JP4297987B2 - 高強度微粒ダイヤモンド焼結体およびそれを用いた工具 - Google Patents

高強度微粒ダイヤモンド焼結体およびそれを用いた工具 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、切削工具、耐摩工具等の素材として用いられるダイヤモンド焼結体に関し、特に強度と耐摩耗性の改善された高強度微粒ダイヤモンド焼結体とそれを用いた工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ダイヤモンドは硬度や熱伝導率が高いなどの優れた特性を有することから、切削工具や耐摩工具の素材として多用されている。たとえば、特公昭39−20483号公報や特公昭52−12126号公報に記載されているように、ダイヤモンド粒子を鉄族金属の結合材で焼結したダイヤモンド焼結体は、単結晶ダイヤモンドの欠点であるへき開による欠損が生じ難いため、アルミニウム合金等の非鉄金属材料を切削加工するための切削工具等の素材として広く用いられている。これらのダイヤモンド焼結体の中で特に、焼結ダイヤモンド粒子の粒径が4μm以下の微粒ダイヤモンド焼結体は耐欠損性や耐チッピング性に優れている。
【0003】
たとえば、特公昭58−32224号公報には、粒径1μm以下の焼結ダイヤモンド粒子と周期律表4A、5Aまたは6A族金属の炭化物、窒化物、硼化物およびこれらの固溶体または混合物と鉄族金属とからなる微粒ダイヤモンド焼結体が開示されている。
【0004】
なお、上記のようなダイヤモンド焼結体の製造は、一般的には、ダイヤモンドの粉末と鉄族金属を積層配置したものを原料とし、ダイヤモンドが安定な超高圧・高温条件に一定時間さらすことにより鉄族金属を溶浸させる方法を用いて行なわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
微粒ダイヤモンド焼結体の製造において焼結工程は、特公昭56−44923号公報に記載されているように、原料のダイヤモンド粉末や結合材等の表面に吸着したガスの影響を受けることが知られている。上記公報には、その影響を少なくするために原料を真空中で加熱処理して脱ガスする方法が開示されている。
【0006】
本発明者は、上記公報に記載されている方法の有効性を実験的に確認した。その結果、真空加熱処理を施さずに焼結した場合に比べて真空中で加熱処理することによって焼結性が顕著に向上することを確認した。
【0007】
しかしながら、たとえば、直径や厚さが10mmを超えるような大きな焼結体を製造する場合には、硬度や強度等の焼結体特性にばらつきがみられる、という問題があることを見い出した。したがって、上記公報に開示された製造方法は、安定した焼結体の特性を得るためには必ずしも適した方法ではなかった。
【0008】
一方、切削工具や耐摩工具の素材としては、硬度や強度等の焼結体の特性が従来のものに比べて飛躍的に向上した微粒ダイヤモンド焼結体が期待されている。
【0009】
そこで、この発明は、上記のような従来の技術での問題点を解決し、さらに優れた焼結体の特性を有する高強度微粒ダイヤモンド焼結体を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に従った高強度微粒ダイヤモンド焼結体は、焼結ダイヤモンド粒子と、残部として結合材とを含み、焼結ダイヤモンド粒子が0.1〜4μmの範囲内の粒径を有し、結合材がFe、CoおよびNiからなる群より選ばれた少なくとも1つの鉄族金属と、周期律表4A、5Aおよび6A族から選ばれた金属の炭化物、窒化物、硼化物およびこれらの固溶体または混合物の少なくとも1つの化合物とからなり、酸素含有量が0.01〜0.08質量%の範囲内であることを特徴とする。
【0011】
こで、周期律表4A、5Aおよび6A族に含まれる元素は、Ti,Zr,Hf;V,Nb,Ta;Cr,Mo,Wである。
【0013】
発明の高強度微粒ダイヤモンド焼結体は、焼結ダイヤモンド粒子を80〜95容量%、鉄族金属を4〜15容量%、上記の化合物を1〜8容量%含むのが好ましい。
【0014】
結合材は、0.1〜1μmの範囲内の粒径を有するのが好ましい。
