JP2002284919A - ポリオレフィン製微多孔膜 - Google Patents

ポリオレフィン製微多孔膜

Info

Publication number
JP2002284919A
JP2002284919A JP2001275038A JP2001275038A JP2002284919A JP 2002284919 A JP2002284919 A JP 2002284919A JP 2001275038 A JP2001275038 A JP 2001275038A JP 2001275038 A JP2001275038 A JP 2001275038A JP 2002284919 A JP2002284919 A JP 2002284919A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyethylene
temperature
microporous membrane
stretching
polypropylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001275038A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4698091B2 (ja
JP2002284919A5 (ja
Inventor
Yusuke Nagashima
祐介 永島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2001275038A priority Critical patent/JP4698091B2/ja
Publication of JP2002284919A publication Critical patent/JP2002284919A/ja
Publication of JP2002284919A5 publication Critical patent/JP2002284919A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4698091B2 publication Critical patent/JP4698091B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Cell Separators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた透過性能と高い突刺強度を維持し、熱
収縮率が小さく、そして耐熱性と孔閉塞特性を高次元で
両立させたポリオレフィン製微多孔膜を提供すること。 【解決手段】 ホモポリマーポリエチレン、コポリマー
ポリエチレン及びポリプロピレンからなり、GPC/F
TIRより求められる分子量と末端メチル基濃度との相
関が特定の関係を満たすことを特徴とするポリオレフィ
ン製微多孔膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池用セパレータ
に適したポリオレフィン製微多孔膜、特にリチウムイオ
ン二次電池用セパレータとして好適に使用されるポリオ
レフィン製微多孔膜に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィンを素材とする微多孔膜
は、種々の電池にセパレータとして使用されており、な
かでも、ポリエチレン製微多孔膜は、近年、需要が急増
しているリチウムイオン二次電池において好適に使用さ
れている。ポリエチレン製微多孔膜は、電子絶縁性に優
れる、電解液含浸によりイオン透過性を有する、耐電解
液性・耐酸化性に優れる、孔閉塞効果を有している、適
度の強度を持っている等の性能を有しており、これが好
適に使用される理由とみられる。
【0003】本発明者は、先に特願2000−2249
47において、ポリエチレン及びポリプロピレンからな
るポリオレフィン製微多孔膜を提案した。これは、微多
孔膜においてポリエチレンとポリプロピレンを特定の組
成分布構造とすることにより、従来の微多孔膜に高い破
膜温度と優れた高温オーブン特性を賦与したものであ
る。しかしながら、この方法により孔閉塞性能は低下す
る可能性があった。孔閉塞性能を高める技術としては、
本出願人はWO97/20883において、プロピレン
単位含量が0.1〜4モル%の線状共重合ポリエチレン
を構成材料として使用するポリエチレン製微多孔膜を提
案している。しかしながら、この方法では破膜温度の低
下及びオーブン特性の低下が懸念され、また熱収縮率が
大きくなる可能性があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電池用セパ
レータ、特にリチウムイオン二次電池用セパレータとし
て、優れた透過性能と高い突刺強度を維持し、熱収縮率
が小さく、そして耐熱性と孔閉塞特性を高次元で両立さ
せた、ポリオレフィン製微多孔膜を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決したものである。すなわち本発明は、ホモポリマーポ
リエチレン、コポリマーポリエチレン及びポリプロピレ
ンからなるポリオレフィン製微多孔膜であり、GPC/
FTIRより求められる分子量M(i)の常用対数値と
末端メチル基濃度C(M(i))の値との最小二乗法近
似直線関係が、M(i)10万以上100万以下の分子
量範囲において、 C(M(i))=A×log(M(i))+B
(A、Bは定数)−0.015≦A≦2.0 であることを特徴とする、ポリオレフィン製微多孔膜に
関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳述する。本発明
のポリオレフィン製微多孔膜は、ホモポリマーポリエチ
レン、コポリマーポリエチレン及びポリプロピレンから
なり、それらの混合物より形成されていることが好まし
く、ホモポリマーポリエチレン及び/又はコポリマーポ
リエチレンがマトリクスであることがさらに好ましい。
ホモポリマーポリエチレンの全膜構成材料に占める割合
としては、1%以上98%以下が好ましい。
【0007】コポリマーポリエチレンの全膜構成材料に
占める割合としては、孔閉塞性能の観点から1%以上9
8%以下が好ましく、より好ましくは3%以上70%以
