィルム。
  5. 延伸されたものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の透湿性フィルム。
  6. 衛生用品の透湿防水用バックシートに用いられる請求項1〜5のいずれか1項に記載の透湿性フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019104812A (ja) * 2017-12-12 2019-06-27 花王株式会社 樹脂組成物及び透湿シートの製造方法
WO2023188400A1 (ja) * 2022-03-31 2023-10-05 花王株式会社 多孔質フィルム、その製造方法、及びそれを備えた吸収性物品

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