JP2003055729A - 優れた耐食性、耐摩耗性を有する焼結合金材料、その製造方法、およびそれらを用いた機械構造部材 - Google Patents

優れた耐食性、耐摩耗性を有する焼結合金材料、その製造方法、およびそれらを用いた機械構造部材

Info

Publication number
JP2003055729A
JP2003055729A JP2001247146A JP2001247146A JP2003055729A JP 2003055729 A JP2003055729 A JP 2003055729A JP 2001247146 A JP2001247146 A JP 2001247146A JP 2001247146 A JP2001247146 A JP 2001247146A JP 2003055729 A JP2003055729 A JP 2003055729A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sintered alloy
alloy material
nitride film
oxide film
sintered
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001247146A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4976626B2 (ja
Inventor
Mari Nishi
西  麻里
Masaru Inoue
勝 井上
Yuji Yamazaki
裕司 山崎
Kenichi Takagi
研一 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Kohan Co Ltd
Original Assignee
Toyo Kohan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Kohan Co Ltd filed Critical Toyo Kohan Co Ltd
Priority to JP2001247146A priority Critical patent/JP4976626B2/ja
Publication of JP2003055729A publication Critical patent/JP2003055729A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4976626B2 publication Critical patent/JP4976626B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融樹脂や溶融金属に対する耐食性、および
耐摩耗性を改善するとともに、優れた離型性をも有し、
さらに優れた耐薬品性も有するMo2NiB2型複硼化物
を主体とする焼結合金、その製造方法、およびその焼結
合金を用いた機械構造部材を提供する。 【解決手段】 Mo2NiB2型複硼化物を主体とする圧
粉成形体を焼結した後、焼結合金の最表面に窒化物皮
膜、または上層の酸化物皮膜と下層の窒化物皮膜の2層
皮膜を形成することにより、優れた耐磨耗性、耐食性、
および離型性を付与したものであり、この焼結合金を機
械構造部材に適用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は焼結合金材料および
その製造方法に関する。より詳細には、Mo2NiB2
複硼化物を主体とする焼結合金において、焼結合金の表
面に窒化物又は窒化物と酸化物を形成させることによ
り、耐磨耗性、耐食性、離型性を大幅に向上させた焼結
合金材料、その製造方法、およびその焼結合金を用いた
機械構造部材に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂などの射出成形機や溶融金属鋳造装
置などの機械構造部材、特に耐磨耗性が要求される用途
に用いられる部材としてはシリンダー、スクリュー、プ
ランジャー、成形金型などがある。これらの部材として
は、セラミックスや工具鋼に各種の表面処理を施したも
のが使用されている。サイアロン、アルミナなどのセラ
ミックスの中でも、特にサイアロンは従来のセラミック
スに比べて強度、靱性、および耐磨耗性に優れており、
各種のエンジニアリング用部品に適用されている。しか
しながら、工具鋼やSKD61をはじめとする熱間工具
鋼などよりも強度に劣り、ダイカストマシンのスリーブ
などに適用した場合、割れなどの問題があった。
【0003】また、近年は構成部材に対する要求が厳し
くなってきており、これらの工具鋼や熱間工具鋼に各種
の窒化処理を施したものが用いられるようになってい
る。窒化処理の中でもPVDやCVDなどによるTi
N、CrNなどのコーティングは耐食性や耐磨耗性の向
上には有効であるが、母材に対するコーティング皮膜の
密着性に乏しく、ヒートクラックなどの欠陥が発生しや
すい。これらの欠陥は部材を短寿命化し、その部材を装
填した機械装置の生産性を低下させる要因となる。
【0004】そのため、溶融アルミニウム等の溶融金属
に対する耐食性に優れているのみならず、セラミックス
材料よりも優れた耐熱衝撃性を有する材料として、Ni
基の結合相を有する3元系複硼化物が提案(例えば特開
平2−299740号公報、特開平5−320816号
公報)されている。しかしながら、Ni基の結合相は高
温における強度などの高温特性には優れているものの、
溶融金属に対しては浸食されたり相手材と凝着するな
ど、耐食性が十分でなく、長時間使用した場合の部材の
耐久性に問題があった。
【0005】また、特開平5−148588号公報や特
開平9−217167号公報は、鋼、鋳鉄、およびステ
ンレス鋼表面に酸化物皮膜を設けることにより、部材の
耐食性の改善を図ることを開示している。しかし、形成
された酸化物皮膜は非常に薄く、硬度も低いために、耐
摩耗性強度が必要となるプランジャー、スリーブには適
