JP2002292669A - 表皮付き発泡樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

表皮付き発泡樹脂成形品の製造方法

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JP2002292669A
JP2002292669A JP2001096509A JP2001096509A JP2002292669A JP 2002292669 A JP2002292669 A JP 2002292669A JP 2001096509 A JP2001096509 A JP 2001096509A JP 2001096509 A JP2001096509 A JP 2001096509A JP 2002292669 A JP2002292669 A JP 2002292669A
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sheet
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Toru Yoshimi
徹 吉見
Mikihiko Tanaka
幹彦 田中
Kazuo Tajima
一雄 田島
Mitsuhiko Anami
光彦 阿南
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Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発泡樹脂体芯材の表面に位置ズレなくかつし
わのない状態で表皮フィルムを接着積層して外観意匠性
の高い表皮付き発泡樹脂成形品を得る。 【解決手段】 キャビティ内に発泡性樹脂粒子を充填し
該粒子を加熱発泡させて発泡樹脂成形品を製造するに際
して、成形型のキャビティ面に予め成形した表皮フィル
ムを装着する。型締めを行い、発泡性樹脂粒子の充填を
行う際に、キャビティ内圧力が2〜4kg/cm2程度
となるように発泡性樹脂粒子を圧縮充填する。それによ
り、表皮フィルムまたはシートはキャビティ面に確実に
密着し、発泡成形時に、収縮変形して位置ズレやしわが
生じるのが回避される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表皮付き発泡樹脂
成形品の製造方法に関し、特に、ある程度の長期間にわ
たり、食品運搬用容器、生食品保冷用容器、あるいは、
保温用容器などとして有効に用いることのできる表皮付
き発泡樹脂成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】発泡樹脂体を芯層とし、その全表面に表
皮フィルムを一体に接着積層した発泡樹脂成形品を製造
する方法として、特開平1−101141号公報には、
雌型のキャビティ面に該キャビティ面に沿う形に予め成
形した表皮フィルムを装着した後、型締めを行い、発泡
性樹脂粒子の充填と該粒子の加熱発泡処理を行って、内
面側に表皮フィルムを接着積層した中間成形品を成形
し、次に、該中間成形品の露出面に新たな表皮フィルム
を被着して再度型締めを行い、キャビティ内で中間成形
品と後から被着した表皮フィルムとを加熱接着すること
により、発泡樹脂芯層の全表面に表皮フィルムを被着し
た最終成形品を形成する成形方法が記載されている。
【0003】発泡性樹脂粒子としては、ポリスチレン、
ポリプロピレ、架橋ポリエチレンなどの嵩密度が8〜1
00g/Lである予備発泡熱可塑性樹脂粒子が用いら
れ、表皮フィルムとしては、ポリプロピレン系樹脂やハ
イインパクトポリスチレン、ポリエチレン、エチレン・
酢酸ビニル共重合体などの通常の耐水性樹脂であって肉
厚が0.1〜2mm程度のフィルムが用いられる。
【0004】このようにして製造された表皮付き発泡樹
脂成形品は、断熱性、軽量性、耐衝撃性などに優れてお
り、かつ、発泡樹脂性芯材の表面が表皮フィルムで被覆
されているので安定した表面性状が得られることから、
食品運搬用容器、生食品保冷用容器、保温用容器などと
して有効に用いられる。また、このような表皮付き発泡
