JP3916465B2 - 溶融金属に対して優れた耐食性、耐摩耗性を有する焼結合金からなる溶融金属用部材、その製造方法、およびそれらを用いた機械構造部材 - Google Patents

溶融金属に対して優れた耐食性、耐摩耗性を有する焼結合金からなる溶融金属用部材、その製造方法、およびそれらを用いた機械構造部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融金属に対して優れた耐食性、耐摩耗性を有する焼結合金からなる溶融金属用部材、その製造方法、およびそれらを用いた機械構造部材に関する。より詳細には、Mo2FeB2型複硼化物を主体とする焼結合金において、焼結合金の表面に窒化物または窒化物と酸化物を形成させることにより、耐磨耗性、耐食性、離型性を大幅に向上させた溶融金属用部材、その製造方法、およびその溶融金属用部材を用いた機械構造部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶融金属と直接接触して用いられる部材の代表的なものとして、ダイカストマシン部品用の部材がある。ダイカストマシンはプランジャー、スリーブ、成形金型で構成され、溶融状態にある金属、例えば、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム等と直接接触して使用される。このため、これらの部品に共通して要求される特性としては、溶融金属に侵食(溶損)されない、反応層を形成しないなどといった溶融金属に対する耐食性、耐摩耗性、および耐熱疲労性などがある。従来、これらの部品に用いる部材として工具鋼や熱間工具鋼(SKD61など)が使用されていたが、溶融金属に対する耐食性が十分でないため、寿命が短い問題があった。
【0003】
そこで、高硬度および高強度を有していることに加えて、溶融金属に対して優れた耐食性を示すMo2FeB2型複硼化物系硬質焼結合金(特公昭60−57499号公報)をダイカスト部品に適用したところ、大幅な寿命延長を得ることができた。しかし、この部材を長時間使用した場合、部材の金属結合相と溶融金属との反応が進行し、耐食性や離型性が低下する問題が生じることが判明した。
【0004】
近年、溶融金属に対する耐食性や離型性を改善するため、部材表面にアルミナ、ジルコニア等のセラミックスの溶射皮膜を形成させる試みがなされている。しかしながら、これらの溶射皮膜においてはヒートチェック、ヒートクラック等の亀裂や剥離が生じやすく、期待するほどの耐久性の向上は得られていない。
【0005】
また、特開平5−148588号公報や特開平9−217167号公報は、鋼、鋳鉄、およびステンレス鋼表面に酸化皮膜を設けることにより、部材の耐食性の改善が図ることを開示している。しかし、形成された酸化皮膜は部材との密着性が弱く、かつ非常に薄く、硬度が低いなどの問題があり、耐摩耗性強度が必要となるプランジャー、スリーブには適用が困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、上記のMo2FeB2型複硼化物系硬質焼結合金の溶融金属に対する耐食性、および離型性を改善し、極めて優れた耐久性を示す硬質焼結合金を開発することにより、溶融金属に対し極めて優れた耐食性、離型性を有し、かつ熱疲労特性、機械的特性、耐摩耗性にも優れる溶融金属用部材およびその製造方法、およびそれらを用いた機械構造部材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の溶融金属に対する耐食性に優れた溶融金属用部材は、母材がMo 2 FeB 2 型複硼化物とFe基結合相からなる硬質焼結合金からなり、該母材の、溶融金属と直接接触する表面に窒化物皮膜を形成してなることを特徴とする。より望ましい形態として、前記窒化皮膜がMo、Cr、Fe、Bの金属元素と窒素を主体とする(Fe,Mo,Cr,B)型の複合窒化物からなる皮膜であることを特徴とする。
【0008】
そして、前記硬質燒結合金のより具体的構成成分としては、3〜7.5%のB、21〜79.9%のMo、2〜30%のCr、残部が10%以上のFeおよび不可避的不純物からなることを基本とし、さらに