用不可能であるばかりでなく、母材との密着性に乏しい
ことによる、酸化物皮膜の剥離等による溶融金属中への
混入といった問題の生じる恐れがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、溶
融樹脂や溶融金属に対する耐食性、および耐摩耗性を改
善するとともに、優れた離型性をも有し、さらに優れた
耐薬品性も有するMo2NiB2型複硼化物を主体とする
焼結合金材料、その製造方法、およびその焼結合金材料
を用いた機械構造部材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の焼結合金材料
は、Mo2NiB2型複硼化物とNi基結合相からなる焼
結合金の最表面に窒化物皮膜、又は該窒化物皮膜上にさ
らに酸化物皮膜を形成してなることを特徴とする焼結合
金材料である。前記窒化物皮膜の厚さは、0.5〜20
μmであること、及び前記酸化物皮膜の厚さは0.5〜
20μmであることが望ましい。
【0008】そして、前記窒化物皮膜はMo、Cr、N
i、Bの金属元素と窒素を主体とする(Ni,Mo,C
r,B)mNn型の複合窒化物からなる皮膜であるこ
と、及び前記酸化物皮膜はMo、Cr、Ni、Bの金属
元素と酸素を主体とする(Ni,Mo,Cr,B)xO
y型の複合酸化物からなる皮膜であることが望ましい。
【0009】前記焼結合金の組成としては、3〜7.5
%のB、21〜79.9%のMo、2〜35%のCr、
残部が10%以上のNiおよび不可避的不純物からなる
組成が採用できる。あるいは、前記焼結合金の前記全組
成に対して、0.1〜8%のMnを含有すること、前記
焼結合金に含有されるMo含有量の一部を、全組成に対
して0.1〜30%のWで置換してなること、前記焼結
合金に含有されるMo含有量の一部を、全組成に対して
0.1〜10%のNbで置換してなること、前記焼結合
金に含有されるMo含有量の一部を、全組成に対してW
およびNbの両者の合計で0.2〜30%置換してなる
こと、前記焼結合金に含有されるNb含有量の一部又は
全部をZr、Ti、Ta、Hfのいずれか1種又は2種
以上と置換してなること、前記焼結合金に含有されるN
i含有量の一部を、全組成に対してFeおよび/又はC
oのいずれか一方又は両者の合計で0.1〜20%置換
してなること、焼結合金に含有されるCr含有量の一部
を、全組成に対して0.1〜25%のVで置換してなる
ことの何れかの組成も採用することができる。
【0010】また本発明の焼結合金材料の製造方法は、
上記のいずれかの焼結合金を窒素雰囲気あるいは窒素を
含む還元性雰囲気中で加熱してその表面に窒化物皮膜を
形成させる、又は上記のいずれかの焼結合金を大気中あ
るいは酸素を含む雰囲気中で加熱してその表面に酸化物
皮膜を形成させた後、窒素を含む還元性雰囲気中で加熱
し、酸化物皮膜を還元して窒化物皮膜を形成させる、又
は上記のいずれかの焼結合金を大気中あるいは酸素を含
む雰囲気中で加熱してその表面に酸化物皮膜を形成させ
た後、窒素雰囲気中で加熱し、酸化皮膜の下層に窒化物
皮膜を形成させることを特徴とするものである。前記窒
素を含む還元性雰囲気又は窒素雰囲気の圧力が0.10
3〜1MPaであることが望ましい。
【0011】さらに本発明の機械構造部材は、上記のい
ずれかの焼結合金材料の製造方法を用いて作成した焼結
合金材料を部材とすることを特徴とする機械構造部材で
あり、機械構造部材が射出成形機用部材、又は溶融金属
鋳造装置用部材であることを特徴とする。
【0012】 [発明の詳細な説明]
【発明の実施の形態】本発明は、Mo2NiB2型複硼化
物を主体とする焼結合金の最表面に窒化物皮膜、又は上
層の酸化物皮膜と下層の窒化物皮膜の2層皮膜を形成す
ることにより、溶融樹脂や溶融金属に対して優れた耐磨
耗性、耐食性、離型性を付与するものである。本発明の
機械構造部材の母材となる焼結合金において、B、M
o、Crの含有量を一定範囲内に限定することにより、
複硼化物とNi基の結合相との2相組織の焼結合金とな
り、優れた耐磨耗性、耐食性が得られるばかりでなく、
上記の窒化物皮膜又は窒化物皮膜と酸化物皮膜からなる
表面処理層を緻密かつ安定に形成させるこにより、溶融
樹脂や溶融金属に対する優れた離型性をも付与すること
ができる。また、母材中にMnを含有させることによ
り、母材の機械的特性、表面処理層の耐食性および自己
修復性が向上し、さらにWを含有させることにより母材
の機械的特性、表面処理層の耐食性および耐摩耗性が向
上する。またさらに、Nb、Zr、Ti、Ta、Hfを
含有させることにより、表面処理層の耐食性および耐摩
耗性が向上し、Feおよび/又はCoを含有させること
により母材の耐熱衝撃性および高温強度が向上する。以
下に本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明者らは本発明に至るまでに、Mo2
NiB2型複硼化物を主体とする焼結合金が、溶融樹脂
や溶融金属が使用される腐食雰囲気や高温度領域などの
環境下で耐えられるだけの十分な耐食性および耐磨耗性
を有していることを見出していた。しかしながら、近
年、樹脂を高性能化するためにガラス繊維やフェライト
粒子などの各種フィラーが多量に添加され、機械構造部
材のさらなる耐磨耗性の向上が必要とされていた。ま
た、溶融金属に対しては、長時間溶融金属と接触した場
合、Ni基の結合相が溶融金属と反応し、耐食性、離型
(剥離)性の改善が必要であることが判明した。そこで
種々検討した結果、Mo2NiB2型複硼化物を主体とす
る焼結合金の表面に、緻密かつ安定な窒化物皮膜又は窒
化物皮膜と酸化物皮膜からなる表面処理層を形成させる
ことにより、母材の強度を維持させたまま、表面硬度を
上昇させ、長期間使用しても溶融金属および溶融樹脂に
対する耐食性、離型性、耐磨耗性が大幅に向上すること
を見出した。
【0014】これは、窒化物皮膜が母材の主要構成元素
であるMo、Cr、Ni、Bの金属元素と窒素を主体と
して構成される(Ni,Mo,Cr,B)mNn型の複
合窒化物からなる安定かつ緻密な皮膜であり、さらに酸
