JP2002257218A - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置

Info

Publication number
JP2002257218A
JP2002257218A JP2001052258A JP2001052258A JP2002257218A JP 2002257218 A JP2002257218 A JP 2002257218A JP 2001052258 A JP2001052258 A JP 2001052258A JP 2001052258 A JP2001052258 A JP 2001052258A JP 2002257218 A JP2002257218 A JP 2002257218A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
port
shift
drive
axial direction
spool valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001052258A
Other languages
English (en)
Inventor
Masashi Arai
正志 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp filed Critical Suzuki Motor Corp
Priority to JP2001052258A priority Critical patent/JP2002257218A/ja
Publication of JP2002257218A publication Critical patent/JP2002257218A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、変速用流量制御弁を動作
制御する変速用ソレノイド弁の機能停止時に変速比が急
激に変化することを防止することにある。 【構成】 このため、この発明は、無段変速機の駆動側
プーリの駆動側油圧室に給排されるプライマリ圧を調整
して変速比を制御する変速用流量制御弁を設け、変速用
流量制御弁の弁本体の摺動孔内周面に駆動側油圧室に連
通する駆動側ポートを設け、駆動側ポートの摺動孔軸線
方向一側に導入側ポートを設けるとともに摺動孔軸線方
向他側に導出側ポートを設け、変速用流量制御弁のスプ
ール弁体に小径部を設け、小径部のスプール弁体軸線方
向一側に導入側ランド部を設けるとともにスプール弁体
軸線方向他側に導出側ランド部を設け、小径部には駆動
側ポートの開口長さよりも短いランド長さを有するとと
もにスプール弁体が摺動孔軸線方向両端に移動した際に
駆動側ポートを閉鎖する閉鎖用ランド部を設けたことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は無段変速機の変速
制御装置に係り、特に、変速用ソレノイド弁により変速
用流量制御弁の動作を制御して変速比を制御する無段変
速機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両においては、内燃機関の
発生する駆動力を運転状態に応じて適切に取出すため
に、変速機を搭載している。変速機には、歯車列により
変速比を段階的に変化させて取出す歯車変速機や、プー
リとベルトとにより変速比を無段階に変化させて取出す
無段変速機等がある。
【0003】無段変速機には、駆動側プーリ及び被動側
プーリにベルトを巻掛け、圧油により変速比を変化させ
るものがある。この無段変速機は、駆動側油圧室及び被
動側油圧室に供給されるプライマリ圧及びライン圧の各
圧油により溝幅を相対的に増減させ、前記駆動側プーリ
及び被動側プーリに巻掛けられたベルトの回転半径を相
対的に増減させて変速比を連続的に変化させる。
【0004】前記無段変速機の変速比を制御する変速制
御装置としては、図12〜図15に示すものがある。図
12・図13において、202は無段変速機、204は
駆動側プーリ、206は被動側プーリ、208は駆動側
油圧室、210は被動側油圧室、212は変速制御装置
である。無段変速機202は、溝幅を増減可能な駆動側
プーリ204及び被動側プーリ206にベルト(図示せ
ず)を巻掛けて設けている。変速制御装置212は、図
示しないエンジンにより駆動されるオイルポンプ214
にライン圧通路216の一端側を連絡して設け、ライン
