JP3714398B2 - 活性エネルギー線架橋型水性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子線又は紫外線等の活性エネルギー線の照射により架橋可能な水性組成物に関するものであり、本発明の組成物は、塗料、コーティング材及び印刷インキ等の被覆材、不織布用の接合剤、接着剤、並びに成形材料等の用途に有用であり、さらにこれらの中でも被覆材として有用で、特にオーバープリントワニス(以下OPVという)及び木材用塗料として有用であり、これら技術分野において賞用され得るものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種産業等で使用する有機系の溶剤及び洗浄剤等が、大気中に放出されることにより地球規模での大気汚染が進み、生物へ影響することが懸念されている。
このため、塗料、インキ及び接着剤等の用途で使用する組成物を、従来使用されている溶剤型のものから、水性型のものへとする試みや、活性エネルギー線により硬化する無溶剤型のものへとする試みがなされている。
【0003】
水性型組成物としては、乳化重合法により製造される水性媒体に不溶な重合体のエマルション(以下単にエマルションと略す)が多用されている。
乳化重合法では、その動力学的特徴により、高分子量のポリマーが得られるため、その塗膜が強靭性に優れたものとなる。しかしながら、当該エマルションは、重合体粒子の融合が不完全となることが多く、そのため塗膜の均一性及び緻密性が不十分となり、平滑性、密着性及び硬度等の性能に劣る場合がある。
【0004】
この問題を解決するために、水溶性重合体や自己分散性のコロイダルディスパージョン等の水性重合体をエマルションに配合することが行われており、これら水性重合体の添加により、塗膜の緻密性が改善され、塗膜の前記性能を向上させることができる。
しかしながら、水性重合体は多数の親水性基を有するため、高分子量の水性重合体を使用する場合、配合時に重合体が凝集してしまったり、得られる組成物が高粘度になってしまう等の問題があり、比較的低分子のものが使用されることが多い。ところが、低分子量の水性重合体を使用すると、塗膜の耐水性、耐溶剤性及び機械的物性等の性能が不十分となる問題が発生することがある。
【0005】
塗膜に、耐水性、耐溶剤性及び機械的物性等の性能が要求される場合には、水性重合体を、架橋させる方法が行われている。この場合、多くは、メラミン及びブロック化イソシアネート等の架橋剤が使用されるが、架橋を熱架橋で行う場合、基材が高温で加熱されることができない場合には使用できず、又常温架橋で行う場合、組成物の経時安定性が低下したり、又は目的とする架橋性能を得るためには、架橋に長時間を要する等の問題ある。
これらの問題を解決する手段として、水性重合体として、活性エネルギー線架橋型水性重合体を使用する方法が提案されている。
【0006】
一方、OPVの用途においても、エマルションにカルボキシル基を有する水性重合体を配合した組成物が多用されている。ところが、当該組成物は、平滑性、硬度及び密着性等の性能には優れているものの、前記と同様の理由で、耐水性及び耐薬品性が不十分となり、これらの性能が要求される用途には使用できない。そこで耐水性、耐薬品性が要求される用途には無溶剤型の紫外線硬化型組成物を使用する方法が検討されている。このような、紫外線硬化型OPV組成物としては、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート及びウレタンアクリレート等のオリゴエステル(メタ)アクリレートと反応性希釈剤とからなるもの等が知られている。例えば、特開平3−292371号公報には、特定構造のアクリレートと特定軟化点の熱可塑性重合体とからなる組成物が開示されている。
【0007】
又、塗料の用途においても、エマルションが多用され、平滑性、硬度を調整するために水性重合体が配合されることも多い。しかしながら、高温での熱処理を嫌い、かつ十分な塗膜強度が要求される木材用塗料等の用途では、無溶剤型の紫外線硬化型組成物を使用する方法が選択されている。紫外線硬化型塗料組成物としては、前記と同様のオリゴエステル(メタ)アクリレートと反応性希釈剤とからなるもの等が知られている。例えば、特開平5−9247号公報には、特定構造のウレタンアクリレート及び不飽和ポリエステルとを含有する紫外線硬化型組成物が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記活性エネルギー線架橋型水性重合体を含む組成物を各種用途で使用する場合は、紫外線照射により当該重合体を架橋させるために、ラジカル発生源としての光重合開始剤を配合する必要がある。
しかしながら、光重合開始剤を含む活性エネルギー線架橋型水性組成物は、その硬化膜に光重合開始剤の分解物が残存してしまうため、硬化膜に臭気や着色という問題が発生することがあった。
さらに、得られる硬化膜の耐水性及び耐薬品性が、不充分なものであった。
【0009】
一方、OPVの用途において、紫外線硬化型OPV組成物は、基材である紙や印刷インキ等に対する硬化膜の密着性が不十分なものであった。このように密着性が低い原因は、熱乾燥や熱硬化により徐々にひずみを緩和しながら硬化して行く溶剤乾燥型の重合体を含む組成物や熱硬化型重合体を含む組成物と比較して、紫外線硬化型組成物では硬化時間が短いため、硬化時の体積収縮により生じる応力ひずみを硬化膜中に蓄積し易いことにある。紫外線硬化型組成物の密着力を改善するために、アクリルポリマー、ポリエステル及び石油樹脂等の非反応性樹脂を組成物中に混合溶解させ、硬化時の体積収縮率を低下させる方法も試みられているが、組成物の硬化性や硬化物の耐溶剤性等が低下してしまう問題を有するものであった。更に、このような無溶媒型の組成物は一般に粘度が高いため、組成物の製造時及びこの組成物の塗工時等における作業性が悪いものが多かった。さらに、当該組成物は光重合開始剤を含むため、前記と同様の理由で、着色や臭気の問題が発生することがあった。
【0010】
又、従来の無溶媒の紫外線硬化型塗料組成物においても、OPV組成物の場合と同様の理由で、その硬化膜が基材との密着性に不十分であるという問題を有するものであった。又、前記と同様に、このような無溶媒型の組成物は一般に粘度が高いため、組成物の製造時及びこの組成物の塗工時等における作業性が悪いものであった。さらに、当該組成物は光重合開始剤を含むため、前記と同様の理由で、着色や臭気の問題が発生することがあった。
又、従来の水性塗料組成物の場合は、特に高温での熱処理ができない用途では、その乾燥塗膜が、硬度、耐溶剤性及び耐水性の点で不十分で、且つ表面光沢や基材への密着性も不十分であり、特に耐水性が不足し易いものであった。
【00011】
本発明者らは、活性エネルギー線による架橋性、特に紫外線による架橋性に優れ、硬化膜に着色や臭気の問題がなく、硬度及び密着性に優れるうえ、耐水性及び耐薬品性にも優れる水性組成物、特にOPV及び塗料の用途に適する水性組成物を見出すために鋭意検討を行ったのである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため種々の検討を行った結果、マレイミド基及び酸性基を含有する特定酸価の重合体又はその塩及び水性媒体に不溶な重合体が水性媒体中に溶解又は分散してなる活性エネルギー線架橋型水性組成物が有効であり、特にOPV及び塗料の用途において有効であることを見い出し、本発明を完成した。
