JP2005271501A - 複合多層発泡成形品 - Google Patents

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Akira Araki
晃 荒木
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裕之 山形
Toshio Miyazawa
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Abstract

【課題】 表皮を有するポリスチレン系発泡成形体からなり表面の美粧性に優れた複合多層発泡成形品の提供。
【解決手段】 密度50〜200kg/mのスチレン系樹脂発泡成形体23の表面に、密度140〜500kg/m、厚さ0.5mm以上のスチレン系樹脂発泡シート25が積層され、該スチレン系樹脂発泡シートの表面に厚さ500〜2000μmの非発泡の熱可塑性樹脂からなる表皮フィルム24が積層されてなることを特徴とする複合多層発泡成形品21。
【選択図】 図2

Description

本発明は、スチレン系樹脂発泡成形体の表面にスチレン系樹脂発泡シート、非発泡の熱可塑性表皮フィルムが順に積層されてなる複合多層発泡成形品に関する。本発明の複合多層発泡成形品は、例えば、ユニットバスの天井材等の住宅設備用部材、自動車の内装材(インストルメンタルパネル、ドアパネル、シートバックパネル、ステアリングホイール、取手等)、家具(椅子の座部等)、容器、内装材、壁面材等に用いられる。
発泡合成樹脂成形品の表面改良目的として、耐久性の向上がある。従来、発泡合成樹脂成形品の表面改良の方法として、発泡合成樹脂成形品の表面に、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)等からなるシートを積層し、これを表皮とした複合成形品が提案されている。
従来、この種の複合成形品の製造方法としては、雄型と雌型のいずれか一方又は双方のキャビティ面に該キャビティ面に沿う形に予め成形した表皮フィルム又はシートを装着後、型締めを行い、発泡性樹脂粒子の充填と該粒子の加熱発泡処理を行って表皮付き発泡樹脂成形品を製造する方法において、キャビティ面に装着した表皮フィルム又はシートをキャビティ内圧力を上昇させることによりキャビティ面に更に密着させる工程を備えることを特徴とする表皮付き発泡樹脂成形品の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、表皮材が通気性を有せず、発泡体層の厚さが大きいものであっても、予備発泡粒子から型内発泡体を製造すると同時に該表皮材と型内発泡体とを強固に一体化することができ、融着不良の発生が無い表皮を有するポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2002−292669号公報 特開平6−891号公報
特許文献1に記載された製造方法では、発泡成形体の表面に積層された表皮が1層のフィルム又はシートであることから、表皮として非発泡の表皮フィルム又はシートを用いる場合には、表皮の表面に凹凸のディンプルが発生して表面の美粧性を損なう問題があり、また表皮として発泡体シートを用いる場合には、表面強度が不足して耐久性に欠ける問題がある。
特許文献2には、発泡成形体と積層される表皮材として、樹脂シートとポリオレフィン系押出発泡シートとの積層シートを用いる構成が例示されている。しかしながら、特許文献2に記載された製造法は、ポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造法に関するものであり、ポリプロピレン系樹脂とポリスチレン系樹脂とは圧縮強度等の物性が非常に異なることから、特許文献2に記載された表皮を有するポリプロピレン系樹脂型内発泡成形体の製造方法をポリスチレン系樹脂発泡成形体に適用できるかどうかは不明である。また、特許文献2では表皮として用いるポリオレフィン系押出発泡シートの密度や発泡倍率については記載されておらず、表皮を有するポリスチレン系樹脂発泡成形体において表面の凹凸を無くして美粧性に優れた成形品を得るために、どのような表皮材を使用すればよいか検討する上で、参考とするべきところはない。
本発明は前記事情に鑑みてなされ、表皮を有するポリスチレン系発泡成形体からなり表面の美粧性に優れた複合多層発泡成形品の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、密度50〜200kg/mのスチレン系樹脂発泡成形体の表面に、密度140〜500kg/m、厚さ0.5mm以上のスチレン系樹脂発泡シートが積層され、該スチレン系樹脂発泡シートの表面に厚さ500〜2000μmの非発泡の熱可塑性樹脂からなる表皮フィルムが積層されてなることを特徴とする複合多層発泡成形品を提供する。
本発明の複合多層発泡成形品は、表皮に硬度の高い非発泡の表皮フィルムを用い、その下にクッション性を有する発泡シートを配した構成なので、発泡成形体の表面の凹凸が吸収され、凹凸形状がなく美粧性に優れた表皮を有する複合多層発泡成形品を提供することができる。
