JP4444054B2 - 複合成形品の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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本発明は、熱可塑性樹脂シート(以下、シートと略記する。)からなる表皮と発泡合成樹脂成形品とが積層された複合成形品とその製造方法及び製造装置に関する。本発明の複合成形品は、例えば、ユニットバスの天井材等の住宅設備用部材、自動車の内装材(インストルメンタルパネル、ドアパネル、シートバックパネル、ステアリングホイール、取手等)、家具(椅子の座部等)、容器、内装材、壁面材、航空便用の軽量パレット等に用いられる。
発泡合成樹脂成形品の表面改良目的として、耐久性の向上がある。従来、発泡合成樹脂成形品の表面改良の方法として、発泡合成樹脂成形品の表面に、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)等からなるシートを積層し、これを表皮とした複合成形品が提案されている。
従来、この種の複合成形品の製造方法として、上下一対の金型で、両型の合面に挟持されたシートを加熱してドローダウンさせ、また真空吸引することにより金型に沿うように予備成形し、該型内の熱と蒸気加熱による発泡樹脂材の発泡圧力とにより、同時成形する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、シートを第一成形型と第二成形型との間に設置し、軟化させ、型締めと同時に真空成形し、表皮材が配置された第一成形型と、多数の透孔を壁面に有する第二成形型との間に形成された成形空間部に充填されたポリオレフィン系樹脂発泡粒子を加熱し、融着させることによって表皮付き発泡成形体を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。なお、特許文献2中には、成形の応用例として、プラグアシスト成形が記載されているが、その詳細については記載されていない。
また、両型間に表皮材をセットし、両型を近接させてこの表皮材の周縁を突出状態にあるセット枠体の先端と他方の型との間で挟持させて両型間に一方の型の型面とセット枠体と表皮材で囲まれる密閉室を形成し、前記表皮材を加熱軟化させつつ前記他方の型内に吸引圧をかけて軟化した表皮材を他方の型の型面に添わせたうえ前記セット枠体を抗体させつつ型締めして型面に軟化した表皮材が添装された他方の型と一方の型間に形成されるキャビティ部に所要量の発泡合成樹脂ビーズ材料を供給し、この発泡合成樹脂ビーズ材料をキャビティ部に供給される蒸気により加熱膨張された表皮材が発泡樹脂成形体の表面に一体化された表皮一体発泡成形品を成形する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
また、表皮材付発泡成形品を製造するに当たり、(1)成形型のキャビティ内へ発泡性熱可塑性樹脂粒子を充填し、蒸気により加熱発泡成形させて融着一体化した成形品を製造する工程、(2)該発泡成形した成形品を一方の型に保持された状態で型開きする工程、(3)他方の型と該成形品との間に、加熱により軟化した表皮材シートを配置する工程、(4)他方の型を真空成形型として使用して該表皮材シートを真空成形すると同時に型締めを行い、一方の型に保持された該成形品をアシスト型として併用して該表皮材シートを成形品に成形・積層一体化する工程とを経て製造する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2000−229329号公報 特開2004−74653号公報 特開平8−1701号公報 特開平9−85765号公報
しかしながら、前述した特許文献1〜4に記載された従来技術には、それぞれ次のような問題があった。
特許文献1〜3に記載された製造方法では、シート状の表皮材をキャビティ表面に沿うように予備成形しているが、真空引きのみでは形状精度が十分出し切れない。
特許文献4に記載された製造方法では、発泡樹脂粒子の成形後、一度型開きをし、シートを挿入してからシートの成形となるので、成形工程が2工程となり、非常に効率が悪い。