樹脂成形品は、非発泡合成樹脂よりなる内装体および外
装体の両者間に断熱層として発泡樹脂性芯層を介装した
形態の通函(例えば、実公昭59−11099号公報な
ど参照)と比較した場合、耐久性の面では劣るとして
も、安価に製造できかつ軽量であって取り扱いが容易な
ことから、限られた期間で使用する容器(例えば通函)
として、きわめて有効に用いることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平1−101141号公報に記載される製造方法にお
いて、成形型のキャビティ面にならうようにして表皮フ
ィルムを密着状態とすること、成形中にその密着状態を
維持することは困難である。そのために、複雑な凹凸面
を持つ発泡樹脂成形品の製造にこの製造方法を適用する
ことは容易でない。また、成形過程で表皮フィルムの位
置ズレや熱による変形収縮が生じがちであり、型開き後
に得られる成形品に表皮フィルムに覆われない部分や表
皮フィルムによるしわが生じる場合がある。そのような
ことから、成形品の歩留まりはどうしても低下する。
【0006】他の製造方法として、特公平6−1043
39号公報には、軟化処理をした熱可塑性樹脂シート
を、一方の成形型に設けたベントホールを真空孔として
利用して真空吸着によりキャビティ表面にならって被着
させ、その後、型締めと発泡性樹脂粒子の充填を行い、
他方の成形型に形成したベントホールから蒸気をキャビ
ティ内に導入し、粒子の加熱発泡と融着処理を行うよう
にしたものが記載されている。
【0007】また、特公昭58−975号公報には、軟
化処理した熱可塑性樹脂シートを成形型に設けたベント
ホールを真空孔として利用して、真空吸着によりキャビ
ティ表面にならって被着させ、その後、孔あけピンをベ
ントホールに挿通して熱可塑性樹脂シートの全面に蒸気
通過孔を形成し、以後、型締めや発泡性樹脂粒子の充
填、該粒子の加熱発泡処理などを行うようにしたものが
記載されている。
【0008】このような方法による場合には、軟化した
熱可塑性樹脂シートを真空吸着によりキャビティ表面に
ならって被着させることから、上記の不都合は回避され
る。しかし一方において、熱可塑性樹脂シート(表皮フ
ィルム)の全面、すなわち、製品の表面に、真空吸着時
のベントホールの痕や、蒸気通過孔の痕が残ることとな
り、見栄えのよい平滑性に優れた表皮付き発泡樹脂成形
品は得られない。また、真空吸着による場合には、キャ
ビティ表面へのシートの圧着力に限界があり、厚み0.
2〜0.3mm程度の薄手のフィルムの場合は不都合は
生じないとしても、それより厚い樹脂シートの場合に
は、キャビティ表面へのならい密着性に限界がある。
【0009】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであり、表皮フィルムあるいはシートが比較的薄手の
ものであり、かつ、被着される面(キャビティ面)が複
雑な凹凸をなす場合であっても、その凹凸面にならって
表皮フィルムあるいは表皮シートを確実に密着させるこ
とができ、さらに、通常の使用状態で人の目に曝される
表面部分にはベントホールの痕などが形成されないよう
にすることにより、高い平滑性を備えた表皮付き発泡樹
脂成形品を成形することを可能とする、表皮付き発泡樹
脂成形品の改良された製造方法を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、雌
型と雄型とで形成されるキャビティ内に発泡性樹脂粒子
を充填し該粒子を加熱発泡させて発泡樹脂成形品を製造
するに際して、雌型と雄型のいずれか一方または双方の
キャビティ面に該キャビティ面に沿う形に予め成形した
表皮フィルムまたはシートを装着した後、型締めを行
い、発泡性樹脂粒子の充填と該粒子の加熱発泡処理を行
って表皮付き発泡樹脂成形品を製造する方法において、
キャビティ面に装着した表皮フィルムまたはシートをキ
ャビティ内圧力を上昇させることによりキャビティ面に
さらに密着させる工程を備えることにより解決される。
【0011】好ましくは、前記表皮フィルムまたはシー
トをキャビティ面に密着させる工程を、キャビティ内に