以下、本発明を詳細に説明する。
尚、本明細書においては、アクリレート及び/又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と表す。又、酸価の単位はmgKOH/gであり、以下その記載を省略する。
【0013】
○(A)成分
本発明の組成物で使用する(A)成分は、マレイミド基及び酸性基を含有する酸価が20〜400mgKOH/gの付加系重合体又はその塩である。(A)成分は、酸性基又はその塩の親水性により、水性媒体中に溶解するか、又は会合状態をとって自己分散するものである。
【0014】
本発明の組成物においては、水性重合体である(A)成分を配合することにより、従来の(B)成分のエマルションの欠点であった緻密さが向上し、平滑性、密着性及び硬度等の性能に優れたものとなる。
さらに、(A)成分は、マレイミド基を有するため、活性エネルギー線により容易に架橋し、さらに紫外線により架橋させる場合でも、光重合開始剤を全く配合しないか又は少量の光重合開始剤の配合で、優れた架橋性を有し、塗膜に耐水性及び耐薬品性の性能も向上させることができるうえ、着色や臭気の問題もない。
【0015】
(A)成分の酸価は、20〜400mgKOH/gである必要があり、好ましくは20〜150mgKOH/gである。酸価が20mgKOH/gに満たない場合は、凝集したり、沈殿してしまうなど、組成物の保存安定性が低下してしまい、他方酸価が400mgKOH/gを超えると塗膜の耐水性、耐アルカリ性が低下してしまう。(A)成分を構成する単量体として、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びスチレン等の親油性単量体を使用する場合は、100〜400mgKOH/gが好ましい。
【0016】
(A)成分におけるマレイミド基としては、下記一般式(1)で表される官能基が好ましい。
【0017】
【化2】
【0018】
〔但し、式(1)において、R1及びR2は、それぞれ独立した水素原子若しくは炭素数4以下のアルキル基、どちらか一方が水素原子で他方が炭素数4以下のアルキル基、又はそれぞれが一つとなって炭素環を形成する基である。〕
【0019】
R1及びR2としては、それぞれ独立した炭素数4以下のアルキル基、又はそれぞれが一つとなって炭素環を形成する基が好ましい。さらに、それぞれが一つとなって炭素環を形成する基が好ましく、より好ましくは基−CH2CH2CH2−又は基−CH2CH2CH2CH2−が好ましく、特に好ましくは基−CH2CH2CH2CH2−である。
【0020】
(A)成分の付加系重合体としては、種々の重合体が使用可能であり、[1]エチレン性不飽和基及びマレイミド基を有する化合物とエチレン性不飽和基及び酸性基を有する単量体を重合して得られる重合体、[2]カルボキシル基を有する重合体とマレイミド基及び水酸基を有する化合物(以下イミドアルコールという)のエステル化物、[3]カルボキシル基を有する重合体とマレイミド基及びアミノ基を有する化合物(以下イミドアミドという)のアミド化物、[4]カルボキシル基を有する重合体とマレイミド基及びエポキシ基を有する化合物の付加物及び [5]マレイミド基及び水酸基を有する重合体と酸無水物とのエステル化物等が挙げられる。
これらの中でも、製造が容易である点で、[1]の重合体、即ちエチレン性不飽和基及びマレイミド基を有する化合物(以下単にイミド化合物という)とエチレン性不飽和基及び酸性基を有する単量体(以下酸性不飽和単量体という)を構成単量体単位とする共重合体(以下共重合体[1]という)が、1段階で製造することができるため好ましい。
【0021】
イミド化合物における、エチレン性不飽和基としては、ビニル基及び(メタ)アクリロイル基等が挙げられ、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
【0022】
イミド化合物としては、下記一般式(2)で表されるイミド(メタ)アクリレートが好ましい。
【0023】
【化3】
【0024】
但し、式(2)において、R1及びR2は、前記と同様の基であり、R3は炭素数1〜6のアルキレン基で、R4は水素原子又はメチル基であり、nは1〜6の整数である。
【0025】
上記式(2)において、得られる共重合体が架橋性に優れることから、nとしては、1〜2が好ましく、より好ましくは1である。
R1及びR2としては、それ自身の重合性又はエチレン性不飽和基含有単量体との共重合性に優れている点で、それぞれ独立した炭素数4以下のアルキル基、又はそれぞれが一つとなって炭素環を形成する基が好ましい。さらにイミド化合物の製造が容易で、収率に優れ、又得られる共重合体が耐水性に優れたものとなる点で、それぞれが一つとなって炭素環を形成する基が好ましく、より好ましくは基−CH2CH2CH2−又は基−CH2CH2CH2CH2−が好ましく、特に好ましくは基−CH2CH2CH2CH2−である。
R3は炭素数1〜6のアルキレン基であり、好ましいものとしては、エチレン基及びプロピレン基等が挙げられる。
【0026】
イミド(メタ)アクリレートの好ましい例としては、下記式(3)及び式(4)で表される化合物等を挙げることができる。
【0027】
【化4】
【0028】
但し、式(3)において、R4及びR5は水素原子又はメチル基である。nは1〜6の整数である。
【0029】
【化5】
【0030】
但し、式(4)において、R4及びR5は水素原子又はメチル基であり、R6及びR7は炭素数4以下のアルキル基である。nは1〜6の整数である。
【0031】
イミド(メタ)アクリレートは、以下の文献及び特許に記載のある方法により、酸無水物、アミノアルコール及び(メタ)アクリル酸より製造することができる。
・加藤清ら、有機合成化学協会誌30(10),897,(1972)
・Javier de Abajo ら、Polymer,vol33(5),(1992)
・特開昭56−53119号公報、特開平1−242569号公報
製造原料として使用される酸無水物としては、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物及びその誘導体、ジアルキルマレイン酸無水物及びその誘導体が挙げられる。収率に優れる点から、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物及びその誘導体が好ましい。
製造原料として使用されるアミノアルコールとしては、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン等のアルカノールアミン類及び2,2’−アミノエトキシエタノール等が挙げられる。
【0032】
本発明における共重合体▲1▼は、上記イミド化合物に加え、酸性不飽和単量体を共重合させたものである。
酸性不飽和単量体において、酸性基としては、カルボキシル基、スルホニル基及びリン酸基等が挙げられる。エチレン性不飽和基としては、ビニル基及び(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。
