JP2002266735A - 車両の点火制御装置 - Google Patents

車両の点火制御装置

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JP2002266735A
JP2002266735A JP2001065900A JP2001065900A JP2002266735A JP 2002266735 A JP2002266735 A JP 2002266735A JP 2001065900 A JP2001065900 A JP 2001065900A JP 2001065900 A JP2001065900 A JP 2001065900A JP 2002266735 A JP2002266735 A JP 2002266735A
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vehicle speed
control
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JP2001065900A
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Kazuo Nakamura
和男 中村
Shinji Doi
伸二 土井
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の後進時にエンジン回転や車速に脈動を
起さず走行フィーリングを向上させ、適切な失火制御に
より十分なエンジン出力を得て段差を安定して乗り越え
ることができる車両の点火制御装置を提供する。 【解決手段】 車速検出手段と、点火装置と、前後進切
換装置とを備え、前記前後進切換装置が前進側に切換え
られているとき、前記点火装置に対して通常の点火制御
を行い、前記前後進切換装置が後進側に切換えられてい
るとき、車速に基づいて前記点火装置を車速マップ失火
制御し、この車速マップ失火制御は、前記車速検出手段
によって検出された車速が大きい程、失火率が大きくな
るように前記車速に応じて失火率を増減するように構成
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の点火制御装
置に関し、特に後進時の失火制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】酪農その他各種屋外作業用または屋内作
業用として、あるいはレジャースポーツ用として、一般
道路以外の限られた敷地内でのみ走行する特殊車両(A
TV)が用いられている。このような車両では、特に後
進時に低速で安定した走行状態とするためにエンジンを
所定の失火率で失火させる点火制御が行われる。
【0003】図6および図7は、それぞれ従来のマニュ
アルクラッチ式車両およびオートマチッククラッチ式車
両のエンジン点火装置のフローチャートである。
【0004】図6のマニュアルクラッチ式車両のフロー
の各ステップの動作は以下のとおりである。 ステップa1:前後進シフト位置を検出するリバースス
イッチにより前進か後進かを判別する(リバーススイッ
チがOFFのとき後進)。 ステップa2:後進時に、クラッチが切断されているか
接続されているかを検出するクラッチ断接スイッチによ
りクラッチ状態を判別する(クラッチ検出スイッチ(ク
ラッチレバー)がOFFのときクラッチ接続)。
【0005】ステップa3:クラッチ接続状態で、エン
ジン回転数(回転速度)の検出データから回転数NをN
1と比較する。 ステップa4:回転数NがN1rpm以上のとき、この
回転数N1がt秒間継続したかどうかを判別する。 ステップa5:t秒経過後、車速を検出する車速検出セ
ンサからの検出データにより車速Vを判別する。V≦v
0ならステップa6に進み、V≧v1ならステップa8
に進み、v0<V<v1ならステップa13に進む。
【0006】ステップa6:車速Vが0または0に近い
低速値のとき(V≦v0≒0)、車速センサが故障また
は断線等でセンサ異常と判断し、エンジン回転数Nに基
づいて点火制御を行う。N≧N1ならステップa7に進
み、N<N1ならステップa14に進む。 ステップa7:エンジン回転数に応じて予め失火率を設
定した回転数マップに基づいて点火制御する回転数マッ
プ失火制御を行う。 ステップa8:車速に応じて予め失火率を設定した車速
マップに基づいて点火制御する車速マップ失火制御を行
う。 ステップa9〜a14:失火制御を伴わない通常の点火
制御を行う。
【0007】図7のオートマチッククラッチ式車両のフ