発泡性樹脂粒子を圧縮充填し、該圧縮充填にともなうキ
ャビティ内圧力の上昇により行うようにする。より具体
的には、前記キャビティ内圧力の上昇を、発泡性樹脂粒
子を圧縮充填する際に型間通路からの排気を調整するよ
うにする。本発明者らの実験では、比較的薄い表皮フィ
ルムまたはシートであっても、キャビティ内に1.5〜
4kg/cm2の圧力を生じさせることにより、所要の
密着性を得ることができた。
【0012】上記の製造方法によれば、キャビティ面が
凹凸を有する場合であっても、表皮フィルムまたはシー
トは、キャビティ内の圧力上昇により、キャビティ表面
にならってさらに密着した状態となる。それにより、表
皮フィルムまたはシートが発泡性樹脂粒子の加熱発泡時
の熱変形収縮により位置ズレが生じたりするのも回避さ
れる。
【0013】本発明の好ましい態様において、雌型と雄
型の双方のキャビティ面に表皮フィルムまたはシートを
装着して表皮付き発泡樹脂成形品の製造する場合に、雄
型にはベントホールを設けない成形型を用い、雌型には
発泡樹脂成形品の側面となる部位にはベントホールを設
けない成形型を用いるようにする。この態様では、表皮
フィルムまたはシートを装着した領域における人の目に
付かない場所(容器の底面)にのみベントホールによる
痕が形成されるので、高い平滑性を備えた表皮付き発泡
樹脂成形品を成形することが可能となる。
【0014】本発明において、成形に用いる発泡性樹脂
粒子および表皮フィルムまたはシートは、従来の表皮付
き発泡樹脂成形品を製造に用いられているものをそのま
ま用いることができる。例えば、発泡性樹脂粒子として
は、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレ系樹脂、架橋ポ
リエチレン系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂などの嵩
密度が8〜100g/Lである予備発泡熱可塑性樹脂粒
子が用いられる。発泡成形条件も従来のものと同じであ
ってよい。
【0015】表皮フィルムまたはシートとしては、ポリ
プロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ハイインパク
トポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン
・酢酸ビニル共重合体樹脂などの通常の熱可塑性樹脂で
あって肉厚が0.1〜3.0mm程度のフィルムまたは
シートが用いられる。0.1mmより薄い場合には、成
形型のキャビティ面に沿った形に予備成形することが困
難であり、また、表皮材としての本来の機能を奏するこ
とができない。3.0mmより厚い場合には、容器とし
ての軽量性を喪失してしまい好ましくない。なお、表皮
フィルムまたはシートとしては非発泡の樹脂フィルムま
たはシートが望ましいが、芯層である発泡樹脂体よりも
発泡倍率が低い発泡樹脂シート(例えば、芯層である発
泡樹脂体の発泡倍率が30〜60倍の場合に、10倍以
下の発泡樹脂シート)であれば、それを表皮シートとし
て用いても、所期の目的が達成可能であることは理解さ
れよう。なお、その場合には、厚みは1.0〜3.5m
m程度のものが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明による表皮付き発泡
樹脂成形品の製造方法を好ましい実施の形態により説明
する。図1は本発明に用いる成形装置の概要を示してお
り、図2は型を開き、雄型および雌型のキャビティ面に
表皮フィルムを装着した状態を示している。また、図3
は製造される表皮付き発泡樹脂成形品の一例を分解して
示している。
【0017】成形装置1は、雄型10と雌型20とが対
向配置されており、型締めすることにより、雄キャビテ
ィ型11と雌キャビティ型21との間にキャビティ2が
形成される。各成形型10、20は、雄キャビティ型1
1と雌キャビティ型21の背面側に、加熱蒸気や冷却水
が供与される雌型チャンバ12と雄型チャンバ22を備
え、それぞれ、バルブ付き供給管13、23、およびバ
ルブ付き排出管14、24が接続している。
