JP5832196B2 - 樹脂組成物、成形体及び樹脂製品 - Google Patents

樹脂組成物、成形体及び樹脂製品 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂組成物、成形体及び樹脂製品に関する。
紙おむつのウエストギャザー及び生理用ナプキンのウイング部のギャザーは、伸縮性が要求されるため、ポリウレタン製の発泡テープ、伸縮性フィルム、糸ゴム、ポリウレタン製の弾性糸等が使用されている。特に、紙おむつの用途では、ポリウレタン製の弾性糸が使用されている。この理由としては、ポリウレタン製の弾性糸が弱い力で伸縮すると共に、伸縮歪みが小さいので、弾性糸の本数を調整することで伸縮力を制御できること、不織布と組み合わせることにより、透湿性及び通気性を確保できること及び作業性が優れることが挙げられる。しかしながら、ポリウレタン製の弾性糸は、ポリプロピレン製の不織布、ポリエチレン製の不織布、ポリエステル製の不織布及びこれらの複合系の不織布との熱接着性及び超音波接着性が低いため、スチレン系、EVA系等のホットメルト接着剤を使用する必要がある。さらに、ポリウレタン製の弾性糸は、断面が円形であるため、ホットメルト接着剤による接着では、接着強度に問題が発生することがある。
特許文献1には、ポリプロピレン系エラストマー、低密度ポリエチレン及び無機充填剤を含み、ポリプロピレン系エラストマーの含有量が60重量%以上80重量%以下であり、低密度ポリエチレンの含有量が10重量%以上30重量%以下であり、無機充填剤の含有量が5重量%以上15重量%以下である樹脂組成物が開示されている。このとき、ポリプロピレン系エラストマーは、プロピレン由来の構成単位及びエチレン由来の構成単位を有し、プロピレン由来の構成単位の含有量が80重量%以上であり、エチレン由来の構成単位の含有量が20重量%以下であり、曲げ弾性率が12000psi以下である。
しかしながら、樹脂組成物が成形されている成形体を伸縮する際の強度を小さくすると共に、伸縮歪みを小さくすることが望まれている。
特開2008−169304号公報
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、成形体を伸縮する際の強度を小さくすると共に、伸縮歪みを小さくすることが可能な樹脂組成物、該樹脂組成物の成形体及び該成形体を有する樹脂製品を提供することを目的とする。
本発明の樹脂組成物は、ポリプロピレン系エラストマー、ポリプロピレン系樹脂(ただし、エラストマーを除く)及び無機充填剤を含み、前記ポリプロピレン系エラストマーの含有量が70質量%以上97質量%以下であり、前記ポリプロピレン系樹脂の含有量が1質量%以上20質量%以下であり、前記無機充填剤の含有量が3質量%以上20質量%以下であり、低密度ポリエチレンの含有量が5質量%未満(ただし、0を除く)であり、前記ポリプロピレン系エラストマーは、プロピレン由来の構成単位及びエチレン由来の構成単位を有し、前記エチレン由来の構成単位の含有量が20質量%以下であり、23℃における1%割線曲げ弾性率が12000psi以下である。
本発明の成形体は、本発明の樹脂組成物が成形されている。
本発明の樹脂製品は、本発明の成形体を有する。
本発明によれば、成形体を伸縮する際の強度を小さくすると共に、伸縮歪みを小さくすることが可能な樹脂組成物、該樹脂組成物の成形体及び該成形体を有する樹脂製品を提供することができる。
次に、本発明を実施するための形態を説明する。
本発明の樹脂組成物は、ポリプロピレン(PP)系エラストマー、ポリプロピレン(PP)系樹脂(ただし、エラストマーを除く)及び無機充填剤を含む。このため、本発明の樹脂組成物が成形されている成形体を伸縮する際の強度を小さくすると共に、伸縮歪みを小さくすることができる。その結果、本発明の樹脂組成物が成形されているフィルムを、例えば、縦方向に伸長せず、横方向に伸長するスパンレース不織布と熱接着又は超音波接着させる用途に適用することができる。
本発明の樹脂組成物中のポリプロピレン系エラストマーの含有量は、70〜97質量%であり、73〜95質量%が好ましい。樹脂組成物中のポリプロピレン系エラストマーの含有量が70質量%未満であると、樹脂組成物が成形されているフィルムの伸縮性が低下し、97質量%を超えると、樹脂組成物が成形されているフィルムの耐ブロッキング性が低下する。