ローの各ステップの動作は以下の通りである。 ステップb1:前後進シフト位置を検出するリバースス
イッチにより前進か後進かを判別する(リバーススイッ
チがOFFのとき後進)。 ステップb2:後進時、エンジン回転数NがN2rpm
以上で且つこれがt2秒間継続したかどうかを判別す
る。
【0008】ステップb3:エンジン回転数Nと車速V
のデータを、例えばエンジン回転数検出センサおよび車
速検出センサからそれぞれECU(電子制御装置)等に
送信されECU内のメモリに格納された検出データから
読み出す。 ステップb4:エンジン回転数Nおよび車速Vを判別す
る。回転数NがN1rpm以上で且つ車速Vがv1Km
/h未満であればステップb5に進み、NがN1rpm
以上で且つVがv1km/h以上であればステップb7
に進み、NがN1rpm未満であればステップb8に進
む。
【0009】ステップb5:エンジン回転数NをN1よ
り大きいN2と比較し、また車速Vをv1より小さいv
0と比較する。NがN2以上で且つVがv0以下であれ
ばステップb6に進み、Vがv0より大きければステッ
プb7に進み、NがN2より小さくて且つVがv0以下
であればステップb8に進む。
【0010】ステップb6:車両が走行している状態で
あるにも拘らず車速Vが0または0に近い低速値(V≦
v0≒0)であるため、車速センサが故障または断線等
でセンサ異常と判断し(断線モード)、エンジン回転数
Nに基づいて回転数マップ失火制御を行う。 ステップb7:車速に基づいて車速マップ失火制御を行
う。 ステップb8:失火制御を伴わない通常の点火制御を行
う。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の点火制御装置のフローにおいては以下のような問題
点がある。 (1)マニュアルクラッチ式車両の場合:
【0012】上記図5のフローチャートに示したよう
に、後進時、走行クラッチが接続されている場合におい
て、エンジン回転数NがN1以上の状態がt秒間経過す
るまでは通常の点火制御が行われる。しかし、t秒間経
過し、車速がv1以上になると、点火装置が失火制御さ
れるので、車速がv1より低下する。これによって失火
制御が解除され、通常の点火制御に復帰するため、車速
が再びv1以上になる。このような状態が繰返される
と、エンジン回転、延いては車速が脈動変化するので、
走行フィーリングが悪くなる。
【0013】走行クラッチの切断/接続を検出するク
ラッチ断接検出スイッチが、クラッチの切断状態(非接
続)を検出していても、クラッチ断接検出スイッチの作
動子とクラッチ操作レバーとの位置関係の調整具合によ
っては、実際はいわゆる半クラッチ状態の場合がある。
このような場合の点火装置は、通常の点火制御が行われ
る。したがって、この半クラッチ状態でエンジン高回
転、高速走行が可能となるので、クラッチの耐久性上好
ましくない。また、半クラッチ状態では、検出スイッチ
が接続状態か非接続状態かを一定して検出できず、クラ
ッチ状態判別結果が安定しなくなり、点火制御の信頼性
が低下する。
【0014】(2)オートマチッククラッチ式車両の場
合:
【0015】例えば、車両が段差を乗り越えようとして
いる場合において、乗り越える前は、エンジン回転速度
はN2以上であるにも拘らず車速がv0(極低速)以下
である場合がある。この場合の点火装置は、回転数マッ
プ失火制御が行われるため、十分なエンジン出力が得ら
れず車両は段差を乗り越えることができない。
【0016】本発明は上記従来技術を考慮したものであ
って、車両の後進時にエンジン回転や車速に脈動を起さ
ず走行フィーリングを向上させ、適切な失火制御により
十分なエンジン出力を得て段差を安定して乗り越えるこ
とができる車両の点火制御装置の提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、車速検出手段と、点火装置と、前後進
切換装置とを備え、前記前後進切換装置が前進側に切換
えられているとき、前記点火装置に対して通常の点火制
御を行い、前記前後進切換装置が後進側に切換えられて
いるとき、車速に基づいて前記点火装置を車速マップ失
火制御し、この車速マップ失火制御は、前記車速検出手
段によって検出された車速が大きい程、失火率が大きく
なるように前記車速に応じて失火率を増減するように構
成されたことを特徴とする車両の点火制御装置を提供す
る。
【0018】この構成によれば、前後進切換装置が後進
側に切換えられているとき、車速に応じて失火率を増減
する失火制御を行うようにしているため、エンジン回転
