JP2002275508A - 半導体製品加工用切断刃およびその製造方法 - Google Patents
半導体製品加工用切断刃およびその製造方法Info
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Abstract
済性に優れた半導体製品加工用切断刃とその製造方法を
提供する。 【解決手段】 刃先部1の超硬合金Aとボディ部2の超硬
合金Bを一体に接合した構成である。 A:重量比でCrの炭化物およびVの炭化物の少なくとも一
方を0.1%以上3%以下、金属結合相を0.2%以下含み、
残部がWCおよびW2Cで構成され、かつビッカース硬度が
23.0GPa以上の超硬合金。 B:重量比でWCを85%以上95%以下、TiC、TiCN、TaC、N
bC、Mo2C、VCおよびCr3C2の中から選ばれた物質の少
なくとも1種を0.1%以上6%以下含有し、残部がCoおよ
びNiの少なくとも一方を含有する金属結合相で構成さ
れ、抗折力が3.0GPa以上、ビッカース硬度が15.0GPa以
上の超硬合金。
Description
経済性に優れる半導体製品加工用切断刃とその製造方法
に関するものである。
切断刃は、寿命の長いもの、即ち、耐摩耗性、耐欠損性
をより高めたものが望まれているが、その2つの要求に
応え、同時に経済性も向上させた材料はまだ出ていな
い。
(1)特開平4-198453号公報に示されるもの、(2)特開
平5-59481号公報に示されるもの、或いは(3)特開平4-
202738号公報に示されるものがある。
族金属元素の特定粒径の炭化物質の硬質相と特定量の鉄
族の金属結合相とから成る超硬合金であって、ビッカー
ス硬度が18.0GPa以上である。
てMoやMo2CやVCの硬質相を加え、さらに、Coベースの
結合相を加えた超硬合金であって、ビッカース硬度が2
3.0GPa以上である。
さなWC−Co系超硬合金であって、飽和磁気量とCo量との
関係を特定することで強度と安定性を向上させて微細加
工での適性を向上させている。
高硬度化により耐摩耗性が飛躍的に向上している反面、
耐欠損性が低下し、半導体製品加工用切断刃の材料とし
ては満足いくものではなかった。
方晶窒化硼素)の刃先部と超硬合金のボディを複合化し
たタイバーカットパンチ(ICリードフレーム用切断刃)
を開示している。これは、刃先部がcBN多結晶焼結体で
あるため耐摩耗性に優れ、ボディは超硬合金であるため
耐欠損性に優れる。しかし、高価なcBN多結晶焼結体を
用いているのでコストアップが避けられない。また、超
硬合金と異種材料のcBN多結晶焼結体を接合しているた
め、接合強度にも問題があり、ボディによる刃先部の補
強効果(ボディによる刃先部の欠損防止効果)もあまり
期待できない。
材料の中で最も一般的な材料であり、他の耐摩耗性材料
に比べて安価であるが、耐摩耗性と耐欠損性の双方に優
れるものがなく、従って、超硬合金を材料にした半導体
製品加工用切断刃は、早期摩耗又は欠損が生じて短寿命
となる。
た特開平7-242982号公報のタイバーカットはコスト高と
なり、ボディによる刃先部の補強が十分でないため、耐
欠損性にも問題がある。
欠損性を両立させ、さらに経済性やボディによる刃先部
補強効果も高めた半導体製品加工用切断刃とその製造方
法を提供することにある。
ィ部とで組成および機械的特性の異なる超硬合金を接合
することにより上記の目的を達成する。
は、下記の超硬合金Aで形成される刃先部と、下記の超
硬合金Bで形成されるボディ部が一体に接合されている
ことを特徴とする。
少なくとも一方を0.1%以上3%以下、金属結合相を0.2
%以下含み、残部がWC及びW2Cならびに不純物で構成さ
れ、ビッカース硬度が23.0GPa以上の超硬合金。
TiCN、TaC、NbC、Mo2C、VCおよびCr3C2の中から選ば
れた物質の少なくとも1種を0.1%以上6%以下含有し、
残部が金属結合相と不純物とで構成され、抗折力が3.0G
Pa以上、ビッカース硬度が15.0GPa以上の超硬合金。
晶(100)面の回折強度をIwc(100)、WC結晶(101)面
の回折強度をIwc(101)としたときに、Iwc(100)/Iwc
(101)が0.65以上0.9以下で、WC結晶(100)面およびW
