JP2001187431A - 積層構造材料 - Google Patents

積層構造材料

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JP2001187431A JP37538499A JP37538499A JP2001187431A JP 2001187431 A JP2001187431 A JP 2001187431A JP 37538499 A JP37538499 A JP 37538499A JP 37538499 A JP37538499 A JP 37538499A JP 2001187431 A JP2001187431 A JP 2001187431A
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Hideki Moriguchi
秀樹 森口
Katsunori Tsuzuki
克典 都築
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長尺品でも鋼へのロー付けが容易にでき、か
つ高い耐摩耗性を有する積層構造材料を提供する。 【解決手段】 最上層と最下層とを含む組成の異なる3
層以上からなる積層構造材料である。最上層は互いに直
接結合しているダイヤモンド粒子を含有する。最下層
は、WCをマトリックスとし、鉄族金属を15体積%以上含
有する超硬合金である。各層の熱膨張係数は最上層から
最下層に向かうにつれて順に大きくなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐摩耗性や鋼製台
座との接合性に優れた積層構造材料に関するものであ
る。特に、組成の異なる3層以上からなり、最上層はダ
イヤモンドや立方晶窒化硼素などの超硬質粒子が互いに
直接結合した層からなり、各層の熱膨張係数が最上層か
ら最下層に向かうにつれて順に大きくなっている積層構
造材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドや立方晶窒化硼素粒子同士
が互いに直接結合した超硬質材料は超高圧焼結法で製造
されている(USP 3233988号、特公昭52-43846号公
報)。これらのダイヤモンド焼結体は下層に超硬合金を
一層積層して製造されている。これはダイヤモンド焼結
体を耐摩材料として使用する場合に、鋼などでできた構
造物や機械本体とダイヤモンド焼結体とを直接接合する
ことができないからである。そのため、超硬合金を下層
に同時焼結して、超硬合金と鋼間をロウ付け処理するこ
とで接合力を確保している。下層の超硬合金中に含まれ
るCo量は通常5〜15体積%の割合である。これは、5体
積%よりも少なくすると、鋼に下層部分をロウ付けした
ときに下層の超硬合金部にロー付け割れが生じやすいか
らである。逆に、15体積%よりも多いと、下層をダイヤ
モンド粒子が含有される上層に積層したとき、上層と下
層の熱膨張係数の差が大きくなりすぎ、上層であるダイ
ヤモンド焼結体に亀裂が発生しやすくなるためである。
【0003】以上のような問題点に対し、超高圧焼結時
にダイヤモンド粒子を含有する上層と2層以上の組成の
異なる超硬合金層(ダイヤモンド焼結体に近い熱膨張係
数を有する超硬合金および鋼に近い熱膨張係数を有する
超硬合金からなる2層以上の層)を積層して焼結する方
法も考えられる。しかし、超硬合金の積層数を増加させ
ることで、1チャージで焼結できる焼結体の個数が減少
し、もともと製造コストの高い超高圧発生容器を用いた
場合の製造コストをさらに押し上げる要因となる。さら
に、外部ヒーターを用いる超高圧発生容器を用いた製造
法では、容器内部を均一な焼結温度とするために長時間
を要するため、焼結中に液相化した超硬合金中の結合相
(鉄族金属)が移動し、狙いとした組成、熱膨張係数の
異なる積層合金を作製することができなかった。
【0004】また、本発明者らにより、通電加圧焼結装
置を用いて、ダイヤモンドを含有する上層と、上層より
もダイヤモンドの含有量が少ない下層とを具える焼結体
が提案されている(特開平9-194978号公報)。しかし、
本提案で製造された焼結体の上層中に含まれるダイヤモ
ンド粒子は、ダイヤモンドが準安定な条件で焼結された
るめ互いに直接結合されていない。その結果、ダイヤモ
ンド粒子同士が直接結合したダイヤモンド焼結体と比較
して、耐摩耗性に劣ると言う問題点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、超硬合
