JP4409067B2 - 溶融金属に対する耐食性に優れた溶融金属用部材およびその製造方法 - Google Patents

溶融金属に対する耐食性に優れた溶融金属用部材およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は溶融金属に対する耐食性に優れた溶融金属用部材およびその製造方法に関する。より詳細には、溶融金属と直接接触する部材において、部材の表面に酸化物を形成することにより、溶融金属に対する耐食性が大幅に向上した溶融金属用部材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイカストマシンはプランジャー、スリーブ、成形金型等で構成され、これらの部材は溶融状態にある金属、例えば、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム等と直接接触して使用される。これらの溶融金属用部材に共通して要求される特性としては、溶融金属に侵食(溶損)されない、反応層を形成しないなどといった溶融金属に対する耐食性、耐摩耗性、および耐熱疲労性などがある。従来、これらの部材として工具鋼や熱間工具鋼(SKD61など)が使用されていたが、溶融金属に対する耐食性が十分ではなかった。
【0003】
近年、溶融金属に対する耐食性や離型性を改善するため、部材表面にアルミナ、ジルコニア等のセラミックスの溶射皮膜を形成させる試みがなされている。しかしながら、これらの溶射皮膜においてはヒートチェック、ヒートクラック等の亀裂や剥離が生じやすく、期待するほどの耐久性の向上は得られておらず、またコスト面においても有利ではなかった。
【0004】
そのため、溶融アルミニウム等の溶融金属に対する耐食性のみならず、セラミックス材料よりも優れた耐熱衝撃性を有する材料として、Ni基の結合相を有する3元系複硼化物が提案(例えば特開平2−299740号公報、特開平5−320816号公報)されている。しかしながら、Ni基の結合相は高温における強度などの高温特性には優れているものの、溶融金属に対しては浸食されたり相手材と凝着するなど、耐食性が十分でなく、長時間使用した場合の部材の耐久性に問題があった。
また、特開平5−148588号公報や特開平9−217167号公報は、鋼、鋳鉄、およびステンレス鋼表面に酸化物皮膜を設けることにより、部材の耐食性の改善を図ることを開示している。しかし、形成された酸化物皮膜は非常に薄く、硬度も低いために、耐摩耗性強度が必要となるプランジャー、スリーブには適用不可能であるばかりでなく、母材との密着性に乏しいことによる、酸化物皮膜の剥離等による溶融金属中への混入といった問題の生じる恐れがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、上記のMo2NiB2型複硼化物系硬質焼結合金の溶融金属に対する耐食性、および離型性を改善し、極めて優れた耐久性を有する硬質焼結合金を開発することにより、溶融金属に対し極めて優れた耐食性、離型性を有し、かつ熱疲労特性、機械的特性、耐摩耗性にも優れる溶融金属用部材およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
(1)本発明の溶融金属用部材は、
3〜7.5重量%のB、21〜79.9重量%のMo、2〜35重量%のCr、残部が10重量%以上のNiおよび不可避的不純物からなり、
MoNiB型複硼化物とNi基結合相とからなる硬質焼結合金部材の
溶融金属と直接接触する表面に酸化物皮膜を形成してなる溶融金属用部材であって、
前記酸化物皮膜は、
前記硬質焼結合金を大気中あるいは酸化雰囲気中で加熱して前記硬質焼結合金表面に形成された、Mo、Cr、Ni、Bの金属元素と酸素とを主体とする(Ni,Mo,Cr,B)mOn型の複合酸化物からなる皮膜であることを特徴とする。
(2)本発明の溶融金属用部材は、前記(1)において、
前記(Ni,Mo,Cr,B)mOn型の複合酸化物は、
(Ni,Mo,Cr,B)、(Ni,Mo,Cr,B)、(Ni,Mo,Cr,B)O、(Ni,Mo,Cr,B)O、(Ni,Mo,Cr,B)O2.7〜2.9、(Ni,Mo,Cr,B)Oからなる群より選択される一のものであることを特徴とする。
(3)本発明の溶融金属用部材は、前記(1)又は(2)において、
