JP2002302895A - 圧着原紙 - Google Patents

圧着原紙

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JP2002302895A
JP2002302895A JP2001109048A JP2001109048A JP2002302895A JP 2002302895 A JP2002302895 A JP 2002302895A JP 2001109048 A JP2001109048 A JP 2001109048A JP 2001109048 A JP2001109048 A JP 2001109048A JP 2002302895 A JP2002302895 A JP 2002302895A
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芳弥 塩崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリンタ内で紙詰まりが起こらず搬送性が良
好であり、かつ接着剤組成物層同士の接着強度が良好で
ある圧着葉書用カット判帳票の原紙を提供すること。 【解決手段】 圧着葉書用カット判帳票の原紙として適
した圧着原紙において、前記圧着原紙は、紙基材の両面
に感圧接着剤基剤を含む接着剤組成物層が設けられ、一
方の面が剥離面、他方の面が非剥離面とされており、J
IS P 8117による透気度が300秒以下、かつ
JIS P 8147による静摩擦係数が0.75以
下、かつシートの含有水分が3.5乃至6.5重量%で
ある圧着原紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、三つ折り圧着葉
書用カット判帳票の原紙として適した圧着原紙に係り、
特に、プリンタ内で紙詰まりが起こらず搬送性が良好で
あり、かつ接着剤組成物層同士の接着強度が良好である
圧着原紙に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、郵便法の改正や葉書作成システム
の普及により、剥離して情報記載面を見ることができる
親展葉書やダイレクトメール等が、情報のセキュリティ
性や情報記載量の多さから、一般に普及されている。こ
の用途に使用される葉書等の圧着紙、圧着紙用帳票、圧
着原紙に関しては、多くの提案がなされている。
【0003】圧着紙用連続帳票には、ロール状もしくは
帯状の連続帳票と、A4・A3などの規格サイズに加工
された枚葉紙状のカット判帳票とがあり、連続帳票は高
速大量処理に適しており、カット判帳票は給料明細書や
町や村の公共団体の通知書等、連続帳票ほどの処理量を
必要としない比較的少量の処理に適している。
【0004】カット判帳票より圧着葉書を作成する方法
としては、カット判帳票用の圧着葉書作成システムを用
いる方法か、もしくは電子写真方式の卓上プリンタなど
の小規模の電子写真方式プリンタで印字した後シーラー
で処理する方法が一般的である。
【0005】カット判帳票から圧着葉書を作成するシス
テムでは、プリント後の処理として、カット判帳票の不
要部をカッティングして、接着面同士を積層圧着を行
う。カット判帳票を使用した場合連続帳票の場合と比べ
て、スプロケット加工、断裁等の作業が不要であり、手
間が省ける。
【0006】小規模プリンタとシーラーを用いる方法
は、カット判帳票用圧着葉書作成システムを用いる方法
よりも、より少量の処理向けであり、既に電子写真方式
のプリンタを所有している場合、シーラーとカット判帳
票を購入するだけで圧着葉書を作成することができ、コ
スト的にも有利である。
【0007】圧着葉書作成用のカット判帳票に関して
は、例えば、A3カット判に所定の印刷及び印字を施し
て4つ折りとして葉書を2通作成する特開平10−76
778号公報、A4カット判に所定の印刷及び印字を施
して三つ折りして葉書を作成する特開平10−8655
8号公報、A4カット判に所定の印刷及び印字を施して
4つ折りとして葉書を作成する特開平11−23555
5号公報、A3カット判に所定の印刷及び印字を施して
3つ折りして葉書を3通作成する特開平11−2455
58号公報、などが開示されている。
【0008】圧着紙は自着性の感圧接着剤基剤を使用し
ており、しかもロール状に巻き取られた状態で保管され
るため、自着性の感圧接着剤基剤によりブロッキングが
生じる可能性がある。このようなブロッキングの発生を
防止するため、感圧接着剤基剤中には無機粒子等の微粒
子充填剤が添加され、圧着紙表面に凹凸が生じるように
設計されている。圧着紙表面に凹凸を設けることにより
ブロッキング防止には効果があるが、その一方で圧着紙
表面の凹凸により走行に対する摩擦抵抗が大きくなり、
プリンタ内で紙詰まりを生じやすくなる。
【0009】特に、カット判帳票においては、幅方向の
少なくとも一端に設けられたスプロケット穴でプリンタ
内を誘導される連続帳票と比べて紙詰まりが起こりやす
く、より高い搬送性・走行性が求められる。
【0010】紙詰まりなどを防止するために搬送性・走
行性を改善した提案は、連続帳票については多数なされ
ている。例えば、特開平9−193571号公報には、
透気度と動摩擦係数を特定して、プレヒータ板を備えた
熱定着式のノンインパクトプリンタにおいて、安定なシ
ート走行ができる搬送性に効果のある再剥離性感圧接着
シートが開示されている。
【0011】特開平11−34208号公報には、合成
樹脂を主成分とするエマルジョン中に熱可塑性がある平
均粒径1乃至30μmの粒子が含有されている接着剤を
原紙に塗工することにより、印刷性やノンインパクト方
式の印字に優れた圧着記録原紙が、開示されている。
【0012】特開平11−115348号公報には、感
圧接着性樹脂100重量部に、0.1μm乃至50μm
の熱可塑性樹脂を1乃至200重量部を配合することに