また、表皮に硬度の高い非発泡の表皮フィルムを用い、その下にクッション性を有する発泡シートを配した構成なので、表皮の耐衝撃性が良好であり、表皮に爪を押し付けたり、工具等が軽く当たった程度の衝撃で表皮に跡が付くことがなく、複合多層発泡成形品の取付時等での取り扱いが容易になる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1及び図2は、本発明に係る複合多層発泡成形品の一実施形態を示す図であり、図1は複合多層発泡成形品の斜視図、図2は断面図である。図1及び図2中、符号21は複合多層発泡成形品、22は積層発泡シート、23はスチレン系樹脂発泡成形体(以下、発泡成形体と略記する。)、24は非発泡の熱可塑性樹脂からなる表皮フィルム、25はスチレン系樹脂発泡シート(以下、発泡シートと略記する。)である。
本実施形態の複合多層発泡成形品21は、密度50〜200kg/mの発泡成形体23の表面に、密度140〜500kg/m、厚さ0.5mm以上の発泡シート25が積層され、該発泡シート25の表面に厚さ500〜2000μmの非発泡の熱可塑性樹脂からなる表皮フィルム24が積層された構成になっている。
発泡成形体23は、スチレン系樹脂の発泡性樹脂粒子を型内発泡成形して作製されたものである。この発泡成形体23を構成するポリスチレン系樹脂としては、スチレン系単量体の単独重合体はもちろん共重合体も含む。スチレン系単量体には、スチレンのほかメチルスチレン、エチルスチレンなども含まれる。また、共重合体はスチレン単量体が50モル%以上含まれている共重合体を含んでいる。共重合体の相手方単量体としては、メタクリル酸メチルなどのメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、無水マレイン酸などが挙げられる。また、前記スチレン系樹脂には、ブタジエンゴム、ハイインパクトポリスチレン、スチレン−ブタジエンのブロック共重合体、グラフト共重合体などを適宜混合することができる。
この発泡成形体23は、密度が50〜200kg/mの範囲内、好ましくは60〜150kg/mの範囲内、より好ましくは80〜100kg/mの範囲内になっている。この発泡成形体23は、密度が50〜200kg/mの範囲内であれば、強度面、断熱性能面で優れたものとなる。この発泡成形体23の密度が50kg/m未満であると、圧縮強度が低いため取り扱い時に好ましくない。一方、この発泡成形体23の密度が200kg/mを超えると、断熱性能が低下し好ましくない。
前記発泡シート25は、スチレン系樹脂を適当な発泡剤と押出機内で混練し、押出機から溶融樹脂を押出し、発泡させて冷却することで発泡シートを製造する押出発泡成形によって製造される。この発泡シート25の材料となるスチレン系樹脂としては、スチレン系単量体の単独重合体はもちろん共重合体も含む。スチレン系単量体には、スチレンのほかメチルスチレン、エチルスチレンなども含まれる。また、共重合体はスチレン単量体が50モル%以上含まれている共重合体を含んでいる。共重合体の相手方単量体としては、メタクリル酸メチルなどのメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、無水マレイン酸などが挙げられる。また、前記スチレン系樹脂には、ブタジエンゴム、ハイインパクトポリスチレン、スチレン−ブタジエンのブロック共重合体、グラフト共重合体などを適宜混合することができる。また、発泡シート25の製造に用いられる発泡剤としては、プロパン、i−ブタン、n−ブタン、i−ペンタン、n−ペンタン、あるいはこれらの混合物、そして、N、CO、N/CO、水、水と−OH、−COOH、−CN、−NH、−OSOH、−NH、CO、NH、−CONH、−COOR、−CHSOH、−SOH、−COONH、の基を持つ化合物との混合物などが挙げられる。これらの中でi−ブタン、n−ブタンは特に好ましい。
この発泡シート25は、密度140〜500kg/mの範囲内、好ましくは200〜350kg/mの範囲内、より好ましくは250〜300kg/mの範囲内であり、かつ厚さ0.5mm以上、好ましくは0.7〜1.5mmの範囲内、より好ましくは1.0〜1.2mmの範囲内になっている。
この発泡シートの密度が140kg/mの未満であると、取り扱い時に容易に爪跡が残り好ましくない。一方、この発泡シートの密度が500kg/mを超えると、スチレン系樹脂発泡成形体表面の凹凸を消すことができず好ましくない。
また、この発泡シートの厚さが0.5mm未満であると、スチレン系樹脂発泡成形体表面の凹凸を消すことができず好ましくない。
前記表皮フィルム24は、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂などの熱可塑性樹脂からなるフィルムであり、発泡シート25と熱融着により積層可能なポリスチレン系樹脂、特にハイインパクトポリスチレンが好ましい。なお、表皮フィルム24が発泡シート25と熱融着させることが困難な材料からなる場合であっても、表皮フィルム24と発泡シート25との間に、両者に接着性を有する接着性表皮フィルムを挟んで熱融着させたり、接着剤を塗布して両者を接着させることが可能である。
この表皮フィルム24の厚さは500〜2000μmの範囲内、好ましくは700〜1500μmの範囲内、より好ましくは1000〜1200μmの範囲内とされる。
この表皮フィルム24の厚さが500μm未満であると、取り扱い時に容易に爪跡が残り好ましくない。一方、この表皮フィルム24の厚さが2000μmを超えると、熱が伝わりにくくなり、成形性が悪くなり好ましくない。
複合多層発泡成形品21を型内発泡成形して製造する際、前記発泡シート25と表皮フィルム24は、予め両者を積層した積層発泡シート22として用いることが好ましいが、前記型内発泡成形時に発泡シート25と表皮フィルム24を熱融着させて積層することも可能である。