上記のように構成される高強度微粒ダイヤモンド焼結体において、押込み荷重500gで10秒間加圧する条件で測定されるダイヤモンド焼結体のマイクロヌープ硬度が6000〜10000kgf/mm2 である。
【0015】
本発明の高強度微粒ダイヤモンド焼結体において、長さ6mm、幅3mm、厚さ0.3〜0.4mmの測定試験片を用いて4mmスパンの条件で測定されるダイヤモンド焼結体の抗折力は250〜300kgf/mm2 である。
【0016】
本発明の高強度微粒ダイヤモンド焼結体は、切削工具の刃先部分や耐摩工具の耐摩耗性が要求される部分に用いられるのが好ましい。その場合、工具は、本発明の高強度微粒ダイヤモンド焼結体と、その焼結体の少なくとも一面に接合された超硬合金とを備え、ダイヤモンド焼結体の厚さが0.3〜10mmであるのが好ましい。
【0017】
さらに、線引ダイスや耐摩工具の素材として本発明の高強度微粒ダイヤモンド焼結体が用いられる場合には、ダイヤモンド焼結体が直径0.8〜40mm、厚さ0.8〜30mmの円柱状で形成されたものを用いてもよい。また、その円柱状のダイヤモンド焼結体の外周に同心円柱状の超硬合金、タングステン合金またはタングステン−モリブデン合金のいずれかの合金が接合されたものを線引ダイスや耐摩工具の素材として用いてもよい。上述のように本発明の高強度微粒ダイヤモンド焼結体を線引ダイスの素材に用いる場合には、焼結体の中心部にテーパ穴が加工される。また、本発明の高強度微粒ダイヤモンド焼結体が耐摩工具の素材に用いられる場合には、耐摩耗性が要求される部分にその焼結体が適用される。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明者は、特公昭56−44923号公報に開示された製造方法に検討を加えた結果、従来の微粒ダイヤモンド焼結体に比べて優れた強度や硬度等の特性を示す焼結体を、その焼結体の大きさに依存せず、安定して製造できることに成功した。
【0019】
まず、本発明の微粒ダイヤモンド焼結体を製造するに際して、原料として、粒径が0.1〜4μmのダイヤモンドを主成分とする粉末を用いる。ここで、このような粒度範囲の原料を用いる理由は、より強度の高い焼結体を得るためである。粒径が0.1μmよりも小さいダイヤモンド粉末を用いた場合には、原料のダイヤモンド粒子は2次粒子を形成し、粒成長するものもあり、結果として均質な焼結体を得ることが困難になる。また、粒径が4μmよりも大きい場合には、著しく強度が向上した焼結体を得ることが困難になる。
【0020】
結果として得られた焼結体においても焼結ダイヤモンド粒子の粒径は0.1〜4μmの範囲内に維持される。特に焼結ダイヤモンド粒子の粒径が0.1μmよりも小さい場合には、焼結体の耐摩耗性が低下するため、工具の素材として用いられると、摩耗量が増大するという問題が生じる。なお、より均質で安定した特性を有する焼結体を得るためには焼結ダイヤモンド粒子の粒径を0.5〜2μmの範囲内にすることが望ましい。
【0021】
本発明の微粒ダイヤモンド焼結体の製造方法では、特公昭52−12126号公報に開示されている方法、すなわち、いわゆる溶浸法を用いて焼結を行なう。ダイヤモンドの粉末と鉄族金属とを積層配置して鉄族金属からダイヤモンド粉末への溶浸を良好な状態で行なうためには、予め原料としてのダイヤモンド粉末に結合材として一定量の鉄族金属等を添加しておき、焼結時にダイヤモンド粒子間の間隙が溶融した鉄族金属で満たされるようにしておく必要がある。この方法は、特に厚さが1mmを超えるような焼結体を製造する場合に有効である。
【0022】
ダイヤモンド粉末への鉄族金属等の添加は、公知のあらゆる方法を用いて行なうことができる。すなわち、ダイヤモンド粉末と鉄族金属等同士をボールミル等の手段で機械的に混合する方法や、ダイヤモンド粉末の表面を物理的または化学的な手段で鉄族金属等で被覆する方法等が有効である。これらの方法の中で、特に混合の均一性を重視する場合には、無電解めっき法を用いるのが好ましい。
【0023】