本発明は前記事情に鑑みてなされ、熱可塑性樹脂発泡成形品の表面にシートが積層された複合成形品を高い成形精度で製造するための製造方法、それに用いる製造装置、及び前記方法で得られた複合成形品の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、成形型を構成する第1の型と第2の型の間にシートを張設し、該シートを加熱、軟化せしめた後、第1の型と第2の型を型締めして製造する複合成形品の外形と合致するキャビティを形成し、第1の型側からキャビティを通してシート押圧部材を第2の型に近接せしめ、軟化したシートを第2の型側に押圧し、次いでシート押圧部材を元の位置に戻し、キャビティ内に熱可塑性樹脂発泡粒子を充填し、次いで成形型を熱可塑性樹脂発泡粒子の融着温度以上の温度に加熱して型内成形し、熱可塑性樹脂発泡成形品の表面にシートからなる表皮が積層されてなる複合成形品を製造することを特徴とする複合成形品の製造方法を提供する。
本発明の複合成形品の製造方法において、シート押圧部材によって軟化したシートを第2の型側に押圧するとともに、真空吸引又は圧空によりシートを第2の型に沿わせることが好ましい。
本発明の複合成形品の製造方法において、第2の型に複数の凹部を有し、これらの凹部にシート押圧部材が進退可能に設けられていることが好ましい。
本発明の複合成形品の製造方法において、シートは、熱可塑性樹脂単層シート又は複数枚のシートやフィルムを積層してなる積層シート又は複数枚のシートやフィルムを重ねたシートであることが好ましい。
本発明の複合成形品の製造方法において、シートは、熱可塑性樹脂発泡シート又はそれを含む積層シートであることが好ましい。
本発明の複合成形品の製造方法において、型内成形して得られた成形品の熱可塑性樹脂発泡成形品が露出している面に新たにシートを重ね、型内成形し、熱可塑性樹脂発泡成形品の表面をシートからなる表皮で覆った複合成形品を製造することもできる。
また本発明は、多数の蒸気穴が穿設された第1の型と第2の型から構成された成形型と、第1の型が固定された第1の外装体と、第2の型が固定された第2の外装体とを備え、第1の外装体と第2の外装体とを接近させた時、第1の型と第2の型が型締めされて成形型内に製造する複合成形品の外形と合致するキャビティが形成され、熱可塑性樹脂発泡粒子をキャビティ内に供給する供給管路が接続され、かつ第1の型と第2の型の間に張設した熱可塑性樹脂シートを第1の型側からキャビティを通して第2の型側に押圧するシート押圧部材とを備え、第2の型に複数の凹部を有し、これらの凹部にシート押圧部材が進退可能に設けられ、シート押圧部材が熱可塑性樹脂発泡粒子をキャビティ内に供給するフィーダーと一体的に設けられたことを特徴とする複合成形品の製造装置を提供する。
本発明の複合成形品の製造方法は、第1の型と第2の型の間に張設した熱可塑性樹脂シートを加熱、軟化した後、シート押圧部材によってシートを押圧し、その後キャビティ内に熱可塑性樹脂発泡粒子を供給し、型内成形して複合成形品を製造するので、シートを型内面の形状に沿うように精度良く成形でき、目的形状に合致した寸法精度に優れた複合成形品を製造することができる。
本発明の複合成形品は、本発明に係る製造方法によって得られたものなので、目的形状に合致した寸法精度に優れたものとなる。
本発明の複合成形品の製造装置は、第1の型と第2の型の間に張設したシートを第1の型側からキャビティを通して第2の型側に押圧するシート押圧部材を備えているので、このシートを加熱軟化後、シート押圧部材によって押圧し、その後キャビティ内に熱可塑性樹脂発泡粒子を供給し、型内成形して複合成形品を製造することによって、シートを型内面の形状に沿うように精度良く成形でき、目的形状に合致した寸法精度に優れた複合成形品を製造することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明に係る複合成形品の製造装置の一例を示す図であり、この図中、符号1は成形装置、2は熱可塑性樹脂シート(以下、シートと記す。)、3は第1の型、4は第2の型、5は第1の外装体、6は第2の外装体、7は供給管路、8,9は蒸気導入管、10,11は冷却水導入管、12,13は真空吸引管、14,15はドレン排出管、16はストッパ、17はキャビティ、18は成形型、19はシート押圧部材、20はフィーダーである。