前記硬質焼結合金の全組成に対して、0.1〜8%のMnを含有すること、さらにまた
硬質焼結合金に含有されるMo含有量の一部を、全組成に対して0.1〜30%のWで置換してなること、さらにまた
硬質焼結合金に含有されるMo含有量の一部を、全組成に対して0.1〜20%のNbで置換してなること、さらにまた
硬質焼結合金に含有されるMo含有量の一部を、全組成に対してWおよびNbの両者の合計で0.1〜30%置換してなること、さらにまた
硬質焼結合金に含有されるNb含有量の一部または全部をZr、Ti、Ta、Hfのいずれか1種または2種以上と置換してなること、さらにまた
硬質焼結合金に含有されるFe含有量の一部を、全組成に対してNiおよび/またはCoのいずれか一方または両者の合計で0.1〜20%置換してなること、さらにまた
硬質焼結合金に含有されるCr含有量の一部を、全組成に対して0.1〜25%のVで置換してなること等が採用できる。
【0009】
また本発明の溶融金属用部材の製造方法は、上記のいずれかの硬質焼結合金を窒素雰囲気あるいは窒素を含む還元性雰囲気中で加熱してその表面に窒化物皮膜を形成させる、または
上記のいずれかの硬質焼結合金を大気中あるいは酸素を含む雰囲気中で加熱してその表面に酸化物皮膜を形成させた後、窒素を含む還元性雰囲気中で加熱し、酸化物皮膜を還元して窒化物皮膜を形成させる、または
上記のいずれかの硬質焼結合金を大気中あるいは酸素を含む雰囲気中で加熱してその表面に酸化物皮膜を形成させた後、窒素雰囲気中で加熱し、酸化皮膜の下層に窒化物皮膜を形成させることを特徴とする。前記窒素を含む還元性雰囲気または窒素雰囲気の圧力は、0.1〜1.5MPaが望ましい。
さらに本発明の機械構造部材は、上記のいずれかの溶融金属用部材の製造方法を用いて作成した溶融金属用部材を用いることを特徴とする機械構造部材であり、
機械構造部材が射出成形機用部材、または溶融金属鋳造装置用部材であることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、Mo2FeB2型複硼化物系の硬質焼結合金(以下母材と称す)の表面にB、Mo、Fe、Crと窒素を主体とした安定かつ緻密な窒化物皮膜または酸化物皮膜と窒化物皮膜を形成させることにより、溶融金属用の部材として用いた場合に溶融金属に対して極めて優れた耐食性、および離型性を有する溶融金属用部材を提供するものである。
本発明の溶融金属用部材の母材となる硬質焼結合金において、B、Mo、Crの含有量を一定範囲内に限定することにより、微細な複硼化物とFe基の結合相との2相組織となり、優れた強度、耐熱性(耐熱疲労性)が得られるばかりでなく、上記の窒化物皮膜、または窒化物皮膜と酸化物皮膜からなる表面処理層を緻密かつ安定に形成することができる。
また、母材中にMnを含有させることにより、母材の機械的特性、表面処理層の耐食性および自己修復性が向上し、さらに、Nb、Zr、Ti、Ta、Hfを含有させることにより、表面処理層の耐食性および耐摩耗性が向上し、Niおよび/またはCoを含有させることにより母材の熱衝撃性および高温強度が向上し、さらに、Vを含有させることにより母材の機械的特性および表面処理層の自己修復性がさらに改善される。
以下に本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明者らは本発明に至るまでに、Mo2FeB2型複硼化物を主体とする硬質焼結合金が、溶融樹脂や溶融金属が使用される腐食雰囲気や高温域などの環境下で耐えられるだけの十分な耐食性および耐摩耗性を有していることを見出していた。しかしながら、近年、樹脂の高性能付与のためガラス繊維やフェライト粒子などの各種フィラーが多量に添加され、溶融樹脂の射出成形などに用いる機械構造部材のさらなる耐摩耗性の向上が必要とされていた。また、溶融金属に対しては、長時間溶融金属と接触した場合、Fe基の結合相が溶融金属と反応し、耐食性、離型(剥離)性が低下する傾向を示し、溶融金属に対して更なる耐摩耗性、耐食性、離型(剥離)性の改善が必要であることが判明した。そこで種々検討した結果、Mo2FeB2型複硼化物を主体とする硬質焼結合金の表面に、緻密かつ安定な窒化物皮膜または窒化物皮膜と酸化物皮膜からなる表面処理層を形成させることにより、母材の強度を維持させたまま、表面硬度を上昇させ、長期間使用しても溶融金属および溶融樹脂に対する耐食性、離型性、耐摩耗性が大幅に向上することを見出した。
