JP2002270182A - 非水電解液二次電池 - Google Patents
非水電解液二次電池Info
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Abstract
ル特性に優れた非水電解液二次電池を提供する。 【解決手段】 正極又は負極の結着剤として、重量平均
分子量が150000から220000のホモポリマー
に重量平均分子量が250000以上のホモポリマーを
含有させたものを用いた。重量平均分子量が25000
0以上のホモポリマーの質量を重量平均分子量が150
000から220000のホモポリマーの質量に対して
10〜60質量%とした。
Description
に係り、特に、マンガン複合酸化物、導電剤及び結着剤
を含む正極合剤と、炭素材及び結着剤を含む負極合剤と
を用いた非水電解液二次電池に関する。
イオン電池は、高エネルギー密度であるメリットを活か
して、主にVTRカメラやノート型パソコン、携帯電話
などのポータブル機器に使用されている。近年は電気自
動車用や電力貯蔵用を目的とする、大形のリチウムイオ
ン電池の研究開発が活発に行われている。特に、自動車
産業界においては環境問題に対応すべく、動力源として
モータを用いる方式の電気自動車(EV)や、動力源と
して内燃機関とモータとの両方を用いるハイブリッド方
式の電気自動車(HEV)の開発が進められており、そ
の一部はすでに実用化されている。このような非水電解
液二次電池では、高容量、高出力で、高寿命が求められ
ている。
リチウム遷移金属化合物が用いられている。中でも容量
やサイクル特性等のバランスからコバルト複合酸化物が
用いられているが、原料であるコバルトの資源量が少な
くコスト高となることから、EVやHEV用の電池材料
としてはマンガン複合酸化物が有望視されている。この
ような正極活物質は、正極活物質の導電性を高める導電
剤や正極集電体から正極活物質の剥離・脱落を防止する
結着剤と共に均一に混練されて正極合剤として用いられ
る。
は炭素材が用いられている。炭素材としては、一般に、
天然黒鉛や鱗片状、塊状等の人造黒鉛、メソフェーズピ
ッチ系黒鉛等の黒鉛系材料とフルフリルアルコール等の
フラン樹脂等を焼成した非晶質炭素材料が用いられてい
る。負極活物質も、正極と同様に、負極活物質の導電性
を高める導電剤や負極集電体から負極活物質の剥離・脱
落を防止する結着剤と共に均一に混練されて負極合剤と
して用いられる。
から活物質が剥離・離脱すると、サイクル特性の低下を
招き、短寿命となってしまうので、正負極合剤に含有さ
れる結着剤を慎重に選定する必要がある。特に、大型の
非水電解液二次電池の場合には、集電体の面積が大きく
なり、更に、車載される場合には振動も加わることか
ら、通常用いられている結着剤を使用しても設計通りに
集電体と正負極合剤との結着性を維持することが難し
い。
質の結着性が確保され、サイクル特性に優れた非水電解
液二次電池を提供することを課題とする。
に、本発明は、マンガン複合酸化物、導電剤及び結着剤
を含む正極合剤と、炭素材及び結着剤を含む負極合剤と
を用いた非水電解液二次電池において、前記正極合剤及
び前記負極合剤の少なくともいずれか一方に含まれる結
着剤が、重量平均分子量が150000から22000
0のホモポリマーに重量平均分子量が250000以上
のホモポリマーを含有することを特徴とする。本発明で
は、重量平均分子量が150000から220000の
ホモポリマーに重量平均分子量が250000以上のホ
モポリマーを含有させた結着剤を正極合剤及び負極合剤
の少なくともいずれか一方に用いることで、集電体に塗
着された合剤が集電体から剥離しずらくなり、経時によ
っても集電体と活物質との密着性が維持される。このた
め、サイクル特性に優れた非水電解液二次電池を得るこ
とができる。この場合において、重量平均分子量が25
0000以上のホモポリマーの質量が、重量平均分子量
が150000から220000のホモポリマーの質量
に対して10質量%から60質量%であることが好まし
い。
V用電気自動車に搭載される大型の円筒型リチウムイオ
ン電池に適用した実施の形態について説明する。
平均分子量が150000から220000のホモポリ
マーとして、SOLVAY社製、製品名:SOLEF1
012のポリフッ化ビニリデン(以下、結着剤Aとい
う。)と、重量平均分子量が250000以上のホモポ
リマーとして、SOLVAY社製、製品名:SOLFE
6020のポリフッ化ビニリデン(以下、結着剤Bとい
う。)と、を使用した。
Mn2O4)粉末と、導電剤としてのアセチレンブラッ
