JP2002275224A - 水性架橋型樹脂組成物 - Google Patents

水性架橋型樹脂組成物

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JP2002275224A
JP2002275224A JP2001082048A JP2001082048A JP2002275224A JP 2002275224 A JP2002275224 A JP 2002275224A JP 2001082048 A JP2001082048 A JP 2001082048A JP 2001082048 A JP2001082048 A JP 2001082048A JP 2002275224 A JP2002275224 A JP 2002275224A
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meth
polymer
acrylate
compound
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JP2001082048A
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English (en)
Inventor
Mitsutaka Hasegawa
三高 長谷川
Hiroshi Inukai
宏 犬飼
Hideo Matsuzaki
英男 松崎
Eiichi Okazaki
栄一 岡崎
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性エネルギー線、特に紫外線による硬化性
に優れ、その硬化膜が着色や臭気がなく、硬度、耐水
性、耐アルカリ性及び耐溶剤性等の耐薬品性、平滑性及
び密着性に優れ、塗膜表面の耐ブロッキング製に優れた
水性架橋性重合体組成物を提供する。 【解決手段】 マレイミド基、エチレン性不飽和基及び
酸性基又はその塩を有する親水性重合体と、水性媒体に
不溶な疎水性重合体と、エチレン性不飽和基を2個以上
有する化合物とを必須成分として水性架橋性重合体組成
物を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、紫外線等の活性
エネルギー線の照射により架橋可能な水性架橋型組成物
に関するもので、塗料、コーティング材及び印刷インキ
等の被覆材、不織布等の接合剤、接着剤、充填剤並びに
レジスト等の用途に有用で、さらにこれらの中でも被覆
材として、特にサイディング材の表面被覆材(クリヤー
トップ)として有用で、これらの技術分野において賞用
され得るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種産業等で使用する有機系の溶
剤及び洗浄剤等が、大気中に放出されることにより地球
規模での大気汚染が進み、生物へ影響することが懸念さ
れ、塗料、インキ及び接着剤等の用途で使用する組成物
を、従来使用されている溶剤型組成物から、水性型組成
物へとする試みがなされ、その一環として、かかる組成
物に広く使用される重合体である、活性エネルギー線で
硬化可能な不飽和基含有重合体そのものについて、水性
化の検討がなされている。
【0003】例えば、乳化剤の存在下、水中でカルボキ
シル基を有する重合体を製造し、得られた重合体に、エ
ポキシ基及び不飽和基を有する化合物を付加反応させて
重合体を得る方法(特開平6−211950号公報)
が、また、かかる重合体のエマルションからなる水性組
成物の使用が種々提案されている(特開昭51−179
22号公報、同51−23531号公報、特開平6−2
11950号公報)。
【0004】一方、塗料の用途においては、脱有機溶剤
化方法として、有機溶媒を含まない紫外線硬化型組成物
を使用する方法が検討され、紫外線硬化型塗料組成物と
しては、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレ
ート、ウレタンアクリレート等のオリゴエステル(メ
タ)アクリレートと反応性希釈剤とからなるもの等が用
いられ、例えば、特開平5−9247号公報において
は、特定構造のウレタンアクリレート及び不飽和ポリエ
ステルとを含有する紫外線硬化性組成物が提案されてい
る。
【0005】上記のような不飽和基含有重合体のエマル
ションや、無溶媒の紫外線硬化型組成物を用いる方法
は、脱溶剤という面においては目的を達成するものであ
るが、例えば、不飽和基含有重合体のエマルションを用
いる場合には、通常、紫外線照射により当該重合体を硬
化させるために、ラジカル発生源としての光重合開始剤
を併用しなければならないが、水性エマルジョンにおい
て、光重合開始剤を併用すると、硬化膜中に光重合開始
剤の分解物が残存してしまうため、硬化膜の臭気や着色
という問題を発生させることが多く、また、当該エマル
ジョンから得られる硬化膜は、その硬度が必ずしも満足
できるものではないという問題も有している。
【0006】また、従来の無溶媒の紫外線硬化型塗料組
成物においては、熱乾燥や熱硬化により、徐々にひずみ
を緩和しながら硬化して行く溶剤乾燥型の重合体を含む
組成物や、熱硬化型重合体を含む組成物に比較して硬化
時間が短いため、硬化時の体積収縮により生じる応力ひ
ずみを硬化膜中に蓄積し易く、硬化膜が基材との密着性
に不十分であるという問題を有し、また、このような無
溶媒型の組成物は一般に粘度が高いため、組成物の製造
時及びこの組成物の塗工時等における作業性が悪いとい
う問題も有している。
【0007】さらに、従来の水系塗料組成物の場合は、
その乾燥塗膜が、硬度、耐溶剤性及び耐水性の点が不十
分で、且つ表面光沢や基材への密着性も不十分であっ
て、特に耐水性が不足し易いという問題を有している。
【0008】かかる現状に鑑み、発明者らは、活性エネ
ルギー線による硬化性、特に紫外線による硬化性に優
れ、その硬化膜が着色や臭気がない上、硬度、耐水性、
耐アルカリ性及び耐溶剤性等の耐薬品性、平滑性及び密
着性に優れた水性架橋性重合体組成物を見出している
(特願2000−202897号)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】発明者らが開発した前
記組成物は、種々の物性に優れているものの、特定の用
途に応用する場合は、満足のゆくものでなかった。例え
ば、サイジング材の表面被覆に使用する場合、硬化膜は
屋外に曝されることになるが、耐候性や耐凍害性の点で
不充分となることがあった。又、従来の紫外線硬化型塗
料組成物をサイジング材の表面被覆に使用する場合にお
いては、サイジング材は製造後に積み上げられ保管され
るが、この場合、硬化膜同士がくっついてしまうという
ブロッキングの問題が生じるものであった。
【0010】
【課題を解決するための手段】その結果、マレイミド
基、エチレン性不飽和基及び酸性基を有する親水性重合
体、水性媒体に不溶な疎水性重合体及び、エチレン性不
飽和基を2個以上有する化合物を併用した水性組成物
が、上記課題を解消するものであることを見出し、この
発明を完成させたものである。
【0011】この発明の請求項1に記載の発明は、マレ
イミド基、エチレン性不飽和基及び酸性基又はその塩を
有する親水性重合体、水性媒体に不溶な疎水性重合体及
び、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物を必須
成分とすることを特徴とする水性架橋型樹脂組成物であ
る。
【0012】また、この発明の請求項2に記載の発明
は、前記の水性架橋型樹脂組成物において、マレイミド
基が、下記化2で表される環状イミド基であることを特
徴とする水性架橋型樹脂組成物である。
【0013】
【化2】 但し、化2において、R1及びR2は、それぞれ独立して
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、
若しくはアリール基を表わすか、又はそれぞれが一つと
なって炭素環を形成する基を表す。
【0014】また、この発明の請求項3に記載の発明
は、前記の水性架橋型樹脂組成物において、疎水性重合
体が、アルコキシリル基を有する重合体であることを特
