JP2002291884A - 液体注入針および液体注入装置 - Google Patents
液体注入針および液体注入装置Info
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Abstract
を有し、かつ患者に与える苦痛を低減できる極細の液体
注入針を提供する。 【解決手段】 液体を注入するための中空の針部2と、
針部が固着される支持部3とを有する液体注入針であっ
て、前記針部2は、前記支持部3の内部を延長する固定
部22と、前記支持部3から外方へ突出し、生体内ヘ穿
刺可能である穿刺部21とからなり、前記穿刺部21の
先端側外径は、0.1mm以上かつ0.25mm以下で
あり、前記穿刺部21の基端側外径は、前記先端側外径
よりも大きい。
Description
液体注入装置に関し、特に、生体に作用する薬液を皮
内、皮下、筋肉層などの生体内に経皮的に注入する際に
用いられる液体注入針および液体注入装置に関する。
られる薬液注入装置としては、例えば図14に示される
装置101が知られている。
に、薬液を注入するための針102と、針102を支持
するための支持部103と、薬液を収容するための略円
筒状の本体104と、本体104の内部空間に収容され
る薬液を押し出すためのプランジャ105とを備えてい
る。針102は、一定の外径を有する中空針からなり、
その一端が支持部103に固着され、本体104の内部
空間と連通可能となっている。
0.3mm以上の外径を有し、比較的太い。このため、
針102の生体内への穿刺あるいは薬液の生体内への注
入に伴って、痛みが生じる。また、太い針による穿刺
は、患者に大きな恐怖感や不安感を与える。
に、従来よりも細い針を使用することは、問題を有して
いる。例えば、細い針を支持部に固着して薬液注入装置
を組み立ることは、きわめて困難である。また、細い針
は、強度的に弱いため、生体に刺そうとしても、皮膚を
貫通できずに、例えば曲がってしまう恐れがある。
さい。したがって、薬液を充填する際に、バイアルなど
の薬液容器から薬液を吸い取るために要する力や、薬液
を生体内に注入するために薬液を押し出すための力が、
大きくなってしまう。つまり、薬液容器からの薬液吸い
取り時あるいは生体内への薬液注入時に、相当の力が必
要になるという問題がある。
有液を経皮的に自己投与するための薬液注入装置が、市
販されている。当該薬液注入装置に現在適用される最も
細い針の外径は、0.254mm(31G(ゲージ))
である。なお、「ゲージ」とは、B.W.G.(Birmin
gham Wire Gage)の規格に基づいた数字である。
を投与する際の注入抵抗が、かなり大きい。これは、注
入抵抗が、理論上、針の直径の4乗に反比例して大きく
なるからである。
的に問題のある患者は、薬液注入装置のプランジャを押
す力が弱いため、31G針を用いた薬液の自己投与の際
に、薬液をうまく皮下に注入できない虞がある。このよ
うな場合、患者は、注入抵抗は小さいが強い痛みを感じ
させる太い針、例えば、外径0.30mm(30G)の
針を、使用せざるを得ない。
終了後に、インスリン含有液が、皮膚の穿刺口あるいは
針の先端から漏れ出してしまうことがある。この原因の
一つとして、下記の点が挙げられる。
抵抗が高いため薬液の注入が終了するまでに長時間を要
する。したがって、1回の注射で投与される薬液量つま
りインスリンユニットの全てを、皮下に完全に投与する
前に、患者が、それに耐えきれずに、針を皮膚から抜い
てしまうことが推察される。
は、患者に応じて予め定められており、注射の度に正確
に投与される必要がある。したがって、注入操作終了後
に薬液が漏れ出すということは、適切な量よりも少ない
量の薬液が患者に投与されており、よって十分な治療効
果が得られないことを意味する。
ば、リドカインなどの麻酔薬を患者の歯髄内に注入する
ために、薬液注入装置が用いられている。現在市販され
ている歯科用薬液注入装置に係る最も細い針の外径は、
0.26mmである。
て麻酔薬を歯茎等に注入する際、かなり高い注入抵抗が
発生する。そのため、装置本体およびプランジャは金属
製であり、かつ健常人である医者が麻酔薬を注入する。
つまり、上記のような細い針であっても、非常に大きな
力でプランジャを押すことにより、麻酔薬の注入が可能
である。
製であるため、装置の重量が大きく、取り扱いも容易で