化物皮膜も、母材の主要構成元素であるMo、Cr、N
i、Bの金属元素と窒素を主体として構成される(N
i,Mo,Cr,B)xOy型の複合酸化物からなる安
定かつ緻密な皮膜であり、これらの表面処理層が保護膜
を構成して溶融金属に対する耐食性や耐磨耗性を大幅に
改善向上させるためである。さらに、窒化物皮膜を形成
させる前に予め酸化物皮膜を形成させておき、この酸化
物皮膜を還元しながら窒化することにより、先に生成し
た酸化物層によって窒化が促進され、窒化物皮膜をより
厚く製膜することができる。
【0015】本発明の焼結合金は上記4元素に加えて、
選択的にMn、W、Nb、Zr、Ti、Ta、Hf、F
e、Co、Vが添加される場合もあり、この場合は合金
表面に形成される窒化物皮膜や酸化物皮膜は、Mo、C
r、Ni、Bに加えて上記の選択的に添加される元素お
よび窒素又は酸素から構成される。窒化物や酸化物にM
o、Cr、Ni、Bが含有されない場合は、表面処理層
の結合力が弱く、かつ、母材との密着性が低下するため
に亀裂や剥離を生じやすく、耐摩耗性も十分でない。複
合窒化物としては、具体的には(Ni、Cr)2Mo3N、 Cr
N、Cr2N、MoN、Mo2N、BNなどが挙げられる。また複合酸
化物としては、具体的には(Ni,Mo,Cr,B)2
3、(Ni,Mo,Cr,B)34、(Ni,Mo,
Cr,B)O、(Ni,Mo,Cr,B)O3、(N
i,Mo,Cr,B)O2.7〜2.9、(Ni,Mo,C
r,B)O2などが挙げられる。
【0016】上記の複合窒化物や複合酸化物は、Mo2
NiB2型の複硼化物が窒化又は酸化されることにより
得られるため、母材としては合金組成が主にMo、C
r、Ni、BからなるMo2NiB2型複硼化物を主体と
する焼結合金である必要がある。この焼結合金におい
て、Bは焼結合金の母材の硬質相となる複硼化物および
表面処理層を形成するために必要不可欠な元素である。
また、Bを含有した表面処理層は母材との密着性を向上
させる効果を示す。B量が3%未満であると硬質相の割
合が35%を下回り、母材の機械的特性が劣る。一方、
7.5%を超えると硬質相の割合が95%を上回り、強
度および耐熱衝撃性が低下する。よって、B含有量は3
〜7.5%に限定する。
【0017】MoはBと同様に複硼化物および表面処理
層を形成するために不可欠な元素である。母材において
は、一部は焼結合金の結合相中に固溶し、母材の機械的
強度を向上させる。しかし、適正量(79.9%)を超
えて含有させるとM6C型炭化物などの金属間化合物を
形成して母材の強度が低下する。一方、含有量が21%
未満であると、Ni2BなどのNi硼化物が形成するた
めに母材の強度が低下する。よってMo含有量は21〜
79.9%に限定する。
【0018】Crは複硼化物中のNiと置換固溶し、複
硼化物の結晶構造を正方晶に安定化させる効果を有す
る。また、Ni結合相中にも固溶し、焼結合金の耐食
性、耐摩耗性、高温特性、および機械的特性を大幅に向
上させる。しかし、35%を超えて含有させるとCr5
3などの硼化物を形成し、母材の強度が低下する。一
方、2%未満になると表面処理層のCr量が不十分とな
り、溶融金属や溶融樹脂に対する耐食性の低下を生じ
る。よって、Cr含有量は2〜35%に限定する。
【0019】Mnは母材の複硼化物の粒成長を抑制し、
合金組織を微細化させることにより、機械的特性を著し
く向上させる。また、Mnの添加により、焼結時に型く
ずれの少ない良好な形状の焼結体が得られ、ニヤネット
化が図られる効果を示す。さらにMnは酸素との親和力
が強いため、表面処理層の厚膜化をもたらし、部材の耐
久性を高める。含有量が0.1%未満では特性改善の効
果が認められず、8%を超えて含有させると母材の機械
的特性が低下する。よってMnの含有量は全組成に対し
て0.1〜8%に限定する。
【0020】WはMoと置換させることが可能な元素で
あり、母材の強度を向上させる効果を示すばかりでな
く、表面処理層の耐食性および耐摩耗性を向上させる。
しかし、Wの含有量が0.1%未満であるとその特性改
善効果が認められない。一方、30%を超えて含有させ
てもその効果が認められなくなるばかりでなく、部材の
比重が高まり、製品重量が増大する。よって、Wの含有
量は全組成に対して0.1〜30%に限定する。
【0021】Nb、Zr、Ti、Ta、HfはMoと置
換させることが可能な元素であり、母材の複硼化物に固
溶するとともに一部は他の硬質粒子(硼化物、酸化物、
炭化物、および窒化物)を形成し、機械的特性を向上さ
せる。また、これらの元素は酸素との親和力が強いこと
から複合酸化物と結合し、より緻密で密着性に優れた表
面処理層の形成に効果がある。また、これらの元素を2
種以上複合含有させても単独で含有させた場合と同様な
効果が得られる。しかし、含有量が0.1%未満である
と改善効果が認められず、10%を超えて含有させると
焼結合金の焼結性が低下し、強度の低下を招くばかりで
なく、これらの元素は高価であるためコストの上昇を招
く。よってNb、Zr、Ti、Ta、Hfの含有量は全
組成に対して1種又は2種以上の合計で0.1〜10%
に限定する。
【0022】FeはNiと置換可能な元素であり、表面
処理層中にFeを複合した窒化物および酸化物皮膜を形
成することで、表面処理層の自己修復性が向上する。ま
た、安価なFeを使用することで、部材のコスト削減が
図れる。含有量が0.1%未満であるとその改善効果が
認められず、20%を越えて含有させると、耐食性が低
下するばかりでなく、母材の熱衝撃性および強度が低下
する。よって、Feの含有量は全組成に対して0.1〜
20%に限定する。
【0023】CoもFeと同様にNiと置換可能な元素
であり、本発明の焼結合金の硼化物、およびNi基結合
相の両相に固溶し、焼結合金の熱衝撃性および高温強度
を向上させる。含有量が0.1%未満であるとその改善
効果が認められず、20%を超えて含有させてもその特
性向上の効果が認めらないないだけでなく、コストの上
昇を招く。よって、Coの含有量は全組成に対して0.