ポリプロピレン系エラストマーは、プロピレン由来の構成単位及びエチレン由来の構成単位を有し、アイソタクチック構造を構成するプロピレン由来の構成単位の中に、エチレン由来の構成単位がランダムに分布していることが好ましい。
ポリプロピレン系エラストマーは、エチレン由来の構成単位の含有量が20質量%以下である。ポリプロピレン系エラストマーのエチレン由来の構成単位の含有量が20質量%を超えると、樹脂組成物が成形されているフィルムの耐ブロッキング性が低下する。
ポリプロピレン系エラストマーは、23℃における1%割線曲げ弾性率が12000psi(82.8MPa)以下であり、6000psi(41.4MPa)以下が好ましい。これにより、本発明の樹脂組成物が成形されているフィルムの伸縮性、強度及び成形安定性を維持することができる。
ポリプロピレン系エラストマーの密度は、通常、0.862〜0.879g/cmであり、0.865〜0.867g/cmが好ましい。ポリプロピレン系エラストマーの密度が0.862g/cm未満であると、本発明の樹脂組成物が成形されているフィルムの成形安定性が低下することがあり、0.879g/cmを超えると、本発明の樹脂組成物が成形されているフィルムの伸縮性が低下することがある。
ポリプロピレン系エラストマーのMFR(230℃/2.16kg)は、通常、3.0〜8.0g/10minであり、4.0〜5.0g/10minが好ましい。ポリプロピレン系エラストマーのMFR(230℃/2.16kg)が3.0g/10min未満であると、本発明の樹脂組成物が成形されているフィルムを薄膜化することが困難になることがあり、8.0g/10minを超えると、本発明の樹脂組成物が成形されているフィルムの成形安定性が低下することがある。
ポリプロピレン系エラストマーの23℃におけるデュロメータ硬さは、通常、64〜86であり、67〜73が好ましい。ポリプロピレン系エラストマーの23℃におけるデュロメータ硬さが64未満であると、本発明の樹脂組成物が成形されているフィルムの耐ブロッキング性及び成形安定性が低下することがあり、86を超えると、本発明の樹脂組成物が成形されているフィルムの伸縮性が低下することがある。
ポリプロピレン系エラストマーの市販品としては、Vistamaxx 6102(ExxonMobile社製)等が挙げられる。
このとき、ポリプロピレン系エラストマーは、二種以上のポリプロピレン系エラストマーの混合物であってもよい。
Vistamaxx 6102(ExxonMobile社製)と混合することが可能なポリプロピレン系エラストマーとしては、Vistamaxx 3980(ExxonMobile社製)等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物中のポリプロピレン系樹脂の含有量は、1〜20質量%であり、1.5〜10質量%が好ましい。樹脂組成物中のポリプロピレン系樹脂の含有量が1質量%未満であると、樹脂組成物が成形されているフィルムの成形性が低下し、20質量%を超えると、樹脂組成物が成形されているフィルムの伸縮性が低下する。
ポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されないが、ホモポリマー(ホモPP)、ランダムコポリマー(ランダムPP)、ブロックコポリマー(ブロックPP)等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、本発明の樹脂組成物が成形されているフィルムの成形性及び耐ブロッキング性を考慮すると、ホモポリマーが好ましい。
ランダムコポリマー、ブロックコポリマーにおける共重合モノマーとしては、エチレン等が挙げられる。
ランダムコポリマー、ブロックコポリマーのエチレン由来の構成単位の含有量は、通常、5質量%以下である。ランダムコポリマー、ブロックコポリマーのエチレン由来の構成単位の含有量が5質量%を超えると、本発明の樹脂組成物が成形されているフィルムの成形性及び耐ブロッキング性が低下することがある。