はない。したがって、注入抵抗を低減できれば、プラス
チック等の軽量材料が適用可能となり、かつ小さな力で
麻酔薬を注入できるため、軽量で取り扱いが容易な歯科
用薬液注入装置が提供可能となる。
抗を低減できるが、患者に大きな恐怖感や不安感を与え
るため、適していない。つまり、歯科用薬液注入装置に
おいても、より細い針を用いることにより患者に与える
苦痛等を和らげることは、好ましい。
痛を低減することが可能であるが、製造の困難性や強度
の不足および高い注入抵抗を有し、上記のような種々の
問題を生じるため、実際上、実現されていない。
るために成されたものであり、製造が容易で十分な強度
および低い注入抵抗を有し、かつ患者に与える苦痛を低
減できる極細の液体注入針と、当該液体注入針を備えた
液体注入装置とを提供することを目的とする。
の本発明は次のように構成される。
と、針部が固着される支持部とを有する液体注入針であ
って、前記針部は、前記支持部の内部を延長する固定部
と、前記支持部から外方へ突出し、生体内ヘ穿刺可能で
ある穿刺部とからなり、前記穿刺部の先端側外径は、
0.1mm以上かつ0.25mm以下であり、前記穿刺
部の基端側外径は、前記先端側外径よりも大きいことを
特徴とする液体注入針。
上かつ2mm以下であることを特徴とする前記(1)に
記載の液体注入針。
以上かつ15mm以下であることを特徴とする前記
(1)に記載の液体注入針。
基端部とからなり、前記先端部および基端部は、全長に
わたって略一定の外径を有し、前記中間部は、先端部に
向かい外径が漸減し、前記先端部と前記基端部とを滑ら
かに繋ぐことを特徴とする前記(1)に記載の液体注入
針。
から先端に向かって漸減することを特徴とする前記
(1)に記載の液体注入針。
以上かつ5mm以下であり、前記先端側外径は、前記全
長の2/3以上となる長さにわたって、0.1mm以上
かつ0.25mm以下であることを特徴とする前記
(1)に記載の液体注入針。
かつ15mm以下であり、前記先端側外径は、前記全長
の3/5以上となる長さにわたって、0.1mm以上か
つ0.25mm以下であることを特徴とする前記(1)
に記載の液体注入針。
を含むことを特徴とする前記(1)に記載の液体注入
針。
を特徴とする前記(1)に記載の液体注入針。
量グラム以下であることを特徴とする前記(1)に記載
の液体注入針。
用して20μl/秒の流量を維持する場合、350重量
グラム以下であることを特徴とする前記(1)に記載の
液体注入針。
部と、針部が固着される支持部とを有する液体注入針で
あって、前記針部は、前記支持部の内部を延長する固定
部と、前記支持部から外方へ突出し、生体内ヘ穿刺可能
である穿刺部とからなり、前記穿刺部の基端側外径は、
前記穿刺部の先端側外径よりも大きく、前記穿刺部の刺
通抵抗は、7重量グラム以下であることを特徴とする液
体注入針。
剤を含むことを特徴とする前記(12)に記載の液体注
入針。
とを特徴とする前記(12)に記載の液体注入針。
用して20μl/秒の流量を維持する場合、350重量
グラム以下であることを特徴とする前記(12)に記載
の液体注入針。
部と、針部が固着される支持部とを有する液体注入針で
あって、前記針部は、前記支持部の内部を延長する固定
部と、前記支持部から外方へ突出し、生体内ヘ穿刺可能
である穿刺部とからなり、前記穿刺部の基端側外径は、
前記穿刺部の先端側外径よりも大きく、前記針部の流路
抵抗は、水を使用して20μl/秒の流量を維持する場
合、350重量グラム以下であることを特徴とする液体
注入針。
剤を含むことを特徴とする前記(16)に記載の液体注
入針。
とを特徴とする前記(16)に記載の液体注入針。
を備える液体注入装置であって、当該液体注入装置は、
液体が収容される内部空間を有する本体と、本体の一端
に設けられる支持部とを有し、前記液体注入針の針部
は、内部空間と連通可能に前記支持部に固着されること
を特徴とする液体注入装置。
以上かつ2mm以下であることを特徴とする前記(1
9)に記載の液体注入装置。
m以上かつ15mm以下であることを特徴とする前記
(19)に記載の液体注入装置。
と基端部とからなり、前記先端部および基端部は、全長
にわたって略一定の外径を有し、前記中間部は、先端部
に向かい外径が漸減し、前記先端部と前記基端部とを滑
らかに繋ぐことを特徴とする前記(19)に記載の液体
注入装置。
部から先端に向かって漸減することを特徴とする前記
