JP4075589B2 - エンジンの動力伝達部材の異常判定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの動力伝達部材の異常判定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
駆動源としてのエンジンと、駆動源であるとともにエンジンを始動するモータとをベルト等の無端状部材にて接続し、所定の運転条件下のもとでエンジンが自動停止した場合に、所定の条件によりモータの駆動力でエンジンを再始動させるエンジン始動装置において、エンジン始動時のエンジン回転速度とモータ回転速度の差を検出し、この差が所定値以上の場合にエンジンとモータを繋ぐベルトに異常が生じたと判定する技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001‐165019号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においてエンジン始動直後は、エンジンの回転が一定せず、エンジンとモータの回転速度差が不安定となるために、エンジン回転速度が不安定な過渡期が経過した後に、ベルトの異常判定を実施しているので、エンジンの始動直後に精度よくベルトの異常判定を行うことができなかった。
【0005】
したがって、本発明においては、エンジン始動直後においてエンジンとエンジン始動用モータの動力伝達経路に配置されるベルト等動力伝達部材の異常を検出することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、伝達部材の異常を判定するためのしきい値とエンジン始動時からのモータ回転速度との大小関係の推移を検知し、この推移に基づいて前記伝達部材の異常度合を判定するようにした。
【0007】
【発明の効果】
本発明によれば、検出されたモータ回転速度に基づいてエンジンとエンジンを始動するモータとの間に介在する伝達部材の異常を判定するため、エンジンとモータの不安定な回転速度差の影響を受けないので、エンジン始動直後でも伝達部材の異常の判定を正確に行うことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明が適用されるハイブリッド自動車の構成図である。エンジン1が運転されることにより発生する駆動力は、エンジン1の出力軸の一端に接続されたトルクコンバータ2、トランスミッション3を介して所定のトルクに制御されて図示しない駆動輪を駆動する。エンジン1にはイグニッションスイッチ1a(図2参照)によるエンジン始動時にエンジンをクランキングするためのスタータモータ4が設置され、トランスミッション3には潤滑オイルを循環させる電動オイルポンプ5が設けられる。この電動オイルポンプ5はオイルポンプ用電動モータ16によって駆動される。
【0009】
エンジン1の出力軸の他端側にはクラッチ6を介してプーリ7が設けられており、このプーリ7には無端状のベルト8が掛け回されており、更にベルト8は、エンジンの出力軸と平行に出力軸が配置されたモータ9、エアコンコンプレッサ10、ウォータポンプ11にそれぞれ備えられたプーリ12、13、14に掛け回される。このエアコンコンプレッサ10、ウォータポンプ11をまとめてエンジン補機ともいう。
【0010】
ここでモータ9は、車両の駆動源としてエンジンと協働する機能と共に、所定の運転条件の下でエンジンを自動停止する、いわゆるアイドルストップ状態からエンジンを再始動するための機能を有する。更にモータ9は、エンジン1がアイドルストップ中(クラッチ6が非締結状態)はエアコンコンプレッサ10等のエンジン補機を駆動するために運転される。またウォータポンプ11の出力軸にはクラッチ15が設けられ、作動時にのみクラッチを締結することで、不要時にはエンジン1に対する負荷となることを防止している。
【0011】
図2は、本発明の制御系統を説明するための構成図である。ハイブリッド自動車全体を統括制御するための統合コントローラとしてハイブリッドコントローラ(HCU)17が設けられ、HCU17には、エンジンを制御するエンジンコントロールユニット(ECU)18と、トランスミッション2を制御するトランスミッションコントロールユニット(TCU)19と、バッテリ33を制御するバッテリコントロールユニット(BCU)20と、モータ9を制御するモータコントロールユニット(MCU)21とが接続されて、HCU17は、これらコントロールユニットからの信号に基づいてハイブリッド自動車を統合制御する。
