JP2002326246A - 表皮付き発泡樹脂成形品の製造方法および成形品 - Google Patents

表皮付き発泡樹脂成形品の製造方法および成形品

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JP2002326246A
JP2002326246A JP2001136085A JP2001136085A JP2002326246A JP 2002326246 A JP2002326246 A JP 2002326246A JP 2001136085 A JP2001136085 A JP 2001136085A JP 2001136085 A JP2001136085 A JP 2001136085A JP 2002326246 A JP2002326246 A JP 2002326246A
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foamed resin
resin molded
molded article
flange
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JP2001136085A
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English (en)
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Mitsuhiko Anami
光彦 阿南
Mikihiko Tanaka
幹彦 田中
Kazuo Tajima
一雄 田島
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発泡樹脂体である芯層13の表面に位置ズレ
なくかつしわのない状態で表皮フィルム11、12を積
層して外観意匠性の高い表皮付き発泡樹脂成形品を得
る。また、表皮フィルムの剥離も防止する。 【解決手段】 内面側の表皮フィルム11および外面側
の表皮フィルム12として、型締めしたときに雌型と雄
型で形成されるキャビティ空間から側方に距離aだけは
み出る大きさのフランジ11b、12bを一体に有して
いるものを用い、発泡成形時に、フランジ積層部aを雌
型および雄型のパーティング面52、62により圧着し
て積層する。成形後、該はみ出た部分を下方に折り曲げ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表皮付き発泡樹脂
成形品の製造方法および成形品に関し、特に、一定期間
にわたり、食品運搬用容器、生食品保冷用容器、あるい
は、保温用容器などとして有効に用いることのできる表
皮付き発泡樹脂成形品の製造方法と該製造方法により得
られる成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】発泡樹脂体を芯層とし、その全表面に表
皮フィルムを一体に接着積層した発泡樹脂成形品を製造
する方法として、特開平1−101141号公報には、
雄型のキャビティ面に該キャビティ面に沿う形に予め成
形した表皮フィルム(内面側の表皮フィルム)を装着し
た後、型締めを行い、発泡性樹脂粒子の充填と該粒子の
加熱発泡処理を行って、内面側に表皮フィルムを接着積
層した中間成形品を成形し、次に、該中間成形品の露出
面に新たな表皮フィルム(外面側の表皮フィルム)を被
着して再度型締めを行い、キャビティ内で中間成形品と
後から被着した表皮フィルムとを加熱接着することによ
り、発泡樹脂芯層の全表面に表皮フィルムを被着した最
終成形品を形成する成形方法が記載されている。
【0003】発泡性樹脂粒子としては、ポリスチレン、
ポリプロピレン、架橋ポリエチレンなどの嵩密度が8〜
100g/Lである予備発泡熱可塑性樹脂粒子が用いら
れ、表皮フィルムとしては、ポリプロピレン系樹脂やハ
イインパクトポリスチレン、ポリエチレン、エチレン・
酢酸ビニル共重合体などの通常の熱可塑性樹脂であって
肉厚が0.1〜2mm程度のフィルムが用いられる。
【0004】このようにして製造された表皮付き発泡樹
脂成形品は、断熱性、軽量性、耐衝撃性などに優れてお
り、かつ、発泡樹脂性芯層の表面が表皮フィルムで被覆
されていて安定した表面性状が得られることから、食品
運搬用容器、生食品保冷用容器、保温用容器などとして
有効に用いられる。また、このような表皮付き発泡樹脂
成形品は、安価に製造できかつ軽量であって取り扱いが
容易であり、一定期間繰り返し使用する通い箱などとし