や車速が脈動を起すことはなく、走行フィーリングが損
なわれない。
【0019】また、車両が段差を乗り越える場合、段差
を乗り越える前は、まだ車速が0または0に近いため、
失火率は小さく、したがって十分なエンジン出力を得る
ことができ、安定して段差を乗り越えることができる。
【0020】好ましい構成例では、前記車速マップ失火
制御は、前記車速検出手段によって検出された車速が予
め設定された閾値以上のとき、前記車速に応じて失火率
を増減し、前記車速が前記閾値より小さいとき、0また
は0に近い失火率により点火制御を行うことを特徴とし
ている。
【0021】この構成によれば、車速が予め設定された
閾値になるまでは、0または0に近い失火率により点火
制御されるので、十分なエンジン出力が得られ支障なく
安定して後進走行ができる。
【0022】別の好ましい構成例では、マニュアルクラ
ッチ式の車両であって、走行クラッチの切断/接続を検
出するクラッチ断接検出手段を備え、エンジン回転数を
検出するエンジン回転数検出手段を備え、前記前後進切
換装置が後進側に切換えられている状態において、前記
クラッチ断接検出手段により前記走行クラッチが接続さ
れていると検出されているにも拘らず前記車速検出手段
によって検出された車速が0または0に近い低速値であ
り、かつ、前記エンジン回転数検出手段によって検出さ
れた回転数が予め設定された値以上のとき、この回転数
に基づいて前記点火装置を回転数マップ失火制御し、こ
の回転数マップ失火制御は、前記エンジン回転数検出手
段によって検出された回転数が大きい程、失火率が大き
くなるように前記回転数に応じて失火率を制御するよう
に構成されたことを特徴としている。
【0023】この構成によれば、車速検出手段に何らか
の異常が発生して正常に車速を検出できなくなっても、
その場合は、エンジン回転数に基づいて点火装置が点火
制御されるので、支障なく後進時の速度制御が行われ
る。
【0024】さらに好ましい構成例では、前記回転数マ
ップ失火制御は、前記エンジン回転数検出手段によって
検出された回転数が、予め設定された閾値以上のとき、
前記回転数に応じて失火率を増減する制御を行い、前記
回転数が前記閾値より小さいとき、0または0に近い失
火率により点火制御を行うことを特徴としている。
【0025】この構成によれば、エンジン回転数が予め
設定された閾値になるまでは、0または0に近い失火率
により点火制御されるので、十分なエンジン出力が得ら
れ支障なく安定して後進走行ができる。
【0026】さらに好ましい構成例では、クラッチ接続
状態で、所定のエンジン回転数以上でかつ所定の車速以
下の場合に、回転数マップ失火制御の状態かどうかを判
別し、該状態のときはそのまま回転数マップ失火制御を
行い、該状態以外のときは前記所定の回転数以上で所定
時間継続したかどうかを判別し、該所定時間継続してい
れば前記回転数マップ失火制御を行い、該所定時間未満
であれば前記車速マップ失火制御を行うことを特徴とし
ている。
【0027】この構成によれば、後進開始時(通常点火
制御時)に最初の制御サイクルで車速が0または0に近
い低速値のとき所定時間経過までは車速マップ失火制御
を行って出力を高め(低速であるため失火率が0または
0に近い)、次の制御サイクルで所定時間経過していて
もまだ極低速であれば車速検出手段の異常と判断して回
転数マップ失火制御を行う。これにより、車速検出手段
が異常状態であっても、最初は回転数マップ失火制御を
行わずに出力を確保し、その後回転数マップ失火制御に
移行して車速検出手段の異常に対処することができ、段
差を乗り越える十分な出力が得られ後進時の安定した走
行が達成される。
【0028】別の好ましい構成例では、オートマチック
クラッチ式車両であって、エンジン回転数を検出するエ
ンジン回転数検出手段を備え、前記前後進切換装置が後
進側に切換えられている状態において、前記エンジン回
転数検出手段によって検出された回転数が予め設定され
た第1の値より大きい値であるにも拘らず前記車速検出
手段によって検出された車速が0または0に近い低速値
の場合、前記回転数が予め設定された前記第1の値より
大きい第2の値以上の状態が所定の時間だけ継続するま
では、前記車速マップ失火制御を行い、前記所定時間以
上継続したときは、エンジン回転数に基づく失火制御を
行うことを特徴としている。
【0029】この構成によれば、オートマチッククラッ
チ式車両において、車速検出手段に何らかの異常が発生
して正常に車速を検出できなくなっても、その場合は、
自動的にエンジン回転数に基づいて点火装置が失火制御