【0012】
HCU17には水温センサ22で検出されるエンジン1の冷却水温と、アクセル開度センサ23で検出されるアクセルペダル踏み込み量と、ブレーキストロークセンサ24で検出されるブレーキペダル踏み込み量と、マスタシリンダ圧力センサ25で検出されるマスターシリンダ圧が入力される。HCU17は、ブレーキペダル踏み込み量とマスターシリンダ圧とに基づき要求制動力を演算し、要求制動力に応じて適性な油圧をブレーキに供給するブレーキ油圧ユニット26を制御する。更にHCU17は、各種コントロールユニットから入力された信号に基づき、エンジンのアイドルストップ制御を実施し、例えば、ブレーキペダルが踏み込まれ、かつ車両停止状態のときにアイドルストップを実施するようにエンジン1を後述するECU18を介して停止する。
【0013】
ECU18は、エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度センサ27からの信号をHCU17に出力することで、HCU17はエンジン回転速度を検出する。HCU17は、これらエンジン回転速度やアクセル踏み込み量等からエンジンの要求駆動力等の運転条件を設定し、ECU18にスロットル弁28の開度、インジェクタ29からの燃料噴射量、点火プラグ30の点火時期の制御信号を出力し、ECU18は入力された制御信号に基づきスロットル弁28、インジェクタ29、点火プラグ30を制御する。
【0014】
TCU19には、トランスミッション3の油温及び油圧を検出する油温センサ31、油圧32の出力信号が入力される。TCU19からこれら油温及び油圧のこれら信号がHCU17に送られ、例えばオイルポンプ5の運転制御が行われる。また現在のシフトレンジの位置信号がHCU17に送られる。
【0015】
BCU20は、バッテリ33の充電状態を検出し、この充電状態をHCU17へと送信する。HCU17は、この送信された充電状態に基づいて、例えば、モータ9のトルクを制限する指令値をMCU21へと出力する。
【0016】
MCU21は、モータ9の運転状態を制御するコントローラで、モータ9の回転速度を検出するモータ回転速度センサ34からの信号が入力される。HCU17は、バッテリ33の充電状態や要求負荷等を考慮してモータ9の運転状態を設定し、MCU21を介してモータ9の運転を制御する。
【0017】
次に図3の制御ブロック図を用いて、クラッチ6やベルト8の異常判定について説明する。
【0018】
HCU17は、エンジン運転時間カウント部a1、NG判定しきい値算出部a2、NG判定しきい値補正演算部a3とクラッチ・ベルト異常判定部a4から構成される。
【0019】
エンジン運転時間カウント部a1は、タイマを用いてエンジン始動要求時からの経過時間を計測する。このタイマカウントはエンジン始動要求がクリアされたときにクリアされ、次回のエンジン始動要求時まで待機する。
【0020】
NG判定しきい値算出部a2は、正常なエンジン始動時のエンジン始動要求から完爆までのモータ回転速度の推移をテーブルとして記憶しておく。モータ回転速度のバラツキを考慮してヒステリシスを加味したモータ回転速度をNG判定しきい値としてこのテーブルに設定する。そして、エンジン運転時間カウント部a1でカウントされたエンジン始動要求時からの経過時間を参照して、テーブルからNG判定しきい値を算出する。
【0021】
NG判定しきい値補正演算部a3では、エンジン始動時のモータ回転速度の推移はエンジン始動時の条件により変化するため、モータ回転速度に影響を及ぼすパラメータ(例えば、シフトレンジ、エアコンの作動状態、冷却水温)に応じてNG判定しきい値を補正し、判定精度を向上し、NG判定の誤判定を抑制する。
【0022】
NG判定しきい値の補正の一例として冷却水温とシフトレンジの場合の補正の方法について以下、説明する。NG判定しきい値としては、エンジン始動直後の時間と共に増加するNG判定しきい値(第1のしきい値(図5に示す))と、モータ回転速度がモータ回転速度指令値に収束したときのNG判定しきい値(第2のしきい値(図4に示す))を設定する。