金をダイヤモンド焼結体の下層に同時焼結することで、
鋼へのロー付け加工がある程度可能になったが、依然、
ロー付け加工には細心の注意、特別な技能が必要であ
り、万人が簡便にロー付け加工できる状態ではない。ま
た、ロー付け加工できる焼結体の長さには限界がある。
センタレスブレードなどの長尺品にダイヤモンド焼結体
をロー付け加工する際には、ダイヤモンド焼結体を30mm
以下のサイズに切り刻み、ロー付け時につなぎ合わせて
いるのが現状である。さらに、このつなぎ合わせ作業は
非常に高い技能を要し、特殊な技能を有する業者にしか
ロー付け加工できず、工業上大きな問題である。
【0006】従って、本発明の主目的は、長尺品でも鋼
へのロー付けが容易にでき、かつ高い耐摩耗性を有する
積層構造材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の積層構造材料
は、組成の異なる3層以上の積層構造とし、各層の材
質、組成と熱膨張係数を限定することで上記の目的を達
成する。
【0008】すなわち、本発明積層構造材料は、最上層
と最下層とを含む組成の異なる3層以上からなる積層構
造材料において、前記最上層は、互いに直接結合してい
るダイヤモンド粒子を含有し、前記最下層は、WCをマト
リックスとし、鉄族金属を15体積%以上含有する超硬合
金であり、各層の熱膨張係数は最上層から最下層に向か
うにつれて順に大きくなっていることを特徴とする。以
下、本発明材料の各構成を詳しく説明する。
【0009】(最上層)最上層には互いに直接結合した
ダイヤモンド粒子が含有されている。ダイヤモンド粒子
が直接結合していると、硬質材料としての耐摩耗性が向
上するため好ましいからである。さらに、この直接結合
はダイヤモンド粒子の含有量が30体積%以上である場合
に起こりやすい。ダイヤモンド含有量が多いほど、耐摩
耗性は向上するため好ましい。より好ましくは50体積
%、さらに好ましくは90体積%以上のときである。但
し、ダイヤモンド粒子の含有量が増加すると最上層の熱
膨張係数が低下するので、その直下層(最上層と最下層
との間の中間層)との熱膨張係数が拡大する傾向にある
ので、注意が必要である。例えば、最上層に90体積%以
上のダイヤモンド粒子を含有する場合には、その直下層
の硬質材料には鉄族金属量の少ない超硬合金を用いた
り、低熱膨張係数のダイヤモンドや立方晶窒化硼素、炭
化硼素、硼化チタンなどの硬質粒子を含有する超硬合金
とすることで、熱膨張係数の最適化が可能となる。な
お、直下層にダイヤモンドおよびまたは立方晶窒化硼素
粒子を含む場合、この直下層は優れた耐摩耗性を必要と
しないため、この層中に含まれるダイヤモンド、立方晶
窒化硼素粒子は直接結合していない方が、本発明の目的
であるロー付け性に優れた積層構造材料として、耐熱亀
裂性向上の観点から好ましい。
【0010】ダイヤモンド粒子の平均粒径は0.1〜500μ
mが好ましい。500μmよりも粗粒の超硬質粒子を用いる
と、加工性が低下する。また、0.1μmよりも小さい超硬
質粒子は脱落が生じやすいので、0.1〜500μmに限定し
た。特に好ましいのは1〜100μm以下のときであり、こ
れにより強度、加工性がより向上できる。
【0011】最上層のダイヤモンド焼結体の結合相には
鉄族金属を用いることができるが、結合相に鉄族金属を
用いると、ダイヤモンドが準安定な条件下で最下層に超
硬合金を接合する際に、ダイヤモンドが一部黒鉛化する
可能性がある。これを防ぐため結合相には非金属触媒を
用いたり、結合相金属を強酸で溶解して製造したダイヤ
モンド焼結体を用い、これをダイヤモンドが準安定な条
件下で下層に超硬合金を接合するなどの方法を採用し
て、最上層のダイヤモンド粒子の品質を維持することが
できる。
【0012】(最下層)最下層は、WCをマトリックスと
し、鉄族金属を15体積%以上含有する超硬合金とするこ
とにより、最下層と鋼の熱膨張係数差についても小さく
することができる。そのため、ロー付け時の熱応力の発
生量を低減でき、ロー付け割れの発生を抑制できる。最
下層の鉄族金属量は多いほど鋼との熱膨張係数差が小さ
くなるため好ましい。鉄族金属の含有量は20体積%以
上、より好ましくは30体積%以上、さらに好ましくは40
体積%以上である。但し、70体積%を越えると超硬合金
としての優れた性能が低下するため好ましくない。鉄族
金属としてはCoが最も好ましいが、Ni、Feを一部に用い
