JP2549074B2 - 表皮付スチレン系樹脂発泡成形物の製造方法 - Google Patents

表皮付スチレン系樹脂発泡成形物の製造方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は表皮付スチレン系樹脂発泡成形物を製造方法
に関し、特に樹脂表皮の表面側にアバタのような凹部が
生じることがない平滑で強靭な樹脂表皮を有する表面外
観の優れた表皮付スチレン系樹脂発泡成形物の製造方法
に関するものである。
[従来の技術] 従来、スチレン系樹脂発泡成形物は軽量で、かつ、断
熱性を有していることから、魚、果物などの容器や遊泳
用の浮きなどに使用されている。
このようなスチレン系樹脂発泡成形物は、次に示す方
法で製造されている。
すなわち、雌雄金型に囲まれたキャビティ内に発泡性
ポリスチレン系粒子を充填した後、これら両金型のスチ
ームチャンバ内の上方より水蒸気を導入し、下方より凝
縮水を排出する。
そして、雄金型の水蒸気の供給を停止し雌金型のスチ
ームチャンバ内の上方のみより水蒸気を導入し、また、
雌金型のドレン弁を閉めて雄金型のスチームチャンバの
下方のみより凝縮水を排出する。
次いで、両金型のスチームチャンバ内の上方より水蒸
気を導入し、雄金型のスチームチャンバの下方のみより
凝縮水を排出して予備加熱による予備発泡を終了する。
その後、両金型のドレン弁を閉めて、両金型のスチー
ムチャンバ内に水蒸気を導入して本加熱を行ない、該粒
子を十分に発泡させた後、冷却してスチレン樹脂発泡成
形物を取出す。
しかしながら、このようにして得られたスチレン系樹
脂発泡成形物は、損傷し易く、耐久性が乏しいために、
浮子などの耐久性が要求される用途に使用されるもので
は、その表面を非発泡ポリエチレン樹脂、エチレン・酢
酸ビニル共重合体、耐衝撃性ポリスチレンなどで覆った
製品に転換されつつある。
このような、非発泡ポリエチレン樹脂などによって表
面を被覆補強したスチレン系樹脂発泡体の型物は、例え
ば、小さな孔を多数開けた合成樹脂フィルムの袋内に発
泡性合成樹脂のビーズを充填し、その上方の開口部をシ
ールした後、雌型及び雄型内で加熱加圧して函型に成形
する方法(特公昭47−8948号公報参照)などによって製
造されるが、発泡体を被覆する合成樹脂フイルムの延展
性が小さいために、複雑な形状の発泡成形品を製造する
ことができないといった欠点がある。
前記方法以外にも、金型の内面形状に倣って表皮用樹
脂シートを配設した後、該金型のキャビティー内に発泡
性ポリスチレン系粒子を充填して加熱発泡させる方法、
或いは、金型の内面に類似する型を用いて予め成形され
た表皮用樹脂シートを金型内に配設した後、該金型内に
発泡性スチレン系樹脂粒子を充填して加熱発泡させる方
法などがある。
しかし、これらの方法は発泡性スチレン系樹脂粒子を
充填した後で水蒸気によって加熱すると、前記予め賦型
された表皮用樹脂シートに残存応力が残っているため
に、加熱と共に表皮用樹脂シートが収縮して変形が生
じ、特に容器のコーナー部では表皮用樹脂シートの端縁
が収縮応力により外れて移動したり、強く引っ張られた
りする。その結果、容器のコーナー部の表皮用樹脂シー
トが丸みおびたり、表皮と発泡体との接着力を悪くし
て、発泡体のコーナー部から遠い端にある表皮用樹脂シ
ートは容器のコーナー方向にひっぱられ、発泡体容器の
底に近い側壁に表皮用樹脂シートで被覆されない部分が
生じるといったことが起こる。
本発明者らはこのようなことが生じない、平滑で強靭
な表皮に包まれ、かつ、コーナー部が丸く成形されるこ
とがないスチレン系樹脂発泡成形物を製造する方法とし
て、前に特願昭62−276669号明細書に記載されている方
法を提案した。
この特願昭62−276669号明細書に記載した表皮付スチ
レン系樹脂発泡成形物の製造方法は、金型内面形状に倣
って表皮用樹脂シートを配設し、両金型を閉型して形成
されるキャビティ内に発泡性樹脂粒子を充填した後、水
蒸気を導入して加熱発泡させて発泡性樹脂粒子同志を融
着させた後、次いでスチームチャンバ内を減圧状態にし
て、該表皮用樹脂シートを金型の内壁に密着させると共
にスチームチャンバ内の水の気化により、更には水蒸気