下であり、5%以上40%以下がさらに好ましい。ポリ
プロピレンの全膜構成材料に占める割合としては、得ら
れる膜の破膜温度と高温オーブン特性の観点から、1%
以上が好ましく、孔閉塞性能と、突刺強度と透気度との
物性バランスの観点から30%未満が好ましい。より好
ましくは1%以上10%未満である。
【0008】ポリオレフィン製微多孔膜におけるホモポ
リマーポリエチレン、コポリマーポリエチレン、及びポ
リプロピレンの存在の確認は、それぞれの材料が異なる
融点を持つため、ポリオレフィン製微多孔膜のDSC測
定により行うことが出来る。また、ポリオレフィン製微
多孔膜のファーストランのDSC測定より求められる各
材料の融点ピークの△Hより、それらの量比についても
確認することが可能である。
【0009】本発明におけるポリオレフィン製微多孔膜
の分子量は、得られる膜の破膜温度と高温オーブン特性
の観点から、ポリエチレン換算の粘度平均分子量で5万
以上が好ましく、製膜性の観点から100万以下が好ま
しい。より好ましくは10万〜80万であり、15万〜
60万がさらに好ましい。本発明のポリオレフィン製微
多孔膜は、GPC/FTIRより求められる分子量M
(i)の常用対数値と末端メチル基濃度C(M(i))
の値との最小二乗法近似直線関係が、M(i)10万以
上100万以下の分子量範囲において、 C(M(i))=A×log(M(i))+B
(A、Bは定数)−0.015≦A≦2.0 である。
【0010】GPC/FTIR測定で求められる分子量
分布と末端メチル基濃度は、いずれも本発明の微多孔膜
を構成するホモポリマーポリエチレンとコポリマーポリ
エチレンとポリプロピレンとの合算値となる。分子量M
(i)はポリエチレン換算分子量である。末端メチル基
濃度C(M(i))は、メチル基に帰属される吸光度I
(−CH3)(吸収波数2960cm-1)とメチレン基
に帰属される吸光度I(−CH2−)(吸収波数292
5cm-1)との比I(−CH3)/ I(−CH2−)と
する。ここで、C(M(i))は全ポリマーの側鎖末端
のメチル基と主鎖末端のメチル基との和となるが、ポリ
プロピレンにおける側鎖メチル基のC(M(i))への
影響度合いは大きいため、M(i)とC(M(i))と
の相関より膜中のポリプロピレンの分子量分布を判断す
ることが出来る。
【0011】本発明では、C(M(i))のlogM
(i)との最小二乗法近似直線関係において定数Aが−
0.015以上2.0以下にあることが必須であり、好
ましくは−0.012以上1.0以下、より好ましくは
0以上0.5以下である。定数Aが−0.015より小
さいことは、膜中において、ポリプロピレンの低分子量
成分がポリプロピレンの高分子量成分と比較して非常に
多いことを意味しており、この場合、本発明の優れた効
果は十分に発現されない。定数Aが2.0を越える微多
孔膜を得ることは実質上困難である。
【0012】本発明におけるポリオレフィン製微多孔膜
の厚みは膜強度の観点から3μm以上が好ましく、透気
度の観点から100μm以下が好ましい。より好ましく
は5〜50μmであり、5〜30μmがもっとも好まし
い。本発明のポリオレフィン製微多孔膜の気孔率は、電
池セパレータとして使用される場合の電解液含浸量の観
点から20%以上が好ましく、膜強度の観点から80%
以下が好ましい。より好ましくは30〜70%である。
【0013】本発明におけるポリオレフィン製微多孔膜
の透気度は、1sec以上が好ましく、イオン透過性の
観点から2000sec以下であることが好ましい。よ
り好ましくは80〜1000secである。本発明にお
けるポリオレフィン製微多孔膜の突刺強度は、0.7〜
20.0N/20μmが好ましく、3.5〜20.0N
/20μmがさらに好ましい。突刺強度が低いと、電池
セパレータとして使用される場合、電極材等の鋭利部が
微多孔膜に突き刺さり、ピンホールや亀裂が発生するの
で、突刺強度は高い方が好ましい。
【0014】本発明におけるポリオレフィン製微多孔膜
の孔閉塞温度は120〜140℃が好ましく、破膜温度
は185〜300℃が好ましい。低い孔閉塞温度と高い
破膜温度を有することにより、本発明のポリオレフィン
製微多孔膜は、広い温度範囲での孔閉塞状態の保持を実
現している。よって、従来の電池のみならず、今後の高
容量化された電池においても、本発明の微多孔膜を組み
込むことにより、異常昇温及びそれによる発火の可能性
を著しく低減できると考えられる。
【0015】本発明におけるポリオレフィン製微多孔膜
の100℃熱収縮率は、MD(微多孔膜の長手方向であ
り、すなわち機械方向)及びTD(機械方向に垂直な方
向)共に0〜10%が好ましい。低い熱収縮率を有する
ことにより、本発明の微多孔膜を組み込む電池の乾燥工
程における歩留まりを向上させることが出来ると考えら
れる。本発明のポリオレフィン製微多孔膜は、MDを固
定した状態及びTDを固定した状態で150℃オーブン
中に1時間おいた後でも、破膜しないことを特長とす
る。これにより、本発明の微多孔膜を組み込んだ電池の
オーブン安全性は、従来より大きく向上すると考えられ
る。
【0016】次に、本発明の微多孔膜の製造方法の例を
説明する。本発明の微多孔膜は、特願2000−224
947で提案した工程により得ることができる。本発明
の微多孔膜は、例えば、以下の(a)〜(e)の工程を
含む方法により得られる。 (a)ホモポリマーポリエチレン、コポリマーポリエチ
レン、ポリプロピレン、可塑剤、及び酸化防止剤を窒素
雰囲気下で溶融混練する工程。 (b)溶融物を押し出し、シート状に成形して冷却固化
する工程。 (c)少なくとも一軸方向へ延伸を行う工程。 (d)可塑剤を抽出する工程。 (e)熱固定の工程
【0017】これらの工程の順序及び回数については特
に制限はないが、(a)工程→(b)工程→(c)工程
→(d)工程→(e)工程の順序、(a)工程→(b)
工程→(c)工程→(d)工程→(c)工程→(e)工
程の順序、或いは(a)工程→(b)工程→(d)工程
→(c)工程→(e)工程の順序が好ましく、(a)工
程→(b)工程→(c)工程→(d)工程→(e)工程
の順序、(a)工程→(b)工程→(c)工程→(d)
工程→(c)工程→(e)工程の順序がさらに好まし
い。
【0018】本発明のホモポリマーポリエチレンとは1