1〜20%に限定する。FeおよびCoは上記のように
単独で含有させてもよいし、両者を含有させてもよい。
両者を含有させる場合も、含有量は全組成に対して0.
1〜20%に限定する。
【0024】VはCrと置換させることが可能な元素で
あり、また、Crと同様に複硼化物中のNiと置換固溶
し、複硼化物の結晶構造を正方晶に安定化させる効果を
有する。また、Ni結合相中にも固溶し、焼結合金の耐
食性、耐摩耗性、高温特性、および機械的特性を大幅に
向上させる。さらに表面処理層においては、自己修復性
の向上効果をもたらす。0.1%未満であるとこれらの
特性改善効果が認められず、25%を超えて含有させる
と、窒化物皮膜や酸化物皮膜の密着性が低下し、溶融金
属や溶融樹脂への不純物混入の原因となり得る。よって
Vの含有量は全組成に対して0.1〜25%に限定す
る。
【0025】本発明の焼結合金は上記成分元素のほか、
残部がNiで構成される。Niは複硼化物および結合相
を構成する元素であり、表面処理層を構成する複合窒化
物および複合酸化物の形成に必要不可欠である。本発明
の焼結合金においては、Niの含有量が10%未満であ
ると複硼化物を十分に形成させることができないばかり
か、結合相中のNi含有量が不足して、焼結時に十分な
液相が出現せず緻密な焼結体が得られず、強度が低下す
る。そのため、本発明の硬質合金にはNiを10%以上
含有させる必要がある。本発明の焼結合金においてNi
を10%以上含有させることができない場合は、許容範
囲内においてNi以外の各元素の含有量を減じて、10
%以上のNiを含有させることは言うまでもない。
【0026】本発明の焼結合金が含有する不可避的不純
物元素の主なものはP、S、C、Si、Alなどであ
り、焼結合金の強度を維持させるためにはこれらの含有
量は極力少なくすることが望ましい。これらの元素の含
有量が合計で1%以下であれば、機械的特性に与える影
響は比較的小さい。
【0027】次に本発明の製造方法について説明する。
まず母材である焼結合金の製造方法について説明する。
Ni、Mo、Cr、Mn、W、Nb、Zr、Ti、T
a、Hf、Fe、Co、Vの1種または2種以上の元素
とBからなるB合金の粉末、またはこれらのB合金粉末
とこれら元素の1種または2種以上からなる合金の粉
末、またはB単体とNi、Mo、Cr、Mn、W、N
b、Zr、Ti、Ta、Hf、Fe、Co、Vの単体粉
末、またはB単体とこれらの1種または2種以上の合金
からなる粉末を所定の合金組成となるように配合し、振
動ボールミル等を用いて有機溶媒中で湿式粉砕後、造
粒、成形し、該成形体を真空中、還元ガス中、または不
活性ガス中などの非酸化性雰囲気中で液相焼結する。
【0028】なお、上記の焼結合金の硬質相となる複硼
化物は、上記原料粉末が焼結中に反応することによって
形成されるが、あらかじめMoおよびNi、さらに上記
の選択的に添加される元素からなる複硼化物、またはB
単体の粉末とMoおよびNiさらに上記の選択的に添加
される元素の粉末を炉中で反応させることにより、Mo
2NiB2型複硼化物を製造し、さらに結合組成のNi、
Mo、Fe、Co、および上記の選択的に添加される元
素の粉末を所定の合金組成となるように配合した粉末を
用いても差し支えない。
【0029】上記のようにして調製した粉末を所定形状
に圧粉成形した後、加熱して焼結する。焼結は通常13
73〜1673Kの焼結温度で5〜90分間行う。焼結
温度が1373K未満の場合は液相が十分に出現せず、
空孔の多い焼結体が得られ、十分な強度が得られない。
一方、焼結温度が1673Kを超えると液相は十分に出
現するものの、結晶粒が粗大化し強度が低下する。ま
た、焼結時間が5分未満であると、元素の拡散が十分で
なく、十分に高密度化しない。一方、90分を越えて焼
結してもそれ以上の強度上昇は認められず、場合によっ
ては強度が低下することもある。以上のような液相が出
現する焼結条件で焼結することにより、空孔が消失し、
ほぼ100%の密度の硬質合金が得られる。液相を出現
させずに空孔を消失させる方法として、熱間静水圧プレ
ス法、ホットプレス法、通電焼結法などがあり、これら
の方法を用いても空孔を消失させることができる。また
これらの方法と液相焼結法を併用してもよい。
【0030】上記のようにして得られる本発明の焼結合
金は、焼結体単体としてのみ用いられるばかりでなく、
鋼材と接合させて複合材として用いることも可能であ
る。すなわち、本発明の焼結合金は超硬合金のように鋼
材にロウ付けして使用するばかりでなく、ロウ材を使用
することなく直接鋼材と接合させたり、鋼材表面に本発
明の焼結合金の原料粉末のスラリーを塗布した後、原料
粉末を焼結するとともに鋼材と拡散接合させることも可
能であり、強固な接着が得られる。また、焼結と鋼材を
同時に接合する焼結接合法を適用することも可能であ
り、鋼材は熱ダメージによる強度低下を招来することな
く、複合材料をアルミニウムなどの溶融金属のダイカス
トマシン用部材として用いた場合、耐熱衝撃性や溶融金
属に対して耐食性および耐摩耗性が必要とされる部分に
のみ、本発明の焼結合金を必要最小限に用いることによ
り、金型などの部材を低価格で製造することが可能とな
る。次に、上記のようにして得られた母材表面に形成さ
せる表面処理層の製造方法について説明する。
【0031】窒化物皮膜のみを形成させる場合は、得ら
れた母材を所望の形状に機械加工を行い、表面を洗浄脱
脂した後、0.103〜1MPaの窒素雰囲気もしくは
窒素を含有する還元性雰囲気中で773〜1873Kの
温度で5分〜50時間保持することにより、0.5〜2
0μmの厚さの窒化物皮膜を形成させる。処理温度が7
73K未満の場合は、長時間の処理を行っても優れた耐
食性および耐磨耗性が得られる十分な厚みを有する窒化
物皮膜を形成することはできない。一方、1873Kを
超える処理温度で処理した場合は、窒化物皮膜の剥離が
生じる。処理時間が5分未満の場合は十分な厚みの窒化
物皮膜の形成が認められず、50時間を超えて処理を行