を断熱膨脹させることによって冷却し、表皮付スチレン
系樹脂発泡成形物の製造するものである。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、前記方法で発泡成形されたスチレン系
樹脂発泡成形物は、成形品のコーナー部については改善
されたが、表皮の表面に米粒大の凹部が多数生じ、用途
によっては外観上好ましくない点があった。
[課題を解決するための手段] 本発明者等は上記の課題に対して鋭意検討した結果、
このような凹部は、金型のスチームチャンバ内に水蒸気
を導入してキャビティ内の発泡性スチレン系樹脂粒子を
予備加熱する際に、表皮用樹脂シートが配設されている
側の金型が十分に暖められておらず、かつ、表皮シート
が金型内面に十分密着していないために、水蒸気が金型
の内表面に凝縮して水滴が生成し、この水滴が表皮用樹
脂シートによって覆われて生成したものであることが判
明したので、この点を改良することによって前記課題を
解決した。
すなわち、本発明は、雌雄二つの金型の一方の内面
に、該金型の内面形状に倣って表皮用樹脂シートを配設
し、両金型を閉型することによって形成されるキャビテ
ィ内に発泡性スチレン系樹脂粒子を充填し、両金型のス
チームチャンバ内に水蒸気を導入して加熱発泡させると
共に発泡粒子同志を融着させて成形し、次いでスチーム
チャンバ内に冷却水を導入して該発泡成形物を冷却する
表皮付スチレン系樹脂発泡成形物の製造方法において、
前記水蒸気による加熱発泡成形を、先ず、表皮用樹脂シ
ートが配設されていない側の金型のスチームチャンバ内
に水蒸気を導入し、キャビティ内の発泡性スチレン系樹
脂粒子を一部発泡させて表皮用樹脂シートを金型に密着
させた後、両金型のスチームチャンバ内に水蒸気を導入
し、発泡性スチレン系樹脂粒子を加熱発泡させることを
特徴とする表皮付スチレン系樹脂発泡成形物の製造方法
である。
[発明の具体的説明] 金型 本発明のスチレン系樹脂発泡成形物の製造方法に用い
られる金型は、一般に雄型と雌型との二つの金型とから
構成されており、両金型を閉型した時にキャビティが形
成される。該金型の雄型及び雌型にはキャビティの反対
側に各々スチームチャンバが備えられており、該スチー
ムチャンバとキャビティとの間には蒸気透過孔が多数穿
設されている。
該金型の雄型又は雌型の内面形状に倣って装着される
表皮用樹脂シートは、一般に、容器などの外側を被覆す
る場合には雌型に装着され、内側を被覆する場合には雄
型に装着される。
表皮樹脂シート 本発明のスチレン系樹脂発泡成形物の製造方法に用い
られる表皮樹脂シートは、一般には雌型内面用のシート
あるいは雄型内面用のシートのいずれか一方をもって被
覆する。また、形状構造が複雑である場合などには必要
箇所を数多く分割した多数枚のシートを装着あるいは融
着して構成することもできる。
該表皮用樹脂シートは金型のキャビティ内面に類似す
る金型を用いて予め真空成形、圧空成形、プレス成形な
どにより得られたシート成形品であることが好ましい。
前記発泡性樹脂粒子を金型内に充填するために金型に
穿設する充填口の大きさは、市販の充填ガンの大きさに
合せておくのが合理的であり、一般にその直径は15〜30
mmφ程度である。
前記表皮用樹脂シートの肉厚としては、通常0.1〜2m
m、好ましくは1〜2mm程度のもので、この程度の厚さの
ものであれば金型内面に添設するための装着作業が容易
に実施できる。
表皮用樹脂シートに用いられる材料としては、低密度
ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、高耐
衝撃性スチレン樹脂(HIPS)、スチレン・アクリロニト
リル共重合体樹脂、ABS樹脂などの熱可塑性樹脂が用い
られるが、耐衝撃性及びスチレン樹脂発泡体との融着性
の点から考慮するとHIPS及びスチレン・アクリロニトリ
ル共重合体が好ましい。
発泡性スチレン系樹脂粒子の素材としては、ポリスチ
レン、スチレン・α−メチルスチレン共重合体、スチレ
ン・α−メチルスチレン・アクリロニトリル共重合体、
ABS、スチレン・メチルメタクリレート共重合体などが
利用できる。
脱気 本発明の表皮付スチレン系樹脂発泡成形物の製造方法
においては、前記金型内に表皮用樹脂シートを配設した