ポリプロピレン系樹脂のMFR(230℃/2.16kg)は、通常、1〜10g/10minであり、1.5〜3g/10minが好ましい。ポリプロピレン系樹脂のMFR(230℃/2.16kg)が1g/10min未満であると、本発明の樹脂組成物が成形されているフィルムを薄膜化することが困難になることがあり、10g/10minを超えると、本発明の樹脂組成物が成形されているフィルムの成形安定性が低下することがある。
ポリプロピレン系樹脂の市販品としては、ノバテックFY6H(日本ポリプロ社製)等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物中の無機充填剤の含有量は、1〜20質量%であり、3〜18質量%が好ましい。樹脂組成物中の無機充填剤の含有量が1質量%未満であると、樹脂組成物が成形されているフィルムの耐ブロッキング性が低下し、20質量%を超えると、樹脂組成物が成形されているフィルムの強度が低下する。
無機充填剤としては、本発明の樹脂組成物が成形されているフィルムの耐ブロッキング性を向上させることが可能であれば、特に限定されないが、炭酸カルシウム、タルク、ゼオライト、石膏、カーボンブラック、マイカ、クレー、カオリン、シリカ、ケイソウ土等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、本発明の樹脂組成物が成形されているフィルムの耐ブロッキング性及び透明性を両立できるため、タルクが好ましい。
無機充填剤の平均粒子径は、通常、2〜10μmであり、脂肪酸等により表面処理されていてもよい。
なお、無機充填剤を用いる際には、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン系樹脂、プロピレンの共重合体、ポリプロピレン系エラストマー等のキャリア樹脂を用いて、マスターバッチを作製することが好ましい。
本発明の樹脂組成物中の低密度ポリエチレンの含有量は、5質量%未満であり、2質量%未満が好ましい。樹脂組成物中の低密度ポリエチレンの含有量が5質量%以上であると、樹脂組成物が成形されている成形体を伸縮する際の強度が大きくなると共に、伸縮歪みが大きくなる。
低密度ポリエチレンとしては、特に限定されないが、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
本発明の樹脂組成物は、スリップ剤をさらに含むことが好ましい。これにより、本発明の樹脂組成物が成形されているフィルムの耐ブロッキング性をさらに向上させることができる。
スリップ剤としては、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミドが挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、エルカ酸アミドが好ましい。
本発明の樹脂組成物中のスリップ剤の含有量は、ポリプロピレン系エラストマー、ポリプロピレン系樹脂、無機充填剤及び低密度ポリエチレンの総質量に対して、通常、0.1〜0.3%であり、0.15〜0.25%が好ましい。
なお、スリップ剤を用いる際には、無機充填剤と同様に、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン系樹脂、プロピレンの共重合体、ポリプロピレン系エラストマー等のキャリア樹脂を用いて、マスターバッチを作製することが好ましい。
なお、本発明の樹脂組成物は、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、色剤等をさらに含んでもよい。
本発明の樹脂組成物は、リボンブレンダー、回転式ドラムブレンダー(ヘンシェルミキサー、高速ミキサー)等を用いて、ドライブレンドしたものであってもよい。また、押出機等を用いて、ドライブレンドした樹脂組成物を150〜210℃程度で溶融混練し、押し出してペレット化したものであってもよい。
本発明の成形体は、本発明の樹脂組成物が成形されている。このような成形体としては、伸縮性フィルム、伸縮性テープ、弾性紐、弾性糸等が挙げられる。