っても、窒化物皮膜の成長は飽和し、剥離を生じるばか
りでなく、コストの上昇につながる。よって、窒化処理
は773〜1873Kの温度で5分〜50時間、好まし
くは973〜1673Kで1〜30時間行う。雰囲気の
圧力は処理槽外の大気が雰囲気中に侵入することがない
ように、大気圧よりも高めにする必要があり、また圧力
を高めると膜厚が厚くなる傾向があるので、0.103
〜1MPaの圧力下で処理することが好ましい。このよ
うにして0.5〜20μmの厚さの窒化物皮膜が得られ
る。窒化物皮膜の厚さが0.5μm未満の場合は十分な
耐食性および耐磨耗性が得られず、一方20μmを超え
ると耐食性および耐磨耗性の向上効果が飽和し、経済的
に有利でなくなる。
【0032】窒化物皮膜のみを形成させる別法として、
得られた母材を所望の形状に機械加工を行い、表面を洗
浄脱脂した後、まず大気中もしくは酸素雰囲気中で77
3〜1873Kの温度で5分〜50時間保持して酸化物
皮膜を形成させる。酸化物皮膜の形成手段としては、高
温大気酸化法、高温湿潤水素酸化法等があるが特に限定
されない。処理温度が773K未満の場合は、長時間の
処理を行っても優れた耐食性が得られる十分な厚みを有
する酸化物皮膜を形成することはできない。一方、18
73Kを超える処理温度で処理した場合は、酸化物皮膜
の剥離が生じる。処理時間が5分未満の場合は十分な厚
みの酸化物皮膜の形成が認められず、50時間を超えて
処理を行っても、酸化物皮膜の成長は飽和し、剥離を生
じるばかりでなく、コストの上昇につながる。次いで
0.103〜1MPaの窒素を含む還元性雰囲気中で7
73〜1673Kの温度で1〜40時間保持する。この
ように、大気中または酸素を含む雰囲気中で加熱して酸
化物皮膜を形成させ、次いで窒素を含む還元性雰囲気中
で加熱すると、同一条件で窒化処理を行っても窒化処理
単独の場合よりも厚い窒化物皮膜が得られ、厚膜化しや
すくなる。
【0033】酸化物皮膜を形成させた後、窒化処理する
と、窒化物皮膜は母材表面、すなわち酸化物皮膜の下層
に形成される。この処理を実施する場合は、上記と同様
にして母材に機械加工を施し、表面を洗浄脱脂した後、
まず大気中もしくは酸素雰囲気中で773〜1873K
の温度で5分〜50時間保持して0.5〜20μmの厚
さの酸化物皮膜を形成させる。酸化物皮膜の形成手段と
しては、高温大気酸化法、高温湿潤水素酸化法等がある
が特に限定されない。処理温度が773K未満の場合
は、長時間の処理を行っても優れた耐食性が得られる十
分な厚みを有する酸化物皮膜を形成することはできな
い。一方、1873Kを超える処理温度で処理した場合
は、酸化物皮膜の剥離が生じる。処理時間が5分未満の
場合は十分な厚みの酸化物皮膜の形成が認められず、5
0時間を超えて処理を行っても、酸化物皮膜の成長は飽
和し、剥離を生じるばかりでなく、コストの上昇につな
がる。よって、酸化処理は773〜1873Kの温度で
5分〜50時間、好ましくは973〜1673Kで1〜
30時間行う。このようにして0.5〜20μmの厚さ
の酸化物皮膜が得られる。次いで窒素を含んだ雰囲気で
窒化処理を行う。窒化物皮膜は焼結合金母材と酸化物皮
膜の界面に生成する。このようにして0.5〜20μm
の厚さの窒化物皮膜の上層に酸化物皮膜を有する2層皮
膜が得られる。このように窒化物皮膜上に酸化物皮膜が
存在すると、酸化物が潤滑効果を示し、耐磨耗性がさら
に向上する。以下、実施例を示し本発明を具体的に説明
する。
【0034】
【実施例】(実施例)B粉末および金属粉末を、表1〜
4に示す配合比に調整した後、振動ボールミルを用い
て、アセトン中で25時間湿式混合粉砕した。ボールミ
ルで粉砕した後の粉末を乾燥、造粒し、得られた微粉末
を所定の形状にプレス成形した後、真空度:≦1.3P
aの真空中で第1段加熱として10K/分の昇温速度で
昇温し、表5〜9に示す温度で表5〜9に示す時間加熱
した後炉冷して焼結合金を得た。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】
【表7】
【0042】
【表8】
【0043】
【表9】
【0044】以上のようにして得られた焼結合金を所望
の形状に加工し、脱脂した後、表5〜9に示す雰囲気中
で表5〜9に示す加熱条件で加熱した後炉冷し、焼結合
金表面に複合窒化物皮膜または複合酸化物皮膜と複合窒
化物皮膜の2層皮膜からなる表面処理層を形成させた。
一部の焼結合金は比較用に上記の加熱処理を施さずに、
下記の特性評価に供した。
【0045】上記のようにして得られた表1〜9に示し
た焼結合金の強度、窒化物皮膜および酸化物皮膜の膜
厚、耐磨耗性、耐食性、および離型性を以下のようにし
て評価した。
【0046】[強度]焼結したままの硬質合金、および硬
質合金に大気中の加熱処理を施した溶融金属用部材から
試験片を切り出し、JIS H 5501に基づいて抗折
力(3点曲げ試験)を測定した。抗折力が大きいほど強
度が優れており、1.5GPaを超えるものを本発明の
対象とする。結果を表10〜14に示す。
【0047】[窒化物皮膜および酸化物皮膜の膜厚]硬質
合金の最表面に窒素化物皮膜または酸化物皮膜と窒素化
物皮膜を形成させた焼結合金から表面皮膜を含む断面で
試験片を切り出し、樹脂に埋め込んで鏡面研磨した後、
倍率:3000倍でSEM像を各試験片について3視野
撮影し、窒素化物皮膜の厚さ、および酸化物皮膜の厚さ
を測定し、その平均値を皮膜厚さとした。結果を表10
〜14に示す。
【0048】[耐磨耗性]摩耗試験は大越式迅速摩耗試験
機を用いた。これはリング・オン・プレートタイプの試
験機であり、アルミニウム製の回転リングを回転させな
がら硬質合金で作製したブロック上の平板試験片を押し
付けて摩擦し、平板試験片に生じた摩耗量、表面状態を
観察し、評価した。摩耗試験では、回転リングは1Nの
荷重をかけて1000回転させた。結果を表10〜14
に示す。下記の基準で評価し、○を合格とした。 ○:アルミの凝着もなく、摩耗痕の深さは10μm以下 △:アルミの凝着があり、摩耗痕の深さは10〜50μ