圧通路216の途中にオイルポンプ214の吐出圧をラ
イン圧に調整するライン圧調整弁218を設け、ライン
圧通路216の他端側をセカンダリ圧通路220により
前記被動側油圧室210に連絡して設けている。
【0005】変速制御装置212は、ライン圧通路21
6に一端側を連絡するプライマリ圧通路222を設け、
プライマリ圧通路222の他端側を前記駆動側油圧室2
08に連絡して設けている。プライマリ圧通路222の
途中には、ライン圧通路216のライン圧から取出され
て駆動側油圧室208に給排されるプライマリ圧の圧油
の流量を調整し、無段変速機202の変速比を制御する
変速用流量制御弁224を設けている。
【0006】変速用流量制御弁224は、図14に示す
如く、弁本体226の摺動孔228内にスプール弁体2
30を摺動可能に内装して設けている。弁本体226
は、摺動孔228の内周面232に駆動側油圧室208
に連通する駆動側ポート234を設け、この駆動側ポー
ト234の摺動孔軸線方向両側に夫々導入側ポート23
6及び導出側ポート238を設けている。また、弁本体
226は、摺動孔228の軸線方向両端に夫々シフトダ
ウン用油圧室240及びシフトアップ用油圧室242を
設け、図13に示す如く、信号圧の圧油を供給する信号
圧通路244・246を夫々連絡して設けている。
【0007】前記スプール弁体230には、軸線方向中
央部位に小径部248を設け、この小径部248を挟ん
で軸線方向両側に夫々導入側ランド部250及び導出側
ランド部252を設け、軸線方向両端に夫々シフトダウ
ン用バネ254及びシフトアップ用バネ256を弾設し
ている。
【0008】また、変速制御装置212は、変速用流量
制御弁224の動作を制御する変速用ソレノイド弁25
8を設けている。変速用ソレノイド弁258は、シフト
ダウン用油圧室240に連通する信号圧通路244の途
中に設けられ、ソレノイド260の通電・非通電により
弁体262を動作させて信号圧通路244を開閉する。
変速用ソレノイド弁258は、ソレノイド260を信号
線264により変速制御手段266に接続して設けてい
る。
【0009】変速制御手段266は、変速用ソレノイド
弁258のソレノイド260を通電状態・非通電状態に
制御して弁体262を動作させ、信号圧通路246によ
り変速用流量制御弁224のシフトアップ用油圧室24
2に供給される信号圧の圧油に対して、信号圧通路24
4によりシフトダウン用油圧室240に供給される信号
圧を調整することにより、変速用流量制御弁224のス
プール弁体230の動作を制御する。
【0010】変速用流量制御弁224は、図15(C)
に示す如く、スプール弁体230が中立位置にあるとき
には駆動側ポート234に対して導入側ポート236及
び導出側ポート238を閉鎖し、図15(B)に示す如
く、スプール弁体230がシフトアップ位置にあるとき
には駆動側ポート234に対して導入側ポート236を
連通して導出側ポート238を閉鎖し、図15(D)に
示す如く、スプール弁体230がシフトダウン位置にあ
るときには駆動側ポート234に対して導入側ポート2
36を閉鎖して導出側ポート238を連通する。
【0011】これにより、変速制御装置212は、変速
用ソレノイド弁258により変速用流量制御弁224の
動作を制御して駆動側油圧室208に給排されるプライ
マリ圧を調整することにより、駆動側プーリ204及び
被動側プーリ206の各溝幅を相対的に増減させてベル
トの回転半径を相対的に増減させ、無段変速機202の
変速比を制御する。
【0012】このような無段変速機の変速制御装置とし
ては、特開平8−178049号公報に開示されるもの
がある。この公報に開示されるものは、出力プーリピス
トン室にライン圧を導き、変速比制御用の入力プーリピ
ストン室への作動油の給排は電子制御による信号により
ライン圧及びドレーンとの間の連通量を規定する変速制
御弁により行うベルト式CVTの変速制御装置におい
て、電子制御装置が非作動状態または最大作動状態の場
合に、入力プーリピストン室へのポートをライン圧ポー
ト及びドレーンポートから遮断し、入力プーリピストン
室に作動油を閉じ込めるようにしたものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記図12
〜図15に示す無段変速機202の変速制御装置212
は、変速用ソレノイド弁258により変速用流量制御弁
