JP2002270333A - スパークプラグの製造方法及びスパークプラグ - Google Patents
スパークプラグの製造方法及びスパークプラグInfo
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Abstract
るハイブリッド型スパークプラグにおいて、中心電極の
側周面において火花による衝撃が頻繁に生じる位置を効
果的に保護し、火花消耗に対する耐久性向上を達成しう
るスパークプラグの製造方法及びその製造方法により製
造されるスパークプラグを提供する。 【解決手段】 中心電極の電極母材となる軸状部材20
1において、その軸線方向における一方を前方側とした
場合の側面前端又は側面前端寄りに、耐火花消耗性の高
い金属からなる耐火花消耗用金属部材を接合して接合体
を形成する接合工程を行う。さらに、その接合工程後に
おいて先端部成形工程を行い、軸状部材201の接合体
210の側面前端部に対し、電極母材と耐火花消耗用金
属部材の双方に跨る形で塑性加工及び/又は除去加工を
施すことにより、耐火花消耗用金属からなる凸部を形成
する。そして、その先端部成形工程後に前記先端部の前
方側に貴金属チップを接合する貴金属チップ接合工程が
行われることにより、耐火花消耗用金属部材からなる凸
部2kを有する中心電極2が得られる。
Description
造方法及びスパークプラグに関する。
端面から下方に突出するようにされた中心電極と、この
中心電極に対向して配設され一端が主体金具に接合され
た平行接地電極とを備え、中心電極と平行接地電極との
間の気中ギャップに火花放電させて燃料混合ガスに着火
するものが一般的である。このような平行対向型スパー
クプラグに対し、耐汚損性を改善した内燃機関用のスパ
ークプラグとしてセミ沿面放電型スパークプラグと呼ば
れるものが知られている。これは、火花放電ギャップに
て発生する火花が、常時あるいは条件により、絶縁碍子
表面を経由したセミ沿面放電形態にて伝播するように構
成したものである。
称されるものは、中心貫通孔を有する絶縁碍子と、中心
貫通孔に保持され絶縁碍子の先端部に配設された中心電
極と、絶縁碍子の先端部を自身の先端面から突出するよ
うに保持する主体金具と、主体金具に一端が接合され他
端が中心電極の側周面若しくは絶縁碍子の側周面に対向
するように配設されたセミ沿面接地電極を備える。そし
て、沿面放電時には、セミ沿面接地電極の発火面と絶縁
碍子表面との間が気中放電となる以外は、絶縁碍子先端
面の表面に沿う形態にて飛火する形となる。このセミ沿
面放電型のスパークプラグによれば、絶縁体表面を這う
形で火花放電が生ずるため、汚損物質が絶えず焼き切ら
れる形となり、気中放電型のスパークプラグと比べて耐
汚損性が向上する。
放電型の両機能を組み合わせたハイブリッド型スパーク
プラグが提供され、これによると、絶縁体の先端面が汚
損していない場合でもセミ沿面ギャップで飛火するよう
に各部寸法設定を行っているため、耐汚損性を達成しつ
つもチャンネリングを効果的に抑制し、かつ着火性を向
上することが可能となった。
な平行接地電極とセミ沿面接地電極を備えてなるハイブ
リッド型スパークプラグは、エンジン条件、エンジン特
性等に起因して特定のギャップでの飛火割合が経時変化
する可能性がある。特に、ハイブリッド型スパークプラ
グにおいては、各部の寸法設定を行うことによりくすぶ
りを生じた場合のみならずくすぶりが生じていなくとも
セミ沿面ギャップにて飛火することとなるが、このよう
に中心電極側面の飛火割合の高いスパークプラグにおい
てはその中心電極側面の火花消耗が問題となる。
間の火花は絶縁碍子先端面を這うよう進行するため、例