(19)に記載の液体注入装置。
m以上かつ5mm以下であり、前記先端側外径は、前記
全長の2/3以上の長さにわたって、0.1mm以上か
つ0.25mm以下であることを特徴とする前記(1
9)に記載の液体注入装置。
上かつ15mm以下であり、前記先端側外径は、前記全
長の3/5以上の長さにわたって、0.1mm以上かつ
0.25mm以下であることを特徴とする前記(19)
に記載の液体注入装置。
剤を含むことを特徴とする前記(19)に記載の薬液注
入装置。
とを特徴とする前記(19)に記載の薬液注入装置。
量グラム以下であることを特徴とする前記(19)に記
載の液体注入装置。
用して20μl/秒の流量を維持する場合、350重量
グラム以下であることを特徴とする前記(19)に記載
の液体注入装置。
針を備える液体注入装置であって、当該液体注入装置
は、液体が収容される内部空間を有する本体と、本体の
一端に設けられる支持部とを有し、前記液体注入針の針
部は、内部空間と連通可能に前記支持部に固着されるこ
とを特徴とする液体注入装置。
剤を含むことを特徴とする前記(30)に記載の薬液注
入装置。
とを特徴とする前記(30)に記載の薬液注入装置。
用して20μl/秒の流量を維持する場合、350重量
グラム以下であることを特徴とする前記(30)に記載
の液体注入装置。
針を備える液体注入装置であって、当該液体注入装置
は、液体が収容される内部空間を有する本体と、本体の
一端に設けられる支持部とを有し、前記液体注入針の針
部は、内部空間と連通可能に前記支持部に固着されるこ
とを特徴とする液体注入装置。
剤を含むことを特徴とする前記(34)に記載の薬液注
入装置。
とを特徴とする前記(34)に記載の薬液注入装置。
を、図面を参照して詳細に説明する。
の形態に係る薬液注入装置1は、薬液注入針10と本体
4とから構成される。薬液注入針10は、異形の中空の
針部2と、針部2が固着される支持部3とを有する。本
体4は、略円筒状であり、プランジャ5が長手方向に往
復動可能に挿入される内部空間41を有する。
液容器から吸い取られて、内部空間41に収容され、本
体4内でプランジャ5を押し込むことによって、針部2
の先端から生体内に注入される。
部3には、本体4の内部空間41と連通する通路31が
形成されている。針部2の基端は、通路31の内面に液
密に固着されている。したがって、針部2は、通路31
を経由して、本体4の内部空間41と連通している。
4とは、一体成形されている。しかし、支持部3と本体
4とを別部材として形成し、接着あるいは溶着等の手段
によって、支持部3を本体4の端部に固着することも可
能である。あるいは、支持部3を、螺合や嵌合によっ
て、本体4の端部に着脱可能に接続する構成を採用する
ことも可能である。
ランジャ5を内部空間41に挿入するための開口42が
形成されている。プランジャ5の先端には、本体4の内
壁に密着するガスケット6が取り付けられている。ガス
ケット6は、プランジャ5が支持部3に向かって移動す
る際に、薬液が後方に漏れないようにシールし、薬液を
前方に押し出す役目を果たす。
ゲル、または懸濁液である。使用可能な薬剤は、経皮的
な投与に適さない薬剤以外であるならば、実質的に制限
されない。
イルス薬、ワクチン、抗腫瘍薬、免疫抑制薬、ステロイ
ド薬、抗炎症薬、抗リウマチ薬、関節炎治療薬、抗ヒス
タミン薬、抗アレルギー薬、糖尿病治療薬、成長ホルモ
ンなどのホルモン剤、骨カルシウム代謝薬、ビタミン、
血液製剤、造血薬、抗血栓薬、抗高脂血症薬、抗不整脈
薬、血管拡張薬、プロスタグランジン、カルシウム拮抗
薬、ACE阻害薬、βブロッカー、降圧薬、利尿薬、キ
サンチン誘導体、βアゴニスト、抗喘息薬、鎮咳薬、去
痰薬、抗コリン薬、止寫薬、健胃消化薬、抗潰瘍薬、下
剤、睡眠薬、鎮静薬、解熱剤、かぜ薬、抗てんかん薬、
抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、中枢神経刺激薬、副
交感神経作用薬、交感神経作用薬、制吐剤、中枢興奮
薬、抗パーキンソン病薬、筋弛緩薬、鎮痙薬、麻酔薬、
鎮痒薬、抗片頭痛薬、オリゴヌクレオチド、遺伝子薬、
などが挙げられる。
は減弱してしまう薬剤、例えば、ぺプチド、タンパク、
多糖類、オルゴヌクレオチド、DNAが、好ましい。
合1ml以下である、通常の注射薬の単回投与量と同等
か、あるいは0.01〜2mlの間で設定される。
