JP2001082213A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

燃料噴射制御装置

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JP2001082213A JP26386799A JP26386799A JP2001082213A JP 2001082213 A JP2001082213 A JP 2001082213A JP 26386799 A JP26386799 A JP 26386799A JP 26386799 A JP26386799 A JP 26386799A JP 2001082213 A JP2001082213 A JP 2001082213A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、燃料噴射制御装置に関し、ドライ
バの操作を必要とせずに発進性の改善を図るようにす
る。 【解決手段】 車両の発進が判定されると、燃料噴射量
補正手段7により、発進時のエンジン回転数とアイドリ
ング時のエンジン回転数との偏差分だけオートアイドル
線が補正され、燃料噴射量制御手段8により上記補正さ
れたオートアイドル線に基づいて燃料噴射量が設定され
るように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンに適用される燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種センサからの検出情報に基づ
いてディーゼルエンジンの燃料噴射量や燃料噴射時期等
を設定するようにした電子ガバナが広く普及している。
このような電子ガバナをそなえたエンジンでは、コント
ローラ(ECU)内にガバナマップが設けられており、
エンジン回転速度(エンジン回転数)とアクセル開度と
に基づいてガバナマップで基本的な燃料噴射量が設定さ
れる。
【0003】図5はエンジンの全回転速度域で調速を行
なうオールスピードガバナマップの燃料噴射量特性の一
例を示す図である。なお、図中の数字(%)はアクセル
開度を示しており、各アクセル開度に応じた特性線を以
下アクセル開度線という。ここで、各アクセル開度線の
傾きに着目すると、このアクセル開度線の傾きが大きく
なるほど(つまり、傾きが急になるほど)、エンジン回
転数の変化に対する燃料噴射量の変化が大きくなり、レ
スポンスが良くなる。しかしながら、アクセル開度線の
傾きを急激にしすぎると、エンジン回転数に対する燃料
噴射量の変化が過敏になりすぎてしまい、通常走行時に
いわゆるアクセルショックを発生するおそれがある。一
方、燃費の点ではアクセル開度線の傾斜を緩やかに設定
した方が有利である。
【0004】したがって、各アクセル開度線の傾きは、
アクセルショックの防止及び燃費悪化の防止という観点
から、一般的にアクセル開度が大きくなる程比較的緩や
かに設定されている。一方、ガバナマップには、アイド
リング時の燃料噴射量を設定するためのオートアイドル
制御特性線(オートアイドル線)が設定されている(図
5中の線a参照)。このオートアイドル制御特性線aで
はアイドル回転数付近に折れ点bが設定されており、こ
の折れ点bを境にアイドリング時の燃料噴射特性が異な
って設定されている。つまり、オートアイドル制御特性
線aの傾きは、折れ点bよりも低回転側では各アクセル
開度線よりも大きく(即ち、エンジン回転数の変化に対
して燃料噴射量の増減が大きい特性に)設定されている
のである。これにより、アイドリング時に折れ点bより
もエンジン回転数が低下すると、エンジンのストールを
防止すべく燃料噴射量が急激に増加する。
【0005】そして、ECUでは、最終的に、上記アク
セル開度線で得られる燃料噴射量と、オートアイドル制
御特性線で得られる値とを比較して、大きい方の値を燃
料噴射量として設定して燃料噴射ポンプに出力するので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両の発進
時、特にクラッチの接続時から車両が所定の速度に達す
るまでの間は、アクセル開度が一定であればエンジン回
転数は低下してしまう。そこで、このような発進時には
エンジン回転数の低下に対して素早く燃料噴射量を増大
させたい。
【0007】しかしながら、上述したように、アクセル
開度線は通常走行時を想定して設定されているため燃料
噴射量特性が緩やかであり、エンジン回転数が低下して
も徐々にしか燃料噴射量が増大していかないので発進性
が良くないという課題があった。特に、アクセル開度が
比較的大きな状態で発進する坂道発進時には、エンジン
回転数の低下が大きく、フィーリングが良くないという
課題があった。
【0008】これに対して、実開昭63−154744
号公報には、ドライバのスイッチ操作により、アクセル
開度線の傾きが異なる複数のマップから1つのガバナマ