【0012】
これは、窒化物皮膜が母材の主要構成元素であるMo、Cr、Fe、Bの金属元素と窒素を主体として構成される(Fe,Mo,Cr,B)型の複合窒化物からなる安定かつ緻密な皮膜であり、さらに酸化物皮膜も、母材の主要構成元素であるMo、Cr、Fe、Bの金属元素と酸素を主体として構成される(Fe,Mo,Cr,B)型の複合酸化物からなる安定かつ緻密な皮膜であり、これらの表面処理層が保護膜を構成して溶融金属に対する耐食性や耐摩耗性を大幅に改善向上させるためである。さらに、窒化物皮膜を形成させる前に予め酸化物皮膜を形成させておき、この酸化物皮膜を還元しながら窒化することにより、先に生成した酸化物層によって窒化が促進され、窒化物皮膜をより厚く製膜することができる。
【0013】
本発明の溶融金属用部材に用いる硬質焼結合金は、上記4元素に加えて、選択的にMn、W、Nb、Zr、Ti、Ta、Hf、Ni、Co、Vが添加される場合もあり、この場合は合金表面に形成される窒化物皮膜や酸化物皮膜は、Mo、Cr、Fe、Bに加えて上記の選択的に添加される元素および窒素または酸素から構成される。窒化物や酸化物にMo、Cr、Fe、Bが含有されない場合は、表面処理層の結合力が弱く、かつ、母材との密着性が低下するために亀裂や剥離を生じやすく、耐摩耗性も十分でない。
複合窒化物としては、具体的には(Fe、Cr)3Mo3N、 Fe3N、CrN、Cr2N、MoN、Mo2N、BNなどが挙げられる。また複合酸化物としては、具体的には(Fe,Mo,Cr,B)23、(Fe,Mo,Cr,B)34、(Fe,Mo,Cr,B)O、(Fe,Mo,Cr,B)O3、(Fe,Mo,Cr,B)O2.7 2.9、(Fe,Mo,Cr,B)O2などが挙げられる。
【0014】
上記の複合窒化物は、Mo2FeB2型の複硼化物が窒化されることにより得られるため、母材としては合金組成が主にMo、Cr、Fe、BからなるMo2FeB2型複硼化物からなる硬質焼結合金である必要がある。上記硬質焼結合金において、Bは本発明の溶融金属用部材の母材の硬質相となる複硼化物および表面処理層を形成するために必要不可欠な元素である。また、Bを含有した表面処理層は母材との密着性を向上させる効果を示す。B量が3%未満であると硬質相の割合が35%を下回り、機械的特性が劣る。一方、7.5%を超えると硬質相の割合が95%を上回り、強度および耐熱衝撃性が低下する。よって、B含有量は3〜7.5%に限定する。
【0015】
MoはBと同様に複硼化物および表面処理層を形成するために不可欠な元素である。母材においては、一部は硬質合金の結合相中に固溶し、母材の機械的強度を向上させる。しかし、適正量の上限(79.9%)を超えて含有させるとM6C型炭化物などの金属間化合物を形成して母材の強度が低下する。一方、含有量が21%未満であると、Fe2BなどのFe硼化物が形成するために母材の強度が低下する。よってMo含有量は21〜79.9%に限定する。
【0016】
CrもMoと同様に、母材においては硬質相だけでなく結合相中にも均一に固溶して機械的特性を向上させるばかりでなく、表面処理層においては安定かつ緻密なCrと結合した複合酸化物の形成に不可欠な元素である。しかし、30%を超えて含有させるとクロム炭化物(Cr32)等の金属間化合物が形成して母材の強度が低下する。一方、2%未満になると表面処理層のCr量が不十分となり、耐食性の低下を生じる。よって、Cr含有量は2〜30%に限定する。
【0017】
Mnは母材の複硼化物の粒成長を抑制し、合金組織を微細化させることにより、機械的特性を著しく向上させる。また、Mnの添加により、焼結時に型くずれの少ない良好な形状の焼結体が得られ、ニヤネット化が図られる効果を示す。さらにMnは酸素との親和力が強いため、表面処理層の自己修復性をもたらし、部材の耐久性を高める。含有量が0.1%未満では特性改善の効果が認められず、8%を超えて含有させると母材の機械的特性が低下する。よってMnの含有量は全組成に対して0.1〜8%に限定する。