より、粉落ち等の現象を抑制でき、耐ブロッキング性と
共に、耐熱性、耐摩耗性に優れる感圧接着性シートが開
示されている。
【0013】特開平11−279503号公報には、変
性天然ゴム系ラテックスとこれに親和性を有する合成樹
脂の微粒子を含有する感圧性接着剤組成物を支持体上に
設けることにより、充填剤である微粒子が脱落すること
なく、フォーム印刷機やノンインパクトプリンタ等によ
る印刷や印字が鮮明である上、印刷機やプリンタのロー
ル汚れが少ない記録シートが開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の提案は全て連続帳票に関するものであり、既に述べた
ようにカット判帳票においては連続帳票よりも高い搬送
性・走行性が求められるため、これら従前の技術ではカ
ット判帳票の搬送性・走行性改善に十分な効果が得られ
ない。
【0015】例えば、感圧接着剤基剤に粒径の大きい滑
性のある合成樹脂粒子を添加することにより圧着紙表面
に凹凸を作成してプリンタ内の走行性を改善させるとい
う技術を用いた場合、カット判帳票をシーラーで接着し
て圧着葉書を作成した際に良好な接着力を発現しにく
い、という問題がある。
【0016】また、カット判帳票特有の問題として、印
字後に排紙されたカット判帳票は、続けて排紙された帳
票によって印字表面上が擦られ、印字が欠落したりする
場合がある。
【0017】本発明は、前述の問題点に着目してなされ
たものであり、その目的とするところは、小規模の電子
写真方式プリンタや高速電子写真方式のプリンタなどの
カット判帳票に対応しうるプリンタに使用した場合、プ
リンタ内で紙詰まりを生じることなく、しかもシーラー
後は良好な接着力を発現する、圧着葉書用カット判帳票
の原紙として適した圧着原紙を提供することにある。
【0018】本発明の他の目的は、印字適性、特にトナ
ー定着性が良好である、圧着葉書用カット判帳票の原紙
として適した圧着原紙を提供することにある。
【0019】本発明のさらに他の目的乃至作用効果につ
いては、以下の記述を参照することにより、当業者であ
れば容易に理解されるであろう。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の圧着原紙は、圧着葉書用カット判帳票の
原紙として適した圧着原紙において、前記圧着原紙は、
紙基材の両面に感圧接着剤基剤を含む接着剤組成物層が
設けられ、一方の面が剥離面、他方の面が非剥離面とさ
れており、JIS P 8117による透気度が300
秒以下、かつJIS P 8147による静摩擦係数が
0.75以下、かつ含有水分が圧着原紙の重さ100重
量%に対して3.5乃至6.5重量%である。
【0021】このような構成によれば、静摩擦係数が
0.75以下であることと、透気度が300秒以下であ
ることとの相乗効果により、カット判帳票の抵抗が少な
くなり、プリンタ内での走行系において紙詰まりが発生
することを防止できる。
【0022】加えて、含有水分が3.5乃至6.5%で
あることにより、カット判帳票の印字後のカールを防止
でき、また良好な接着強度を有する圧着葉書が得られ
る。
【0023】次に、本発明の圧着原紙用の接着剤組成物
層は、前記感圧接着剤基剤中に、少なくとも、合成樹脂
粒子と、水溶性高分子と、微粒子充填剤と、を含むもの
であることを特徴とする。
【0024】また、感圧接着剤基剤に添加される合成樹
脂粒子は、前記感圧接着剤基剤100重量部に対して、
30乃至80重量部添加されることを特徴とする。
【0025】このような構成によれば、感圧接着剤基剤
に添加される合成樹脂の添加量が適切な量であるため、
接着剤組成物層同士の接着力を好ましく保つことができ
る。
【0026】ここで、前記合成樹脂粒子は、粒径分布範
囲の異なる2種類の粒子を含むものであってもよい。
【0027】このような構成によれば、接着剤組成物層
中の粒径分布範囲の異なる合成樹脂粒子により圧着原紙
表面に凹凸が生じ、圧着原紙のブロッキング防止に効果
が得られる。
【0028】前記粒径分布範囲の異なる2種類の合成樹
脂粒子は、粒径3乃至15μmの粒子と、熱可塑性をも
つ粒径20乃至50μmの粒子とであってもよい。
【0029】このような構成によれば、圧着原紙表面に
凹凸が生じ、しかも粒径20乃至50μmの粒子は熱可
塑性を有するため印字後のヒートロール定着時に加熱に
よりつぶされ、シーラーで圧着される際に、粒径が大き
い粒子により接着力が低下するという悪影響を及ぼさな
い。
【0030】前記熱可塑性をもつ粒径20乃至50μm
である合成樹脂粒子が、融点120乃至160℃である
アミド系化合物であってもよい。
【0031】このような構成によれば、粒径20乃至5
0μmである合成樹脂粒子が滑り適正に優れたアミド系
化合物であるため、圧着原紙表面の静摩擦係数を好適な
値とすることに寄与する。
【0032】また、上記アミド系化合物としては融点が
120乃至160℃のものを選択しているため、コータ
ー等で接着剤組成物が塗工された後の乾燥工程において
アミド系化合物に熱変形が起こりにくく、しかもカット
判帳票に対応しうるプリンタの一般的なトナー定着温度
である180乃至200℃の温度においてはアミド系化
合物がつぶされ、接着力を低下させることがない。
【0033】本発明の接着剤組成物層は、片面当たり固
形分で2乃至10g/m2の塗工層により構成されてい
ることを特徴とする。
【0034】このような構成によれば、紙基材に塗工さ
れる接着剤組成物層の厚さは、5乃至10μmとなり、
合成樹脂粒子が接着剤組成物層表面に凹凸を作成した状
態となり、カット判帳票に加工する前の巻取原紙の段階
でのブロッキング防止に効果を有する。
【0035】好ましい実施の形態においては、感圧接着
剤基剤としては、天然ゴム系ラテックスを用いてもよ
い。
【0036】このような構成によれば、天然ゴム系ラテ