前記硬質焼結合金部材は、硬質焼結合金の全組成に対して、さらに、0.1〜8重量%のMnを含有することを特徴とする。
(4)本発明の溶融金属用部材は、前記(1)〜(3)のいずれかにおいて、
前記硬質焼結合金部材は、硬質焼結合金の全組成に対して、さらに、希土類元素の中から選ばれた1種以上を、合計で0.01〜5重量%含有することを特徴とする。
(5)本発明の溶融金属用部材は、前記(1)〜(4)のいずれかにおいて、
前記硬質焼結合金部材は、硬質焼結合金の全組成に対して、さらに、Siおよび/またはAlのいずれか一方を、又は両者を、合計で0.03〜10重量%含有することを特徴とする。
(6)本発明の溶融金属用部材は、前記(1)〜(5)のいずれかにおいて、
前記硬質焼結合金部材は、硬質焼結合金に含有されるMo含有量の一部を、全組成に対して0.1〜30重量%のWで置換してなることを特徴とする。
(7)本発明の溶融金属用部材は、前記(1)〜(5)のいずれかにおいて、
前記硬質焼結合金部材は、硬質焼結合金に含有されるMo含有量の一部を、全組成に対して0.1〜10重量%のNbで置換してなることを特徴とする。
(8)本発明の溶融金属用部材は、前記(1)〜(5)のいずれかにおいて、
前記硬質焼結合金部材は、硬質焼結合金に含有されるMo含有量の一部を、全組成に対してWおよびNbの両者の合計で0.2〜30重量%置換してなることを特徴とする。
(9)本発明の溶融金属用部材は、前記(7)又は(8)において、
前記硬質焼結合金部材は、硬質焼結合金に含有されるNb含有量の一部または全部をZr、Ti、Ta、Hfのいずれか1種又は2種以上と置換してなることを特徴とする。
(10)本発明の溶融金属用部材は、前記(1)〜(9)のいずれかにおいて、
前記硬質焼結合金部材は、硬質焼結合金に含有されるNi含有量の一部を、全組成に対してFeおよび/またはCoのいずれか一方または両者の合計で0.1〜20重量%置換してなることを特徴とする。
(11)本発明の溶融金属用部材は、前記(1)〜(10)のいずれかにおいて、
前記硬質焼結合金部材は、硬質焼結合金に含有されるCr含有量の一部を、全組成に対して0.1〜25%のVで置換してなることを特徴とする。
(12)本発明の溶融金属用部材の製造方法は、
3〜7.5重量%のB、21〜79.9重量%のMo、2〜35重量%のCr、残部が10重量%以上のNiおよび不可避的不純物からなり、
Mo NiB 型複硼化物とNi基結合相とからなる硬質焼結合金からなる部材を、
大気中あるいは酸化雰囲気中で加熱して、その表面にMo、Cr、Ni、Bの金属元素と酸素とを主体とする(Ni,Mo,Cr,B)mOn型の複合酸化物からなる皮膜を形成させることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、Mo2NiB2 型複硼化物系の硬質焼結合金(以下母材と称す)を大気中もしくは酸化雰囲気中で加熱して、その表面にB、Mo、Ni、Crと酸素を主体とした安定かつ緻密な酸化物皮膜を形成させることにより、溶融金属用の部材として用いた場合に溶融金属に対して極めて優れた耐食性、および離型性を有する溶融金属用部材を提供するものである。
本発明の溶融金属用部材の母材となる硬質焼結合金において、B、Mo、Crの含有量を一定範囲内に限定することにより、微細な複硼化物とNi基の結合相との2相組織となり、優れた強度、熱疲労特性(耐熱衝撃性)が得られるばかりでなく、上記の酸化物皮膜からなる表面処理層を緻密かつ安定に形成させることができる。
また、母材中にMnを含有させることにより、母材の機械的特性、表面処理層の耐食性および自己修復性が向上し、さらに希土類元素を含有させることにより、表面処理層の耐食性、および母材と表面処理層の密着性が改善される。さらに、Si、Alを含有させることにより表面処理層の耐食性が向上し、Wを含有させることにより母材の機械的特性、表面処理層の耐食性および耐摩耗性が向上する。またさらに、Nb、Zr、Ti、Ta、Hfを含有させることにより、表面処理層の耐食性および耐摩耗性が向上し、Feおよび/またはCoを含有させることにより母材の熱衝撃性および高温強度が向上し、さらに、Vを含有させることにより母材の機械的特性および表面処理層の自己修復性がさらに改善される。以下に本発明を詳細に説明する。
【0008】