ク及び鱗片状黒鉛(平均粒径:20μm)と、結着剤A
に結着剤Bを後述する所定割合で含有させた結着剤と
を、質量比で85:10:5とし、この混合物に分散溶
媒としてN−メチル−2−ピロリドンを添加した後、混
練してスラリを作製した。このスラリを、厚さ20μm
のアルミニウム箔(正極集電体)の両面に塗着して正極
合剤層とした。スラリの塗着の際に、正極活物質塗着量
を250g/m2とし、アルミニウム箔の長寸方向に対
して側縁の一方に幅50mmの未塗着部分を残した。そ
の後、乾燥、プレス、裁断して幅300mm、所定長さ
の正極板を得た。その合剤層のかさ密度は2.65〜
2.8g/cm3に調整した。アルミニウム箔に形成し
た幅50mmの未塗着部の一部を除去し、矩形状の部分
を形成して正極集電用のリード片9(図1参照)として
用いた。なお、リード片9の幅を約10mm、隣り合う
リード片9の間隔を約20mmとした。
商品名:カーボトロンP)90重量部に、結着剤Aに結
着剤Bを後述する所定割合で含有させた結着剤を10重
量部添加し、これに分散溶媒のN−メチル−2−ピロリ
ドンを添加後、混練してスラリを作製した。このスラリ
を、厚さ10μmの圧延銅箔(負極集電体)の両面に塗
着した。なお、スラリの塗着量は60g/m2でスラリ
の塗着の際に、銅箔の長寸方向に対して側縁の一方に幅
50mmの未塗着部を残した。その後乾燥、プレス、裁
断して幅305mm、所定長さの負極板を得た。負極合
剤層のかさ密度は0.9〜1.0g/cm3とした。銅
箔に形成した幅50mmの未塗着部に切り欠きを入れ
て、その一部を除去し、矩形状の部分を形成して負極集
電用のリード片9として用いた。なお、リード片9の幅
を約10mm、隣り合うリード片9の間隔を約20mm
とした。
結着剤Bの質量を、結着剤Aの質量に対して10質量%
〜60質量%の範囲とした。また、正極板及び負極板の
活物質の仕込み量は、次のようにして決定した。すなわ
ち、セパレータを介して対向する単位面積あたりの仕込
み量は、正極板の充電終止電位4.5V(vs.Li/
Li+)までの充電が可能な容量と、負極板の終止電圧
0V(vs.Li/Li+)までの充電が可能な容量が
ほぼ同じになるようにした。なお、正極用活物質である
マンガン酸リチウムは、単位重量あたりの充電が可能な
容量は105mAh/gであり、負極用活物質であるカ
ーボトロンPの充電が可能な容量は450mAh/gで
あった。
レン製セパレータを挟んだ状態で中空円筒状の軸芯14
を中心に捲回して捲回群6を作製した。このとき、正極
集電用のリード片9と負極集電用のリード片9とが、そ
れぞれ捲回群6の反対側に位置するように捲回した。ま
た、正極板の塗着部が、対向する負極板の塗着部からは
み出すとリチウムイオン電池の放電特性や安全性が低下
するので、正極板と負極板とをセパレータを介して捲回
するときに、負極板から先に巻き始めるとともに、最外
周も正極板よりも負極板の方が長くなるようにした。こ
のため、負極板の長さを正極板の長さよりも約18cm
長くした。正極板及び負極板の幅方向においても、正極
用活物質の塗着部と負極用活物質の塗着部と対向に位置
ズレが起きないように、負極用活物質の塗着部の幅を、
正極用活物質の塗着部の幅よりも約5mm大きくした。
捲回終了時に正極板、負極板及びセパレータを切断する
ことにより、捲回群6の直径を65±01mmとした。
いるリード片9を、集めて束にした状態で折り曲げて変
形させた後、正極外部端子1aに形成された鍔部7に接
触させた。そして、リード片9と鍔部7とを、超音波溶
接装置を用いて溶接して電気的に接続した。なお、負極
板についても同様に、リード片9と負極外部端子1bに
形成された鍔部7とを超音波溶接して電気的に接続し
た。
外部端子1bの鍔部7及び捲回群6の外周面全体を絶縁
被覆8で覆った。この絶縁被覆8として、片面にヘキサ
メタアクリレートからなる粘着剤を塗着したポリイミド
製の粘着テープを用いた。捲回群6の外周部分が絶縁被
覆8で覆われ、ステンレス製の電池容器5の内径よりも
僅かに小さくなるように粘着テープの巻き数を調整した
後、捲回群6を電池容器5内に挿入した。すなわち、後
述するように正極合剤層の組成を変えることによる、捲
回群6直径の多少のバラツキに対して、粘着テープの巻
き数で調整した。なお、電池容器5は、外形が67m
m、内径が66mmの円筒形状を有している。
の厚さが2mm、内径16mm、外径25mmの第2の
セラミックワッシャ3bを、正極外部端子1a及び負極
外部端子1bのそれぞれの先端に嵌め込んだ。そして、
厚さ2mm、内径16mm、外径28mmの板状の第1
のセラミックワッシャ3aを電池蓋4に載置し、正極外