これらの中でも、得られる組成物の安定性に優れ、塗膜が耐水性に優れる点で、カルボキシル基を有する不飽和単量体が好ましい。当該単量体の例としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、桂皮酸、(メタ)アクリル酸の2量体以上のオリゴマー、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びコハク酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0033】
酸性不飽和単量体の共重合割合としては、得られる共重合体の酸価が、後記する好ましい酸価を満たす値となる割合が好ましい。
【0034】
共重合体▲1▼において、イミド化合物と酸性不飽和単量体に加え、必要に応じてこれら単量体と共重合可能なエチレン性不飽和基含有単量体(以下その他単量体という)とを共重合したものであっても良い。
【0035】
その他単量体としては、イミド化合物及び酸性不飽和単量体以外のものであれば種々のものが使用でき、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-アルコキシメチルアクリルアミド、酢酸ビニル及び(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリレートの具体的としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びイソボロニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等のアリール(メタ)アクリレート;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート及び2−エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;並びにヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他単量体の共重合割合としては、0〜90重量%が好ましい。
【0036】
共重合体▲1▼は、上記単量体を常法に従い重合したものであれば良く、溶液重合、乳化重合及び懸濁重合等が挙げられる。これらの重合方法は、目的に応じて採用すれば良く、経済性が要求される場合は、乳化重合方法が好ましく、酸性不飽和単量体の水溶性が高い場合は、溶液重合法が好ましい。
【0037】
溶液重合法を採用する場合、常法に従えば良いが、組成分布を狭くするために原料単量体を逐次反応器に仕込む半回分法が好ましい。溶剤としては公知のものが使用することができるが、生成する共重合体を溶解するものが好ましい。重合開始剤としては熱によりラジカル種を発生する過酸化物、アゾ化合物、及びレドックス重合開始剤等が挙げられる。
過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド及びジクミルペルオキシド等が挙げられる。アゾ化合物の例としては、アゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等が挙げられる。レドックス開始剤の例としては、過酸化水素−鉄(II)塩、ペルオキソ二硫酸塩−亜硫酸水素ナトリウム及びクメンヒドロペルオキシド−鉄(II)塩等が挙げられる。
又必要に応じて、重合体の分子量を調整するために連鎖移動剤を使用することもができる。連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタン、チオグリコール酸アルキル、メルカプトプロピオン酸、メルカプトエタノール、キサントゲン酸ジスルフィド、ジアゾチオエーテル及び2−プロパノール等が挙げられる。
【0038】
溶液重合により得られた共重合体の水溶化、又は水分散化についても常法に従えば良い。例えば、水性媒体中へ攪拌下に共重合体を添加する方法、共重合体をアルカリ性化合物により中和して共重合体の塩とした後、これを水性媒体中へ攪拌下に添加する方法等が挙げられる。
共重合体としては、共重合後の有機溶剤溶液をそのまま用いても良いし、又は共重合体の有機溶剤溶液を、あらかじめ蒸留又は再沈殿法等により有機溶剤を除いた固体又は液体状の共重合体を用いても良い。共重合体の有機溶剤溶液を使用する場合は、これを水性媒体中に分散させた後、減圧下で有機溶剤を留去することが好ましい。
本発明では、有機溶剤を除いた共重合体を使用することが、本発明で最終的に得られる水性組成物の臭気や着色等の問題がほとんどないため好ましい。
【0039】
共重合体▲1▼は、乳化重合法により製造することもできる。但し、乳化重合においては、酸性不飽和単量体として水溶性が大きいものを使用した場合、重合が不安定になったり、酸性不飽和単量体がポリマー粒子内に取り込まれず主に水相で重合することがある。従って、乳化重合法を採用する場合は、使用する酸性不飽和単量体としては、メタアクリル酸程度以上の親油性を有するものが好ましい。
【0040】
乳化重合の具体的な方法としては、後記する(B)成分の説明で詳述する方法に従えば良い。但し、乳化重合では、極めて高分子量の重合体が生成する場合が多いため、(A)成分の製造においては、後記する好ましい分子量に調整するために、重合開始剤量を多くしたり、連鎖移動剤を使用することが好ましい。又、耐水性が要求される用途においては、乳化剤による耐水性低下を防止するために、反応性乳化剤を使用する方法や、乳化剤を使用せず重合開始剤切片により粒子を乳化させ重合を行う無乳化剤重合法が好ましい。
乳化重合法では、重合終了後に直接アルカリ性化合物を添加して、共重合体の塩として、水溶化又は水分散化させることができる。
【0041】
(A)成分の重量平均分子量は、1,000〜500,000が好ましく、より好ましくは2,000〜100,000である。この値が1000より小さい場合は、塗膜の強度や耐水性が不十分になってしまうことがあり、他方、この値が500,000を超える場合は、得られた水性組成物の粘度が高く取扱が困難となる場合がある。
尚、本発明において、重量平均分子量(以下Mwと略す)とは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(以下GPCと略す)により測定される、標準ポリスチレンの分子量を基準にして換算された値である。
【0042】
(A)成分の酸性基がカルボキシル基である場合、アルカリ性化合物により共重合体中のカルボキシル基の一部又は全部を中和して、共重合体の塩とすることが好ましい。これにより得られる水性組成物が安定性に優れるものとなる。
アルカリ性化合物としては、アンモニア、有機アミン、並びに水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等の無機塩基等を挙げることができる。これらの中でも、乾燥時に塗膜中から蒸発飛散し、最終的に得られる塗膜が耐水性に優れるため、アンモニア又は低分子量の有機アミンが好ましい。
低分子量有機アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びトリブチルアミン等のトリアルキルアミン、並びにN,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン及びトリエタノールアミン等のヒドロキシアルキルアミン等が挙げられる。