えば図11における領域Cのような、凸部頂点付近より
後方側において火花の衝突する割合が高く、スパークプ
ラグの長期使用に伴いこの領域に偏消耗が生じる可能性
があることが判明した。
とセミ沿面接地電極を備えてなるハイブリッド型スパー
クプラグにおいて、中心電極の側周面において火花によ
る衝撃が頻繁に生じる位置を効果的に保護し、火花消耗
に対する耐久性向上を達成しうるスパークプラグの製造
方法及びその製造方法により製造されるスパークプラグ
を提供することにある。
孔を有する絶縁碍子と、前記中心貫通孔に保持され前記
絶縁碍子の先端部に配設されるとともに、軸状の本体部
を有し、その本体部の先端部に貴金属チップを有する中
心電極と、前記絶縁碍子の先端部を自身の先端面から突
出するように保持する主体金具と、その主体金具の前記
先端面に一端が接合され他端が前記中心電極の先端面に
対向して主気中ギャップを形成するように配設された平
行接地電極とを備えるとともに、前記主体金具に一端が
接合され他端が前記中心電極の側周面若しくは前記絶縁
碍子の側周面の少なくともいずれか一方に対向してセミ
沿面ギャップを形成するように配設された複数のセミ沿
面接地電極を備えるスパークプラグの製造方法であっ
て、前記中心電極の電極母材となる軸状部材において、
その軸線方向における一方を前方側とした場合の側面前
端又は側面前端寄りに、該軸状部材よりも耐火花消耗性
の高い金属からなる耐火花消耗用金属部材を接合して接
合体を形成する接合工程と、前記接合体の側面前端部に
対し、前記電極母材と前記耐火花消耗用金属部材の双方
に塑性加工及び/又は除去加工を施して、前記中心電極
の軸線と平行な仮想平面に対して投影したときにその正
射影像において、軸線方向において内燃機関へ向かう側
を前方側とするその軸線方向前方側に向かうにつれて段
階的及び/又は連続的に径が縮径する縮径部を形成しつ
つ、該縮径部の軸線方向中間位置に前記仮想平面におけ
る外面外形線が外向きに凸となる凸部を形成することに
より前記中心電極の先端部を形成する先端部形成工程
と、前記先端部の前方側に貴金属チップを接合する貴金
属チップ接合工程と、を含むことを特徴とするスパーク
プラグの製造方法を提供する。
く、中心電極において絶縁碍子先端面から軸線方向後方
側の位置に凸部頂点が設定されるように凸部を形成すれ
ば、電界集中の生じやすい凸部頂点とセミ沿面接地電極
との間に絶縁碍子が位置するようになるため、セミ沿面
放電の火花が絶縁碍子の先端に密着しやすく、絶縁碍子
表面の火花清浄作用により耐汚損性に効果がある。そし
て、その火花消耗の予想される凸部において耐火花消耗
用金属部材を配置すれば、この部位の火花消耗が効果的
に抑制されることとなるため、耐久性に優れたスパーク
プラグとなり、上記方法によればこのようなスパークプ
ラグの効率的製造が可能となる。
を参照して説明する。図1は本発明の一例たるスパーク
プラグ100の部分断面図である。周知のように、アル
ミナ等からなる絶縁碍子1は、その後端部に沿面距離を
稼ぐためのコルゲーション1Aを、先端部に内燃機関の
燃焼室に曝される脚長部1Bを備え、その軸中心には中
心貫通孔1Cを備えている。中心貫通孔1Cには、貴金
属チップを有する場合にはインコネル(商標名)600
又は601等の、鉄6〜20質量%、クロム14〜25
質量%、その他の不純物3%以下、所望によりアルミニ
ウム1〜2質量%、残部としてニッケル58質量%以上
含有するニッケル系金属等からなる電極母材2nを少な
くとも表層部に有する中心電極2が保持され、中心電極
2は絶縁碍子1の先端面から突出するようにされてい
る。
られたセラミック抵抗3を経由して上方の端子金具4に