種のホモポリマーポリエチレン或いは複数のホモポリマ
ーポリエチレンのことである。ホモポリマーポリエチレ
ンの粘度平均分子量には特に制限はないが、3万〜30
0万が好ましく、5万〜100万がさらに好ましく、1
0万〜80万がもっとも好ましい。重合触媒には制限は
ない。重合方法としては、一段重合、二段重合、もしく
はそれ以上の多段重合等があるが、いずれの方法のホモ
ポリマーポリエチレンも使用可能である。
【0019】本発明のコポリマーポリエチレンとは、1
種のコポリマーポリエチレン或いは複数のコポリマーポ
リエチレンのことである。コポリマーポリエチレンのコ
モノマーは、エチレン以外のα−オレフィンコモノマー
である。α−オレフィンコモノマーの種類に特に制限は
ないが、プロピレン、1ーブテン、1ーペンテン、1ー
ヘキセン、4ーメチルー1ーペンテン、1ーオクテンの
単独若しくは2種以上併用が好ましく、プロピレンが単
独使用されていることがさらに好ましい。コポリマーポ
リエチレンのコモノマー含量は、孔閉塞性能の観点から
0.1モル%以上が好ましく、耐熱性、透過性能の観点
から4モル%以下が好ましい。より好ましくは0.2〜
3モル%、さらに好ましくは0.5〜2モル%である。
【0020】コポリマーポリエチレンのメルトインデッ
クス(MI)は特に制限はないが、好ましくは0.1未
満であり、0.07未満であることがさらに好ましく、
0.05未満であることがもっとも好ましい。コポリマ
ーポリエチレンの粘度平均分子量としても特に制限はな
いが、好ましくは3万〜300万であり、15万〜20
0万であることがさらに好ましく、20万〜80万であ
ることがもっとも好ましい。重合触媒には制限はない。
重合方法としては、一段重合、二段重合、もしくはそれ
以上の多段重合等があるが、いずれの方法のコポリマー
ポリエチレンも使用可能である。
【0021】本発明のポリプロピレンとは1種のポリプ
ロピレン或いは複数のポリプロピレンのことである。使
用するポリプロピレンとしては、ホモポリマーポリプロ
ピレン、ランダムコポリマーポリプロピレン、ブロック
コポリマーポリプロピレンが挙げられるが、コモノマー
(通常はエチレン)含量は1モル%以下であることが好
ましく、ホモポリマーポリプロピレンであることが好ま
しい。ポリプロピレンの粘度平均分子量は10万〜50
0万であることが好ましく、20万〜100万であるこ
とがさらに好ましい。重合触媒及び重合方法には特に制
限はない。
【0022】酸化防止剤の濃度は、0.3〜3.0wt
%が好ましく、0.5〜2.0wt%がさらに好まし
い。酸化防止剤としては、1次酸化防止剤であるフェノ
ール系酸化防止剤が好ましく、2,6−ジ−t−ブチル
−4−メチルフェノール、ペンタエリスリチル−テトラ
キス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート等が挙げられる。
【0023】なお、2次酸化防止剤である、トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、
テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,
4−ビフェニレン−ジフォスフォナイト等のリン系酸化
防止剤、ジラウリル−チオ−ジプロピオネート等のイオ
ウ系酸化防止剤も、必要に応じてフェノール系酸化防止
剤と併用して追加使用することが出来る。また、必要に
応じて、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸亜鉛等
の金属石鹸類、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、
防曇剤、着色顔料等の公知の添加剤も混合して使用する
ことが出来る。
【0024】さらに、ホモポリマーポリエチレン、コポ
リマーポリエチレン及びポリプロピレン以外のポリマー
材料や他の有機及び無機材料についても、電池用セパレ
ータとしての性能を損なうことなく、製膜性を損なうこ
となく、そして本発明の要件及び効果を損なわない範囲
で配合することができる。可塑剤は、ホモポリマーポリ
エチレン、コポリマーポリエチレン及びポリプロピレン
と混合した際に、その融点以上において均一溶液を形成
しうる不揮発性溶媒を指す。例えば、流動パラフィンや
パラフィンワックス等の炭化水素類、ジ−2−エチルヘ
キシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジヘプチ
ルフタレートなどが挙げられるが、炭化水素類が好まし
い。
【0025】可塑剤の(a)工程において溶融混練され
る全混合物中に占める質量割合は、得られる膜の気孔率
の観点から20〜80wt%が好ましく、30〜70w
t%がさらに好ましい。(d)工程において使用される
抽出溶媒としては、ホモポリマーポリエチレン、コポリ
マーポリエチレン、及びポリプロピレンに対して貧溶媒
であり、且つ可塑剤に対しては良溶媒であり、沸点がホ
モポリマーポリエチレン、コポリマーポリエチレン、及
びポリプロピレンの融点よりも低いものが望ましい。こ
のような抽出溶媒としては、n−ヘキサンやシクロヘキ
サン等の炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチル
ケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル
類、塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタン等の
ハロゲン化炭化水素類等の有機溶媒が挙げられる。この
中から適宜選択し、単独もしくは混合して用いられる。
【0026】(a)工程の溶融混練の方法としては、例
えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、タンブ
ラーブレンダー等で混合後、一軸押出し機、二軸押出し
機等のスクリュー押出し機、ニーダー、バンバリーミキ
サー等により溶融混練させる方法が挙げられる。溶融混
練する方法としては、連続運転可能な押出し機が好まし
く、二軸押出し機が混練性に優れる点でさらに好まし
い。可塑剤は、上記ヘンシェルミキサー等で原料ポリマ
ーと混合しても良く、また、溶融混練時に押出し機に直