この成形装置1は、多数の蒸気穴が穿設された第1の型3と第2の型4とから構成された成形型18と、第1の型3が固定された第1の外装体5と、第2の型4が固定された第2の外装体6とを備え、第1の外装体5と第2の外装体6とを接近させた時、第1の型3と第2の型4が型締めされて成形型18内に製造する複合成形品の外形と合致するキャビティ17が形成され、第1の型3と第2の型4の接触部又はその近傍にシート2を第1の型3と第2の型4の間に張設するシート保持具16が設けられ、第1の型3に熱可塑性樹脂発泡粒子をキャビティ17内に供給する供給管路7が接続され、かつ第1の型3と第2の型4の間に張設したシート2を第1の型3側からキャビティ17を通して第2の型4側に押圧するシート押圧部材19とを備えた構成になっている。
第1の外装体5と第2の外装体6は、それぞれ第1の型3と第2の型4を固定した状態で、離間又は接近する方向(進退方向)に移動可能とされ、第1の外装体5と第2の外装体6とを接近させた時、第1の型3と第2の型4が型締めされて成形型18内にキャビティ17が形成され(型締め状態)、この型締め状態から一方又は両方を離間方向に移動させることで型開きできるように構成されている。これらの外装体及び型の移動は、いずれか一方を他方に対して進退方向に移動させてもよいし、両方を進退方向に移動させる構成としてもよい。また図1では、第1の型3を上側に、第2の型4を下側に配置し、第1の型3(又は両方の型)を上下動させて成形を行う横型の成形装置1を例示しているが、第1の型3と第2の型4を左右に配置し、第1の型3(又は両方の型)を水平方向に移動させて成形を行う縦型の成形装置とすることもできる。縦型の成形装置であれば、横型の成形装置と比べてコンパクトに構成でき、成形装置の設置スペースを節約できる利点がある。
本例示において、第1の外装体5と第1の型3との間の空間、及び第2の外装体6と第2の型4との間の空間には、蒸気導入管8,9、冷却水導入管10,11、真空吸引管12,13及びドレン排出管14,15がそれぞれ一本づつ接続されている。
キャビティ17内に熱可塑性樹脂発泡粒子を供給する供給管路7は、従来より熱可塑性樹脂発泡成形品の製造において用いられている構造のものを使用でき、例えばエアー吹き込みにより熱可塑性樹脂発泡粒子を吸引してキャビティ17内に搬送し、キャビティ17内に必要量の熱可塑性樹脂発泡粒子を充填するものが使用される。
シート保持具16は、第1の型3と第2の型4の間にシート2を張設できればよく、特に限定されず、従来公知の各種保持具を用いることができる。本例示では、第2の型4の上端側にシート2を張設している。なお、複合成形品に合成樹脂製の枠材等を残した状態で成形を行う場合、この枠材等にシート2の縁を挟持する部分を設けてシート保持具16の機能を持たせ、第2の型4の上端に、シートを挟持させた枠材等を固定し、これによってシート2を張設する構成としてもよい。
本例示において、シート押圧部材19は、複数の凹部を持つ第2の型4の各凹部に対応する位置に複数個が設けられ、これらの凹部にシート押圧部材19が進退可能となるように第1の型3側に取り付けられている。このシート押圧部材19は、熱可塑性樹脂発泡粒子を供給するフィーダー20と一体的に設けられており、第2の型4の各凹部にシート2を押圧できるとともに、各凹部にフィーダー20を通して熱可塑性樹脂発泡粒子を供給できるようになっている。
この成形装置1は、第1の型3と第2の型4の間に張設したシート2を第1の型3側からキャビティ17を通して第2の型4側に押圧するシート押圧部材を備えているので、この熱可塑性樹脂シートを加熱軟化後、シート押圧部材によって押圧し、その後キャビティ内に熱可塑性樹脂発泡粒子を供給し、型内成形して複合成形品を製造することによって、熱可塑性樹脂シートを型内面の形状に沿うように精度良く成形でき、目的形状に合致した寸法精度に優れた複合成形品を製造することができる。
次に、図2を参照して本発明に係る複合成形品の製造方法の第1例を説明する。なお本例示は、前述した成形装置1を用い、本発明の方法を実施する場合を例示する。図2は、第1の型3と第2の型4の間にシート2を張設し(図2(a)参照)、該シート2を加熱、軟化せしめた後、第1の型3と第2の型4を型締めして製造する複合成形品の外形と合致するキャビティ17を形成し(図2(b)参照)、第1の型3側からキャビティ17を通してシート押圧部材19を第2の型4に近接せしめ、軟化したシート2を第2の型4側に押圧し(図2(c)参照)、次いでシート押圧部材19を元の位置に戻し(図2(d)参照)、キャビティ17内に熱可塑性樹脂発泡粒子を充填し、次いで成形型18を熱可塑性樹脂発泡粒子の融着温度以上の温度に加熱して型内成形し(図2(e)参照)、熱可塑性樹脂発泡成形品21の表面にシート2からなる表皮が積層されてなる複合成形品22を製造し、成形型から取り出す(図2(f)参照)、各工程によって複合成形品22を得る各工程を示す断面図である。