てきわめて有効である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平1−101141号公報に記載される製造方法にお
いて、成形型のキャビティ面にならうようにして表皮フ
ィルムを密着状態とすること、さらに、成形中にその密
着状態を維持することは困難である。また、成形過程で
表皮フィルムの型内での位置ズレや熱による変形収縮が
生じがちであり、型開き後に得られる成形品に表皮フィ
ルムに覆われない部分や表皮フィルムによるしわが生じ
る場合がある。そのようなことから、成形品の歩留まり
はどうしても低下する。
【0006】そのような不都合が生じることなく、図9
a、図9bに示すように、芯層13の全表面が内面側表
皮フィルム11と外面側表皮フィルム12とに覆われた
表皮付き発泡樹脂成形品10が得られたとしても、その
製造方法によって製造されるに発泡樹脂成形品10で
は、内面側表皮フィルム11の端部11aと外面側表皮
フィルム12の端部12aの端部同士が芯層13の開放
端側の上端コーナー部14において全周にわたり突き合
わされた状態となる。発泡樹脂成形品である芯層13と
表皮フィルム11、12とは面により融着して一体に積
層されていても、このような端部同士の突き合わせ部1
5を持つ場合には、コーナー部14近傍に衝撃が加えら
れた場合に、該突き合わせ部15から剥離が生じやす
い。剥離が生じると見栄えが悪いばかりか、そこから水
や異物が入り込みやすくなり、食品を収容する容器とし
て用いることができなくなる。
【0007】本発明は上記のような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、安価に製造できかつ軽量で
あって取り扱いが容易な一定期間にわたり使用する通い
箱などとしてきわめて有効に用いられる表皮付きの発泡
樹脂成形品を製造するときに、その成形の過程で熱収縮
などによって表皮フィルムが型内で位置ズレを起こさな
いようにし、それにより、得られる成形品の全表面が表
皮フィルムによりしわのない状態で確実に覆われるよう
にして、製品歩留まりを大きく向上させることのできる
改良された製造方法を提供することにある。結果とし
て、本発明による成形品は、例えば外側コーナー部近傍
に衝撃力が作用するような場合でも、内面側表皮フィル
ムと外面側表皮フィルムとの突き合わせ部に剥離が生じ
るようなことはなく、食品などの保冷用容器あるいは保
温用容器などとして長期間に亘る安定的な使用が可能と
なる。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明による表皮付き発泡樹脂成形品を製造する方
法は、雌型と雄型とを用いて発泡樹脂成形品の表面に内
面側の表皮フィルムと外面側の表皮フィルムを積層した
表皮付き発泡樹脂成形品を製造する方法であって、内面
側の表皮フィルムおよび外面側の表皮フィルムとして、
型締めしたときに雌型と雄型で形成されるキャビティ空
間から側方にはみ出る大きさのフランジを一体に有して
いるものを用い、型締め時に該はみ出している双方のフ
ランジ部分を互いに積層した状態として発泡成形するこ
とを特徴とする。
【0009】上記の製造方法によれば、型を閉めること
により、内面側の表皮フィルムと外面側の表皮フィルム
のキャビティ空間から側方にはみ出ているフランジ部分
は、互いに積層された状態で雌型および雄型のパーティ
ング面により圧着される。その状態で、発泡整形時の加
熱を受けることとなるが、フランジ部のはみ出ている部
分が雌型および雄型のパーティング面により圧着固定さ
れているので、熱変形による位置ズレは生じない。その
ために、得られる発泡成形品の全表面は表皮フィルムに
よりしわのない状態で確実に被覆される。また、このよ
うなフランジの積層部を有することにより、製造される
表皮付き発泡樹脂成形品の上端外側コーナー部に何らか
の衝撃力が作用しても、当該積層部に剥離が生じること
はない。そのために、長期間に亘る使用が可能となる。
【0010】好ましくは、上記製造方法において、発泡
成形後、型を開き、発泡樹脂成形品と表皮フィルムとが
一体化した成形品を取り出した後、該成形品の側方に延
出するフランジ積層部を成形品の側壁面に向けて折り曲
げる工程をさらに有する。このように、側方に延出する
フランジ積層部を折り曲げることにより、製造される表
皮付き発泡樹脂成形品が占有する外容積を小さいものと
することができ、通い箱などとして使用するときの使用
勝手が向上する。
【0011】好ましくは、取り出した成形品の側方に延
出するフランジ積層部を側壁面に向けて折り曲げるに際