樹脂組成物を成形して伸縮性フィルムを作製する際には、T−ダイ法を用いることも可能であるが、フィルムの縦と横の強度バランス、高速成形性等を考慮すると、インフレーション法を用いることが好ましい。
なお、インフレーション法を用いる場合、成形温度は、通常、175〜200℃であり、ブロー比は、通常、2.5〜4.5である。ブロー比が2.5未満であると、伸縮性フィルムが縦裂けしやすくなることがあり、4.5を超えると、伸縮性フィルムを安定に成形することが困難になることがある。
伸縮性フィルムの厚さは、各種用途により適宜選択されるが、通常、200μm以下であり、20〜150μmが好ましい。伸縮性フィルムの厚さが200μmを超えると、伸縮性フィルムを安定に成形することが困難になることがある。
伸縮性フィルムの伸縮歪みは、通常、20%以下である。
なお、伸縮性フィルムを15〜60mm程度の幅に裁断して、ロール巻製品にする、又は、受箱にそのまま垂らし込むことにより、伸縮性テープを作製することができる。
また、ロール巻製品を1〜15mm程度の幅にさらに裁断して、トラバース巻製品にする、又は、受箱にそのまま垂らし込むことにより、細幅の伸縮性テープを作製することができる。
伸縮性テープは、延伸された状態でアニーリングされていることが好ましい。これにより、伸縮歪みを減少させ、伸縮性を向上させることができる。
伸縮性テープを延伸する場合、延伸方向は、縦一軸方向(MD)、横一軸方向(CD)及び縦横二軸方向のいずれであってもよい。
延伸倍率は、特に限定されないが、いずれの方向であっても、通常、1.5〜6倍であり、1.5〜3.5倍が好ましい。
なお、伸縮性テープを加熱下で延伸してもよい。
次に、延伸された伸縮性テープをアニーリングする温度は、通常、延伸時の温度と同等又は若干高い温度であり、常温〜常温+30℃であることが好ましい。
このとき、高温のロール、湯漕等を用いて、延伸された伸縮性テープをアニーリングすることができる。
さらに、本発明においては、伸縮性テープを縦一軸方向(MD)に延伸し、アニーリングした後に裁断する、又は、伸縮性テープを裁断した後に縦一軸方向(MD)に延伸し、アニーリングすることにより、弾性紐を作製することができる。
弾性紐の幅は、通常、1〜15mmであり、1.5〜10mmが好ましい。
本発明の樹脂製品としては、本発明の成形体を有していれば、特に限定されないが、延伸された伸縮性テープを不織布、織布、プラスチックフィルム、プラスチックシート又はこれらの積層体に熱接着又は超音波接着させた後、延伸を緩和することにより作製されている紙おむつのウエストギャザー、生理用ナプキンのウイング部のギャザー;伸縮性テープを不織布、織布、プラスチックフィルム、プラスチックシート又はこれらの積層体に熱接着又は超音波接着させることにより作製されているパップ剤、絆創膏、パッチ剤、化粧液保持用部材(手袋、フェイスマスク、シート部材等);弾性紐を不織布に超音波接着させることにより作製されている半導体製造用の不織布製簡易マスク等が挙げられる。
本実施例は、本発明を例示したものに過ぎず、本発明は、本実施例により限定されない。なお、本実施例中の部は、質量部を意味する。
[実施例1]
PP系エラストマーVistamaxx 6102(ExxonMobile社製)74.5部、ホモPPのノバテックFY6H(日本ポリプロ社製)4.6部、タルクのLMS−100F(富士タルク工業社製)18.1部、スリップ剤のマスターバッチPEX SLT−01(東京インキ社製)1.9部及び成形加工助剤のマスターバッチのプラヘルパーPPM 1530(東京インキ社製)0.9部を混合し、樹脂組成物を得た。
なお、Vistamaxx 6102(ExxonMobile社製)は、エチレン含有量(ASTM D3900)が16.0質量%、23℃における1%割線曲げ弾性率(ASTM D790)が1650psi(11.4MPa)、密度(ASTM D1505)が0.862g/cm、MFR(230℃/2.16kg荷重)(ASTM D1238)が3.0g/10min、23℃におけるデュロメータ硬さ(ショアA)(ASTM D2240)が67である。
ノバテックFY6H(日本ポリプロ社製)は、密度(JIS K7112:1999)が0.90g/cm、MFR(230℃/2.16kg荷重)(JIS K7210:1999)が1.9g/10minである。