ップを選択するようにした技術が開示されているが、こ
のような技術では、ドライバが発進の度にマップを切り
換える操作が必要となるという課題があった。本発明
は、このような課題に鑑み創案されたもので、ドライバ
の操作を必要とせずに発進性を大幅に向上させるように
した、燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
燃料噴射制御装置では、停車検出手段により車両の停止
が検出された後、変速状態検出手段により変速機が走行
可能な変速状態であることが検出され、且つクラッチ状
態検出手段によりクラッチ状態が断から接になったこと
が検出されると、発進判定手段により車両が発進したと
判定される。車両の発進が判定されると、燃料噴射量補
正手段により、エンジン回転数検出手段で検出されたエ
ンジン回転数とアイドリング時のエンジン回転数との偏
差が算出されるとともに、ガバナマップのオートアイド
ル線がこの偏差分だけ補正される。そして、燃料噴射量
制御手段により、燃料噴射量補正手段で補正されたオー
トアイドル線に基づき燃料が噴射される。これにより、
車両発進時には、オートアイドル線に基づいて燃料噴射
量が設定されるようになり、発進性が大幅に改善され
る。
【0010】また、請求項2記載の本発明の燃料噴射制
御装置では、車両発進後にガバナマップ上のアクセル開
度線による燃料噴射制御に移行すると、上記燃料噴射量
補正手段によるオートアイドル線の補正が解除される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の一実
施形態としての燃料噴射制御装置について説明すると、
図1はその要部構成を機能的に示す模式的なブロック
図、図2はその作用を説明するための図、図3はその動
作を説明するためのフローチャートである。
【0012】図1に示すように、本発明の燃料噴射制御
装置は、主に各種センサ1〜5と燃料噴射量制御手段と
してのECU9とから構成されており、ECU9内には
エンジン回転数とアクセル開度とから燃料噴射量を決定
するオールスピードガバナマップ(以下、単にガバナマ
ップという)8が設けられている。なお、ガバナマップ
8内の燃料噴射特性自体は、従来のものと同様のもので
あり、発進時以外の通常走行時には、従来と同様にして
燃料噴射量が設定されるようになっている。
【0013】そして、このガバナマップ8で燃料噴射量
が設定されると、やはり図示しない燃料噴射ポンプに制
御信号が出力されて、ラック位置制御が行なわれるよう
になっている。また、このECU9には、クラッチセン
サ(クラッチ状態検出手段)1,ニュートラルスイッチ
(変速状態検出手段)2,車速センサ(停車検出手段)
3,エンジン回転数センサ(エンジン回転数検出手段)
4及びアクセル開度センサ(アクセル開度検出手段)5
がそれぞれ接続されている。
【0014】このうち、クラッチセンサ1は、エンジン
と変速機との間に介装されたクラッチの断接状態を検出
するオンオフ型のセンサであって、このクラッチセンサ
1からの検出情報によりクラッチが繋がっているか、ク
ラッチが切れているのかが判定されるようになってい
る。なお、このクラッチセンサ1の代わりに、アナログ
信号を出力するクラッチストロークセンサを設けてもよ
いし、クラッチペダルセンサを設けてもよい。
【0015】また、ニュートラルスイッチ2は、上記変
速機がニュートラル位置にあるか、他の位置(即ち、い
ずれかの変速段位置)にあるかを検出するセンサであ
る。また、車速センサ3は、車両の車速を検出するセン
サであるが、本装置では車両が停止しているのか、又は
走行しているのかを判別するためのセンサとして用いら
れている。また、エンジン回転数センサ4及びアクセル
開度センサ5は、それぞれエンジン回転数(エンジン回
転速度)及びアクセル開度を検出するセンサである。
【0016】一方、ECU9内には、上述したガバナマ
ップ8の他にも、車両の発進を判定する発進判定手段6
や、ガバナマップ8の燃料噴射量特性を一部補正する補
正手段(燃料噴射量補正手段)7が設けられている。こ
のうち発進判定手段6は、上述したクラッチセンサ1,
ニュートラルスイッチ2及び車速センサ3からの検出情
報に基づいて、車両の発進を判定するものである。この
場合、具体的には車速センサ3により車両の停止が検出
された後に、ニュートラルスイッチ2により変速機の変
速段が中立(ニュートラル)以外であることが検出さ
れ、且つクラッチセンサ1によりクラッチが断から接に
なったことが検出されると、この発進判定手段6では車
両が発進したと判定するようになっている。
【0017】また、補正手段7では、上記発進判定手段
6で車両の発進が判定されると、エンジン回転数センサ
4から現在のエンジン回転数を読み込んで、このエンジ
ン回転数に応じて、オートアイドル制御特性線(オート
アイドル線)をガバナマップ8上で移動させるようにな
っている。そして、ECU9では、このオートアイドル