【0049】[溶融金属に対する耐食性および離型性]焼
結したままの硬質合金、および硬質合金の最表面に窒化
物皮膜または酸化物皮膜と窒素化物皮膜を形成させた焼
結合金を10mm×10mm×100mmの大きさに切
削加工し試験片とし、この試験片を993Kで加熱溶融
したアルミニウム(ダイカスト用アルミニウム合金:J
IS−ADC10)中に6時間浸漬した後、試験片の長
手方向に垂直な断面で切り出し、断面を光学顕微鏡で観
察し、試験片が溶融アルミニウムにより表面から侵食さ
れた深さを測定し、下記の規準で耐食性および離型性
(凝固後のアルミニウムからの剥離しやすさ)を評価し
た。 ○:侵食深さ<5μm、離型性良好 △:侵食深さ≧5μmでかつ<30μm、離型性やや不
良 ×:侵食深さ≧30μm、離型性不良 結果を表10〜14に示す。
【0050】[耐薬品性]焼結したままの硬質合金、およ
び硬質合金の最表面に窒化物皮膜または酸化物皮膜と窒
素化物皮膜を形成させた焼結合金を10mm×10mm
×100mmの大きさに切削加工し試験片とし、この試
験片を313Kの温度保持した10体積%のフッ化水素
酸水溶液中に10時間浸積した後、腐食の程度を肉眼観
察し、下記の規準で耐薬品性を評価した。 ○:腐食は認められない △:わずかに腐食が認められる ×:局所的に腐食孔が認められる 結果を表10〜14に示す。表中で1)を附したもの
は、特定元素を必要以上に添加しても効果の向上効果が
認められないものを指す。
【0051】
【表10】
【0052】
【表11】
【0053】
【表12】
【0054】
【表13】
【0055】
【表14】
【0056】表10〜14に示すように、本発明の焼結
合金材料は耐磨耗性、溶融金属に対する耐食性、離型性
および耐薬品性に優れている。以下に本発明の焼結合
金、およびその焼結合金の製造方法を用いて作成した機
械構造部材の例を示す。
【0057】次に、Ni2B粉末、Mo25粉末、純M
o粉末、カルボニルNi粉末、純Cr粉末、純Mn粉末
を、表1の組成番号16に示す成分含有量となるように
配合し、振動ボールミルを用いてアセトン中で平均粒径
1.0μmとなるまで粉砕混合した。次いで混合粉を冷
間静水圧成形法(CIP)を用いて円筒状に圧粉成形し
た。その後、真空中で1300℃まで昇温し20分間保
持した後炉冷し、焼結体を得た。この焼結体を所定のス
リーブ形状に切削加工した後、0.15MPaの窒素雰
囲気中で1100℃で3時間加熱し、表面に窒化物皮膜
を形成させた。これを合金工具鋼(SKD61)の外筒
の内周に焼きばめし、ダイカスト用スリーブとした。こ
のダイカスト用スリーブをアルミニウムダイカスイト装
置に装填し、溶融アルミニウムの鋳込み作業に供した
が、2000回使用した後も、表面にクラック等は発生
せず、磨耗も殆ど認められなかった。
【0058】次に、上記と同一の原料粉を上記と同一の
組成となように配合し、上記と同一条件により円筒状の
焼結体を作成した。次に合金工具鋼(SCM440)の
芯材にこの円筒状の焼結体を嵌着し、真空中で1200
℃で20分間加熱し、拡散接合させ、複合材を得た。こ
の複合材の焼結体部分を射出成形用スクリューの形状に
切削加工した後、0.15MPaの水素:10%と窒素
90%からなる混合雰囲気中で1100℃で3時間保持
して窒化物皮膜を形成させた。このようにして得られた
射出成形用スクリューを射出成形機に装填し、ポリプロ
ピレンの射出成形作業に供したが、3000回使用した
後も、表面に腐食孔は発生せず、磨耗も殆ど認められな
かった。
【0059】
【発明の効果】本発明は、Mo、Cr、Ni、B、およ
びさらにMn、を含有させ、Mo、Cr、Bの含有量を
一定範囲内に限定し、またはさらにW、Nb、Zr、T
i、Ta、Hf、Feおよび/またはCo、Vなどを適
宜含有させて成る複硼化物とNi基の結合相とからなる
焼結合金の最表面に、窒化物皮膜、または酸化物皮膜と
窒化物皮膜の2層皮膜を形成させた焼結合金材料であ
り、溶融金属や溶融樹脂に対する優れた耐食性、耐磨耗
性、離型性、および耐薬品性を示し、射出成形機用部材
や溶融金属鋳造装置用部材などの機械構造部材として好
適に適用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 裕司 山口県下松市東豊井1296番地の1 東洋鋼 鈑株式会社技術研究所内 (72)発明者 高木 研一 山口県下松市東豊井1296番地の1 東洋鋼 鈑株式会社技術研究所内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mo2NiB2型複硼化物とNi基結合相
    からなる焼結合金の最表面に窒化物皮膜を形成してなる
    ことを特徴とする焼結合金材料。
  2. 【請求項2】 前記窒化物皮膜上にさらに酸化物皮膜を
    形成してなる請求項1に記載の焼結合金材料。
  3. 【請求項3】 前記窒化物皮膜の厚さが0.5〜20μ
    mである請求項1または2に記載の焼結合金材料。
  4. 【請求項4】 前記酸化物皮膜の厚さが0.5〜20μ
    mである請求項2に記載の焼結合金材料。
  5. 【請求項5】 前記窒化物皮膜がMo、Cr、Ni、B
    の金属元素と窒素を主体とする(Ni,Mo,Cr,
    B)mNn型の複合窒化物からなる皮膜であることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の焼結合金材
    料。
  6. 【請求項6】 前記酸化物皮膜がMo、Cr、Ni、B
    の金属元素と酸素を主体とする(Ni,Mo,Cr,
    B)xOy型の複合酸化物からなる皮膜であることを特
    徴とする請求項2又は4に記載の焼結合金材料。
  7. 【請求項7】 前記焼結合金が3〜7.5重量%(以
    下、単に%で示す)のB、21〜79.9%のMo、2
    〜35%のCr、残部が10%以上のNiおよび不可避
    的不純物からなることを特徴とする、請求項1〜6のい
    ずれかに記載の焼結合金材料。