ム、あるいはエラストマー等の材料を使用する成形加工
によって製造される。支持部3と本体4とプランジャ5
とは、ポリプロピレンやポリエチレンなどのプラスチッ
クあるいはガラス等の材料を使用して、成形加工によっ
て製造される。
は、その全部または一部が透明な材料から構成されてお
り、内部空間41に収容されている薬液8を目視で確認
ができる。また、本体4の表面には、薬液8の収容量お
よび注入量を把握するための目盛り7が形成されてい
る。
に、穿刺部21と固定部22とを有する。穿刺部21
は、支持部3から外方へ突出する延長部であり、生体内
へ穿刺可能である。固定部22は、支持部3の内部を延
長する延長部であり、本体4の内部空間41と連通する
通路31と連絡している。
斜部21aを有しており、皮膚を穿孔可能である。刃面
は、例えば、先端を斜めにカットすることにより形成さ
れる。
aの近傍における穿刺部21の外径は、0.1mm以上
かつ0.25mm以下、好ましくは0.1mm以上かつ
0.20mm以下に設定される。
与える穿刺痛を低減する観点から、従来より小さく設定
されている。また、下限は、所定の強度を確保し、薬液
注入時における流路抵抗の増大を抑える観点から設定さ
れている。穿刺部21の先端側内径は、これに伴って、
0.05mm以上かつ0.15mm以下が好ましい。
は、針の先端部が皮膚を切り裂きながら皮膚深部へと突
き進められることによって、痛みに関係する神経や血管
が刺激を受け、あるいは損傷されて、痛覚が誘発され
る。
21の先端側外径は、極めて小さく設定されている。し
たがって、皮膚を穿孔し生体組織を切り裂く傾斜部21
aによって、神経や血管が受ける刺激や損傷は、極力小
さくなる。つまり、穿刺部21は、患者に対して、穿刺
痛を殆ど、若しくは全く感じさせない。
21の先端側外径より大きく設定されている。このた
め、穿刺部21を生体内へ穿刺するために必要な強度を
十分確保できる。したがって、例えば、穿刺部21が折
れて、穿刺部21を生体内に穿刺できない事態を防止で
きる。
0.3mm以上かつ2mm以下、より好ましくは0.3
5mm以上かつ1.5mm以下が好ましい。
入時における流路抵抗を積極的に低減する観点から、前
述したように穿刺部21の先端側外径よりも大きく設定
されている。また、上限は、生体内への刺入抵抗の増大
を抑える観点から設定されている。これに伴って、穿刺
部21の基端側内径は、0.25mm以上かつ1.2m
m以下が好ましい。
m以上かつ15mm以下、好ましくは3mm以上かつ1
0mm以下が好ましい。なお、全長L0は、支持部3か
ら皮膚を穿孔する傾斜部21aの先端までの長さによっ
て定義される。
与では、8〜40mmが一般的である。しかし、本実施
の形態においては、全長L0の上限は、所定の強度を確
保し、薬液注入時における流路抵抗の増大を抑える観点
から、従来よりも短く設定されている。また、下限は、
生体内への穿刺を良好に行う観点から設定されている。
持部3に向かって所定長L1に渡り、0.1mm以上か
つ0.25mm以下に設定されることが好ましい。
いが、全長L0が1.5mm以上かつ5mm以下の場合
は、全長L0の2/3以上、好ましくは4/5以上に設
定されることが好ましい。また、全長L0が5mm以上
かつ15mm以下の場合は、所定長L1は、全長L0の3
/5以上、好ましくは3/5以上かつ4/5以下に設定
されることが好ましい。
皮膚の穿孔直後に生体内に刺入される穿刺部21の外径
を小さく保たせることで、刺入抵抗を極めて小さくする
という観点から設定されている。また、上限は、十分な
強度を確保し、かつ薬液注入時における流路抵抗の増大
を抑える観点から設定されている。
1は、傾斜部21aを含んでいる先端部21bと、先端
部21bより外径が大きい基端部21dと、先端部21
bと基端部21dとの間に位置する中間部21cとを有
している。
おり、先端部21bと基端部21dとを滑らかに繋いで
いる。さらに、中間部21cの内径は、先端部21bに
向かって、連続的に漸減している。したがって、薬液8
は、中間部21cを通過する際に、その流速が加速さ
れ、先端部21bに勢いよく流入する。
は、それぞれ、図示のように全長にわたって略一定の外
径を有する形状のほか、先細りとなる形状とすることも
可能である。
2の外径は、基端部21dの外径と同様であり、0.3
mm以上かつ2mm以下、好ましくは0.35mm以上