電気的に接続されている。端子金具4には図示しない高
圧ケーブルが接続され高電圧が印加される。上記絶縁碍
子1は主体金具5に囲まれ保持部51及びかしめ部5C
によって支持されている。主体金具5は低炭素鋼材で形
成され、スパークプラグレンチと嵌合する工具係合部
(六角部5A)と、ねじの呼びが例えばM14Sのねじ
部5Bとを備えている。主体金具5はそのかしめ部5C
により絶縁碍子1にかしめられ、主体金具5と絶縁碍子
1が一体にされる。かしめによる密閉を完全なものとす
るため、主体金具5と絶縁碍子1との間に板状のパッキ
ング部材6とワイヤ状のシール部材7,8が介在され、
シール部材7,8の間にはタルク(滑石)9の粉末が充
填されている。また、ねじ部5Bの後端、即ち、主体金
具5の座面52にはガスケット10が嵌挿されている。
表層部をなす母材がニッケル合金からなる平行接地電極
11が溶接により接合されている。平行接地電極11は
中心電極2の先端面と軸方向に対向し、中心電極2と平
行接地電極11とで主気中ギャップ(α)を形成してい
る。また、例えば六角部5Aの対辺寸法は16mmであ
り、主体金具5の座面52から先端面5Dまでの長さは
例えば19mmに設定されている。この寸法設定は、J
IS:B 8031に規定されている14mm小形六角
形の、A寸法が19mmのスパークプラグの基準寸法で
ある。なお、平行接地電極11は、その先端部の温度を
低減させ、火花消耗を抑えるために、内部に母材よりも
熱伝導性の良好な材料(例えばCuや純Ni又はその複
合材料等)からなる良熱伝導材を有していても良い。
0では、平行接地電極11とは別に、複数のセミ沿面接
地電極12を備えている。セミ沿面接地電極12は少な
くとも表層部をなす母材がニッケル合金からなり、その
一端が主体金具5の先端面5Dに溶接により接合され、
他端の端面12Cが中心電極2の側周面2A若しくは脚
長部1Bの側周面1Eに対向するように配設されてい
る。図3の底面図に示すように、2個のセミ沿面接地電
極12はそれぞれ平行接地電極11から90゜ずれた位
置に配設され、セミ沿面接地電極12同士は略180゜
ずれた位置に配設されている。
30の方向前方側から平面視した状態を表しているが、
セミ沿面接地電極12は他端の端面12Cにおいて、絶
縁碍子1の中心貫通孔1Cの先端開口径よりも大きな幅
を有するものとなっている。図2に示すように、各セミ
沿面接地電極12の端面12Cと中心電極2の側周面2
Aとの間にはセミ沿面ギャップ(β)(図1)が所定の
ギャップ間隔βにてそれぞれ形成され、各セミ沿面接地
電極12の端面12Cと脚長部1Bの側周面1Eとの間
でセミ沿面碍子ギャップ(γ)(図1)が所定のギャッ
プ間隔γにてそれぞれ形成されている。
向する側面11Aと中心電極2の前方側先端面2Bとの
間で主気中ギャップ(α)がギャップ間隔αにて形成さ
れ、さらに、絶縁碍子1の先端より前方側に突出する中
心電極2の先端面2Bと絶縁碍子1の先端との距離H
(以下、「突き出し量H」ともいう)が所定の値となる
よう設定される。また、軸線方向における絶縁碍子1の
先端面高さ位置とセミ沿面接地電極の端面12Cの後端
側縁の高さ位置の距離が所定距離Emmとなっている。
なお、これらα、β、γ、E、Hの数値は下記の関係に
設定するとよい。即ち、0.7mm≦α(mm)≦
(0.8(β−γ)+γ)(mm)とすると、正常時に
おいても所定割合でセミ沿面ギャップの火花放電を起こ
させることができる。なお、β、γ、E、Hについて
は、以下の関係、即ち、β(mm)≦2.2mm、0.
4mm≦γ(mm)≦(α−0.1)(mm)、E(m
m)≦0.5mm、及び1.0mm≦H(mm)≦4.