し、前記折り曲げ作業を容易に行うために、フランジ積
層部と好ましくはその近傍を加熱軟化する工程をさらに
有する。型から取り出した直後の成形品は加熱された状
態にあり、側方に延出するフランジ積層部は容易に折り
曲げ可能である。しかし、放熱により温度が下がった後
での折り曲げは困難となるので、その場合には、熱風の
吹き付けや熱盤を接近させるなどにより少なくともフラ
ンジ積層部を加熱軟化させて、所要の折り曲げを行うよ
うにする。その際に、フランジ積層部を熱融着状態とし
て折り曲げを行ってもよい。
【0012】フランジの大きさあるいはフランジ積層部
の大きさに特に制限はなく、熱変形による位置ズレを生
じさせないことを条件に、作業のし易さなどを考慮して
適宜定めればよい。フランジ部が雌型および雄型のパー
ティング面により数mm〜20mm程度の幅で圧着固定
されていれば、発泡整形時の熱変形による位置ズレは確
実に抑えることができる。従って、予めその幅のフラン
ジを持つ大きさに内面側の表皮フィルムと外面側の表皮
フィルムとを成形しておいてもよい。その場合には、型
から取りだしたものがそのまま成形品となる。成形の都
合から、より広い幅のフランジ部を持つ表皮フィルムを
用いることも起こり得る。その場合には、取り出した成
形品の側方に延出するフランジ積層部を所定幅にカット
する工程をさらに行うことにより、本発明による表皮付
き発泡樹脂成形品の製造が可能となる。
【0013】得られた成形品において、側壁面に向けて
折り曲げられたフランジ積層部はそのままでは成形品の
側壁面から積層の厚さだけ側方に膨出した状態となる。
そのままでも、表皮付き発泡樹脂成形品の通い箱などと
しての使用に不都合はない。しかし、外観意匠性の観点
から、そのような膨出部の存在が望まれない場合もあ
る。そのような場合には、成形品の側壁面に向けて折り
曲げられたフランジ積層部およびその近傍を加熱し、折
り曲げられた積層部を側壁面側に圧接することにより、
折り曲げられた積層部と当該側壁面とを熱融着して同一
面とするような加工を行うことが望ましい。この加工
は、折り曲げ加工後に後工程として行ってもよく、折り
曲げ加工と同時に行うようにしてもよい。
【0014】本発明は、また、上記の製造方法により成
形された成形品として、発泡樹脂成形品の表面に内面側
の表皮フィルムと外面側の表皮フィルムとが積層されて
いる表皮付き発泡樹脂成形品であって、内面側表皮フィ
ルムの端部フランジと外面側表皮フィルムの端部フラン
ジとは所定幅の積層部とされており、該積層部は、表皮
付き発泡樹脂成形品の側壁面側に折り曲げられているこ
とを特徴とする表皮付き発泡樹脂成形品をも開示する。
表皮フィルムの厚みは、好ましくは、0.1〜3.0m
mである。
【0015】本発明において、成形に用いる発泡性樹脂
粒子および表皮フィルムは、従来の表皮付き発泡樹脂成
形品を製造するに用いられているものをそのまま用いる
ことができる。例えば、発泡性樹脂粒子としては、ポリ
スチレン系樹脂、ポリプロピレ系樹脂、架橋ポリエチレ
ン系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂などの嵩密度が8
〜100g/Lである予備発泡熱可塑性樹脂粒子が用い
られる。発泡成形条件も従来のものと同じであってよ
い。
【0016】表皮フィルムとしては、ポリプロピレン系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ハイインパクトポリスチレ
ン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレン・酢酸ビニル
共重合体樹脂などの通常の熱可塑性樹脂であって肉厚が
0.1〜3.0mm程度のフィルムまたはシートが用い
られる。0.1mmより薄い場合には、成形型のキャビ
ティ面に沿った形に予備成形することが困難であり、ま
た、表皮材としての本来の機能を奏することができな
い。3.0mmより厚い場合には、容器としての軽量性
を喪失してしまい好ましくない。なお、表皮フィルムと
しては非発泡の樹脂フィルムが望ましいが、芯層である
発泡樹脂体よりも発泡倍率が低い発泡樹脂シート(例え
ば、芯層である発泡樹脂体の発泡倍率が30〜60倍の
場合に、10倍以下の発泡樹脂フィルム)であれば、そ
れを表皮フィルムとして用いても、所期の目的が達成可
能であることは理解されよう。なお、その場合には、厚
みは1.0〜3.5mm程度のものが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明による表皮付き発泡