本発明者らは本発明に至るまでに、優れた強度、耐熱疲労性(耐熱衝撃性)を有するMo2NiB2 型複硼化物系硬質焼結合金が、溶融金属、特に溶融アルミニウムに対して優れた耐食性を示すことを見出していた。しかしながら、このMo2NiB2 型複硼化物系硬質焼結合金が長時間溶融金属と接触した場合、Ni基の結合相が溶融金属と反応し、耐食性、離型(剥離)性が低下する傾向を示し、溶融金属に対して更なる耐食性改善が必要であることが判明した。そこで種々検討した結果、Mo2NiB2 型複硼化物系硬質焼結合金の表面に、酸化物皮膜からなる表面処理層を形成させることにより、長期間使用しても溶融金属と反応しない、あるいは焼付が生じないため、部材表面に離型剤を塗布しなくても部材と接触した金属を容易に剥離(離型)できるばかりでなく、ヒートチェックの発生もないなど、耐久性が大幅に向上することを見出した。
【0009】
これは、酸化皮膜が、母材の主要構成元素であるMo、Cr、Ni、Bの金属元素と酸素を主体として構成される(Ni,Mo,Cr,B)型の複合酸化物からなる安定かつ緻密な表面処理層で構成される保護膜となり、溶融金属に対する耐食性が大幅に改善向上するためである。本発明の溶融金属用部材は上記4元素に加えて、選択的にMn、Si、Al、W、Nb、Zr、Ti、Ta、Hf、Fe、Co、Vが添加される場合もあり、この場合は合金表面に形成される酸化物皮膜は、Mo、Cr、Ni、Bに加えて上記の選択的に添加される元素および酸素から構成される。酸化物にMo、Cr、Ni、Bが含有されない場合は、表面処理層の結合力が弱く、かつ、母材との密着性が低下するために亀裂や剥離を生じやすく、耐摩耗性も十分でない。
複合酸化物としては、具体的には(Ni,Mo,Cr,B)23、(Ni,Mo,Cr,B)34、(Ni,Mo,Cr,B)O、(Ni,Mo,Cr,B)O3、(Ni,Mo,Cr,B)O2 7 2 9、(Ni,Mo,Cr,B)O2などが挙げられる。
【0010】
上記の複合酸化物は、Mo2NiB2型の複硼化物が酸化されることにより得られるため、母材としては合金組成が主にMo、Cr、Ni、BからなるMo2NiB2型複硼化物硬質焼結合金である必要がある。
この硬質焼結合金において、Bは本発明の溶融金属用部材の母材の硬質相となる複硼化物および表面処理層を形成するために必要不可欠な元素である。また、Bを含有した表面処理層は母材との密着性を向上させる効果を示す。B量が3%未満であると硬質相の割合が35%を下回り、機械的特性が劣る。一方、7.5%を超えると硬質相の割合が95%を上回り、強度および耐熱衝撃性が低下する。よって、B含有量は3〜7.5%に限定する。
【0011】
MoはBと同様に複硼化物および表面処理層を形成するために不可欠な元素である。母材においては、一部は硬質合金の結合相中に固溶し、母材の機械的強度を向上させる。しかし、適正量(79.9%)を超えて含有させるとM6C型炭化物などの金属間化合物を形成して母材の強度が低下する。一方、含有量が21%未満であると、Ni2BなどのNi硼化物が形成するために母材の強度が低下する。よってMo含有量は21〜79.9%に限定する。
【0012】
Crは複硼化物中のNiと置換固溶し、複硼化物の結晶構造を正方晶に安定化させる効果を有する。また、Ni結合相中にも固溶し、硬質合金の耐食性、耐摩耗性、高温特性、および機械的特性を大幅に向上させる。しかし、35%を超えて含有させるとCrなどの硼化物を形成し、母材の強度が低下する。一方、2%未満になると表面処理層のCr量が不十分となり、溶融金属に対する耐食性の低下を生じる。よって、Cr含有量は2〜35%に限定する。
【0013】
Mnは母材の複硼化物の粒成長を抑制し、合金組織を微細化させることにより、機械的特性を著しく向上させる。また、Mnの添加により、焼結時に型くずれの少ない良好な形状の焼結体が得られ、ニヤネット化が図られる効果を示す。さらにMnは酸素との親和力が強いため、表面処理層の自己修復性をもたらし、部材の耐久性を高める。含有量が0.1%未満では特性改善の効果が認められず、8%を超えて含有させると母材の機械的特性が低下する。よってMnの含有量は全組成に対して0.1〜8%に限定する。
【0014】