0mmをそれぞれ満たすようにすると、さらに以下の効
果を達成できる。
(mm)≦(α−0.1)(mm)とすると、絶縁碍子
の表面が「くすぶり」の状態になった時にセミ沿面接地
電極と中心電極との間で、より確実に、セミ沿面放電を
生じさせることができる。セミ沿面ギャップ(β)の距
離βが2.2mmより大きいと、セミ沿面接地電極と中
心電極との間で放電が生ぜず、中心電極と主体金具の絶
縁碍子取付部付近との間で絶縁碍子の脚長部表面に沿っ
て放電する、いわゆるフラッシュオーバーが発生する確
率が高くなる。また、セミ沿面碍子ギャップ(γ)の距
離γが0.4mmより小さいと、セミ沿面接地電極と絶
縁碍子との間にカーボンによるブリッジが生じ放電不能
になる確率が高くなる。
距離γが主気中ギャップ(α)の距離α−0.1mmよ
り大きくなると、「くすぶり」時においても、セミ沿面
接地電極との間のセミ沿面ギャップ(γ)で放電するよ
り、平行電極との間の主気中ギャップ(α)で放電して
しまう確率が高くなる。
極の端面の下端縁が絶縁碍子の先端面から前方に離れる
方向)とすると、セミ沿面放電の火花による絶縁碍子表
面の火花清浄作用を効果的に維持することができる。E
が+0.5mmより大きいと、セミ沿面放電の火花が絶
縁碍子の先端面に密着せず、絶縁碍子表面の火花清浄作
用の効果が低下する。
ミ沿面放電による中心電極の電極消耗を小さく抑制する
ことができる。さらに、平行接地電極との間の主気中ギ
ャップαでの火花放電による着火性と、セミ沿面接地電
極のセミ沿面放電による着火性との乖離を小さくするこ
とができる。放電電極の変化に伴う着火性の変化による
内燃機関のトルク変動を極力抑制することができる。中
心電極の突き出し量Hが1.0mmより小さいと中心電
極側周の電極消耗が大きくなる。
mより大きいとセミ沿面放電による着火性が主気中ギャ
ップ(α)での着火性に比べて低下し、両者の着火性が
乖離して好ましくない。
12の端面12Cは平面状に形成されているが、絶縁碍
子2の側周面に沿って略一様な間隔のセミ沿面ギャップ
が形成されるよう、端面12Cを、例えば打抜加工等に
より絶縁碍子2の軸線30を中心とする円筒面状に形成
することもできる。
極11と同様に、内部にCuや純Ni又はその複合材料
等からなる良熱伝導材を有していても良い。この場合、
セミ沿面接地電極12は、表層部を形成する母材と、内
層部を形成するとともに母材よりも熱伝導性の良好な材
料(例えばCuや純Ni又はその複合材料等)からなる
良熱伝導材とを有するものとなる。
明する。図4には、絶縁碍子1及び中心電極2における
各部分の寸法、位置関係を説明するために、それらを中
心電極2の軸線と平行な仮想平面に対して投影した場合
のその正射影像を示している。なお、本発明において、
中心電極2の軸線を中心軸線と称し、その軸線方向を中
心軸線方向と称する。そして、中心電極2は、自身の中
心軸線方向において内燃機関へ向かう側(即ち、主気中
ギャップに臨む側)を前方側とするその中心軸線方向前
方側に段階的及び/又は連続的に径が縮径する縮径部2
sが形成されるとともに、該縮径部2sの中心軸線方向
における中間位置に、当該仮想平面における外面外形線
が外向き(即ち、中心電極において外部側に向かう向
き)に凸となる凸部2kが形成される。
部において後方側に形成される基部2pと、主気中ギャ
ップに面する先端部において該基部2pよりも径小とさ
れる径小部2qとの間において先端に向かうにつれ段階
的及び/又は連続的に径が減少する移行部が形成され
る。そして、当該正射影像での移行部の中間位置又は基
部2pと移行部に跨る位置における絶縁碍子1の開口に
臨む位置に凸部2kが形成されることとなる。なお、本
実施例においては貴金属チップ105が径小部2qをな
す形となっており、この貴金属チップ105は、前方側
に向かうにつれ縮径される電極母材2nの前端にレーザ
溶接等により溶融部106を形成する形で接合されてい
る。
の先端に向かう側を前方側として、凸部頂点Pが絶縁碍
子1の先端より中心軸線方向後方側に位置するように設
定される。なお、その凸部頂点Pと絶縁碍子1の先端
(図4では先端面1D)との中心軸線方向における距離
L1は例えば0.5mm以内となるよう設定される。こ