【0043】
組成物に、後記する(メタ)アクリロイル基を有する化合物を配合する場合は、上記アミンの中でも(メタ)アクリロイル基に付加することが無い3級アミンを使用することが好ましい。さらに、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のエチレン性不飽和基を有するアミンが、架橋反応時に反応し、架橋構造に取り込まれるため塗膜中に塩として残留しても耐水性等の物性を低下することがないため好ましい。
【0044】
(A)成分の中和割合としては、重合体中のカルボキシル基の全量に対して、10〜100モル%が中和されていることが好ましく、より好ましくは30〜100モル%である。この割合が10モル%に満たない場合は、共重合体が水性媒体中に溶解又は分散し難くなる場合がある。アルカリ性化合物の添加割合としては、同様に重合体中のカルボキシル基の全量に対して、10〜100モル%が好ましく、より好ましくは30〜100モル%である。この割合が10モル%に満たない場合は、前記と同様に、重合体が水性媒体中に溶解又は分散し難くなる場合があり、他方100モル%を越える場合は、特にアルカリ性化合物としてアンモニア又はアミンを使用した場合、得られる水性組成物に臭気が残る場合がある。
【0045】
○(B)成分
本発明で使用する(B)成分は、前記(A)成分以外の水性媒体に不溶な重合体であり、種々のものが使用可能である。
本発明の組成物中では、(B)成分は水性分散体中に分散しているものであるが、乳化剤により分散したものであっても、乳化剤を使用せず、前記した様な無乳化重合により得られるものであっても良い。
本発明の(B)成分としては、乳化重合により製造されるものが好ましい。乳化重合によれば、重合体の粒子が水性媒体中に均一分散されたものとして得られ、極めて高分子量の重合体を得ることができ、その分子量の効果による、強靭性及び耐久性等の性能を期待することができ。
本発明における(B)成分としては、従来より乳化重合により製造されている、(メタ)アクリル酸エステル系重合体、酢酸ビニル系重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合系重合体、スチレン-ブタジエン系重合体及び塩化ビニリデン系重合体等が挙げられる。
これらの中でも、塗膜の透明性及び耐候性に優れ、塗料、コーティング分野に適した(メタ)アクリレートを主構成単量体とする(メタ)アクリル酸エステル系重合体が好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体で使用される原料単量体の(メタ)アクリレートとしては、前記(A)成分の単量体で挙げたものと同様のものを挙げることができる。
【0046】
又、単量体成分としてイミド化合物、より好ましくはイミド(メタ)アクリレートを使用することができる。イミド(メタ)アクリレートを使用することにより、(B)成分も活性エネルギー線により架橋することが可能となる。特に活性エネルギー線により(A)成分と(B)成分が架橋することになり、塗膜の強度、耐水性、耐薬品性等の諸物性が向上する。
その他必要に応じて共重合可能な単量体を使用することができる。例えばスチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、(メタ)アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-アルコキシメチルアクリルアミド等の単量体が挙げられる。
【0047】
乳化重合の具体的な方法としては、使用する原料単量体を水性媒体中に乳化剤を使用して分散させ、重合開始剤の存在下に加熱攪拌する方法、及び使用する原料単量体をそのまま、又は水性媒体中に乳化剤を使用して分散した水性乳濁液とし、水性媒体中に逐次添加しつつ、重合開始剤の存在下に加熱攪拌する方法が挙げられる。乳化重合で使用される乳化剤及び重合開始剤の種類及び割合、並びに適用される重合温度及び単量体の供給方法は、使用する単量体及び目的に応じて適宜選択すれば良い。重合温度としては、通常使用する重合開始剤に適した重合温度を採用する。
【0048】
重合開始剤としては、ペルオキソ二硫酸カリウム(過硫酸カリウム)及びペルオキソ二硫酸カリウム(過硫酸アンモニウム)等の過硫酸塩、並びに過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド及びt-ブチルハイドロパーオキサイド等の過酸化物等が挙げられる。これらは、重亜硫酸ナトリウム及びアスコルビン酸等の還元剤を併用し、レドックス系開始剤として使用しても良い。又アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩等のアゾ化合物も使用できる。重合開始剤としては、水溶性の重合開始剤が好ましい。
【0049】
乳化剤としては、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム及びアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等の陰イオン性乳化剤、並びにポリオキシエチレン高級アルコールエーテル及びポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン性乳化剤等が挙げられる。又、エマルジョンの安定性や、硬化塗膜の耐水性を向上させるために、ポリカルボン酸系及びポリスルホン酸系等の陰イオン性高分子乳化剤、ポリビニルアルコール等の非イオン性高分子乳化剤、並びにアクリロイル基、アリル基及びプロペニル基等のラジカル重合性基を有する反応性乳化剤を使用することもできる。乳化剤は、2種以上を併用することもできる。多量の乳化剤は耐水性の低下を招くことがあるため、その使用量は必要最小限に留めることが望ましい。
【0050】
さらに分子量を調整するために連鎖移動剤を使用することもできる。連鎖移動剤としてはアルキルメルカプタン、チオグリコール酸アルキル、メルカプトプロピオン酸及びメルカプトエタノール等が好ましい。
上記乳化重合法により(B)成分の重合体は微粒子として水性媒体中に分散した状態で得られる。エマルション中の(B)成分の粒子径としては、平均粒子径で0.01〜0.5μmが好ましく、0.05〜0.25μmがより好ましい。0.01μmに満たないものは、エマルションの粘度が高くなりすぎることがあり、又0.5μmを超える場合は、粒子の分散安定性や、乾燥塗膜の透明性、平滑性が低下することがある。
【0051】
(A)成分の割合としては、(B)成分の重量を基準として、1〜200重量%が好ましいく、より好ましくは10〜100重量%である。この割合が1重量%に満たない場合、組成物の乾燥塗膜の平滑性、密着性及び硬度等の性能が不十分となり、この割合が200重量%以上を超えると、塗膜の強靭性及び耐久性が不足したり、組成物の経時安定性が低下することがある。
組成物中の(A)成分及び(B)成分の割合としては、それらの合計量が10〜70重量%であることが好ましく、より好ましくは20〜60重量%である。この割合が10重量%に満たないと、基材へ塗布した後の乾燥工程において、乾燥のためのエネルギーや時間を要する場合があり、他方70重量%を超えると、組成物が製造し難くなったり、組成物が高粘度となってしまい、塗工し難くなる場合がある。