接フィードしても良い。
【0027】溶融混練時の温度は、均一な混練物を得る
ために160℃以上が好ましく、本発明の微多孔膜の要
件を満たすために300℃以下が好ましい。より好まし
くは180〜250℃である。本発明のポリオレフィン
製微多孔膜を得るため、溶融混練工程では、高濃度の酸
化防止剤を配合し窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
これにより、構成材料のポリプロピレンの劣化は防止さ
れ、本発明の要件は満たされ、優れた耐熱性を賦与する
ことが可能となる。また、従来、構成材料のコポリマー
ポリエチレンは混練時に劣化しやすいため、過度に低融
点化した成分が結果として生じる問題があった。そのた
め、孔閉塞性能は改善されても熱固定が充分に出来なく
なり、収縮が悪化する傾向にあった。本発明のポリオレ
フィン製微多孔膜では、構成材料のポリプロピレンと共
にコポリマーポリエチレンも劣化が防止されているた
め、優れた耐熱性に加え、熱収縮率を悪化させることな
く優れた孔閉塞性能も賦与されている。
【0028】次に、(b)工程のシート成形方法として
は、例えば、T−ダイを装着した押出し機より溶融物を
押出し、冷却することによって得る方法が挙げられる。
冷却方法としては、冷風や冷却水等の冷却媒体に直接接
触させる方法、冷媒で冷却したロールに接触させる方法
等が挙げられるが、冷媒で冷却したロールに接触させる
方法が厚み制御が優れる点で好ましい。(c)工程の延
伸方法としては、例えば、一軸延伸機による延伸や、同
時二軸延伸機による延伸により行うことができる。
(a)工程→(b)工程→(c)工程→(d)工程→
(e)工程の順序で製造する場合の延伸条件、及び
(a)工程→(b)工程→(c)工程→(d)工程→
(c)工程→(e)工程の順序で製造する場合の最初の
延伸工程の延伸条件としては、延伸倍率は面倍率で20
倍以上が好ましく、40倍以上がさらに好ましい。延伸
温度は100〜135℃が好ましく、110〜130℃
がさらに好ましい。
【0029】(d)の抽出工程では、前記の抽出溶媒に
浸漬することにより全可塑剤を抽出し、その後充分に乾
燥させる。抽出により、膜中の可塑剤残量を1wt%未
満とすることが好ましい。(e)工程において、熱固定
処理を行うことにより、熱収縮率を低減することが出来
る。熱固定は、例えばTDテンターにより、100〜1
35℃程度の温度範囲でTD方向の応力を緩和させるこ
とにより施すことが出来る。
【0030】本発明の効果を損なわない範囲で、電子線
照射、プラズマ照射、界面活性剤塗布、化学的改質など
の表面処理を必要に応じ施すことが出来る。以下、実施
例及び比較例によって本発明を具体的に説明するが、こ
れらは本発明の範囲を制限しない。本発明で用いた各種
物性は、以下の試験方法に基づいて測定した。 (1)定数Aの算出 GPC/FTIR測定より、微多孔膜の分子量M(i)
の分布と末端メチル基濃度C(M(i))を求める。M
(i)はポリエチレン換算分子量である。C(M
(i))は、メチル基に帰属される吸光度I(−C
3)(吸収波数2960cm-1)とメチレン基に帰属
される吸光度I(−CH2−)(吸収波数2925cm
-1)との比I(−CH3)/ I(−CH2−)である。
logM(i)とC(M(i))との相関について、M
(i)10万以上100万以下の分子量範囲で最小二乗
法直線近似することにより、定数Aは得られる。 C(M(i))=A×log(M(i))+B
(A、Bは定数) なお、GPC/FTIR測定は以下の条件で行った。
【0031】[装置] Waters社製 ALC/GPC 150C型 [測定条件] カラム:昭和電工(株)製AT−807S(1本)と東
ソー(株)製GMH−HT6(2本)を直列に接続 移動相:トリクロロベンゼン(TCB) カラム温度:140℃ 流量:1.0ml/分 試料調製:20〜30mgの微多孔膜を、0.1wt%
の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを溶
解させたTCB溶液20mlへ140℃に加温して溶解
させる。 検出器:パーキンエルマー(株)社製FT−IR 17
60X
【0032】(2)膜厚(μm) 東洋精機製の微小測厚器(タイプKBM)を用いて室温
23℃で測定した。 (3)気孔率(%) 10cm×100cm角の試料を微多孔膜から切り取
り、その体積(cm3 )と質量(g)を求め、それらと
膜密度(g/cm3 )より、次式を用いて計算した。 気孔率=(体積−質量/膜密度)/体積×100 なお、膜密度はASTM−D1505に準拠し、密度勾
配管法(23℃)により測定した。
【0033】(4)透気度(sec) JIS P−8117に準拠し、ガーレー式透気度計
(東洋精器(株)製G−B2型)により測定した。 (5)突刺強度(N/20μm) カトーテック製KES−G5ハンディー圧縮試験器を用
いて、針先端の曲率半径0.5mm、突刺速度2mm/
secの条件で突刺試験を行うことにより、最大突刺荷
重として生の突刺強度(N)が得られる。これに20
(μm)/膜厚(μm)を乗じることにより20μm膜
厚換算突刺強度(N/20μm)を算出した。
【0034】(6)孔閉塞温度(℃)及び破膜温度
(℃) 厚さ10μmのニッケル箔を2枚(A、B)用意し、一
方のニッケル箔Aを縦15mm、横10mmの長方形部
分を残してテフロン(登録商標)テープでマスキングす
ると共に、他方のニッケル箔Bには測定試料の微多孔膜
を置き、微多孔膜の両端をテフロンテープで固定した。
このニッケル箔Bを規定の電解液に浸漬して微多孔膜に
電解液を含浸させた後、これらニッケル箔A、Bを張り
合わせ2枚のガラス板で両側を押さえた。このようにし
て作成したニッケル箔電極を25℃のオーブンに入れ2
00℃まで2℃/minで昇温した。
【0035】この際のインピーダンス変化を交流1V、
1kHzの条件下で測定した。この測定において、イン
ピーダンスが1000Ωに達した時点の温度を孔閉塞温
度とした。また、孔閉塞状態に達した後、再びインピー
ダンスが1000Ωを下回った時点の温度を破膜温度と
した。なお、規定の電解液の組成比は以下の通りであ
る。 溶媒の組成比(体積比):炭酸プロピレン/炭酸エチレ
ン/δ−ブチルラクトン=1/1/2 溶質の組成比:上記溶媒にてLiBF4を1mol/リ