なお、粒径が2μm以下のダイヤモンド粉末を用いる場合には、微粒のダイヤモンドが粒成長するため、これを抑制する目的で所定量の粒成長抑制材として周期律表4A、5Aまたは6A族の金属の炭化物、窒化物、硼化物およびこれらの固溶体または混合物の少なくとも1つの化合物をダイヤモンド粉末に添加するのが好ましい。
【0024】
原料粉末は、溶浸用の鉄族金属とともに、超硬合金の容器あるいは板に充填または積層され、ダイヤモンドが安定な超高圧・高温条件下で焼結される。本発明の微粒ダイヤモンド焼結体を製造するためには、この焼結に先立って原料粉末に吸着したガス、特に酸素を所定範囲内の残留量となるように除去する。
【0025】
吸着ガスの除去は、原料粉末を充填または積層する前に水素雰囲気中で1100℃〜1500℃の範囲内の温度で加熱する方法や、原料粉末が充填または積層されたものを金属製の容器に配置し、上記と同一の条件で加熱封入する方法を用いて行なわれてもよい。
【0026】
最終的に得られるダイヤモンド焼結体が0.1〜4μmの範囲内の粒径を有する焼結ダイヤモンド粒子を主成分とし、酸素含有量は0.01〜0.08質量%の範囲内であるように、上記の処理条件が調整される。
【0027】
上記のように酸素含有量を0.01〜0.08質量%の範囲内に限定する理由は、0.08質量%より多く焼結体中に残留した場合には、焼結体の特性が従来のものと同等、すなわち焼結体の強度が200kgf/mm程度になることによる。また、酸素含有量の下限値として0.01質量%は、現在の技術で可能な最小残留量を示すものであり、酸素残留量をより少なくする技術が可能になれば、さらに酸素含有量を少なくすることにより、望ましい焼結体の特性を得ることができるであろう。
【0028】
結合材として鉄族金属と周期律表4A、5Aおよび6A族から選ばれた金属の炭化物等の少なくとも1つの化合物とを用いてもよい。
【0029】
合金属として鉄族金属と上記の化合物とを用いる場合には、焼結体の組成としては、焼結ダイヤモンド粒子が80〜95容量%、鉄族金属が4〜15容量%、上記の化合物が1〜8容量%であるのが好ましい。
【0030】
ここで、焼結体の組成を上記の範囲内に限定するのは、焼結ダイヤモンド粒子の含有量が80容量%未満では、十分な耐摩耗性の効果を期待することができず、また、95容量%を超えて焼結ダイヤモンド粒子を含む微粒焼結体の製造は技術的に困難であるためである。なお、鉄族金属または上記の化合物の含有量は、焼結ダイヤモンド粒子の含有量に応じて上述の範囲内に決定されるものである。
【0031】
本発明により得られる焼結体は、押込み荷重500gで10秒間加圧する条件で測定されるマイクロヌープ硬度が6000〜10000kgf/mm2 である。また、長さ6mm、幅3mm、厚さ0.3〜0.4mmの測定試験片を用いて4mmスパンの条件で測定される抗折力が、250〜300kgf/mm2 である。このように、本発明によれば、従来の製造方法では得ることができなかった、硬度と強度が著しく向上した焼結体を得ることができる。
【0032】
本発明によって得られる焼結体を素材として用いた切削工具、耐摩工具または線引ダイス(伸線ダイス)は、各用途において実使用性能を飛躍的に向上させることが可能である。各用途で使用される本発明の焼結体の具体的な形状や構造等は、上述のとおりである。焼結体は、その用途により単体のまま、あるいは超硬合金と接合された形態で工具の素材として使用され得る。また、線引ダイスの用途では、超硬合金以外にもタングステン合金やタングステン−モリブデン合金と焼結体との接合体も、同様の性能を示す。
【0033】
【実施例】
(実施例1)
超硬合金製のボールミルにより、粒径1μmのダイヤモンド粉末に粒径0.5μmのWC粉末と粒径0.2μmのCo粉末を添加して混合した。この結果、得られた混合粉末は、WCの含有量が8質量%、Coの含有量が5質量%であった。この混合粉末に水素中で1200℃の温度で脱ガス処理を施した。処理された粉末を分析した結果、0.05質量%の酸素が混合粉末中に残留していることが明らかになった。
【0034】
次に、この混合粉末を外径8mm、内径4mm、高さ6mmの中空円筒状の超硬合金製の容器に溶浸用のCo板とともに充填した。この積層体をベルト型超高圧発生装置により、50000気圧、1400℃の条件で30分間保持して焼結した。