この複合多層発泡成形品21の形状、寸法は特に限定されない。この複合多層発泡成形品21の用途としては、例えばユニットバスの天井材等の住宅設備用部材、自動車の内装材(インストルメンタルパネル、ドアパネル、シートバックパネル、ステアリングホイール、取手等)、家具(椅子の座部等)、容器、内装材、壁面材等が挙げられるが、これらに限定されない。
この複合多層発泡成形品21は、表皮に硬度の高い非発泡の表皮フィルム24を用い、その下にクッション性を有する発泡シート25を配した構成なので、発泡成形体23の表面の凹凸が吸収され、凹凸形状がなく美粧性に優れた表皮を有する複合多層発泡成形品21を提供することができる。
また、表皮に硬度の高い非発泡の表皮フィルム24を用い、その下にクッション性を有する発泡シート25を配した構成なので、表皮の耐衝撃性が良好であり、表皮に爪を押し付けたり、工具等が軽く当たった程度の衝撃で表皮に跡が付くことがなく、複合多層発泡成形品21の取付け時等での取り扱いが容易になる。
次に、前記複合多層発泡成形品21の製造方法を説明する。
図3は、前記複合多層発泡成形品21の製造に用いられる製造装置の一例を示す図であり、この図中、符号1は成形装置、2は積層発泡シート(以下、シートと略記する。)、3は雄型、4は雌型、5は雄型側外装体、6は雌型側外装体、7は供給管路、8,9は蒸気導入管、10,11は冷却水導入管、12,13は真空吸引管、14,15はドレン排出管、16はストッパ、17はシート保持具、18は連通路、19はキャビティ、20は成形型である。
この成形装置1は、多数の蒸気穴が穿設された雄型3と雌型4とから構成された成形型20と、雄型3が固定された雄型側外装体5と、雌型4が固定された雌型側外装体6とを備え、雄型側外装体5と雌型側外装体6とを接近させた時、雄型3と雌型4が型締めされて成形型20内に製造する複合多層発泡成形品21の外形と合致するキャビティ19が形成され、雄型3と雌型4の接触部又はその近傍にシート2を雄型3と雌型4の間に張設するシート保持具17が設けられ、雌型3に発泡性樹脂粒子をキャビティ19内に供給する供給管路7が接続され、かつ雄型側外装体5に、雄型3と雌型4が離間した状態で、雄型3と雌型4の間の空間と外部とをつなぐ連通路18を塞ぐことによって、雄型3と雌型4の間の空間を外部と遮断するストッパ16が設けられた構成になっている。
雄型側外装体5と雌型側外装体6は、それぞれ雄型3と雌型4を固定した状態で、離間又は接近する方向(進退方向)に移動可能とされ、雄型側外装体5と雌型側外装体6とを接近させた時、雄型3と雌型4が型締めされて成形型20内にキャビティ19が形成され(型締め状態)、この型締め状態から一方又は両方を離間方向に移動させることで型開きできるように構成されている。これらの外装体及び型の移動は、いずれか一方を他方に対して進退方向に移動させてもよいし、両方を進退方向に移動させる構成としてもよい。また図3では、雄型3を上側に、雌型4を下側に配置し、雄型3(又は両方の型)を上下動させて成形を行う横型の成形装置1を例示しているが、雄型3と雌型4を左右に配置し、雄型3(又は両方の型)を水平方向に移動させて成形を行う縦型の成形装置とすることもできる。縦型の成形装置であれば、横型の成形装置と比べてコンパクトに構成でき、成形装置の設置スペースを節約できる利点がある。
前記ストッパ16は、雄型側外装体5の下端から下方に向けて延出した延出部分5Aの先端部に、内側に向けて取り付けられている。このストッパ16は、雄型側外装体5の延出部分5Aと、雌型側外装体6先端部との隙間(型締め状態では連通路18)を開閉可能に塞ぐことができればよく、特に限定されないが、本例では空気等のガスを導入することで膨れて前記隙間を塞ぎ、ガスを抜くことで隙間を開く耐熱チューブを用いている。
本例示において、雄型側外装体5と雄型3との間の空間、及び雌型側外装体6と雌型4との間の空間には、蒸気導入管8,9、冷却水導入管10,11、真空吸引管12,13及びドレン排出管14,15がそれぞれ一本づつ接続されている。また、これらの管路とは別に、連通路18に達するドレン排出管15Aが設けられている。
キャビティ19内に発泡性樹脂粒子を供給する供給管路17は、従来より熱可塑性樹脂発泡成形品の製造において用いられている構造のものを使用でき、例えばエアー吹き込みにより発泡性樹脂粒子を吸引してキャビティ19内に搬送し、キャビティ19内に必要量の発泡性樹脂粒子を充填するものが使用される。
シート保持具17は、雄型3と雌型4の間にシート2を張設できればよく、特に限定されず、従来公知の各種保持具を用いることができる。本例示では、雌型4の上端側にシート2を張設している。なお、複合多層発泡成形品21に合成樹脂製の枠材等を残した状態で成形を行う場合、この枠材等にシート2の縁を挟持する部分を設けてシート保持具17の機能を持たせ、雌型4の上端に、シート2を挟持させた枠材等を固定し、これによってシート2を張設する構成としてもよい。シート2は、表皮フィルム24面を雄型3側に向け、発泡シート25面を雌型4側に向けた状態で張設する。