樹脂成形品の製造方法を好ましい実施の形態により説明
する。図1は、本発明の製造方法により製造された表皮
付き発泡樹脂成形品の一例を分解して示す図(図1a)
と、側壁部分の拡大した断面図(図1b)であり、図2
〜図6はその製造方法の一実施の形態を作業工程に従っ
て説明する概念図である。
【0018】図1に示される表皮付き発泡樹脂成形品1
0は、図9に示したものと同様に、内面側表皮フィルム
11と芯層13と外面側表皮フィルム12との3層構造
をなしている。内面側表皮フィルム11と芯層13と外
面側表皮フィルム12とは、非発泡の熱可塑性樹脂フィ
ルム(場合によっては低発泡倍率の熱可塑性樹脂フィル
ム)を容器10の形状に沿うように予め熱成形したもの
であり、ともに、凹陥部分11a、12aと、該凹陥部
分の先端から水平方向に延びるフランジ部11b、12
bとを備える。図1bに示されるように、内面側表皮フ
ィルム11のフランジ部11bは、芯層13の上端解放
面側13aの厚みを越えてさらに幅aだけ横方向にはみ
出した領域を有しており、外面側表皮フィルム12のフ
ランジ部11bは前記幅aとほぼ等しい幅を有してい
る。
【0019】従って、後記するように雄型50および雌
型60を用いて発泡成形後、型開きをして取り出した表
皮付き発泡樹脂成形品10は、図1bにおいて点線で示
すように、内面側表皮フィルム11と外面側表皮フィル
ム12のフランジ部11b、12bの積層部が、芯層1
3の外側面から前記幅aだけ水平方向にはみ出た状態と
なる。該積層部は、成形時の熱により部分的に接着ある
いは融着状態となっている場合もある。このような積層
部を有することにより、表皮付き発泡樹脂成形品10の
上端外側コーナー部に何らかの衝撃力が作用しても、当
該積層部に剥離が生じることはない。
【0020】その状態で、製品として使用してもよい
が、幅aだけ水平方向にはみ出た部分を有することによ
り容器としての使用に不都合が生じる場合には、該はみ
出た部分を下方に折り曲げ、図1bに実線で示すよう
に、表皮付き発泡樹脂成形品10の側壁面に沿うように
する。型から取り出した直後のフランジ積層部は加熱軟
化した状態にあり、そのままで折り曲げ可能である。し
かし、放熱により温度が下がり折り曲げが困難な場合に
は、熱風の吹き付けや熱盤を接近させるなどにより少な
くともフランジ積層部を加熱軟化させて、所要の折り曲
げを行う。このように下方に折り曲げた場合には、その
部分に衝撃による剥離が生じる現象は一層確実に阻止さ
れる。
【0021】図2〜図6を参照にして、上記表皮付き発
泡樹脂成形品10の製造方法の一例を工程順に説明す
る。図2は、雄型50と雌型60とを開いた状態であ
り、そこに、予め型のキャビティ面に沿った形状に成形
された上記内面側表皮フィルム11と外面側表皮フィル
ム12とが用意される。図3に示すように、雄型50の
キャビティ面51に内面側表皮フィルム11を取り付
け、雌型60のキャビティ面61に外面側表皮フィルム
12を取り付ける。取り付けた状態で、内面側表皮フィ
ルム11のフランジ部11bは雄型50のパーティング
面52に載った状態となり、外面側表皮フィルム12の
フランジ部12bは雌型60のパーティング面62に載
った状態となる。
【0022】図4aに示すように、その状態で型を閉
め、発泡性樹脂粒子Rをキャビティ空間内に充填する。
次に、図4bに示すように、定法に従い、加熱蒸気の供
給などによる発泡性樹脂粒子Rの型内発泡と熱融着を行
う。加熱発泡時に、内面側表皮フィルム11および外面
側表皮フィルム12には熱による変形を生じやすい。し
かし、双方のフランジ部11b、12bのキャビティ空
間からはみ出た部分aは、雄型50および雌型60のパ
ーティング面52、62により圧着挟持されており、熱
変形による挙動が実際に生じることはない。そのため
に、成形後の発泡成形品(芯層30)はその全表面が内
面側表皮フィルム11および外面側表皮フィルム12に
より確実に被覆され、かつ、表皮フィルムにしわも生じ
ない。その後、図5に示すように型を開き、表皮付き発
泡樹脂成形品10を取り出し、前記のように、必要に応
じて内面側表皮フィルム11と外面側表皮フィルム12
のフランジ部11b、12bの積層部(はみ出た部分
a)を折り曲げることにより、図6に示すような表皮付
き発泡樹脂成形品10が作られる。
【0023】図7は、本発明による表皮付き発泡樹脂成
形品の製造方法における他の実施の形態での途中工程図
であり、上記図4bに相当している。図2〜図6に示し
た例において、雄型50のパーティング面52および雌