▲1▼冷却水温に応じたNG判定しきい値(第2のしきい値)の補正
エンジン始動時に冷却水温が基準温度(例えば20℃)より低い場合のモータ回転速度指令値は、基準温度におけるモータ回転速度指令値より高く設定され、一方、冷却水温が基準温度より高い場合のモータ回転速度指令値は、基準温度の場合のモータ回転速度指令値より低く設定される。このようにモータ回転速度指令値が冷却水温により変動するためNG判定しきい値を冷却水温に応じて補正する必要がある。なお、ここで基準温度の場合のモータ回転速度指令値とは、基準温度における正常時のモータ回転速度の推移データに基づき設定される目標モータ回転速度となるための指令値である。
【0023】
図4に冷却水温とモータ回転速度指令値とNG判定しきい値との関係の一例を示す。図に示すように、冷却水温が基準温度より低ければエンジンが始動しにくいため、NG判定しきい値は、基準温度のNG判定しきい値(基準しきい値)より高いしきい値に補正され、冷却水温が基準温度より高ければエンジンの始動が容易なため、NG判定しきい値は、低いしきい値に補正される。
▲2▼シフトレンジに応じたNG判定しきい値(第1のしきい値)の補正
シフトレンジが非走行レンジ(P、Nレンジ)からのエンジン始動時にはエンジン出力側の負荷が小さいことから冷却水温やモータ回転速度指令値の条件が同じであれば、モータ回転速度の変化率(図5の傾き)が走行レンジ(D、Rレンジ)からのエンジン始動の場合よりも大きくなるため、NG判定しきい値としては、非走行レンジからのエンジン始動時には傾きの大きいしきい値を設定し、走行レンジからのエンジン始動時には非走行レンジからのエンジン始動時のしきい値より傾きの小さいNG判定しきい値を設定する。
【0024】
クラッチ・ベルト異常判定部a4では、回転数センサ34により検出されるモータ回転速度とNG判定しきい値との関係からクラッチ6・ベルト8の異常を判定する。モータ回転速度の代表的な推移形態として、クラッチ・ベルト正常時の回転速度推移、クラッチ・ベルト軽度異常時の回転速度推移、クラッチ・ベルト重度異常時の回転速度推移の3パターンに分けて説明する。
【0025】
まず図6に示すクラッチ・ベルト正常時のモータ回転速度の推移は、NG判定しきい値を超えることなく、モータ回転速度指令値の回転速度に収束する。
【0026】
対して図7に示すエンジン始動時にクラッチ・ベルトが一時的に滑る場合(軽度の異常の場合)には、モータ9はエンジン1を回すための負荷がなくなるため、通常より回転速度が高くなり(図中のa地点)、NG判定しきい値を超える。その後、クラッチ・ベルトの滑りが収まり、エンジン1を回転させるためモータ9の負荷が高まるとモータ回転速度が低下し(b地点)、NG判定しきい値より低い回転速度となり、その後モータ回転速度指令値に収束する。
【0027】
また図8に示すクラッチ6が繋がらなくなったり、ベルト8が切れた場合等の重度の異常の場合は、軽度の異常の場合と同様にエンジン始動直後はNG判定しきい値より高い回転速度となり、この回転速度がしきい値より高い状態のままモータ回転速度指令値の回転速度まで達し、収束する。
【0028】
したがって、少なくともエンジン始動直後からモータ回転速度が指令値に収束するまでのモータ回転速度を検出し、エンジン始動直後時にモータ回転速度がNG判定しきい値を超えた場合には、ベルト8またはクラッチ6等に異常が生じていると判定でき、このNGしきい値以上のモータ回転速度が、一時的なものであれば、軽度の異常であると判定でき、モータ回転速度指令値の回転速度に至るまでモータ回転速度がNG判定しきい値を超えている場合には重度の異常であると判定できる。
【0029】
なお、異常判定の精度を向上するためにNG判定は、3連照合またはタイマによる判定を行うようにしてもよい。
【0030】
次に図9のフローチャートを説明する。これはHCU17が実施するNG判定しきい値を補正して記憶する制御を説明するフローチャートである。HCU17はこの制御を所定間隔毎(例えば、10msec)に実施する。
【0031】