この成形装置1は、雄型側外装体5と雌型側外装体6とを接近させた時、雄型3と雌型4が型締めされて成形型20内に製造する複合多層発泡成形品の外形と合致するキャビティ19が形成され、雄型3と雌型4の接触部又はその近傍にシート2を雄型3と雌型4の間に張設するシート保持具17が設けられ、雌型3に発泡性樹脂粒子をキャビティ19内に供給する供給管路7が接続され、かつ雄型側外装体5と雌型側外装体6のいずれかに、雄型3と雌型4が離間した状態で、雄型3と雌型4の間の空間を外部と遮断するストッパ16が設けられた構成としたので、シート2を雌雄型間に張設し、雄型3と雌型4が離間した状態のまま、ストッパ16を閉じることで雄型側外装体5と雌型側外装体6の間の空間を外部から遮断でき、張設されたシート2に雄型3と雌型4を通して蒸気を当て、効率よく加熱することができるので、このシート2を加熱、軟化させた後、型締めして該シート2を雄型3の凸部3A(型締め時に雄型3と雌型4の境界線よりも雌型4側に入り込む部分)で押圧、成形し、雄型3側のシート2と雌型4との間に発泡性樹脂粒子を充填し、加熱して型内成形し、発泡成形品23の表面に発泡シート25と表皮フィルム24が順に積層されてなる複合多層発泡成形品21を一台の成形装置を用いて効率よく製造することができる。
前記成形装置1を用いて複合多層発泡成形品21を製造する方法の一例を、図4及び図5を参照して説明する。図4は、雌型4の上端にシート2を張設し、これを蒸気加熱し、軟化させる工程を示す概略図、図5は、シート2が接している雄型3と雌型4を型締めし、形成されたキャビティ19内に発泡性樹脂粒子を充填する工程を示す概略図である。
このシート2は、前述した密度140〜500kg/m、厚さ0.5mm以上の発泡シート25と、厚さ500〜2000μmの非発泡の表皮フィルム24とを積層した積層発泡シートである。このシート2は、例えば、発泡シート25と表皮フィルム24とを重ねた状態で、加熱ロールと押えロールとの間を通しそれらを熱融着させて積層することによって作製される。
また発泡性樹脂粒子としては、密度50〜200kg/mのスチレン系発泡性樹脂粒子を用いることが好ましい。
これらの材料を用いて複合多層発泡成形品を製造するには、まず、型開き状態(図4参照)にある雌雄型のうち、雌型4側にシート2を張設する。シート2を張設する際、表皮フィルム24面を雄型3側に向け、発泡シート25面を雌型4側に向けて張設する。前述したように、複合多層発泡成形品に合成樹脂製の枠材等を残した状態で成形を行う場合、この枠材等にシート2の縁を挟持する部分を設けてシート保持具17の機能を持たせ、雌型4の上端に、シートを挟持させた枠材等を固定し、これによってシート2を張設することが望ましい。
次いで、図4に示すように、ストッパ16を膨らませ、雄型側外装体5と雌型側外装体6の隙間を塞ぎ、次いでそれぞれの蒸気導入管8,9から蒸気(図4中ではSTEAMと記してある。)を雄型側外装体5と雌型側外装体6の内部に供給し、シート2を加熱する。この加熱温度、加熱時間は、シート2の材質、厚みに応じて適宜設定される。
次に、雄型3が固定された雄型側外装体5を下降させ、雄型側外装体5の下端面と雌型側外装体6の上端とが当接する接近状態とし、雄型3と雌型4とを型締めする。型締め時、ストッパ16は、空気を抜いて萎ませた状態にしておく。
この型締めにより、雄型3の凸部3Aが軟化したシート2に当接し、シート2は押圧されて凸部3Aの形状に沿って成形される。雄型3の凸部3Aに押圧され成形されたシート2は、図3及び図5に示すように雄型3側に付着する。
次いで、図5に示すように、雄型3と雌型4が型締めされ、雄型3側に凸部3Aで押圧されたシート2が付着した状態にある成形型20のキャビティ19内に、供給管路7を通して発泡性樹脂粒子を供給し(図5中、FILLINGと記してある。)、キャビティ19内を発泡性樹脂粒子で満たす。
次いで、蒸気導入管8,9を通して各外装体の内部に蒸気を導入し、成形型20を蒸気加熱して型内成形する。この加熱によりキャビティ19内の発泡性樹脂粒子が膨張し、シート2を雄型3側に押し付けるように圧力を加える。これによってシート2は雄型3の形状に沿って綺麗に成形される。また、この加熱でキャビティ19内の発泡性樹脂粒子同士が融着し、発泡成形体23が形成されるとともに、シート2に接した発泡性樹脂粒子がシート2に融着し、発泡成形体23の表面にシート2の発泡シート25側が熱融着した複合多層発泡成形品21が得られる。
次いで、冷却水導入管10,11からの冷却水導入、ドレン排出管14,15からの排水、真空吸引管12,13からの排気、排気中止後に空気導入などの操作を行って成形型20を冷却した後、雄型3を雌型4から離して型開きし、複合多層発泡成形品21を型から取り出す。
この複合多層発泡成形品の製造方法は、シート2を雌型4の上端に張設して加熱、軟化させた後、型締めして該シート2を雄型3の凸部3Aで押圧、成形し、雄型3側のシート2と雌型4との間に発泡性樹脂粒子を充填し、加熱して型内成形し、熱可塑性樹脂発泡成形品の表面にシート2からなる表皮が積層されてなる複合多層発泡成形品を製造するので、予め成形したシートを成形型にセットして発泡性樹脂粒子を充填し、加熱して型内成形する従来技術と比べ、シート2の成形と発泡粒子の型内成形を同じ成形型20を用いて行うことで製造工程が削減でき、余分な手間と時間を省いて生産効率が向上し、製造コストを低減することができる。
また、従来技術と比べ、シート2の成形と発泡粒子の型内成形を同じ成形型を用いて行うことで製造工程が削減でき、シート成形用の成形型を別途用意する必要がなく、設備コスト及びランニングコストを低減することができる。
また、軟化したシート2を雄型3の凸部3Aで押圧して成形し、さらに発泡粒子の型内成形の際に生じる圧力でシートを成形しているので、綺麗な外観の表皮が得られると共に、複雑な形状の複合多層発泡成形品の製造が可能となる。