ックスは通常の状態では粘着性を生じず、また自着性に
も優れているため、扱いやすく適度な接着力を持った圧
着原紙が得られる。
【0037】好ましい実施の形態においては、水溶性高
分子としては、変性ポリビニルアルコールを用いてもよ
い。
【0038】このような構成によれば、変性ポリビニル
アルコールを添加したことにより接着剤組成物層の被膜
強度が向上し、また、トナー定着性も向上する。
【0039】好ましい実施の形態においては、微粒子充
填剤として、シリカとでんぷんを添加し、かつシリカは
剥離面の接着剤組成物層に非剥離面側の接着剤組成物層
よりも多く添加してもよい。
【0040】このような構成によれば、でんぷんは圧着
原紙表面を滑らかにすることから静摩擦係数の調整に寄
与し、シリカは透気度の調整に寄与することから、所定
の効果を得るために必要な静摩擦係数と透気度を実現し
やすくなる。
【0041】好ましい実施の形態においては、微粒子充
填剤として、非剥離面側にタルクを添加してもよい。
【0042】このような構成によれば、接着剤組成物層
の接着強度を適切な値に調整することができる。
【0043】好ましい実施の形態においては、水溶性高
分子として、剥離面側に合成ゴム系ラテックスを添加し
てもよい。
【0044】このような構成によれば、目標とする透気
度を実現するためにシリカを多量に配合しても、合成ゴ
ム系ラテックスにより接着剤組成物層の表面強度が向上
し、シリカが接着剤組成物層から脱離しない。
【0045】本発明の圧着原紙に設けられた接着剤組成
物層同士の接着強度は、剥離面側が0.5乃至1.5N
/25mmであり、かつ、非剥離面側の接着剤組成物層
同士の接着強度は、前記剥離面側の接着剤組成物層同士
の接着強度よりも0.35N/25mm以上高いもので
あることを特徴とする。
【0046】このような構成によれば、接着強度が適切
な値であるため、圧着原紙より作成された圧着葉書が配
送中に剥離するという事故を防止でき、また受取人に配
達された後においては剥離面を剥離する際に紙面が破れ
記載情報が損なわれるという問題が起こらない。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施の一
形態を、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0048】先に述べたように、本発明の圧着原紙は、
圧着葉書用カット判帳票の原紙として用いるのに好適な
ものである。カット判帳票は、A4・A3などの規格サ
イズで提供されるのが一般的であり、このようなカット
判帳票の一例が図1に示されている。同図において、1
はカット判帳票、2は上紙片、3は中紙片、4は下紙
片、2a、3a、4aはそれぞれ上紙片2、中紙片3、
下紙片4の剥離面(印字面)、2b、3b、4bはそれ
ぞれ上紙片2、中紙片3、下紙片4の非剥離面(非印字
面)、5は折り目線、6は切り離し線、7は切り離し紙
片である。
【0049】尚、図1に示された例においては、カット
判帳票1はA4サイズに設計されており、上紙片の剥離
面2aに宛名情報、中紙片の剥離面3aと下紙片の剥離
面4aとに隠蔽情報が記載されるようにされている。ま
た、各紙片の境界線である折り目線5にはミシン目加工
が施されており、不要な切り離し片7を切り離すための
切り離し線6には非剥離面側からハーフカット加工が施
されている。
【0050】図1に示されたカット判帳票1から切り離
し紙片7が切り離され、上紙片2、中紙片3、下紙片4
よりなる紙片が折り目線5により折り畳まれた状態が、
図2に示されている。同図において、8は圧着葉書片、
2a、3a、4aは剥離面(印字面)、2b、3b、4
bは非剥離面(非印字面)であり、剥離面2aには宛名
情報、剥離面3aと4aとには隠蔽情報がそれぞれ記載
されている。
【0051】圧着葉書片8は、宛名情報や隠蔽情報など
の情報が印字された後に、同図に示されるようにN字状
に折り畳まれ、シーラーで圧着される。
【0052】さて、本発明の圧着原紙はロール上に巻き
取られた状態で提供され、この圧着原紙にコンバータに
おいてプレ印刷やミシン目加工が施されることにより、
図1に示されるようなカット判帳票へと加工されるもの
である。このような圧着原紙のロール上に巻き取られた
状態が、図3に示されており、同図において、9は剥離
面(印字面)、10は非印字面(非剥離面)である。
【0053】圧着原紙は、図3に示されるようにロール
状に巻き取られた状態で保管されるため、圧着原紙表面
に設けられた接着剤組成物層に含まれた自着性を持つ感
圧接着剤基剤により、ブロッキングを起こすことがあ
る。このようなブロッキングを起こさないためには、圧
着原紙表面に凹凸が生じるように設計するのが一般的で
あるが、圧着原紙表面に凹凸を生じさせることにより搬
送性乃至走行性は悪化し、紙詰まりが生じやすくなる。
【0054】先に述べたように、本発明の圧着原紙は、
透気度と静摩擦係数と含有水分とを調整することによ
り、搬送性乃至走行性が改善され、圧着葉書に加工した
ときの接着力も良好な圧着原紙である。
【0055】本発明においては、圧着原紙の静摩擦係数
を0.75以下にすることにより、カット判帳票のプリ
ンタ内での走行系における抵抗が少なくなり、紙詰まり
の発生を防止できる。但し、静摩擦係数が0.75以下
であるだけでは、走行性の改善に十分な効果は得られな
い。静摩擦係数を0.75以下にし、更に透気度を30
0秒以下にすることによる相乗効果で、走行性の改善が
達成されることを見出した。
【0056】尚、圧着原紙の含有水分が3.5重量%よ
り少ないと、接着力が低下し、圧着葉書に加工したとき
に十分な接着力が得られない。逆に含有水分が6.5重
量%を超えると、接着力については問題ないが、カット
判帳票の印字前後での含有水分の変化が大きくなり、カ
ット判帳票にカールが生じ紙詰まりが起こることがあ