224の動作を制御して駆動側プーリ204の駆動側油
圧室208に給排されるプライマリ圧を調整することに
より、駆動側プーリ204及び被動側プーリ206の各
溝幅を相対的に増減させて無段変速機202の変速比を
制御している。
【0014】ところが、変速制御装置212は、変速用
流量制御弁224の動作を制御する変速用ソレノイド弁
258がソレノイド260の断線等により機能を停止し
た場合に、変速用ソレノイド弁258から信号圧通路2
44により変速用流量制御弁224のシフトダウン用油
圧室240に供給される信号圧の圧油の流量が最大値あ
るいは最小値となる。
【0015】これにより、無段変速機202は、変速用
流量制御弁224に供給される信号圧の圧油の流量が最
大となった場合に、図15(E)に示す如く、スプール
弁体230が駆動側ポート234に導出側ポート238
を連通した状態に保持されることにより、変速比が最大
となるよう変速動作される。一方、無段変速機202
は、変速用流量制御弁224に供給される信号圧の圧油
の流量が最小値となった場合に、図15(A)に示す如
く、スプール弁体230が駆動側ポート234に導入側
ポート236を連通した状態に保持されることにより、
変速比が最小となるよう変速動作される。
【0016】このとき、無段変速機202の変速比を制
御するために、駆動側プーリ204の駆動側油圧室20
8に給排されるプライマリ圧の圧油の流量を調整する変
速用流量制御弁224により油圧回路を構成した変速制
御装置212では、変速用ソレノイド弁258の故障等
による機能停止時に、変速比の変化が急激に生じる問題
がある。
【0017】このため、変速用ソレノイド弁258の機
能停止時に変速比が最大に変化する変速制御装置212
においては、変速比が小さい状態での走行中に変速用ソ
レノイド弁258が機能停止した場合に、変速比が小さ
い状態から急激に最大に変化することによりベルトにス
リップを生じ、駆動側プーリ204及び被動側プーリ2
06やベルトの損傷を招く不都合がある。一方、変速用
ソレノイド弁258の機能停止時に変速比が最小に変化
する変速制御装置212においては、変速用ソレノイド
弁258が機能停止した場合に、変速比が最小になるこ
とにより停車後の発進が困難になり、あるいは不能にな
る不都合がある。
【0018】
【課題を解決するための手段】このような不都合を解消
すべく、この発明は、駆動側プーリの駆動側油圧室及び
被動側プーリの被動側油圧室に供給されるプライマリ圧
及びライン圧の各圧油により前記駆動側プーリ及び被動
側プーリの各溝幅を相対的に増減させ、前記駆動側プー
リ及び被動側プーリに巻掛けられたベルトの回転半径を
相対的に増減させて変速比を変化させる無段変速機を設
け、前記駆動側油圧室に給排されるプライマリ圧を調整
して前記無段変速機の変速比を制御する変速用流量制御
弁を設け、この変速用流量制御弁に供給される信号圧を
調整して変速用流量制御弁の動作を制御する変速用ソレ
ノイド弁を設け、この変速用ソレノイド弁により前記変
速用流量制御弁の動作を制御して前記駆動側油圧室に給
排されるプライマリ圧を調整することにより前記無段変
速機の変速比を制御する無段変速機の変速制御装置にお
いて、前記変速用流量制御弁は弁本体の摺動孔内にスプ
ール弁体を摺動可能に内装して設け、前記弁本体の摺動
孔内周面に前記駆動側油圧室に連通する駆動側ポートを
設け、この駆動側ポートの摺動孔軸線方向一側に前記駆
動側油圧室に供給するプライマリ圧の圧油を導入される
導入側ポートを設けるとともに摺動孔軸線方向他側に前
記駆動側油圧室から排出されるプライマリ圧の圧油を導
出する導出側ポートを設け、前記スプール弁体に前記駆
動側ポートに対して前記導入側ポートと導出側ポートと
のいずれかを選択的に連通する小径部を設け、この小径
部のスプール弁体軸線方向一側に前記駆動側ポートと導
出側ポートとの連通時に前記導入側ポートを閉鎖する導
入側ランド部を設けるとともにスプール弁体軸線方向他
側に前記駆動側ポートと導入側ポートとの連通時に前記
導出側ポートを閉鎖する導出側ランド部を設け、前記小
径部には前記駆動側ポートの摺動孔軸線方向の開口長さ
よりも短いスプール弁体軸線方向のランド長さを有する
とともに前記スプール弁体が摺動孔軸線方向両端に移動
した際に前記導入側ポートと導出ポートとのいずれかに
対して連通している駆動側ポートを閉鎖する閉鎖用ラン
