JP2002296735A - 写真印画紙用支持体及びその製造方法 - Google Patents

写真印画紙用支持体及びその製造方法

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JP2002296735A
JP2002296735A JP2001098839A JP2001098839A JP2002296735A JP 2002296735 A JP2002296735 A JP 2002296735A JP 2001098839 A JP2001098839 A JP 2001098839A JP 2001098839 A JP2001098839 A JP 2001098839A JP 2002296735 A JP2002296735 A JP 2002296735A
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roll
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Hiroaki Matsuzaki
洋明 松崎
Munetomo Nakamura
宗知 中村
Hiroo Kaji
裕夫 鍛治
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い剛度と高い平滑性を持ち、特にポリオレフ
ィン樹脂で原紙を溶融被覆する時の熱によっても、原紙
の凹凸の戻りがなく、ポリオレフィン樹脂被覆後も高い
平滑性を維持される写真印画紙用支持体を提供する。 【解決手段】少なくとも一方の原紙面がポリオレフィン
樹脂で被覆された写真印画紙用支持体において、該原紙
面が、化学反応架橋性樹脂組成物により架橋され、且
つ、カレンダー処理されている。好ましくは、化学反応
架橋性樹脂組成物が水溶液でサイズプレス方式により塗
布または含浸され、加熱された金属ロールで熱カレンダ
ー処理される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真印画紙用支持
体に関するものであり、更に詳しくは、表面の平滑性及
び剛度を同時に改良した写真印画紙用支持体及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、写真印画紙の迅速な現像処
理、印画品質の保存性の面から、紙の両面をポリエチレ
ン等のポリオレフィンにより被覆した耐水性写真印画紙
用支持体が広く用いられている。このような写真印画紙
用支持体に要求される性質としては、現像処理のとき必
要な処理液に対する耐水性、現像処理装置内の通紙に必
要な剛度(腰)、できあがったプリントのハンドリング
に必要な剛度、画像にゆがみを与えない平滑性等がある
が、優れた外観及び面質を有するためには、特に、高い
剛度と高い平滑性が要求される。
【0003】樹脂被覆した耐水性写真印画紙用支持体に
おける表面の平滑性は原紙の平滑性に強く影響される。
写真印画紙用支持体の面質を平滑にするためには、例え
ば、特開昭60−67940号、あるいは、特開昭60
−60649号に開示されているように、パルプ材質を
変更して原紙を抄造する方法、あるいは、カレンダー処
理時の圧力を増大して原紙の密度を上げる方法がある。
特開平4−81836号に開示されているように、金属
ロール−合成樹脂ロール間で加熱条件下でカレンダー処
理する方法、また、特開平3−120539号に開示さ
れているように、金属ロール−合成樹脂ロール間でのカ
レンダー処理と金属ロール−金属ロール間でのカレンダ
ー処理を組み合わせ、原紙の凹凸の形状に合わせた表面
の平滑化方法も試みられている。
【0004】しかしながら、これらの方法では、十分な
平滑化を得ようとすると、紙にかかる圧力により剛度が
低下するという問題を惹起する。剛度を強くするには、
嵩高な原紙を抄造する等の方法によらねばならないが、
そのままでは十分な平滑性は得られない。面質の平滑性
を上げる処理と剛度を上げる処理はこれまでの技術では
相反するものであり、両者を満足することは極めて困難
であった。
【0005】更に、前記の方法によって、剛度と平滑性
を持つ写真印画紙用支持体の原紙を得たとしても、溶融
したポリオレフィン樹脂で原紙を被覆する工程で、上記
のカレンダー処理で平滑化した面が溶融樹脂の熱により
加熱され、潜在化していた原紙本来の凹凸が復元してし
まうため、ポリオレフィン樹脂被覆後の平滑性は悪化す
るという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
剛度と高い平滑性を持ち、特にポリオレフィン樹脂で原
紙を溶融被覆する時の熱によっても、原紙の凹凸の戻り
がなく、ポリオレフィン樹脂被覆後も高い平滑性を持
ち、それ故印画紙とした際の見た目の光沢感があって、
ハンドリングがよく、更には、樹脂被覆層の接着も高い
画期的な写真印画紙用支持体及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明の写真印画紙
用支持体及び製造方法を発明するに至った。即ち、本発
明の写真印画紙用支持体及び製造方法は以下の構成から
なる。
【0008】請求項1の発明は、少なくとも一方の原紙
面がポリオレフィン樹脂で被覆された写真印画紙用支持
体において、該原紙面が化学反応架橋性樹脂組成物によ
り架橋され、且つ、カレンダー処理されていることを特
徴とする写真印画紙用支持体の発明である。
【0009】請求項2の発明は、カレンダー処理が少な
くとも金属ロール−金属ロール、金属ロール−合成樹脂
ロールまたは金属ロール−シューロールの1以上の組合