ットルの濃度になるように溶かす
【0036】(7)100℃収縮率 120mm×120mm角の試料を微多孔膜より切り取
り、MD及びTDにそれぞれ3カ所100mm採寸し、
採寸したそれぞれの両端に油性ペンで印を付けた。作成
した試料は、あらかじめ100℃に設定したオーブンへ
速やかに入れた。この時、試料に直接熱風が当たらない
よう置く場所に注意した。1時間経過後、試料をオーブ
ンより取り出し、10分以上室温で静置した。その後、
MD及びTDで、それぞれ3カ所の印間の長さを読み、
平均の印間長さ(LMD、LTD;mm)を求めた。求めた
値を以下の式に代入することにより、MD及びTD収縮
率を算出した。 MD収縮率(%)=(100−LMD)/100×100 TD収縮率(%)=(100−LTD)/100×100
【0037】(8)150℃オーブン試験 60×40mm長方形の試料を微多孔膜よりMDが長
手方向、TDが長手方向となるようにそれぞれ切り取
り、外寸60mm、内寸40mm、厚さ1mmの正方形
のSUS枠に、枠内が試料で全て覆われるように中心位
置を合わせて置き、試料が枠に重なった部分をテフロン
粘着テープで固定することにより、MD固定試料、
TD固定試料を作成した。作成した試料は、あらかじめ
150℃に設定したオーブンへ速やかに入れた。この
時、試料に直接熱風が当たらないよう置く場所に注意し
た。1時間経過後、試料をオーブンより取り出し、状態
を観察した。
【0038】(9)粘度平均分子量Mv ASTM D4020に基づき、デカリン溶媒における
135℃での極限粘度[η]を求める。ポリエチレン
(ホモポリマーポリエチレン、コポリマーポリエチレ
ン)のMvは次式により算出した。 [η]=6.77×10-4Mv0.67 ポリプロピレンについては、次式によりMvを算出し
た。 [η]=1.10×10-4Mv0.80
【0039】(10)メルトインデックスMI ASTM D1238に基づき、温度190℃、荷重2
1.2Nで測定した。 (11)コモノマー含量(モル%)13 C−NMRスペクトルにおいて、コモノマー単位由来
のシグナル強度の積分値のモル換算量(A)を、(A)
と主モノマー単位由来のシグナル強度の積分値のモル換
算量(B)との和で除して得られた値に100を乗じる
ことにより、求めた。例えば、コモノマーとしてプロピ
レンを用いたコポリマーポリエチレンの場合、下記の構
造モデル(1)
【0040】
【化1】
【0041】において、I1、I1'、I2、I3、Iα、
Iβ、Iγ、Im、及びIMをそれぞれ対応する炭素に由
来する13C−NMRスペクトルのシグナル強度とする
と、 コモノマー含量(モル%)=(A)/((A)+
(B))×100 ここで、 (A)=(I1'+Im+Iα/2)/3、 (B)=(I1+I2+I3+IM+Iα/2+Iβ+I
γ)/2 となるので、末端の炭素由来のシグナル強度I1、I2
及びI3を無視して上式を整理すると、 コモノマー含量(モル%)=Im/(Im+(IM+5
m)/2)×100 となる。
【0042】
【実施例1】Mv25万のホモポリマーポリエチレン8
0wt%、Mv25万でプロピレン含量1.3mol%
のコポリマーポリエチレン15wt%、Mv40万のホ
モポリマーポリプロピレン5wt%をタンブラーブレン
ダーを用いてドライブレンドした。得られた純ポリマー
混合物99.4wt%に酸化防止剤としてペンタエリス
リチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0.6
wt%添加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドラ
イブレンドすることにより、ポリマー等混合物を得た。
得られたポリマー等混合物は窒素で充分に置換を行った
後に、二軸押出機へ窒素雰囲気下でフィーダーにより供
給した。また流動パラフィン(37.78℃における動
粘度7.59×10―52/s)を押出機シリンダーに
プランジャーポンプにより注入した。
【0043】溶融混練し、押し出される全混合物中に占
める流動パラフィン量比が55wt%となるように、フ
ィーダー及びポンプを調整した。溶融混練条件は、設定
温度200℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量
15kg/hで行った。続いて、溶融混練物を、T−ダ
イを経て表面温度30℃に制御された冷却ロール上に押
出しキャストすることにより、厚み1400μmのゲル
シートを得た。次に、同時二軸テンター延伸機に導き、
二軸延伸を行った。設定延伸条件は、MD倍率7.0
倍、TD倍率6.4倍、設定温度120℃である。次
に、メチルエチルケトン槽に導き、メチルエチルケトン
中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽出除去し、その
後メチルエチルケトンを乾燥除去した。
【0044】さらに、TDテンター熱固定機に導き、熱
固定を行った。熱固定条件は、最大延伸倍率1.4倍、
最終延伸倍率1.2倍、最大延伸時設定温度115℃、
最終延伸時設定温度127℃である。得られた微多孔膜
について、GPC/FTIRの測定を行い、定数Aを算
出した。また、膜厚、気孔率、透気度、突刺強度、孔閉
塞温度、破膜温度、100℃収縮率の測定を行った。な
お、膜密度は0.97であった。さらに、150℃オー
ブン試験を実施したところ、MD固定/TD固定共に、
非固定方向への幾分かの収縮は見られたが、破膜は生じ
ていなかった。以上の測定結果を表1に記載した。ま
た、GPC/FTIRのチャートを図1に示した。
【0045】
【実施例2】Mv25万のホモポリマーポリエチレン6
5wt%、Mv25万でプロピレン含量1.3mol%
のコポリマーポリエチレン30wt%、Mv40万のホ
モポリマーポリプロピレン5wt%をタンブラーブレン
ダーを用いてドライブレンドした。得られた純ポリマー
混合物99.4wt%に酸化防止剤としてペンタエリス
リチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0.6
wt%添加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドラ
イブレンドすることにより、ポリマー等混合物を得た。
得られたポリマー等混合物は窒素で充分に置換を行った
後に、二軸押出機へ窒素雰囲気下でフィーダーにより供
給した。また流動パラフィン(37.78℃における動
粘度7.59×10―52/s)を押出機シリンダーに
プランジャーポンプにより注入した。
【0046】溶融混練し、押し出される全混合物中に占
める流動パラフィン量比が55wt%となるように、フ
ィーダー及びポンプを調整した。溶融混練条件は、設定
温度200℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量
15kg/hで行った。続いて、溶融混練物を、T−ダ
イを経て表面温度30℃に制御された冷却ロール上に押
出しキャストすることにより、厚み1300μmのゲル
シートを得た。次に、同時二軸テンター延伸機に導き、
二軸延伸を行った。設定延伸条件は、MD倍率7.0
倍、TD倍率6.4倍、設定温度122℃である。
【0047】次に、メチルエチルケトン槽に導き、メチ
ルエチルケトン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽
出除去し、その後メチルエチルケトンを乾燥除去した。
さらに、TDテンター熱固定機に導き、熱固定を行っ
た。熱固定条件は、最大延伸倍率1.4倍、最終延伸倍
率1.3倍、最大延伸時設定温度110℃、最終延伸時
設定温度122℃である。得られた微多孔膜について、
GPC/FTIRの測定を行い、定数Aを算出した。ま
た、膜厚、気孔率、透気度、突刺強度、孔閉塞温度、破
膜温度、100℃収縮率の測定を行った。なお、膜密度
は0.97であった。さらに、150℃オーブン試験を
実施したところ、MD固定/TD固定共に、非固定方向
への幾分かの収縮は見られたが、破膜は生じていなかっ
た。以上の測定結果を表1に記載した。
【0048】
【実施例3】Mv40万のホモポリマーポリエチレン8
0wt%、Mv25万でプロピレン含量1.3mol%
のコポリマーポリエチレン15wt%、Mv40万のホ
モポリマーポリプロピレン5wt%をタンブラーブレン
ダーを用いてドライブレンドした。得られた純ポリマー
混合物99.0wt%に酸化防止剤としてペンタエリス
リチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を1.0
wt%添加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドラ
イブレンドすることにより、ポリマー等混合物を得た。
得られたポリマー等混合物は窒素で充分に置換を行った
後に、二軸押出機へ窒素雰囲気下でフィーダーにより供
給した。また流動パラフィン(37.78℃における動
粘度7.59×10―52/s)を押出機シリンダーに
プランジャーポンプにより注入した。
【0049】溶融混練し、押し出される全混合物中に占
める流動パラフィン量比が62wt%となるように、フ
ィーダー及びポンプを調整した。溶融混練条件は、設定
温度200℃、スクリュー回転数210rpm、吐出量
12kg/hで行った。続いて、溶融混練物を、T−ダ
イを経て表面温度25℃に制御された冷却ロール上に押
出しキャストすることにより、厚み1400μmのゲル
シートを得た。次に、同時二軸テンター延伸機に導き、
二軸延伸を行った。設定延伸条件は、MD倍率7.0
倍、TD倍率6.4倍、設定温度123℃である。
【0050】次に、メチルエチルケトン槽に導き、メチ
ルエチルケトン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽
出除去し、その後メチルエチルケトンを乾燥除去した。
さらに、TDテンター熱固定機に導き、熱固定を行っ
た。熱固定条件は、最大延伸倍率1.4倍、最終延伸倍
率1.2倍、最大延伸時設定温度123℃、最終延伸時
設定温度127℃である。得られた微多孔膜について、
GPC/FTIRの測定を行い、定数Aを算出した。ま
た、膜厚、気孔率、透気度、突刺強度、孔閉塞温度、破
膜温度、100℃収縮率の測定を行った。なお、膜密度
は0.97であった。さらに、150℃オーブン試験を
実施したところ、MD固定/TD固定共に、非固定方向
への幾分かの収縮は見られたが、破膜は生じていなかっ
た。以上の測定結果を表1に記載した。
【0051】
【実施例4】Mv55万のホモポリマーポリエチレン8
0wt%、Mv25万でプロピレン含量1.3mol%
のコポリマーポリエチレン15wt%、Mv40万のホ
モポリマーポリプロピレン5wt%をタンブラーブレン
ダーを用いてドライブレンドした。得られた純ポリマー
混合物99.0wt%に酸化防止剤としてペンタエリス
リチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を1.0
wt%添加し、再度タンブラーブレンダーを用いてドラ
イブレンドすることにより、ポリマー等混合物を得た。
得られたポリマー等混合物は窒素で充分に置換を行った
後に、二軸押出機へ窒素雰囲気下でフィーダーにより供
給した。また流動パラフィン(37.78℃における動
粘度7.59×10―52/s)を押出機シリンダーに
プランジャーポンプにより注入した。
【0052】溶融混練し、押し出される全混合物中に占
める流動パラフィン量比が64wt%となるように、フ
ィーダー及びポンプを調整した。溶融混練条件は、設定
温度200℃、スクリュー回転数210rpm、吐出量
12kg/hで行った。続いて、溶融混練物を、T−ダ
イを経て表面温度25℃に制御された冷却ロール上に押
出しキャストすることにより、厚み1420μmのゲル
シートを得た。次に、同時二軸テンター延伸機に導き、
二軸延伸を行った。設定延伸条件は、MD倍率7.0
倍、TD倍率6.4倍、設定温度122℃である。
【0053】次に、メチルエチルケトン槽に導き、メチ
ルエチルケトン中に充分に浸漬して流動パラフィンを抽
出除去し、その後メチルエチルケトンを乾燥除去した。
さらに、TDテンター熱固定機に導き、熱固定を行っ
た。熱固定条件は、最大延伸倍率1.5倍、最終延伸倍
率1.3倍、最大延伸時設定温度115℃、最終延伸時
設定温度123℃である。得られた微多孔膜について、
GPC/FTIRの測定を行い、定数Aを算出した。ま