本発明の方法において用いるシート2としては、熱可塑性樹脂単層シート又は複数枚のシートやフィルムを積層してなる積層シート又は複数枚のシートやフィルムを重ねたシートであることが好ましい。この熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などが挙げられる。また、このシート2は、非発泡のシート又はフィルムのみから形成しても良いし、低倍率の発泡樹脂シートを用いてもよい。低倍率の発泡樹脂シートとしては、密度140〜500kg/mの発泡ポリスチレン系樹脂シートに、表層としてハイインパクトポリスチレンフィルムが積層された積層シートなどが好ましい。
また熱可塑性樹脂発泡粒子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂を適当な密度に予備発泡させた予備発泡粒子などが用いられる。本発明において好ましい熱可塑性樹脂発泡粒子としては、密度50〜200kg/mの範囲のポリスチレン系樹脂発泡粒子などが挙げられる。
これらの材料を用い、本発明の方法によって複合成形品を製造するには、まず、図2(a)に示すように、型開き状態にある第1、第2の型3,4のうち、第2の型4側にシート2を張設する。前述したように、複合成形品に合成樹脂製の枠材等を残した状態で成形を行う場合、この枠材等にシート2の縁を挟持する部分を設けてシート保持具16の機能を持たせ、第2の型4の上端に、シート2を挟持させた枠材等を固定し、これによってシート2を張設することが望ましい。
次に、蒸気を第1の外装体5と第2の外装体6の内部に供給し、シート2を加熱、軟化させる。この加熱温度、加熱時間は、シート2の材質、厚みに応じて適宜設定される。
次に、図2(b)に示すように第1の型3と第2の型4を型締めし、製造する複合成形品の外形と合致するキャビティ17を形成し、さらに図2(c)に示すように、第1の型3側からキャビティ17を通してシート押圧部材19を第2の型4に近接せしめ、軟化したシート2を第2の型4側に押圧する。このシート押圧部材19によるシート2の押圧とともに、真空吸引または圧空によってシート2を第2の型4側に押圧することが好ましい。
図4は、シート押圧部材19により、加熱軟化したシート2を第2の型4側に押圧する工程を示す概略図であり、本例示では、複数の凹部24を持った第2の型4を用い、かつこれらの凹部24のそれぞれに対応させて複数のシート押圧部材19を進退可能に設けた構成になっている。シート押圧部材19の押圧動作により、加熱軟化したシート2は第2の型4のそれぞれの凹部24に沿って押し付けられるので、複数の凹部24を有するような複雑形状の複合成形品でも製造可能である。
図5に示すように、このシート押圧部材19の先端部には、円板状の押圧部25が設けられている。押圧部25の中央には、フィーダ20を通して送られる熱可塑性樹脂発泡粒子を噴出する粒子供給口27が設けられている。このシート押圧部材19の中心には、粒子供給口27に開口する通路が設けられ、この通路には図示しない駆動手段に接続された開閉棒26が進退可能に設けられている。この開閉棒26を押圧部25に対し退避方向に移動させることで、粒子供給口27が開かれ、熱可塑性樹脂発泡粒子が噴出し、開閉棒26を前進させることで熱可塑性樹脂発泡粒子の供給を停止できるようになっている。
シート押圧部材19によるシート押圧後、図2(d)に示すように、シート押圧部材19を上昇させる。この状態でシート2は、第2の型4の内面に沿って配置されている。シート押圧部材19の上昇時、シート押圧部材19の押圧部25先端面は、第1の型3のキャビティ側の面と一致又はほぼ一致することが望ましい。
次に、第1の型3と第2の型4が型締めされ、第2の型4側にシート2が付着した状態にある成形型18のキャビティ17内に、供給管路7を通して熱可塑性樹脂発泡粒子を供給し、キャビティ17内を熱可塑性樹脂発泡粒子で満たす。