【0052】
本発明の組成物は、(A)成分の水溶液又は水性分散液と(B)成分のエマルションとを攪拌混合して製造する方法が、簡便であり好ましい。
(A)成分の配合方法としては、種々の方法が採用され、例えば(A)成分の水溶液又は水性分散液を(B)成分に攪拌下に添加する方法、及び(A)成分の共重合体の未中和物を(B)成分に配合後、攪拌下中和する方法等が挙げられる。
【0053】
○その他の成分
本発明の組成物には、その乾燥塗膜の硬度、耐水性、耐薬品性を改善する目的で、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を配合することが好ましい。2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の例としては、モノマー及びオリゴマーが挙げられる。
【0054】
モノマーの例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート及びトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の低分子量ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート又はそのアルキレンオキシド変成体;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ又はトリ(メタ)アクリレート又はペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールペンタ又はヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオールポリ(メタ)アクリレート又はそのアルキレンオキサイド変成体;並びにイソシアヌール酸アルキレンオキシド変成体のジ及びトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0055】
オリゴマーの例としては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート及びポリエーテル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0056】
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリオールと有機ポリイソシアネート反応物に対して、さらにヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させた反応物等が挙げられる。ここで、ポリオールとしては、低分子量ポリオール、ポリエチレングリコール及びポリエステルポリオール等があり、低分子量ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール及び3−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられ、ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等が挙げられ、ポリエステルポリオールとしては、これら低分子量ポリオール又は/及びポリエーテルポリオールと、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸又はその無水物等の酸成分との反応物が挙げられる。有機ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネート等が挙げられる。ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0057】
ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸との脱水縮合物が挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール及びトリメチロールプロパン等の低分子量ポリオール、並びにこれらのアルキレンオキシド付加物等のポリオールと、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸又はその無水物等の酸成分とからの反応物等が挙げられる。
【0058】
エポキシアクリレートは、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸を付加反応させたもので、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ(メタ)アクリレート、フェノール又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ(メタ)アクリレート及びポリエーテルのジグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0059】
ポリエーテル(メタ)アクリレートとしては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート又はそのアルキレンオキシド変成体等が挙げられる。
【0060】
2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の配合割合は、組成物中の(A)成分と(B)成分の合計量に対して、0〜100重量%が好ましい。100重量%以上では組成物の安定性が低下することがある。
【0061】
又本発明の組成物には、塗膜の密着性及び硬度、柔軟性を調整する目的で、必要に応じて、エチレン性不飽和基を1個有する化合物を配合することもできる。エチレン性不飽和基を1個有する化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のフェノールのアルキレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、又はそのハロゲン核置換体;エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びトリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のグリコールのモノ(メタ)アクリレート;並びにN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のN−ビニル化合物等が挙げられる。
【0062】
2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物又は/及びエチレン性不飽和基を1個有する化合物の配合方法としては、組成物に攪拌下に添加して分散させる方法、(A)成分を使用して水性媒体に分散した後、これを組成物に添加する方法等がある。
【0063】
本発明の組成物は、活性エネルギー線の照射により架橋させるものであり、前記した通り使用する共重合体がマレイミド基を有するため、活性エネルギー線により容易に架橋し、さらに紫外線により架橋させる場合でも、光重合開始剤を全く配合しないか又は少量の光重合開始剤の配合で、優れた架橋を有するものである。
【0064】