たり、Cr、Ta、Ti、Zr、Vなどが固溶されていてもかま
わない。最も好ましいのはWとCrが固溶したCoを用いた
場合である。
【0013】最下層の鉄族金属として耐食性、耐熱亀裂
性を向上させたい場合にはNi、Crで一部を置き換えても
かまわない。また、マトリックスであるWCの一部を周期
律表第IVa、Va、VIa族元素の炭化物、窒化物又は炭窒化
物、例えばTiC、TiCN、TiN、Mo2C、TaC、NbC、VCなどで
置き換えてもかまわない。
【0014】(各層の熱膨張係数)本発明の積層構造材
料は、各層の熱膨張係数が最上層から最下層に向かうに
連れて順に大きくなる層を3層以上有する。これは、こ
のような熱膨張係数の段階的変化により、各層間の熱膨
張係数差を小さくできるためである。それにより、最下
層を鋼にロー付けする際、熱応力の発生が少なく、良好
な接合力を有する接合品を特別な技能を必要とせずに得
ることができる。
【0015】(用途)本発明の材料に特に好適な応用製
品はセンタレスブレードをあげることができる。本発明
の積層構造材料を使用することにより、従来30mm程度の
長さに制限し、分割してロー付け接合していたセンタレ
スブレードが長尺の状態で接合できるようになる。この
結果、分割部で生じやすかった段差やロー隙が生じなく
なり、優れた精度の研削加工が可能となる。また、段差
部は欠けの原因となりやすかったが、本発明の積層構造
材料を用いることで、突発的な欠損がなくなり、長期間
にわたって安定した研削加工が可能となる。さらに、ロ
ー付けする焼結体の個数が少なくなるため作業時間の短
縮が可能となって、ロー付けコストの低減が期待でき
る。
【0016】(製造方法)本発明の積層構造材料は、次
の各工程により製造することが好ましい。 ダイヤモンドが熱力学的に安定な条件においてダイヤ
モンド粒子同士が互いに直接結合した部分を有するダイ
ヤモンド粒子含有焼結体を作製する工程。 このダイヤモンド含有焼結体を黒鉛型に装入し、さら
に熱膨張係数がダイヤモンド粒子含有焼結体からみて、
順に大きくなるように組成の異なる硬質材料粉末を前記
ダイヤモンド粒子含有焼結体の上に積層する工程。 ダイヤモンドが熱力学的に準安定な条件で加圧焼結す
る工程。
【0017】特に好ましい焼結条件は、焼結温度が1200
〜1450℃、その温度での保持時間が10秒以上10分以内、
加圧力が5〜100MPaのときである。この条件を満たす焼
結方法としては通電加熱、高周波加熱、マイクロ波加
熱、燃焼熱を用いた焼結などをあげることができる。
【0018】(立方晶窒化硼素への置換)さらに、本発
明の積層構造材料において、ダイヤモンド粒子の少なく
とも一部を立方晶窒化硼素粒子に置き換えた場合には、
加工性が向上するため好ましい。また、立方晶窒化硼素
は高温での鋼材料に対する化学的安定性はダイヤモンド
より良好であるため、鋼系材料に対する耐摩耗性の向上
が期待できる。なお、この場合、最上層の立方晶窒化硼
素粒子同士の直接結合は硼化物、炭化物、窒化物もしく
はそれらの固溶体、具体的にはAlN、AlB2、TiN、TiB2
HfN、HfB2、ZrN、ZrB2、WN、WB2、TiAlN、TiHfCを介し
て結合されている場合を含む。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施例お
よび比較例を示す。 (試験例1)平均粒径が5μmのダイヤモンド粒子を用
い、超高圧発生装置を用いて5GPa、1500℃のダイヤモン
ドが安定な条件で公知の方法により、表1に示すダイヤ
モンド粒子の含有量が異なるダイヤモンド焼結体A〜Dを
製造した。焼結体の外径は76mmで各層の厚みは1mmであ
る。これらの焼結体におけるダイヤモンド粒子同士の直
接結合の有無は、焼結体の結合相を強酸で溶かした後、
走査電子顕微鏡で観察することにより判定した。また、
通電加圧焼結法を用いて40MPa、1250℃のダイヤモンド
が準安定な条件で焼結体Eを作製した。
【0020】
【表1】
【0021】次に、平均粒径5μmのWC粉末、平均粒径1
μmのCo、Ni、Cr粉末を準備し、表2の組成に配合後、
ボールミルを用いて混合し、焼結用粉末を用意した。こ
のようにして準備した粉末を各層の厚みが焼結後に1mm
となるように表2の順に積層して、内径76mmの黒鉛型に
充填し、0.01Torr(1.33Pa)以下の真空中で圧力30MPa
を付加しながら、パルス電流を流して通電加圧焼結し
た。昇温パターンは30分間で1300℃まで昇温、その温度