まずステップ1では、イグニッションスイッチ1aのオンオフ状態を判定する。オフの場合にはオンオフ状態の判定を繰り返し、オンの場合には、ステップ2に進み、ECUからの信号に基づき冷却水温を読み込む。続くステップ3では、TCUからの信号に基づきシフトレンジの位置を読み込む。
【0032】
ステップ4では、前述したように検出した冷却水温とシフトレンジを、それぞれ図4と図5のマップに適合してNG判定のための基準しきい値の補正を行う。つまり、検出した冷却水温から図4を用いて基準しきい値をまず補正し、次に検出したシフトレンジを図5に照らして基準しきい値の傾きを補正する。なお、基準しきい値は予めHCU17に記憶しておく。
【0033】
ステップ5ではステップ4で補正したしきい値を記憶する。
【0034】
ステップ6では、イグニッションスイッチ1aのオンオフ状態を判定する。スイッチ1aがオンの場合には、ステップS2に戻り、基準しきい値の設定を繰り返し、常時検出時の冷却水温とシフトレンジに基づく基準しきい値の補正を実施して記憶する。スイッチ1aがオフの場合にはステップ7に進み、記憶した補正しきい値をクリアして制御を終える。
【0035】
図10に示すフローチャートは、HCU17が実施する、クラッチ・ベルトの異常判定のための制御を説明するものである。
【0036】
まずステップS10で、イグニッションスイッチ1aのオンオフ状態を判定する。スイッチ1aがオフであれば、オンオフ検出を繰り返し、オンであればステップS11に進む。
【0037】
ステップS11でエンジン始動用のスタータモータ4を始動し、エンジンを起動させる。続くステップS12でエンジン1のアイドルストップ条件が成立したかどうかを判定する。アイドルストップ条件としては、車速センサ(不図示)により検出される車速=0km/h、アクセル開度センサ23で検出されるアクセルペダル踏み込み量が所定値未満、マスタシリンダ圧力センサ25で検出されるマスタシリンダ圧が所定値以上、バッテリ33の充電状態が所定値以上のすべての条件が成立した場合にエンジン1をストップさせる。尚、後述するアイドルストップ禁止フラグが立っている場合には、アイドルストップ条件が成立してもエンジンの停止は行わない。
【0038】
ステップS12でアイドルストップ条件が成立した場合にはステップ13に進みエンジンを停止し、不成立の場合にはステップS21に進み、イグニッションスイッチ1aのオンオフ状態を判定する。
【0039】
ステップS13に続くステップS14では、アイドルストップの解除条件が成立したかどうかを判定する。アイドルストップの解除条件は、車速センサ(不図示)により検出される車速が所定値以上、アクセル開度センサ23で検出されるアクセルペダル踏み込み量が所定値以上、マスタシリンダ圧力センサ25で検出されるマスタシリンダ圧が所定値未満、バッテリ33の充電状態が所定値未満のいずれかの条件が成立した場合にアイドルストップを解除する。
【0040】
ステップS14でアイドルストップ解除の条件が成立した場合にはステップS15に進み、不成立の場合には、ステップS21に進む。ステップS15では、ステップS5で記憶した補正したしきい値を読み込む。ステップS16で水温センサ22で検出したエンジン1の冷却水温に基づいてモータ回転速度指令値を補正し(図4参照)、補正したモータ回転速度指令値を出力する。尚、冷却水温はECUから常時検出するようにしてもよい。
【0041】
続くステップS17でモータ回転速度センサ22で検出されるモータ9の実回転速度を検出し、ステップS18でこのモータ実回転速度と補正しきい値との比較からクラッチ・ベルトの異常を判定する。異常の判定方法については図6から8を用いて説明した通りであり、継続的に(少なくともモータ9の始動時からモータ回転速度がモータ回転速度指令値に収束するまで)モータの回転速度を検出して、補正しきい値と比較することで、クラッチ・ベルトの異常の有無や、異常の程度を判定することができる。
【0042】
ステップS18で異常が検出された場合には、ステップS19に進んで、警告ブザー35や図示しない警告灯等を用いて運転者の告知し、早期に修理するよう促す。一方、異常が検出されなかった場合には、ステップS21に進む。
【0043】