【0035】
比較として、上記と同じ組成の混合粉末に真空中で1200℃の温度で脱ガス処理を施したもの(残留酸素量は0.15質量%)も上記と同じ条件で焼結した。
【0036】
本発明による焼結体(A)と比較例としての従来の焼結体(B)について、焼結体の組成、硬度、抗折力を測定した。ここで、焼結体の組成はプラズマ発光分光分析によって測定した。また、硬度は、押込み荷重500gで10秒間加圧する条件で測定したマイクロヌープ硬度で評価した。抗折力は、長さ6mm、幅3mm、厚さ0.35mmの測定試験片を作製して、スパン4mmの条件で測定した。
【0037】
その結果は表1に示される。
【0038】
【表1】
Figure 0004297987
表1から明らかなように、従来の製造方法による焼結体(B)に比べて本発明の焼結体(A)は硬度や抗折力において飛躍的に向上していることが確認された。
【0039】
さらに、それぞれ得られた焼結体の中心にテーパ穴加工を施して伸線ダイスを作製した。この伸線ダイスを用いて直径0.3mmのスチールコードを0.2mmまで伸線し、その伸線量(TON)でダイスの寿命を評価した。ダイスの内面が摩耗することにより、伸線された線材の表面に傷が生じた時点の伸線量(TON)をダイスの寿命とした。その結果を表1に示す。伸線ダイスとしての実使用性能に関しても、従来の焼結体(B)から作製された伸線ダイスに比べて、本発明の焼結体(A)から作製された伸線ダイスは優れた性能を発揮することが明らかとなった。
【0040】
図1は本発明による焼結体(A)の組織を示す反射型電子顕微鏡写真(5000倍)、図2は比較例による焼結体(B)の反射型電子顕微鏡写真(5000倍)である。これらの写真は、焼結体の表面を研磨した後に、焼結体に酸処理を施すことによって結合材を溶かして除去した状態を観察したものである。写真において黒く見える部分は、結合材が除去された部分で穴を形成している。
【0041】
図1に示すように、本発明の焼結体では、黒く見える部分、すなわち結合材の部分が島状に孤立していることがわかる。これは、互いに隣接するダイヤモンド粒子同士が結合し、すなわちネックグロースし、粒状の焼結ダイヤモンド粒子が減少していることを意味する。
【0042】
一方、図2に示すように、比較例による焼結体では、黒く見える部分、すなわち結合材の部分が網目状につながっていることがわかる。これは、焼結ダイヤモンド粒子が粒状のままであり、ダイヤモンド同士の結合が弱いことを意味する。
【0043】
これらのことから、本発明の焼結体では焼結ダイヤモンド粒子がネックグロースして、すなわち隣接する焼結ダイヤモンド粒子が直接接合する度合が高まることにより、焼結体自身の強度や硬度が向上するものと考えられる。
【0044】
(実施例2)
表2に示すように、所定の範囲内の粒径を有するダイヤモンド粉末に所定の範囲内の含有質量%で結合材をボールミル法または無電解めっき法によって添加した。その後、表2に示すように各原料粉末を所定の加熱雰囲気で所定の加熱温度で1時間加熱処理した。このように処理された各原料粉末を、それぞれ添加した結合材の鉄族金属の種類と同じ鉄族金属の板とともに超硬合金板に積層して、50000気圧、1350℃の条件で30分間焼結した。また、比較として従来の条件(表2中のNo.8)で処理した原料粉末も用いて同様に焼結体を作製した。
【0045】
得られた各焼結体の組成(容量%)、残留酸素量(質量%)、硬度(kgf/mm)、抗折力(kgf/mm)を測定した。その結果は表3に示される。表3において組成は、「D」の前に記される数値は焼結ダイヤモンド粒子の容量%、「WC」、「MoC」、「Co」、「Ni」の前に記された数値はそれぞれ、WC、MoC、Co、Niの容量%を示す。
【0046】
また、各焼結体から切削工具の刃先部分を形成し、その切削工具を用いて下記の条件でアルミニウム合金の高速切削を行なうことによって、切削性能を評価した。
【0047】
被削材:A390合金(Al−17%Si)丸棒
切削速度:800m/min.
切込量:1.0mm
送り量:0.2mm/rev.
冷却方式:湿式
切削時間:30min.