る。
【0057】さて、本発明の圧着原紙の両面に設けられ
ている接着剤組成物層は感圧接着剤基剤中に、少なくと
も合成樹脂粒子と、水溶性高分子と、微粒子充填剤とが
添加されたものである。
【0058】感圧接着剤基剤としては、例えばアクリル
樹脂等の合成樹脂にタッキファイアを添加したものがあ
る。この感圧接着剤基剤は、安定性があり経時変化によ
る劣化が少ない点で優れているが、本発明において用い
られる感圧接着剤基剤としては、通常の状態で粘着性を
生じなくて自着性にも優れることから、天然ゴム系ラテ
ックスが好ましい。
【0059】天然ゴム系ラテックスとしては、天然ゴム
にスチレン、メチルメタクリレートの合成樹脂及びクロ
ロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ス
チレン・ブタジエンゴムを混合したもの、もしくは天然
ゴムと上記の各物質との変性体が好適である。これらの
変性体または混合物は配合割合を調整することにより、
天然ゴム系ラテックスの基材との密着性を調整すること
ができる。
【0060】次に合成樹脂粒子としては、圧着原紙表面
に凹凸を形成するという点から、粒径分布範囲の異なる
粒子を数種類用いることが好ましく、より好ましくは粒
径分布範囲の異なる粒子として、粒径3乃至15μmの
粒子と熱可塑性を有する粒径20乃至50μmの粒子と
を用いる。
【0061】ここで、熱可塑性を有する粒径20乃至5
0μmの粒子としては、滑り性が良好であるアミド系化
合物が望ましく、さらにアミド系化合物の中でも、脂肪
酸アミドがより好適である。脂肪酸アミドは、真球状に
近い一次粒子であり、それ自体滑り適性が良好であるた
め、所定の静摩擦係数を得るために好適である。
【0062】また、粒径が20乃至50μmの合成樹脂
粒子の融点は、120乃至160℃であることが望まし
い。融点が120℃より低いと、接着剤組成物を紙基材
に塗工後ドライヤで乾燥した際に粒子に熱変形が生じ、
変形した粒子が接着剤組成物層表面から突出することに
より静摩擦係数が上がってしまい、プリンタ内の定着ロ
ールまでの走行性を損なってしまう。逆に融点が160
℃より高いと、カット判帳票対応のプリンタの一般的な
トナー定着温度である180乃至200℃程度の温度で
粒子が十分につぶされず、20乃至50μmの粒子が接
着剤層表面に突出したままであるため、シーラーで圧着
する際に良好な接着力が得られない。
【0063】粒径が3乃至15μmである合成樹脂粒子
としては、樹脂自体が滑り性が良好なものが好ましく、
滑り性及び耐摩耗性の点から、ポリエチレン樹脂やポリ
スチレン樹脂がより好ましい。
【0064】本発明の圧着原紙より得られるカット判帳
票の熱定着前後の接着剤組成物層表面の変化の様子が、
図4に模式的に示されている。同図において、11はカ
ット判帳票、12は接着剤組成物層、13は紙基材、1
4は粒径20乃至50μmの熱可塑性を有する合成樹脂
粒子、15は粒径10乃至30μmの合成樹脂粒子、1
6は粒径20乃至50μmの合成樹脂粒子がつぶれた状
態である。尚、図4においては感圧接着剤基剤中に合成
樹脂のみ示されているが、これは合成樹脂の変化を表す
ためであり、実際には微粒子充填剤など他の物質も含ま
れている。
【0065】粒径の異なる合成樹脂粒子を混合し感圧接
着剤基剤に添加すると、図4(a)に示されるように、
接着剤組成物層表面に凹凸が形成されこの凹凸により、
カット判帳票に加工前の巻取原紙段階における圧着原紙
の接着剤組成物層同士のブロッキング発生が防止され
る。
【0066】加えて、このように接着剤組成物層表面に
適正な凹凸を形成することにより、印字面に印字された
トナーの定着性が向上され、オフセット印刷機等による
プレ印刷においても、良好な印刷適正を示す。ここで、
プレ印刷としては、例えば明細書の枠線、記号、図形、
葉書の剥離性を向上させるスポットのベタ等の共通の印
刷がある。
【0067】さらに熱可塑性がある合成樹脂粒子はその
塑性により、接着剤組成物層を乾燥する際に接着剤組成
物層の皮膜強度の向上を促進させていると思われる。粒
径の異なる合成樹脂粒子は、強固に接着剤組成物層に固
着され、圧着原紙から加工されたカット判帳票がプリン
タ内を走行する際に接着剤組成物層表面からの脱落が防
止される。
【0068】図4に戻って、図4(a)には、熱定着前
の接着剤組成物層表面が示されており、この時点では粒
径20乃至50μmの合成樹脂粒子が大きく突出してい
る。この粒子の滑り適性が、プリンタ内の定着ロール部
までの走行性の向上に寄与し、この粒子が接着剤組成物
層表面に形成する凹凸が、巻き取り状態の原紙のブロッ
キング防止に寄与している。一方、熱定着後の接着剤組
成物層の状態が図4(b)に示されており、熱定着後に
おいては粒径20乃至50μmの合成樹脂粒子が熱定着
によりつぶれてしまっている。
【0069】同図に示されたカット判帳票は、プリンタ
内の定着ロールで熱が与えられるまでは、粒径が20乃
至50μmの合成樹脂粒子の突出部の良好な滑り適性に
よりプリンタ内を搬送される。この粒径が20乃至50
μmの合成樹脂粒子は、定着ロールの熱圧によりつぶさ
れるため、その後は、カット判帳票は粒径3乃至15μ
mの合成樹脂粒子の滑り適性によりプリンタ内を搬送さ
れる。
【0070】カット判帳票の表面がヒートロールによる
熱定着後に図4(b)に示されるような状態になり、粒
径が20乃至50μmの合成樹脂粒子が接着剤組成物層
表面に突出しなくなると、シーラー時に良好な接着力を
発現することができる。
【0071】合成樹脂粒子としては、上述のように粒径
の異なる合成樹脂粒子が望ましく、その配合量として
は、感圧接着剤基剤100重量部に対して、30乃至8
0重量部を配合することが望ましい。
【0072】配合量が30重量部より少ないと、接着剤
組成物層表面に突出する合成樹脂粒子が少なくなりすぎ