ステップS20では、アイドルストップ禁止のフラグを立て、今後のアイドルストップを禁止する。このフラグを立てることにより、エンジン始動時のベルトやクラッチへの負荷の入力を避けることができる。
【0044】
続くステップS21では、イグニッションスイッチ1aのオンオフ状態を判定し、スイッチ1aがオフであれば制御を終え、オンであれば、ステップS12に戻り、クラッチ・ベルトの異常判定を繰り返す。
【0045】
以上、説明したように本実施の形態においては、エンジン始動時からのモータ回転速度の推移に基づいて、エンジン1とエンジン1を始動するモータ9との間に介在するベルト8・クラッチ6の異常を判定するので、エンジン始動直後のエンジン1とモータ9との不安定な回転速度の影響を受けることなく、ベルト8またはクラッチ6の異常を判定することができる。
【0046】
また本実施の形態においては、ベルト8・クラッチ6の異常を判定するNG判定しきい値を、エンジン始動直後の時間と共に増加するNG判定しきい値(第1のしきい値)と、モータ回転速度がモータ回転速度指令値に収束したときのNG判定しきい値(第2のしきい値)とを設定し、エンジン始動直後にモータ回転速度が第1のしきい値を超え、その後第2のしきい値を下回る推移をした場合に、ベルト8・クラッチ6が一時的に滑るような軽度の異常であると判断し、エンジン始動直後にモータ回転速度が第1のしきい値を超えたままモータ回転速度指令値に収束する推移をした場合に、ベルト8が切れたり、クラッチ6が繋がらなくなるといった重度の異常であると判断するので、ベルト8・クラッチの異常の程度を区別して判定することができる。
【0047】
また本実施の形態においては、シフトレンジが非走行レンジの場合には、走行レンジの場合に比べて、NG判定しきい値の第1のしきい値の傾きを大きくしたので、シフトレンジに応じたエンジン1への負荷を考慮した最適なNG判定しきい値を設定することができ、正確な異常の判定を行なうことができる。
【0048】
また本実施の形態におけるNG判定しきい値の第2のしきい値を、エンジン1の冷却水温が基準温度より高い場合には基準温度におけるしきい値よりも高く、エンジン1の冷却水温が基準水温より低い場合には基準温度におけるしきい値よりも低くしたので、冷却水温によるエンジン1の始動性を考慮した最適なNG判定しきい値を設定することができ、正確な異常の判定を行なうことができる。
【0049】
また本実施の形態においては、ベルト8・クラッチ6の異常を判定した場合にぱ警告ブザー35や警告灯によって異常を告知するので、運転者などへ早期に修理を促すことができる。また本実施の形態においては、ベルト8・クラッチ6の異常を判定した場合には、その後のエンジン1の自動停止を禁止するので、ベルト8りラッチ6の異常が判定された後に、モータ9によってエンジン1を再始動することで、ベルと8・クラッチ6の異常が進行することがない。
【0050】
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内でさまざまな変更がなしうることは明白である。
【0051】
なお、特許請求の範囲の構成要件と実施形態の対応関係は以下の通りである。
【0052】
クラッチ6、ベルト8が伝達部材を、モータ9がモータを、モータ回転速度センサ34が回転速度検出手段を、HCU17および図10のステップ15から18が異常判定手段を構成する。また、ブザー35、警告灯が異常検知手段を構成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される車両のシステム構成を示す図である。
【図2】同じく制御系統の構成を示す図である。
【図3】同じくハイブリッドコントロールユニットの制御ブロック図である。
【図4】エンジンの冷却水温によるNG判定しきい値の補正を説明する図である。
【図5】シフトレンジによるNG判定しきい値の補正を説明する図である。
【図6】クラッチ・ベルト正常時のモータ回転数の推移を示す図である。
【図7】クラッチ・ベルト軽度異常時のモータ回転数の推移を示す図である。
【図8】クラッチ・ベルト重度異常時のモータ回転数の推移を示す図である。
【図9】NG判定しきい値を補正、記憶するためのフローチャートである。
【図10】クラッチ・ベルトの異常を判定するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