せによるカレンダー処理である請求項1記載の写真印画
紙用支持体の発明である。
【0010】請求項3の発明は、カレンダー処理が加熱
された金属ロールによる熱カレンダー処理である請求項
1または2記載の写真印画紙用支持体の発明である。
【0011】請求項4の発明は、乳剤層が設られる側の
原紙面に金属ロールが圧接するようにカレンダー処理さ
れている請求項1、2または3記載の写真印画紙用支持
体の発明である。
【0012】請求項5の発明は、サイズプレス方式によ
る塗設であることを特徴とする請求項1、2、3または
4記載の写真印画紙用支持体の発明である。
【0013】請求項6の発明は、少なくとも一方の原紙
面をポリオレフィン樹脂で被覆する写真印画紙用支持体
の製造方法において、該原紙面に化学反応架橋性樹脂組
成物を含む水溶液を塗布または含浸する工程及び乾燥す
る工程があって、少なくとも該水溶液を塗布または含浸
する工程前か乾燥工程後に、カレンダー処理工程を組み
合わせて製造することを特徴とする写真印画紙用支持体
の製造方法の発明である。
【0014】請求項7の発明は、カレンダー処理が加熱
された金属ロールによる熱カレンダー処理を含む請求項
6記載の写真印画紙用支持体の製造方法の発明である。
【0015】請求項8の発明は、乾燥工程後にカレンダ
ー処理工程があって、該カレンダー処理工程に熱カレン
ダー処理を含み、該熱カレンダー処理が金属ロール−金
属ロール、金属ロール−合成樹脂ロール、または金属ロ
ール−シューロールの1以上の組合せによる熱カレンダ
ー処理である請求項6または7記載の写真印画紙用支持
体の製造製法の発明である。
【0016】請求項9の発明は、熱カレンダーの処理温
度が110〜300℃であることを特徴とする請求項
6、7または8記載の写真印画紙用支持体の製法方法の
発明である。
【0017】請求項10の発明は、線圧が49〜290
N/mである請求項6、7、8または9記載の写真印画紙
用支持体の製造製法の発明である。
【0018】請求項11の発明は、塗布または含浸する
手段がサイズプレス方式であって、ロールニップサイズ
プレス、ゲートロールサイズプレス、ロッドメタリング
サイズプレス、ゲートロールインバージョン型コータ
ー、ロッドコーター、ビルブレード、ショートドウェル
コーター及びタブサイズプレスの中から少なくともひと
つ選択される請求項6、7、8、9または10記載の写
真印画紙用支持体の製造製法の発明である。
【0019】請求項12の発明は、化学反応架橋性樹脂
組成物が熱硬化性樹脂を含み、熱風または赤外線手段を
含む工程からなる請求項6、7、8、9、10または1
1記載の写真印画紙用支持体の製造方法の発明である。
【0020】かかる構成によって、原紙中または原紙の
表面層近傍に含浸または塗布された樹脂組成物がパルプ
繊維と架橋反応することにより架橋し、好ましくは、乳
剤が塗布される側の原紙面に架橋して平滑化した面が形
成されることにより、その後にポリオレフィン樹脂被覆
による影響を受けない極めて表面の平滑な写真印画紙用
支持体を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の写真印画紙用支持
体及びその製造方法について、詳細に説明する。
【0022】上記でも述べたように、写真印画紙用支持
体の優れた外観および面質といった観点から、本発明者
等は、特に高い剛度と高い平滑性を共に満足する写真印
画紙用支持体について検討した。
【0023】写真印画紙用支持体に用いる原紙につい
て、従前の技術である、金属ロール−合成樹脂ロール間
でカレンダー処理する方法、金属ロール−合成樹脂ロー
ル間で加熱条件でカレンダー処理する方法、金属ロール
−金属ロール間でのカレンダー処理する方法、あるいは
加熱金属ロール−金属ロール間でのカレンダー処理する
方法を単独または組み合わせて単に原紙に用いた場合、
原紙製造段階では、充分な剛度と平滑性が得られていて
も、原紙をポリオレフィン樹脂で被覆する工程での溶融
樹脂の熱により、上記のカレンダー処理で潜在化してい
た原紙本来の凹凸が復元してしまうため、ポリオレフィ
ン樹脂被覆後の平滑性は悪化してしまう。
【0024】また、原紙の平滑化を得るために、あるい
は樹脂被覆後の戻りを考慮して、上記のカレンダー処理
を強化すると、原紙の平滑化は得られても原紙がつぶれ
て、剛度(腰)が低下してしまう。
【0025】そこで本発明者等は、第一に原紙をポリオ
レフィン樹脂で被覆する工程において、ポリオレフィン
樹脂の熱により、原紙の潜在的な凹凸が復元するのを防
ぐような原紙構成を検討した。その結果、化学反応で架
橋する樹脂組成物を原紙の表層に設け、原紙の内層また
は表面近傍の紙層の原紙素材間を架橋せしめ、それと同
時に、カレンダー処理により、カレンダーロール面を原
紙に圧接し凹凸部を平滑にし、固定して原紙の動きを抑
制する手段を組合せることにより、ポリオレフィン樹脂
被覆工程での原紙本来の潜在的な凹凸の戻りがなく、ポ
リオレフィン樹脂被覆後の面質も良好であり、また、高
い剛度も持つことを見いだした。
【0026】本発明の写真印画紙用支持体に用いる原紙
において、化学反応架橋性樹脂組成物で架橋された原紙
面が設けられない場合には、原紙のポリオレフィン樹脂
被覆工程において原紙の潜在的な凹凸の戻りがあり、ポ
リオレフィン樹脂被覆後の面質が悪化する。また、金属
ロール−金属ロール間、金属ロール−合成樹脂ロール
間、金属ロール−シューロールの1以上のカレンダー処
理と組み合わせず、化学反応架橋性樹脂組成物で原紙面
が架橋されているだけでは、平滑化されていない原紙の
凹凸がそのまま残った状態で紙層が固定されるので、ポ