されるので、支障なく後進時の速度制御が行われる。
【0030】この場合、回転数が予め定めた第2の速度
値(第1の速度値より大きい値)より大きい状態が所定
の時間だけ継続するまでは、前記車速に応じて失火制御
を行うようにしたので、車両は段差を支障なく乗り越え
ることができる(段差を乗り越えるまでは、車速は0ま
たは0に近いので、失火率が0または0に近く実際は失
火制御が殆ど行われていない)。
【0031】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態について説明する。図1は、本発明に係る車両構
成の一例を示すブロック図である。
【0032】エンジン1は、上部に点火プラグ2を備
え、ピストン3に連結されたクランク軸4を有し、クラ
ンク軸4の端部にフライホイール5が装着される。クラ
ンク軸4は、マニュアル式クラッチ6aまたはオートマ
チック式クラッチ6bからなるクラッチ6を介して前後
進切換え及び変速機構7に接続される。なお、図ではマ
ニュアルクラッチ6aとオートマチッククラッチ6bを
両方描いてあるが、実際は何れか一方が装着される。前
後進切換え及び変速機構7は、例えば後輪9の駆動軸8
に連結され車両10を走行させる。
【0033】フライホイール5に近接してピックアップ
コイル11が設けられ、クランク回転角度位置を検出す
る。ピックアップコイル11は、CDIユニット(点火
制御装置)12に接続され、クランク回転角度に応じて
点火コイル13を駆動し点火プラグ2を所定の点火タイ
ミングで点火させる。CDIユニット12は、ECU
(電子制御装置)14に接続され、運転状態に応じて点
火時期制御される。ピックアップコイル11はエンジン
回転数センサ15に接続され、クランク軸回転に基づき
エンジン回転速度(回転数)が検出される。
【0034】マニュアルクラッチ6aにはクラッチの断
接を検出するクラッチスイッチ16が備わる。前後進切
換え及び変速機構7には前後進の切換えを検出するリバ
ーススイッチ17が備わる。駆動軸8には、車速を検出
するスピードセンサ18が備わる。これらのエンジン回
転数センサ15、クラッチスイッチ16、リバーススイ
ッチ17およびスピードセンサ18は、ECU14に接
続され、ECU14はこれらの検出信号に基づいて後述
のように点火制御を行う。
【0035】図2は、本発明の実施形態に係るマニュア
ルクラッチ式車両の点火装置のフローチャートである。
運転制御の初期モードは、失火制御を伴わない通常の点
火制御モードである。各ステップの動作は以下のとおり
である。
【0036】ステップc1:スピードセンサ(車速検出
手段)の断線を判別する。これは、例えばエンジン回転
数NがN≧N3rpmの状態を時間t3秒間継続する間
に、スピードパルス入力がない場合にスピードセンサの
断線やセンサ自体の故障等の異常発生と判別するもので
ある。 ステップc2:後進状態を表示するリバースインジケー
タを点滅させてセンサ異常を報知する。
【0037】ステップc3:前後進シフト位置を検出す
るリバーススイッチにより前進か後進かを判別する(リ
バーススイッチがOFFのとき後進、ONで前進)。 ステップc4:後進時に、クラッチが切断されているか
接続されているかを検出するクラッチ断接スイッチによ
りクラッチ状態を判別する(クラッチ検出スイッチ(ク
ラッチレバー)がOFFのときクラッチ接続、スイッチ
がONのときクラッチが切れる)。
【0038】ステップc5:エンジン回転数Nの上限を
NMAXとしてリミット制御する。これは例えばクラッチ
を切った状態で空吹かし運転等を行う場合である。この
とき、車速に基づく車速マップ失火制御を行ってもよ
い。 ステップc6:車速を検出する車速検出センサ(スピー
ドセンサ)からの検出データにより車速Vを判別する。
V<v0(Km/h)であればステップc7に進み、V
≧v0ならステップc9に進む。
【0039】ステップc7:エンジン回転数Nを判別す
る。N≧N1rpmであればステップc8に進み、N<
N1であればステップc11に進む。 ステップc8:クラッチ接続状態における上記ステップ
c7で回転数が高くて車速がほぼ0を示す場合であり、
このような状態は車速センサの異常と判別し、断線モー
ドの運転制御を行う。この断線モードは、エンジン回転
数に応じて予め失火率を設定した回転数マップに基づく
回転数マップ失火制御を行う。この回転数マップ失火制
御のマップは、例えばデータ数nをn=8として平均回
転数を算出する。
【0040】ステップc9:クラッチ接続状態における