希土類元素は表面処理層と母材の密着性を向上させる効果がある。また、これらの元素を2種以上複合含有させても単独で含有させた場合と同様な効果が得られる。含有量が0.01%未満では特性改善の効果が認められない。5%を超えて含有させてもその効果の向上があまり認められなくなるばかりでなく、希土類元素は高価であるため、コストの上昇を招く。よって、希土類元素の含有量は全組成に対して0.01〜5%に限定する。
【0015】
SiおよびAlは複合酸化物中に分散し、表面処理層をさらに緻密かつ強化させる。SiおよびAlはどちらか一方を含有させてもようし、両者を含有させてもよい。これらの含有量が0.03%未満であるとその特性改善効果が認められず、10%を超えて含有させると母材の強度が低下する。よってSiおよび/またはAlの含有量は全組成に対して0.03〜10%に限定する。
【0016】
WはMoと置換させることが可能な元素であり、母材の強度を向上させる効果を示すばかりでなく、表面処理層の耐食性および耐摩耗性を向上させる。しかし、Moとの含有量が0.1%未満であるとその特性改善効果が認められない。一方、30%を超えて含有させてもその効果が認められなくなるばかりでなく、部材の比重が高まり、製品重量が増大する。よって、Wの含有量は全組成に対して0.1〜30%に限定する。
【0017】
Nb、Zr、Ti、Ta、HfはMoと置換させることが可能な元素であり、母材の複硼化物に固溶するとともに一部は他の硬質粒子(硼化物、酸化物、炭化物、および窒化物)を形成し、機械的特性を向上させる。また、これらの元素は酸素との親和力が強いことから複合酸化物と結合し、より緻密で密着性に優れた表面処理層の形成に効果がある。また、これらの元素を2種以上複合含有させても単独で含有させた場合と同様な効果が得られる。しかし、含有量が0.1%未満であると改善効果が認められず、10%を超えて含有させると硬質合金の焼結性が低下し、強度の低下を招くばかりでなく、これらの元素は高価であるためコストの上昇を招く。よってNb、Zr、Ti、Ta、Hfの含有量は全組成に対して1種または2種以上の合計で0.1〜10%に限定する。
【0018】
FeはNiと置換可能な元素であり、表面処理層中にFeを複合した酸化物皮膜を形成することで、表面処理層の自己修復性が向上する。また、安価なFeを使用することで、部材のコスト削減が図れる。含有量が0.1%未満であるとその改善効果が認められず、20%を越えて含有させると、MoNiB複硼化物の形成が困難となり、焼結性が低下するばかりでなく、母材の熱衝撃性および強度が低下する。よって、Feの含有量は全組成に対して0.1〜20%に限定する。
【0019】
CoもFeと同様にNiと置換可能な元素であり、本発明の硬質合金の硼化物、およびNi基結合相の両相に固溶し、硬質合金の熱衝撃性および高温強度を向上させる。含有量が0.1%未満であるとその改善効果が認められず、20%を超えて含有させてもその特性向上の効果が認めらないないだけでなく、コストの上昇を招く。よって、Coの含有量は全組成に対して0.1〜20%に限定する。FeおよびCoは上記のように単独で含有させてもよいし、両者を含有させてもよい。両者を含有させる場合も、含有量は全組成に対して0.1〜20%に限定する。
【0020】
VはCrと置換させることが可能な元素であり、また、Crと同様に複硼化物中のNiと置換固溶し、複硼化物の結晶構造を正方晶に安定化させる効果を有する。また、Ni結合相中にも固溶し、硬質合金の耐食性、耐摩耗性、高温特性、および機械的特性を大幅に向上させる。さらに表面処理層においては、自己修復性の向上効果をもたらす。0.1%未満であるとこれらの特性改善効果が認められず、25%を超えて含有させると、酸化皮膜の密着性が低下し、溶融金属への不純物混入の原因となり得る。よってVの含有量は全組成に対して0.1〜25%に限定する。
【0021】
本発明の硬質合金は上記成分元素のほか、残部がNiで構成される。Niは複硼化物および結合相を構成する元素であり、表面処理層を構成する複合酸化物の形成に必要不可欠である。本発明の硬質合金においては、Niの含有量が10%未満であると複硼化物を十分に形成させることができないばかりか、結合相中のNi含有量が不足して、焼結時に十分な液相が出現せず緻密な焼結体が得られず、強度が低下する。そのため、本発明の硬質合金にはNiを10%以上含有させる必要がある。本発明の硬質合金においてNiを10%以上含有させることができない場合は、許容範囲内においてNi以外の各元素の含有量を減じて、10%以上のNiを含有させることは言うまでもない。