リオレフィン樹脂被覆後の面質が悪化する。
【0027】原紙の少なくとも一方の面がポリオレフィ
ン樹脂で被覆された写真印画紙用支持体において、該原
紙の少なくとも一方の面の原紙面が化学反応架橋性樹脂
組成物により架橋され、且つ、カレンダー処理された写
真印画紙用支持体について、高い平滑性と高い剛度が共
に満足する理由の詳細な点は不明であるが、以下のよう
な理由を本発明者等は考えている。即ち、原紙に塗設さ
れた化学反応により架橋する樹脂は、原紙の乾燥工程に
おいてセルロース間を架橋する、あるいは、樹脂どうし
が繊維交絡点において自己架橋して、セルロース繊維間
を強固に結合するものと考えられる。このような強固な
繊維間結合は、原紙や繊維の変形を抑制し、高い堅さを
付与し、カレンダー処理時に圧縮された変形を固定する
作用を示し、原紙のポリオレフィン樹脂被覆工程でのポ
リオレフィン樹脂の熱緩和により圧縮されている原紙本
来の潜在的な凹凸が復元してしまうのを防ぐ効果がある
ものと推定される。
【0028】本発明における化学反応架橋性樹脂組成物
により架橋された原紙面は、化学反応架橋性のある架橋
剤を含む組成物を原紙表層、必要により内層に存在せし
め、架橋されたものでものである。化学反応架橋性樹脂
組成物を原紙表層に存在せしめる手段としては、スラリ
ー中に添加して抄紙し内添するか、原紙に塗設するかま
たはその両方の組合せによる。平滑性、剛度は主に表層
の性質により影響するので、経済性も考慮すると塗設す
るのが好ましい。本発明におけるカレンダー処理と化学
反応架橋性樹脂組成物により架橋された原紙面との関係
は、カレンダー処理した平滑な面に化学反応架橋性樹脂
組成物を塗設して乾燥してもよいが、化学反応架橋性樹
脂組成物を塗設し乾燥した後カレンダー処理する方が好
ましい。また、化学反応により架橋する樹脂組成物を塗
設し乾燥する連続する工程の前後にカレンダー処理をす
ると更によい。また、化学反応架橋性樹脂組成物を塗設
し乾燥する工程の前か後のカレンダー処理が加熱された
金属ロールでの熱カレンダー処理である場合は更に好ま
しく、特に化学反応架橋性樹脂組成物を塗設し乾燥する
工程の後に熱カレンダー処理をすると更に好ましい。化
学反応架橋性樹脂組成物を塗設する前のカレンダー処理
において、熱カレンダー処理を行った場合には、少ない
圧力で原紙の比較的表層のみを平滑化して凹凸をなく
し、その平滑化した表面に該樹脂組成物が塗設され架橋
するので、高い原紙の剛度が得られる。更に、少ない圧
力で平滑化すること以外にも処理後の原紙が加熱された
状態にあるので化学反応架橋性樹脂組成物が塗設される
と架橋が促進し効率がよい。また、化学反応架橋性樹脂
組成物の塗設工程に続く乾燥工程後に熱カレンダー処理
を行った場合、乾燥工程で未反応のまま残った原紙中の
化学反応架橋性樹脂組成物の架橋反応を促進し、表面を
平滑に固定する効果が得られる。かかる効果を考慮する
と、上記熱カレンダー処理としては、化学反応架橋性樹
脂組成物の塗設前及び乾燥後に熱カレンダー処理するこ
とが最も好ましい。
【0029】本発明におけるカレンダー処理はスーパー
カレンダー処理とは異なり、金属ロールによるカレンダ
ー処理が適当である。特に、化学反応により架橋する樹
脂組成物を塗設した後のカレンダー処理は金属−金属ロ
ール、金属―合成樹脂ロールまたは金属ロール−シュー
ロール間で処理されることが好ましく、更に、乳剤層が
設けられる側の原紙面に金属ロールが圧接するようにカ
レンダー処理することがこのましい。原紙の性質及び平
滑にする形状にもよるが、金属ロール−シューロール間
での処理では、ロールが基紙と圧接する面積が広くその
分少ない圧力で平滑化でき、且つ、加熱時間が長くなる
ので、架橋が進み、紙のへたりが少なく、剛度が出やす
く好ましい。次いで金属−金属ロール、金属―合成樹脂
ロールの順でカレンダー処理が好ましく用いられる。
尚、化学反応架橋性樹脂組成物を塗設した後のカレンダ
ー処理が金属−金属ロール、金属―合成樹脂ロールまた
は金属ロール−シューロール間でカレンダー処理される
場合、好ましくは加熱された金属ロールで処理される場
合は、化学反応架橋性樹脂組成物を塗設前のカレンダー
処理がスーパーカレンダー処理であってもこれを排除す
るものではない。
【0030】一般的に原紙の凹凸に関しては、特開平3
−120539号に記載されているように、”うねり”
と呼ばれる5mm前後の周期を有する波状の大きな凹凸
と、0.5mm前後の周期を有する点状の小さな凹凸(以
下、点状凹凸と称する)の2種類があると考えられてい
る。本発明の写真印画紙用支持体において、前記”うね
り”及び”点状凹凸”の両方のレベルを極めて低くし、
且つそれを維持することができ、平滑性に優れた写真印
画紙用支持体となる。また、化学反応架橋性樹脂組成物
を塗設する直前の原紙水分は、ウエット塗設量に応じて
乾燥で調節すればよいが、最終水分より低い水分率で行
うことが望ましく、カレンダー処理時の原紙の水分は
2.0〜9.0質量%が好ましく、2.5〜7.0質量
%が更に好ましい。化学反応架橋性樹脂組成物塗設後の
カレンダー処理時の水分は5.0〜10.0質量%であ
ることが好ましいが、所望の最終水分が12質量%であ
る場合は温度と加圧を調節して行うことができる。
【0031】熱カレンダー処理する温度は、常温以上あ
ればよいが、原紙の表面層を軟化して原紙表面の平滑化
を容易にするとともに乾燥過程で残った未反応物の架橋
サイトの反応を促進させるために、好ましくは110〜
300℃に加熱して処理することが望ましい。110℃
より低い温度の熱カレンダー処理で原紙表面に平滑性を