て、滑り適性が悪くなる。逆に80重量部を越えると、
接着剤組成物層に突出する合成樹脂粒子が多くなり、定
着ロールで熱圧によりつぶされたアミド系化合物の接着
剤組成物層に占有する表面積が大きくなり、カット判帳
票の接着力の低下を生じる。
【0073】より好ましくは、前記粒径の異なる合成樹
脂粒子が粒径3乃至15μmの粒子と粒径20乃至50
μmの粒子とであり、粒径が20乃至50μmの合成樹
脂粒子は、感圧接着剤基剤100重量部に対して20乃
至50重量部、粒径3乃至15μmの合成樹脂粒子は、
感圧接着剤基剤100重量部に対して10乃至30重量
部を配合される。
【0074】次に、本発明においては、接着剤組成物層
は紙基材の表面に、片面当たり固形分で2乃至10g/
2の範囲で設けられることが望ましい。塗工量が2g
/m2より少ないと十分な接着力が得られない。また逆
に、塗工量が10g/m2を超えると、接着力が強くな
りすぎ、さらに圧着原紙の透気度が300秒を超えやす
くなり、カット判帳票に加工したときのプリンタ内での
走行性が悪化する。
【0075】接着剤組成物の塗工量を上述の範囲とする
ことにより、接着剤組成物層の厚みが5乃至10μmと
なり、粒径3乃至15μmの粒子と粒径20乃至50μ
mの粒子とを添加した場合に圧着原紙表面に凹凸が形成
され、ブロッキング防止に効果がある。
【0076】本発明の圧着原紙に用いられる紙基材とし
ては、フォーム用紙、上質紙、中質紙、OCR用紙等の
情報用紙の他、各種コート紙を使用することができる。
また、基材の繊維原料には環境面を考慮して、工程で発
生する損紙、古紙パルプ及びケナフ、バガス、竹等の非
木材原料を使用することができる。
【0077】ここで、紙基材の透気度は、JIS P
8117による測定で20乃至40秒であることが好ま
しい。紙基材自体の透気度が40秒を越えると、接着剤
組成物を塗工後の透気度を300秒以下に設定するのが
困難になる。逆に20秒未満になると、接着剤層の塗工
適性や印字適性が悪化する。
【0078】接着剤組成物の塗工方法としては、既知の
様々な塗工方法を用いることができるが、エアーナイフ
コーター、ブレードコーター、カーテンコーター、バー
コーター、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の塗工・印
刷方式による塗工が好適である。
【0079】次に、本発明の微粒子充填剤としては、既
知のものを一種または二種以上組み合わせて用いること
ができるが、剥離面側にはシリカとでんぷん、非剥離面
側にはシリカとでんぷんとタルクが用いられることが望
ましい。でんぷんは、接着剤組成物層に耐ブロッキング
性、緩衝性を与えると共に、接着剤組成物層表面になめ
らかさを与える。また、シリカは接着剤組成物層の透気
度の調整に効果があり、タルクは非剥離面の接着剤組成
物層の接着力の調整に効果がある。
【0080】でんぷんとしては、粒子形状が真球状の小
麦粉でんぷんで粒径が4乃至20μmであるものが望ま
しい。でんぷんの粒径が4μm未満になると、耐ブロッ
キング性の効果が劣り、逆に粒径が20μmを超える
と、印刷面同士の接着力が弱くなってしまう。
【0081】シリカは、粒径1乃至5μmであることが
望ましい。シリカの粒径が1μm未満になると、接着剤
組成物の調整の際、塗料粘度が上昇して、塗工適性が悪
化する。逆に5μmを越えると電子写真方式の感光体ド
ラムを傷つける要因となる。
【0082】タルクは、粒径2乃至5μmであることが
望ましい。タルクの粒径が2μm未満になると、接着剤
組成物の調整の際、塗料粘度が上昇して、塗工適性が悪
化する。逆に5μmを越えると電子写真方式の感光体ド
ラムを傷つける要因となる。
【0083】微粒子充填剤の配合量としては、それぞれ
感圧接着剤基剤100重量部に対して、澱粉は50乃至
100重量部、シリカは50乃至150重量部、タルク
は50乃至100重量添加されることが望ましい。
【0084】次に、本発明の圧着原紙においては、水溶
性高分子として変性ポリビニルアルコールが用いられる
ことが好ましい。変性ポリビニルアルコールを用いるこ
とにより、接着剤組成物層の被膜が向上し、またトナー
定着性も向上する。
【0085】また、水溶性高分子として、印字面側には
さらに合成ゴム系ラテックスが添加されることが好まし
い。微粒子充填剤としてシリカを用いた場合、シリカは
接着剤組成物層から脱離しやすいため、粉塵によるプリ
ンタ汚染の原因となる。そのため、より多くのシリカを
配合する圧着原紙の剥離面側の接着剤組成物層には、接
着剤組成物層の強化のために、合成ゴム系ラテックスが
添加されることが好ましい。
【0086】本発明で用いることができる合成ゴム系ラ
テックスとしては、例えば、スチレン−ブタジエン系ラ
テックス、メタクリレート−ブタジエン系ラテックス、
アクリロニトリル−ブタジエン系ラテックス、アクリル
−スチレン系ラテックス等が挙げられるが好ましくはス
チレン−ブタジエン系ラテックスであり、特に好ましく
は、ガラス転移点が10乃至30℃のスチレン−ブタジ
エン系ラテックスである。
【0087】スチレン−ブタジエン系ラテックスのガラ
ス転移点が、10℃未満になると接着剤組成物層の硬化
強度が弱くなり、シリカ等の粉塵によるプリンタの汚染
を防止することができなくなる。逆に30℃を越えると
接着剤組成物層の硬化強度が強くなりすぎて剥離面(印
字面)接着剤組成物層同士の接着強度を低下させる。
【0088】また、合成ゴム系ラテックスは、感圧接着
剤基剤100重量部に対して、10乃至30重量部を配
合されることが望ましい。合成ゴム系ラテックスの配合
量が10重量部未満になると、接着剤組成物層の強度向
上の効果が弱くなり、シリカ等の粉塵によるプリンタへ
の汚染を防止できなくなる。逆に30重量部を越えると
剥離面(印字面)接着剤組成物層同士の接着強度を低下
させる。
