JP5656076B2 - cBNインサート - Google Patents
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Description
前記接合部は、cBN製切れ刃部とWC基超硬製インサート本体との間にインサート金属としてNi−Pd−Si合金を挟み、圧力をかけながら金属融点以上に加熱することで、Ni−Pd−Si合金が液相化・拡散により見かけ上消失し、cBN製切れ刃部とWC基超硬製インサート本体は、Ni−Pd−Si合金を介さずに拡散層とWCブリッジ形成相とが一体化した接合部を形成していること。
接合部の構成成分を測定したところ、WC基超硬製インサート本体と接合部との接合面近傍では、WC基超硬合金中へのPd、Siの拡散が生じていることが観察され、一方、cBN製切れ刃部と接合部との接合面近傍には、Ni−Pd−Si合金の液相化、拡散によって生じたNi−Pd−Si拡散領域が形成されていること。
Ni含有量は、接合部のWCブリッジ形成相が形成されている範囲において、cBN製切れ刃部側からWC基超硬製インサート本体に向かって次第に減少していること。
「cBN製切れ刃部とWC基超硬製インサート本体とが接合部を介して接合されたcBNインサートにおいて、
前記cBN製切れ刃部とWC基超硬製インサート本体との接合部の接合面からcBN製切れ刃部側にPd:1〜20at%、Si:0.5〜15at%およびW、Co、Cのうち少なくとも1種を合計で16〜22at%、残部Niからなる組成を有し、Niの含有量は前記接合面から遠ざかるにしたがって次第に減少している厚み5μm以上14μm以下の拡散層を形成し、一方、WC基超硬製インサート本体側には、PdとSiとNiを含むWCブリッジ形成相を形成し、かつ、WCブリッジ形成相が形成されている範囲ではNi含有量がcBN製切れ刃部側からWC基超硬製インサート本体に向かって次第に減少しているcBNインサート。」
を特徴とするものである。
本発明では、cBN製切れ刃部とWC基超硬合金製インサートとを接合部を介して接合し、cBNインサートを構成するが、cBNインサートの製造法は、例えば、以下のとおりである。
(a)75容量%のcBNと残りTiN、Al2O3結合相をボールミルで24時間、アセトンを用いて湿式混合する。
(b)得られた混合粉末を乾燥後、油圧プレスにて成形圧100MPaで成形する。
(c)得られた成形体を真空中1Pa、1000℃、30分の条件で熱処理し、揮発成分および粉末表面への吸着成分を除去する。
(d)成形体と超硬合金基材を積層し、代表的には圧力5GPa、温度1500℃、保持時間30分の条件で超高圧高温処理し、cBN焼結体を得る。
(e)得られたcBN焼結体を研削した後、横断状に切断し、cBN焼結体円板を得る。
(f)cBN焼結体円板をワイヤー放電加工機で所定寸法に切断し、cBN片を得る。
(g)WC基超硬製インサート本体のコーナー部に凹状のくぼみを設け、ここにNi−Pd−Si合金を設置し、さらにcBN片を設置する。
(h)圧力100MPaかけた状態で不活性ガス中にて高周波で接合部を局部加熱することにより拡散層を有する接合部が形成される。
(i)上下面および外周面を研磨し、ISO規格の型番CNGA120408のインサート形状を得る。
(j)更に面取り加工でホーニングを設ける。
(k)また、必要に応じ、例えば、TiAlNをPVDでコーティングすることによって、インサートの耐摩耗性等を向上させる。
前記のようにしてできたcBNインサートの接合部の状態を目視観察すると、インサート金属として挿入したNi−Pd−Si合金は消失しており、金属組織は、あたかも、WC基超硬製インサート本体とcBN製切れ刃部とがNi−Pd−Si合金を介して一体化接合した複合材料が形成されているようにみられるが(図2参照)、接合部についてAES(オージェ電子分光法)を用いて、詳細にその構成成分、分布を調査したところ、WC基超硬製インサート本体の接合部との接合面近傍では、WC基超硬製インサート本体のWC粒子間にPd、Siの拡散が生じWCブリッジ形成相を形成しWC粒子間を強固に結びつけていること、一方、cBN製切れ刃部の接合部との接合面近傍には、Ni−Pd−Si合金の液相化、拡散によって生じたNi−Pd−Si拡散領域が形成されており、また、接合部側のcBN製切れ刃部との接合面近傍にもNi−Pd−Si拡散領域が形成されており、さらに、接合部およびcBN製切れ刃部に形成されたNi−Pd−Si拡散領域(以下、「拡散層」という)のNi含有量は、接合部とcBN製切れ刃部の接合面から遠ざかるにしたがって、次第に減少していることを見出した。