次いで、図2(e)に示すように、蒸気導入管8,9を通して各外装体の内部に蒸気を導入し、成形型18を蒸気加熱して型内成形する。この加熱によりキャビティ17内の熱可塑性樹脂発泡粒子が膨張し、シート2を第2の型4側に押し付けるように圧力を加える。これによってシート2は第2の型4の形状に沿って綺麗に成形される。また、この加熱でキャビティ17内の熱可塑性樹脂発泡粒子同士が融着し、熱可塑性樹脂発泡成形品21が形成されるとともに、シート2に接した熱可塑性樹脂発泡粒子がシート2に融着し、熱可塑性樹脂発泡成形品21の表面にシート2が積層した複合成形品21が得られる。
次いで、冷却水導入管10,11からの冷却水導入、ドレン排出管14,15からの排水、真空吸引管12,13からの排気、排気中止後に空気導入などの操作を行って成形型18を冷却した後、図2(f)に示すように、第1の型3を第2の型4から離して型開きし、複合成形品22を型から取り出す。
この複合成形品の製造方法は、第1の型3と第2の型4の間に張設したシート2を加熱、軟化した後、シート2をシート押圧部材19によって押圧し、その後キャビティ17内に熱可塑性樹脂発泡粒子を供給し、型内成形して複合成形品22を製造するので、シート2を型内面の形状に沿うように精度良く成形でき、目的形状に合致した寸法精度に優れた複合成形品22を製造することができる。
図6及び図7は、前述した本発明に係る複合成形品の製造方法を用いて製造された複合成形品の一例を示す図であり、図6は複合成形品22の斜視図、図7は複合成形品22の要部断面図である。
この複合成形品22は、熱可塑性樹脂発泡成形品21の一面側にシート2からなる表皮が積層された構造になっており、この表皮側を意匠面として用いられる。本発明において、複合成形品22の形状、寸法は特に限定されない。この複合成形品22の用途としては、例えばユニットバスの天井材等の住宅設備用部材、自動車の内装材(インストルメンタルパネル、ドアパネル、シートバックパネル、ステアリングホイール、取手等)、家具(椅子の座部等)、容器、内装材、壁面材、航空便用の軽量パレット等が挙げられるが、これらに限定されない。
図3は、本発明に係る複合成形品の製造方法の第2例を示す図である。この例示では、図2(f)に示すように、型内成形を終えた複合成形品22の熱可塑性樹脂発泡成形品21が露出している面に新たにシート2を重ね(図3(g)参照)、型内成形し、熱可塑性樹脂発泡成形品21の表面をシートからなる表皮で覆った複合成形品23を製造する(図3(h)参照)ことを特徴としている。
この複合成形品23は、熱可塑性樹脂発泡成形品21の表面をシートからなる表皮で覆ったものなので、複合成形品23の機械強度、耐久性、耐湿性、外観、衛生性などを向上させることができる。
[実施例]
図1に示す装置を用い、本発明の製造方法に従って図6に示す外観を有する複合成形品を製造した。図6中の寸法Aは400mm、Bは300mm、H0は25mm、図8の寸法Cは30mmとした。原料、成形型、成形条件及び成形工程は下記の通りとした。
(原料):シート2として、厚さ1mmのハイインパクトポリスチレンシート(RP東プラ社製、品名:NOASTIC−M)を用いた。
また、熱可塑性樹脂発泡粒子として、発泡ポリスチレン樹脂粒子(積水化成品工業社製、品名:HDS40)を嵩倍率40倍に発泡させたものを用いた。
(成形型):第1の型3は平板状であり、第2の型4は9個の凹部を有している。
(成形条件及び成形工程)
1.シート2を第2の型4の開口部に張設した。
2.第1の型3と第2の型4を型締めした。
3.シート2を下記の条件で加熱軟化した。
・第1の型3:蒸気圧0.11MPa、30秒間。
・第2の型4:蒸気圧0.11MPa、30秒間。
4.第2の型4側から0.85MPaで30秒間真空引きをして、シート2を第2の型4側に引き寄せた。
5.真空成形開始から3秒後に、第1の型3から9本のシート押圧部材19を第2の型4の凹部24へ押し出した。この押し出しは、凹部深さH0=25mmに対し、図4に示す押出長さDが23mmとした。
6.その後、第1の型3にシート押圧部材19を戻す。
7.第2の型4側のシート2と第1の型3の間に発泡ポリスチレン樹脂粒子を充填し、成形型20を120℃、20秒間蒸気加熱し、冷却後、複合成形品22を取り出した。
(評価)
得られた複合成形品の外観を図8に示す。得られた複合成形品は、9個の角形凸部がシャープで成形精度が非常に良好であった。寸法的には、第2の型4の凹部深さH0=25mmに対し、図8中の凸部高さH1=25mmとなり、第2の型4の表面にシート2が十分接触し、精度良く成形できた。
[比較例]
実施例と同じ原料と成形型を用い、成形工程5.のシート押圧部材19による押し出しを行わなかった他は、実施例と同様の成形条件と成形工程で複合成形品を製造した。