光重合開始剤を配合する場合の種類としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン等のアセトフェノン;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリ−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン及び2−アミルアントラキノン等のアントラキノン;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン及び2,4−ジイソピルチオキサントン等のチオキサントン;アセトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケタール等のケタール;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;並びにキサントン類等が挙げられる。これらの中でも、チオキサントン系のものが架橋性を向上させる効果が強くより好ましい。
これら光重合開始剤は単独で使用することも、安息香酸系及びアミン系等の光重合開始促進剤と組み合わせて使用することもできる。
光重合開始剤の割合としては、組成物中に0〜10重量%が好ましい。
【0065】
活性エネルギー線を照射する前には、塗装面を加熱して、分散媒である水、及びアルカリ性化合物としてアンモニア又は有機アミンを使用した場合はこれらを、蒸発飛散させることが好ましい。これにより、硬化膜中に水分が残った場合の膜強度や透明性が低下や、又アンモニア又は有機アミンが硬化膜に残留した場合の臭気及び耐候性の低下を防止することができる。
【0066】
又、本発明の組成物には、必要に応じて硫酸バリウム、酸化珪素、タルク、クレー及び炭酸カルシウム等の充填剤、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、酸化チタン及びカーボンブラック等の着色用顔料、密着性付与剤及びレベリング剤、消泡剤等の各種添加剤、並びにハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジンン及びN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等の重合禁止剤を配合することもできる。これらを配合する場合の配合割合としては、共重合体100重量部に対して、100重量部以下であることが好ましい。重合禁止剤を配合する場合の配合割合としては、組成物中に10wtppm〜2重量%であることが好ましい。
【0067】
○用途
本発明の組成物は、電子線又は紫外線等の活性エネルギー線の照射により架橋可能なものであり、そのままで使用することも、種々の成分を配合して使用することもできる。
【0068】
本発明の組成物の用途としては、塗料、コーティング材及び印刷インキ等の被覆材、不織布用の接合剤、接着剤、並びに成形材料等が挙げられ、被覆材として好ましく使用でき、より好ましくはOPV及び木材塗料である。
【0069】
組成物の架橋に使用する活性エネルギー線としては、紫外線、X線及び電子線等が挙げられ、安価な装置を使用できることから、紫外線を使用することが好ましい。紫外線により硬化させる場合の光源としては、様々なものを使用することができ、例えば高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、無電極放電ランプ及びカーボンアーク灯等が挙げられる。
【0070】
本発明の組成物を被覆材として使用する場合(以下被覆材組成物という)は、必要に応じて、アクリル樹脂、ケトン樹脂及び石油樹脂等の合成樹脂、無機又は有機の体質顔料、艶消し剤、サンディング助剤等の充填剤類、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、顔料分散剤、光沢付与剤、スリップ剤、並びにチクソトロピック剤等の各種添加剤を配合しても良い。
【0071】
被覆材組成物が適用できる基材としては、自然の木材及び合成木材等の木材、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート及びポリ塩化ビニル等の成形樹脂加工品(プラスチック)、金属、ガラス並びに紙等が挙げられる。本発明の水性組成物は、木材との密着性に優れるため、特に木材用塗料として好適に使用するとができる。
【0072】
被覆材組成物の使用方法としては、基材に対して組成物を塗装し、乾燥により水分を蒸発させた後、活性エネルギー線を照射する方法等が挙げられる。塗装する方法としては、ロールコーター、フローコーター、スプレー、ディッピング及び刷毛塗り等の従来公知の方法を使用すればよい。活性エネルギー線の照射方法も常法に従えば良い。
【0073】
本発明の組成物は、OPV用に好ましく使用できるものである(以下OPV用組成物という)。この場合の基材としては、セルロースを主成分とした普通紙、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート及びポリイミド等のフィルム及びシート、又はこれらで処理された紙等、並びにこれらの基材の表面が各種インキにより印刷されているもの等が挙げられる。
【0074】
OPV用組成物の使用方法としては、上記被覆材組成物と同様の方法で使用できる。OPV用組成物においては、基材への塗布方法として、直接塗装の他、印刷により塗布することができる。直接塗装の場合には、カーテンフローコート、ロールコート及びスプレーコート等が挙げられる。又、印刷の場合には、通常の印刷方法に従えばよく、オフセット方式、グラビアオフセット方式、グラビア方式及びフレキソ方式等が挙げられる。
【0075】
【作用】
本発明の組成物は、水性重合体である(A)成分を配合することにより、(B)成分の欠点であった、硬度及び密着性等の性能が向上し、さらに、(A)成分は活性エネルギー線の照射によりマレイミド基同士が分子間で架橋するため、耐水性及び耐薬品性についても優れたものとなる。
又、本発明の組成物は、活性エネルギー線により容易に架橋し、さらに紫外線により架橋させる場合でも、光重合開始剤を全く配合しないか又は少量の光重合開始剤の配合で、優れた架橋性を有するものである。これは、マレイミド基が、紫外線照射により水素引き抜き反応を起こし、ラジカルを発生させることが「Sonny Jonssonら、ラドテック’95ヨーロッパ 予講集<アカデミックデイ>p.34」等により知られているが、本発明における重合体のマレイミド基も、光重合開始剤の配合がなくとも同様の機構でラジカルを発生し、マレイミド基同士が架橋反応を起こすため、光重合開始剤を全く配合しないか又は少量の光重合開始剤の配合で、優れた架橋性を有するのである。これにより、組成物中の光重合開始剤の配合量を低減又は無くすことができる結果、従来の紫外線架橋型組成物に比べ、硬化膜の着色や臭気を低減することができる。
【0076】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。尚、以下において、部及び%は重量基準である。
又、使用した単量体及び溶剤の略号の意味は、以下に示す通りである。
・MMA;メチルメタクリレート
・CHMA;シクロヘキシルメタアクリレート
・EA;エチルアクリレート