型60のパーティング面62はともに型締め方向に垂直
な面とされているが、この形態においては、パーティン
グ面52、62の少なくとも前記フランジ積層部(はみ
出た部分a)が位置することとなる領域52a,62a
は、ともに、成形品10の側壁側に向けて角度αで傾斜
した斜面とされている。この成形型を用いる場合には、
成形後の表皮付き発泡樹脂成形品10におけるフランジ
部11b、12bの積層部(はみ出た部分a)は、側壁
側に傾斜したものとなるので、その後の折り曲げ作業が
容易となる利点がある。なお、成形性を考慮すると、前
記角度αは最大で30゜程度である。
【0024】図8は、本発明による表皮付き発泡樹脂成
形品の製造方法におけるさらに他の実施の形態での途中
工程図であり、上記図4bに相当している。ここでは、
雄型50にも、雌型60のキャビティ空間に対向する位
置に、深さhのキャビティ空間領域(凹陥部)が形成さ
れている。この成形型を用いる場合には、フランジ部1
1b、12bの積層部(はみ出た部分a)は、芯層13
の上端外側コーナー部ではなく、図示されるように、周
側壁の外周面部分に形成される。フランジ積層部の折り
曲げは図2〜図6に示した成形方法の場合と同様にして
行うことができるが、その際に、折り曲げ後のフランジ
積層部は、表皮付き発泡樹脂成形品10の上端外側コー
ナー部に位置しないので、衝撃力によって表皮材に剥離
が発生する現象を一層確実に回避できる。
【0025】なお、上記の説明では、雄型50と雌型6
0の双方に内面側表皮フィルム11と外面側表皮フィル
ム12を取り付けた状態で型締めをし、発泡性樹脂粒子
Rをキャビティ空間に充填するようにしたが、製造手順
としてはこの手順に限ることなく、従来知られた任意の
形成手順で製造しうることは当然である。例えば、前記
特開平1−101141号公報に記載されるように、雄
型50のキャビティ面に内面側の表皮フィルム11を装
着した後、型締めを行い、発泡性樹脂粒子Rの充填と加
熱発泡処理を行って、内面側に表皮フィルム11を積層
した中間成形品を成形し、次に、該中間成形品の露出面
に外面側の表皮フィルム12を被着して再度型締めを行
い、キャビティ内で中間成形品と後から被着した表皮フ
ィルム12とを加熱接着することにより、発泡樹脂芯層
30の全表面が内面側表皮フィルム11および外面側の
表皮フィルム12により覆われた表皮付き発泡樹脂成形
品10を成形する方法においても、本発明はそのまま適
用できる。
【0026】また、図示のいずれの例でも、双方のフラ
ンジ11b、12bのキャビティ空間からはみ出た部
分、すなわち幅aの部分をそのまま折り曲げるようにし
ているが、成形の都合から、より広い幅のフランジ部を
持つ表皮フィルムを用いるような場合には、フランジの
積層部を所定幅にカットした後、折り曲げ工程を行うこ
ととなる。
【0027】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、発泡樹脂体
である芯層の表面に位置ズレがなくかつしわのない状態
で表皮フィルムが積層された表皮付き発泡樹脂成形品を
容易に製造することができる。また、得られた成形品
は、表皮フィルムの一部が積層された部分がその上端外
側コーナー部に形成されるので、何らかの衝撃力が上端
外側コーナー部に作用しても、表皮フィルムに剥離が生
じることはない。そのために、食品運搬用容器、生食品
保冷用容器、保温用容器などとして長期間に亘る使用が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による表皮付き発泡樹脂成形品を説明す
るための図。
【図2】本発明による表皮付き発泡樹脂成形品の製造方
法を説明する第1の工程図。
【図3】本発明による表皮付き発泡樹脂成形品の製造方
法を説明する第2の工程図。
【図4】本発明による表皮付き発泡樹脂成形品の製造方
法を説明する第3の工程図。
【図5】本発明による表皮付き発泡樹脂成形品の製造方
法を説明する第4の工程図。
【図6】本発明による表皮付き発泡樹脂成形品の製造方
法を説明する第5の工程図。
【図7】本発明による表皮付き発泡樹脂成形品の製造方
法の他の実施の形態を説明する図4bに相当する図。
【図8】本発明による表皮付き発泡樹脂成形品の製造方
法のさらに他の実施の形態を説明する図4bに相当する
図。
【図9】他の製造方法により作られた表皮付き発泡樹脂
成形品を説明するための図。
【符号の説明】
10…表皮付き発泡樹脂成形品、11…内面側表皮フィ
ルム、11b…内面側表皮シートのフランジ、12…外