部端子1a、負極外部端子1bのそれぞれを第1のセラ
ミックワッシャ3aに通した。
電池容器5の開口部に嵌合し、電池蓋4と電池容器5の
接触部分の全域をレーザ溶接した。このとき、正極外部
端子1a、負極外部端子1bは、電池蓋4の中心に形成
された穴を貫通して外部に突出している。そして、第1
のセラミックワッシャ3a、金属製のナット2の底面よ
りも平滑な金属ワッシャ11を、この順に正極外部端子
1a、負極外部端子1bのそれぞれに嵌め込んだ。電池
蓋4には、電池の内部圧力の上昇に応じて開裂する開裂
弁10が設けられており、その開裂圧力は12.7〜1
7.6×102kPa(13〜18kg/cm2)とし
た。
端子1bにそれぞれ螺着し、第2のセラミックワッシャ
3b、第1のセラミックワッシャ3aを介して電池蓋4
を鍔部7とナット2の間で締め付けて固定した。このと
きの締め付けトルク値は、6.86N・mとした。電池
蓋4の裏面と鍔部7の間に介在させたゴム製(EPDM
製)のOリング12を締め付け時に圧縮することによ
り、電池容器5内部の発電要素等は外気から遮断され
る。
の電解液を電池容器5内に注入した後、注液口13を封
止することにより円筒型リチウムイオン電池20を完成
させた。電解液には、エチレンカーボネート、ジメチル
カーボネート、ジエチルカーボネートを体積比1:1:
1の割合で混合した後、6フッ化リン酸リチウム(Li
PF6)を1mol/l溶解した有機電解液(非水電解
液)を用いた。なお、円筒型リチウムイオン電池20に
は、電池内部の圧力上昇に応じて作動する電流遮断機構
は設けられていない。
は負極合剤に含有される結着剤を種々変更して作製した
実施例の電池について説明する。なお、比較のために作
製した比較例の電池についても併記する。
示すように、実施例1〜実施例3及び比較例1、比較例
2では、正極合剤中の結着剤(表1以下の表中ではバイ
ンダと表記)を5質量%とした。この結着剤は、結着剤
Bの質量を結着剤Aの質量に対してそれぞれ10質量
%、40質量%、60質量%、0質量%(結着剤Bを含
有せず)、70質量%としたものである。一方、負極合
剤中の結着剤は10質量%とし、結着剤Bを含有させ
ず、結着剤Aのみを用いた。
示すように、実施例4〜実施例6及び比較例1、比較例
3では、負極合剤中の結着剤を10質量%とした。この
結着剤は、結着剤Bの質量を結着剤Aの質量に対してそ
れぞれ10質量%、40質量%、60質量%、0質量%
(結着剤Bを含有せず)、70質量%としたものであ
る。一方、正極合剤中の結着剤は5質量%とし、結着剤
Bを含有させず、結着剤Aのみを用いた。
7では、正極合剤中の結着剤を3質量%とした。この場
合、マンガン酸リチウム粉末、導電材及び結着剤の質量
比は87:10:3となる。この結着剤は、結着剤Bの
質量を結着剤Aの質量に対して40質量%としたもので
ある。一方、負極合剤中の結着剤は10質量%とし、結
着剤Bを含有させず、結着剤Aのみを用いた。
8では、負極合剤中の結着剤を7質量%とした。この場
合、非晶質炭素粉末及び結着剤の質量比は93:7とな
る。この結着剤は、結着剤Bの質量を結着剤Aの質量に
対して40質量%としたものである。一方、正極合剤中
の結着剤は5質量%とし、結着剤Bを含有させず、結着
剤Aのみを用いた。なお、表3には、参考のため、上述
した実施例2、5を併記する。
比較例の各電極及び電池について、次に述べる密着強度
試験及び充放電サイクル試験を行った。
を25mm幅の両面テープでテーブルに固定し、集電体
のみを10cm/minの速度で引き上げ、集電体から
活物質を強制的に剥離するために要する力(mN/25
mm)を測定した。
ついて、25°Cにて、以下の条件で初期の充放電試験
を行って放電容量を測定した。 充電条件:4.2V(定電圧充電)、80A(制限電
流)、3.5h、25°C 放電条件:20A(定電流放電)、終止電圧2.5V、
25°C
25°Cにて、上記と同条件で充放電サイクル試験を
し、200サイクル目の放電容量を測定した。更に、2
00サイクルの充放電サイクル試験に供した電池を解体
し、電極の状態を目視観察した。
す。表1、2に示すように、実施例1〜6の電池は比較
例1〜3の電池に比べ、良好なサイクル特性を示た。2
00サイクル後の電池を解体し、電極の状態を確認した
結果、実施例1〜8の電極は活物質の集電体からの剥離
もなく良好であったが、比較例2、3の電極では結着剤
の膨潤による剥離が生じていた。
電池では、結着剤Bの添加により集電体と活物質の密着
性が高められるため、結着剤の含有量を低減できる代わ
りに活物質を増加させることができるので、初期容量が