【0022】
本発明の硬質焼結合金が含有する不可避的不純物元素の主なものはP、S、N、Cなどであり、硬質焼結合金の強度を維持させるためにはこれらの含有量は極力少なくすることが望ましい。これらの元素の含有量が合計で1%以下であれば、機械的特性に与える影響は比較的小さい。
【0023】
次に本発明の溶融金属用部材の製造方法について説明する。まず母材である硬質合金の製造方法について説明する。Ni、Mo、Cr、Mn、Si、Al、W、Nb、Zr、Ti、Ta、Hf、Fe、Co、V、希土類元素の1種または2種以上の元素とBからなるB合金の粉末、またはこれらのB合金粉末とこれら元素の1種または2種以上からなる合金の粉末、またはB単体とNi、Mo、Cr、Mn、Si、Al、W、Nb、Zr、Ti、Ta、Hf、Fe、Co、V、希土類元素の単体粉末、またはB単体とこれらの1種または2種以上の合金からなる粉末を所定の合金組成となるように配合し、振動ボールミル等を用いて有機溶媒中で湿式粉砕後、造粒、成形し、該成形体を真空中、還元ガス中、または不活性ガス中などの非酸化性雰囲気中で液相焼結する。
【0024】
なお、上記の硬質合金の硬質相となる複硼化物は、上記原料粉末が焼結中に反応することによって形成されるが、あらかじめMoおよびNi、さらに上記の選択的に添加される元素からなる複硼化物、またはB単体の粉末とMoおよびNiさらに上記の選択的に添加される元素の粉末を炉中で反応させることにより、Mo2NiB2型複硼化物を製造し、さらに結合組成のNi、Mo、Fe、Co、および上記の選択的に添加される元素の粉末を所定の合金組成となるように配合した粉末を用いても差し支えない。
【0025】
液相焼結は通常1373〜1673Kの焼結温度で5〜90分間行う。焼結温度が1373K未満の場合は液相が十分に出現せず、空孔の多い焼結体が得られ、十分な強度が得られない。一方、焼結温度が1673Kを超えると液相は十分に出現するものの、結晶粒が粗大化し強度が低下する。また、焼結時間が5分未満であると、元素の拡散が十分でなく、十分に高密度化しない。一方、90分を越えて焼結してもそれ以上の強度上昇は認められず、場合によっては強度が低下することもある。以上のような液相が出現する焼結条件で焼結することにより、空孔が消失し、ほぼ100%の密度の硬質合金が得られる。液相を出現させずに空孔を消失させる方法として、熱間静水圧プレス法、ホットプレス法、通電焼結法などがあり、これらの方法を用いても空孔を消失させることができる。またこれらの方法と液相焼結法を併用してもよい。
【0026】
上記のようにして得られる本発明の溶融金属用部材の母材である硬質合金は、焼結体単体としてのみ用いられるばかりでなく、鋼材と接合させて複合材として用いることも可能である。すなわち、本発明の硬質合金は超硬合金のように鋼材にロウ付けして使用するばかりでなく、ロウ材を使用することなく直接鋼材と接合させることも可能であり、強固な接着が得られる。また、焼結と鋼材を同時に接合する焼結接合法を適用することも可能であり、鋼材は熱ダメージによる強度低下を招来することなく、複合材料をアルミニウムなどの溶融金属のダイカスト用部材として用いた場合、溶融金属に対して耐食性および耐摩耗性が必要とされる部分にのみ、本発明の溶融金属用部材の母相である硬質合金を必要最小限に用いることにより、金型などの部材を低価格で製造することが可能となる。
次に、上記のようにして得られた母材表面に形成させる表面処理層の製造方法について説明する。
【0027】
得られた母材を所望の形状に機械加工を行い、表面を洗浄脱脂した後、大気中もしくは酸化性雰囲気中で773〜1873Kの温度で5分〜50時間保持することにより、適正な皮膜量の酸化物皮膜を形成させる。本発明の表面処理層の形成手段としては、高温大気酸化法、高温湿潤水素酸化法等があるが特に限定されない。処理温度が773K未満の場合は、長時間の処理を行っても優れた耐食性が得られる十分な厚みを有する酸化物皮膜を形成することはできない。一方、1873Kを超える処理温度で処理した場合は、酸化物皮膜の剥離が生じる。処理時間が5分未満の場合は十分な厚みの酸化物皮膜の形成が認められず、50時間を超えて処理を行っても、酸化物皮膜の成長は飽和し、剥離を生じるばかりでなく、コストの上昇につながる。よって、表面処理は773〜1873Kの温度で5分〜50時間、好ましくは973〜1673Kで1〜30時間行う。また上記の酸化物皮膜を形成させる手段として、酸化雰囲気における高温加熱処理だけではなく、陽極電解法や加圧水蒸気法などを用いることも可能である。