【0018】
WはMoと置換させることが可能な元素であり、母材の強度を向上させる効果がある。しかしMoとの置換量が全組成に対して0.1%未満であるとその効果は認められない。一方、Moと全組成に対して30%を超えて置換してもその効果が認められなくなるばかりでなく、母材の比重が増加し、製品重量が増大する。したがってMoに対するWの置換量は全組成に対して0.1〜30%に限定する。
【0019】
NbはMoと置換させることが可能な元素であり、母材の複硼化物に固溶するとともに一部は他の硬質粒子(硼化物、酸化物、炭化物、および窒化物)を形成し、機械的特性を向上させる。しかし、含有量が0.1%未満であると改善効果が認められず、20%を超えて含有させると硬質合金の焼結性が低下し、強度の低下を招くばかりでなく、高価な元素であるためにコストの上昇を招く。よってNbの含有量は全組成に対して0.1〜20%に限定する。
またMoはWとNbの両者と置換させることも可能である。この場合、WとNbの両者の合計が全組成に対して0.1〜30%で置換することが好ましい。
【0020】
Zr、Ti、Ta、HfはNbと同様にMoと置換させることが可能な元素であり、Nbと同様に機械的特性を向上させる。そのため、Nb含有量の一部または全部をこれらの元素のいずれか1種または2種以上と置換することができる。
【0021】
Niおよび/またはCoはFe基結合相中に固溶することにより硬質合金の熱衝撃性および高温強度が向上する。Fe含有量に対する置換量が0.1%未満であるとその改善効果が認められず、20%を超えて含有させてもその特性向上の効果が認められなくなる。よって、Niおよび/またはCoの含有量は全組成に対して0.1〜20%に限定する。
【0022】
VはCrと置換させることが可能な元素であり、少量含有させるだけで母材の機械的特性が向上する。さらに表面処理層においては、自己修復性の向上効果をもたらす。0.1%未満であるとその特性改善効果が認められず、25%を超えて含有させると、酸化皮膜を形成させた場合、被膜の密着性が低下し、溶融金属への不純物混入の原因となり得る。よってVの含有量は全組成に対して0.1〜25%に限定する。
【0023】
本発明の硬質合金は上記成分元素のほか、残部がFeで構成される。Feは複硼化物および結合相を構成する元素であり、表面処理層を構成する複合窒化物の形成に必要不可欠である。本発明の硬質合金においては、Feの含有量が10%未満であると複硼化物を十分に形成させることができないばかりか、結合相中のFe含有量が不足して強度が低下する。そのため、本発明の硬質合金にはFeを10%以上含有させる必要がある。本発明の硬質合金においてFeを10%以上含有させることができない場合は、許容範囲内においてFe以外の各元素の含有量を減じて、10%以上のFeを含有させることは言うまでもない。
【0024】
本発明の硬質焼結合金が含有する不可避的不純物元素の主なものはP、S、Cなどであり、硬質焼結合金の強度を維持させるためにはこれらの含有量は極力少なくすることが望ましい。これらの元素の含有量が合計で1%以下であれば、機械的特性に与える影響は比較的小さい。
【0025】
次に本発明の溶融金属用部材の製造方法について説明する。
まず母材である硬質合金の製造方法について説明する。(1)Fe、Mo、Cr、Mn、またはさらにW、Nb、Zr、Ti、Ta、Hf、Ni、Co、Vの1種または2種以上の元素とBからなるB合金の粉末、または、(2)B合金粉末とこれら元素の1種または2種以上の合金からなる粉末、または、(3)B単体とFe、Mo、Cr、Mn、またはさらにW、Nb、Zr、Ti、Ta、Hf、Ni、Co、Vの1種または2種以上の単体粉末、または、(4)B単体とこれらの1種または2種以上の合金からなる粉末、を所定の合金組成となるように配合し、振動ボールミル等を用いて有機溶媒中で湿式粉砕後、造粒、成形し、該成形体を真空中、還元ガス中、または不活性ガス中などの非酸化性雰囲気中で液相焼結することにより製造する。
【0026】