【0089】次に、本発明の圧着原紙の接着剤組成物層
同士の接着強度は、剥離面側が0.5乃至1.5N/2
5mmであり、かつ非剥離面側の接着強度が剥離面側の
接着強度よりも、0.35N/25mm以上高いことが
望ましい。
【0090】圧着原紙の剥離面側の接着剤組成物層同士
の接着強度が0.5N/25mmより低くなると、受取
人が受け取る前、例えば配送中などに圧着葉書の剥離面
(印字面)が剥離してしまう。また逆に、接着強度が
1.5N/25mmを越えると、圧着葉書を剥離する際
に印字面の破れを生じる。
【0091】さらに非剥離面側の接着剤組成物層同士の
接着強度は、剥離面側の接着剤組成物層同士の接着強度
よりも0.35N/25mm以上高いことが好ましい。
両面の接着強度の差が0.35N/25mmより低くな
ると、剥離面側を剥離する際に非剥離面側も剥離してし
まい、剥離面のみの剥離が良好でなくなる。
【0092】非剥離面側の接着剤組成物層同士は、原則
的に剥離しないことが法的条件となるため、1.80N
/25mm以上の接着強度とすることが望ましい。
【0093】また、本発明の圧着原紙は、圧着葉書、圧
着封書、圧着カタログ、給料明細書等の圧着通知書、圧
着配送伝票等を含む広い用途で使用されるものである。
本発明においては、三つ折りに加工する葉書を主たる目
的としているが、カット判帳票のサイズや葉書の取り方
により、二つ折り等のタイプの違う折り方にも適用可能
である。
【0094】さらに、本発明の剥離面(印字面)用の接
着剤組成物は、剥離可能である印字面側の接着剤として
好適であるから、三つ折りタイプの6面使用圧着葉書、
二つ折りタイプの圧着葉書用のカット判帳票に加工され
る圧着葉書にも適用可能である。
【0095】
【実施例】以下、実施例において、実施例及び比較例に
より本発明を具体的に説明する。
【0096】<実施例1>剥離面(印字面)の接着剤組
成物層として、天然ゴムにメタクリル酸メチルを混合し
た天然ゴム系ラテックス100重量部に、水に分散させ
た粒径40μmの脂肪酸アミド粒子40重量部(融点1
30℃)、粒径13μmのポリエチレン系ワックスエマ
ルジョン15部と、水に分散させたシリカ135重量部
及び澱粉85重量部を添加して混合後、さらにガラス転
移点15℃のスチレン−ブタジエン系ラテックス20重
量部、珪素変性ポリビニルアルコール20重量部、消泡
剤等の添加剤を添加して塗料を作成した。作成した塗料
を93g/m2のフォーム用紙の片面に、コーターのエ
アーナイフ方式において塗工量が固形分で、4.5g/
2となるように塗工した。
【0097】非剥離面(非印字面)の接着剤組成物層と
して、天然ゴムにメタクリル酸メチルを混合した天然ゴ
ム系ラテックス100重量部に、水に分散させた粒径4
0μmの脂肪酸アミド粒子40重量部(融点130
℃)、粒径13μmのポリエチレン系ワックスエマルジ
ョン15重量部と、水に分散させたシリカ50重量部、
タルク80重量部及び澱粉70重量部を添加して混合
後、さらに珪素変性ポリビニルアルコール15重量部、
消泡剤等の添加剤を添加して塗料を作成した。作成した
塗料を上記で作成した塗工紙の反対面に、コーターのエ
アーナイフ方式において塗工量が5.0g/m2となる
ように塗工した。
【0098】上述の工程により作成された、実施例1の
圧着原紙のJIS P8117による透気度は180
秒、含有水分は5.5%、JIS P8147による静
摩擦係数は0.585であった。
【0099】<比較例1>剥離面(印字面)の接着剤組
成物層として、天然ゴムにメタクリル酸メチルを混合し
た天然ゴム系ラテックス100重量部に、水に分散させ
たシリカ120重量部及び澱粉70重量部を添加して混
合後、更にガラス転移点15℃のスチレン−ブタジエン
系ラテックス30重量部、消泡剤等の添加剤を添加して
塗料を作成した。作成した塗料を93g/m2のフォー
ム用紙の片面に、コーターのエアナイフ方式において塗
工量が5.0g/m2となるように塗工した。
【0100】非剥離面(非印字面)の接着剤組成物とし
て、天然ゴムにメタクリル酸メチルを混合した天然ゴム
系ラテックス100重量部に、水に分散させたシリカ2
8重量部、タルク56重量部及び澱粉49重量部を添加
して混合後、消泡剤等の添加剤を添加して塗料を作成し
た。作成した塗料を、上記で作成した塗工紙の反対面
に、コーターのエアーナイフ方式において塗工量が固形
分で5.0g/m2となるように塗工した。
【0101】上述の工程により作成された、比較例1の
圧着原紙のJIS P8117による透気度は140
秒、含有水分は6.7%、JIS P8147による静
摩擦係数は1.027であった。
【0102】<比較例2>剥離面(印字面)の接着剤組
成物層として、天然ゴムにメタクリル酸メチルを混合し
た天然ゴム系ラテックス100重量部に、水に分散させ
たタルク120重量部及び澱粉50重量部を添加して混
合後、更にガラス転移点15℃のスチレン−ブタジエン
系ラテックス15重量部、エステル化澱粉3重量部、消
泡剤等の添加剤を添加して塗料を作成した。作成した塗
料を93g/m2のフォーム用紙の片面に、コーターの
エアーナイフ方式において塗工量が5.0g/m2とな
るように塗工した。
【0103】非剥離面(非印字面)の接着剤組成物とし
て、天然ゴムにメタクリル酸メチルを混合した天然ゴム
系ラテックス100重量部に、水に分散させたタルク6
5重量部、澱粉50重量部を添加して混合後、エステル
化澱粉3重量部、消泡剤等の添加剤を添加して塗料を作
成した。作成した塗料を、上記で作成した塗工紙の反対
面に、コーターのエアーナイフ方式において塗工量が固
形分で5.0g/m2となるように塗工した。
【0104】上述の工程により作成された、比較例2の
圧着原紙のJIS P8117による透気度は1000
秒、含有水分は6.9%、JIS P8147による静
摩擦係数は0.604であった。