【0018】図1に示すように、型締めした状態で、雄
キャビティ型11と雌キャビティ型21の外周縁部分に
は、成形型10、20の合わせ目部分に沿って、キャビ
ティ2内に供給される発泡性樹脂粒子の粒径よりも狭い
幅のスリット3が形成されるようになっており、該スリ
ット3は、やはり合わせ目部分に沿って形成される型間
通路4に連通している。そして、該型間通路4は調圧弁
5を備えた排気管6に接続している。
【0019】この例において、雄キャビティ型11のキ
ャビティ面にはベントホールは設けられない。一方、雌
キャビティ型21のキャビティ面には、発泡樹脂成形品
の底面となる領域にのみにベントホール25が設けら
れ、それ以外の箇所すなわち発泡樹脂成形品の側面とな
る部位にはベントホールは設けられない。雌キャビティ
型21のベントホール25が設けられる領域には、図示
しない発泡性樹脂粒子タンクに接続する充填管30が接
続しており、該充填管30には高圧空気供給管31が接
続している。
【0020】上記の成形装置1において、型締めした状
態で、キャビティ2内に、充填管30から発泡性樹脂粒
子を高圧空気供給管31からの高圧空気とともに供給す
る。その際に、排気管6に備えた調圧弁5の開度を調整
することにより、供給空気量と排気空気量とに差を持た
せることができ、所要の内圧をキャビティ2内に形成す
ることができる。それにより、発泡性樹脂粒子はキャビ
ティ2内に圧縮充填された状態となる。
【0021】図3は、上記の成形装置1を用いて発泡成
形される表皮付き発泡樹脂成形品の一例を分解した状態
で示している。表皮付き発泡樹脂成形品40は、発泡樹
脂成形品である芯層41と、内面側表皮シート42と、
外面側表皮シート43とからなり、3者は一体に接着積
層されて、3層構造をなしている。上記表皮付き発泡樹
脂成形品40の成形に当たって、最初に、適宜の方法に
より、雄キャビティ型11のキャビティ面に沿った形状
に内面側表皮シート42を成形し、また、雌キャビティ
型21のキャビティ面に沿った形状に外面側表皮シート
43とを成形する。
【0022】型開きを行い、図2に示すように、内面側
表皮シート42を雄キャビティ型11に被冠し、外面側
表皮シート43を雌キャビティ型21内に挿入するよう
にして、両表皮シートを成形型に装着する。その状態で
型締めをする。なお、外面側表皮シート43には、雌キ
ャビティ型21のキャビティ面に形成したベントホール
25に相当する箇所に蒸気通過孔を形成しておくか、前
記特公昭58−975号公報に記載のような手法を用い
て、成形型への装着後に蒸気通過孔75を形成するよう
にしてもよい。
【0023】型締め後、前記したように、キャビティ2
内に、充填管30から発泡性樹脂粒子を高圧空気供給管
31からの高圧空気とともに供給する。その際に、排気
管6に備えた調圧弁5の開度を、キャビティ2内に1.
5〜4kg/cm2程度の内圧が形成されるように調整
しておく。それにより、発泡性樹脂粒子はキャビティ2
内に圧縮充填された状態となるとともに、キャビティ2
内に形成される高い圧力によって、内面側表皮シート4
2と外面側表皮シート43は、ともに成形型のキャビテ
ィ面に押圧されて、さらに密着された状態となる。
【0024】充填後、雌型チャンバ12と雄型チャンバ
22に、従来成形法と同様にして、加熱蒸気を供給す
る。加熱蒸気は雌キャビティ型21に形成したベントホ
ール25および外面側表皮シート43に形成した蒸気通
過孔44を通過して、キャビティ2内に入り込み、充填
された発泡性樹脂粒子を融着温度以上に加熱する。ま
た、雌型チャンバ12と雄型チャンバ22に供給された
加熱蒸気は、そのキャビティ面を介しても発泡性樹脂粒
子に熱エネルギーを与える。それにより、発泡性樹脂粒
子は発泡とともに融着反応が進行して発泡樹脂成形体4
1を形成する。それと同時に、その表面には、内面側表
皮シート42と外面側表皮シート43が一体に接着積層
される。
【0025】冷却後に型開きをし、本発明による表皮付
き発泡樹脂成形品40を取り出す。前記のように、本発
明による成形装置1では、内面側表皮シート42と外面
側表皮シート43は成形時に、成形型のキャビティ面に