徴とする水性架橋型樹脂組成物である。
【0015】さらに、この発明の請求項4に記載の発明
は、前記の水性架橋型樹脂組成物が、活性エネルギー線
による架橋が可能であることを特徴とする水性架橋型樹
脂組成物である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の水性架橋型樹脂
組成物について詳細に説明する。なお、この明細書にお
いては、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及び
/又はメタクリレートを、(メタ)アクリル酸とは、ア
クリル酸及び/又はメタクリル酸を、(メタ)アクリロ
イル基とは、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル
基をいう。
【0017】<親水性重合体>この発明は、マレイミド
基、エチレン性不飽和基及び酸性基又はその塩を有する
親水性重合体(以下、単に「親水性重合体」という。)
を必須成分とする水性架橋型樹脂組成物である。
【0018】この発明において、親水性重合体とは、水
性媒体に溶解又は水性媒体で膨潤するもので、さらに
は、界面活性剤や乳化剤を併用しなくても水性媒体中に
容易に分散する性質を有する重合体を意味するものであ
る。
【0019】親水性重合体におけるマレイミド基として
は、種々のものがあり、下記化3で表されるものが好ま
しい。
【0020】
【化3】
【0021】但し、化3において、R1及びR2は、それ
ぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
ルケニル基、若しくはアリール基を表わすか、又はそれ
ぞれが一つとなって炭素環を形成する基を表す。
【0022】前記アリール基としては、フェニル基を挙
げることができる。一つとなって炭素環を形成する基と
しては、5員環もしくは6員環を形成する飽和若しくは
不飽和の炭化水素基が好ましく、具体的には、基−CH
2CH2CH 2−、基−CH=CHCH2−、基−CH2
2CH2CH2−、基−CH2CH=CHCH2−及び基
−CH=CHCH=CH−等が挙げられる。
【0023】R1及びR2としては、一方が水素原子であ
って、他方が炭素数4以下のアルキル基、R1及びR2
両方が炭素数4以下のアルキル基、ならびにそれぞれが
一つとなって、炭素環を形成する飽和炭化水素基が、重
合体を容易に製造でき、溶解性、保存安定性に優れ、得
られる組成物の架橋塗膜の耐水性に優れる点で好まし
い。
【0024】これらの中でも、それぞれが一つとなって
炭素環を形成する飽和炭化水素基がより好ましく、特に
好ましくは基−CH2CH2CH2CH2−である。
【0025】マレイミド基の具体例を、以下の化4〜化
9に示す。これらの中でも、溶解性、保存安定性に優れ
る点で、化4又は化5で表されるマレイミド基が好まし
い。
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】
【化9】
【0032】親水性重合体におけるエチレン性不飽和基
としては、種々のものがあるが、ビニル基、アリル基及
び(メタ)アクリロイル基等が挙げられ、酸性基又はその
塩としては、カルボキシル基、スルホン基及びリン酸基
ならびにそれらの塩が挙げられ、カルボキシル基が好ま
しい。
【0033】親水性重合体の製法としては、以下のよう
な種々の方法が挙げられ、それらの方法で得られた重合
体が、この発明において用いられる。
【0034】1)マレイミド基及び酸性基を有するプレ
ポリマーに、エチレン性不飽和基及びエポキシ基を有す
る化合物(以下、「エポキシ系不飽和化合物」とい
う。)を付加する方法。 2)マレイミド基及びエポキシ基を有するプレポリマー
に、エチレン性不飽和基及び酸性基を有する化合物(以
下、「酸性系不飽和化合物」という。)を付加させ、こ
の反応で生成する水酸基に酸無水物を付加する方法。 3)マレイミド基、水酸基及び酸性基を有するプレポリ
マーに、エチレン性不飽和基及びイソシアネート基を有
する化合物(以下、「イソシアネート系不飽和化合物」
という。)を付加する方法。 4)マレイミド基、イソシアネート基及び酸性基を有す
るプレポリマーに、エチレン性不飽和基及び水酸基を有
する化合物(以下、「水酸系不飽和化合物」という。)
を付加する方法。 5)マレイミド基及び酸無水物基を有するプレポリマー
に、水酸系不飽和化合物を付加する方法。 6)酸無水物基を有するプレポリマーに、マレイミド基
及び水酸基を有する化合物、ならびに水酸系不飽和化合
物を付加する方法。
【0035】前記の方法におけるマレイミド基を有する
プレポリマーは、マレイミド系不飽和化合物と、それぞ
れ酸性系不飽和化合物、エポキシ系不飽和化合物、水酸
系不飽和化合物及び酸性系不飽和化合物、イソシアネー
ト系不飽和化合物及び酸性系不飽和化合物を共重合する
ことにより、酸無水物基を有するプレポリマーは、酸無
水物系不飽和化合物を共重合することにより容易に得る
ことができる。
【0036】マレイミド系不飽和化合物としては、マレ
イミド基を有する(メタ)アクリレートが好ましく、以
下の文献及び特許に記載されている方法により、製造す
ることができる。 ・加藤清ら、有機合成化学協会誌30(10),89
7,(1972) ・Javier de Abajo ら、Polymer,vol33
(5),(1992) ・特開昭56−53119号公報、特開平1−2425
69号公報
【0037】マレイミド基を有する(メタ)アクリレー
トの好ましい例として、化10を示す。
【0038】
【化10】
【0039】但し、化10において、R1、R2は前記と
同様の意味を示す。又、R3は炭素数1〜6の直鎖状又
は分岐状アルキレン基を表し、R4は水素原子又はメチ
ル基を表し、nは1から6の整数を表す。
【0040】上記化10において、得られる共重合体が
架橋性に優れることから、nとしては、1〜2が好まし
く、より好ましくは1である。
【0041】R1及びR2としては、それ自身の重合性又
はエチレン性不飽和基含有単量体との共重合性に優れて
いる点で、それぞれ独立した炭素数4以下のアルキル
基、又はそれぞれが一つとなって炭素環を形成する基が
好ましい。
【0042】さらに、イミド化合物の製造が容易で、収
率に優れ、得られる共重合体が耐水性に優れたものとな
る点で、それぞれが一つとなって炭素環を形成する基が
好ましく、より好ましくは基−CH2CH2CH2−又は
基−CH2CH2CH2CH2−が好ましく、特に好ましく
は基−CH2CH2CH2CH2−である。
【0043】R3は炭素数1〜6のアルキレン基であ
り、好ましいものとしては、エチレン基及びプロピレン
基等が挙げられる。
【0044】前記のイミド(メタ)アクリレートの特に
好ましい例としては、下記化11及び化12で表される
化合物等を挙げることができる。
【0045】
【化11】
【0046】但し、化11において、R4及びR5は水素
原子又はメチル基である。nは1〜6の整数である。
【0047】
【化12】
【0048】但し、化12において、R4及びR5は水素
原子又はメチル基であり、R6及びR7は炭素数4以下の
アルキル基である。nは1〜6の整数である。
【0049】水酸系不飽和化合物としては、ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート及びヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレート、並びにヒドロキシブチルビニルエーテル等
のヒドロキシアルキルビニルエーテル等が挙げられる。
【0050】酸性系不飽和化合物としては、カルボキシ
ル基を有する不飽和化合物、スルホン基を有する不飽和
化合物及びリン酸基を有する不飽和化合物等を挙げるこ
とができる。
【0051】カルボキシル基を有する不飽和化合物とし
ては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、(メ
タ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸のマイケル付加反
応生成物である2量体以上のオリゴマー、ω−カルボキ
シポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フタ
ル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びコ
ハク酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の
カルボキシル基含有(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0052】スルホン基を有する不飽和化合物として
は、(メタ)アクリルアミドジメチルプロパンスルホン
酸及びスチレンスルホン酸等を挙げることができる。
【0053】エポキシ系不飽和化合物としては、グリシ
ジル(メタ)アクリレート及び化13で表されるシクロ
ヘキセンオキサイド基含有(メタ)アクリレート等のエ
ポキシ基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0054】
【化13】
【0055】イソシアネート系不飽和化合物としては、
(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート及び
下記化14で表されるジメチル−m−イソプロペニルベ
ンジルイソシアネート等が挙げられる。
【0056】
【化14】
【0057】酸無水物系不飽和化合物としては、無水マ
レイン酸及びイタコン酸等を挙げることができる。
【0058】マレイミド基及び水酸基を有する化合物と
しては、下記化15で表される化合物等が挙げられる。
【0059】
【化15】
【0060】但し、化15において、R1、R2は前記と
同様の意味を示す。又、R5は炭素数1〜6の直鎖状又
は分岐状アルキレン基を表す。
【0061】プレポリマーには、必要に応じて、例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリロ
ニトリル、酢酸ビニル及び(メタ)アクリレート等の単
量体を共重合させることができる。
【0062】前記(メタ)アクリレートの具体的として
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、シク
ロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂環式アルキル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート
等の置換アリール(メタ)アクリレート、2−メトキシ
エチル(メタ)アクリレート及び2−エトキシエチル
(メタ)アクリレート等のアルコキシ(メタ)アクリレ
ート、イソボロニル(メタ)アクリレート、並びにアル
コキシシリル基含有(メタ)アクリレートが挙げられ
る。
【0063】また、これら単量体以外にも、マクロモノ
マー型単量体を使用することができるもので、これによ
り親水性重合体は、グラフト共重合体又はブロック共重
合体となる。
【0064】前記マクロモノマー型単量体としては、ポ
リシロキサンを有するもの、フッ素系ポリマー鎖を有す
るもの等を挙げることができる。
【0065】この発明において、特に耐薬品性が要求さ
れる用途においては、前記脂環式アルキル(メタ)アク
リレートを使用することが好ましく、この場合の好まし
い共重合割合は、全単量体に対して0〜80質量%であ
る。
【0066】プレポリマーの製造方法としては、前記単
量体を溶液重合法、乳化重合法及び高温連続重合法等の
常法にしたがい重合して製造することができる。
【0067】なお、水による分解を受けてしまうイソシ
アネート系不飽和化合物及び酸無水物系不飽和化合物を
使用しないで製造するプレポリマーは、溶液重合法、乳
化重合法及び高温連続重合法のいずれの方法でも製造す
ることができ、イソシアネート系不飽和化合物及び酸無
水物系不飽和化合物を使用して製造するプレポリマー
は、溶液重合法及び高温連続重合法で製造することが好
ましい。
【0068】溶液重合法で合成する場合は、使用する原
料単量体を有機溶剤に溶解し、熱重合開始剤を添加し、
加熱攪拌することにより得られる。
【0069】なお、溶液重合法でラジカル重合により合
成する場合は、使用する原料単量体を有機溶剤に溶解
し、熱ラジカル重合開始剤を添加し、加熱攪拌すること
により得られ、必要に応じて、重合体の分子量を調節す
るために連鎖移動剤を使用することができる。
【0070】使用される熱重合開始剤の例としては、熱
によりラジカル種を発生する過酸化物、アゾ化合物、レ
ドックス開始剤等が挙げられる。
【0071】前記の過酸化物としては、過酸化ベンゾイ
ル、過酸化ラウロイル、クメンヒドロペルオキシド、t
−ブチルヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド等
が挙げられる。
【0072】アゾ化合物の例としては、アゾビスイソブ
チロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニト
リル等が挙げられる。
【0073】レドックス開始剤の例としては、過酸化水
素−鉄(II)塩、ペルオキソ二硫酸塩−亜硫酸水素ナト
リウム、クメンヒドロペルオキシド−鉄(II)塩等が挙
げられる。
【0074】使用される有機溶剤は、ベンゼン、トルエ
ン、酢酸エチル、メタノール、ジメチルホルムアミド等
が挙げられる。
【0075】連鎖移動剤としては、ドデシルメルカプタ
ン、キサントゲン酸ジスルフィド、ジアゾチオエーテ
ル、2−プロパノール等が挙げられる。
【0076】また、プレポリマーは、前記したように高
温連続重合により製造することもできる。
【0077】高温連続重合法によれば、低分子量で粘度
の低いプレポリマーを得ることができ、さらに当該重合
方法は、熱重合開始剤を用いる必要がないか、熱重合開
始剤を用いる場合でも、少量の使用で目的の分子量のプ
レポリマーが得られるため、共重合体は熱や光によりラ
ジカル種を発生するような不純物をほとんど含有しない
純度の高いものが得られ、特性の安定したものが得られ
るため好ましい。
【0078】高温連続重合法としては、特開昭57-5
02171号公報、同59-6207号公報、同60-2
15007号公報等に開示された公知の方法、例えば、
加圧可能な反応器を溶媒で満たし、加圧下で所定温度に
設定した後、単量体及び必要に応じて重合溶媒とからな
る単量体混合物を一定の供給速度で反応器へ供給し、単
量体混合物の供給量に見合う量の反応液を抜き出す方法
が挙げられる。
【0079】単量体混合物には、必要に応じて熱重合開
始剤を配合することもでき、反応温度は150〜350
℃が好ましい。
【0080】圧力は、反応温度と使用する単量体混合物
及び溶媒の沸点に依存するもので、反応に影響を及ぼさ
ないが、前記反応温度を維持できる圧力であればよく、
単量体混合物の滞留時間は、2〜60分であることが好
ましい。
【0081】乳化重合の方法としては、常法にしたがえ
ばよく、単量体を水性媒体中に乳化剤を使用して分散さ
せ、重合開始剤の存在下に加熱攪拌する方法、単量体を
水性媒体中に乳化剤を使用して水性乳濁液とし、これを
水性媒体中に添加しつつ、重合開始剤の存在下に加熱攪
拌する方法等が挙げられる。
【0082】乳化重合におけるプレポリマーの製造にお
いては、後記する好ましい分子量に調整するために、重
合開始剤量を多くすることや、あるいは連鎖移動剤を使
用することができ、重合開始剤としては、後記の重合で
挙げられるものが例示され、連鎖移動剤は、前記と同様
のものが挙げられる。
【0083】乳化重合において、酸性系不飽和化合物と
して水溶性が大きいものを使用した場合、重合が不安定
になったり、酸性系不飽和化合物がポリマー粒子内に取
り込まれず主に水相で重合することがあるので、使用す
る酸性系不飽和化合物としては、メタクリル酸程度の親
油性を有するものが好ましい。
【0084】乳化剤としては、例えば、ジアルキルスル
ホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム及びアルキ
ルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等の陰イ
オン性乳化剤、ならびにポリオキシエチレン高級アルコ
ールエーテル及びポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル等の非イオン性乳化剤、ポリカルボン酸系及び
ポリスルホン酸系等の陰イオン性高分子乳化剤、ポリビ
ニルアルコール等の非イオン性高分子乳化剤、並びにア
クリロイル基、アリル基及びプロペニル基等のラジカル
重合性基を有する反応性乳化剤など種々のものを使用す
ることができる。
【0085】耐水性が要求される用途においては、乳化
剤による耐水性低下を防止するために、反応性乳化剤を
使用する方法や、乳化剤を使用せず重合開始剤切片によ
り粒子を乳化させ重合を行う無乳化剤重合法が好まし
い。
【0086】かくして得られたプレポリマーに各種化合
物、例えば、各種官能基を有するマレイミド基含有プレ
ポリマーに、それぞれエポキシ系不飽和化合物、酸性系
不飽和化合物及び酸無水物、イソシアネート系不飽和化
合物、水酸系不飽和化合物など付加するにより、さらに
は基含有プレポリマーに、マレイミド基及び水酸基を有
する化合物を付加することにより親水性重合体を得るこ
とができる。
【0087】いずれの場合においても、有機溶媒中、水
媒体中又は無溶剤で、プレポリマーに各化合物を付加す
ることにより製造することができ、各付加反応の条件と
しては、各反応に応じて反応温度、反応時間及び触媒を
選択すればよい。
【0088】化合物の付加反応において、水による分解
を受けてしまうイソシアネート系不飽和化合物、および
酸無水物系不飽和化合物を使用することのない方法にお
いては、有機溶媒中、水媒体中又は無溶剤で、プレポリ
マーに各化合物を付加することにより親水性重合体を製
造することができる。
【0089】また、イソシアネート系不飽和化合物及び
酸無水物系不飽和化合物を使用する方法においては、有
機溶媒中又は無溶剤で、プレポリマーに各化合物を付加
することが好ましい。
【0090】付加反応の後に得られる反応液が、親水性
重合体の水性分散体又は溶液である場合は、そのままこ
の発明の組成物に適用することができ、付加反応の後に
得られる反応液が、親水性重合体の有機溶剤溶液である
場合は、有機溶剤を蒸留等により除去した後、親水性重
合体を水性媒体中に分散又は溶解させることにより用い
ることができる。
【0091】その際、組成物の安定性を向上させるため
に、耐水性、耐薬品性等の物性を損わない範囲内で、乳
化剤を併用することができ、その他の乳化剤としては、
前記したものと同様のものを挙げることができる。
【0092】親水性重合体におけるマレイミド基の割合
としては、0.04〜4mmol/gであることが好ま
しく、より好ましくは0.2〜3mmol/gである。
【0093】この割合が0.04mmol/gに満たな
い場合は、耐薬品性が不足したり、硬化又は架橋(以
下、単に「硬化」という。)が不十分になり硬度不足に
なってしまうことがあり、他方4mmol/gを超える
と厚膜硬化した場合、硬化膜が表面だけで進行し、密着
性が不良となってしまうことがある。
【0094】親水性重合体におけるエチレン性不飽和基
の割合は、0.1〜4mmol/gであることが好まし
く、この割合が0.1mmol/gに満たない場合は、
耐薬品性が不足したり、硬化が不十分になり硬度不足に
となってしまい、他方4mmol/gを超えると、密着
性が不良となってしまうことがある。
【0095】親水性重合体としては、その質量平均分子
量が、1,000〜500,000であるものが好まし
く、より好ましくは2,000〜100,000のもの
で、この値が1000より小さい場合は、硬化膜の強度
や耐水性、耐候性、密着性が不十分になってしまうこと
があり、他方、この値が500,000を超える場合
は、粘度が高くなりすぎ、作業性が低下し、塗工性が低
下するおそれがある。
【0096】なお、この発明において、数平均分子量と
は、溶媒としてテトラヒドロフランを使用し、ゲルパー
ミュエーションクロマトグラフィ(以下、「GPC」と
略する。)により測定した分子量をポリスチレンの分子
量を基準にして換算した値である。
【0097】親水性重合体としては、その酸価が20〜
400mgKOH/gであるものが好ましく、より好ま
しくは40〜200mgKOH/gのもので、酸価が2
0mgKOH/gに満たない場合は、分散安定性が低下
することがあり、酸価が400mgKOH/gを超える
と硬化膜の耐水性や耐アルカリ性が低下してしまうこと
がある。
【0098】共重合体を構成する単量体として、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレートやシクロヘキシル
(メタ)アクリレート及びスチレン等の疎水性の強い単
量体を使用する場合は、酸価が100〜400mgKO
H/gであるものが好ましい。
【0099】この発明において、親水性重合体は、その
酸性基の一部又は全部がアルカリ性化合物により中和さ
れ、酸性基の塩とした上で、水性媒体中に溶解又は分散
させて、水性組成物として使用することが好ましく、そ
れにより得られる水性組成物が安定性に優れるものとな
る。
【0100】酸性基の塩とする方法としては、プレポリ
マーの段階でも、親水性重合体とした後でもよいが、プ
レポリマーの段階において、後記するアンモニア又は有
機アミンを使用してそれらの塩とすることが、特に、そ
の塩がエポキシ系不飽和化合物の付加反応における付加
触媒ともなるため好ましい。
【0101】溶液重合により得られたプレポリマー、又
は有機溶剤中で不飽和化合物を付加して得られた親水性
重合体の酸性基を塩とする方法は、常法、例えば、水性
媒体中へ攪拌下にプレポリマー又は親水性重合体を添加
する方法、プレポリマー又は親水性重合体をアルカリ性
化合物により中和して酸性基の塩とした後、これを水性
媒体中へ攪拌下に添加する方法等に従えばよい。
【0102】乳化重合法により得られたプレポリマー、
又はプレポリマーの水性分散液中で不飽和化合物を付加
して得られた親水性重合体の酸性基を塩とする方法は、
重合反応又は付加反応終了後に直接アルカリ性化合物を
添加して塩とする方法等が挙げられる。
【0103】アルカリ性化合物としては、アンモニア、
有機アミン、並びに水酸化ナトリウム及び水酸化カリウ
ム等の無機塩基等を挙げることができ、中でも、乾燥時
に硬化膜中から蒸発飛散し、最終的に得られる硬化膜が
耐水性に優れるため、アンモニア又は低分子量の有機ア
ミンが好ましい。
【0104】前記の低分子量有機アミンとしては、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン及びトリブチルアミン
等のトリアルキルアミン、並びにN,N−ジメチルエタ
ノールアミン、N−メチルジエタノールアミン及びトリ
エタノールアミン等のヒドロキシアルキルアミン等が挙
げられる。
【0105】この発明においては、親水性重合体に、後
記するように、エチレン性不飽和基を2個以上有する化
合物として、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を
配合することがある。
【0106】その場合、上記アミンの中でも(メタ)ア
クリロイル基に付加することが無い3級アミンを使用す
ることが好ましく、N,N−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミド等のエチレン性不飽和基を有す
るアミンが、架橋反応時に反応し、架橋構造に取り込ま
れるため塗膜中に塩として残留しても、耐水性等の物性
を低下することがないため好ましい。
【0107】酸性基の中和割合としては、重合体中の酸
性基の10〜100%が中和されていることが好まし
く、より好ましくは30〜100%で、この割合が10
%に満たない場合は、重合体の親水性が充分でなく、水
系媒体中に溶解又は分散し難くなる場合がある。
【0108】なお、アルカリ性化合物は、上記中和に要
する量だけ添加するのが好ましく、過剰に加えた場合、
特にアルカリ性化合物としてアンモニア又はアミンを使
用した場合、得られる水系組成物に臭気が残るおそれが