後、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を充填し、次いでこ
れら金型内の空気を減圧にして脱気することが好まし
い。
予備加熱 加熱は、本加熱の前に、表皮用樹脂シートが配設され
ている側の金型を徐々に暖めて、該金型に水蒸気が凝縮
して水滴が付着することを防止するために予備加熱が行
なわれる。
予備加熱を行なわずに本加熱を行なうと、金型内面に
まず水蒸気が凝縮して水滴が生じ、水滴が付着したまま
で発泡成形され、表皮用樹脂シートの表面にアバタのよ
うな凹部を生成して外観が著しく損なわれた発泡成形物
となる。
予備加熱は、一般に次のようにして行なわれる。
先ず表皮用樹脂シートが配設されていない側の金型の
スチームチャンバ内に徐々に水蒸気を導入し、該金型の
開放弁より水蒸気を排出して、表皮用樹脂シートが配設
されていない側の金型を暖める。
次いで、表皮用樹脂シートが配設されている側の金型
の開放弁をも徐々に開放して、表皮用樹脂シートが配設
されている側の金型を徐々に暖める。
その後、表皮用樹脂シートが配設されていない側の金
型の開放弁を閉じ、すなわち、水蒸気を表皮用樹脂シー
トが配設されていない側の金型より導入し表皮用樹脂シ
ートが配設されている側の金型の開放弁より排出して、
表皮用樹脂シートが配設されていない側の金型側より表
皮用樹脂シートが配設されている側の金型を徐々に暖め
る。
更に、表皮用樹脂シートが配設されている側の金型の
水蒸気供給弁を開いて、表皮用樹脂シートが配設されて
いる側の金型を十分に暖めて予備加熱を終了する。
このような予備加熱の操作によって、表皮用樹脂シー
トと金型との間に水滴を生成させることなく金型を加熱
することができ、しかも、キャビティ内の発泡性スチレ
ン系樹脂粒子(予備発泡粒子を含む)を表皮用樹脂シー
トが配設されていない側の発泡性スチレン系樹脂粒子よ
り徐々に一部発泡させて表皮用樹脂シートを金型に密着
させるので、平滑な表皮を形成することができる。
また、予備加熱は、一般に100〜130℃、好ましくは11
0〜120℃の温度で1〜200秒間、好ましくは5〜20秒間
加熱することによって行なわれる。
本加熱 前記予備加熱の後、両金型のスチームチャンバ内に水
蒸気を導入して本加熱を行なって本発泡させると共に膨
脹した樹脂粒子の表面部を相互に融着させてスチレン系
樹脂発泡成形物とする。
本加熱は、通常のスチレン系樹脂発泡成形物の製造方
法の加熱発泡条件と変ることなく行なわれる。例えば、
一般に100〜130℃、好ましくは110〜120℃の温度で、1
〜200秒間、好ましくは5〜60秒間加熱することによっ
て行なわれる。
冷却 前記本加熱による加熱発泡が終了したら、スチームの
供給を止め、スチームチャンバ内に冷却水を導入する前
に、吸引弁の先に配置された減圧ポンプを作動させるこ
とによりシートの装着された側の金型のスチームチャン
バ内を減圧状態にすることが好ましい。これによって軟
化状態のシートが該金型に密着すると共に、スチームチ
ャンバ内の水が気化することによって気化熱を奪い、ま
た、水蒸気は断熱膨脹することによって温度が下る。
その結果スチームチャンバ内の温度が低下して、キャ
ビティ内が冷却され、表皮用樹脂シートは金型に密着し
た状態で60〜85℃程度の温度にまで冷却される。
表皮用樹脂シートが冷却した後、吸引弁を閉じ、開放
弁及びドレン弁を開けてスチームチャンバ内の圧力を大
気圧と同圧とした後、スチームチャンバ内に冷却水を導
入して金型を冷却させ、冷却水の供給を止めた後、チャ
ンバ内に空気を吹き込んで、金型を開放して成形品を取
り出す。
この減圧による金型の冷却は、減圧の程度及び時間に
よりその効果が異なる。一般に減圧の程度は大気圧に対
して−5〜−760mmHg、好ましくは−250〜−760mmHgで
あり、減圧時間は5〜60秒、好ましくは5〜30秒であ
る。
減圧によって金型の冷却される温度は一般に70〜100
℃であり、好ましくは70〜90℃である。この時にあまり
急激に冷却し過ることは、表皮用樹脂シートが十分固化
する前に収縮応力が強く現われ、本発明の効果を損なう
おそれがある。
[実施例] 以下、本発明の一実施例及び図面を挙げて本発明を具