加圧状態で密着されており、発泡性樹脂粒子の加熱発泡
時の熱変形収縮により位置ズレが生じたりしないので、
平滑性の高い表皮付き発泡樹脂成形品40が得られる。
【0026】さらに、上記成形装置では、発泡樹脂成形
品40の底面となる領域のみにベントホール25が設け
られ、それ以外の箇所には設けられなので、得られる表
皮付き発泡樹脂成形品40は、それを通常の使用状態で
使用するときに人の目にふれる面はベントホール痕のな
い表面となり、さらに平滑性の高い成形品が得られる。
【0027】さらに、本発明による表皮付き発泡樹脂成
形品の製造方法を用い、かつ、成形型のキャビティ面に
意匠用や表示用の凹凸模様を付与して、発泡樹脂成形品
40の表面に前記意匠用や表示用の凹凸模様に基づくデ
ザインを再現するように構成すれば、得られる発泡樹脂
成形品40に所望のデザイン模様を付与することがで
き、その意匠性を高めると同時に、成形と模様付けが同
時に行えるので、総合的な製造コストを大幅に削減でき
る利点が得られる。
【0028】なお、上記の例では、内面および側面が見
る人の目にふれるような形態の発泡樹脂成形品を例とし
て説明したが、例えば、通常の使用状態で側面と底面が
見る人の目にふれるような形態の発泡樹脂成形品を成形
する場合には、外面側表皮シート43のみを雌キャビテ
ィ型21のキャビティ面に装着し、かつ、発泡性樹脂粒
子タンクに接続する充填管30および高圧空気供給管3
1を雄キャビティ型11側に接続させるとともに、雄キ
ャビティ型11の全面にベントホールを形成するように
してもよい。
【0029】なお、図3に示した3層構造の表皮付き発
泡樹脂成形品においては、容器としての強度が大きくな
る。その結果、発泡樹脂粒子の融着率を下げても実使用
に際して支障のない十分な強度が得られる。そのため
に、所要の融着率を得るのに必要な成形時間を短縮する
ことができ、生産効率を挙げることができるという付随
的効果ももたらされる。
【0030】
【実施例】図1に示した成型装置を用いて、外寸390
×310×250mm、肉厚23mmの図3に示すよう
な箱形容器を成形した。発泡性樹脂粒子として、嵩密度
30gr/Lのポリスチレン予備発泡粒子を用い、表皮
シート用の原反として厚さ0.5mmのハイインパクト
ポリスチレンシートを用いた。そのシートを熱可塑性樹
脂シート用成形機にて、プラグアシストを使用した真空
成形方法により、雄型および雌型のキャビティ面に沿う
形に予備成形し、内面側表皮シートと外面側表皮シート
を得た。
【0031】成形型を開き、成形した内面側表皮シート
と外面側表皮シートを雄型および雌型のキャビティ面に
装着した。その後、型締めを行い、キャビティに連通す
る排気管の調圧弁を調整して、発泡性樹脂粒子をキャビ
ティ内圧力が1.8〜2.2kg/cm2となるように
圧縮充填した。
【0032】減圧後、雌型チャンバと雄型チャンバに7
0℃、0.6〜0.8kg/cm2の加熱蒸気を90秒
間供給し、発泡性樹脂粒子を加熱発泡させ、互いに融着
させた。加熱蒸気の供給を停止し、冷却後、型を開放し
て表皮付き発泡樹脂成形を取り出した。得られた表皮付
き発泡樹脂成形を目視により観察したところ、底面の一
部(ベント孔部分)を除き内外表面ともにしわのない平
滑な表皮層を有する成形品であった。
【0033】
【比較例】キャビティに連通する排気管の調圧弁を開放
して発泡性樹脂粒子の充填を行った以外は、実施例と同
様にして表皮付き発泡樹脂成形品を成形した。得られた
表皮付き発泡樹脂成形品を目視により観察したところ、
容器外面底部コーナ部およびそこに近い側面部分に凹
み、しわなどが部分的に見られた。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、表皮フィルムまたはシ
ートが薄いものである場合でも、発泡樹脂体芯材の表面
に位置ズレなくかつしわのない状態で表皮フィルムまた
はシートを接着積層した、表面平滑性の高い表皮付き発
泡樹脂成形品を得ることができる。また、表皮フィルム
またはシートとして比較的厚みのあるものを用いる場合
には、得られた表皮付き発泡樹脂成形品を、ある程度の
長期間にわたり使用することを目的とする、食品運搬用