ド部を設けたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明の変速制御装置は、変速
用流量制御弁の弁本体の摺動孔内周面に駆動側油圧室に
連通する駆動側ポートとプライマリ圧の圧油を導入する
導入側ポート及びプライマリ圧の圧油を導出する導出側
ポートとを設け、スプール弁体に小径部と導入側ランド
部及び導出側ランド部とを設け、小径部には駆動側ポー
トの摺動孔軸線方向の開口長さよりも短いスプール弁体
軸線方向のランド長さを有するとともにスプール弁体が
摺動孔軸線方向両端に移動した際に導入側ポートと導出
ポートとのいずれかに対して連通している駆動側ポート
を閉鎖する閉鎖用ランド部を設けたことにより、変速用
ソレノイド弁が機能を停止して変速用流量制御弁に供給
される信号圧の圧油の流量が最大値あるいは最小値とな
り、スプール弁体が摺動孔軸線方向両端のいずれかに移
動した場合に、駆動側ポートの開口長さよりも短いラン
ド長さを有する閉鎖用ランド部によって、導入側ポート
と導出ポートとのいずれかに対して連通している駆動側
ポートを閉鎖することができ、スプール弁体の動作が停
止されて、駆動側プーリの駆動側油圧室に対するプライ
マリ圧の圧油の給排を停止することができる。
【0020】
【実施例】以下図面に基づいて、この発明の実施例を説
明する。図1〜図6は、この発明の第1実施例を示すも
のである。図5において、2は図示しない車両に搭載さ
れたエンジン、4はクランク軸、6は無段変速機、8は
変速機ケースである。無段変速機6は、エンジン2のク
ランク軸4に対して同軸に配設された駆動側軸10を変
速機ケース8に軸支して設け、この駆動側軸10に対し
て平行に配設された被動側軸12を変速機ケース8に軸
支して設けている。
【0021】前記無段変速機6は、駆動側軸10に駆動
側プーリ14を設け、被動側軸12に被動側プーリ16
を設け、駆動側プーリ14及び被動側プーリ16にベル
ト18を巻掛けて設けている。
【0022】駆動側プーリ14は、駆動側軸10に固定
した駆動側固定プーリ部片20と、駆動側軸10に軸方
向移動可能且つ回転不可能に装着した駆動側可動プーリ
部片22と、からなる。駆動側可動プーリ部片22の背
面には、駆動側ハウジング24により駆動側油圧室26
を形成している。
【0023】被動側プーリ16は、被動側軸12に固定
した被動側固定プーリ部片28と、被動側軸12に軸方
向移動可能且つ回転不可能に装着した被動側可動プーリ
部片30と、からなる。被動側可動プーリ部片30の背
面には、被動側ハウジング32により被動側油圧室34
を形成し、この被動側油圧室34内に被動側可動プーリ
部片30を被動側固定プーリ部片28側に押圧する調整
用スプリング36を設けている。
【0024】駆動側プーリ14及び被動側プーリ16
は、駆動側油圧室26及び被動側油圧室34に供給され
るプライマリ圧及びライン圧の各圧油により各溝幅を相
対的に増減させ、ベルト18の回転半径を相対的に増減
させて変速比を連続的に変化させる。
【0025】無段変速機6は、駆動側軸10のエンジン
2に近接する入力側に、クランク軸4及び駆動側軸10
に対して同軸に配設された入力軸38を設けている。入
力軸38には、入力側及びクランク軸4の出力側間にト
ルクコンバータ40を設け、出力側及び駆動側軸10の
入力側間に前後進切換機構42を設け、トルクコンバー
タ40及び前後進切換機構42間にオイルポンプ44を
設けている。
【0026】前記トルクコンバータ40は、直結クラッ
チ46を有し、直結クラッチ46の解放によりクランク
軸4のエンジントルクを増大させて入力軸38に伝達す
るとともに、直結クラッチ46の接続によりクランク軸
4を入力軸38に直結する。前記前後進切換機構42
は、図4に示す如く、前進用クラッチ48と後進用ブレ
ーキ50とを有し、前進用クラッチ48と後進用ブレー
キ50との接続・解放により入力軸38の回転を正転あ
るいは逆転させて駆動側軸10に伝達する。前記オイル
ポンプ44は、発生する圧油を駆動側油圧室26及び被
動側油圧室34や直結クラッチ46、前進用クラッチ4
8、後進用ブレーキ50、後述する出力用クラッチ54
に供給する。
【0027】無段変速機6は、被動側軸12の出力側
に、この被動側軸12と同軸に配設された出力軸52を
軸支して設けている。出力軸52は、前記被動側軸12
の出力側及び入力側間に出力用クラッチ54を設けてい
る。また、無段変速機6は、出力軸52に対して平行に
配設されたカウンタ軸56を軸支して設けている。前記