た、膜厚、気孔率、透気度、突刺強度、孔閉塞温度、破
膜温度、100℃収縮率の測定を行った。なお、膜密度
は0.97であった。さらに、150℃オーブン試験を
実施したところ、MD固定/TD固定共に、非固定方向
への幾分かの収縮は見られたが、破膜は生じていなかっ
た。以上の測定結果を表1に記載した。
【0054】
【比較例1】Mv25万のホモポリマーポリエチレン9
5wt%とMv40万のホモポリマーポリプロピレン5
wt%をタンブラーブレンダーを用いてドライブレンド
した。得られた純ポリマー混合物99.7wt%に酸化
防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス−[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]を0.3wt%添加し、再度タンブラ
ーブレンダーを用いてドライブレンドすることにより、
ポリマー等混合物を得た。得られたポリマー等混合物は
窒素置換を行うことなく、二軸押出機へフィーダーによ
り供給した。また流動パラフィン(37.78℃におけ
る動粘度7.59×10―52/s)を押出機シリンダ
ーにポンプにより注入した。溶融混練し、押し出される
全混合物中に占める流動パラフィン量比が55wt%と
なるように、フィーダー及びポンプを調整した。溶融混
練条件は、設定温度200℃、スクリュー回転数250
rpm、吐出量15kg/hで行った。
【0055】続いて、溶融混練物を、T−ダイを経て表
面温度30℃に制御された冷却ロール上に押出しキャス
トすることにより、厚み1450μmのゲルシートを得
た。次に、同時二軸テンター延伸機に導き、二軸延伸を
行った。設定延伸条件は、MD倍率7.0倍、TD倍率
6.4倍、設定温度120℃である。次に、メチルエチ
ルケトン槽に導き、メチルエチルケトン中に充分に浸漬
して流動パラフィンを抽出除去し、その後メチルエチル
ケトンを乾燥除去した。
【0056】さらに、TDテンター熱固定機に導き、熱
固定を行った。熱固定条件は、最大延伸倍率1.5倍、
最終延伸倍率1.3倍、最大延伸時設定温度125℃、
最終延伸時設定温度130℃である。得られた微多孔膜
について、GPC/FTIRの測定を行い、定数Aを算
出した。また、膜厚、気孔率、透気度、突刺強度、孔閉
塞温度、破膜温度、100℃収縮率の測定を行った。な
お、膜密度は0.97であった。さらに、150℃オー
ブン試験を実施したところ、MD固定/TD固定共に、
破膜して枠より外れていた。以上の測定結果を表1に記
載した。
【0057】
【比較例2】Mv25万のホモポリマーポリエチレン7
0wt%、Mv25万でプロピレン含量1.3mol%
のコポリマーポリエチレン30wt%をタンブラーブレ
ンダーを用いてドライブレンドした。得られた純ポリマ
ー混合物99.7wt%に、酸化防止剤としてペンタエ
リスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を
0.3wt%添加し、タンブラーブレンダーを用いてド
ライブレンドすることにより、ポリマー等混合物を得
た。得られたポリマー等混合物は窒素置換を行うことな
く、二軸押出機へフィーダーにより供給した。また流動
パラフィン(37.78℃における動粘度7.59×1
0―52/s)を押出機シリンダーにポンプにより注入
した。溶融混練し、押し出される全混合物中に占める流
動パラフィン量比が55wt%となるように、フィーダ
ー及びポンプを調整した。溶融混練条件は、設定温度2
00℃、スクリュー回転数250rpm、吐出量15k
g/hで行った。
【0058】続いて、溶融混練物を、T−ダイを経て表
面温度30℃に制御された冷却ロール上に押出しキャス
トすることにより、厚み1470μmのゲルシートを得
た。次に、同時二軸テンター延伸機に導き、二軸延伸を
行った。設定延伸条件は、MD倍率7.0倍、TD倍率
6.4倍、設定温度121℃である。次に、メチルエチ
ルケトン槽に導き、メチルエチルケトン中に充分に浸漬
して流動パラフィンを抽出除去し、その後メチルエチル
ケトンを乾燥除去した。
【0059】さらに、TDテンター熱固定機に導き、熱
固定を行った。熱固定条件は、最大延伸倍率1.4倍、
最終延伸倍率1.2倍、最大延伸時設定温度108℃、
最終延伸時設定温度113℃である。得られた微多孔膜
について、GPC/FTIRの測定を行い、定数Aを算
出した。また、膜厚、気孔率、透気度、突刺強度、孔閉
塞温度、破膜温度、100℃収縮率の測定を行った。な
お、膜密度は0.97であった。さらに、150℃オー
ブン試験を実施したところ、MD固定/TD固定共に、
破膜して枠より外れていた。以上の測定結果を表1に記
載した。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン製微多孔膜は、
優れた透過性能と高い突刺強度を維持し、熱収縮率が小
さく、そして耐熱性と孔閉塞特性を高次元で両立してい
る。それにより、従来の微多孔膜よりも高性能な二次電
池を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のGPC/FTIRのチャート図であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホモポリマーポリエチレン、コポリマー
    ポリエチレン及びポリプロピレンからなるポリオレフィ
    ン製微多孔膜であり、GPC/FTIRより求められる
    分子量M(i)の常用対数値と末端メチル基濃度C(M
    (i))の値との最小二乗法近似直線関係が、M(i)
    10万以上100万以下の分子量範囲において、 C(M(i))=A×log(M(i))+B
    (A、Bは定数)−0.015≦A≦2.0 であることを特徴とする、ポリオレフィン製微多孔膜。
JP2001275038A 2001-01-22 2001-09-11 ポリオレフィン製微多孔膜 Expired - Lifetime JP4698091B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001275038A JP4698091B2 (ja) 2001-01-22 2001-09-11 ポリオレフィン製微多孔膜