6 クラッチ
7 プーリ
8 ベルト
9 モータ
12 プーリ
17 HCU
18 ECU
19 TCU
20 BCU
21 MCU
22 冷却水温センサ
34 モータ回転速度センサ
Claims (12)
- 駆動源としてのエンジンと、
前記エンジンを伝達部材を介して始動するモータと、
前記モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、
エンジン始動時からのモータ回転速度を検出し、検出されたモータ回転速度に基づき前記伝達部材の異常を判定する異常判定手段とを有し、
前記異常判定手段は、前記伝達部材の異常を判定するためのしきい値とエンジン始動時からのモータ回転速度との大小関係の推移を検知し、この推移に基づいて前記伝達部材の異常度合を判定することを特徴とするエンジンの動力伝達部材の異常判定装置。 - 前記しきい値は、エンジン始動直後に時間の経過と共に増加する第1のしきい値と、前記モータへのモータ回転速度の指令値に応じて一定値となる第2のしきい値とからなり、
エンジン始動後にモータ回転速度が第1のしきい値を超え、その後モータ回転速度が第2のしきい値を下回るモータ回転速度の推移を検出した場合には、前記伝達部材に軽度の異常が生じていると判定することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの動力伝達部材の異常判定装置。 - 前記しきい値は、エンジン始動直後に時間と共に増加する第1のしきい値と、前記モータへのモータ回転速度の指令値に応じて一定値となる第2のしきい値とからなり、
エンジン始動後にモータ回転速度が第1のしきい値を超えたままモータ回転速度が前記指令値に収束するモータ回転速度の推移を検出した場合には、前記伝達部材に重度の異常が生じていると判定することを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンの動力伝達部材の異常判定装置。 - 前記第1のしきい値は、変速機のシフトレンジに応じて設定されることを特徴とする請求項2または3に記載のエンジンの動力伝達部材の異常判定装置。
- 前記第1のしきい値の傾きは、シフトレンジが走行レンジにあるときには、非走行レンジにあるときに比較して、小さくなるように設定されることを特徴とする請求項4に記載のエンジンの動力伝達部材の異常判定装置。
- 前記第2のしきい値は、エンジンの冷却水温に応じて補正されることを特徴とする請求項2から5のいずれか一つに記載のエンジンの動力伝達部材の異常判定装置。
- 前記第2のしきい値は、エンジンの冷却水温が基準温度より低いときには基準温度時におけるしきい値より高いしきい値に補正し、エンジンの冷却水温が基準温度より高いときには基準温度時におけるしきい値より低いしきい値に補正することを特徴とする請求項6に記載のエンジンの動力伝達部材の異常判定装置。
- 前記伝達部材の異常を判定した場合に異常を告知する異常告知手段を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載のエンジンの動力伝達部材の異常判定装置。
- 前記エンジンは、第1の所定の運転条件でエンジンを自動停止し、第2の所定の運転条件で前記モータによってエンジンを始動させることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載のエンジンの動力伝達部材の異常判定装置。
- 前記伝達部材の異常を判定した場合に、その後のエンジンの自動停止を禁止することを特徴とする請求項9に記載のエンジンの動力伝達部材の異常判定装置。
- 前記伝達部材は、無端状のベルトであることを特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載のエンジンの動力伝達部材の異常判定装置。
- 前記伝達部材は、無端状のベルトと、前記エンジンと前記ベルトとの間に介在するクラッチよりなることを特徴とする請求項11に記載のエンジンの動力伝達部材の異常判定装置。
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