上記ステップc6で車速が適正に検出されている場合で
あり、車速に応じて予め失火率を設定した車速マップに
基づく車速マップ失火制御を行う。 ステップc10,c11:失火制御を伴わない通常の点
火制御を行う。
【0041】図3は、本発明に係るマニュアルクラッチ
式車両の点火制御装置の別の実施形態のフローチャート
である。運転制御の初期モードは、失火制御を伴わない
通常の点火制御モードである。各ステップの動作は以下
のとおりである。
【0042】ステップd1:スピードセンサ(車速検出
手段)の断線を判別する。これは、例えばエンジン回転
数NがN≧N3rpmの状態を時間t3秒間継続する間
に、スピードパルス入力がない場合にスピードセンサの
断線やセンサ自体の故障等の異常発生と判別するもので
ある。 ステップd2:後進状態を表示するリバースインジケー
タを点滅させてセンサ異常を報知する。
【0043】ステップd3:前後進シフト位置を検出す
るリバーススイッチにより前進か後進かを判別する(リ
バーススイッチがOFFのとき後進、ONで前進)。 ステッd4:後進時に、クラッチが切断されているか接
続されているかを検出するクラッチ断接スイッチにより
クラッチ状態を判別する(クラッチ検出スイッチ(クラ
ッチレバー)がOFFのときクラッチ接続、スイッチが
ONのときクラッチが切れる)。
【0044】ステップd5:エンジン回転数Nの上限を
NMAXとしてリミット制御する。これは例えばクラッチ
を切った状態で空吹かし運転等を行う場合である。この
とき、車速に基づく車速マップ失火制御を行ってもよ
い。 ステップd6:エンジン回転数がN4以上で且つ車速が
v0以下の状態かどうかを判別する。この状態であれば
ステップd7に進み、これ以外の状態であればステップ
d10に進む。
【0045】ステップd7:現時点の点火制御モードの
フラグチェックを行う。ここでは、断線モードかそれ以
外のモードかを判別する。断線モード、すなわちスピー
ドセンサが異常で車速に基づく車速マップ失火制御がで
きず、これに代えて回転数マップ失火制御を行っている
状態のときはステップd9に進み、断線モード以外のと
きにはステップd8に進む。なお、最初の制御サイクル
は初期モードであり、通常点火の制御モード(ステップ
d11)である。
【0046】ステップd8:上記ステップd6のN4以
上のエンジン回転数の状態がt4秒以上継続したかどう
かを判別する。 ステップd9:エンジン回転数に応じて予め失火率を設
定した回転数マップに基づく回転数マップ失火制御を行
う。これは断線モードの点火制御である。
【0047】ステップd10:車速に応じて予め失火率
を設定した車速マップに基づく車速マップ失火制御を行
う。 ステップd11:失火制御を伴わない通常の点火制御を
行う。
【0048】図4は本発明の別の実施形態のフローチャ
ートである。この実施形態はオートマチッククラッチ式
車両の場合の例であり、運転制御の初期モードは、失火
制御を伴わない通常の点火制御モードである。各ステッ
プの動作は以下のとおりである。
【0049】ステップe1:スピードセンサ(車速検出
手段)の断線を判別する。これは、例えばエンジン回転
数NがN≧N3rpmの状態を時間t3秒間継続する間
に、スピードパルス入力がない場合にスピードセンサの
断線やセンサ自体の故障等の異常発生と判別するもので
ある。 ステップe2:後進状態を表示するリバースインジケー
タを点滅させてセンサ異常を報知する。
【0050】ステップe3:前後進シフト位置を検出す
るリバーススイッチにより前進か後進かを判別する(リ
バーススイッチがOFFのとき後進、ONで前進)。 ステップe4:エンジン回転数Nと車速Vのデータを、
例えばエンジン回転数検出センサおよび車速検出センサ
からそれぞれECU(電子制御装置)等に送信されEC
U内のメモリに格納された検出データから読み出す。あ
るいは直接センサからデータを取り入れてもよい。
【0051】ステップe5:上記ステップe4で読み込
んだエンジン回転数Nおよび車速VがN1rpm以上で
且つV0Km/h以下の状態かどうかを判別する。この
ような状態であればステップe6に進み、それ以外の状
態であればすべてステップe9に進む。すなわち、エン
ジン高回転で車速がほぼ0を示しているときは、車速セ
ンサの異常か、又は正常であるが実際に車速が低い場合
(後進の発進直後や段差を乗り上げるとき)であり、こ
のときはステップe6に進む。また、それ以外の状態で
は車速センサは正常と考えられ、この場合はステップe
9に進む。
【0052】ステップe6:現時点の点火制御モードの