なお、上記の硬質合金の硬質相となる複硼化物は、上記原料粉末が焼結中に反応することによって形成されるが、あらかじめMoおよびFe、さらに上記の選択的に添加される元素からなる複硼化物、またはB単体の粉末とMoおよびFeさらに上記の選択的に添加される元素の粉末を炉中で反応させることにより、Mo2FeB2型複硼化物を製造し、さらに結合組成のFe、Mo、Ni、Co、および上記の選択的に添加される元素の粉末を所定の合金組成となるように配合した粉末を用いても差し支えない。
【0027】
液相焼結は通常1373〜1673Kの焼結温度で5〜90分間行う。焼結温度が1373K未満の場合は液相が十分に出現せず、空孔の多い焼結体が得られ、十分な強度が得られない。一方、焼結温度が1673Kを超えると液相は十分に出現するものの、結晶粒が粗大化し強度が低下する。また、焼結時間が5分未満であると、元素の拡散が十分でなく、十分に高密度化しない。一方、90分を越えて焼結してもそれ以上の強度上昇は認められず、場合によっては強度が低下することもある。以上のような液相が出現する焼結条件で焼結することにより、空孔が消失し、ほぼ100%の密度の硬質合金が得られる。液相を出現させずに空孔を消失させる方法として、熱間静水圧プレス法、ホットプレス法、通電焼結法などがあり、これらの方法を用いても空孔を消失させることができる。またこれらの方法と液相焼結法を併用してもよい。
【0028】
上記のようにして得られる本発明の溶融金属用部材の母材である硬質焼結合金は、焼結体単体としてのみ用いられるばかりでなく、鋼材と接合させて複合材として用いることも可能である。すなわち、本発明の硬質焼結合金は超硬合金のように鋼材にロウ付けして使用するばかりでなく、ロウ材を使用することなく直接鋼材と接合させることも可能であり、強固な接着が得られる。また、焼結と鋼材を同時に接合する焼結接合法を適用することも可能であり、鋼材は熱ダメージによる強度低下を招来することがなく、複合材料をアルミニウムなどの溶融金属のダイカスト用部材として用いた場合、溶融金属に対して耐食性および耐摩耗性が必要とされる部分にのみ、本発明の溶融金属用部材の母相である硬質合金を必要最小限に用いることにより、金型などの部材を低価格で製造することが可能となる。
【0029】
次に、上記のようにして得られた母材表面に表面処理層を形成させることを特徴とする、本発明の溶融金属用部材の製造方法について説明する。
上記の溶融金属用部材の表面に窒化物皮膜のみを形成させる場合は、得られた母材を所望の形状に機械加工を行い、表面を洗浄脱脂した後、0.1〜1.5MPaの窒素雰囲気もしくは窒素を含有する還元性雰囲気中で773〜1873Kの温度で5分〜50時間保持することにより窒化物皮膜を形成させる。処理温度が773K未満の場合は、長時間の処理を行っても優れた耐食性および耐摩耗性が得られる十分な厚みを有する窒化物皮膜を形成することはできない。一方、1873Kを超える処理温度で処理した場合は、窒化物皮膜の剥離が生じる。処理時間が5分未満の場合は十分な厚みの窒化物皮膜の形成が認められず、50時間を超えて処理を行っても、窒化物皮膜の成長は飽和し、剥離を生じるばかりでなく、コストの上昇につながる。よって、窒化処理は773〜1873Kの温度で5分〜50時間、好ましくは973〜1673Kで1〜30時間行う。雰囲気の圧力は処理槽外の大気が雰囲気中に侵入することがないように、大気圧よりも高めにする必要があり、また圧力を高めると膜厚が厚くなる傾向があるので、0.1〜1.5MPaの圧力下で処理することが好ましい。
【0030】
窒化物皮膜のみを形成させる別法として、得られた母材を所望の形状に機械加工を行い、表面を洗浄脱脂した後、まず大気中もしくは酸素雰囲気中で773〜1873Kの温度で5分〜50時間保持して酸化物皮膜を形成させる。酸化物皮膜の形成手段としては、高温大気酸化法、高温湿潤水素酸化法等があるが特に限定されない。処理温度が773K未満の場合は、長時間の処理を行っても優れた耐食性が得られる十分な厚みを有する酸化物皮膜を形成することはできない。一方、1873Kを超える処理温度で処理した場合は、酸化物皮膜の剥離が生じる。処理時間が5分未満の場合は十分な厚みの酸化物皮膜の形成が認められず、50時間を超えて処理を行っても、酸化物皮膜の成長は飽和し、剥離を生じるばかりでなく、コストの上昇につながる。次いで0.1〜1.5MPaの窒素を含む還元性雰囲気中で773〜1673Kの温度で1〜40時間保持する。このように、大気中または酸素を含む雰囲気中で加熱して酸化物皮膜を形成させ、次いで窒素を含む還元性雰囲気中で加熱すると、同一条件で窒化処理を行っても窒化処理単独の場合よりも厚い窒化物皮膜が得られ、厚膜化しやすくなる。