れにより耐汚損性効果が生じ、かつ着火性が良好となる
ようになっている。
より後方側位置であって、かつ絶縁碍子1の中心軸線方
向前方側の先端(図4の例では先端面1D)を基点とす
る中心軸線方向後方側0.5mm以内の中心電極2の表
層部(側周面2A(図2)を含む部分)において、耐火
花消耗用金属部101が形成される。さらに、耐火花消
耗用金属部101により凸部2kが形成され、かつ凸部
頂点Pを中心軸線方向にまたぐ構成にて耐火花消耗用金
属部101が配置される。具体的には、耐火花消耗用金
属部101の中心軸線方向における端縁が、凸部頂点P
に関して両側に配置される。なお、耐火花消耗用金属部
101の端縁とは、貴金属又は貴金属合金により当該耐
火花消耗用金属部を構成する場合にはその貴金属成分が
50質量%以上である領域と50%未満である領域との
境界を意味し、後述するNi含有量が90質量%以上で
ある金属にて当該耐火花消耗用金属部を構成する場合に
は、その90質量%以上である領域と90%未満である
領域との境界を意味する。
t、Rh、Ru、及びReの少なくともいずれかを主成
分とする金属又は該金属を主体とする複合材料にて構成
することができる。また、貴金属を主成分とせずに、耐
火花消耗用金属部をNi含有量が90質量%以上である
金属にて構成してもよい。これらを採用することによ
り、耐火花消耗用金属部101を耐熱性と耐腐食性とに
優れるものとでき、ひいては耐火花消耗用金属部101
の消耗を抑制してスパークプラグ100(図1)の耐久
性を向上させることができる。
影像において凸部2kの外形線が連続的に屈曲するよう
な形状を有するスパークプラグにおいては、凸部頂点P
を以下のごとく規定する。即ち、図5(b)の拡大図に
て示されるように、その屈曲する凸部2kを挟んだ両側
の直線部S1及びS2の外形線をそれぞれ延長する延長
線A,Bを設定し、それら延長線A,Bの交点を凸部頂
点Pとして規定する。そして、この凸部頂点Pと絶縁碍
子先端の中心軸線方向における距離が上記範囲に設定さ
れるよう形状が調整される。
を備えるスパークプラグの製造方法について説明する。
まず概要を述べると、本発明の製造方法は、図2のよう
な中心電極2の電極母材2nとなる軸状部材(例えば図
6の例では軸状部材201)において、その軸状部材の
軸線方向における一方を前方側とした場合の側面前端又
は側面前端寄りに、該軸状部材201よりも耐火花消耗
性の高い金属からなる耐火花消耗用金属部材(例えば、
板状チップ203:図6)を接合して接合体を形成する
接合工程を含む。なお、本発明において、軸状部材の軸
線を軸状部材軸線と称し、その軸線方向を軸状部材軸線
方向とも称する。
の接合体の側面前端部に対し、電極母材2n(軸状部
材)と耐火花消耗用金属部材(板状チップ203等:図
6)の双方に跨る形で塑性加工及び/又は除去加工を施
すことにより、図2のように中心電極2の先端部におい
て縮径部を凸部2kを有する形で形成する先端部形成工
程が実施される。そして、その先端部形成工程後に先端
部の前方側に貴金属チップ105(図4)を接合する貴
金属チップ接合工程が行われることとなる。なお、本発
明において、最終的に上記スパークプラグ100(図
2)に備えられる耐火花消耗用金属部101となる部材
を耐火花消耗用金属部材と称し、中心電極2の一部とし
て最終的に形成された部位を耐火花消耗用金属部101
と称しており、これらを区別して記載している。
では、軸状部材201の側周面に耐火花消耗用金属部材
としての板状チップ203を接合し、それを切削加工等
の除去加工を行うことにより中心電極2の先端部を形成
するといった方法について示している。なお、左側を斜
視図、右側を側面断面図若しくはそれに準ずる図として
いる(図7以降においても同様である)。まず、図6
(a)のように、軸状部材201の側周面に板状又は略
板状の板状チップ203を抵抗溶接等により軸状部材2
01の側面上に接合する。この接合する前段階として、
円柱部材の側壁の一部が除去され、先端寄りに自身の軸
線(軸状部材軸線230)と平行となる側壁面を有する
よう形状調整された軸状部材201を切削加工等の除去
加工、或いは鍛造加工等の塑性加工により形成する。そ
して、その軸状部材軸線と平行に形成される側壁面の表