で2分間保持して、50℃/minの速度で冷却した。このよ
うにして得られた焼結体No.1-1〜No.1-13は直径が76m
m、各層の厚みが1mmで総厚みが2〜4mmの焼結体で割れも
なく良好な外観を呈していた。
【0022】
【表2】
【0023】次に、これらの焼結体からワイヤカット装
置を用いて長さ60mm、幅4mmの短冊状の試験片を5個切
り出し、ワイヤカット面及び鋼との接合面を♯200のダ
イヤモンド砥石を用いて平面研削した。その後、S45C製
センタレスブレードの台座に銀ロウ(JIS:BAg-3)とフ
ラックス(硝酸25%、硼砂30%、酸性フッ化カリ)を用
いて、高周波炉で大気中、700℃に加熱し、最下層と鋼
材のロー付け接合を行い、長さ300mmのセンタレスブレ
ードを作製した。ロー付け後に亀裂の発生がなかった試
料のみ、アルミナを相手材に耐摩試験を実施し、試料N
o.1-4の摩耗量を10とした場合における他の試料の摩耗
量を測定した。その結果を表3に示す。
【0024】
【表3】
【0025】No.1-4、1-5、1-6、1-7、1-8、1-9、1-1
0、1-11の試料には熱亀裂や割れもなく、鋼の台座に対
して良好に接着しており、優れた耐摩耗性も有している
ことが確認できた。これに対して、2層しかないNo.1-1
や1-2、最下層におけるCo量の少ないNo.1-3、下層ほど
熱膨張係数が大きくないNo.1-12はいずれも亀裂が生
じ、最上層にダイヤモンド粒子の直接結合がないNo.1-1
3は摩耗量が多かった。
【0026】(試験例2)平均粒径が1μmの立方晶窒
化硼素粒子を用い、超高圧発生装置を用いて8GPa、1500
℃の立方晶窒化硼素が安定な条件で公知の方法により、
表4に示す立方晶窒化硼素粒子の含有量が異なる立方晶
窒化硼素焼結体A、Bを製造した。A、Bの焼結体には下層
にWC-Co10体積%の超硬合金を同時焼結した。つまり、W
C-Co10体積%の超硬合金が、中間層1または最下層とな
る。焼結体の外径は76mmで各層の厚みは1mmである。こ
れらの焼結体における立方晶窒化硼素粒子同士の直接結
合の有無は、焼結体の結合相を強酸で溶かしたあと、走
査電子顕微鏡で観察することにより判定した。
【0027】
【表4】
【0028】次に、平均粒径5μmのWC粉末、平均粒径1
μmのCo、Ni、Cr粉末、平均粒径2μmのTiCN粉末を準備
し、表5の組成に配合後、ボールミルを用いて混合し、
焼結用粉末を用意した。このようにして準備した粉末を
各層の厚みが焼結後に1mmとなるように表5の順に積層
して、内径76mmの黒鉛型に充填し、0.01Torr(1.33Pa)
以下の真空中で圧力30MPaを付加しながら、パルス電流
を流して通電加圧焼結した。昇温パターンは30分間で13
00℃まで昇温、その温度で10分間保持して、50℃/minの
速度で冷却した。このようにして得られた焼結体No.2-1
〜No.2-8は直径が76mm、各層の厚みが1mmで総厚みが2
〜4mmの焼結体で割れもなく良好な外観を呈していた。
【0029】
【表5】
【0030】次に、これらの焼結体からワイヤカット装
置を用いて長さ60mm、幅4mmの短冊状の試験片を5個切
り出し、ワイヤカット面及び鋼との接合面を♯200のダ
イヤモンド砥石を用いて平面研削した。その後、S45C製
センタレスブレードの台座に銀ロウ(JIS:BAg-3)とフ
ラックス(硝酸25%、硼砂30%、酸性フッ化カリ)を用
いて、高周波炉で大気中、700℃に加熱し、最下層と鋼
材のロー付け接合を行い、長さ300mmのセンタレスブレ
ードを作製した。ロー付け後に亀裂の発生がなかった試
料のみ、SUJ2を相手材に耐摩試験を実施し、試料No.2-
1の最下層の超硬合金摩粍量を100とした場合における他
の試料の摩耗量を測定した。その結果を表6に示す。
【0031】
【表6】
【0032】No.2-3、2-4、2-5、2-6、2-7の試料には熱
亀裂や割れもなく、鋼に対して良好に接着しており、鋼
に対して、優れた耐摩耗性を有していることが確認でき
た。これに対して、2層しかないNo.2-1、最下層のCo量
が少ないNo2-2、下層ほど熱膨張係数が大きくないNo.2-
8は、いずれも亀裂が発生した。
【0033】尚、本発明の積層構造材料は、上述の具体
例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱
しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論で