制御特性線により、発進時の燃料噴射量制御を行なうよ
うになっているのである。
【0018】つまり、本装置では、車両の発進時には、
ガバナマップ8の通常のアクセル開度線を用いるのでは
なく、オートアイドル制御特性線を用いて燃料噴射量制
御を行なうようになっているのである。ここで、補正手
段7における補正について詳しく説明すると、図2は補
正手段7によるガバナマップ8の燃料噴射量特性の補正
について具体的に説明するための図であって、(a)は
通常走行時及び停車(アイドリング)時のオートアイド
ル制御特性線、(b)は発進時(補正時)のオートアイ
ドル制御特性線である。また、図2(a)に示すオート
アイドル制御特性線は、従来の技術の欄で説明したオー
トアイドル制御特性線と同様のものである(図5参
照)。また、ガバナマップ8には本来はアクセル開度毎
に設定されたアクセル開度線が設けられているが、図2
(a),(b)では、アクセル開度線については省略す
る。
【0019】そして、図2(b)に示すように、発進判
定手段6で車両の発進が判定されると、エンジン回転数
センサ4で検出された発進時エンジン回転数に基づい
て、オートアイドル制御特性線のアイドルスピード制御
ベース回転数(以下、ISCベース回転数という)が、
通常時のISCベース回転数A(rpm)からB(rp
m)に補正されるようになっている。なお、ISCベー
ス回転数とは、図2(a),(b)に示すように、オー
トアイドル制御特性線のうち、低回転側での燃料噴射量
を設定する直線(傾きの急な直線)を延長したときの燃
料噴射量0相当のエンジン回転数である。
【0020】ここで、補正後のISCベース回転数B
(rpm)の設定手法について説明すると、エンジンの
アイドル回転数をx(rpm)、発進時エンジン回転数
(現在のエンジン回転数)をy(rpm)とすると、補
正後のISCベース回転数B(rpm)は下式により設
定されるようになっている。 B=(y−x)+A つまり、図2(b)に示すように、発進時のエンジン回
転数yとアイドリング時のエンジン回転数xとの偏差分
だけ上記オートアイドル線をマップ上でエンジン回転数
の大きい方へ移動させるようになっているのである。
【0021】そして、ECU9では、このようにして補
正されたオートアイドル線から得られる燃料噴射量に応
じた制御信号を出力して、図示しないラック位置を制御
するようになっているのである。なお、実際には、EC
U9では図示しないアクセル開度線から得られる燃料噴
射量と、上記オートアイドル線から得られる燃料噴射量
とを比較して、大きい方の値を燃料噴射量として設定す
るようになっているが、オートアイドル線の方がアクセ
ル開度線よりも傾きが急激に設定されているため、発進
時にエンジン回転数が低下するとオートアイドル線で設
定される燃料噴射量の方が大きくなり、結果的に、オー
トアイドル線による燃料噴射量がECU9から出力され
ることになる。
【0022】したがって、車両の発進時には、エンジン
回転数が低下しても、このようなエンジン回転数の低下
に対して素早く燃料噴射量が増大して、発進時のもたつ
き等を回避することができるのである。また、ECU9
では、車両発進後に、アクセル開度線から得られる燃料
噴射量が、補正されたオートアイドル線から得られる燃
料噴射量よりも大きくなった場合(即ち、車両発進後に
アクセル開度線による燃料噴射制御に移行した場合)に
は、上記オートアイドル線の補正を解除するようになっ
ている。なお、アクセル開度線による燃料噴射制御に移
行する場合とは、主にドライバがアクセルペダルを踏み
込んでアクセル開度が増大した場合であって、車両が発
進状態から走行状態に移行したことを意味している。
【0023】そして、車両が発進状態から走行状態に移
行すると、ガバナマップ8の補正を解除することによ
り、通常走行時のアクセルショックや、燃費の悪化を回
避しているのである。つまり、オートアイドル線は、ア
クセル開度線よりも傾きが大きいためエンジン回転数に
対する燃料噴射量の変化が大きく、通常走行時にこのよ
うなオートアイドル線で燃料噴射量を設定するといわゆ
るアクセルショックが発生したり燃費が悪化したりする
おそれがあるが、本装置では、通常走行時にはガバナマ
ップ8の補正が解除されるので、アクセルショックや燃
費の悪化を防止することができるのである。
【0024】本発明の一実施形態にかかる燃料噴射制御
装置は上述のように構成されているので、例えば図3に
示すようなフローチャートにしたがって燃料噴射量の制
御が実行される。すなわち、まずステップS1で、クラ
ッチセンサ1及びニュートラルスイッチ2からの検出情
報に基づいて、クラッチが切断されているか、又はトラ
ンスミッションが中立(ニュートラル)であるかを判定
し、少なくともいずれか一方が成立していればステップ
S2に進み、そうでなければリターンする。
【0025】また、ステップS2では、車速センサ3か