面に板状チップ203を接合することとなる。
2s(即ち径小部2q及び基部2pから径小部2qに至
るまでの移行部:図4参照)として予定された部分を残
す形にて、接合体210の前端部を形成する板状チップ
203及び軸状部材201の一部を除去し、残された板
状チップ203が凸部2kを形成するように図6(b)
のごとく除去加工を行う。具体的には、接合体210を
先端に向かうにつれ縮径するようテーパ状に除去加工を
施し、テーパ部209の後方側端部において板状チップ
203の一部にて凸部2kが形成されることとなる。
テーパ部209の前端縁に続く形にて円柱状に円柱部2
11が形成される。そして、図6(c)にて示されるよ
うに、その円柱部211の前方側の面において例えば円
柱状又は円板上に形成される貴金属チップ105を重
ね、それら円柱部211及び貴金属チップ105の側周
面における接合部をレーザ溶接等により接合して最終的
に図6(d)のような中心電極2が得られることとな
る。軸状部材201は電極母材2nを構成し、板状チッ
プ203は耐火花消耗用金属部201を構成することと
なる。なお、図6のように、軸状部材の側周面に耐火花
消耗用金属部材を接合し、得られた接合体に対し除去加
工(具体的には切削加工)のみを施して先端部を形成す
るようにすれば、複雑な工程を採らずとも先端部形状を
迅速に形成できる。
(a)のような軸状部材201の側周面に板状に接合さ
れた耐火花消耗用金属部材203に対し、図7(a)の
ように、スエージング加工を施して、耐火花消耗用金属
部材の露出面(図7の例では、板状チップが変形してな
る変形部239の露出面)と軸状部材201の側周面と
が連続的な曲面形状をなすように二次接合体250を形
成する二次接合体形成工程を行う。そして、図6(b)
の場合と同様に、縮径部2s(図4)として予定された
部分を残す形にて、二次接合体250の前端部を形成す
る変形部239及び軸状部材201の一部を除去し、残
された耐火花消耗用金属部材(変形部239)が凸部2
kを形成するように除去加工を行うこととなる。このよ
うに、側周面に耐火花消耗用金属部材を接合した後に、
所望の形状の二次接合体を形成するようにすれば、得ら
れる中心電極の形状をより精度高くすることができる。
また、例えば単一の軸状部材にて径の異なる複数の中心
電極を製造するといったことも可能となる。
形成方法を用いてもよい。図8の例では、以下のように
接合工程を行う。即ち先端部において、径の異なる2つ
の円柱部が軸状部材軸線230の方向に続く形にて連続
的かつ段状に一体形成される軸状部材201を用意す
る。この軸状部材201においては、前方側(最終的に
中心電極2の前方側となる側)の円柱部201aが後方
側の円柱部201bより小径となるよう同軸的に形成さ
れている。
成される耐火花消耗用金属部材としての環状チップ24
3を、その前方側の円柱部201aの外周を囲む形で接
合して図8(b)のような接合体210を形成する。な
お、孔243aは円柱部201aとほぼ同一径を有する
よう調整し、環状チップ243の外径は軸状部材201
の外径とほぼ同一となるよう調整される。そして、先端
部形成工程においては、接合体210に対し型鍛造によ
り先端部を形成することとなるが、少なくとも前方側円
柱部201aの一部を環状チップ243より前方側に押
し出す形で縮径部2s(図4)として予定される部分を
形成し、円柱部211及びテーパ部209が形成される
こととなる。一方、同図のように環状チップ243の一
部が凸部2kを形成するように形状調整がなされる。こ
のように、除去加工を用いずに塑性加工(具体的には鍛
造加工)のみにて中心電極の先端部を形成するようにす
れば、工程数の削減に寄与し、ひいては製造の迅速化、
製造コスト削減に寄与する。なお、このようにして得ら
れた図8(c)のような成形体に対して貴金属チップを
接合する方法、即ち貴金属チップ接合工程に関しては、
図6と同様とできる。
両方用いて先端部形成工程を行う例について示してい
る。図9の例では、図8(a)と同様の軸状部材201
を形成し、同図(b)と同様に環状チップ243を前方
側円柱部201aの外周を囲む形で接合して接合体21
0を形成する。そして、先端部形成工程においては、図