かつ1.5mm以下が好ましい。
おける流路抵抗を積極的に低減し、支持部3への接合面
積を大きくし接合強度を高める観点から、穿刺部21の
先端側外径よりも大きく設定されている。また、上限
は、支持部3の外形寸法の増大を抑えるという観点から
設定されている。これに伴って、固定部22の内径は、
0.25mm以上かつ1.2mm以下が好ましい。
に向かって内径が漸増する形状とすることも可能であ
る。この場合、流路抵抗がさらに低減されるため、薬液
8は、固定部22を通過する際に、その流速が加速さ
れ、勢いよく基端部21dに流入する。
用して、例えば、塑性加工によって製造される。但し、
チタンなどの他の金属あるいはプラスチック等の材料か
ら、針部2を製造することも可能である。
ンサート成形あるいは接着によって達成される。一般的
な針は、その外径が小さい場合、支持部に対する接合力
は弱く、支持部から抜け落ちる虞がある。これに対し、
本実施の形態においては、支持部3に固着される固定部
22の外形が、穿刺部21の先端側外径より大きく設定
されている。
定部22を介して支持部3に固着されるため、針部2が
脱落する虞は無くなる。さらに、固定部22と支持部3
との接合面積が大きいため、針部2を支持部3に固着す
ることが容易となる。したがって、穿刺部21の先端側
外径が小さくとも、薬液注入針10および薬液注入装置
1を、容易に製造できる。
を説明する。なお、刺通抵抗は、10mm/秒の速度で
シリコーンゴムを穿刺したときの荷重によって定義され
る。また、シリコーンゴムの厚みは、0.5mmであ
り、JIS(日本工業規格:Japanese Industrial Stan
dard)のK6253タイプAに準拠したゴム硬度計(デ
ュロメータ)を使用して得られた硬度は、A50であ
る。
例1の針部2の拡大図である。図に示されるように、穿
刺部21の全長L0は8mmあるいは13mmであり、
先端部21bの長さL1は2.75mmである。
0.35mmおよび0.25mmであり、先端部21b
の外径および内径は、0.2mmおよび0.1mmであ
る。なお、外径および内径が連続的に漸減する中間部2
1cの長さは、3.5mmであり、輪郭線と一点鎖線で
示される軸線とがなす角度は、1度50分28秒であ
る。
角φおよび断面角γは、それぞれ、8.5度、18度お
よび129度である。なお、第1研削角αは、図6
(A)に示されるように、一点鎖線で示される先端部2
1bの中心軸線と傾斜部21aとがなす基本的な角度で
あり、第2研削角φは、図6(B)に示されるように、
傾斜部21aの刃面を構成するカット面と中心軸線とが
なす角度であり、断面角γは、図6(A)の線A−Aに
ついての断面図である図6(C)に示されるように、刃
先断面の両側の稜線がなす角度である(ISO(国際標
準化機構:International Organization for Standardi
zation)7864参照)。
インスリン含有液を経皮的に自己投与するための薬液注
入装置に適用される、全長に渡って外径が0.254m
mかつ内径が0.125mmである針つまり31G針
を、使用した。この31G針の第1研削角α、第2研削
角φおよび断面角γは、9度、22度および130度で
ある。
示す図であり、縦軸および横軸としてそれぞれ荷重およ
び変位が使用されている。図に明確に示されるように、
本実施の形態に係る針部2の刺入抵抗は、荷重のピーク
が最大となる領域において、従来の31G針に比べ、顕
著に小さい。
は、8.4gf(重量グラム)(82.3mN)であ
り、8gf(78.4mN)を越えている一方、針部2
の刺通抵抗の最大値は、6.4gf(62.7mN)で
あり、7gf(68.6mN)以下である。つまり、本
実施の形態に係る針部2は、刺通抵抗に関し、31G針
より優れた特性を有しており、患者に与える穿刺痛をよ
り低減できることが裏付けられる。
を説明する。なお、流路抵抗は、水を使用したときの2
0μl/秒の定常流を維持するために必要な駆動力によ
って定義される。
るように、使用流体である水90が収容されている容器
91と、吸引した水90を圧送するためのポンプ92
と、ポンプ92の吐出圧力つまり駆動力を記録するため
の記録装置93と、刺通抵抗が測定される針部が着脱自
在である針取付け部94とを有する。
得られた純水であり、ポンプ92は、高速液体クロマト
グラフィーに一般的に使用される定量ポンプである。ま