体的に説明する。
実施例1 第1図は本発明実施例の表皮付スチレン樹脂発泡成形
物の製造方法に用いられる発泡成形用金型の断面図で、
第2図(1)〜(5)はその操作手順の簡略断面説明図
である。
第1図において、金型1は雄型(移動側)2及び雌型
(固定側)3より構成されており、これら雄型及び雌型
には蒸気透過孔4a,4bが穿設され、その外側にはスチー
ムチャンバ6a,6bが形成されている。
該金型1の雌金型3の内壁3aに、寸法が縦374mm×横2
71mm×高さ113mm、肉厚1.0mmの真空成形された耐衝撃性
スチレン樹脂(HIPS)シート5を装着した後、吸引弁13
から雌金型3のスチームチャンバ6a内を−500mmHgに減
圧して、上記シート5を雌金型3の内壁3aに密着させ
た。
次に、両金型2,3を型締めすることによって形成され
るキャビティ7内に、予め20kg/m3に予備発泡された予
備発泡スチレン樹脂粒子8を、金型2側に装着された充
填ガン9より装填して充填口を閉じた。
そして、第2図の(1)に示すように、先ずスチーム
弁10b及びドレン弁11a,11bを開けて、蒸気圧力0.8kg/cm
2 Gの水蒸気を5秒間導入すると共に凝縮水を排出し、
スチームチャンバ6b側より雄金型2を徐々に加熱し、雌
金型3をも徐々に加熱した。
更に、第2図の(2)に示すように、ドレン弁11bを
閉じて、水蒸気を20秒間導入すると共に凝縮水を排出す
ることによって雄金型2及び雌金型3を加熱し、キャビ
ティ7内の予備発泡スチレン樹脂粒子8を膨脹させて、
耐衝撃性スチレン樹脂(HIPS)シート5を雌金型3の表
面に密着させた。
次いで、第2図の(3)に示すように、スチーム弁10
aを開放して水蒸気を5秒間導入して雌金型6a側を十分
に加熱し、予備加熱を終了した。
そして、第2図の(4)に示すように、両スチーム弁
10a,10bを開放したままドレン弁11aを閉じて30秒間本加
熱を行ない、予備発泡スチレン樹脂粒子8を十分に膨脹
させて表皮付スチレン樹脂発泡成形物を成形した。
その後、第2図の(5)に示すように、スチーム弁10
a,10bを閉じて、水蒸気の供給を止め、加熱を終了させ
た。
そして、スチームチャンバ6a,6bの底部のドレン弁11
a,11bを開放してスチームチャンバ6a,6b内の圧力を大気
圧と同圧にした。この時の金型温度は105℃であり、HIP
Sシート5は軟化状態(90〜105℃)になっている。
次いで、ドレン弁11aを閉め、吸引弁13を開けて、雌
金型3のスチームチャンバ6b内を減圧状態にし、−500m
mHgGで15秒間保持して、軟化状態にあるシート5を雌型
金型3の内壁3aに密着させると共に、スチームチャンバ
6a内の水の気化及び水蒸気の断熱膨脹によってスチーム
チャンバ6a内を80℃にまで冷却させた。
その後、雄型2、雌型3の両金型のスチームチャンバ
6a,6b内に装着される冷却水弁12a,12bを開けてスチーム
チャンバ6a,6b内に冷却水を20秒間流して両型2,3並びに
成型品を冷却した後、水を抜いてさらに25秒間放置冷却
してから成型品を金型より取り出した。
得られた成形品の収縮度及び凹部の評価結果を以下に
示す。
評価結果 減圧時間(秒) 15秒 減圧度(mmHgG) −500mmHgG 収縮度合 ◎ 凹部 ◎ 上記成形品の収縮度及び凹部の評価は次の方法により
測定した。
収縮度合の評価 ×:コーナー部全体が収縮した △:コーナー部全体が丸く変形した ○:コーナー部の一部が丸く変形した ◎:コーナー部全体が鋭角に成形された。
凹部の評価 ×:全表面に米粒大の凹部が発生した。
△:部分的に米粒大の凹部が発生した。
○:表面の一部に米粒大の凹部が発生した。
◎:表面に米粒大の凹部は発生しない。
比較例1 実施例1の予備加熱の金型のスチームチャンバ6a,6b
への水蒸気の供給を、第3図の(1)に示すように、ス
チーム弁10a,10b及びドレン弁11a,11bを開けて、両金型
2,3のスチームチャンバ6a,6b内に水蒸気を均等に導入し
て5秒間加熱した。
次いで、第3図の(2)に示すように、スチーム弁10
b及びドレン弁11aを閉じて、HIPSシート5側のスチーム
チャンバ6aより雌金型3側を20秒間加熱した。
更に、第3図の(3)に示すように、スチーム弁10b