得られた複合成形品の外観を図9に示す。この複合成形品は、9個の凸部が丸みを帯び、成形型通りの成形品が得られておらず、成形精度が悪かった。寸法的には、第2の型4の凹部深さH0=25mmに対し、図9中の凸部高さH2=22mmとなり、第2の型4の表面にシート2が十分接触することなく成形が行われていた。
本発明に係る複合成形品の製造装置の一例を示す、成形装置の断面図である。 本発明に係る複合成形品の製造方法の第1例を工程順に示す断面図である。 本発明に係る複合成形品の製造方法の第2例を工程順に示す断面図である。 シート押圧部材によるシート押圧を示す概略図である。 シート押圧部材を例示し、(a)は正面図、(b)は底面図である。 本発明に係る複合成形品を例示する斜視図である。 本発明に係る複合成形品を例示する要部断面図である。 本発明に係る実施例で製造した複合成形品の側面図である。 比較例で製造した複合成形品の側面図である。
符号の説明
1…成形装置、2…シート(熱可塑性樹脂シート)、3…第1の型、4…第2の型、5…第1の外装体、6…第2の外装体、7…供給管路、8,9…蒸気導入管、10,11…冷却水導入管、12,13…真空吸引管、14,15…ドレン排出管、16…シート保持具、17…キャビティ、18…成形型、19…シート押圧部材、20…フィーダー、21…熱可塑性樹脂発泡成形品、22,23…複合成形品、24…凸部、25…押圧部、26…開閉棒、27…粒子供給口。

Claims (7)

  1. 成形型を構成する第1の型と第2の型の間に熱可塑性樹脂シートを張設し、該熱可塑性樹脂シートを加熱、軟化せしめた後、第1の型と第2の型を型締めして製造する複合成形品の外形と合致するキャビティを形成し、第1の型側からキャビティを通してシート押圧部材を第2の型に近接せしめ、軟化した熱可塑性樹脂シートを第2の型側に押圧し、次いでシート押圧部材を元の位置に戻し、キャビティ内に熱可塑性樹脂発泡粒子を充填し、次いで成形型を熱可塑性樹脂発泡粒子の融着温度以上の温度に加熱して型内成形し、熱可塑性樹脂発泡成形品の表面に熱可塑性樹脂シートからなる表皮が積層されてなる複合成形品を製造することを特徴とする複合成形品の製造方法。
  2. シート押圧部材によって軟化した熱可塑性樹脂シートを第2の型側に押圧するとともに、真空吸引又は圧空により熱可塑性樹脂シートを第2の型に沿わせることを特徴とする請求項1に記載の複合成形品の製造方法。
  3. 第2の型に複数の凹部を有し、これらの凹部にシート押圧部材が進退可能に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の複合成形品の製造方法。
  4. 熱可塑性樹脂シートが、熱可塑性樹脂単層シート又は複数枚のシートやフィルムを積層してなる積層シート又は複数枚のシートやフィルムを重ねたシートである請求項1〜3のいずれかに記載の複合成形品の製造方法。
  5. 熱可塑性樹脂シートが、熱可塑性樹脂発泡シート又はそれを含む積層シートである請求項1〜3のいずれかに記載の複合成形品の製造方法。
  6. 型内成形して得られた成形品の熱可塑性樹脂発泡成形品が露出している面に新たに熱可塑性樹脂シートを重ね、型内成形し、熱可塑性樹脂発泡成形品の表面を熱可塑性樹脂シートからなる表皮で覆った複合成形品を製造することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の複合成形品の製造方法。
  7. 多数の蒸気穴が穿設された第1の型と第2の型から構成された成形型と、第1の型が固定された第1の外装体と、第2の型が固定された第2の外装体とを備え、第1の外装体と第2の外装体とを接近させた時、第1の型と第2の型が型締めされて成形型内に製造する複合成形品の外形と合致するキャビティが形成され、熱可塑性樹脂発泡粒子をキャビティ内に供給する供給管路が接続され、かつ第1の型と第2の型の間に張設した熱可塑性樹脂シートを第1の型側からキャビティを通して第2の型側に押圧するシート押圧部材とを備え
    第2の型に複数の凹部を有し、これらの凹部にシート押圧部材が進退可能に設けられ、 シート押圧部材が熱可塑性樹脂発泡粒子をキャビティ内に供給するフィーダーと一体的に設けられたことを特徴とする複合成形品の製造装置。
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