ある。
【0109】<疎水性重合体>この発明の水性架橋型樹
脂組成物は、水性媒体に不溶な疎水性重合体(以下、単
に「疎水性重合体」という。)をも必須成分とするもの
であり、疎水性重合体を配合することにより、得られる
硬化膜の耐候性を向上させることができる。
【0110】この発明の組成物は水性で、疎水性重合体
も水性媒体中に分散させて使用されるものであり、水性
媒体への分散手段としては、乳化剤により分散させる、
乳化剤を使用しない無乳化剤重合により分散体を得ると
いう方法が挙げられる。
【0111】この発明において、疎水性重合体として
は、乳化重合により製造されるものが好ましく、乳化重
合によれば、重合体の粒子が水性媒体中に均一分散され
たものとして得られるうえ、極めて高分子量の重合体を
得ることができ、その分子量の効果による、強靭性及び
耐久性等の性能を期待することができる。
【0112】この発明に用いられる疎水性重合体として
は、従来から乳化重合により製造されている、(メタ)
アクリル酸エステル系重合体、酢酸ビニル系重合体、エ
チレン-酢酸ビニル共重合系重合体、スチレン-ブタジエ
ン系重合体及び塩化ビニリデン系重合体等が挙げられ
る。
【0113】これらの中でも、塗膜の透明性及び耐候性
に優れ、塗料、コーティング分野に適した(メタ)アク
リレートを主構成単量体とする(メタ)アクリル酸エス
テル系重合体が好ましい。
【0114】(メタ)アクリル酸エステル系重合体で使
用される原料単量体の(メタ)アクリレートとしては、
親水性重合体の説明の際に例示したものを同様に挙げる
ことができる。
【0115】(メタ)アクリル酸エステル系重合体を調
製する際に、必要に応じて共重合可能な単量体を使用す
ることができ、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)ア
クリル酸、マレイン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル
アミド、N-メチロールアクリルアミド、N-アルコキシ
メチルアクリルアミド等の単量体が併用される。
【0116】疎水性重合体としては、アルコキシシリル
基を有する重合体(以下、「シリル系重合体」とい
う。)が好ましく、より好ましくはアルコキシシリル基
を有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体で、シリ
ル系重合体によれば、アルコキシシリル基の加水分解縮
合により疎水性重合体同士が架橋し、得られる硬化膜が
耐候性により優れたものとなる。
【0117】アルコキシシリル基におけるアルコキシ成
分としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、ブトキシ基、ペンタノキシ基及びヘキサノキシ
基等が挙げられる。
【0118】このシリル系重合体は、アルコキシシリル
基を有するラジカル重合性単量体(以下、「シリル系単
量体」という。)と、その他ラジカル重合性単量体を使
用して製造されたものが好ましい。
【0119】シリル系単量体の具体例としては、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニ
ルトリプロポキシシラン、ビニルメチルジプロポキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリプロポキシシラ
ン及びγ−メタクリロキシプロピルメチルジプロポキシ
シラン等を挙げることができる。
【0120】シリル系単量体の共重合割合としては、全
単量体の合計量を基準にして0.5〜50質量%が好ま
しく、疎水性重合体としてシリル系重合体を配合する場
合には、得られる組成物のpHを7〜10とすること
が、組成物の安定性に優れるため好ましい。
【0121】乳化重合方法としては、先に親水性重合体
の調製の際に説明した公知の方法を適用すればよく、重
合開始剤としては、ペルオキソ二硫酸カリウム(過硫酸
カリウム)及びペルオキソ二硫酸カリウム(過硫酸アン
モニウム)等の過硫酸塩、並びに過酸化水素、ベンゾイ
ルパーオキサイド及びt-ブチルハイドロパーオキサイ
ド等の過酸化物等が挙げられる。
【0122】これらは、重亜硫酸ナトリウム及びアスコ
ルビン酸等の還元剤を併用し、レドックス系開始剤とし
て使用してもよく、アゾビスイソブチロニトリル、アゾ
ビスシアノ吉草酸及びその塩等のアゾ化合物も使用で
き、重合開始剤としては、水溶性の重合開始剤が好まし
い。
【0123】また、乳化剤や連鎖移動剤としては、前記
したものが用いられる。
【0124】乳化重合法により得られる疎水性重合体
は、微粒子として水性媒体中に分散した状態で得られ、
疎水性重合体の粒子径としては、平均粒子径で0.01
〜0.5μmものが好ましく、0.05〜0.25μm
ものがより好ましい。
【0125】平均粒子径が0.01μmに満たないもの
は、エマルションの粘度が高くなりすぎることがあり、
また、0.5μmを超える場合は、粒子の分散安定性
や、乾燥塗膜の透明性、平滑性が低下することがある。
【0126】疎水性重合体としては、その分子量が1万
〜100万の範囲にあるものが好ましく、より好ましく
はその5万〜50万の分子量を有するものである。
【0127】<エチレン性不飽和基を2個以上有する化
合物>この発明の組成物は、2個以上のエチレン性不飽
和基を有する化合物(以下、「多官能性化合物」とい
う。)をも必須成分とするもので、この多官能性化合物
は、組成物の乾燥被膜の強度、耐水性、耐薬品性を向上
させるもので、この発明にとり好ましい化合物として
は、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物
である。
【0128】2個以上の(メタ)アクリロイル基を有す
る化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート及びプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テ
トラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート及びトリプ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の低分子
量ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート又
はそのアルキレンオキシド変成体;トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
ジ又はトリ(メタ)アクリレート又はペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプ
ロパンテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリス
リトールペンタ又はヘキサ(メタ)アクリレート等のポ
リオールポリ(メタ)アクリレート又はそのアルキレン
オキサイド変成体;ならびにイソシアヌール酸アルキレ
ンオキシド変成体のジ及びトリ(メタ)アクリレート等
が挙げられる。
【0129】2個以上の(メタ)アクリロイル基を有す
る化合物としては、オリゴマーも挙げられ、ウレタン
(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレ
ート、エポキシ(メタ)アクリレート及びポリエーテル
(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0130】前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴ
マーとしては、ポリオールと有機ポリイソシアネート反
応物に対して、さらにヒドロキシル基含有(メタ)アク
リレートを反応させた反応物等が挙げられる。
【0131】ここで、ポリオールとしては、低分子量ポ
リオール、ポリエチレングリコール及びポリエステルポ
リオール等がある。
【0132】前記低分子量ポリオールとしては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサン
ジメタノール及び3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル等が挙げられる。
【0133】また、ポリエーテルポリオールとしては、
ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール
等が挙げられる。
【0134】また、ポリエステルポリオールとしては、
これら低分子量ポリオール又は/及びポリエーテルポリ
オールと、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒ
ドロフタル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸又はその無
水物等の酸成分との反応物が挙げられる。
【0135】有機ポリイソシアネートとしては、トリレ
ンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びイ
ソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
【0136】ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート
としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0137】ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴ
マーとしては、ポリエステルポリオールと(メタ)アク
リル酸との脱水縮合物が挙げられる。
【0138】前記のポリエステルポリオールとしては、
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、シクロ
ヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタン
ジオール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、1,6−ヘキサンジオール及びトリメチロール
プロパン等の低分子量ポリオール、ならびにこれらのア
ルキレンオキシド付加物等のポリオールと、アジピン
酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテ
レフタル酸等の二塩基酸又はその無水物等の酸成分とか
らの反応物等が挙げられる。
【0139】エポキシアクリレートは、エポキシ樹脂に
(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸を付加反応さ
せたもので、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキ
シ(メタ)アクリレート、フェノール又はクレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂のエポキシ(メタ)アクリレー
ト及びポリエーテルのジグリシジルエーテルの(メタ)
アクリレート等が挙げられる。
【0140】ポリエーテル(メタ)アクリレートとして
は、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
及びポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート
等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、又はそのアルキレンオキシド変成体等が挙げられ
る。
【0141】組成物を構成する、親水性重合体、疎水性
重合体及び多官能性化合物の割合としては、親水性重合
体と疎水性重合体の割合が、固形分比で1:99〜5
0:50であることが好ましく、より好ましくは5:9
5〜30:70である。
【0142】親水性重合体の割合が1未満では、組成物
の硬化性が不足するようになり、硬度及び耐ブロッキン
グ性に劣る恐れが生じ、50を越えると耐水性及び耐候
性に劣るようになるおそれがある。
【0143】多官能性化合物の割合は、親水性重合体と
疎水性重合体中の総量に対し、固形分比で99:1〜5
0:50であることが好ましく、より好ましくは98:
2〜70:30で、多官能性化合物の割合が1未満で
は、上記と同様に、組成物の硬化性が不足するようにな
り、硬度及び耐ブロッキング性に劣る恐れが生じ、50
を越えると組成物の安定性が低下するおそれがある。
【0144】この発明の組成物は水性組成物であり、水
性媒体中の固形分の割合としては30〜70質量%であ
ることが好ましく、より好ましくは固形分40〜60質
量%の水性組成物であるが、水性媒体中の固形分の割合
が30質量%に満たない場合は、乾燥し難くなったり、
塗工性が不充分となる場合があり、一方70質量%を超
えると、組成物の粘度が上昇し、作業性が低下してしま
うことがある。
【0145】<その他の成分>この発明の組成物には、
硬化膜の密着性及び柔軟性を調整する目的で、必要に応
じて、エチレン性不飽和基を1個有する化合物を配合す
ることもできる。
【0146】エチレン性不飽和基を1個有する化合物と
しては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及
び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレート;フェノキシエ
チル(メタ)アクリレート等のフェノールのアルキレン
オキシド付加物の(メタ)アクリレート、又はそのハロ
ゲン核置換体;エチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、メトキシエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート及びトリプロピレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート等のグリコールのモノ(メタ)アクリレー
ト;並びにN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラ
クタム等のN−ビニル化合物等が挙げられる。
【0147】2個以上の(メタ)アクリロイル基を有す
る化合物又は/及びエチレン性不飽和基を1個有する化
合物は、親水性重合体及び疎水性重合体を含む水性分散
液中に、攪拌下に添加することによって分散安定化され
る。
【0148】この発明において、2個以上の(メタ)ア
クリロイル基を有する化合物又は/及びエチレン性不飽
和基を1個有する化合物を使用する場合、特に液状のも
のを選択した場合において、これらの化合物は、成膜助
剤として作用する。
【0149】すなわち、活性エネルギー線の照射により
重合するまでは、低分子量化合物であって、重合体粒子
内に入り込み膨潤させて粒子間の間の融着を促進させ、
さらに、活性エネルギー線の照射により、重合体となり
被膜成分の一部を形成するため、通常の成膜助剤のよう
に残留が問題となることはないので、特に低い成膜温度
が要求される用途では有利となる。
【0150】この発明の組成物は、好ましくは活性エネ
ルギー線の照射により架橋させるもので、前記した通り
使用する親水性重合体がマレイミド基を有するため、活
性エネルギー線により容易に架橋し、さらに紫外線によ
り架橋させる場合でも、光重合開始剤を全く配合しない
か、又は少量の光重合開始剤の配合で、優れた架橋構造
を形成するものである。
【0151】光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベン
ゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及び
ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとその
アルキルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジメトキ
シ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ
−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセ
トフェノン、1−ヒドロキシアセトフェノン、1−ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−メチル−
1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリ
ノ−プロパン−1−オン等のアセトフェノン、2−メチ
ルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−タ
ーシャリーブチルアントラキノン、1−クロロアントラ
キノン及び2−アミルアントラキノン等のアントラキノ
ン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチ
ルチオキサントン、2−クロロチオキサントン及び2,
4−ジイソピルチオキサントン等のチオキサントン、ア
セトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケ
タール等のケタール、ベンゾフェノン等のベンゾフェノ
ン、ならびにキサントン等がある。
【0152】これら光重合開始剤は、単独で使用するこ
とも、安息香酸系、アミン系等の光重合開始促進剤と組
み合わせて使用することもでき、好ましい配合割合は、
組成物100質量部に対して5質量部以下で、より好ま
しくは2質量部以下である。
【0153】活性エネルギー線を照射する前には、塗装
面を加熱して、分散媒である水、及びアルカリ性化合物
として、アンモニア又は有機アミンを使用した場合は、
これらを蒸発飛散させることが好ましく、これにより、
被膜中に水分が残った場合の膜強度や透明性の低下、さ
らにアンモニア又は有機アミンが被膜に残留した場合の
臭気、及び耐候性の低下を防止することができる。
【0154】この発明の組成物には、必要に応じて、硫
酸バリウム、酸化珪素、タルク、クレー及び炭酸カルシ
ウム等の充填剤、フタロシアニン・ブルー、フタロシア
ニン・グリーン、酸化チタン及びカーボンブラック等の
着色用顔料、ブチルカルビトール、ブチルカルビトール
アセテート、2,2,4−トリメチルペンタンジオール
−1,3−モノイソブチレート(製品名:テキサノー
ル、CS−12)等の成膜助剤、密着性付与剤及びレベ
リング剤、消泡剤等の各種添加剤、ならびに、ハイドロ
キノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチ
アジンン及びN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン
アルミニウム塩等の重合禁止剤を配合することもでき
る。
【0155】これらを配合する場合の配合割合として
は、重合体100質量部に対して、100質量部以下で
あることが好ましく、重合禁止剤を配合する場合の配合
割合としては、組成物中に10wtppm〜2質量%で
あることが好ましい。
【0156】<用 途>この発明の組成物は、塗料、コ
ーティング材及び印刷インキ等の被覆材、不織布用の接
合剤、接着剤、充填剤並びにレジスト等が挙げられ、被
覆材として好ましく使用でき、より好ましくは塗料、特
にサイディング材の表面塗装(クリヤートップ)に適し
たものである。
【0157】この発明の組成物を、活性エネルギー線の
照射により架橋させる場合の活性エネルギー線として
は、紫外線、X線及び電子線等が挙げられ、安価な装置
を使用できることから、紫外線を使用することが好まし
い。
【0158】紫外線により硬化させる場合の光源として
は、様々なものを使用することができ、例えば、高圧水
銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、無電極
放電ランプ及びカーボンアーク灯等が挙げられる。
【0159】この発明の組成物は太陽光でも硬化するた
め、この組成物を屋外塗料として使用した場合は、活性
エネルギー線などを格別に照射しなくても、太陽光によ
り硬化架橋し、硬化膜物性が優れたものが得られる。
【0160】この発明の組成物を被覆材として使用する
場合(以下、「被覆材組成物」という。)は、必要に応
じて、アクリル樹脂、ケトン樹脂及び石油樹脂等の合成
樹脂、無機又は有機の体質顔料、艶消し剤、サンディン
グ助剤等の充填剤類、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、
顔料分散剤、光沢付与剤、スリップ剤、ならびにチクソ
トロピック剤等の各種添加剤を配合してもよい。
【0161】被覆材組成物が適用できる基材としては、
自然の木材及び合成木材等の木材、ポリカーボネート、
ポリメチルメタクリレート及びポリ塩化ビニル等の成形
樹脂加工品(プラスチック)、金属、ガラス、コンクリ
ート、石材並びに紙等を挙げることができるが、この発
明の水性組成物は、得られる硬化膜の耐ブロッキング
性、耐候性及び耐凍害性に優れるため、特にサイジング
材用塗料として好適に使用することができる。
【0162】被覆材組成物の使用方法としては、基材に
対して組成物を塗装し、乾燥により水分を蒸発させた
後、活性エネルギー線を照射する方法等が挙げられる。
【0163】塗装する方法としては、ロールコーター、
フローコーター、スプレー、ディッピング及び刷毛塗り
等の従来公知の方法を使用すればよく、活性エネルギー
線の照射方法も常法に従えばよい。
【0164】
【実施例】以下に実施例を示し、この発明をより具体的
に説明する。なお、以下において、%は質量%を、部は
質量部を意味する。使用した略号を以下に示す。 ・THPI−A;3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミドエ
チルアクリレート ・下記化16の化合物
【0165】
【化16】
【0166】・EA;エチルアクリレート ・BA;ブチルアクリレート ・MMA;メチルメタクリレート ・CHA;シクロヘキシルアクリレート ・CHMA;シクロヘキシルメタクリレート ・MAA;メタクリル酸 ・OTG;チオグリコール酸オクチル ・TEA;トリエチルアミン ・GMA;グリシジルメタクリレート ・M−350;トリメチロールプロパンエチレンオキサ
イド3モル変性トリアクリレート(東亞合成株式会社製
アロニックスM−350) ・M−240:トリエチレングリコールジアクリレート
(東亞合成株式会社製アロニックスM−240)
【0167】<参考例(親水性重合体の調製)> 重合体A−1、A’−2(NV約40)の調製 攪拌機、温度計及び冷却器を備えたフラスコに、イオン
交換水140部を仕込み、ウォーターバスにセットして
窒素を吹き込みながら内温を温度80℃とし、ついで重
合開始剤の過硫酸アンモニウム1部を、イオン交換水3
部に溶解させて添加した。添加5分後、下記表1に示す
組成の単量体及び連鎖移動剤からなる混合液100部
を、温度80℃で2時間かけて滴下し、滴下終了後も温
度80℃を1時間維持した。その後、t−ブチルヒドロ
ペルオキシド0.1部をイオン交換水2部で希釈して投
入し、さらにその5分後にハイドロサルファイトナトリ
ウム0.3部をイオン交換水5部に溶解して投入し、1
時間内温を温度80℃に維持した。さらにその後、イオ
ン交換水20部、TEA5部及びハイドロキノンモノメ
チルエーテル0.05部を反応液に投入して1時間攪拌
し、酸性重合体の中和を行った。なお、TEAは、この
後行われる付加反応の触媒としても作用する。反応器内
に凝集物が生成していないこと及び内温が温度80℃で
安定したことを確認した後、さらに、GMA16.5部
を投入し、内温80℃で2時間付加反応を行い、親水性
重合体(A−1又はA’−2)を固形分40%(温度1
55℃で30分加熱処理したときの不揮発性分の割合;
以下同じ)の水性液状として得た。
【0168】親水性重合体の水性液体について、ガスク
ロマトグラフィー(以下、「GC」という。)による分
析を行ったところ、未反応GMA及びGMAの水付加生
成物のピークは確認されなかった。
【0169】また、水性液体を希塩酸処理し、常法に従
い親水性重合体を単離し、単離した親水性重合体につい