を5秒間開放し、キャビティ7内の予備発泡スチレン樹
脂粒子8を膨脹させて、予備加熱を終了させた。
そして、第3図の(4)及び(5)に示すように、両
スチーム弁10a,10bを開放したままドレン弁11bを閉じて
30秒間本加熱を行ない、予備発泡スチレン樹脂粒子8を
十分に膨脹させ冷却して表皮付スチレン樹脂発泡成形物
を成形した以外は実施例1と同様にして行なった。
減圧時間(秒) 0秒 減圧度(mmHgG) 0mmHgG 収縮度合 × 凹部 × [発明の効果] 本発明の表皮付スチレン系樹脂発泡成形物の製造方法
は、予備加熱の際の金型のスチームチャンバ6a,6bへの
水蒸気の供給順序を、先ず表皮用樹脂シートの配設して
いない側の金型のスチームチャンバ内に水蒸気を導入し
て、キャビティー内の発泡性スチレン系樹脂粒子を一部
発泡させて該表皮用樹脂シートを金型に密着させ、次い
で両金型のスチームチャンバに水蒸気を導入して本加熱
により発泡させるので、表皮用樹脂シートが配設されて
いる側の金型が十分に暖められているために、金型の表
面で水蒸気が凝縮して水滴が生成することがなく、表皮
用樹脂シートの表面にアバタのような凹部を生成するこ
とがない。
また、このようにして発泡成形されたスチレン系樹脂
発泡成形物は金型に密着された状態で冷却されるので、
成形物のコーナー部においても角部が正確に成形され、
従来のようにコーナー部が丸く成形されることがなく、
複雑な成形品であっても正確に成形することができる。
したがって、見映えの良い外観に優れた表皮付スチレ
ン系樹脂発泡成形品を得ることができるので、工業的に
極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の表皮付スチレン系樹脂発泡成形物の製
造方法に用いられる成形用金型の断面図で、第2図はそ
の操作手順の簡略断面説明図であり、第3図は従来の表
皮付スチレン系樹脂発泡成形物の製造方法における操作
手順の簡略断面説明図である。 1:金型、2:雄型 3:雌型、3a内壁 4a:蒸気透過孔(雌型側) 4a:蒸気透過孔(雄型側) 5:耐衝撃性スチレン系樹脂シート 6a:スチームチャンバ(雌型側) 6b:スチームチャンバ(雄型側) 7:キャビティ、8:樹脂粒子 9:充填ガン 10a:スチーム弁(雌型側) 10b:スチーム弁(雄型側) 11a:ドレン弁(雌型側) 11b:ドレン弁(雄型側) 12a:冷却水弁(雌型側) 12b:冷却水弁(雄型側) 13:吸引弁

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】雌雄二つの金型の一方の内面に、該金型の
    内面形状に倣って表皮用樹脂シートを配設し、両金型を
    閉型することによって形成されるキャビティ内に発泡性
    スチレン系樹脂粒子を充填し、両金型のスチームチャン
    バ内に水蒸気を導入して加熱発泡させると共に発泡粒子
    同志を融着させて成形し、次いでスチームチャンバ内に
    冷却水を導入して該発泡成形物を冷却する表皮付スチレ
    ン系樹脂発泡成形物の製造方法において、前記水蒸気に
    よる加熱発泡成形を、先ず、表皮用樹脂シートが配設さ
    れていない側の金型のスチームチャンバ内に水蒸気を導
    入し、キャビティ内の発泡性スチレン系樹脂粒子を一部
    発泡させて表皮用樹脂シートを金型に密着させた後、両
    金型のスチームチャンバ内に水蒸気を導入し、本加熱す
    ることにより発泡性スチレン樹脂粒子を加熱発泡させる
    ことを特徴とする表皮付スチレン系樹脂発泡成形物の製
    造方法。
  2. 【請求項2】スチームチャンバ内に冷却水を導入する前
    に、表皮用樹脂シートを配設した側の金型のスチームチ
    ャンバ内を減圧状態にして、軟化状態の表皮用樹脂シー
    トを該金型に密着させると共に、スチームチャンバ内の
    水の気化と水蒸気の断熱膨脹によってスチームチャンバ
    内を冷却させることを特徴とする請求項1に記載の表皮
    付スチレン系樹脂発泡成形物の製造方法。
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