C結晶(101)面の回折ピークの半価値幅が0.4以上0.6以
下であることを満たし、金属不純物の合計含有量が500p
pm以下で構成された超硬合金であることが好ましい。
がより望ましい。
超硬合金の金属結合相の含有量に差がつくようにしてい
る(刃先部側が少ない)。ただし、その差が大きくなる
場合には、刃先部とボディ部との間に超硬合金で形成さ
れる中間層を介在し、その中間層の金属結合相の含有量
を刃先部より多く、ボディ部より少なくすることが好ま
しい。この中間層の結合相量は刃先部からボディ部側に
向かって増加させた構成が望ましい。
均粒径は、0.5μm以上であることが望ましい。
方法により製造することが好適である。
先部用の超硬合金粉末を黒鉛型に充填する工程。充填し
た粉末に19.5MPa(200kg/cm2)以上50.0MPa(500kg/cm
2)以下の圧力を加え、その加圧下で通電して黒鉛型を
1900℃以上2100℃以下に発熱させ、この状態を5分以上1
0分以下保持して黒鉛型内の超硬合金粉末を焼結一体化
する工程。
を説明する。
の高い超硬合金で、ボディ部を抗折力の高い超硬合金で
各々形成し、その2種類の超硬合金をそれぞれの合金に
含まれる金属結合相を介して一体化させることで耐摩耗
性と耐欠損性を両立させている。
用いた特開平7-242982号のタイバーカットの方が勝る
が、このタイバーカットは刃先部とボディ部の接合強
度、つまりはボディによる刃先部の補強に問題がある。
これに対し、この発明の切断刃は、超硬合金の金属結合
相が結びついて抗折力の高いボディ部が刃先部をしっか
り支えるため、耐欠損性が上記のタイバーカットよりも
向上し、耐摩耗性と耐欠損性がバランス良く発揮されて
寿命が延びる。
ているのでコストも下がる。刃先部は金属結合相がほと
んどなく、耐摩耗性に優れている。刃先部の金属結合相
量を0.2重量%以下としたのは、0.2%を越えると耐摩耗
性が低下するからである。金属結合相としては、Co、N
i、Feなどの鉄族金属が挙げられる。不純物は目的成分
以外の混入物で、具体的にはCo、Ni、Fe、Mo、Ca、Al、
Siなどの元素が挙げられる。例えば、WCを目的成分とし
てその粉末を分析すると、通常、FeやNi等がわずかに混
入している。また、Coを目的成分とした場合も、FeやNi
等が混入されている。従って、例えば金属結合相として
意図的に所定量含有されているNiは不純物ではないが、
目的成分以外として含まれているNiは金属結合相ではな
く不純物となる。この金属結合相と不純物についての考
え方は、後述する超硬合金Bにおいても同様である。
したのは、同数値に満たない硬度では従来品と差別化で
きるだけの耐摩耗性が得られないためである。ビッカー
ス硬度は高いほど性能が良いため上限を定めていない
が、超硬合金Aのビッカース硬度の上限は27.0GPa程度と
考えられる。
C封止樹脂に対して、優れた耐摩耗性を発揮し、延命効
果がある。添加量を0.1%以上3%以下に限定したのは、
下限を下回ると耐摩耗性向上の効果がなく、上限を超え
ると耐欠損性が低下するためである。
0)面の画折強度をIwc(100)、WC結晶(101)面の回折
強度をIwc(101)としたときに、Iwc(100)/Iwc(10
1)が0.65以上0.9以下に限定したのは、下限を下回ると
耐摩耗性が不足し、上限を超えると耐欠損性が低下する
ためである。
結晶(101)面の回折ピークの半価幅を0.4以上0.6以下
に限定したのは、下限を下回ると耐摩耗性が不足し、上
限を超えると靭性が低下するためである。
含有量は500ppm以下が好ましい。金属不純物としてはC
o、Ni、Fe、Mo、Ca、Alなどが考えられるが、これらの
合計含有量が500ppmを超えると炭化タングステンの粒界
に存在する金属量が多くなり、炭化タングステンの脱落
が促進されるため、耐食性が低下するためである。ここ
での金属不純物は、前述した「不純物」のうち金属のも
のを指す。従って、この金属不純物には金属結合相とし
てのCoやNiなどは含まれない。
効果はあるが、耐欠損性において悪影響を及ぼすため、
Crの炭化物のみを添加した方がより望ましい。
なると、アブレッシブ摩耗以外にWC粒子の脱落により摩
耗が進行する場合があるので、WCの粒径は0.5μm以上に