また、シート2を雌雄型間に張設し、これを加熱軟化後に雄型3で押圧して成形するので、成形したシート2を成形型内にセットする操作が不要となり、シート2と発泡成形体23とのずれを生じることがなくなり、高品質の複合多層発泡成形品21を安定して製造することができる。
[実施例1]
図3に示した成形装置を用いて、外寸300×400×40mm、深さ10mm、肉厚30mmの複合多層発泡成形品を成形した。
表皮フィルムとして、厚さ500μmのハイインパクトポリスチレンフィルム(RP東プラ社製、品名:NOASTIC−M)を用いた。
発泡シートとして、密度157kg/m、厚み1.65mmのポリスチレン発泡シート(積水化成品工業社製、品名:S−320B−640−250)を用いた。
発泡性樹脂粒子として、嵩密度200kg/m、嵩発泡倍率5倍のポリスチレン発泡粒子(積水化成品工業社製、品名:HJLM5倍)を用いた。
表皮フィルムと発泡シートとを重ねた状態で200℃の加熱ロールと180℃の押えロールとの間を通しそれらを熱融着させて積層発泡シートを作製した。
その積層発泡シートを表皮フィルム面が雄型側になるように雌雄型間に張設し、120℃、1.0kg/cmの加熱蒸気を10秒間供給し加熱軟化させた後、型締めして積層発泡シートを雄型の凸部で押圧し成形し、雄型側の積層発泡シートと雌型との間に発泡性樹脂粒子を充填し、120℃、1.0kg/cmの加熱蒸気を5秒間供給し、発泡性樹脂粒子を加熱発泡させ互いに熱融着させるとともに、積層発泡シートの発泡シート面とも熱融着させた。加熱蒸気の供給を停止し、冷却後、型を開放して図1に示す形状の複合多層発泡成形品を取り出した。発泡性樹脂粒子度鬱しが融着して形成された発泡成形体部分は密度200kg/m、発泡倍率5倍であった。
得られた複合多層発泡成形品を目視で観察したところ、表皮フィルム面に凹凸(ディンプル)が無く美麗性に優れるものであった。また表皮フィルム面を爪で押しても表皮フィルム面に爪跡が残らず表面硬度が十分なものであった。また表皮フィルム側をこぶしでたたいても発泡シート部分の座屈も生じず、また発泡性樹脂粒子同士が融着して形成された発泡成形体部分の破損もなく、複合発泡成形品として十分な強度を有していた。
[実施例2]
図3に示した成形装置を用いて、外寸300×400×40mm、深さ10mm、肉厚30mmの複合発泡成形品を成形した。
表皮フィルムとして、厚さ1000μmのハイインパクトポリスチレンフィルム(RP東プラ社製、品名:NOASTIC−P)を用いた。
発泡シートとして、密度200kg/m、厚み1.10mmのポリスチレン発泡シート(積水化成品工業社製、品名:MD2055−300)を用いた。
発泡性樹脂粒子として、嵩密度100kg/m、嵩発泡倍率10倍のポリスチレン発泡粒子(積水化成品工業社製、品名:HJLM10倍)を用いた。表皮フィルムと発泡シートとを重ねた状態で200℃の加熱ロールと180℃の押えロールとの間を通しそれらを熱融着させて積層発泡シートを作製した。その積層発泡シートを表皮フィルム面が雄型側になるように雌雄型間に張設し、120℃、1.0kg/cmの加熱蒸気を10秒間供給し加熱軟化させた後、型締めして積層発泡シートを雄型の凸部で押圧し成形し、雄型側の積層発泡シートと雌型との間に発泡性樹脂粒子を充填し、120℃、1.0kg/cmの加熱蒸気を5秒間供給し、発泡性樹脂粒子を加熱発泡させ互いに熱融着させるとともに、積層発泡シートの発泡シート面とも熱融着させた。加熱蒸気の供給を停止し、冷却後、型を開放して図1の複合発泡成形品を取り出した。発泡性樹脂粒子同士が融着して形成された発泡成形体部分は密度100kg/m、発泡倍率10倍であった。
得られた複合発泡成形品を目視で観察したところ、表皮フィルム面に凹凸(ディンプル)がなく美麗性に優れるものであった。また表皮フィルム面を爪で押しても表皮フィルム面に爪あとが残らず表面硬度が十分なものであった。また表皮フィルム側をこぶしでたたいても発泡シート部分の座屈も生じず、また発泡性樹脂粒子同士が融着して形成された発泡成形体部分の破損もなく、複合発泡成形品として十分な強度を有していた。
[実施例3]
図3に示した成形装置を用いて、外寸300×400×40mm、深さ10mm、肉厚30mmの複合発泡成形品を成形した。
表皮フィルムとして、厚さ2000μmのハイインパクトポリスチレンフィルム(RP東プラ社製、品名:NOAFORTE−H)を用いた。
発泡シートとして、密度500kg/m、厚み1.00mmのポリスチレン発泡シート(積水化成品工業社製、品名:MD−2055−300を製造する際に発泡剤注入量、押出し量、引取速度を調整して製造したもの)を用いた。
発泡性樹脂粒子として、嵩密度50kg/m、嵩発泡倍率20倍のポリスチレン発泡粒子(積水化成品工業社製、品名:HJLM20倍)を用いた。
表皮フィルムと発泡シートとを重ねた状態で200℃の加熱ロールと180℃の押えロールとの間を通しそれらを熱融着させて積層発泡シートを作製した。その積層発泡シートを表皮フィルム面が雄型側になるように雌雄型間に張設し、120℃、1.0kg/cmの加熱蒸気を10秒間供給し加熱軟化させた後、型締めして積層発泡シートを雄型の凸部で押圧し成形し、雄型側の積層発泡シートと雌型との間に発泡性樹脂粒子を充填し、120℃、1.0kg/cmの加熱蒸気を5秒間供給し、発泡性樹脂粒子を加熱発泡させ互いに熱融着させるとともに、積層発泡シートの発泡シート面とも熱融着させた。加熱蒸気の供給を停止し、冷却後、型を開放して図1の複合発泡成形品を取り出した。発泡性樹脂粒子同士が融着して形成された発泡成形体部分は密度50kg/m、発泡倍率20倍であった。