9(c)に示されるように、その接合体210を型鍛造
等の鍛造加工にて軸状部材201の軸線方向に延伸する
ことにより、環状チップ243を軸状部材201ととも
にその軸状部材軸線方向に引き伸ばす。
において、図6の場合と同様に、縮径部2s(図4)と
して予定された部分を残す形にて、接合体210の前端
部を形成する環状チップ243(具体的には環状チップ
243が変形してなる変形部245)及び軸状部材20
1を除去し、図9(d)のように残された変形部245
が凸部2kを形成するように除去加工を行う。本実施例
では、この除去加工において図6の場合と同様にテーパ
部209及び円柱部211を形成し、図6と同様に貴金
属チップ接合工程を行うこととなる。このように、一旦
引き伸ばし工程を行った後に除去工程により先端部を形
成するようにすると、単一の軸状部材において様々な径
の中心電極を製造できることとなる。
い。図10(a)のように電極母材2n(図2)となる
べき軸状部材201の先端部に、溝(例えば台形状断面
を有するもの)220を周方向に沿って形成し、同図
(b)のごとく、その溝220に線状の貴金属又は貴金
属合金、具体的には線状のPt線253を周方向に巻
く。さらに、同図(c)に示すように、これらを所定速
度で回転させながら、レーザービームをPt線253及
び溝端縁近傍に照射する。これにより、同図(c)に示
すようにPt線253と軸状部材201とが溶融してP
t−Ni合金部263が形成される。このように、軸状
部材に201に溝を形成し、それに対してPt線を巻く
ようにすれば、軸状部材のみを加工により形状調整し、
耐火花消耗用金属部材については汎用性のあるPt線を
利用できることとなるため前段階の加工工程の簡素化を
図ることができる。
t−Ni合金部263に基づく凸部2kが形成されるよ
うに、軸状部材201及びPt−Ni合金部263の前
方側を切削加工等により除去加工を行うようにする。な
お、上記のようなPt−Ni合金部等の貴金属合金に対
し鍛造加工等の塑性加工を施して大幅な塑性変形を試み
ると、貴金属合金部分(具体的にはPt−Ni合金部2
63)に割れが生じる可能性があるが、本実施例のごと
く、切削加工等の除去加工により先端部を形成するよう
にすればこれが防止でき、中心電極を高品質にて製造す
ることができる。
図。
す部分断面図。
ついて概念的に示す図。
て示す要部断面図。
す説明図。
明図
明図。
明図。
説明図。
図。
Claims (8)
- 【請求項1】 中心貫通孔を有する絶縁碍子と、前記中
心貫通孔に保持され前記絶縁碍子の先端部に配設される
とともに、軸状の本体部を有し、その本体部の先端部に
貴金属チップを有する中心電極と、前記絶縁碍子の先端
部を自身の先端面から突出するように保持する主体金具
と、その主体金具の前記先端面に一端が接合され他端が
前記中心電極の先端面に対向して主気中ギャップを形成
するように配設された平行接地電極とを備えるととも
に、前記主体金具に一端が接合され他端が前記中心電極
の側周面若しくは前記絶縁碍子の側周面の少なくともい
ずれか一方に対向してセミ沿面ギャップを形成するよう
に配設された複数のセミ沿面接地電極を備えるスパーク
プラグの製造方法であって、 前記中心電極の電極母材となる軸状部材において、その
軸線方向における一方を前方側とした場合の側面前端又
は側面前端寄りに、該軸状部材よりも耐火花消耗性の高
い金属からなる耐火花消耗用金属部材を接合して接合体
を形成する接合工程と、 前記接合体の側面前端部に対し、前記電極母材と前記耐
火花消耗用金属部材の双方に塑性加工及び/又は除去加
工を施して、前記中心電極の軸線と平行な仮想平面に対
して投影したときにその正射影像において、軸線方向に
おいて内燃機関へ向かう側を前方側とするその軸線方向
前方側に向かうにつれて段階的及び/又は連続的に径が
縮径する縮径部を形成しつつ、該縮径部の軸線方向中間
位置に前記仮想平面における外面外形線が外向きに凸と
なる凸部を形成することにより前記中心電極の先端部を
形成する先端部形成工程と、 前記先端部の前方側に貴金属チップを接合する貴金属チ
ップ接合工程と、 を含むことを特徴とするスパークプラグの製造方法。 - 【請求項2】 前記先端部形成工程は、前記除去加工に