するのがよい。WC粒子の平均粒径の上限は2μm程度であ
る。この上限を超えると硬度が低下して耐摩耗性が劣化
するためである。
含有量は、85%未満では硬さが不足して使用中にボディ
部が座屈し、95%を超えると所望の抗折力が得られず、
突発的な欠損を起こす可能性があるので85%以上95%以
下にした。
C、NbC、Mo2C、VCおよびCr3C2の中から選ばれた物質
の少なくとも1種の硬質相を添加することにより硬度が
高まるのでボディ部の座屈を防止する効果がある。この
場合、添加量が0.1%以下では顕著な効果が現れず、逆
に6%を越えると硬く脆くなって、突発的な欠損の問題
が生じるので、添加量の範囲を限定した。
て多い。刃先部よりも金属結合相量を多くすることで、
抗折力の高いボディ部とし、耐摩耗性に優れる刃先部を
しっかりと保持するためである。ボディ部における金属
結合相もCo、Ni、Feなどの鉄族金属が利用される。
は、これ未満では突発的な欠損が考えられるからであ
る。また、このボディ部のビッカース硬度を15.0GPa以
上としたのは、使用中の座屈を回避するためである。ボ
ディ部の超硬合金についても、抗折力、ビッカース硬度
は高いほど良いが、超硬合金Bの組成での抗折力の上限
は6.0GPa、ビッカース硬度の上限は20.0GPa程度と考え
られる。
金AとBの組合わせにより、ボディ部の金属結合相含有量
が刃先部の金属結合相含有量よりも多くなって、ボディ
部の熱膨張係数が刃先部のそれより大きくなり、ボディ
部との熱膨張差で刃先部に圧縮残留応力が発現する。そ
のため、刃先部のチッピングが起こり難くなり、これに
よっても耐欠損性が高められる。
量の差が10%を越えると、刃先部の圧縮残留応力が大き
くなり過ぎ、寿命に影響しない程度の微少欠陥でも、そ
れが刃先部にあった場合、微小欠陥を起点に切断刃が大
破することがある。そこで、このようなときには刃先部
とボディ部との間に中間層を設ける。この中間層は、刃
先部側からボディ側向かって金属結合相の含有量を増加
させることで熱膨張係数を変化させており、刃先部とボ
ディ部間での熱膨張係数の急変化を防止して刃先部の圧
縮残留応力を実用化レベルまで低減させる効果をもつ。
圧焼結法で行うと、刃先部とボディ部の金属結合相が結
びついて各部の超硬合金の接合が強固になされる。通電
加圧装置に原料粉末を充填するのに先だって、原料粉末
の準備工程が必要である。原料粉末の準備は、重量比で
Crの炭化物およびVの炭化物の少なくとも一方を0.1%以
上3%以下、金属結合相を0.2%以下含み、残部がWCおよ
びW2Cとなる超硬合金Aが得られる原料粉末と、WCを85
%以上95%以下、TiC、TiCN、TaC、NbC、Mo2C、VCおよ
びCr 3C2の中から選ばれた物質の少なくとも1種を0.1
%以上6%以下含有し、残部が金属結合相で構成される
超硬合金Bの原料粉末の準備を行う。
含有量を刃先部より多く、ボディ部より少なくした原料
粉末の準備も行い、刃先部とボディ部の各原料粉末の間
に中間層の原料粉末を充填する。通電加圧焼結では、中
間層の金属結合相の量を厚み方向に変化させるのも容易
である。例えば、中間層を多層構造にして各層の超硬合
金粉末の金属結合相量を変えることにより傾斜組成の中
間層を形成できる。傾斜組成は段階的な傾斜であっても
連続的な傾斜であってもいずれでも良い。中間層を多層
にした場合、各層の厚みを薄くして積層数を増やすこと
で実質的に連続的な傾斜組成を実現できる。
9.5MPa未満では、超硬合金にポア(いわゆる巣)が発生
し易く、逆に50.0MPaを超えると黒鉛型が破損し易く、
経済的ではない。
の緻密化が充分でなく、2100℃を越えると金属結合相が
溶出するので好ましくない。
超硬合金の均一焼成ができず、10分を越えると各部の超
硬合金の組成の均一化が起こり、所望の特性を得ること
ができなくなる。以上の理由から、加圧力、焼結温度、
保持時間に限定を加えた。
バーカットなど、ICを樹脂封止した半導体製品の加工に
好適である。例えば、半導体を樹脂で封止した後に、樹
脂の入り口部にできたバリをプレス加工で除去する場合
に利用される。切断対象となる半導体封止樹脂の具体例
としては、エポキシ樹脂などが挙げられる。また、切断