た、針取付け部94と針部とは、螺合によって、着脱自
在とされている。具体的には、図9に示すように、雌ネ
ジ部96を有する公知の針ハブ97に、針部が接着剤な
どによって取付けられ、当該雌ネジ部96と、針取付け
部94に形成される雄ネジ部95とが、螺合される。な
お、雄ネジ部95は、針部の基端部の内部に挿入され、
水90を針部に導入するための中空管部95aを有す
る。
μl/秒に維持される定常状態における吐出圧力を記録
する。
定の場合と同一の本実施の形態に係る針部2(実施例
1)と、2種類の対照品とが使用された。対照品の一方
は、上述した刺通抵抗の測定で用いたものと同様の31
G針であり、他方は、全長に渡って穿刺部21の先端部
21bの外径に対応する0.203mmの外径を有し、
全長に渡って内径が0.105mmである33G針であ
る。
る図である。図に示されるように、31G針、33G針
および本実施の形態に係る針部2の流路抵抗は、それぞ
れ、272gf(2.67N)、690gf(6.76
N)および245gf(2.40N)である。
の外径と同等であるにかかわらず、針部2の流路抵抗
は、33G針の流路抵抗の約2分の1である350gf
(3.43N)以下の値を示している。
5倍の流路抵抗を示すのに対し、針部2は、31G針の
約0.9倍の流路抵抗を示している。つまり、本実施の
形態に係る針部2は、流路抵抗に関し、公知の31G針
および33G針より優れた特性を有する。
刺通抵抗および流路抵抗の測定結果を示している。これ
らの結果から明らかなように、いずれの実施例において
も、刺通抵抗が7.1gf以下かつ流路抵抗が350g
f以下の値を示しており、各実施例は、優れた特性を有
している。
いて説明する。
から直接あるいはゴム栓を介して、吸い取られ、薬液注
入装置1の本体4の内部空間41に収容される。
対象となる患者の生体内へ、経皮的に穿刺される。しか
し、穿刺部21の先端部21bは、従来の針よりも細
い。したがって、痛みに関係する神経あるいは血管ヘの
刺激、あるいは神経や血管の損傷を低下させることがで
き、痛みの発生が低減される。
内部空間41内の薬液8は、支持部3の通路31と針部
2の固定部22と穿刺部21とを通って、患者の生体
内、例えば、皮内、皮下、筋肉、粘膜あるいは各種臓器
に注入される。
大きく設定されているため、支持部3に対する十分な接
合力を発揮する。したがって、固定部22が支持部から
抜け落ちる虞はない。さらに、穿刺部21の基端部21
dは、その外径が比較的大きく設定されているため、十
分な強度を有する。したがって、穿刺部21が折れる事
態を防止できる。
1dの内径は、大きく設定されている。したがって、固
定部22と穿刺部21の流路抵抗が低減される。したが
って、薬液8を押し出すためのプランジャ5を押す力が
少なくて済み、薬液8を生体内へ良好に注入できる。
定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変す
ることができる例えば、穿刺部21の先端部21bの形
状は、必ずしも全長にわたって一定の外径を備える形状
に限定されない。例えば、図12に示されるように、先
端部21bの形状は、先細りであってもよい。なお、先
端部21bの軸心に沿う断面の外形線は、直線状あるい
はなだらかに湾曲した形状を呈している。
1の外径は、基端部21dから傾斜部21aにかけて連
続的に漸減する形状を有することも可能である。なお、
穿刺部21の軸心に沿う断面の外形線は、直線状あるい
はなだらかに湾曲した形状を呈している。
の形態は、先端部21bを全長にわたって略一定の外径
とする構成と比較して、傾斜部21aの近傍における先
端部21bの外径をより小さくできるため、患者に与え
る穿刺痛をより低減できる。
1aに向かって漸減する形状を有しているため、薬液8
は、先端部21bを通過する際に、その流速が加速さ
れ、傾斜部21aから勢いよく流出する。
薬液注入針10は、1本の穿刺部21を有しているが、
複数の穿刺部21を有するように構成することも可能で
ある。この場合、薬液8の注入量を増加させることが可
能となることに加え、薬液8が分散されて生体内に注入
されることに基づく薬物の迅速な効果が期待できる。
先端部の外径を、従来よりも小さくできる。したがっ
て、痛みに関係する神経あるいは血管への穿刺部による
刺激あるいは損傷を削減でき、患者に与える痛みを低減