容器、生食品保冷用容器、保温用容器などとして有効に
用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる成形装置の概要を示す断面図。
【図2】図1の成形型を開き、雄型および雌型のキャビ
ティ面に表皮フィルムまたはシートを装着した状態を示
す断面図。
【図3】製造される表皮付き発泡樹脂成形品の一例を分
解して示す図。
【符号の説明】
1…成形装置、2…キャビティ、3…スリット、4…型
間通路、5…調圧弁、6…排気管、10…雄型、11…
雄キャビティ型、20…雌型、21…雌キャビティ型、
13、23…バルブ付き供給管、14、24…バルブ付
き排出管、25…ベントホール、30…発泡性樹脂粒子
充填管、31…高圧空気供給管、40…表皮付き発泡樹
脂成形品、41…発泡樹脂体である芯層、42…内面側
表皮シート、43…外面側表皮シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿南 光彦 茨城県古河市中央町1丁目10−14−602 Fターム(参考) 4F212 AC01 AG20 AP02 AR02 UA01 UB01 UB13 UE26 UK02 UL06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雌型と雄型とで形成されるキャビティ内
    に発泡性樹脂粒子を充填し該粒子を加熱発泡させて発泡
    樹脂成形品を製造するに際して、雌型と雄型のいずれか
    一方または双方のキャビティ面に該キャビティ面に沿う
    形に予め成形した表皮フィルムまたはシートを装着した
    後、型締めを行い、発泡性樹脂粒子の充填と該粒子の加
    熱発泡処理を行って表皮付き発泡樹脂成形品を製造する
    方法において、 キャビティ面に装着した表皮フィルムまたはシートをキ
    ャビティ内圧力を上昇させることによりキャビティ面に
    さらに密着させる工程を備えることを特徴とする表皮付
    き発泡樹脂成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 表皮フィルムまたはシートをキャビティ
    面にさらに密着させる工程を、キャビティ内に発泡性樹
    脂粒子を圧縮充填し、該圧縮充填にともなうキャビティ
    内圧力の上昇により行うことを特徴とする請求項1記載
    の表皮付き発泡樹脂成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 キャビティ内圧力の上昇は、発泡性樹脂
    粒子を圧縮充填する際に型間通路からの排気を調整する
    ことによって行い、キャビティ内圧力を1.5〜4kg
    /cm2の圧力とすることを特徴とする請求項2記載の
    表皮付き発泡樹脂成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 雌型と雄型の双方のキャビティ面に表皮
    フィルムまたはシートを装着して表皮付き発泡樹脂成形
    品の製造する場合において、雄型にはベントホールを設
    けない成形型を用い、雌型には発泡樹脂成形品の側面と
    なる部位にはベントホールを設けない成形型を用いるこ
    とを特徴とする請求項3記載の表皮付き発泡樹脂成形品
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 表皮フィルムまたはシートは厚みが、
    0.1〜3.0mmであることを特徴とする請求項1な
    いし4いずれか記載の表皮付き発泡樹脂成形品の製造方
    法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005271501A (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Sekisui Plastics Co Ltd 複合多層発泡成形品
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