付与するためには、カレンダー処理の線圧を高くした
り、時間を長くする必要があり効率が悪い。また、30
0℃を超える温度で熱カレンダー処理を行った場合に
は、前記の”点状凹凸”のレベルは低くなるものの、”
うねり”のレベルが悪化し易くなるので好ましくない。
熱カレンダー処理の温度を150℃以上とした場合に
は、化学反応架橋性樹脂組成物の架橋反応を促進するた
め効率が良い。かかる付随的効果も考慮すると、上記熱
カレンダー処理の温度としては、150℃〜300℃の
範囲とすることが特に好ましい。更に好ましくは、15
0℃〜260℃である。
【0032】カレンダー処理時の線圧は、カレンダー処
理温度、カレンダーロールの材質、カレンダー処理の段
数などの関係で適宜調節して用いればよい。処理温度が
高い場合は、低い線圧で、処理温度が低い場合は高い線
圧で行うと良い。また、流れ方向で原紙とロール面が接
する長さ、即ち、単位紙幅長当たりのロールと原紙の接
触面積に応じて、調節することが重要である。例えば、
金属ロール−シューロールの場合は、接触面積が大きく
なるので、原紙面の加熱時間が長くなるので、カレンダ
ー処理の加圧圧力は低くてもアイロンがけの効果が出て
低加圧の分、原紙の低密度が維持でき、剛度が低下しな
い効果をもたらすので好ましい。金属ロール−シューロ
ールによる熱カレンダー処理の加圧する圧力は原紙を面
受けするので特に限定はないが、設備のコストを考慮す
ると紙幅長当たり100N/m以内の範囲で適宜調節可能
である。金属ロール−合成樹脂ロールまたは金属ロール
−金属ロールの加圧の程度は概ね49〜290N/mの範
囲が好ましい。より好ましくは53〜200N/mである
る。49N/mより低い線圧では平滑性向上の効果が少な
く、又、290N/mを超える線圧では、原紙がつぶれ過
ぎ、剛度が減少する傾向があるので好ましくない。尚、
本発明における線圧とは、原紙の単位幅長に対して印加
する圧力である。また、金属ロール−金属ロールによる
カレンダーを低い圧力で多段に処理することも有効であ
る。
【0033】本発明において使用される合成樹脂ロール
の材質としては、ウレタン系、エボナイト系、ナイロン
系、アラミド系、合成ゴム等の合成樹脂が用いられる。
上記合成樹脂ロールの硬度はショアー硬度で50〜95
のものが用いられ、好ましくは75〜90のものが望ま
しい。
【0034】本発明において化学反応により架橋する樹
脂組成物に使用される架橋性のある物質としては、脂肪
族アルデヒド、ジアルデヒドの多糖類、ジケトン、ポリ
エポキシド、多官能価ビニル化合物、トリアクリルホル
マール、アジリジン、置換ジクロロ−s−トリアジンの
ような活性ビニル系化合物、イソシアヌレート、多価金
属などが挙げられる。特に架橋反応が加熱により顕著に
促進する、いわゆる、熱硬化性樹脂が好ましく、例え
ば、エポキシ樹脂、エチレンイミノ樹脂、メラミン樹
脂、紙パ技協誌第52巻第12号、P.56〜P.62(1
998年)に記載されている、ポリアミドポリアミンエ
ピクロルヒドリン樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹
脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等を挙げることができ
る。本発明における化学反応架橋性樹脂組成物とは、上
記の架橋剤だけでもよいが、塗工または含浸のとき原紙
の表層付近で架橋効果を顕著にするため、あるいは樹脂
被覆後の樹脂層と原紙層との境界付近からの現像液の染
み込みを防止する目的で、増粘効果またはバインダー効
果を与えるためにポリビニールアルコール、ゼラチン、
スチレン無水マレイン酸、セルロース誘導体、澱粉など
の水溶性高分子、ラテックスエマルジョン、原紙表面の
堅さを発現するために、コロイダルシリカ、また雲母や
水酸化マグネシウム等の顔料や、シリカ、マイクロガラ
ス繊維等を加え得る。更に、大きな凹部を埋める目的で
有機顔料、中空顔料なども使用できる。また、バインダ
ーや顔料の種類によって架橋剤を使い分けると、カレン
ダー処理後の原紙面が好ましく仕上がる。例えば、ゼラ
チンが用いられるような場合は、ゼラチンと架橋し易い
トリアジン系の化合物が好ましく用いられる。
【0035】本発明における化学反応架橋性樹脂組成物
を溶液または分散液として塗設する方法は、従来から慣
用されている、例えば、ブレードコーター、エアーナイ
フコーター、ロールコーター、リバースロールコータ
ー、バーコーター、カーテンコーター、ダイスロットコ
ーター、グラビアコーター、チャンプフレックスコータ
ー、ブラシコーター等の塗工装置、あるいはサイズプレ
ス方式等の各種コーターを単独または組み合わせて用い
て、塗工液を原紙表面に塗設する。これらの塗工装置は
オンマシン或いはオフマシンコーターのいずれの形式で
使用しても良い。上記の塗設方法の中では、サイズプレ
ス方式による塗設方法がより好ましい。特に好ましく
は、サイズプレス方式が、ロールニップサイズプレス、
ゲートロールサイズプレス、ロッドメタリングサイズプ
レス、ゲートロールインバージョン型コーター、ロッド
コーター、ビルブレード、ショートドウェルコーター、
タブサイズの中から選択または組み合わせて行うもので
ある。上記のサイズプレス方式によって、化学反応によ
り架橋する樹脂組成物の水溶液を塗設した場合、化学反
応により架橋する樹脂組成物は、若干、原紙表層から内
部に吸収されるものと考えられる。
【0036】こうして、原紙表層及び若干内部に吸収さ
れた化学反応架橋性樹脂組成物は、乾燥工程で加熱架橋
反応し、カレンダーで固定化されることにより、あるい
は乾燥段階で途中まで硬化された後、熱カレンダーによ