対象となる金属材料としては、銅製リードフレームが挙
げられる。
する。図1、図2は本発明の切断刃の部分断面図である。
図1の切断刃は、刃先部1とボディ部2の2種類の超硬
合金からなる。図2の切断刃は、刃先部1、ボディ部2、
中間層3からなる3種類の超硬合金で構成される。いずれ
の構成においても、各超硬合金は焼結によって一体化さ
れている。刃先部1は前述した超硬合金Aで構成され、ボ
ディ部2は前述の超硬合金Bで構成される。
は、金属結合相の含有量が刃先部1側からボディ部2側に
行くにつれて増加し、刃先部1との接合部は刃先部1の超
硬合金に近似した組成、ボディ部2との接合部はボディ
部2の超硬合金に近似した組成になっている。この中間
層2は、単層構造、多層構造のどちらであってもよい。
ムもしくはIC封止樹脂の厚みよりも2mm程度大きくして
おくことが好ましい。ボディ部2は、ホルダ(図示せ
ず)への取付けを安定して行える厚みにする必要があ
る。中間層3の厚みは1mm〜10mmぐらいが好ましい。従っ
て、一般的には「中間層厚み<ボディ部厚み」、「刃先
部厚み<ボディ部厚み」の関係が成立する。
結装置を説明する。図3は、この通電加圧装置を示す概
略図である。黒鉛ブロック5の上部には黒鉛型4が支持さ
れている。黒鉛型4は、側壁となる外枠4aと、抜き取り
自在の底蓋4bとから成る。この黒鉛型4内にボディ部用
超硬合金Bの粉末、中間層用超硬合金Cの粉末(これは省
く場合がある)、刃先部用超硬合金Aの粉末を順に充填
し、黒鉛パンチ6で所定の圧力を加える。そして、その
加圧下で電源9から電極7、8を介して黒鉛型4及び黒鉛パ
ンチ6に通電し、所定の温度を所定時間保持して各部の
超硬合金粉末を一体に焼結する。黒鉛型の温度は黒鉛パ
ンチ6が外枠4aの上部に露出してすぐの位置10で測定し
た。
粉末を準備し、ボディ部用、刃先部用又はボディ部用、
中間層用、刃先部用の順に超硬合金粉末を黒鉛型に充填
する。次に、黒鉛パンチにより40MPa(400kg/cm2)の圧
力を加えて、その加圧下で黒鉛型及び黒鉛パンチに通電
して黒鉛型を2000℃に発熱させ、その状態を7分間保持
して、サンプル1〜20を得た。刃先部については、超硬
合金粉末として混合する前に予め目的成分ごとの金属不
純物量を測定し、それら不純物の合計含有量も求めた。
WC粒度、結合相Co含有量の異なる超硬合金4種類(イ、
ロ、ハ、ニ)を準備した。従来品の製造条件は前記サン
プル1〜20の製造条件と同一である。
とビッカース硬度の測定を行った。また、X線回折法に
より、WC結晶(100)面の回折強度をIwc(100)、WC結
晶(101)面の回折強度をIwc(101)としたときのIwc
(100)/Iwc(101)と、WC結晶(100)面およびWC結晶
(101)面の回折ピークの半価幅も求めた。これらの測
定結果も表1〜3に示す。
回転するIC封止樹脂材料に荷重を加えながら試験片を接
触させる耐摩耗試験を行った。この試験は、樹脂材料:
エポキシ樹脂(直径φ20mm)、回転数:150rpm.、荷
重:98N(10kgf)、滑り距離500m(時間:約53分)にお
ける摩耗量を測定することで行った。摩耗量は、試験片
にできた凹み部分の断面積の平均値とした。結果を表4
に示す。
6、19、20はいずれも従来品に比べて高い耐摩耗性を具
えていることがわかる。
び従来品4種類を用いて0.5mm厚の銅製のリードフレーム
をICパッケージのレジン(エポキシ樹脂)と共に切断
し、寿命までの切断回数を調べた。銅製リードフレーム
の厚さは0.5mm、レジンの厚さは0.3mm、で、先端がシャ
ープエッジ形状の工具を用いてリードフレームが切断さ
れる程度のプレス圧力を加えることで切断を行った。こ
の場合の寿命判定は、切断刃の欠損もしくは摩耗により
切断したレジンに0.1mmのバリが発生した時点とした。
試験結果を表5に示す。
4、6、9、16、19、20が耐摩耗性と耐欠損性をバランス良く両
立して長寿命であることがわかる。ボディ部の硬度また
は抗折力が小さく、かつ中間層のないサンフ゜ル1、2、5はい
ずれも欠損を生じている。ボディ部にWCが少なく硬度の
低いサンフ゜ル7、8は座屈を生じている。
て、試験例1のサンプル3と同一組成の超硬合金粉末を用
い、試験例1で採用した通電加圧焼結法における加圧