よって前記縮径部を形成させるとともに、前記耐火花消
耗用金属部材によって前記凸部を形成させる請求項1に
記載のスパークプラグの製造方法。 - 【請求項3】 前記接合工程は、前記軸状部材の側面前
端又は側面前端寄りに前記耐火花消耗用金属部材が接合
された前記接合体に対し、スエージング加工を施すこと
により前記耐火花消耗用金属部材の露出面と前記軸状部
材の側周面とが連続的な曲面形状をなすように円柱状又
は略円柱状の二次接合体を形成する二次接合体形成工程
を含み、 さらに、前記先端部形成工程において、前記除去加工に
よって前記縮径部を形成させるとともに前記耐火花消耗
用金属部材によって前記凸部を形成させる請求項1又は
2に記載のスパークプラグの製造方法。 - 【請求項4】 前記接合工程において、前記軸状部材の
先端部において、前記軸線方向に続く径の異なる2つの
円柱部を、前方側の円柱部が後方側より小径となるよう
同軸的に形成するとともに、環状に形成される耐火花消
耗用金属部をその前方側の円柱部の外周を囲む形で接合
して接合体を形成し、 前記先端部形成工程において、その接合体を鍛造加工に
て前記軸線方向に延伸することにより、前記耐火花消耗
用金属部を前記軸状部材とともに軸線方向に引き伸ば
し、その引き伸ばされた成形体において、前記除去加工
によって前記縮径部を形成させるとともに前記耐火花消
耗用金属部材によって前記凸部を形成させる請求項1に
記載のスパークプラグの製造方法。 - 【請求項5】 前記接合工程において、前記軸状部材の
先端部において、径の異なる2つの円柱部を、前方側の
円柱部が後方側より小径となるよう同軸的に形成すると
ともに、環状に形成される耐火花消耗用金属部をその前
方側の円柱部の外周を囲む形で接合して接合体を形成
し、 前記先端部形成工程において、前記接合体に対し型鍛造
加工により少なくとも前記前方側の円柱部の一部を前記
耐火花消耗用金属部より前方側に押し出す形で前記縮径
部を形成する一方、前記耐火花消耗用金属部が前記凸部
を形成するよう形状調整する請求項1に記載のスパーク
プラグの製造方法。 - 【請求項6】 前記接合工程において、前記軸状部材の
先端部に、軸線に関する半径方向に凹となる溝を当該軸
状部材の周方向に沿って形成した後、該溝内部において
該溝に沿う形にて線状又は環状の貴金属又は貴金属合金
からなる貴金属電極部材を巻き、さらに、その巻かれた
状態にてそれら軸状部材及び貴金属電極部材を溶接させ
て、側周面表層部において周方向に貴金属又は貴金属合
金からなる前記耐火花消耗用金属部材が備えられた前記
接合体を形成する請求項1に記載のスパークプラグの製
造方法。 - 【請求項7】 前記先端部形成工程において、前記除去
加工によって前記縮径部を形成させるとともに前記耐火
花消耗用金属部材によって前記凸部を形成させる請求項
6に記載のスパークプラグの製造方法。 - 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかの製造方法
を用いて製造されたスパークプラグであって、前記セミ
沿面接地電極と対向する前記中心電極の表面において前
記凸部頂点に跨る領域に前記耐火花消耗用金属部材が備
えられることを特徴とするスパークプラグ。
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JP2001069155A JP4746192B2 (ja) | 2001-03-12 | 2001-03-12 | スパークプラグの製造方法及びスパークプラグ |
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WO2009125724A1 (ja) * | 2008-04-09 | 2009-10-15 | 日本特殊陶業株式会社 | 内燃機関用スパークプラグ |
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- 2001-03-12 JP JP2001069155A patent/JP4746192B2/ja not_active Expired - Fee Related
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