り熱硬化し固定されることにより、紙層の表面を平滑に
しながら含浸した内部の紙層全体を固定することができ
る。本発明における化学反応架橋性樹脂組成物の塗設量
は、化学反応架橋性樹脂組成物の種類、カレンダー処理
の負荷、処理前の原紙の平滑性などにより適宜調節すれ
ばよいが、固形分で0.0001〜20g/m2が好まし
い。更に好ましくは0.001〜10g/m2であり、更
には、0.005〜5g/m2である。0.0001g/
2より低い塗布量では、化学反応架橋性性樹脂の架橋
反応による、剛度及び平滑性付与の効果が少なく、又、
20g/m2を超える塗布量では、過剰になり該樹脂層が
写真現像液により汚れたり、全体が該組成物水溶性液塗
設後の乾燥段階における負荷が大きく経済的でない。
尚、積極的に多量の塗設量を設けても構わないが、新た
に、塗布ムラによる凹凸が加わってきて、平滑性が低下
したりする問題が生じてくる。
【0037】本発明における化学反応により架橋する樹
脂組成物の溶液の塗設後の乾燥手段は、例えば蒸気ドラ
ム加熱、熱風加熱、ガスヒーター加熱、電気ヒーター加
熱、赤外線ヒーター加熱、高周波加熱、レーザー加熱、
電子線加熱等各種の方式が採用される。上記の乾燥手段
の中では、赤外線または熱風を単独またはこれらを組合
せた非接触方式による乾燥手段が特に好ましく、サイズ
プレス方式により化学反応架橋性樹脂組成物の水溶液を
塗設した直後の乾燥に熱風及び赤外線を単独または組み
合わせた方式による乾燥手段を採用する場合には、原紙
面にドライヤーロールが当たらず、ロールとの接着によ
るピッキングを惹起しない。また、化学反応架橋性樹脂
組成物の粘着性が低下したところで本格的にドライヤー
ロールに当接せしめて乾燥工程に入ると更によい。
【0038】本発明の写真印画紙用支持体及びその製造
方法においては、画像材料及びそのプリントの見た目の
光沢感を良くする観点から、乳剤層が塗設される側の写
真印画紙用支持体の平滑度は、触針式三次元表面粗さ計
によりJIS B 0610に規定される方法で測定さ
れる中心面平均粗さSRaで0.15μm以下であるこ
とが好ましい。更に好ましくは、0.13μm以下であ
り、特に好ましくはSRaが0.10μm以下である。
また、本発明により、得られた写真印画紙用支持体の剛
度は従前の技術による写真印画紙用支持体より高くな
る。本発明による原紙の処理により、驚くべきことに原
紙とポリオレフィン樹脂被覆層の接着性も向上する。そ
の理由は、未反応の化学反応架橋性樹脂成分が、経時的
に反応し、接着を高めることも起因の一つとして考えら
れる。かくして、本発明の写真印画紙用支持体及びその
製造方法においては、原紙の剛度は、カレンダー処理に
よっても低下することなく平滑性を得ることができ、樹
脂被覆後の平滑性も通常のものよりも高く維持できる。
本願発明の写真印画紙用支持体の剛度は、JISP81
25に従って、1.75mN・mを超える。その結果、
写真印画紙となした際のハンドリングがよく、さばき性
の良好な写真印画紙を提供できる写真印画紙用支持体と
なる。本発明で得られるより好ましい写真印画紙用支持
体の剛度は1.8mN・m以上であり、更に好ましくは
1.86mN・m以上であり、その上に好ましくは1.
9mN・m以上である。
【0039】本発明の写真印画紙用支持体及びその製造
方法において、原紙に使用されるパルプとしては、NB
KP、LBKP、NBSP、LBSP、TMP、故紙な
どが挙げられ、使用に当っては、それらを目的に応じた
比率で混合して用いることができる。また、通常抄紙で
使用するカオリン、タルク、炭酸カルシウムや酸化チタ
ンなどの填料、染料、蛍光染料、サイズ剤、サイズ定着
剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤、スライムコント
ロール剤、消泡剤、柔軟化剤などを必要に応じて含有さ
せることができる。更には、上記の化学反応により架橋
する樹脂組成物をパルプスラリーとともに原紙に抄き込
んでもよい。また、原紙表面にゼラチン、スターチ、カ
ルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリ
ビニルアルコールの変成物等による表面処理、及びぼう
硝、塩化ナトリウム、塩化アルミニウム、有機導電剤等
による帯電防止処理を必要に応じて原紙上に上記サイズ
プレスとは別にあるいは混合して行うことも可能であ
る。
【0040】本発明の写真印画紙用支持体及びその製造
方法において、使用される原紙は、長網抄紙機、ハイブ
リッド抄紙機、ツインワイヤーによる抄紙機などで抄造
される。
【0041】本発明の写真印画紙用支持体及びその製造
方法において、原紙の少なくとも一方の面を被覆するポ
リオレフィン樹脂としては、エチレン、プロピレン等の
α−オレフィンのホモポリマー、或いは、2種類以上の
α−オレフィンからなる共重合体又はα−オレフィンを
主成分として、それと共重合可能な他のモノマーとの共
重合体、及びそれらの混合物を用いることができる。こ
れらの樹脂に、二酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシウ
ム等の白色顔料や着色顔料を添加すること、通常樹脂に
混合される安定化剤、酸化防止剤、分散剤、滑剤等を添
加することも差し支えない。ポリオレフィン樹脂による
被覆は、走行する原紙上に加熱溶融したポリオレフィン
樹脂を流延する、いわゆる押し出し塗工法によって行わ
れる。
【0042】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。実施例において示す「部」および「%」は、特に明