らの情報に基づいて、車両が停止しているか否かを判定
する。この場合、具体的には車速センサ3で得られる車
速Vが0又は0に近い所定値以下であれば車両が停止し
ていると判定する。そして、車両が停止していると判定
した場合には、ステップS3に進み、ガバナマップ8の
補正(ISCベース回転数の変更)スタンバイ状態とな
り、また、車両停止が判定されなければリターンする。
【0026】その後、ステップS4で、車両が発進した
か否かが判定される。すなわち、ステップS4では、ク
ラッチセンサ1及びニュートラルスイッチ2から検出情
報に基づいて、トランスミッションがニュートラル以外
で且つクラッチが接合した場合には、車両が発進すると
判定してステップS5に進み。また、そうでない場合に
は、リターンする。
【0027】そして、ステップS4で車両の発進が判定
されると、ステップS5でガバナマップ8に設けられた
オートアイドル線のISCベース回転数を変更すること
により、オートアイドル線を全体的に高回転側にシフト
させる。そして、発進時にはこのオートアイドル線を用
いて燃料噴射量を設定することにより発進時のエンジン
の回転数の低下が防止される。
【0028】また、ステップS5でガバナマップ8が補
正されると、次にステップS6に進み、車両発進後にア
クセル開度線による燃料噴射制御に移行したか否かを判
定する。そして、アクセル開度線による燃料噴射制御に
移行していれば、補正解除条件を満たしていると判定し
て、ステップS7でISCベース回転数の変更が解除さ
れ(即ち、ガバナマップ8の補正が解除され)、リター
ンする。また、補正解除条件を満たしていなければ、ア
クセル開度線による燃料噴射制御に移行するまで、ステ
ップS6の判定を繰り返す。
【0029】上述のように、本発明の一実施形態にかか
る燃料噴射制御装置によれば、発進時のエンジン回転数
に応じてオートアイドル線が補正され、通常のアクセル
開度線よりも傾斜の急なオートアイドル線の燃料噴射量
特性に応じて発進時の燃料噴射量が設定されるので、エ
ンジンの回転落ちに対する燃料噴射量が増大して、エン
ジンのレスポンスが良くなり出力トルクも増大する。し
たがって、発進時(特に坂道発進時)の回転落ちを極力
回避することができるとともに、発進時に必要なトルク
を最小限の回転落ちで得ることができ、発進性が大幅に
向上する。また、従来の技術のように発進時にドライバ
が特別な操作をする必要もない。
【0030】また、車両発進後にアクセル開度線による
燃料噴射制御に移行した場合には、このような補正を解
除して、通常通りアクセル開度線で得られる燃料噴射制
御に切り換えられるので、燃費をほとんど損なうことも
なく、またアクセルショックが発生することもない。ま
た、本装置では、新たなセンサや部材等を追加する必要
がなく、従来の電子ガバナの制御ロジックを変更するだ
けでよいので、コスト増や重量増を招くこともない。
【0031】次に、本発明の変形例について説明する。
この変形例は、上述した実施形態に対して一部制御ロジ
ックを変更したものであり、図4はその動作を説明する
ためのフローチャートである。以下、図4を用いて本発
明の変形例について説明する。なお、上述の実施形態と
同一内容のステップについては図3と同一の番号を付し
てその説明を省略する。
【0032】ステップS1,S2は上述した実施形態と
同様であり、ステップS13では、ステップS2での車
両停止判定による車両停止を受けて、ISCベース回転
数B(rpm)が、アイドル回転数x(rpm),現在
のエンジン回転数y(rpm)及び通常時のISCベー
ス回転数A(rpm)に基づいて上述した式により逐次
算出され、このISCベース回転数Bに基づいてオート
アイドル線が補正される。なお、この補正はキャンセル
信号が出力されるまで継続される。
【0033】次に、ステップS4では、実施形態と同様
に車両の発進が判定される。そして、車両の発進が判定
されるとステップS15に進み、ISCベース回転数B
の最新値に基づいて補正された最新のオートアイドル線
に固定され、以降、ISCベース回転数Bの算出を中止
する。つまり、車両の発進の検出がISCベース回転数
Bの算出のキャンセル指示となる。以降のステップS
6,S7は上述した実施形態と同様である。
【0034】以上のように、上記変形例にかかる燃料噴
射制御装置では、ステップS2の車両停止判定後から、
ISCベース回転数Bを逐次算出し、これに基づいてオ
ートアイドル線を設定(補正)しているので、ステップ
S4で車両発進が検出されると、ステップS15では、
既に設定されたオートアイドル線を固定するだけでよ
く、燃料噴射のレスポンスが向上する。
【0035】なお、本発明の燃料噴射制御装置は、上述
の実施形態及びその変形例に限定されるものではなく、
本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であ