以下、実施例を示し本発明を具体的に説明する。
【0028】
【実施例】
(実施例)
B粉末および金属粉末を、表1〜5に示す配合比に調整した後、振動ボールミルを用いて、アセトン中で25時間湿式混合粉砕した。ボールミルで粉砕した後の粉末を乾燥、造粒し、得られた微粉末を所定の形状にプレス成形した後、真空度:≦1.3Paの真空中で10K/分の昇温速度で加熱し、1373〜1673Kの温度で30分間加熱した後炉冷し、焼結合金を得た。得られた焼結合金を所望の形状に加工し、脱脂後、大気中で表6〜14に示す加熱条件で加熱した後、炉冷し、焼結合金表面に複合酸化物の皮膜からなる表面処理層を形成させ、溶融金属用部材を得た。一部の焼結合金は比較用に上記の加熱処理を施さずに、下記の特性評価に供した。
【0029】
【表1】
Figure 0004409067
【0030】
【表2】
Figure 0004409067
【0031】
【表3】
Figure 0004409067
【0032】
【表4】
Figure 0004409067
【0033】
【表5】
Figure 0004409067
【0034】
上記のようにして得られた表6〜14に示した硬質合金および溶融金属用部材の強度、耐食性、および耐熱衝撃性を以下のようにして評価した。
[強度]
焼結したままの硬質合金、および硬質合金に大気中の加熱処理を施した溶融金属用部材から試験片を切り出し、JIS H 5501に基づいて抗折力(3点曲げ試験)を測定した。抗折力が大きいほど強度が優れており、1.5GPaを超えるものを本発明の対象とする。結果を表6〜14に示す。
【0035】
[耐食性]
焼結したままの硬質合金、および硬質合金に大気中の加熱処理を施した溶融金属用部材を10mm×10mm×100mmの大きさに切削加工し試験片とし、この試験片を993Kで加熱溶融したアルミニウム(ダイカスト用アルミニウム合金:JIS−ADC10)中に6時間浸漬した後、試験片の長手方向に垂直な断面で切り出し、断面を光学顕微鏡で観察し、試験片が溶融アルミニウムにより表面から侵食された深さを測定し、下記の規準で耐食性を評価した。
○:侵食深さ<5μm、離型性良好
△:侵食深さ≧5μmでかつ<30μm、離型性やや不良
×:侵食深さ≧30μm、離型性不良
結果を表6〜14に示す。表中で を附したものは、特定元素を必要以上に添加しても効果の向上効果が認められないものを指す。
【0036】
[耐熱衝撃性]
焼結したままの硬質合金、および硬質合金に大気中の加熱処理を施した溶融金属用部材を10mm×10mm×100mmの大きさに切削加工し、これに0.5mm幅の切り込みを5mm入れ試験片とした。この試験片を773Kで大気中で加熱し、水中に投入した後に発生するクラックの有無を肉眼観察し、耐熱衝撃性を評価した結果を表6〜14に示す。
【0037】
【表6】
Figure 0004409067
【0038】
【表7】
Figure 0004409067
【0039】
【表8】
Figure 0004409067
【0040】
【表9】
Figure 0004409067
【0041】
【表10】
Figure 0004409067
【0042】
【表11】
Figure 0004409067
【0043】
【表12】
Figure 0004409067
【0044】
【表13】
Figure 0004409067
【0045】
【表14】
Figure 0004409067
【0046】
表6〜14に示すように、本発明の溶融金属用部材は耐食性および耐熱衝撃性に優れている。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、Mo、Cr、Ni、B、およびさらにMn、希土類元素、Siおよび/またはAlを含有させ、Mo、Cr、Bの含有量を一定範囲内に限定し、またはさらにW、Nb、Zr、Ti、Ta、Hf、Feおよび/またはCo、Vなどを適宜含有させて成る、微細な複硼化物とNi基の結合相とからなる硬質焼結合金を、大気中で加熱して表面に酸化皮膜を形成させた溶融金属用部材であり、溶融金属に対して優れた耐食性と耐熱衝撃性を示す。