【0031】
酸化物皮膜を形成させた後、窒化処理すると、窒化物皮膜は母材表面、すなわち酸化物皮膜の下層に形成されることもある。この処理を実施する場合は、上記と同様にして母材に機械加工を施し、表面を洗浄脱脂した後、まず大気中もしくは酸素雰囲気中で773〜1873Kの温度で5分〜50時間保持して酸化物皮膜を形成させる。酸化物皮膜の形成手段としては、高温大気酸化法、高温湿潤水素酸化法等があるが特に限定されない。処理温度が773K未満の場合は、長時間の処理を行っても優れた耐食性が得られる十分な厚みを有する酸化物皮膜を形成することはできない。一方、1873Kを超える処理温度で処理した場合は、酸化物皮膜の剥離が生じる。処理時間が5分未満の場合は十分な厚みの酸化物皮膜の形成が認められず、50時間を超えて処理を行っても、酸化物皮膜の成長は飽和し、剥離を生じるばかりでなく、コストの上昇につながる。よって、酸化処理は773〜1873Kの温度で5分〜50時間、好ましくは973〜1673Kで1〜30時間行う。このようにして酸化物皮膜が得られる。次いで上記と同様にして窒化処理を行う。窒化物皮膜は焼結合金母材と酸化物皮膜の界面に生成する。このようにして窒化物皮膜の上層に酸化物皮膜を有する2層皮膜が得られる。このように窒化物皮膜上に酸化物皮膜が存在すると、酸化物が潤滑効果を示し、耐摩耗性がさらに向上する。
以下、実施例を示し本発明を具体的に説明する。
【0032】
【実施例】
(実施例1)
B粉末および金属粉末を、表1〜4に示す硬質焼結合金の成分含有量になるように調整した後、振動ボールミルを用いて、アセトン中で25時間湿式混合粉砕した。ボールミルで粉砕した後の粉末を乾燥、造粒し、得られた微粉末を所定の形状にプレス成形した後、真空度:≦1.3Paの真空中で10K/分の昇温速度で加熱し、1373〜1673Kの温度で30分間加熱した後炉冷し、硬質焼結合金を得た。
【0033】
【表1】
Figure 0003916465
【0034】
【表2】
Figure 0003916465
【0035】
【表3】
Figure 0003916465
【0036】
【表4】
Figure 0003916465
【0037】
得られた硬質焼結合金を所望の形状に加工し、脱脂後、表5〜9に示す加熱条件で加熱した後、炉冷し、硬質焼結合金の表面に複合窒化物皮膜、または複合窒化物と複合酸化物の2層皮膜からなる表面処理層を形成させ、溶融金属用部材を得た。一部の硬質焼結合金は比較用に上記の加熱処理を施さずに、下記の特性評価に供した。
上記のようにして得られた表5〜9に示した硬質硬質合金および溶融金属用部材の強度、溶融金属に対する耐食性、および耐摩耗性を以下のようにして評価した。
【0038】
[強度]
焼結したままの硬質硬質合金、および硬質焼結合金に大気中の加熱処理を施した溶融金属用部材から試験片を切り出し、JIS H 5501に基づいて抗折力(3点曲げ試験)を測定した。抗折力が大きいほど強度が優れており、1.5GPaを超えるものを本発明の対象とする。結果を表10〜14に示す。
【0039】
[耐食性]
焼結したままの硬質焼結合金、および硬質焼結合金に複合窒化物皮膜、または複合窒化物と複合酸化物の2層皮膜を形成させた溶融金属用部材を10mm×10mm×100mmの大きさに切削加工し試験片とし、この試験片を993Kで加熱溶融したアルミニウム(ダイカスト用アルミニウム合金:JIS−ADC10)中に6時間浸漬した後、試験片の長手方向に垂直な断面で切り出し、断面を光学顕微鏡で観察し、試験片が溶融アルミニウムにより表面から侵食された深さを測定し、下記の規準で耐食性を評価した。
○:侵食深さ<5μm、離型性良好
△:侵食深さ≧5μmでかつ<30μm、離型性やや不良