Pd:
WC、Ni両元素とも濡れ性がよく、接合部の強度を改善する効果がある。しかしながら、含有量が20at%を超えると高温強度低下の原因となる。また、1at%より少ないと十分な濡れ性が得られない。そこで、Pdの含有量は、1〜20at%と定めた。
Si:
ろう付けは、950℃より低い温度で行う必要がある。というのは、950℃以上になるとcBN焼結体の特性が劣化するからである。特に、バインダとしてCo等の金属を使用した場合、劣化が顕著になるため950℃以下で行う必要がある。
W、Co、C:
W、Co、Cは、WC基超硬製インサート本体またはcBN製切れ刃部から接合部へ拡散してくる不可避成分である。これらの成分が接合部中に存在することによって、接合面近傍における組成の急激な変化が緩和されるため、WC基超硬製インサート本体と接合部、またはcBN製切れ刃部と接合部との間で発生する応力が緩和されるとともに、これらの成分が一種のバインダのような役割を果たしWC基超硬製インサート本体およびcBN製切れ刃部と接合部との接合力が向上する。
Ni:
拡散層の組成において、前記成分を除いた残部を占める成分であって、高温強度が高いので強固な接合強度が得られる。また、Niは、溶融時の移動度も高いため、接合部全体に亘り拡散し、WC基超硬製インサート本体とcBN製切れ刃部とを強固に接合する。
次に、所定寸法に外周加工し、ISO規格の型番CNGA120408のインサート形状にした後に、切れ刃部に幅:0.15mm、角度:25°のホーニング加工を施し、さらに仕上げ研摩を施すことによりISO規格の型番CNGA120408のインサート形状をもった本発明インサート1〜10をそれぞれ製造した。
本発明インサートについて、接合部縦断面をAES(オージェ電子分光法)による面分析で観察した。その結果を図2に示す。(a)は接合部全体を観察した写真である。明るく見えるのがNi、中央が挿入合金、右側がcBN切れ刃の超硬合金部、左側がインサート本体である。NiがcBN切れ刃の超硬合金部およびインサート本体に拡散しているのが確認できる。このNiが拡散している領域全体が、接合部に相当する。(b)は(a)のインサート本体部を拡大して観察した写真である。明るく見えるのが、ブリッジ形成相で、黒く見えるのがWC粒子である。(c)は(a)のcBN切れ刃部の超硬合金部を拡大して観察した写真である。明るく見えるのが、Niの拡散層で、黒く見えるのがWC粒子である。すなわち、本発明においては、接合部=拡散層(cBN切れ刃の超硬合金部側)+挿入合金+ブリッジ形成相(インサート本体側)ということを意味している。
前記本発明インサート1〜10、比較インサート1〜10のそれぞれについて、曲げ試験を実施し、曲げ強さを測定するとともに、破断箇所を目視観察した。
その結果を表3に示す。
《切削条件A》
被削材−直径:100mmのSCM415(HRc60)の丸棒、
切削速度:180m/min.、
切り込み:0.3mm、
送り:0.2mm/rev.、
切削時間:3分、
の条件での焼入れした合金鋼の乾式連続切削試験、
《切削条件B》
被削材−直径:100mmのSCM415(HRc60)の丸棒、
切削速度:180m/min.、
切り込み:0.5mm、
送り:0.2mm/rev.、
切削時間:3分、
の条件での焼入れした合金鋼の乾式連続切削試験、
《切削条件C》
被削材−直径:100mmのSCM415(HRc60)の丸棒、
切削速度:200m/min.、
切り込み:0.5mm、
送り:0.2mm/分、
切削時間:3分、
の条件での焼入れした合金鋼の乾式連続切削試験、
その結果を表3に示す。
Claims (1)
- cBN製切れ刃部とWC基超硬製インサート本体とが接合部を介して接合されたcBNインサートにおいて、
前記cBN製切れ刃部とWC基超硬製インサート本体との接合部の接合面からcBN製切れ刃部側にPd:1〜20at%、Si:0.5〜15at%およびW、Co、Cのうち少なくとも1種を合計で16〜22at%、残部Niからなる組成を有し、Niの含有量は前記接合面から遠ざかるにしたがって次第に減少している厚み5μm以上14μm以下の拡散層を形成し、一方、WC基超硬製インサート本体側には、PdとSiとNiを含むWCブリッジ形成相を形成し、かつ、WCブリッジ形成相が形成されている範囲ではNi含有量がcBN製切れ刃部側からWC基超硬製インサート本体に向かって次第に減少しているcBNインサート。
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