フラグチェックを行う。ここでは、断線モードかそれ以
外のモードかを判別する。断線モード、すなわちスピー
ドセンサが異常で車速に基づく車速マップ失火制御がで
きず、これに代えて回転数マップ失火制御を行っている
状態のときはステップe8に進み、断線モード以外のと
きにはステップe7に進む。なお、最初の制御サイクル
は初期モードであり、通常点火の制御モード(ステップ
e10)である。したがって、後進開始時はステップe
7に進む。
【0053】ステップe7:エンジン回転数NがN2r
pm以上の状態がt2秒以上継続したこどうかを判別す
る。これにより、例えば車速0からの後進開始時に、t
2秒までは、低速で例えば段差を乗り越えることができ
る。t2秒を経過しても低速であれば車速センサ異常と
判断して断線モード制御(ステップe8)を行う。
【0054】ステップe8:上記ステップe7で回転数
が高くて車速がほぼ0を示す状態がt2秒以上経過した
場合であり、このような状態は車速センサの異常と判別
し、断線モードの運転制御を行う。この断線モードは、
エンジン回転数に応じて予め失火率を設定した回転数マ
ップに基づく回転数マップ失火制御を行う。本実施形態
では、回転数がN2より小さくN1より大きいN4rp
m以上のときに失火率を100%またはほぼ100%で
失火させるようにマップを構成している。
【0055】ステップe9:車速に応じて予め失火率を
設定した車速マップに基づく車速マップ失火制御を行
う。 ステップe10:失火制御を伴わない通常の点火制御を
行う。
【0056】図5(A)(B)はそれぞれ、上記図2〜
図4の点火制御装置において用いる車速マップ失火制御
および回転数マップ失火制御のマップの例を示す説明図
である。
【0057】(A)の車速マップ失火制御の場合、車速
Vが、V0,V1...Vnと増加するにしたがって、
失火率を0からη0,η1...ηnと段階的に増加さ
せている。この場合、η0=η1=・・・=ηnとし
て、所定の車速V0以上に対しては一定の失火率で点火
制御することもできる。
【0058】(B)の回転数マップ失火制御の場合、エ
ンジン回転数NがN0,N1...Nnと増加するにし
たがって、失火率を0からζ0,ζ1...ζnと段階
的に増加させている。この場合、ζ0=ζ1=・・・=
ζnとして、所定の回転数N1以上に対しては一定の失
火率で点火制御することもできる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、前後進切換装置が後進側に切換えられているとき、
車速の判別前に待ち時間を設けることなく、車速に応じ
て失火率を増減する失火制御を行うようにしているた
め、エンジン回転や車速が脈動を起すことはなく、走行
フィーリングが損なわれない。
【0060】また、車両が段差を乗り越える場合、段差
を乗り越える前は、まだ車速が0または0に近いため、
失火率は小さく、したがって十分なエンジン出力を得る
ことができ、安定して段差を乗り越えることができる。
【0061】また、車速検出手段に何らかの異常が発生
して正常に車速を検出できなくなっても、その場合は、
エンジン回転数に基づいて点火装置が点火制御されるの
で、脈動等の不具合を起すことなく、安定して後進時の
速度制御が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る点火制御装置のブロック構成
図。
【図2】 本発明の実施形態のフローチャート。
【図3】 本発明の別の実施形態のフローチャート。
【図4】 本発明のさらに別の実施形態のフローチャー
ト。
【図5】 本発明の失火制御マップの説明図。
【図6】 従来の点火制御装置のフローチャート。
【図7】 従来の別の点火制御装置のフローチャート。
【符号の説明】
1:エンジン、2:点火プラグ、3:ピストン、4:ク
ランク軸、5:フライホイール、6:クラッチ、6a:
オートマチッククラッチ、6b:マニュアルクラッチ、
7:前後進切換え及び変速機構、8:駆動軸、9:後
輪、10:車両、11:ピックアップコイル、12:C
DIユニット、13:点火コイル、14:ECU、1
5:エンジン回転数センサ、16:クラッチスイッチ、