出力軸52及びカウンタ軸56間には、リダクションギ
ヤ列58を設けている。
【0028】また、無段変速機6は、カウンタ軸56に
対して平行に配設されたデファレンシャル60を軸支し
て設けている。前記カウンタ軸56及びデファレンシャ
ル60のデフケース62間には、ファイナルギヤ列64
を設けている。デファレンシャル60には、夫々ドライ
ブシャフト66・66の一端側を連結し、ドライブシャ
フト66・66の他端側に図示しない駆動輪を取付けて
いる。
【0029】無段変速機6の駆動側プーリ14及び被動
側プーリ16とトルクコンバータ40と前後進切換機構
42と出力用クラッチ54とは、図4に示す如く、変速
制御装置68により制御される。変速制御装置68は、
変速機ケース8に取付けられたバルブボディ70にオイ
ルポンプ44の発生する吐出圧から制御用の圧油を取出
す油圧回路72を設けている。
【0030】変速制御装置68は、バルブボディ70内
の油圧回路72に、オイルポンプ44に一端側を連絡す
るとともに他端側をライン圧調整弁78に連絡するライ
ン圧通路76を設けている。ライン圧調整弁78は、オ
イルポンプ44の吐出圧をライン圧に調整する。ライン
圧調整弁78は、ライン圧用ソレノイド弁80により動
作を制御される。
【0031】オイルポンプ44とライン圧調整弁78と
の間のライン圧通路76には、プライマリ圧通路82及
びセカンダリ圧通路84の各一端側を連絡して設けてい
る。プライマリ圧通路82及びセカンダリ圧通路84
は、各他端側を駆動側プーリ14の駆動側油圧室26及
び被動側プーリ16の被動側油圧室34に夫々連絡して
設けている。
【0032】前記プライマリ圧通路82の途中には、ラ
イン圧から取出されて駆動側油圧室26に給排されるプ
ライマリ圧を調整し、無段変速機6の変速比を制御する
変速用流量制御弁86を設けている。この変速用流量制
御弁86は、変速用ソレノイド弁88の供給する信号圧
の圧油により動作を制御され、変速比を制御する。前記
セカンダリ圧通路84は、ライン圧の圧油をそのままセ
カンダリ圧の圧油として被動側油圧室34に供給し、ベ
ルト18のクランプ力を保持する。
【0033】前記ライン圧調整弁78とクラッチ圧制御
弁87との間には、クラッチ圧通路76−1を設け、ク
ラッチ圧制御弁87とトルコン圧調整弁89との間に
は、トルコン圧通路76−2を設け、トルコン圧調整弁
89と潤滑・冷却系統74との間には、潤滑通路76−
3を設けている。
【0034】ライン圧調整弁78とクラッチ圧制御弁8
7との間のクラッチ圧通路76−1には、前後進切換用
クラッチ圧通路90の一端側を連絡して設けている。前
後進切換用クラッチ圧通路90は、他端側を分岐して前
後進切換機構42の前進用クラッチ48及び後進用ブレ
ーキ50に連絡して設けている。前記前後進切換用クラ
ッチ圧通路90の途中には、マニュアルシフト弁92を
設けている。マニュアルシフト弁92は、図示しないシ
フトレバーにより動作されて前進用クラッチ48及び後
進用ブレーキ50にクラッチ圧を選択的に供給し、駆動
側軸10の回転を前進用の正転と後進用の逆転とに切換
える。
【0035】また、ライン圧調整弁78とクラッチ圧制
御弁87との間のクラッチ圧通路76−1には、出力用
クラッチ圧通路94の一端側を連絡して設けている。出
力用クラッチ圧通路94は、他端側を出力用クラッチ5
4に連絡して設けている。出力用クラッチ圧通路94の
途中には、ニュートラル制御弁96を設けている。ニュ
ートラル制御弁96は、出力用クラッチ54にクラッチ
圧を給排し、接離状態を制御する。ニュートラル制御弁
96は、ニュートラル用ソレノイド弁98の供給する信
号圧の圧油により動作を制御され、出力用クラッチ54
を制御する。
【0036】前記クラッチ圧制御弁87とトルコン圧調
整弁89との間のトルコン圧通路76−2には、トルコ
ン圧通路100の一端側を連絡して設けている。トルコ
ン圧通路100の他端側は、トルクコンバータ40の直
結クラッチ46に連絡して設けている。トルコン圧通路
100の途中には、直結クラッチ制御弁102を設けて
いる。直結クラッチ制御弁102は、直結用ソレノイド
弁104の供給する信号圧の圧油により作動を制御さ
れ、直結クラッチ46の接離状態を制御する。
【0037】ライン圧用ソレノイド弁80と変速用ソレ
ノイド弁88とニュートラル用ソレノイド弁98と直結
用ソレノイド弁104とは、各信号線106〜112に