LMS−100F(富士タルク工業社製)は、平均粒子径が6μm、見掛け比重が0.12〜0.18g/cmである。
PEX SLT−01(東京インキ社製)は、エルカ酸アミド10質量%及びMFR(230℃/2.16kg荷重)が2g/10minのLDPE90質量%からなる。
PPM 1530(東京インキ社製)は、キャリア樹脂として、MFR(230℃/2.16kg荷重)が7g/10minのPPを70質量%含む。
次に、空冷インフレーション押出機YEI−55HDR−W130S−LRW(吉井鉄工社製)を用いてフィルムを成形した後、フィルムの両側を裁断し、2枚に分けてシート状に巻き取り、厚さ(JIS Z8015)39μm、目付け(JIS P8124)28g/mの伸縮性フィルムを作製した。
このとき、直径55mmの低圧縮フルフライト先端ミキシングスクリュー、直径150mmスパイラルダイ及び特殊空冷エアーリングを用い、成形温度を183℃、スクリューの回転数を42.0rpm、ブロー比を2.85、折径を670mm、スリット幅を570mm、引き取り速度を13.6m/minとした。
次に、回転刃方式のスリッター531K(ゴードーキコー社製)を用いて、伸縮性フィルムを幅25mmに裁断した後、3インチ紙管にノーテンションで100〜200m巻き取り、伸縮性テープを作製した。
一方、回転刃方式のスリッター531K(ゴードーキコー社製)を用いて、伸縮性フィルムを幅300mmに裁断したものを、3インチ紙管にノーテンションで500m巻き取り、ロール巻製品を作製した。
次に、ロール巻製品を40℃のオーブンの中で1週間保管した後、回転刃方式のスリッター531K(ゴードーキコー社製)を用いて、伸縮性テープが巻芯までスムーズに繰り出せるか評価したところ、問題無く繰り出せた。このことから、伸縮性フィルムは、実用上、問題の無い耐ブロッキング性を有することがわかった。
[実施例2]
PP系エラストマーVistamaxx 6102(ExxonMobile社製)75.5部、PP系エラストマーVistamaxx 3980(ExxonMobile社製)18.9部、タルクのマスターバッチPPM 1459(東京インキ社製)4.7部、スリップ剤のマスターバッチPEX SLT−01(東京インキ社製)0.9部を混合し、樹脂組成物を得た。
なお、Vistamaxx 3980(ExxonMobile社製)は、エチレン含有量(ASTM D3900)が9.0質量%、23℃における1%割線曲げ弾性率(ASTM D790)が15400psi(105.8MPa)、密度(ASTM D1505)が0.879g/cm、MFR(230℃/2.16kg荷重)(ASTM D1238)が8.0g/10min、23℃におけるデュロメータ硬さ(ショアA)(ASTM D2240)が86である。
また、Vistamaxx 6102(ExxonMobile社製)75.5部とVistamaxx 3980(ExxonMobile社製)18.9部の混合物は、エチレン含有量(ASTM D3900)が14.6質量%、23℃における1%割線曲げ弾性率(ASTM D790)が4400psi(30.3MPa)、密度(ASTM D1505)が0.865g/cm、MFR(230℃/2.16kg荷重)(ASTM D1238)が4.0g/10min、23℃におけるデュロメータ硬さ(ショアA)(ASTM D2240)が71である。
PPM 1459(東京インキ社製)は、タルク70質量%及びMFR(230℃/2.16kg荷重)が10g/10minのブロックPP30質量%からなる。
次に、空冷インフレーション押出機YEI−55HDR−W130S−LRW(吉井鉄工社製)を用いてフィルムを成形した後、フィルムの両側を裁断し、2枚に分けてシート状に巻き取り、厚さ(JIS Z8015)43μm、目付け(JIS P8124)37g/mの伸縮性フィルムを作製した。
このとき、直径55mmの低圧縮フルフライト先端ミキシングスクリュー、直径150mmスパイラルダイ及び特殊空冷エアーリングを用い、成形温度を174℃、スクリューの回転数を32.6rpm、ブロー比を3.18、折径を750mm、スリット幅を650mm、引き取り速度を7.2m/minとした。