る。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の燃料噴射制御装置によれば、発進時にドライバが
特別な操作をすることなく、必要なトルクを最小限の回
転落ちで得ることができ、発進性が大幅に向上するとい
う利点がある。また、従来のオールスピードガバナマッ
プをそなえた燃料噴射制御装置に対して、新たなセンサ
や部材等を追加する必要がなく、電子ガバナ制御ロジッ
クを変更するだけでよいので、コスト増や重量増を招く
こともないという利点がある。
【0037】また、請求項2記載の本発明の燃料噴射制
御装置によれば、車両発進後にアクセル開度線による燃
料噴射制御に移行した場合には、このような補正が解除
されるので、アクセルショックの発生を防止することが
できるとともに、燃費の悪化を招くこともないという利
点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる燃料噴射制御装置
の要部構成を機能的に示す模式的なブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる燃料噴射制御装置
の作用を説明するための図であって、(a)は通常走行
時及び停車(アイドリング)時のオートアイドル制御特
性線、(b)は発進時(補正時)のオートアイドル制御
特性線である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる燃料噴射制御装置
の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態にかかる燃料噴射制御装置
の変形例の動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図5】一般的なオールスピードガバナマップの燃料噴
射量特性の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 クラッチセンサ(クラッチ状態検出手段) 2 ニュートラルスイッチ(変速状態検出手段) 3 車速センサ(停車検出手段) 4 エンジン回転数センサ(エンジン回転数検出手段) 5 アクセル開度センサ(アクセル開度検出手段) 6 発進判定手段 7 補正手段(燃料噴射量補正手段) 8 ガバナマップ(オールスピードガバナマップ) 9 ECU(燃料噴射量制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G065 AA01 CA13 DA13 EA03 GA10 GA11 GA28 GA46 3G093 AB01 AB05 CA04 CB05 DA01 DA06 DB06 DB10 DB12 EA05 FA10 3G301 HA02 JA02 JA04 KA07 KB01 LC08 MA16 NA08 NC04 ND02 PE01Z PF01Z PF03Z PF06Z PF10Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクセル開度に応じて設けられたアクセ
    ル開度線、又は最大傾斜に設定されたオートアイドル線
    のいずれかに基づき燃料噴射量を決定するオールスピー
    ドガバナマップをそなえた燃料噴射量制御装置におい
    て、 エンジンと変速機との間に介装され動力の断接を行なう
    クラッチの断接状態を検出するクラッチ状態検出手段
    と、 上記変速機の変速状態を検出する変速状態検出手段と、 車両の停止を検出する停車検出手段と、 上記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手
    段と、 上記停車検出手段により上記車両の停止が検出された
    後、上記変速状態検出手段により上記変速機が走行可能
    な変速状態であることが検出され且つ上記クラッチ状態
    検出手段によりクラッチ状態が断から接になったことが
    検出されると、車両の発進と判定する発進判定手段と、 上記発進判定手段により上記車両の発進が判定される
    と、上記エンジン回転数検出手段で検出された発進時の
    エンジン回転数とアイドリング時のエンジン回転数との
    偏差分だけ上記オートアイドル線を補正する燃料噴射量
    補正手段と、 該燃料噴射量補正手段により補正されたオートアイドル
    線に基づき燃料噴射量を設定する燃料噴射量制御手段と
    を有することを特徴とする、燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】 上記燃料噴射量補正手段は、 車両発進後に上記ガバナマップ上のアクセル開度線によ
    る燃料噴射制御に移行すると上記オートアイドル線の補
    正を解除することを特徴とする、請求項1記載の燃料噴
    射制御装置。
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