Claims (12)

  1. 3〜7.5重量%のB、21〜79.9重量%のMo、2〜35重量%のCr、残部が10重量%以上のNiおよび不可避的不純物からなり、
    MoNiB型複硼化物とNi基結合相とからなる硬質焼結合金部材の
    溶融金属と直接接触する表面に酸化物皮膜を形成してなる溶融金属用部材であって、
    前記酸化物皮膜は、
    前記硬質焼結合金を大気中あるいは酸化雰囲気中で加熱して前記硬質焼結合金表面に形成された、Mo、Cr、Ni、Bの金属元素と酸素とを主体とする(Ni,Mo,Cr,B)mOn型の複合酸化物からなる皮膜であることを特徴とする溶融金属用部材。
  2. 前記(Ni,Mo,Cr,B)mOn型の複合酸化物は、
    (Ni,Mo,Cr,B)、(Ni,Mo,Cr,B)、(Ni,Mo,Cr,B)O、(Ni,Mo,Cr,B)O、(Ni,Mo,Cr,B)O2.7〜2.9、(Ni,Mo,Cr,B)Oからなる群より選択される一のものであることを特徴とする請求項1に記載の溶融金属用部材。
  3. 前記硬質焼結合金部材は、硬質焼結合金の全組成に対して、さらに、0.1〜8重量%のMnを含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の溶融金属用部材。
  4. 前記硬質焼結合金部材は、硬質焼結合金の全組成に対して、さらに、希土類元素の中から選ばれた1種以上を、合計で0.01〜5重量%含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の溶融金属用部材。
  5. 前記硬質焼結合金部材は、硬質焼結合金の全組成に対して、さらに、Siおよび/またはAlのいずれか一方を、又は両者を、合計で0.03〜10重量%含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の溶融金属用部材。
  6. 前記硬質焼結合金部材は、硬質焼結合金に含有されるMo含有量の一部を、全組成に対して0.1〜30重量%のWで置換してなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の溶融金属用部材。
  7. 前記硬質焼結合金部材は、硬質焼結合金に含有されるMo含有量の一部を、全組成に対して0.1〜10重量%のNbで置換してなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の溶融金属用部材。
  8. 前記硬質焼結合金部材は、硬質焼結合金に含有されるMo含有量の一部を、全組成に対してWおよびNbの両者の合計で0.2〜30重量%置換してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の溶融金属用部材。
  9. 前記硬質焼結合金部材は、硬質焼結合金に含有されるNb含有量の一部または全部をZr、Ti、Ta、Hfのいずれか1種又は2種以上と置換してなることを特徴とする、請求項7又は8に記載の溶融金属用部材。
  10. 前記硬質焼結合金部材は、硬質焼結合金に含有されるNi含有量の一部を、全組成に対してFeおよび/またはCoのいずれか一方または両者の合計で0.1〜20重量%置換してなることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の溶融金属用部材。
  11. 前記硬質焼結合金部材は、硬質焼結合金に含有されるCr含有量の一部を、全組成に対して0.1〜25%のVで置換してなることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の溶融金属用部材。
  12. 3〜7.5重量%のB、21〜79.9重量%のMo、2〜35重量%のCr、残部が10重量%以上のNiおよび不可避的不純物からなり、
    Mo NiB 型複硼化物とNi基結合相とからなる硬質焼結合金からなる部材を、
    大気中あるいは酸化雰囲気中で加熱して、その表面にMo、Cr、Ni、Bの金属元素と酸素とを主体とする(Ni,Mo,Cr,B)mOn型の複合酸化物からなる皮膜を形成させることを特徴とする、溶融金属用部材の製造方法。
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