高く良好な試験結果を示した。なお、表中への記載を省
略したが、実施例7の正極と実施例8の負極との組み合
わせにおいても良好な結果を示した。
なくともいずれか一方に含有される結着剤に、重量平均
分子量が150000から220000のホモポリマー
に対して重量平均分子量が250000以上のホモポリ
マーを10質量%〜60質量%含有させることで、集電
体からの活物質の剥離や結着剤の膨潤が少なくなるため
に集電体への活物質の密着性が向上し、サイクル特性に
優れた電池を得ることができる。
フッ化ビニリデンを例示したが、テフロン(登録商
標)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、
ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレン・ブタジエンゴ
ム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセル
ロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビ
ニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化ク
ロロプレン等の重合体やこれらの混合物を結着剤として
使用した場合にも同様にサイクル特性に優れた電池とす
ることができる。
マンガン酸リチウムを用いた例を示したが、リチウム・
コバルト複合酸化物やリチウム・ニッケル複合酸化物な
ども使用することができる。また、負極用活物質とし
て、天然黒鉛、人造黒鉛、コークスなどの炭素質材料等
も使用でき、それらの粒子形状においても特に制限され
るものではない。
質にLiPF6を例示したが、これ以外にLiCl
O4、LiAsF6、LiBF4、LiB(C6H5)
4、CH 3SO3Li、CF3SO3Li等やこれらの
混合物を用いることができる。また、有機溶媒として
は、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、
1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタ
ン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3
−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、
ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、ア
セトニトリル、プロピオニトニル、または、これらの2
種類以上の混合溶媒も用いることができる。
ウムイオン電池を例示したが、有底筒状の電池容器を用
い、上蓋をかしめによって封口する比較的小形のリチウ
ムイオン電池でも同様の良好な結果が得られた。
アクリレートからなる粘着剤を塗着したポリイミド製の
粘着テープを絶縁被覆に用いた例を示したが、これに制
限されるものではない。すなわち、ポリプロピレンやポ
リエチレン等のポリオレフィンの片面又は両面にヘキサ
メタアクリレートやブチルアクリレート等のアクリル系
粘着剤を塗着した粘着テープや、粘着剤を塗着しないポ
リオレフィンやポリイミドからなるテープなども同様に
使用することができる。
重量平均分子量が150000から220000のホモ
ポリマーに重量平均分子量が250000以上のホモポ
リマーを含有させた結着剤を正極合剤及び負極合剤の少
なくともいずれか一方に用いることで、集電体に塗着さ
れた合剤が集電体から剥離しずらくなり、経時によって
も集電体と活物質との密着性が維持されるので、サイク
ル特性に優れた非水電解液二次電池を得ることができ
る、という効果を得ることができる。
円筒型リチウムイオン電池の断面図である。
池)
Claims (2)
- 【請求項1】 マンガン複合酸化物、導電剤及び結着剤
を含む正極合剤と、炭素材及び結着剤を含む負極合剤と
を用いた非水電解液二次電池において、前記正極合剤及
び前記負極合剤の少なくともいずれか一方に含まれる結
着剤が、重量平均分子量が150000から22000
0のホモポリマーに重量平均分子量が250000以上
のホモポリマーを含有することを特徴とする非水電解液
二次電池。 - 【請求項2】 前記重量平均分子量が250000以上
のホモポリマーの質量が、前記重量平均分子量が150
000から220000のホモポリマーの質量に対して
10質量%から60質量%であることを特徴とする請求
項1に記載の非水電解液二次電池。
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