力、焼結温度、その温度の保持時間を表6のように変化
させて同表に示すサンプル18〜30を得た。得られたサン
プルの刃先部とボディ部の抗折力およびビッカース硬度
を測定した。測定結果も表6に示す。
が低すぎるサンフ゜ル21は十分な硬度が得られず、圧力が高
すぎるサンフ゜ル22は黒鉛型が破損した。また、焼結温度の
低いサンフ゜ル25、焼結温度が高いサンフ゜ル26、保持時間の短い
サンフ゜ル29、保持時間の長いサンフ゜ル30も十分な抗折力や硬度
が得られなかった。
合金を刃先部とボディ部とで使い分け、その2種類の超
硬合金を共通の金属結合相を介して一体に接合すること
により、耐摩耗性に優れる反面、抗折力に問題のある刃
先部の超硬合金を抗折力に優れるボディ部の超硬合金で
しっかりと支えて耐摩耗性と耐欠損性を両立できる。従
って、従来品に比べて寿命が大巾に向上する。
で経済性にも優れる。
のは、熱膨張係数差による刃先部の圧縮残留応力を適正
レベルに制御できる。
ものはWC粒子の脱落が防止されて耐摩耗性がより良くな
る。
の概略図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 下記の超硬合金Aで形成される刃先部
と、下記の超硬合金Bで形成されるボディ部とが一体に
接合されてなることを特徴とする半導体製品加工用切断
刃。 A:重量比でCrの炭化物およびVの炭化物の少なくとも一
方を0.1%以上3%以下、金属結合相を0.2%以下含み、
残部がWCおよびW2Cならびに不純物とで構成され、かつ
ビッカース硬度が23.0GPa以上の超硬合金。 B:重量比でWCを85%以上95%以下、TiC、TiCN、TaC、N
bC、Mo2C、VCおよびCr3C2の中から選ばれた物質の少
なくとも1種を0.1%以上6%以下含有し、残部がCoおよ
びNiの少なくとも一方を含有する金属結合相と不純物と
で構成され、抗折力が3.0GPa以上、ビッカース硬度が1
5.0GPa以上の超硬合金。 - 【請求項2】 刃先部Aが、Vの炭化物を含まないことを
特徴とする請求項1に記載の半導体製品加工用切断刃。 - 【請求項3】 刃先部Aが、X線回折法によるWC結晶(10
0)面の回折強度をIwc(100)、WC結晶(101)面の回折
強度をIwc(101)としたときに、Iwc(100)/Iwc(10
1)が0.65以上0.9以下で、 WC結晶(100)面およびWC結晶(101)面の回折ピークの
半価幅が0.4以上0.6以下であり、 金属不純物の合計含有量が500ppm以下であることを特徴
とする請求項1又は2に記載の半導体製品加工用切断刃。 - 【請求項4】 刃先部とボディ部との間に超硬合金で形
成される中間層を介在し、その中間層の金属結合相の含
有量を刃先部より多く、ボディ部より少なくしたことを
特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の半導体製品
加工用切断刃。 - 【請求項5】 中間層における結合相の含有量を、刃先
部からボディ部側に向かって増加させたことを特徴とす
る請求項4に記載の半導体製品加工用切断刃。 - 【請求項6】 刃先部とボディ部との金属結合相の含有
量の差が10重量%以上であることを特徴とする請求項4
に記載の半導体製品加工用切断刃。 - 【請求項7】 刃先部の超硬合金中に含まれるWC粒子の
平均粒径が0.5μm以上であることを特徴とする請求項1
から6のいずれかに記載の半導体製品加工用切断刃。 - 【請求項8】 少なくともボディ部用の超硬合金粉末と
刃先部用の超硬合金粉末とを黒鉛型へ充填する工程と、 充填した粉末に19.5MPa以上50.0MPa以下の圧力を加え、
その加圧下で通電して黒鉛型を1900℃以上2100℃以下に
発熱させ、この状態を5分以上10分以下保持して黒鉛型
内の超硬合金粉末を焼結一体化する工程と具えることを
特徴とする半導体製品加工用切断刃の製造方法。 - 【請求項9】 さらに中間層用の超硬合金粉末をボディ
部用超硬合金粉末と刃先部用超硬合金粉末との間に充填
することを特徴とする請求項8に記載の半導体製品加工
用切断刃の製造方法。
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