次に、回転刃方式のスリッター531K(ゴードーキコー社製)を用いて、伸縮性フィルムを幅25mmに裁断した後、3インチ紙管にノーテンションで100〜200m巻き取り、伸縮性テープを作製した。
一方、回転刃方式のスリッター531K(ゴードーキコー社製)を用いて、伸縮性フィルムを幅300mmに裁断したものを、3インチ紙管にノーテンションで500m巻き取り、ロール巻製品を作製した。
次に、ロール巻製品を40℃のオーブンの中で1週間保管した後、回転刃方式のスリッター531K(ゴードーキコー社製)を用いて、伸縮性テープが巻芯までスムーズに繰り出せるか評価したところ、問題無く繰り出せた。このことから、伸縮性フィルムは、実用上、問題の無い耐ブロッキング性を有することがわかった。
[実施例3]
引き取り速度を10.0m/minに変更した以外は、実施例2と同様にして、厚さ(JIS Z8015)32μm、目付け(JIS P8124)27g/mの伸縮性フィルムを作製した。
次に、回転刃方式のスリッター531K(ゴードーキコー社製)を用いて、伸縮性フィルムを幅25mmに裁断した後、3インチ紙管にノーテンションで100〜200m巻き取り、伸縮性テープを作製した。
一方、回転刃方式のスリッター531K(ゴードーキコー社製)を用いて、伸縮性フィルムを幅300mmに裁断したものを、3インチ紙管にノーテンションで500m巻き取り、ロール巻製品を作製した。
次に、ロール巻製品を40℃のオーブンの中で1週間保管した後、回転刃方式のスリッター531K(ゴードーキコー社製)を用いて、伸縮性テープが巻芯までスムーズに繰り出せるか評価したところ、問題無く繰り出せた。このことから、伸縮性フィルムは、実用上、問題の無い耐ブロッキング性を有することがわかった。
[比較例1]
ポリプロピレン系エラストマーVistamaxx 6102(ExxonMobile社製)65.7部、LDPEのNUC−8506(日本ユニカー社製)15.9部、ホモPPのノバテックFY6H(日本ポリプロ社製)5.9部、タルクのLMS−100F(富士タルク工業社製)10.6部及びスリップ剤のマスターバッチPEX SLT−01(東京インキ社製)1.9部を混合し、樹脂組成物を得た。
なお、NUC−8506(日本ユニカー社製)は、MFR(230℃/2.16kg荷重)(JIS K6922−2)0.8g/10min、密度(JIS K7112)が0.924g/cmである。
次に、空冷インフレーション押出機YEI−55HDR−W130S−LRW(吉井鉄工社製)を用いてフィルムを成形した後、フィルムの両側を裁断し、2枚に分けてシート状に巻き取り、厚さ(JIS Z8015)26μm、目付け(JIS P8124)22g/mの伸縮性フィルムを作製した。
このとき、直径55mmの低圧縮フルフライト先端ミキシングスクリュー、直径150mmスパイラルダイ及び特殊空冷エアーリングを用い、成形温度を172℃、スクリューの回転数を30.6rpm、ブロー比を2.97、折径を700mm、スリット幅を650mm、引き取り速度を12.2m/minとした。
次に、回転刃方式のスリッター531K(ゴードーキコー社製)を用いて、伸縮性フィルムを幅25mmに裁断した後、3インチ紙管にノーテンションで100〜200m巻き取り、伸縮性テープを作製した。
一方、回転刃方式のスリッター531K(ゴードーキコー社製)を用いて、伸縮性フィルムを幅300mmに裁断したものを、3インチ紙管にノーテンションで500m巻き取り、ロール巻製品を作製した。
次に、ロール巻製品を40℃のオーブンの中で1週間保管した後、回転刃方式のスリッター531K(ゴードーキコー社製)を用いて、伸縮性テープが巻芯までスムーズに繰り出せるか評価したところ、問題無く繰り出せた。このことから、伸縮性フィルムは、実用上、問題の無い耐ブロッキング性を有することがわかった。
表1に、実施例1〜3、比較例1の伸縮性テープの特性を示す。
Figure 0005832196
[評価方法及び評価結果]
実施例1〜3、比較例1の伸縮性テープの伸縮性、引張強伸度、ヘイズ、グロス及び耐熱性を評価した。
[伸縮性]