得られた複合発泡成形品を目視で観察したところ、表皮フィルム面に凹凸(ディンプル)がなく美麗性に優れるものであった。また表皮フィルム面を爪で押しても表皮フィルム面に爪あとが残らず表面硬度が十分なものであった。また表皮フィルム側をこぶしでたたいても発泡シート部分の座屈も生じず、また発泡性樹脂粒子同士が融着して形成された発泡成形体部分の破損もなく、複合発泡成形品として十分な強度を有していた。
[比較例1]
図3に示した成形装置を用いて、外寸300×400×40mm、深さ10mm、肉厚30mmの複合発泡成形品を成形した。
表皮フィルムとして、厚さ1000μmのハイインパクトポリスチレンフィルム(RP東プラ社製、品名:NOASTIC−P)を用いた。
発泡シートとして、密度200kg/m、厚み1.10mmのポリスチレン発泡シート(積水化成品工業社製、品名:MD−2055−300)を用いた。
発泡性樹脂粒子として、嵩密度100kg/m、嵩発泡倍率10倍のポリスチレン発泡粒子(積水化成品工業社製、品名:HJLM10倍)を用いた。
表皮フィルムと発泡シートとを重ねた状態で200℃の加熱ロールと180℃の押えロールとの間を通しそれらを熱融着させて積層発泡シートを作製した。その積層発泡シートを表皮フィルム面が雄型側になるように雌雄型間に張設し、120℃、1.0kg/cmの加熱蒸気を10秒間供給し加熱軟化させた後、型締めして積層発泡シートを雄型の凸部で押圧し成形し、雄型側の積層発泡シートと雌型との間に発泡性樹脂粒子を充填し、120℃、1.0kg/cmの加熱蒸気を5秒間供給し、発泡性樹脂粒子を加熱発泡させ互いに熱融着させるとともに、積層発泡シートの発泡シート面とも熱融着させた。加熱蒸気の供給を停止し、冷却後、型を開放して図1の複合発泡成形品を取り出した。発泡性樹脂粒子同士が融着して形成された発泡成形体部分は密度100kg/m、発泡倍率10倍であった。
得られた複合発泡成形品を目視で観察したところ、表皮フィルム面に凹凸(ディンプル)がなく美麗性に優れるものであった。また表皮フィルム面を爪で押しても表皮フィルム面に爪あとが残らず表面硬度が十分なものであった。また表皮フィルム側をこぶしでたたいても発泡シート部分の座屈も生じず、また発泡性樹脂粒子同士が融着して形成された発泡成形体部分の破損もなく、複合発泡成形品として十分な強度を有していた。しかし、断熱性能が低くまた、重量過多で不十分である。
[比較例2]
図3に示した成形装置を用いて、外寸300×400×40mm、深さ10mm、肉厚30mmの複合発泡成形品を成形した。
表皮フィルムとして、厚さ1000μmのハイインパクトポリスチレンフィルム(RP東プラ社製、品名:NOASTIC−P)を用いた。
発泡シートとして、密度670kg/m、厚み1.00mmのポリスチレン発泡シート(積水化成品工業社製、品名:MD−2055−300を製造する際に発泡剤注入量、押出し量、引取速度を調整して製造したもの)を用いた。
発泡性樹脂粒子として、嵩密度100kg/m、嵩発泡倍率10倍のポリスチレン発泡粒子(積水化成品工業社製、品名:HJLM10倍)を用いた。表皮フィルムと発泡シートとを重ねた状態で200℃の加熱ロールと180℃の押えロールとの間を通しそれらを熱融着させて積層発泡シートを作製した。その積層発泡シートを表皮フィルム面が雄型側になるように雌雄型間に張設し、120℃、1.0kg/cmの加熱蒸気を10秒間供給し加熱軟化させた後、型締めして積層発泡シートを雄型の凸部で押圧し成形し、雄型側の積層発泡シートと雌型との間に発泡性樹脂粒子を充填し、120℃、1.0kg/cmの加熱蒸気を5秒間供給し、発泡性樹脂粒子を加熱発泡させ互いに熱融着させるとともに、積層発泡シートの発泡シート面とも熱融着させた。加熱蒸気の供給を停止し、冷却後、型を開放して図1の複合発泡成形品を取り出した。発泡性樹脂粒子同士が融着して形成された発泡成形体部分は密度100kg/m、発泡倍率10倍であった。
また表皮フィルム面を爪で押しても表皮フィルム面に爪あとが残らず表面硬度が十分なものであった。また表皮フィルム側をこぶしでたたいても発泡シート部分の座屈も生じず、また発泡性樹脂粒子同士が融着して形成された発泡成形体部分の破損もなく、複合発泡成形品として十分な強度を有していた。
しかし、得られた複合発泡成形品を目視で観察したところ、表皮フィルム面に凹凸(ディンプル)が発生し美麗性が悪いものであり、複合発泡成形品としては不十分である。
[比較例3]
図3に示した成形装置を用いて、外寸300×400×40mm、深さ10mm、肉厚30mmの複合発泡成形品を成形した。
表皮フィルムとして、厚さ1000μmのハイインパクトポリスチレンフィルム(RP東プラ社製、品名:NOASTIC−P)を用いた。
発泡シートとして、密度115kg/m、厚み1.70mmのポリスチレン発泡シート(積水化成品工業社製、品名:RKT−230A−640−300)を用いた。
発泡性樹脂粒子として、嵩密度100kg/m、嵩発泡倍率10倍のポリスチレン発泡粒子(積水化成品工業社製、品名:HJLM10倍)を用いた。
表皮フィルムと発泡シートとを重ねた状態で200℃の加熱ロールと180℃の押えロールとの間を通しそれらを熱融着させて積層発泡シートを作製した。その積層発泡シートを積層発泡シートの表皮フィルム面が雄型側になるように雌雄型間に張設し、120℃、1.0kg/cmの加熱蒸気を10秒間供給し加熱軟化させた後、型締めして積層発泡シートを雄型の凸部で押圧し成形し、雄型側の積層発泡シートと雌型との間に発泡性樹脂粒子を充填し、120℃、1.0kg/cmの加熱蒸気を5秒間供給し、発泡性樹脂粒子を加熱発泡させ互いに熱融着させるとともに、積層発泡シートの発泡シート面とも熱融着させた。加熱蒸気の供給を停止し、冷却後、型を開放して図1の複合発泡成形品を取り出した。発泡性樹脂粒子同士が融着して形成された発泡成形体部分は密度100kg/m、発泡倍率10倍であった。