×:侵食深さ≧30μm、離型性不良
結果を表10〜14に示す。表中で#を附したものは、特定元素を必要以上に添加しても効果の向上効果が認められないものを指す。
【0040】
[摺動特性および耐摩耗性]
ピンオンディスク法により、表面を鏡面研磨した硬質焼結合金、および硬質焼結合金に複合窒化物皮膜、または複合窒化物と複合酸化物の2層皮膜を形成させた溶融金属用部材から作製した試験片に下記のピンを載せ、下記の荷重を負荷し、下記の回数で回転させて摺動した。試験はアルミニウムピン(JIS−5052)荷重:1Nを負荷し、回転回数:1000回で実施し、試験後の試料の摩耗痕の幅を走査型電子顕微鏡で測定し、下記の基準で耐摩耗性を評価した。
○:摩耗幅<500μm
△:500μm≧摩耗幅<1000μm
×:摩耗幅≧1000μm
結果を表10〜14に示す。
【0041】
【表5】
Figure 0003916465
【0042】
【表6】
Figure 0003916465
【0043】
【表7】
Figure 0003916465
【0044】
【表8】
Figure 0003916465
【0045】
【表9】
Figure 0003916465
【0046】
【表10】
Figure 0003916465
【0047】
【表11】
Figure 0003916465
【0048】
【表12】
Figure 0003916465
【0049】
【表13】
Figure 0003916465
【0050】
【表14】
Figure 0003916465
【0051】
表10〜14に示すように、本発明の溶融金属用部材は強度、溶融金属に対する耐食性および耐摩耗性共に優れている。
【0052】
(実施例2)
Ni2B粉末、Mo25粉末、純Mo粉末、カルボニルNi粉末、純Cr粉末、純Mn粉末を、表1の組成番号16に示す成分含有量となるように配合し、振動ボールミルを用いてアセトン中で平均粒径1.0μmとなるまで粉砕混合した。次いで混合粉を冷間静水圧成形法(CIP)を用いて円筒状に圧粉成形した。その後、真空中で1573Kまで昇温し20分間保持した後炉冷し、焼結体を得た。次に合金工具鋼(SCM440)の芯材にこの円筒状の焼結体を嵌着し、真空中で1473Kで20分間加熱し、拡散接合させ、複合材を得た。この複合材の焼結体部分を射出成形用スクリューの形状に切削加工した後、0.5MPaの水素:10%と窒素90%からなる混合雰囲気中で1373Kで3時間保持して窒化物皮膜を形成させた。このようにして得られた射出成形用スクリューを射出成形機に装填し、ポリプロピレンの射出成形作業に供したが、3000回使用した後も、表面に腐食孔は発生せず、摩耗も殆ど認められなかった。
【0053】
(実施例3)
上記と同一の原料粉を上記と同一の組成となように配合し、上記と同一条件により円筒状の焼結体を作成した。この焼結体を所定のスリーブ形状に切削加工した後、0.5MPaの窒素雰囲気中で1173Kで3時間加熱し、表面に窒化物皮膜を形成させた。これを合金工具鋼(SKD61)の外筒の内周に焼きばめし、ダイカスト用スリーブとした。このダイカスト用スリーブをアルミニウムダイカスイト装置に装填し、溶融アルミニウムの鋳込み作業に供したが、2000回使用した後も、表面にクラック等は発生せず、摩耗も殆ど認められなかった。
【0054】
【発明の効果】
本発明は、Mo、Cr、Fe、Bを含有させ、Mo、Cr、Bの含有量を一定範囲内に限定し、またはさらにMn、W、Nb、Zr、Ti、Ta、Hf、Niおよび/またはCo、Vなどを適宜含有させて成る、微細な複硼化物とFe基の結合相とからなる硬質焼結合金の表面に、複合窒化物皮膜、または複合酸化物皮膜と複合窒化物皮膜の2層皮膜を形成させてなる溶融金属用部材であり、溶融金属や溶融樹脂に対して優れた耐食性と耐摩耗性を示す。本発明の溶融金属用部材をアルミニウム鋳込み用のダイカスト用のスリーブに適用した場合、クラックや摩耗を殆ど発生させることがない。また本発明の溶融金属用部材を樹脂の射出成形機のスクリューに適用した場合、腐食孔や摩耗を生じることがない。このように、本発明の溶融金属用部材は溶融金属の機械構造部材のみならず、溶融樹脂の機械構造部材として良好に適用させることができる。