示しない限り、質量部および質量%を示す。
【0043】実施例1 広葉樹漂白クラフトパルプを平均繊維長が0.56mm、
濾水度320mlになるように叩解後、パルプ100質量
部に対して、カチオン化澱粉1質量部、アニオン化ポリ
アクリルアミド0.2質量部、アルキルケテンダイマー
乳化物(ケテンダイマー分として)0.4質量部、ポリ
アミドエピクロルヒドリン樹脂0.4質量部、両性ポリ
アクリルアミド(数平均分子量230万)1.5質量部及
び適当量の蛍光増白剤、青色染料、赤色染料を添加して
紙料スラリーを調製した。
【0044】上記配合の紙料スラリーを500m/分で
走行しているワイヤーを乗せた長網抄紙機にのせ適切な
タービュレンスを与えつつ紙匹を形成し、ウェットプレ
スを行った後、スムージングロールで処理し、引き続く
乾燥パート(メインドライヤー)で乾燥した後、金属ロ
ール−金属ロール間で63N/mの線圧のカレンダー処理
をロール温度40℃で行った。
【0045】その後、以下の配合のサイズプレス液を絶
乾塗布量が片面2g/m2となるように、ゲートロールコ
ーターにてサイズプレスし、水分が絶乾水分率で8質量
%になるように、更に赤外線と熱風で加熱し、その後ド
ラムドライヤーで乾燥した。 〈サイズプレス液配合〉 タピオカ澱粉 4部 水溶性エポキシ化合物(長瀬産業社製;NER-010) 0.2部 メタノール 3部 蛍光増白剤 0.05部 青色染料 0.002部 塩化ナトリウム 4部 水 88.8部
【0046】次いでこの原紙に、金属ロール−金属ロー
ル間で83N/mの線圧のカレンダー処理をロール温度4
0℃で行い、坪量170g/m2の原紙を製造した。
【0047】次に、この原紙の乳剤層が塗設される側の
反対側にコロナ放電処理後、溶融押出機を用いて低密度
ポリエチレン(密度0.918、MI5)50部、高密
度ポリエチレン(密度0.965、MI7)50部から
なるポリエチレン樹脂を樹脂厚さ30μmで溶融押出塗
工し、型付けされた無光沢面の樹脂層を被覆した。
【0048】引き続き、この原紙の乳剤層が塗設される
側にコロナ放電処理後、溶融押出機を用い、低密度ポリ
エチレン(密度0.918、MI8.5)に30質量%
の酸化チタンを練り混んだマスターバッチ30部、低密
度ポリエチレン(密度0.918、MI5.0)45
部、高密度ポリエチレン(密度0.965、MI7.
0)25部からなる樹脂組成物を樹脂厚30μmで溶融
押出塗工して光沢面の樹脂層を被覆した。
【0049】更に、巻き取るまでの間に、樹脂被覆紙の
乳剤層が塗設される側とは反対側の樹脂層面にコロナ放
電処理後、乾燥質量分として、コロイド状シリカ:スチ
レン系ラテックス:ポリスチレンスルフォン酸ソーダ=
1:1:0.01から成るバック層用塗液を固形分で
0.2g/m2になるようオンマシンで塗設した。
【0050】さらにバック層を塗設後、樹脂被覆紙を巻
き取るまでの間に、乳剤層が塗設される側の樹脂層面に
コロナ放電処理を施し、石灰処理ゼラチン:パラオキシ
安息香酸ブチル:スルフォコハク酸−2−エチルヘキシ
ルエステル塩=1.2:0.03:0.025からなる
下引塗液をゼラチン塗布量(固形)0.06g/m2にな
るように均一にオンマシン塗布して写真印画紙用支持体
を得た。結果を表1に示す。
【0051】実施例2 実施例1のサイズプレス後のカレンダー条件を、乳剤が
塗設される側の原紙面に金属ロール、その反対側の原紙
面に合成樹脂ロール(金陽社製:エラグラスZE)を当
接するように変えた以外は、実施例1と同様に行い、写
真印画紙用支持体を得た。結果を表1に示す。
【0052】実施例3 実施例1のサイズプレス前のカレンダー条件を、乳剤が
塗設される側の原紙面に金属ロール、その反対側の原紙
面に合成樹脂ロール(金陽社製:エラグラスZE)を当
接するように変えた以外は、実施例1と同様に行い、写
真印画紙用支持体を得た。結果を表1に示す。
【0053】実施例4 実施例1のサイズプレス前およびサイズプレス後のカレ
ンダー条件を、乳剤が塗設される側の原紙面に金属ロー
ル、その反対側の原紙面に合成樹脂ロール(金陽社製:
エラグラスZE)を当接するように変えた以外は、実施
例1と同様に行い、写真印画紙用支持体を得た。結果を
表1に示す。
【0054】実施例5 実施例1のサイズプレス前のカレンダー条件を、ロール
温度150℃に変えた以外は、実施例1と同様に行い、
写真印画紙用支持体を得た。結果を表1に示す。
【0055】実施例6 実施例1のサイズプレス後のカレンダー条件を、ロール
温度150℃に変えた以外は、実施例1と同様に行い、
写真印画紙用支持体を得た。結果を表1に示す。
【0056】実施例7 実施例1のサイズプレス前およびサイズプレス後のカレ
ンダー条件を、ロール温度150℃に変えた以外は、実
施例1と同様に行い、写真印画紙用支持体を得た。結果
を表1に示す。
【0057】実施例8 実施例1のサイズプレス前のカレンダー条件を、乳剤が
塗設される側の原紙面に金属ロール、その反対側の原紙
面に合成樹脂ロール(金陽社製:エラグラスZE)を当
接するように変え、サイズプレス後のカレンダー条件
を、ロール温度150℃に変えた以外は、実施例1と同
様に行い、写真印画紙用支持体を得た。結果を表1に示
す。
【0058】実施例9 実施例1のサイズプレス後のカレンダー条件を、乳剤が
塗設される側の原紙面に金属ロール、その反対側の原紙
面に合成樹脂ロール(金陽社製:エラグラスZE)を当
接するように変え、ロール温度を150℃に変えた以外
は、実施例1と同様に行い、写真印画紙用支持体を得
た。結果を表1に示す。