得られた複合発泡成形品を目視で観察したところ、表皮フィルム面に凹凸(ディンプル)が発生せず美麗性が優れたものであった。また表皮フィルム面を爪で押しても表皮フィルム面に爪あとが残らず表面硬度が十分なものであった。しかし、表皮フィルム側をこぶしでたたくと発泡シート部分の座屈が生じ、複合発泡成形品として強度不足である。
[比較例4]
図3に示した成形装置を用いて、外寸300×400×40mm、深さ10mm、肉厚30mmの複合発泡成形品を成形した。
表皮フィルムとして、厚さ400μmのハイインパクトポリスチレンフィルム(RP東プラ社製、品名:NOASTIC−M)を用いた。
発泡シートとして、密度200kg/m、厚み1.10mmのポリスチレン発泡シート(積水化成品工業社製、品名:MD−2055−300)を用いた。
発泡性樹脂粒子として、嵩密度100kg/m、嵩発泡倍率10倍のポリスチレン発泡粒子(積水化成品工業社製、品名:HJLM10倍)を用いた。
表皮フィルムと発泡シートとを重ねた状態で200℃の加熱ロールと180℃の押えロールとの間を通しそれらを熱融着させて積層発泡シートを作製した。その積層発泡シートを積層発泡シートの表皮フィルム面が雄型側になるように雌雄型間に張設し、120℃、1.0kg/cmの加熱蒸気を10秒間供給し加熱軟化させた後、型締めして積層発泡シートを雄型の凸部で押圧し成形し、雄型側の積層発泡シートと雌型との間に発泡性樹脂粒子を充填し、120℃、1.0kg/cmの加熱蒸気を5秒間供給し、発泡性樹脂粒子を加熱発泡させ互いに熱融着させるとともに、積層発泡シートの発泡シート面とも熱融着させた。加熱蒸気の供給を停止し、冷却後、型を開放して図1の複合発泡成形品を取り出した。発泡性樹脂粒子同士が融着して形成された発泡成形体部分は密度100kg/m、発泡倍率10倍であった。
得られた複合発泡成形品を目視で観察したところ、表皮フィルム面に凹凸(ディンプル)が発生せず美麗性が優れたものであった。また表皮フィルム側をこぶしでたたいても発泡シート部分の座屈も生じず、また発泡性樹脂粒子同士が融着して形成された発泡成形体部分の破損もないが、表皮フィルム面を爪で押すと表皮フィルム面に爪あとが残り表面硬度が不十分なものであった。複合発泡成形品として強度不足である。
[比較例5]
図3に示した成形装置を用いて、外寸300×400×40mm、深さ10mm、肉厚30mmの複合発泡成形品を成形した。
表皮フィルムとして、厚さ2500μmのハイインパクトポリスチレンフィルム(RP東プラ社製、品名:NOAFORTE−H)を用いた。
発泡シートとして、密度200kg/m、厚み1.10mmのポリスチレン発泡シート(積水化成品工業社製、品名:MD−2055−300)を用いた。発泡性樹脂粒子として、嵩密度100kg/m、嵩発泡倍率10倍のポリスチレン発泡粒子(積水化成品工業社製、品名:HJLM10倍)を用いた。表皮フィルムと発泡シートとを重ねた状態で200℃の加熱ロールと180℃の押えロールとの間を通しそれらを熱融着させて積層発泡シートを作製した。その積層発泡シートを表皮フィルム面が雄型側になるように雌雄型間に張設し、120℃、1.0kg/cmの加熱蒸気を10秒間供給し加熱軟化させた後、型締めして積層発泡シートを雄型の凸部で押圧し成形し、雄型側の積層発泡シートと雌型との間に発泡性樹脂粒子を充填し、120℃、1.0kg/cmの加熱蒸気を5秒間供給し、発泡性樹脂粒子を加熱発泡させ互いに熱融着させるとともに、積層発泡シートの発泡シート面とも熱融着させた。加熱蒸気の供給を停止し、冷却後、型を開放して図1の複合発泡成形品を取り出した。発泡性樹脂粒子同士が融着して形成された発泡成形体部分は密度100kg/m、発泡倍率10倍であった。
表皮フィルム面を爪で押しても表皮フィルム面に爪あとが残らず表面硬度が十分なものであった。また表皮フィルム側をこぶしでたたいても発泡シート部分の座屈も生じず、また発泡性樹脂粒子同士が融着して形成された発泡成形体部分の破損もなく、複合発泡成形品として十分な強度を有していた。しかし、得られた複合発泡成形品を目視で観察したところ、表皮フィルム面に凹凸(ディンプル)が発生せず美麗性は優れているものの、シートが厚いため成形性が悪く寸法精度が悪い。
[比較例6]
図3に示した成形装置を用いて、外寸300×400×40mm、深さ10mm、肉厚30mmの複合発泡成形品を成形した。
表皮フィルムとして、厚さ1000μmのハイインパクトポリスチレンフィルム(RP東プラ社製、品名:NOASTIC−P)を用いた。
発泡シートとして、密度200kg/m、厚み1.10mmのポリスチレン発泡シート(積水化成品工業社製、品名:MD−2055−300)を用いた。
発泡性樹脂粒子として、嵩密度33kg/m、嵩発泡倍率30倍のポリスチレン発泡粒子(積水化成品工業社製、品名:HJLM30倍)を用いた。