Claims (17)

  1. 母材がMo 2 FeB 2 型複硼化物とFe基結合相からなる硬質焼結合金からなり、該母材の、溶融金属と直接接触する表面に窒化物皮膜を形成してなることを特徴とする溶融金属に対する耐食性に優れた溶融金属用部材。
  2. 前記硬質燒結合金表面に形成する窒化物皮膜がMo、Cr、Fe、Bの金属元素と窒素を主体とする(Fe,Mo,Cr,B)型の複合窒化物からなる皮膜であることを特徴とする請求項に記載の溶融金属に対する耐食性に優れた溶融金属用部材。
  3. 前記硬質焼結合金が3〜7.5重量%(以下、単に%で示す)のB、21〜79.9%のMo、2〜30%のCr、残部が10%以上のFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする、請求項1または2に記載の溶融金属に対する耐食性に優れた溶融金属用部材。
  4. 前記硬質焼結合金の全組成に対して、0.1〜8%のMnを含有することを特徴とする、請求項に記載の溶融金属に対する耐食性に優れた溶融金属用部材。
  5. 前記硬質焼結合金に含有されるMo含有量の一部を、全組成に対して0.1〜30%のWで置換してなることを特徴とする、請求項またはに記載の溶融金属に対する耐食性に優れた溶融金属用部材。
  6. 前記硬質焼結合金に含有されるMo含有量の一部を、全組成に対して0.1〜20%のNbで置換してなることを特徴とする、請求項またはに記載の溶融金属に対する耐食性に優れた溶融金属用部材。
  7. 前記硬質焼結合金に含有されるMo含有量の一部を、全組成に対してWおよびNbの両者の合計で0.1〜30%置換してなることを特徴とする請求項またはに記載の溶融金属に対する耐食性に優れた溶融金属用部材。
  8. 前記硬質焼結合金に含有されるNb含有量の一部または全部をZr、Ti、Ta、Hfのいずれか1種または2種以上と置換してなることを特徴とする、請求項またはに記載の溶融金属に対する耐食性に優れた溶融金属用部材。
  9. 前記硬質焼結合金に含有されるFe含有量の一部を、全組成に対してNiおよび/またはCoのいずれか一方または両者の合計で0.1〜20%置換してなることを特徴とする、請求項のいずれかに記載の溶融金属に対する耐食性に優れた溶融金属用部材。
  10. 前記硬質焼結合金に含有されるCr含有量の一部を、全組成に対して0.1〜25%のVで置換してなることを特徴とする請求項のいずれかに記載の溶融金属に対する耐食性に優れた溶融金属用部材。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の硬質焼結合金を窒素雰囲気あるいは窒素を含む還元性雰囲気中で加熱してその表面に窒化物皮膜を形成させることを特徴とする、溶融金属用部材の製造方法。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の硬質焼結合金を大気中あるいは酸素を含む雰囲気中で加熱してその表面に酸化物皮膜を形成させた後、窒素を含む還元性雰囲気中で加熱し、酸化物皮膜を還元して窒化物皮膜を形成させることを特徴とする、溶融金属用部材の製造方法。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載の硬質焼結合金を大気中あるいは酸素を含む雰囲気中で加熱してその表面に酸化物皮膜を形成させた後、窒素雰囲気中で加熱し、酸化皮膜の下層に窒化物皮膜を形成させることを特徴とする、溶融金属用部材の製造方法。
  14. 窒素を含む還元性雰囲気または窒素雰囲気の圧力が0.1〜1.5MPaである、請求項1113のいずれかに記載の溶融金属用部材の製造方法。
  15. 請求項1114のいずれかに記載の溶融金属用部材の製造方法を用いて作成した溶融金属用部材を用いることを特徴とする機械構造部材。
  16. 前記機械構造部材が射出成形機用部材である請求項15に記載の機械構造部材。
  17. 前記機械構造部材が溶融金属鋳造装置用部材である請求項15に記載の機械構造部材。
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