【0105】上記の実施例、比較例で作成したそれぞれ
の圧着原紙に、フォーム印刷機において紫外線硬化イン
キでプレ印刷を行なった後、ミシン目加工を行い断裁し
て、A4判のサイズにカットした。このA4サイズのカ
ット判帳票にInfoprint 70プリンタ(日本
IBM(株)製)において、剥離面(印字面)に印字を
実施した。その後、シーラーでA4判カット紙から圧着
葉書を作成した。
【0106】<接着剤組成物層の接着強度>実施例及び
比較例で作成した圧着原紙を、23℃、50%RHにて
調湿後、定型葉書サイズに断裁し1枚目の表と2枚目の
表、2枚目の裏と3枚目の裏が合わさるように3枚重ね
合わせ、ドライシーラーMS−9000(大日本印刷
(株)製)にてロールギャップ190μmの設定で加圧
接着し、25mm(巾)×100mm(長さ)の試験片
に切った。この試験片についてTCM−2kNB(ミネ
ベア(株)製)にて引張強度速度を300mm/min
に設定して、T型剥離による接着強度の測定を行った。
【0107】<接着剤組成物層の静摩擦係数>実施例及
び比較例で作成した圧着原紙を、摩擦係数試験装置を用
いて水平法により静摩擦係数を測定した。幅60mm、
長さ100mm、質量1000gのおもりに圧着原紙か
ら作成した幅60mm、長さ100mmの試験片を、剥
離面(印字面)接着剤組成物層が下向きとなるように貼
付する。更に摩擦係数試験装置の水平板に圧着原紙から
作成した幅100mm、長さ250mmの試験片を、非
剥離面(非印字面)接着剤組成物層が上向きとなるよう
に貼付する。剥離面(印字面)接着剤組成物層と非剥離
面(非印字面)接着剤組成物層を組み合わせ、水平板の
を移動速度10mm/minで約50mm移動して摩擦
力を測定し、最初のピークを静摩擦力とした。
【0108】<プリンタ内の走行性評価>前述の通り作
成したA4サイズのカット判帳票3000枚をプリンタ
の大容量フィーダ部にセットして印字を行い、1000
枚の用紙に対し、紙詰まりの起こる回数を換算して、プ
リンタ内の走行性評価とした。
【0109】<接着剤組成物層の表面状態評価>プリン
タで印字する前のA4サイズのカット判帳票の非剥離面
(非印字面)及び剥離面(印字面)の接着剤組成物層表
面と、プリンタで印字した後のA4サイズのカット判帳
票の非剥離面(非印字面)及び剥離面(印字面)の接着
剤組成物層表面を電子顕微鏡で1000倍に拡大して表
面状態を観察した。
【0110】表1には、実施例1、比較例1及び比較例
2の上記試験についての評価結果を示す。
【表1】
【0111】表1で示したように、実施例1の圧着原紙
から作成したA4サイズのカット判帳票では、プリンタ
における走行性が改善され紙詰まりが生じなくなった。
これは、透気度が300秒以下の180秒、静摩擦係数
が0.75以下の0.585、含有水分が3.5乃至
6.5重量%の範囲内の5.5重量%と、必要な条件を
三つとも満たしたからだと思われる。
【0112】これに対して、比較例1の圧着原紙から作
成したA4サイズのカット判帳票では、プリンタ内で紙
詰まりが生じた。これは、透気度が300秒以下の14
0秒であるけれども、静摩擦係数が0.75を越える
1.027であり、含有水分も3.5乃至6.5重量%
の範囲外の6.7重量%であるからだと思われる。
【0113】また、比較例2の圧着原紙から作成したA
4サイズのカット判帳票でも、プリンタ内で紙詰まりが
生じた。これは、静摩擦係数が0.75以下の0.60
4であるけれでも、透気度が300秒を越える1000
秒であり、含有水分も3.5乃至6.5重量%の範囲外
の6.9重量%であるからだと思われる。
【0114】さらに、実施例1により作成された圧着原
紙より得られた圧着葉書は、粒径40μmの脂肪酸アミ
ド(融点130℃)という粒径の大きい粒子を含んでい
るにも拘わらず、接着力は良好である。これは、電子写
真方式のプリンタの定着ロールを構成するヒートロール
部で、粒径40μmの脂肪酸アミドが熱圧され、つぶさ
れているためであると思われる。
【0115】実施例1によるカット判帳票の非剥離面の
プリンタによる印字前後の表面の拡大状態が、図5に示
されている。図5(a)はA4サイズカット板帳票の印
字前の非剥離面の接着剤組成物層の表面状態を電子顕微
鏡により1000倍に拡大したものであり、図5(b)
はA4サイズカット板帳票の印字前後の非剥離面の接着
剤組成物層の表面状態を、電子顕微鏡により1000倍
に拡大したものである。
【0116】印字前の図5(a)においては、粒子が球
形の形状を保っているのが観察される。これに対して印
字後の図5(b)においては、粒子がつぶれて球形のも
のがほとんどなくなっていることが観察される。すなわ
ち、これら図5(a)及び図5(b)より、印字後には
粒径の大きい粒子がつぶれていることが確認された。
【0117】実施例1によるカット判帳票の剥離面のプ
リンタによる印字前後の表面の拡大状態が、図6に示さ
れている。図6(a)はA4サイズカット板帳票の印字
前の剥離面の接着剤組成物層の表面状態を電子顕微鏡に
より1000倍に拡大したものであり、図6(b)はA
4サイズカット板帳票の印字前後の剥離面の接着剤組成
物層の表面状態を、電子顕微鏡により1000倍に拡大
したものである。
【0118】印字前の図6(a)においては、粒子が球
形の形状を保っているのが観察される。これに対して印
字後の図6(b)においては、粒子がつぶれて球形のも
のがほとんどなくなっていることが観察される。
【0119】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、圧着葉書用カット判帳票の原紙として用いた
場合に、高速電子写真方式のプリンタや卓上の電子写真
方式プリンタにおいて紙詰まりを生じることなく、しか
もシーラー後は良好な接着力を有する良好な圧着葉書用