【0059】実施例10 実施例1のサイズプレス前のカレンダー条件を、乳剤が
塗設される側の原紙面に金属ロール、その反対側の原紙
面に合成樹脂ロール(金陽社製:エラグラスZE)当接
するように変え、サイズプレス後のカレンダー条件を、
乳剤が塗設される側の原紙面に金属ロール、その反対側
の原紙面に合成樹脂ロール(金陽社製:エラグラスZ
E)を当接するように変え、ロール温度を150℃に変
えた以外は、実施例1と同様に行い、写真印画紙用支持
体を得た。結果を表1に示す。
【0060】実施例11 実施例1のサイズプレス前のカレンダー条件を、乳剤が
塗設される側の原紙面に合成樹脂ロール(金陽社製:エ
ラグラスZE)、その反対側の原紙面に金属ロールを当
接するように変え、サイズプレス後のカレンダー条件
を、乳剤が塗設される側の原紙面に合成樹脂ロール(金
陽社製:エラグラスZE)、その反対側の原紙面に金属
ロールを当接するように変え、ロール温度を150℃に
変えた以外は、実施例1と同様に行い、写真印画紙用支
持体を得た。結果を表1に示す。
【0061】実施例12、13 実施例1のサイズプレス後のカレンダー条件を、線圧3
9N/m及び304N/mに変えた以外は、実施例1と同様
に行い、写真印画紙用支持体を得た。結果を表1に示
す。
【0062】実施例14 実施例1のサイズプレス後のカレンダー条件を、金属ロ
ール−シュープレスロール換え加圧を60N/mに変えた
以外は、実施例1と同様に行い、写真印画紙用支持体を
得た。結果を表1に示す。 実施例15 サイズプレス液の配合を下記のように変えた以外は、実
施例6と同様に行い、写真印画紙用支持体を得た。結果
を表1に示す。 〈サイズプレス液配合〉 ゼラチン 4部 1,3,5-トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−S−トリアジン架橋剤 0.2部 蛍光増白剤 0.05部 青色染料 0.002部 塩化ナトリウム 4部 水 92部
【0063】実施例16 パルプ100部に対して下記の配合量で化学反応架橋性
組成物をワイヤー直前でスラリーに添加し、実施例6と
同様に行い写真印画紙用支持体を得た。 ゼラチン 2部 1,3,5-トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−S−トリアジン架橋剤 0.2部 但しサイズプレス配合液は下記のものを用いた。結果を表1に示す。 〈サイズプレス液配合〉 カルホ゛キシ変成ホ゜リヒ゛ニルアルコール 2部 蛍光増白剤 0.05部 青色染料 0.002部 塩化ナトリウム 4部 水 92部
【0064】実施例17 サイズプレス後に赤外線及び熱風で原紙を加熱すること
なく、直接ドラムドライヤー乾燥を行った以外実施例6
と同様に行い写真印画紙用支持体を得た。結果を表1に
示す。
【0065】比較例1 実施例1のサイズプレス液の配合を以下の配合に変えた
以外は、実施例1と同様に行い、写真印画紙用支持体を
得た。結果を表1に示す。 〈サイズプレス液配合〉 カルホ゛キシ変成ホ゜リヒ゛ニルアルコール 4部 蛍光増白剤 0.05部 青色染料 0.002部 塩化ナトリウム 4部 水 92部
【0066】実施例1〜17および比較例1の写真印画
紙用支持体の平滑性および剛度は、以下の方法に従って
評価した。
【0067】〈平滑性〉上記の写真印画紙用支持体の平
滑性については、小坂研究所製三次元表面粗さ計を使用
し、下記の条件で測定したSRa値で評価した。数値の
小さい方が表面の凹凸が小さく、平滑性が良好であるこ
とを意味する。 カットオフ 0.8mm X測定長さ 20.8mm Y送りピッチ 0.5mm 測定本数 16本
【0068】〈剛度〉上記の写真印画紙用支持体の剛度
については、JISP8125に従って、テーバー剛度
を測定した。この値が1.75mN・m以下では実用上
問題がある。
【0069】
【表1】
【0070】評価結果:上記表1より、実施例1〜13
および比較例1の写真印画紙用支持体について、平滑性
および剛度を比較した。
【0071】平滑性について、実施例1〜13と比較例
1を比較すると、写真印画紙用支持体において、原紙に
化学反応により架橋する樹脂組成物を塗設し、且つ、金
属ロール−金属ロール間、あるいは、金属ロール−合成
樹脂ロール間でカレンダー処理された原紙を使用した場
合、化学反応により架橋する樹脂組成物を塗設しない原
紙を使用した場合よりも、高い平滑性が得られることが
わかる。
【0072】また、実施例1と実施例5、6、7を比較
すると、写真印画紙用支持体に、加熱された金属ロール
で熱カレンダー処理した原紙を使用した場合の方がよ
り、高い平滑性が得られる傾向のあることがわかる。
【0073】また、実施例6と実施例8、9、10を比
較すると、写真印画紙用支持体に、金属ロール−金属ロ
ール間でカレンダー処理をした原紙を使用した方が、金
属ロール−合成樹脂ロール間でカレンダー処理した原紙
を使用した場合よりも、高い剛度が得られる傾向のある
ことがわかる。
【0074】また、実施例10と実施例11を比較する
と、写真印画紙用支持体に、乳剤層が塗設される側の原
紙面に金属ロールが当接するようにカレンダー処理した
原紙を使用した方が、乳剤層が塗設される側の反対側に
金属ロールが当接するようにカレンダー処理した原紙を
使用した場合よりも、高い平滑性の得られる傾向のある
ことがわかる。
【0075】また、実施例6と実施例12、13を比較
すると、写真印画紙用支持体に使用する原紙のカレンダ
ー線圧が49N/mより低い場合には、平滑性向上効果が
小さく、また290N/mを超えて大きい場合には剛度が
低下する傾向のあることがわかる。