ができる。また、穿刺部の基端側外径は、先端側外径よ
りも大きいため、穿刺部を生体内に穿刺するために必要
な強度を、十分確保できる。したがって、例えば、穿刺
部が折れて、穿刺が不可能となる事態を、防止すること
ができる。
外径が大きいため、固定部と支持部との接合面積を増や
すことができ、固定部を支持部に確実に固着することが
容易となる。したがって、穿刺部の先端部の外径が小さ
くとも、液体注入針および液体注入装置が容易に製造で
きる。
径を大きくできるので、液体を生体内ヘ注入するときの
流路抵抗を低減できる。したがって、液体を押し出すた
めの力が少なくて済み、液体を生体内へ良好に注入する
ことができる。
面図である。
る。
側面図である。
注入針の拡大図である。
るための図、(B)は、薬液注入針の第2研削角を説明
するための図、(C)は、薬液注入針の断面角を説明す
るための、(A)の線A−Aについての断面図である。
る。
である。
針部との螺合方法を説明するための図である。
ある。
抵抗の測定結果を示す図である。
である。
である。
Claims (36)
- 【請求項1】 液体を注入するための中空の針部と、針
部が固着される支持部とを有する液体注入針であって、 前記針部は、前記支持部の内部を延長する固定部と、前
記支持部から外方へ突出し、生体内ヘ穿刺可能である穿
刺部とからなり、 前記穿刺部の先端側外径は、0.1mm以上かつ0.2
5mm以下であり、 前記穿刺部の基端側外径は、前記先端側外径よりも大き
いことを特徴とする液体注入針。 - 【請求項2】 前記基端側外径は、0.3mm以上かつ
2mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の液
体注入針。 - 【請求項3】 前記穿刺部の全長は、1.5mm以上か
つ15mm以下であることを特徴とする請求項1に記載
の液体注入針。 - 【請求項4】 前記穿刺部は、先端部と中間部と基端部
とからなり、 前記先端部および基端部は、全長にわたって略一定の外
径を有し、 前記中間部は、先端部に向かい外径が漸減し、前記先端
部と前記基端部とを滑らかに繋ぐことを特徴とする請求
項1に記載の液体注入針。 - 【請求項5】 前記穿刺部の外径は、前記支持部から先
端に向かって漸減することを特徴とする請求項1に記載
の液体注入針。 - 【請求項6】 前記穿刺部の全長は、1.5mm以上か
つ5mm以下であり、 前記先端側外径は、前記全長の2/3以上となる長さに
わたって、0.1mm以上かつ0.25mm以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の液体注入針。 - 【請求項7】 前記穿刺部の全長は、5mm以上かつ1
5mm以下であり、 前記先端側外径は、前記全長の3/5以上となる長さに
わたって、0.1mm以上かつ0.25mm以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の液体注入針。 - 【請求項8】 前記液体は、生体に作用する薬剤を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の液体注入針。 - 【請求項9】 前記液体は、自己投与されることを特徴
とする請求項1に記載の液体注入針。 - 【請求項10】 前記穿刺部の刺通抵抗は、7重量グラ
ム以下であることを特徴とする請求項1に記載の液体注
入針。 - 【請求項11】 前記針部の流路抵抗は、水を使用して
20μl/秒の流量を維持する場合、350重量グラム
以下であることを特徴とする請求項1に記載の液体注入
針。 - 【請求項12】 液体を注入するための中空の針部と、
針部が固着される支持部とを有する液体注入針であっ
て、 前記針部は、前記支持部の内部を延長する固定部と、前
記支持部から外方へ突出し、生体内ヘ穿刺可能である穿
刺部とからなり、 前記穿刺部の基端側外径は、前記穿刺部の先端側外径よ
りも大きく、 前記穿刺部の刺通抵抗は、7重量グラム以下であること
を特徴とする液体注入針。 - 【請求項13】 前記液体は、生体に作用する薬剤を含
むことを特徴とする請求項12に記載の液体注入針。 - 【請求項14】 前記液体は、自己投与されることを特
徴とする請求項12に記載の液体注入針。 - 【請求項15】 前記針部の流路抵抗は、水を使用して
20μl/秒の流量を維持する場合、350重量グラム