JIS L1096に準拠して、引張試験機RTA−100(オリエンティック社製)を用いて、25mm×150mmの伸縮性テープを、23℃、50%RHの雰囲気下、縦一軸方向(MD)及び横一軸方向(CD)に伸縮させ、チャック間隔を100mm、クロスヘッドスピードを300mm/minとして、100%伸長の時点で折り返して強度を測定することにより、伸縮性を評価した。
[引張強伸度]
チャック間隔を50mmにした以外は、伸縮性と同様にして、引張強伸度を評価した。
[ヘイズ]
JIS K7105−1981に準拠して、全自動直読へイズコンピューターHGM−2DP(スガ試験機社製)を用いて、伸縮性テープのヘイズを測定した。
[グロス]
JIS K7105−1981に準拠して、光沢計VG7000(日本電色工業社製)を用いて、伸縮性テープのグロスを測定した。
[耐熱性]
傾斜式ホットタック試験機(安田精機製作所社製)を用いて、シリコーンゴム製のヒートシール台の下側を50℃に固定した状態で、25mm×250mmの伸縮性テープを上側、25mm×250mmの不織布を下側に配置して、10mm×25mmのシールバーを用いて、2kg/cmで1秒間加圧して、ヒートシールした。このとき、伸縮性テープがシールバーに融着せず、安定にヒートシールすることが可能なシールバーの温度を求めた。
なお、不織布は、面積密度が18g/mのポリプロピレン製スパンボンド(市販品)である。
表2に、伸縮性、引張強伸度、ヘイズ、グロス及び耐熱性の評価結果を示す。
Figure 0005832196
なお、表中、行きとは、100%伸長する前の過程を意味し、戻りとは、100%伸長した後の過程を意味し、100%伸長後の歪みとは、100%伸長した後、戻りで強度が0になる時点での歪みを意味する。
表1の伸縮性の評価結果から、実施例1、3の伸縮性テープは、比較例1の伸縮性テープと比較して、伸縮する際の強度が小さく、100%伸長後の歪みが小さいことがわかった。また、実施例2の伸縮性テープも、目付けが大きいにも関わらず、伸縮する際の強度が小さく、100%伸長後の歪みが小さいことがわかる。
表2の引張強伸度の評価結果から、実施例1〜3及び比較例1の伸縮性テープは、実用上、問題の無い引っ張り強伸度を有することがわかる。
表2のヘイズ及びグロスの評価結果から、実施例1〜3及び比較例1の伸縮性テープは、実用上、問題の無い透明性及び光沢性を有することがわかる。特に、実施例2、3の伸縮性テープは、透明性及び光沢性に優れることがわかる。
表2の耐熱性の評価結果から、実施例1〜3及び比較例1の伸縮性テープは、実用上、問題の無い耐熱性を有することがわかる。

Claims (6)

  1. ポリプロピレン系エラストマー、ポリプロピレン系樹脂(ただし、エラストマーを除く)及び無機充填剤を含み、
    前記ポリプロピレン系エラストマーの含有量が70質量%以上97質量%以下であり、
    前記ポリプロピレン系樹脂の含有量が1質量%以上20質量%以下であり、
    前記無機充填剤の含有量が3質量%以上20質量%以下であり、
    低密度ポリエチレンの含有量が5質量%未満(ただし、0を除く)であり、
    前記ポリプロピレン系エラストマーは、プロピレン由来の構成単位及びエチレン由来の構成単位を有し、前記エチレン由来の構成単位の含有量が20質量%以下であり、23℃における1%割線曲げ弾性率が12000psi以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記無機充填剤は、タルクであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. スリップ剤をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記スリップ剤は、エルカ酸アミドであることを特徴とする請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の樹脂組成物が成形されていることを特徴とする成形体。
  6. 請求項5に記載の成形体を有することを特徴とする樹脂製品。
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