・BA;ブチルアクリレート
・MAA;メタクリル酸
・AA;アクリル酸
・OTG;チオグリコール酸オクチル
・MPA;β-メルカプトプロピオン酸
・IPA;イソプロパノール
・TEA;トリエチルアミン
・DMAPAA;ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
・M−350;トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド3モル変成トリアクリレート〔東亞合成(株)製アロニックスM−350〕
・I−500;1−ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトン及びベンゾフェノンの1:1混合物〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製光重合開始剤イルガキュア500〕
【0077】
○製造例A−1(重合体A−1の製造及びその水性化)
攪拌機、温度計及び冷却器を備えたフラスコに、IPA63部を仕込み、ウォーターバスにセットして窒素を吹き込みながら内温を81℃とした。次いで表1に示す組成の単量体混合物99部に重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNという)1.1部を溶解させ、その20%をフラスコに仕込んだ。内温が81℃に戻った時点で、AIBN0.1部及びMPA0.5部を添加した、その後内温81℃に保ちながら、AIBNを溶解させた単量体混合物の残り80%4時間かけ滴下し、さらにMPA0.5部及びIPA10部の混合溶液を3時間かけて滴下して重合させた。尚、反応温度は±1℃の範囲で制御した。この後、反応液にAIBN0.3部をさらに仕込み内温81℃で3時間熟成した結果、酸価99mgKOH/g、重量平均分子量(以下Mw)13,100、ガラス転移温度(以下Tgという)49℃〔示差走査熱量測定法(DSC)による実測値〕の重合体A−1を含む溶液を得た。
この重合体A−1の溶液を、アンモニア水を加えながら、減圧下に加熱してIPAを留去した後、アンモニア水を用いてpH8、不揮発分30%に調整して、半透明な重合体A−1が水に溶液又は分散した液(以下水性液体という)を得た。
尚、以下各例において不揮発分とは、試料を155℃で30分間加熱して揮発成分を留去した後に残る成分の割合意味する。
【0078】
○製造例A−2(重合体A−2の製造)
重合体A−2は無乳化剤重合法により製造した。
製造例A−1と同様のフラスコに、イオン交換水145部を仕込み、製造例A−1と同様にして内温を80℃とした。次いで重合開始剤の過硫酸アンモニウム1部を、イオン交換水3部に溶解させて添加した。添加後5分後、表1に示す組成の単量体及び連鎖移動剤を含む混合物100部を2時間かけて滴下して重合させた。単量体混合物の滴下終了後1.5時間熟成した。尚、反応温度は±1℃の範囲で制御した。重合は極めて安定であり、凝集物の生成はほとんどなかった。その結果、酸価98mgKOH/g、Mw12,400、Tg52℃の重合体A−2を含むエマルションを得た。この重合体A−2のエマルションの性状は固形分40.5%、pH1.8、粘度10mPa・s〔BM型粘度計を用いて60rpmで測定、以下も同じ〕、粒子径0.49μm〔レーザー回折散乱式粒度分布計測定値、体積基準でのメジアン系、以下同じ〕であった。
【0079】
○製造例A−3〜7(重合体A−3〜7の製造)
表1に示す単量体及び連鎖移動剤組成に変更する以外は、製造例A−2と同様の方法に従い、重合体A−3〜7を製造した。いずれも重合は極めて安定で凝集物の生成はほとんどなかった。
得られた重合体A−3〜7のエマルションの性状は、それぞれ以下の通りであった。
A−3:固形分40.4%、pH1.8、粘度10mP・s、粒子径0.61μm
A−4:固形分40.6%、pH1.8、粘度11mP・s、粒子径0.48μm
A−5:固形分40.3%、pH1.8、粘度11mP・s、粒子径0.50μm
A−6:固形分40.5%、pH1.7、粘度10mP・s、粒子径0.40μm
A−7:固形分40.6%、pH1.7、粘度8.3mP・s、粒子径0.53μm
【0080】
【表1】
【0081】
【化6】
【0082】
○製造例B−1
製造例A−1と同様のフラスコに、イオン交換水70部及びラウリル硫酸ナトリウムの30%水溶液0.6部を仕込んで83℃に昇温した。これとは別に、表2に示す組成の単量体混合物100部に、ラウリル硫酸ナトリウムの30%水溶液1.0部及びイオン交換水40部を添加して乳化させ、水性乳濁液を調製した。
内温が83℃で安定した後、水性乳濁液の2%をフラスコに加え、次いで炭酸ナトリウム0.2部をイオン交換水2部に溶解したものをフラスコに添加し、さらに過硫酸アンモニウム0.4部をイオン交換水2部に溶解したものを添加した。添加後、15分経過した後、水性乳濁液の残り98%を3時間かけて内温83℃に保ちながら均一に滴下した。滴下終了後1時間内温を83℃に保持した後、内温を65℃まで下げ、t−ブチルハイドロパーオキサイドの69%溶液0.1部をイオン交換水1部で希釈したものをフラスコに添加し、その5分後にロンガリット0.1部をイオン交換水1.5部に溶解したものを添加した。その後室温まで冷却し、重合体B−1のエマルションを得た。この乳化重合は極めて安定で凝集物もほとんど生成しなかった。尚、上記反応温度は±1℃の範囲で制御した。
得られたエマルションの性状は、固形分45.0%、pH5.0、粘度22mP・s及び粒子径0.141μmであった。
尚、重合体B−1のTgは14℃で、MwはGPC測定の展開溶媒であるテトラヒドロフランに完全に溶解しないため測定できなかった。
【0083】
○製造例B−2〜4(重合体B−2〜4の製造)
表2に示す単量体組成に変更する以外は、製造例B−1と同様の方法に従い、重合体B−2〜4を得た。いずれも重合は極めて安定で、凝集物の生成はわずかであった。
得られた重合体B−2〜4のエマルションの性状は、それぞれ以下の通りであった。
B−2:固形分45.1%、pH4.9、粘度19mP・s、粒子径0.11μm
B−3:固形分45.0%、pH5.1、粘度19mP・s、粒子径0.11μm
B−4:固形分45.2%、pH5.1、粘度22mP・s、粒子径0.120μm
【0084】
【表2】
【0085】
(木材用塗料組成物としての評価)
○実施例1
製造例B−2のエマルションを25%アンモニア水を用いてpH7〜8に調整した。これに、製造例A−1の水性液体を、表3に示す配合割合となるように攪拌下、添加混合した。さらにA−1及びB−2の固形分合計量に対して、成膜助剤テキサノールを8%、消泡剤BYK−024〔ビックケミー(株)製〕を0.2%の割合で添加混合し、さらに組成物の固形分が35%となるようにイオン交換水を添加して木材用塗料組成物とした。
【0086】
この組成物をバーコーターを用いて、乾燥塗膜の厚みが20〜25μmとなるように、表面研磨されたナラ板単板に塗布した。塗布後、室温で1hr、60℃で5分乾燥し、さらに以下の条件で紫外線を照射した。
・ランプ:160W/cm集光型高圧水銀ランプ
・ランプ高さ:10cm
・コンベアースピード:10m/min
・ランプ通過回数:3回
得られた、硬化膜について、下記(1)〜(10)について評価した。評価結果を表3に示す。