原紙を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧着原紙から作成されたカット判帳票
の一例を示す図である。
【図2】カット判帳票が折り畳まれた状態の一例を示す
図である。
【図3】圧着原紙がロール状に巻き取られた状態を示す
図である。
【図4】本発明の圧着原紙の熱定着前後における表面の
変化の様子を模式的に示す図である。
【図5】実施例1によるカット判帳票の非剥離面のプリ
ンタによる印字前後の表面の拡大状態を示す図である。
【図6】実施例1によるカット判帳票の剥離面のプリン
タによる印字前後の表面の拡大状態を示す図である。
【符号の説明】
1 カット判帳票 2 上紙片 2a 上紙片2の剥離面(印字面) 2b 上紙片2の非剥離面(非印字面) 3 中紙片 3a 中紙片3の剥離面(印字面) 3b 中紙片3の非剥離面(非印字面) 4 下紙片 4a 下紙片4の剥離面(印字面) 4b 下紙片4の非剥離面(非印字面) 5 折り目線 6 切り離し線 7 切り離し紙片 8 圧着葉書片 9 剥離面(印字面) 10 非剥離面(非印字面) 11 カット判帳票 12 接着剤組成物層 13 紙基材 14 粒径20乃至50μmの熱可塑性を有する合成樹
脂粒子 15 粒径10乃至30μmの合成樹脂粒子 16 つぶれた粒径20乃至50μmの合成樹脂粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 107/02 C09J 107/02 109/10 109/10 129/04 129/04 201/00 201/00 D21H 19/42 D21H 19/42 Fターム(参考) 2C005 WA03 4J004 AA04 AA05 AA18 AB01 CA02 CB02 CC02 EA04 EA05 FA04 4J040 BA102 CA011 CA021 CA071 CA081 CA141 CA151 DB051 DB061 DD021 DF011 EG002 HA176 HA306 JA03 JB09 KA03 KA42 LA06 NA21 4L055 AG18 AG47 AG52 AG64 AG84 AH02 AH37 AJ04 BE08 EA12 EA13 EA14 EA16 EA20 EA27 EA32 FA13 FA15 GA50

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧着葉書用カット判帳票の原紙として適
    した圧着原紙において、前記圧着原紙は、紙基材の両面
    に感圧接着剤基剤を含む接着剤組成物層が設けられ、一
    方の面が剥離面、他方の面が非剥離面とされており、J
    IS P 8117による透気度が300秒以下、かつ
    JIS P 8147による静摩擦係数が0.75以
    下、かつ含有水分が圧着原紙の重さ100重量%に対し
    て3.5乃至6.5重量%である圧着原紙。
  2. 【請求項2】 前記接着剤組成物層は、前記感圧接着剤
    基剤中に、少なくとも、合成樹脂粒子と、水溶性高分子
    と、微粒子充填剤と、を含むものであることを特徴とす
    る請求項1に記載の圧着原紙。
  3. 【請求項3】 前記合成樹脂粒子は、前記感圧接着剤基
    剤100重量部に対して、30乃至80重量部添加され
    ることを特徴とする請求項2に記載の圧着原紙。
  4. 【請求項4】 前記合成樹脂粒子は、粒径分布範囲の異
    なる2種類の粒子を含むことを特徴とする請求項2に記
    載の圧着原紙。
  5. 【請求項5】 前記粒径分布範囲の異なる2種類の合成
    樹脂粒子は、粒径3乃至15μmの粒子と、熱可塑性を
    もつ粒径20乃至50μmの粒子とからなることを特徴
    とする請求項4に記載の圧着原紙。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性をもつ粒径20乃至50μ
    mである合成樹脂粒子が、融点120乃至160℃であ
    るアミド系化合物であることを特徴とする請求項5に記
    載の圧着原紙。
  7. 【請求項7】 前記接着剤組成物層は、片面当たり固形
    分で2乃至10g/m2の塗工層により構成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の圧
    着原紙。
  8. 【請求項8】 前記感圧接着剤基剤は、天然ゴム系ラテ
    ックスであることを特徴とする請求項1または2のいず
    れかに記載の圧着原紙。
  9. 【請求項9】 前記水溶性高分子として、変性ポリビニ
    ルアルコールが添加されていることを特徴とする請求項
    2に記載の圧着原紙。
  10. 【請求項10】 前記微粒子充填剤として、シリカとで
    んぷんが添加されており、かつシリカは剥離面の接着剤
    組成物層に非剥離面の接着剤組成物層よりも多く添加さ
    れていることを特徴とする請求項2に記載の圧着原紙。
  11. 【請求項11】 前記微粒子充填剤として、非剥離面側
    にタルクが添加されていることを特徴とする請求項2に
    記載の圧着原紙。
  12. 【請求項12】 前記水溶性高分子として、剥離面側に
    合成ゴム系ラテックスが添加されていることを特徴とす
    る請求項2に記載の圧着原紙。
  13. 【請求項13】 剥離面側の接着剤組成物層同士の接着
    強度は0.5乃至1.5N/25mmであり、かつ、非
    剥離面側の接着剤組成物層同士の接着強度は、前記剥離
    面側の接着剤組成物層同士の接着強度よりも0.35N
    /25mm以上高いものであることを特徴とする請求項
    1または2のいずれかに記載の圧着原紙。
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