表皮フィルムと発泡シートとを重ねた状態で200℃の加熱ロールと180℃の押えロールとの間を通しそれらを熱融着させて積層発泡シートを作製した。その積層発泡シートを積層発泡シートの表皮フィルム面が雄型側になるように雌雄型間に張設し、120℃、1.0kg/cmの加熱蒸気を10秒間供給し加熱軟化させた後、型締めして積層発泡シートを雄型の凸部で押圧し成形し、雄型側の積層発泡シートと雌型との間に発泡性樹脂粒子を充填し、120℃、1.0kg/cmの加熱蒸気を5秒間供給し、発泡性樹脂粒子を加熱発泡させ互いに熱融着させるとともに、積層発泡シートの発泡シート面とも熱融着させた。加熱蒸気の供給を停止し、冷却後、型を開放して図1の複合発泡成形品を取り出した。発泡性樹脂粒子同士が融着して形成された発泡成形体部分は密度33kg/m、発泡倍率30倍であった。
得られた複合発泡成形品を目視で観察したところ、表皮フィルム面に凹凸(ディンプル)が発生し美麗性が悪いものであった。また表皮フィルム面を爪で押しても表皮フィルム面に爪あとが残らず表面硬度が十分なものであった。また表皮フィルム側をこぶしでたたいても発泡シート部分の座屈も生じず、また発泡性樹脂粒子同士が融着して形成された発泡成形体部分の破損もなく、複合発泡成形品として十分な強度を有していた。しかし、裏面側の発泡成形体は、他の物体との接触による破損の可能性が高く、強度的に不十分である。
[比較例7]
図3に示した成形装置を用いて、外寸300×400×40mm、深さ10mm、肉厚30mmの複合発泡成形品を成形した。
表皮フィルムとして、厚さ1000μmのハイインパクトポリスチレンフィルム(RP東プラ社製、品名:NOASTIC−P)を用いた。
発泡シートは用いなかった。
発泡性樹脂粒子として、嵩密度100kg/m、嵩発泡倍率10倍のポリスチレン発泡粒子(積水化成品工業社製、品名:HJLM10倍)を用いた。
型締めして積層発泡シートを雄型の凸部で押圧し成形し、雄型側の積層発泡シートと雌型との間に発泡性樹脂粒子を充填し、120℃、1.0kg/cmの加熱蒸気を5秒間供給し、発泡性樹脂粒子を加熱発泡させ互いに熱融着させるとともに、積層発泡シートの発泡シート面とも熱融着させた。加熱蒸気の供給を停止し、冷却後、型を開放して図1の複合発泡成形品を取り出した。発泡性樹脂粒子同士が融着して形成された発泡成形体部分は密度100kg/m、発泡倍率10倍であった。
得られた複合発泡成形品は、表皮フィルム面を爪で押しても表皮フィルム面に爪あとが残らず表面硬度が十分なものであった。また表皮フィルム側をこぶしでたたいても発泡シート部分の座屈も生じず、また発泡性樹脂粒子同士が融着して形成された発泡成形体部分の破損もなく、複合発泡成形品として十分な強度を有していた。しかし、得られた複合発泡成形品を目視で観察したところ、表皮フィルム面に凹凸(ディンプル)が発生し美麗性が悪いものであった。
[比較例8]
図3に示した成形装置を用いて、外寸300×400×40mm、深さ10mm、肉厚30mmの複合発泡成形品を成形した。
表皮フィルム無しで、発泡シートとして、密度200kg/m、厚み1.10mmのポリスチレン発泡シート(積水化成品工業社製、品名:MD−2055−300)を用いた。
発泡性樹脂粒子として、嵩密度100kg/m、嵩発泡倍率10倍のポリスチレン発泡粒子(積水化成品工業社製、品名:HJLM10倍)を用いた。
型締めして積層発泡シートを雄型の凸部で押圧し成形し、雄型側の積層発泡シートと雌型との間に発泡性樹脂粒子を充填し、120℃、1.0kg/cmの加熱蒸気を5秒間供給し、発泡性樹脂粒子を加熱発泡させ互いに熱融着させるとともに、積層発泡シートの発泡シート面とも熱融着させた。加熱蒸気の供給を停止し、冷却後、型を開放して図1の複合発泡成形品を取り出した。発泡性樹脂粒子同士が融着して形成された発泡成形体部分は密度100kg/m、発泡倍率10倍であった。
得られた複合発泡成形品を目視で観察したところ、表皮フィルム面に凹凸(ディンプル)が発生せず美麗性が優れたものであった。また表皮フィルム側をこぶしでたたいても発泡シート部分の座屈も生じず、また発泡性樹脂粒子同士が融着して形成された発泡成形体部分の破損もなく、複合発泡成形品として十分な強度を有していた。しかし、表皮フィルム面を爪で押すと爪あとが残こり表面硬度が不十分なものであった。
本発明の複合多層発泡成形品の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の複合多層発泡成形品の一実施形態を示す断面図である。 複合多層発泡成形品の製造に用いられる製造装置の一例を示す断面図である。 複合多層発泡成形品の製造方法の一例を示し、雌雄型間に張設したシートを加熱軟化させる工程を示す成形装置の要部断面図である。 図4の工程の後、型締めし、熱可塑性樹脂発泡粒子を充填する工程を示す成形装置の要部断面図である。
符号の説明
1…成形装置、2…シート(積層発泡シート)、3…雄型、4…雌型、5…雄型側外装体、6…雌型側外装体、7…供給管路、8,9…蒸気導入管、10,11…冷却水導入管、12,13…真空吸引管、14,15…ドレン排出管、16…ストッパ、17…シート保持具、18…連通路、19…キャビティ、20…成形型、21…複合多層発泡成形品、22…積層発泡シート、23…発泡成形品(スチレン系樹脂発泡成形体)、24…表皮フィルム、25…発泡シート(スチレン系樹脂発泡シート)。

Claims (1)

  1. 密度50〜200kg/mのスチレン系樹脂発泡成形体の表面に、密度140〜500kg/m、厚さ0.5mm以上のスチレン系樹脂発泡シートが積層され、該スチレン系樹脂発泡シートの表面に厚さ500〜2000μmの非発泡の熱可塑性樹脂からなる表皮フィルムが積層されてなることを特徴とする複合多層発泡成形品。


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