【0087】
(1)光沢
光沢計〔日本電色工業(株)製〕を用いて60度グロスを測定した。
【0088】
(2)密着性
得られた硬化膜に、カッターナイフにより2mmの幅で碁盤目カットを入れて正方形の区画を100個作り、その表面に市販セロハンテープ(ニチバン株式会社製)を圧着させてから剥離して、残存した碁盤目の数で示した。
【0089】
(3)鉛筆硬度
得られた硬化膜について、JISの「手かき法K5400」に従い評価した。
【0090】
(4)アセトンラビングテスト
アセトンを染み込ませた綿棒を使用して、荷重500g、毎秒1往復の条件で得られた硬化膜の表面をこすり、硬化膜表面に白化又は剥がれ等の異常が生じるまでの回数により、下記の3段階で評価した。
○:20往復後、硬化膜に異常なし
△:5往復以上20往復未満で硬化膜に異常発生
×:5往復未満で硬化膜に異常発生
【0091】
(6)耐水性
硬化膜に蒸留水を乗せて、6時間放置した後に拭き取り、硬化膜を目視により観察し、以下の3段階で評価した。
○:硬化膜に異常無し
△:わずかに痕跡が見られる
×:硬化膜に、白化、割れ、浮き等の明らかな異常が見られる。
【0092】
(7)耐酸性
試験液として5%酢酸水溶液を用いる以外は、(6)と同様の方法により評価した。
【0093】
(8)耐アルカリ性
試験液として1%炭酸ナトリウム水溶液を用いる以外は、(6)と同様の方法により評価した。
【0094】
(9)耐アルコール性
試験液として50%エタノール水溶液を用いる以外は、(6)と同様の方法により評価した。
【0095】
(10)臭気
紫外線硬化後の硬化膜の臭いを嗅ぎ、以下の3段階で評価した。
○:臭わない、△:わずかに臭う、×:明らかに臭う
【0096】
○実施例2
製造例A−2のエマルションと、製造例B−2のエマルションを表3に示す配合割合となるように混合攪拌し、25%アンモニア水を用いてpH7〜9に攪拌調整し、さらに実施例1と同様の方法及び割合で成膜助剤及び消泡剤を添加して、木材用塗料組成物を製造した。
得られた組成物を実施例1と同様の方法で評価した。それらの結果を表3に示す。
【0097】
○実施例3〜6
表3に示す配合組成及び割合とする以外は、実施例2と同様の方法により木材用塗料組成物を製造した。
得られた組成物を実施例1と同様の方法で評価した。それらの結果を表3に示す。
【0098】
○実施例7及び8
A成分及びB成分の配合組成及び割合を表3の通り変更し、中和剤をTEAに変更し、さらに中和後M−350及びI−500を表3に示す割合で添加、攪拌混合した以外は、実施例2と同様の方法により木材塗料用組成物を製造した。尚、TEAはそのまま添加した。
得られた組成物を実施例1と同様の方法で評価した。それらの結果を表3に示す。
【0099】
【表3】
【0100】
○比較例1〜4
表4に示す配合組成及び割合とする以外は、実施例2と同様の方法により木材塗料用組成物を製造した。但し、比較例1のみ増粘剤シュベゴプアー8050〔裕商(株)製〕を0.2%(A成分とB成分の固形分合計に対して)使用した。尚、比較例3において、TEAはそのまま添加した。
得られた組成物を実施例1と同様の方法で評価した。それらの結果を表4に示す。
【0101】
【表4】
【0102】
(OPVとしての評価)
○実施例9〜12
製造例Aのエマルションと、製造例Bのエマルションを表5に示す配合組成及び配合部数となるように攪拌混合した。混合液に、表3に示した中和剤を使用してpH7〜8に調整して、製造例Aの共重合体の中和を行い、さらにM−350(実施例11、12のみ)、I−500(実施例12のみ)を添加混合した。ついで、(A)成分と(B)成分の固形分合計量に対して、ワックスエマルションJW−26を〔ジョンソンポリマー(株)製〕10%、すべり剤KM−788〔信越化学工業(株)製〕を1.3%、消泡剤BYK−024を0.26%、IPAを3部、さらに組成物の最終固形分を40%となるようにイオン交換水を加え、攪拌混合してOPV用組成物を得た。尚、実施例11及び同12において、TEA及びDMAPAAはそのまま添加した。
【0103】
この組成物をバーコーター#6を用いて、油性黒インキ印刷紙に塗布した。塗布後、室温で1hr乾燥した後、前記と同様の条件で紫外線を照射した。
得られた、硬化膜について光沢、密着性、アセトンラビングテスト、耐水性及び臭気を評価した。密着性は以下の方法に従い、他は実施例1と同様の方法で評価した。
【0104】
○密着性
得られた硬化膜に、カッターナイフによりクロスカットを入れ、その表面に市販セロハンテープ〔ニチバン(株)製〕を圧着させてから剥離したときの、硬化膜の状態について目視により評価。
○:硬化膜の剥がれなし、もしくは基材より破壊
×:硬化膜の油性印刷面からの剥がれが見られる。
【0105】
○比較例5〜6
表5に示す配合組成及び割合とする以外は、実施例9〜12と同様の方法によりOPV用組成物を製造した。尚、比較例6において、TEAはそのまま添加した。
得られた組成物を実施例9〜12とと同様の方法で評価した。それらの結果を表5に示す。
【0106】
【表5】
【0107】
【発明の効果】
本発明の水性組成物は、その硬化膜が硬度及び密着性に優れ、かつ耐水性及び耐溶剤性にもすぐれ、さらには着色及び臭気も無いため、塗料、コーティング材及び印刷インキ等の被覆材、不織布の接合剤、接着剤、並びに成形材料等として、各種産業分野において有用であり、特にOPV及び木材用塗料組成物として有用なものであり、その工業的価値は極めて大きい。
Claims (8)
- (A)マレイミド基及び酸性基を含有する酸価が20〜400mgKOH/gの付加系重合体又はその塩及び(B)(A)成分以外の水性媒体に不溶な重合体からなる組成物であって、水性媒体中に(A)成分が溶解又は分散し、(B)成分が分散してなる活性エネルギー線架橋型水性組成物。
- (A)成分が、エチレン性不飽和基及びマレイミド基を有する化合物とエチレン性不飽和基及び酸性基を有する単量体を構成単量体単位とする付加系重合体である請求項1又は請求項2記載の活性エネルギー線架橋型水性組成物。
- (B)成分が、エチレン性不飽和基及びマレイミド基を有する化合物を構成単量体単位とする重合体である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の活性エネルギー線架橋型水性組成物。
- (A)成分が、重量平均分子量が1,000〜500,000を有する付加系重合体である請求項1〜請求項4のいずれかに記載の活性エネルギー線架橋型水性組成物。
- 2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物をさらに含有してなる請求項1〜請求項5のいずれかに記載の活性エネルギー線架橋型水性組成物。
- 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の水性組成物からなる活性エネルギー線架橋型オーバープリントワニス組成物。
- 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の水性組成物からなる活性エネルギー線架橋型木材用塗料組成物。
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