面側表皮フィルム、12b…外面側表皮シートのフラン
ジ、13…発泡樹脂体である芯層、a…フランジの積層
部(はみ出た部分)、50…雄型、60…雌型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 幹彦 茨城県猿島郡境町1675−8 (72)発明者 田島 一雄 茨城県古河市北町4−27−604 Fターム(参考) 3E066 AA02 BA01 CA01 CB03 DA01 JA01 KA10 KA20 LA16 NA60 3E067 AA11 AB01 BA02A BA05A BB17A BB25A CA18 FA01 FC01 GA11 4F209 AD35 AG03 AG07 AG20 AH56 NA03 NA13 NB01 NG05 NL02 4F212 AA11 AA13 AA24 AD35 AG03 AG07 AG20 UA01 UB01 UB13 UB22 UW23 UW26 UW41

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雌型と雄型とを用いて発泡樹脂成形品の
    表面に内面側の表皮フィルムと外面側の表皮フィルムを
    積層した表皮付き発泡樹脂成形品を製造する方法であっ
    て、 内面側の表皮フィルムおよび外面側の表皮フィルムとし
    て、型締めしたときに雌型と雄型で形成されるキャビテ
    ィ空間から側方にはみ出る大きさのフランジを一体に有
    しているものを用い、型締め時に該はみ出している双方
    のフランジ部分を互いに積層した状態として発泡成形す
    ることを特徴とする表皮付き発泡樹脂成形品の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 発泡成形後、型を開き、発泡樹脂成形品
    と表皮フィルムとが一体化した成形品を取り出し、取り
    出した成形品の側方に延出するフランジ積層部を成形品
    の側壁面に向けて折り曲げる工程をさらに有することを
    特徴とする請求項1記載の表皮付き発泡樹脂成形品の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 取り出した成形品の側方に延出するフラ
    ンジ積層部を側壁面に向けて折り曲げるに際し、該フラ
    ンジ積層部を加熱軟化する工程をさらに有することを特
    徴とする請求項2記載の表皮付き発泡樹脂成形品の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 取り出した成形品の側方に延出するフラ
    ンジ積層部を所定幅にカットする工程をさらに有するこ
    とを特徴とする請求項2または3記載の表皮付き発泡樹
    脂成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】 成形品の側壁面に向けて折り曲げられた
    フランジ積層部およびその近傍を加熱し、該折り曲げら
    れた積層部を側壁面側に圧接することにより、該折り曲
    げられた積層部と当該側壁面とを熱融着して同一面に加
    工する工程をさらに有することを特徴とする請求項2な
    いし4いずれか記載の表皮付き発泡樹脂成形品の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 発泡樹脂成形品の表面に内面側の表皮フ
    ィルムと外面側の表皮フィルムとが積層されている表皮
    付き発泡樹脂成形品であって、内面側表皮フィルムの端
    部フランジと外面側表皮フィルムの端部フランジとは所
    定幅の積層部とされており、該積層部は、表皮付き発泡
    樹脂成形品の側壁面側に折り曲げられていることを特徴
    とする表皮付き発泡樹脂成形品。
  7. 【請求項7】 折り曲げられたフランジ積層部の面と側
    壁面とが同一面となっていることを特徴とする請求項6
    記載の表皮付き発泡樹脂成形品。
  8. 【請求項8】 表皮フィルムは厚みが、0.1〜3.0
    mmであることを特徴とする請求項6または7記載の表
    皮付き発泡樹脂成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111319245A (zh) * 2020-03-05 2020-06-23 广东新秀新材料股份有限公司 折边装置

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