  8. 【請求項8】 前記焼結合金の全組成に対して、0.1
    〜8%のMnを含有することを特徴とする、請求項7に
    記載の焼結合金材料。
  9. 【請求項9】 前記焼結合金に含有されるMo含有量の
    一部を、全組成に対して0.1〜30%のWで置換して
    なることを特徴とする、請求項7又は8に記載の焼結合
    金材料。
  10. 【請求項10】 前記焼結合金に含有されるMo含有量
    の一部を、全組成に対して0.1〜10%のNbで置換
    してなることを特徴とする、請求項7〜9のいずれかに
    記載の焼結合金材料。
  11. 【請求項11】 前記焼結合金に含有されるMo含有量
    の一部を、全組成に対してWおよびNbの両者の合計で
    0.2〜30%置換してなることを特徴とする、請求項
    7〜10のいずれかに記載の焼結合金材料。
  12. 【請求項12】 前記焼結合金に含有されるNb含有量
    の一部又は全部をZr、Ti、Ta、Hfのいずれか1
    種又は2種以上と置換してなることを特徴とする、請求
    項10又は11の焼結合金材料。
  13. 【請求項13】 前記焼結合金に含有されるNi含有量
    の一部を、全組成に対してFeおよび/又はCoのいず
    れか一方又は両者の合計で0.1〜20%置換してなる
    ことを特徴とする、請求項7〜12のいずれかに記載の
    焼結合金材料。
  14. 【請求項14】 前記焼結合金に含有されるCr含有量
    の一部を、全組成に対して0.1〜25%のVで置換し
    てなることを特徴とする、請求項7〜13のいずれかに
    記載の焼結合金。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれかに記載の組
    成からなる焼結合金を、窒素雰囲気あるいは窒素を含む
    還元性雰囲気中で加熱してその表面に窒化物皮膜を形成
    させることを特徴とする、焼結合金材料の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項2〜14のいずれかに記載の組
    成からなる焼結合金を、大気中あるいは酸素を含む雰囲
    気中で加熱してその表面に酸化物皮膜を形成させた後、
    窒素を含む還元性雰囲気中で加熱し、酸化物皮膜を還元
    して窒化物皮膜を形成させることを特徴とする、焼結合
    金材料の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項2〜14のいずれかに記載の組
    成からなる焼結合金を、大気中あるいは酸素を含む雰囲
    気中で加熱してその表面に酸化物皮膜を形成させた後、
    窒素雰囲気中で加熱し、酸化皮膜の下層に窒化物皮膜を
    形成させることを特徴とする、焼結合金材料の製造方
    法。
  18. 【請求項18】 窒素を含む還元性雰囲気又は窒素雰囲
    気の圧力が0.103〜1MPaである、請求項15〜
    17のいずれかに記載の焼結合金材料の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項15〜18の何れかに記載の焼
    結合金の製造方法を用いて作成した焼結合金材料を部材
    とすることを特徴とする機械構造部材。
  20. 【請求項20】 前記機械構造部材が射出成形機用部材
    である請求項19に記載の機械構造部材。
  21. 【請求項21】 前記機械構造部材が溶融金属鋳造装置
    用部材である請求項19に記載の機械構造部材。
JP2001247146A 2001-08-16 2001-08-16 焼結合金材料、その製造方法、およびそれらを用いた機械構造部材 Expired - Lifetime JP4976626B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001247146A JP4976626B2 (ja) 2001-08-16 2001-08-16 焼結合金材料、その製造方法、およびそれらを用いた機械構造部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001247146A JP4976626B2 (ja) 2001-08-16 2001-08-16 焼結合金材料、その製造方法、およびそれらを用いた機械構造部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003055729A true JP2003055729A (ja) 2003-02-26
JP4976626B2 JP4976626B2 (ja) 2012-07-18

Family

ID=19076539

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001247146A Expired - Lifetime JP4976626B2 (ja) 2001-08-16 2001-08-16 焼結合金材料、その製造方法、およびそれらを用いた機械構造部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4976626B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012023265A1 (ja) * 2010-08-18 2012-02-23 東洋鋼鈑株式会社 熱中性子遮蔽材料及びその製造方法
JP2014221940A (ja) * 2013-05-14 2014-11-27 山陽特殊製鋼株式会社 時効硬化性を有するNi基硼化物分散耐食耐摩耗合金
CN107290267A (zh) * 2016-04-11 2017-10-24 天津百塑行新材料科技开发有限公司 一种塑料腐蚀性测定仪