17:リバーススイッチ、18:スピードセンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02P 9/00 304 F02P 5/15 Z Fターム(参考) 3G019 AA10 AC09 BB18 CA11 DB02 DB07 DC07 GA01 GA05 GA18 GA19 GA20 3G022 EA07 EA08 GA01 GA05 GA19 GA20 3G084 AA07 BA16 CA08 DA01 DA11 DA27 DA30 EA07 EA11 EB08 EB25 EC01 FA05 FA06 FA33 FA38 3G093 AA04 AA08 BA02 BA04 BA11 BA18 CB08 DA01 DA07 DB05 DB10 DB11 EA12 EC01 FA11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車速検出手段と、点火装置と、前後進切換
    装置とを備え、 前記前後進切換装置が前進側に切換えられているとき、
    前記点火装置に対して通常の点火制御を行い、 前記前後進切換装置が後進側に切換えられているとき、
    車速に基づいて前記点火装置を車速マップ失火制御し、 この車速マップ失火制御は、前記車速検出手段によって
    検出された車速が大きい程、失火率が大きくなるように
    前記車速に応じて失火率を増減するように構成されたこ
    とを特徴とする車両の点火制御装置。
  2. 【請求項2】前記車速マップ失火制御は、前記車速検出
    手段によって検出された車速が予め設定された閾値以上
    のとき、前記車速に応じて失火率を増減し、 前記車速が前記閾値より小さいとき、0または0に近い
    失火率により点火制御を行うことを特徴とする請求項1
    に記載の車両の点火制御装置。
  3. 【請求項3】マニュアルクラッチ式の車両であって、 走行クラッチの切断/接続を検出するクラッチ断接検出
    手段を備え、 エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段を備
    え、 前記前後進切換装置が後進側に切換えられている状態に
    おいて、前記クラッチ断接検出手段により前記走行クラ
    ッチが接続されていると検出されているにも拘らず前記
    車速検出手段によって検出された車速が0または0に近
    い低速値であり、かつ、前記エンジン回転数検出手段に
    よって検出された回転数が予め設定された値以上のと
    き、この回転数に基づいて前記点火装置を回転数マップ
    失火制御し、 この回転数マップ失火制御は、前記エンジン回転数検出
    手段によって検出された回転数が大きい程、失火率が大
    きくなるように前記回転数に応じて失火率を制御するよ
    うに構成されたことを特徴とする請求項1または2に記
    載の車両の点火制御装置。
  4. 【請求項4】前記回転数マップ失火制御は、前記エンジ
    ン回転数検出手段によって検出された回転数が、予め設
    定された閾値以上のとき、前記回転数に応じて失火率を
    増減する制御を行い、 前記回転数が前記閾値より小さいとき、0または0に近
    い失火率により点火制御を行うことを特徴とする請求項
    3に記載の車両の点火制御装置。
  5. 【請求項5】クラッチ接続状態で、所定のエンジン回転
    数以上でかつ所定の車速以下の場合に、回転数マップ失
    火制御の状態かどうかを判別し、該状態のときはそのま
    ま回転数マップ失火制御を行い、該状態以外のときは前
    記所定の回転数以上で所定時間継続したかどうかを判別
    し、該所定時間継続していれば前記回転数マップ失火制
    御を行い、該所定時間未満であれば前記車速マップ失火
    制御を行うことを特徴とする請求項3または4に記載の
    車両の点火制御装置。
  6. 【請求項6】オートマチッククラッチ式車両であって、 エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段を備
    え、 前記前後進切換装置が後進側に切換えられている状態に
    おいて、 前記エンジン回転数検出手段によって検出された回転数
    が予め設定された第1の値より大きい値であるにも拘ら
    ず前記車速検出手段によって検出された車速が0または
    0に近い低速値の場合、 前記回転数が、前記第1の値より大きい予め設定された
    第2の値以上の状態が所定の時間だけ継続するまでは、
    前記車速マップ失火制御を行い、 前記所定時間以上継続したときは、エンジン回転数に基
    づく失火制御を行うことを特徴とする請求項1または2
    に記載の車両の点火制御装置。
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