切削性能は、上記の切削で生じた工具の摩耗量で評価した。工具摩耗量(μm)も表3に示される。
【0048】
【表2】
Figure 0004297987
【0049】
【表3】
表3の結果から、本発明の焼結体であるNo.2,5,6はいずれも優れた特性を示すことがわかった。
【0050】
なお、表3中においてNo.3,7と従来の焼結体であるNo.8では十分な特性を得ることができなかった。この理由は、残留酸素量が多いために、酸素の影響により焼結が十分に進行しなかったためと考えられる。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、焼結体中に残留する酸素の含有量を低く抑えることにより、優れた強度、硬度、耐摩耗性を有する高強度微粒ダイヤモンド焼結体を得ることができる。そのようなダイヤモンド焼結体は、切削工具、線引ダイス、耐摩工具などの素材の用途に好ましく用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイヤモンド焼結体の組織を示す反射型電子顕微鏡写真である。
【図2】比較として従来のダイヤモンド焼結体の組織を示す反射型電子顕微鏡写真である。

Claims (14)

  1. 焼結ダイヤモンド粒子と、残部として結合材とを含み、
    前記焼結ダイヤモンド粒子は0.1〜4μmの範囲内の粒径を有し、前記結合材はFe、CoおよびNiからなる群より選ばれた少なくとも1つの鉄族金属と、周期律表4A、5Aおよび6A族から選ばれた金属の炭化物、窒化物、硼化物およびこれらの固溶体または混合物の少なくとも1つの化合物とからなり、
    酸素含有量が0.01〜0.08質量%の範囲内であることを特徴とする、高強度微粒ダイヤモンド焼結体。
  2. 前記焼結ダイヤモンド粒子を80〜95容量%、前記鉄族金属を4〜15容量%、前記化合物を1〜8容量%含むことを特徴とする、請求項1に記載の高強度微粒ダイヤモンド焼結体。
  3. 前記結合材は、0.1〜1μmの範囲内の粒径を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の高強度微粒ダイヤモンド焼結体。
  4. 押込み荷重500gで10秒間加圧する条件で測定される前記ダイヤモンド焼結体のマイクロヌープ硬度が6000〜10000kgf/mmであることを特徴とする、請求項1からまでのいずれかに記載の高強度微粒ダイヤモンド焼結体。
  5. 長さ6mm、幅3mm、厚さ0.3〜0.4mmの測定試験片を用いて4mmスパンの条件で測定される前記ダイヤモンド焼結体の抗折力が、250〜300kgf/mmであることを特徴とする、請求項1からまでのいずれかに記載の高強度微粒ダイヤモンド焼結体。
  6. 請求項1からまでのいずれかに記載の高強度微粒ダイヤモンド焼結体と、その高強度微粒ダイヤモンド焼結体の少なくとも一面に接合された超硬合金とを備え、前記ダイヤモンド焼結体の厚さが0.3〜10mmであることを特徴とする、工具。
  7. 請求項に記載の工具において、前記高強度微粒ダイヤモンド焼結体からなる刃先部分を備えたことを特徴とする、切削工具。
  8. 請求項に記載の工具において、耐摩耗性が要求される部分は、前記高強度微粒ダイヤモンド焼結体からなることを特徴とする、耐摩工具。
  9. 請求項1からまでのいずれかに記載の高強度微粒ダイヤモンド焼結体が直径0.8〜40mm、厚さ0.8〜30mmの円柱状で、かつその外周に同心円柱状の超硬合金、タングステン合金およびタングステン−モリブデン合金からなる群より選ばれた1つの合金が接合されていることを特徴とする、工具。
  10. 請求項に記載の工具において、前記ダイヤモンド焼結体の中心部に加工されたテーパ穴を有することを特徴とする、線引ダイス。
  11. 請求項に記載の工具において、耐摩耗性が要求される部分は、前記高強度微粒ダイヤモンド焼結体からなることを特徴とする、耐摩工具。
  12. 前記ダイヤモンド焼結体が、直径0.8〜40mm、厚さ0.8〜30mmの円柱状であることを特徴とする、請求項1からまでのいずれかに記載の高強度微粒ダイヤモンド焼結体。
  13. 請求項12に記載の高強度微粒ダイヤモンド焼結体からなり、その中心部に加工されたテーパ穴を有することを特徴とする、線引ダイス。
  14. 耐摩耗性が要求される部分は、請求項12に記載の高強度微粒ダイヤモンド焼結体からなることを特徴とする、耐摩工具。
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