CN111139390A (zh) * 2020-01-02 2020-05-12 西安交通大学 一种铬掺杂改性Mo2NiB2基金属陶瓷及其制备方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998005802A1 (fr) * 1996-08-06 1998-02-12 Toyo Kohan Co., Ltd. Alliage fritte dur

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998005802A1 (fr) * 1996-08-06 1998-02-12 Toyo Kohan Co., Ltd. Alliage fritte dur

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012023265A1 (ja) * 2010-08-18 2012-02-23 東洋鋼鈑株式会社 熱中性子遮蔽材料及びその製造方法
JP2014221940A (ja) * 2013-05-14 2014-11-27 山陽特殊製鋼株式会社 時効硬化性を有するNi基硼化物分散耐食耐摩耗合金
CN107290267A (zh) * 2016-04-11 2017-10-24 天津百塑行新材料科技开发有限公司 一种塑料腐蚀性测定仪
CN111139390A (zh) * 2020-01-02 2020-05-12 西安交通大学 一种铬掺杂改性Mo2NiB2基金属陶瓷及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4976626B2 (ja) 2012-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101831754B1 (ko) 인성 매트릭스 재료 중에 강화된 인성 코팅 경화 입자
US20090105062A1 (en) Sintered Wear-Resistant Boride Material, Sinterable Powder Mixture, for Producing Said Material, Method for Producing the Material and Use Thereof
JP2016113320A (ja) セラミック部材および切削工具
JP3916465B2 (ja) 溶融金属に対して優れた耐食性、耐摩耗性を有する焼結合金からなる溶融金属用部材、その製造方法、およびそれらを用いた機械構造部材
EP1930457A1 (en) Sintered body and method for producing same; sliding member, film-forming material and die for hot extrusion molding each using such sintered body; and hot extrusion molding apparatus and hot extrusion molding method each using such die for hot extrusion molding
EP0651067B1 (fr) Matériau composite céramo-métallique à haute ténacité et procédé pour sa fabrication
JP4193958B2 (ja) 溶融金属に対する耐食性に優れた溶融金属用部材およびその製造方法
JP4976626B2 (ja) 焼結合金材料、その製造方法、およびそれらを用いた機械構造部材
JP2009108338A (ja) サーメットおよびその製造方法
JP4409067B2 (ja) 溶融金属に対する耐食性に優れた溶融金属用部材およびその製造方法
JP2001181776A (ja) 超硬合金焼結体及びその製造方法
JP2627090B2 (ja) 硼化物セラミックスと金属系構造部材との接合体及び接合方法
JP3260210B2 (ja) ダイカスト用射出スリーブとアルミニウムまたはアルミニウム合金部材の鋳造方法
JPH05186844A (ja) 高密度相窒化ホウ素基焼結体
JP4265853B2 (ja) 溶融金属に対する耐食性および耐熱衝撃性に優れた硬質焼結合金、およびその合金を用いた溶融金属用部材
JP3611184B2 (ja) 鋳鉄加工用セラミックス焼結体切削工具および鋳鉄加工用被覆セラミックス焼結体切削工具
JPH10310840A (ja) 超硬質複合部材とその製造方法
JP2002194474A (ja) 炭化タングステン系超硬基複合材料焼結体
JP2002501983A (ja) 鉄アルミナイド複合材及びその製造方法
JP2001187431A (ja) 積層構造材料
JP3092887B2 (ja) 表面調質焼結合金及びその製造方法
JP4428805B2 (ja) 酸化アルミニウム含有複合セラミックス焼結体および被覆複合セラミックス焼結体
JPH08158002A (ja) 窒化ケイ素質セラミックスと金属の複合材料及びアルミニウム溶湯用部品
JPH08134569A (ja) 耐食耐摩耗性高強度Ni基合金
JP2007131505A (ja) 超高硬度焼結工具用の焼結素材およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080716

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120328

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120413

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4976626

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150420

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250