より変速制御手段114に接続して設けている。
【0038】変速制御装置68は、ライン圧用ソレノイ
ド弁80とニュートラル用ソレノイド弁98と直結用ソ
レノイド弁104とにより夫々ライン圧調整弁78とニ
ュートラル制御弁96と直結用クラッチ制御弁102と
を制御することにより、被動側プーリ16によるベルト
18の保持状態と出力用クラッチ54の接離状態と直結
クラッチ46の接離状態とを制御するとともに、変速用
ソレノイド弁88により変速用流量制御弁86の動作を
制御して駆動側油圧室26に給排されるプライマリ圧を
調整することにより、駆動側プーリ14及び被動側プー
リ16の各溝幅を相対的に増減させてベルト18の回転
半径を相対的に増減させ、無段変速機6の変速比を制御
する。
【0039】変速制御装置68の前記変速用流量制御弁
86は、図1に示す如く、弁本体116の摺動孔118
内にスプール弁体120を摺動可能に内装して設けてい
る。
【0040】弁本体116は、摺動孔118の内周面1
22の軸線方向中央部位に円周方向に溝状の駆動側ポー
ト124を設け、この駆動側ポート124を挟んで軸線
方向両側に円周方向に溝状の導入側ポート126及び導
出側ポート128を設けている。駆動側ポート124
は、駆動側プーリ14の駆動側油圧室26に連通する。
導入側ポート126は、駆動側ポート124の摺動孔軸
線方向一側に設けられ、駆動側油圧室26に供給される
プライマリ圧の圧油を導入する。導出側ポート128
は、駆動側ポート124の摺動孔軸線方向他側に設けら
れ、駆動側油圧室26から排出されるプライマリ圧の圧
油を導出する。
【0041】また、弁本体116には、摺動孔118の
軸線方向一端に摺動孔118に連続する同径のシフトダ
ウン用油圧室130を設けるとともに、軸線方向他端に
摺動孔118よりも小径のシフトアップ用油圧室132
を設けている。シフトダウン用油圧室130及びシフト
アップ用油圧室132には、図3に示す如く、信号圧の
圧油を供給する信号圧通路134・136を夫々連絡し
て設けている。
【0042】前記スプール弁体120には、軸線方向中
央部位に小径部138を設け、この小径部138を挟ん
で軸線方向両側に夫々導入側ランド部140及び導出側
ランド部142を設けている。小径部138は、駆動側
ポート124に対して導入側ポート126と導出側ポー
ト128とのいずれかを選択的に連通する。導入側ラン
ド部140は、小径部138のスプール弁体軸線方向一
側に設けられ、小径部138による駆動側ポート124
と導出側ポート128との連通時に、導入側ポート12
6を閉鎖する。導出側ランド部142は、小径部138
のスプール弁体軸線方向他側に設けられ、小径部138
による駆動側ポート124と導入側ポート126との連
通時に、導出側ポート128を閉鎖する。
【0043】また、スプール弁体120には、軸線方向
他端に前記シフトアップ用油圧室132内に摺動可能に
内装されるシフトアップ用ランド部144を設けてい
る。シフトアップ用ランド部144は、シフトダウン用
油圧室130内に摺動可能に内装される導入側ランド部
140よりも小径に形成して設けている。さらに、スプ
ール弁体120は、軸線方向一端の導入側ランド部14
0にシフトダウン用バネ146を弾設するとともに、軸
線方向他側のシフトアップ用ランド部144にシフトダ
ウン用バネ148を弾設している。
【0044】変速制御装置68の変速用ソレノイド弁8
8は、図3に示す如く、変速用流量制御弁86のシフト
ダウン用油圧室130に連通する信号圧通路134の途
中に設けられ、シフトダウン用油圧室130に供給され
る信号圧を調整して変速用流量制御弁86の動作を制御
する。変速用ソレノイド弁88は、ソレノイド150の
通電・非通電により動作される弁体152を設け、この
弁体152により信号圧通路134を開閉する。変速用
ソレノイド弁88は、ソレノイド150を信号線108
により前記変速制御手段114に接続して設けている。
【0045】前記変速用流量制御弁86の小径部138
には、閉鎖用ランド部154を設けている。閉鎖用ラン
ド部154は、駆動側ポート124の摺動孔軸線方向の
開口長さL1よりも短いスプール弁体軸線方向のランド
長さL2を有する(L1>L2)とともに、スプール弁
体120が摺動孔軸線方向両端に移動した際に導入側ポ
ート126と導出ポート128とのいずれかに対して連
通している駆動側ポート124を閉鎖する。
【0046】この閉鎖用ランド部154には、スプール