【0076】また、実施例16のように化学反応架橋性
樹脂組成物を内添したものは、実施例6に比較して、原
紙面に塗設したものより剛度がそれほど向上しなかっ
た。ポリオレフィン樹脂層の接着も同等まで行かなかっ
た。また、抄紙系の汚れあった。
【0077】また、実施例17では、赤外線及び熱風ド
ライヤーで原紙を加熱することなく、直接ドラムドライ
ヤーにより乾燥たため、ドライヤー面と原紙との接着が
面荒れが発生しその後のカレンダーによっても十分な平
滑性は得にくかった。また、ドライヤーの汚れが目立っ
た。
【0078】
【発明の効果】上記の結果より、本発明の写真印画紙用
支持体は、原紙の少なくとも一方の面がポリオレフィン
樹脂で被覆された写真印画紙用支持体において、該原紙
面が、化学反応架橋性樹脂組成物により架橋され、且
つ、金属ロール−金属ロール間、金属ロール−合成樹脂
ロール間或いは金属ロール−シューロール間でカレンダ
ー処理されることにより、平滑性と剛度が高い写真印画
紙用支持体を得ることができる。また、加熱された金属
ロールで熱カレンダー処理されることにより更にその効
果が発現する。また、乳剤層が塗設される側の原紙面に
金属ロールが当接するようにカレンダー処理されること
により合成樹脂ロールが当接されるときよりも平滑性が
向上する。加熱金属ロール−シューロールでカレンダー
処理すると少ない圧力で長時間加熱することができ架橋
が促進するので後のカレンダーに適している。熱カレン
ダーの処理温度は110〜300℃であることが好まし
く、カレンダーの線圧が49〜290N/mであることが
好ましい。また、化学反応架橋性のある化合物として
は、熱硬化性樹脂が好ましい。組成物はサイズプレス方
式によって塗設されることが経済的にも好ましく、サイ
ズプレス後の乾燥方式が赤外線と熱風で最初に行い、そ
の後ドラムドライヤーで行うことが好ましい。本製造方
法において、サイズプレス方式が、ゲートロールサイズ
プレス、ロッドメタリングサイズプレス、ゲートロール
インバージョン型コーター、ロッドコーター、ビルブレ
ード、ショートドウェルコーター、タブサイズの中から
選択することができる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方の原紙面がポリオレフィ
    ン樹脂で被覆された写真印画紙用支持体において、該原
    紙面が化学反応架橋性樹脂組成物により架橋され、且
    つ、カレンダー処理されていることを特徴とする写真印
    画紙用支持体。
  2. 【請求項2】 カレンダー処理が少なくとも金属ロール
    −金属ロール、金属ロール−合成樹脂ロールまたは金属
    ロール−シューロールの1以上の組合せによるカレンダ
    ー処理である請求項1記載の写真印画紙用支持体。
  3. 【請求項3】 カレンダー処理が加熱された金属ロール
    による熱カレンダー処理である請求項1または2記載の
    写真印画紙用支持体。
  4. 【請求項4】 乳剤層が設られる側の原紙面に金属ロー
    ルが圧接するようにカレンダー処理されている請求項
    1、2または3記載の写真印画紙用支持体。
  5. 【請求項5】 化学反応架橋性樹脂組成物がサイズプレ
    ス方式による塗設であることを特徴とする請求項1、
    2、3または4記載の写真印画紙用支持体。
  6. 【請求項6】 少なくとも一方の原紙面をポリオレフィ
    ン樹脂で被覆する写真印画紙用支持体の製造方法におい
    て、該原紙面に化学反応架橋性樹脂組成物を含む水溶液
    を塗布または含浸する工程及び乾燥する工程があって、
    少なくとも該水溶液を塗布または含浸する工程前か乾燥
    工程後に、カレンダー処理工程を組み合わせて製造する
    ことを特徴とする写真印画紙用支持体の製造方法。
  7. 【請求項7】 カレンダー処理が加熱された金属ロール
    による熱カレンダー処理を含む請求項6記載の写真印画
    紙用支持体の製造方法。
  8. 【請求項8】 乾燥工程後にカレンダー処理工程があっ
    て、該カレンダー処理工程に熱カレンダー処理を含み、
    該熱カレンダー処理が金属ロール−金属ロール、金属ロ
    ール−合成樹脂ロール、または金属ロール−シューロー
    ルの1以上の組合せによる熱カレンダー処理である請求
    項6または7記載の写真印画紙用支持体の製造製法。
  9. 【請求項9】 熱カレンダーの処理温度が110〜30
    0℃であることを特徴とする請求項6、7または8記載
    の写真印画紙用支持体の製法方法。
  10. 【請求項10】 線圧が49〜290N/mである請求項
    6、7、8または9記載の写真印画紙用支持体の製造製
    法。
  11. 【請求項11】 塗布または含浸する手段がサイズプレ
    ス方式であって、ロールニップサイズプレス、ゲートロ
    ールサイズプレス、ロッドメタリングサイズプレス、ゲ
    ートロールインバージョン型コーター、ロッドコータ
    ー、ビルブレード、ショートドウェルコーター及びタブ
    サイズプレスの中から少なくともひとつ選択される請求
    項6、7、8、9または10記載の写真印画紙用支持体
    の製造製法。
  12. 【請求項12】 化学反応架橋性樹脂組成物が熱硬化性
    樹脂を含み、熱風または赤外線手段を含む工程からなる
    請求項6、7、8、9、10または11記載の写真印画
    紙用支持体の製造方法。
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