ある。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の積層構造
材料によれば、鋼材料にロー付けする際に発生しやすい
熱応力に伴う割れを抑制し、鋼材料との接合性を高める
ことができると共に、優れた耐摩耗性を得ることができ
る。
【0035】また、本発明の積層構造材料をセンタレス
ブレード用耐摩材料として使用した場合、特別なロー付
け技術を必要とすることなく、長尺、大径のダイヤモン
ド焼結体を鋼に容易に接合できるようになる。これによ
り、ロー付けする焼結体の個数が少なくなるため、ロー
付けコストを低減できる他、高精度な研削加工が可能と
なるなど、その工業的価値は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 29/08 C22C 29/08 29/16 29/16 A Fターム(参考) 4F100 AA14A AA37A AA40B AB02B AB03C AB15B AB31 BA02 BA03 BA26 DE01A EC162 GB90 JA02A JA02B JK09 JK12 YY00A YY00B 4K018 AD06 AD14 AD17 EA02 EA22 JA27 JA34 KA14

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最上層と最下層とを含む組成の異なる3
    層以上からなる積層構造材料において、 前記最上層は、互いに直接結合しているダイヤモンド粒
    子を含有し、 前記最下層は、WCをマトリックスとし、鉄族金属を15体
    積%以上含有する超硬合金であり、 各層の熱膨張係数は最上層から最下層に向かうにつれて
    順に大きくなっていることを特徴とする積層構造材料。
  2. 【請求項2】 前記最下層は鉄族金属としてCoを含有
    し、その含有量は20体積%以上であることを特徴とする
    請求項1に記載の積層構造材料。
  3. 【請求項3】 前記最下層は鉄族金属としてCoを含有
    し、その含有量は30体積%以上であることを特徴とする
    請求項1に記載の積層構造材料。
  4. 【請求項4】 前記最下層は鉄族金属としてCoを含有
    し、その含有量は40体積%以上であることを特徴とする
    請求項1に記載の積層構造材料。
  5. 【請求項5】 前記最上層におけるダイヤモンド粒子の
    含有量が30体積%以上であることを特徴とする請求項1
    に記載の積層構造材料。
  6. 【請求項6】 前記最上層におけるダイヤモンド粒子の
    含有量が50体積%以上であることを特徴とする請求項1
    に記載の積層構造材料。
  7. 【請求項7】 前記最上層におけるダイヤモンド粒子の
    含有量が90体積%以上であることを特徴とする請求項1
    に記載の積層構造材料。
  8. 【請求項8】 前記最下層が鋼にロー付けされているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の積層構造材料。
  9. 【請求項9】 研削加工用センタレスブレードの耐摩材
    料として用いられることを特徴とする請求項1に記載の
    積層構造材料。
  10. 【請求項10】 前記ダイヤモンド粒子の少なくとも一
    部を立方晶窒化硼素粒子に置き換えたことを特徴とする
    請求項1〜9のいずれかに記載の積層構造材料。
  11. 【請求項11】 ダイヤモンドが熱力学的に安定な条件
    において、ダイヤモンド粒子同士が互いに直接結合した
    部分を有するダイヤモンド粒子含有焼結体を作製する工
    程と、 このダイヤモンド含有焼結体を黒鉛型に装入し、さらに
    熱膨張係数がダイヤモンド粒子含有焼結体からみて、順
    に大きくなるように組成の異なる硬質材料粉末を前記ダ
    イヤモンド粒子含有焼結体の上に積層する工程と、 ダイヤモンドが熱力学的に準安定な条件で加圧焼結する
    工程とを具えることを特徴とする積層構造材料の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記ダイヤモンド粒子の少なくとも一
    部を立方晶窒化硼素粒子に置き換えたことを特徴とする
    請求項11に記載の積層構造材料の製造方法。
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