弁体120が摺動孔軸線方向両端に移動した際に、導入
側ポート126と導出側ポート128とのいずれかに対
して閉鎖している駆動側ポート124をわずかに連通さ
せるオリフィス156を設けている。
【0047】この実施例において、変速用流量制御弁8
6は、信号線108の断線等による変速用ソレノイド弁
88の非通電時に、スプール弁体120が摺動孔軸線方
向他端のシフトアップ用油圧室132を縮小して変速比
を大とする側に移動するようシフトダウン用油圧室13
0に信号圧通路134により信号圧の圧油を供給され
る。また、前記閉鎖用ランド部154には、スプール弁
体120が摺動孔軸線方向他端に移動した際に、導出側
ポート128に対して閉鎖している駆動側ポート124
をわずかに連通させる前記オリフィス156を設けてい
る。このオリフィス156は、図6に示す如く、閉鎖用
ランド部154の外周面158の径方向対称位置を軸線
方向に溝状に切欠くことにより形成して設けている。
【0048】次に作用を説明する。
【0049】無段変速機6の変速制御装置68は、変速
制御手段114によって、変速用ソレノイド弁88のソ
レノイド150を通電状態・非通電状態に制御して弁体
152を動作させ、信号圧通路136により変速用流量
制御弁86のシフトアップ用油圧室132に供給される
信号圧の圧油に対して、信号圧通路134により変速用
流量制御弁86のシフトダウン用油圧室130に供給さ
れる信号圧を調整することにより、変速用流量制御弁8
6のスプール弁体120の動作を制御する。
【0050】変速用流量制御弁86は、図2(C)に示
す如く、スプール弁体120が中立位置にあるときには
駆動側ポート124に対して導入側ポート126及び導
出側ポート128を閉鎖することにより変速比が変化し
ないよう維持し、図2(B)に示す如く、スプール弁体
120が摺動孔軸線方向一側のシフトアップ位置にある
ときには駆動側ポート124に対して導入側ポート12
6を連通して導出側ポート128を閉鎖することにより
変速比が小さくなるよう変化させ、図2(D)に示す如
く、スプール弁体120が摺動孔軸線方向他側のシフト
ダウン位置にあるときには駆動側ポート124に対して
導入側ポート126を閉鎖して導出側ポート128を連
通することにより変速比が大きくなるよう変化させる。
【0051】これにより、変速制御装置68は、変速用
ソレノイド弁88により変速用流量制御弁86の動作を
制御して駆動側油圧室26に給排されるプライマリ圧を
調整することにより、駆動側プーリ14及び被動側プー
リ16の各溝幅を相対的に増減させてベルト18の回転
半径を相対的に増減させ、十分な開口面積によりキック
ダウンにも対応できる素早い変速を可能とし、無段変速
機6の変速比を制御する。
【0052】また、変速制御装置68は、変速用ソレノ
イド弁88がソレノイド150の断線等により機能を停
止した場合に、変速用ソレノイド弁88から信号圧通路
134により変速用流量制御弁86のシフトダウン用油
圧室130に供給される信号圧が最大値あるいは最小値
となる。
【0053】このとき、変速用流量制御弁86は、供給
される信号圧が最大となって、スプール弁体120が摺
動孔軸線方向他端に移動された場合に、図2(E)に示
す如く、導出側ポート128に連通した状態の駆動側ポ
ート124が閉鎖用ランド部154によって閉鎖され
る。一方、変速用流量制御弁86は、供給される信号圧
が最小値となって、スプール弁体120が摺動孔軸線方
向一端に移動された場合に、図2(A)に示す如く、導
入側ポート126に連通した状態の駆動側ポート124
が閉鎖用ランド部154によって閉鎖される。
【0054】これにより、変速用流量制御弁86は、駆
動側プーリ14の駆動側油圧室26に対するプライマリ
圧の圧油の給排を停止することができる。
【0055】このため、この無段変速機6の変速制御装
置68は、変速用流量制御弁86を動作制御する変速用
ソレノイド弁88の機能停止時に、変速比が急激に変化
することを防止することができる。また、通常の変速制
御では、変速用流量制御弁86のスプール弁体120
は、摺動孔軸線方向両端までは移動しない範囲で制御さ
れており、摺動孔軸線方向両端までスプール弁体120
が移動した時は、変速用ソレノイド弁88の故障と判断
でき、故障検出センサの出力信号等を必要とせず、故障
時の対応が可能となる。
【0056】また、前記公報に開示される変速制御装置