1H−NMRを測定したところ、5.6及び6.2p
pmに不飽和二重結合炭素に結合したプロトンのピーク
が確認され、その積分強度は、ほぼGMA付加率100
%に相当するものであった。GC及び1H−NMRより
GMAの付加率は、ほぼ100%であることが証明され
る。親水性重合体のMw、Mnは、表1に示したとおり
であった。
【0170】
【表1】
【0171】重合体A’−1(NV約40)の調製 攪拌機、温度計及び冷却器を備えたフラスコに、イオン
交換水140部を仕込み、ウォーターバスにセットして
窒素を吹き込みながら内温を温度80℃としたのち、重
合開始剤の過硫酸アンモニウム1部を、イオン交換水3
部に溶解させて添加した。添加後5分後、上記表1に示
す組成の単量体及び連鎖移動剤からなる混合液100部
を、温度80℃で2時間かけて滴下し、滴下終了後も温
度80℃で1時間維持した。その後、t−ブチルヒドロ
ペルオキシド0.1部をイオン交換水2部で希釈して投
入し、さらにその5分後にハイドロサルファイトナトリ
ウム0.3部をイオン交換水5部に溶解して投入し、1
時間内温を温度80℃に維持した。この水性液体の固形
分は41%であり、Mw、Mnの測定結果は表1に示
す。
【0172】<参考例(疎水性重合体の調製)> 重合体B−1(NV約40)の調製 下記表2に示される各単量体を混合して、脱イオン水1
00部及び乳化剤(アクアロンHS10)1部と混合、
回転式ホモミキサーを使用して単量体エマルションを作
成した。脱イオン水52部、過硫酸アンモニウム1部、
乳化剤1部(有効成分)の入ったフラスコを窒素置換し
て温度80℃に昇温し、前記単量体エマルションを2時
間かけて滴下し、そのまま2時間熟成した後、アンモニ
ア水溶液(10%)を2部添加してpHを調整した。こ
の疎水性重合体からなる水性液体の固形分は、41%、
pHは9.2であった。
【0173】
【表2】
【0174】重合体B−2(NV約40)の調製 上記表2に示される単量体溶液に、2,2’−アゾイソ
ブチルニトリルを1部溶解し、脱イオン水100部及び
乳化剤(アクアロンHS10)1部(有効成分)と混
合、回転式ホモミキサーを使用して、さらにホモジナイ
ザー(ゴーリン社製)で乳化分散させて、平均粒子径約
0.2μmの水性乳化分散体を調製した単量体エマルシ
ョンを作成した。脱イオン水55部、炭酸ナトリウム
0.5部、乳化剤1部(アクアロンHS10)の入った
フラスコを窒素置換して温度80℃に昇温し、前記単量
体エマルションを2時間かけて滴下し、そのまま2時間
熟成した。この疎水性重合体からなる水性液体の固形分
は40%、pHは8.4であった。
【0175】<実施例1〜3、比較例1〜5>攪拌しな
がら表3の配合表のごとく、混合して水性架橋型樹脂組
成物を得た。なお、表中、DPNBは、成膜助剤として
の(プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、RM
−8Wは、増粘剤としての日本アクリル(株)製のプラ
イマルRM−8Wを示す。
【0176】
【表3】
【0177】<評価用塗膜の作成> ・評価項目(1)用 上記組成物を160μmバーコーターでアルミ板に塗装
した後、温度80℃で3分乾燥後、水銀ランプを使用し
て紫外線を照射し評価用硬化塗膜を得た。 ・評価項目(2)〜(5)用 溶剤系のアクリルウレタン白塗料をスレート板に100
g/m2塗装、乾燥後、上記組成物をハケで60g/m2
塗装した後、温度80℃で3分乾燥後、水銀ランプを使
用して紫外線を照射し評価用硬化塗膜を得た。得られ
た、硬化膜について、下記(1)〜(5)の評価試験を行
い、その結果を表4に示す。
【0178】<評価項目> (1)硬度(鉛筆硬度) 得られた硬化膜について、JISの「手かき法K540
0」に従い評価した。 (2)耐ブロッキング性 2枚の試験片の塗装面を合わせて、10kgの荷重をか
けて温度30℃で24時間保持した後、2枚の試験片を
剥がす。 ○;問題なく剥がれる △;付着痕跡が残る状態 ×;塗膜もしくは基材が破壊 (3)凍結融解試験 凍結(温度−20℃×2時間)/融解(温度20℃で水
に浸漬×1時間)のサイクルを10回実施した後の塗膜
の状態を観察。 ○;問題なし △;僅かにクラック発生 ×;全体にクラック発生 (4)耐水白化性 温度30℃の水に3日間浸漬した直後の塗膜の白化レベ
ルを、目視により観察し、以下の3段階で評価した。 ○;白化せず △;わずかに白化 ×;白化した (5)耐候性 SUV480時間後の光沢(60°)保持率を評価 ○;90%以上 △;90〜60% ×;60%以下
【0179】
【表4】
【0180】
【発明の効果】この発明の組成物は、活性エネルギー線
の照射による架橋性、特に紫外線による硬化性に優れ、
その硬化膜が着色や臭気がない上、硬度、耐水性、耐ア
ルカリ性及び耐溶剤性等の耐薬品性、平滑性及び密着性
に優れるうえ、塗膜表面の耐ブロッキング性、耐候性及
び耐凍害性に優れるものであり、塗料として、特にサイ
ディング材の表面塗装(クリヤートップ)に有用なもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 157/12 C09D 157/12 201/00 201/00 201/10 201/10 (72)発明者 松崎 英男 名古屋市港区船見町1番地の1 東亞合成 株式会社名古屋総合研究所内 (72)発明者 岡崎 栄一 名古屋市港区船見町1番地の1 東亞合成 株式会社名古屋総合研究所内 Fターム(参考) 4J011 PA64 PA65 PA68 PA69 PB40 PC02 QA12 QA13 QA17 QB14 QB15 QB16 QB19 QB20 QB22 QB24 SA01 SA02 SA07 SA32 SA34 SA51 SA63 SA64 SA78 UA01 WA01 WA02 WA06 4J027 AA02 BA19 BA20 BA24 CC03 CD07 4J038 CK021 DL022 DL032 FA041 FA121 FA131 FA141 FA151 FA211 FA231 FA241 GA02 GA03 GA06 GA07 GA08 GA12 GA13 GA15 JA33 JA66 JB16 KA03 MA08 MA10 NA01 NA03 NA04 NA11 NA12 NA14 NA27 PA17 PB05 PB07 PC02 PC08 4J100 AJ01Q AJ02Q AL74Q AM21Q AM54P BA02P BA03Q BA08P BA16Q BA56Q CA04 CA31 HA62 HC39 JA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マレイミド基、エチレン性不飽和基及び
    酸性基又はその塩を有する親水性重合体、 水性媒体に不溶な疎水性重合体及びエチレン性不飽和基
    を2個以上有する化合物を必須成分とすることを特徴と
    する水性架橋型樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記マレイミド基が、 下記化1で表される環状イミド基であることを特徴とす
    る請求項1に記載の水性架橋型樹脂組成物。 【化1】 但し、化1において、R1及びR2は、それぞれ独立して
    水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、
    もしくはアリール基を表わすか、又はそれぞれが一つと
    なって炭素環を形成する基を表す。
  3. 【請求項3】 前記疎水性重合体が、 アルコキシリル基を有する重合体であることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の水性架橋型樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記水性架橋型樹脂組成物は、 活性エネルギー線による架橋が可能であることを特徴と
    する請求項1乃至3に記載の水性架橋型樹脂組成物。
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