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-13705 2001-01-22
JP2001013705 2001-01-22
JP2001013705 2001-01-22
JP2001275038A JP4698091B2 (ja) 2001-01-22 2001-09-11 ポリオレフィン製微多孔膜

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2002284919A true JP2002284919A (ja) 2002-10-03
JP2002284919A5 JP2002284919A5 (ja) 2007-11-08
JP4698091B2 JP4698091B2 (ja) 2011-06-08

Family

ID=26608091

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001275038A Expired - Lifetime JP4698091B2 (ja) 2001-01-22 2001-09-11 ポリオレフィン製微多孔膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4698091B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004085525A1 (ja) * 2003-03-24 2006-06-29 旭化成ケミカルズ株式会社 ポリエチレン微多孔膜
JP2010235654A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Asahi Kasei E-Materials Corp ポリオレフィン製微多孔膜
US8338017B2 (en) 2007-10-12 2012-12-25 Toray Battery Separator Film Co., Ltd. Microporous membrane and manufacturing method
JP2013171792A (ja) * 2012-02-22 2013-09-02 Toyota Industries Corp 蓄電装置、及び車両

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108623876B (zh) * 2017-03-24 2021-07-06 旭化成株式会社 聚烯烃微多孔膜及聚烯烃微多孔膜的制备方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004085525A1 (ja) * 2003-03-24 2006-06-29 旭化成ケミカルズ株式会社 ポリエチレン微多孔膜
JP4884008B2 (ja) * 2003-03-24 2012-02-22 旭化成イーマテリアルズ株式会社 ポリエチレン微多孔膜
US8338017B2 (en) 2007-10-12 2012-12-25 Toray Battery Separator Film Co., Ltd. Microporous membrane and manufacturing method
JP2010235654A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Asahi Kasei E-Materials Corp ポリオレフィン製微多孔膜
JP2013171792A (ja) * 2012-02-22 2013-09-02 Toyota Industries Corp 蓄電装置、及び車両

Also Published As

Publication number Publication date
JP4698091B2 (ja) 2011-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5046640B2 (ja) ポリオレフィン製微多孔膜
KR101477176B1 (ko) 폴리올레핀 미세 다공막, 그 제조 방법, 전지용 세퍼레이터 및 전지
KR101318103B1 (ko) 미세다공성 막, 전지 세퍼레이터 및 전지
TWI405800B (zh) 聚烯烴微多孔膜及使用它之電池用隔離材與電池
KR100943236B1 (ko) 용융파단 특성이 우수한 폴리올레핀 미세다공막 및 그제조방법
KR101318062B1 (ko) 미세다공성 막, 전지 세퍼레이터 및 전지
JP5453272B2 (ja) 微多孔膜およびそのような膜を製造し使用する方法
TWI393285B (zh) 聚烯烴微多孔膜及其製法、以及電池用隔離材與電池
JP4804079B2 (ja) ポリオレフィン製微多孔膜
JP5057654B2 (ja) ポリエチレン製微多孔膜
WO1997023554A1 (en) Short circuit-resistant polyethylene microporous film
JP2002284918A (ja) ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法並びに用途
JP4606532B2 (ja) ポリオレフィン製微多孔膜
JP4698078B2 (ja) ポリオレフィン製微多孔膜及びその製造方法
JP2002128943A (ja) ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法
WO2021033735A1 (ja) ポリオレフィン微多孔膜、積層体、及び電池
WO1997020883A1 (en) Microporous polyethylene membranes having low fusing temperatures
TW201940528A (zh) 多孔性聚烯烴薄膜
JP5073916B2 (ja) リチウムイオン電池用セパレーター用ポリオレフィン製微多孔膜
JP3995467B2 (ja) ポリオレフィン製微多孔膜
KR100970021B1 (ko) 다공질 필름, 이 필름을 포함하는 전지용 세퍼레이터 및 이 세퍼레이터를 사용하는 비수 전해질 전지
CN100545197C (zh) 由聚烯烃制成的微孔膜
JP3995471B2 (ja) ポリオレフィン製微多孔膜
JP4698091B2 (ja) ポリオレフィン製微多孔膜
JP4507334B2 (ja) ポリマーブレンド微多孔膜

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070906

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20070906

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070919

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20071019

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20071108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071204

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080311

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080507

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080626

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110301

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4698091

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term