以下であることを特徴とする請求項12に記載の液体注
入針。 - 【請求項16】 液体を注入するための中空の針部と、
針部が固着される支持部とを有する液体注入針であっ
て、 前記針部は、前記支持部の内部を延長する固定部と、前
記支持部から外方へ突出し、生体内ヘ穿刺可能である穿
刺部とからなり、 前記穿刺部の基端側外径は、前記穿刺部の先端側外径よ
りも大きく、 前記針部の流路抵抗は、水を使用して20μl/秒の流
量を維持する場合、350重量グラム以下であることを
特徴とする液体注入針。 - 【請求項17】 前記液体は、生体に作用する薬剤を含
むことを特徴とする請求項16に記載の液体注入針。 - 【請求項18】 前記液体は、自己投与されることを特
徴とする請求項16に記載の液体注入針。 - 【請求項19】 請求項1に記載の液体注入針を備える
液体注入装置であって、 当該液体注入装置は、 液体が収容される内部空間を有する本体と、本体の一端
に設けられる支持部とを有し、 前記液体注入針の針部は、内部空間と連通可能に前記支
持部に固着されることを特徴とする液体注入装置。 - 【請求項20】 前記基端側外径は、0.3mm以上か
つ2mm以下であることを特徴とする請求項19に記載
の液体注入装置。 - 【請求項21】 前記穿刺部の長さは、1.5mm以上
かつ15mm以下であることを特徴とする請求項19に
記載の液体注入装置。 - 【請求項22】 前記穿刺部は、先端部と中間部と基端
部とからなり、 前記先端部および基端部は、全長にわたって略一定の外
径を有し、 前記中間部は、先端部に向かい外径が漸減し、前記先端
部と前記基端部とを滑らかに繋ぐことを特徴とする請求
項19に記載の液体注入装置。 - 【請求項23】 前記穿刺部の外径は、前記支持部から
先端に向かって漸減することを特徴とする請求項19に
記載の液体注入装置。 - 【請求項24】 前記穿刺部の全長は、1.5mm以上
かつ5mm以下であり、 前記先端側外径は、前記全長の2/3以上の長さにわた
って、0.1mm以上かつ0.25mm以下であること
を特徴とする請求項19に記載の液体注入装置。 - 【請求項25】 前記穿刺部の全長は、5mm以上かつ
15mm以下であり、 前記先端側外径は、前記全長の3/5以上の長さにわた
って、0.1mm以上かつ0.25mm以下であること
を特徴とする請求項19に記載の液体注入装置。 - 【請求項26】 前記液体は、生体に作用する薬剤を含
むことを特徴とする請求項19に記載の薬液注入装置。 - 【請求項27】 前記液体は、自己投与されることを特
徴とする請求項19に記載の薬液注入装置。 - 【請求項28】 前記穿刺部の刺通抵抗は、7重量グラ
ム以下であることを特徴とする請求項19に記載の液体
注入装置。 - 【請求項29】 前記針部の流路抵抗は、水を使用して
20μl/秒の流量を維持する場合、350重量グラム
以下であることを特徴とする請求項19に記載の液体注
入装置。 - 【請求項30】 請求項12に記載の液体注入針を備え
る液体注入装置であって、 当該液体注入装置は、 液体が収容される内部空間を有する本体と、本体の一端
に設けられる支持部とを有し、 前記液体注入針の針部は、内部空間と連通可能に前記支
持部に固着されることを特徴とする液体注入装置。 - 【請求項31】 前記液体は、生体に作用する薬剤を含
むことを特徴とする請求項30に記載の薬液注入装置。 - 【請求項32】 前記液体は、自己投与されることを特
徴とする請求項30に記載の薬液注入装置。 - 【請求項33】 前記針部の流路抵抗は、水を使用して
20μl/秒の流量を維持する場合、350重量グラム
以下であることを特徴とする請求項30に記載の液体注
入装置。 - 【請求項34】 請求項16に記載の液体注入針を備え
る液体注入装置であって、 当該液体注入装置は、 液体が収容される内部空間を有する本体と、本体の一端
に設けられる支持部とを有し、 前記液体注入針の針部は、内部空間と連通可能に前記支
持部に固着されることを特徴とする液体注入装置。 - 【請求項35】 前記液体は、生体に作用する薬剤を含
むことを特徴とする請求項34に記載の薬液注入装置。 - 【請求項36】 前記液体は、自己投与されることを特
徴とする請求項34に記載の薬液注入装置。
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