は、変速用ソレノイド弁の機能停止時に、変速比制御用
の駆動側プーリの駆動側油圧室にプライマリ圧の圧油を
閉じ込めることにより、変速比の急激な変化を防止して
いる。しかし、この公報に開示される変速制御装置は、
閉じ込められた圧油がシールから漏れることを利用して
変速比を最大となる側に変化させているため、変速比が
最大に変化するまでに時間が掛かり、停車後の発進性を
確保することが不確実になる不都合がある。
【0057】そこで、この変速制御装置68の変速用流
量制御弁86は、信号線108の断線等による変速用ソ
レノイド弁88の非通電時に、スプール弁体120が摺
動孔軸線方向他端のシフトアップ用油圧室132を縮小
して変速比を大とする側に移動するよう、シフトダウン
用油圧室130に信号圧通路134により信号圧の圧油
を供給する構成としている。
【0058】また、前記閉鎖用ランド部154には、ス
プール弁体120が摺動孔軸線方向他端に移動した際
に、導出側ポート128に対して閉鎖している駆動側ポ
ート124をわずかに連通させる溝状のオリフィス15
6を設けている。
【0059】これにより、この変速制御装置68は、変
速比が小さい状態での走行中に変速用ソレノイド弁88
が機能停止した場合に、閉鎖用ランド部154によって
変速比が小さい状態から急激に最大の変速比に変化する
ことを防止でき、オリフィス156によって徐々に大き
な変速比に変化させることができる。
【0060】このため、この変速制御装置68は、変速
比が小さい状態で変速用ソレノイド弁88が機能停止し
た場合に、ベルト18のスリップを生じることがなく、
駆動側プーリ14及び被動側プーリ16やベルト18の
損傷を防止することができ、また、最終的に変速比を最
大の値に変化させることができ、停車後の発進性を確保
することができる。また、オリフィス156は、変速用
ソレノイド弁88が機能停止した際にのみ機能すること
により、図2(B)〜図2(D)に示す通常の制御に何
ら影響を及ぼすことがない。
【0061】なお、この実施例のオリフィス156は、
閉鎖用ランド部154の外周面158の径方向対称位置
を軸線方向に溝状に切欠くことにより形成したが、図7
に示す如く、閉鎖用ランド部154の外周面158の径
方向対称位置を軸線方向に平面状に切欠くことにより形
成して設けることもできる。
【0062】また、オリフィス156は、図8に示す如
く、閉鎖用ランド部154の外周面158の外径D1を
摺動孔118の内周面122の内径D2よりもわずかに
径小(D1<D2)とすることにより、摺動孔118の
内周面122と閉鎖用ランド部154の外周面158と
の間に円環形状に形成して設けることもできる。
【0063】さらに、オリフィス156は、図9に示す
如く、閉鎖用ランド部154の設けられた部位の小径部
138をスプール弁体軸線方向に対して傾斜して貫通す
ることにより、閉鎖用ランド部154を挟んで摺動孔1
18を連通する貫通孔形状に形成して設けることもでき
る。
【0064】図10・図11は、変速制御装置の第2実
施例を示すものである。第2実施例において、第1実施
例と同一機能を果たす箇所には同一符号を付して説明す
る。第2実施例の変速制御装置68は、図10に示す如
く、変速用流量制御弁86の弁本体116の摺動孔11
8内にスプール弁体120を摺動可能に内装して設け
て、弁本体116に駆動側ポート124と導入側ポート
126及び導出側ポート128とを設け、スプール弁体
120に小径部138と導入側ランド部140及び導出
側ランド部142とを設けている。
【0065】第2実施例の変速制御装置68は、変速用
流量制御弁86の小径部138にスプール弁体120が
摺動孔軸線方向両端に移動した際に、導入側ポート12
6と導出ポート128とのいずれかに対して連通してい
る駆動側ポート124を閉鎖する閉鎖用ランド部154
を設け、導出用ランド部142に導出用ランド部側オリ
フィス160を形成して設け、閉鎖用ランド部154に
閉鎖用ランド部側オリフィス162を形成して設けてい
る。
【0066】前記導出用ランド部側オリフィス160
は、スプール弁体120が摺動孔軸線方向一側のシフト
アップ位置にあるときに、導出側ポート128に対して
駆動側ポート124を連通せず、スプール弁体120が
摺動孔軸線方向一端に移動した際に、導出側ポート12
8に対して閉鎖している駆動側ポート124をわずかに
連通させるよう、導出用ランド部142の小径部138
側端近傍の外周面164の径方向対称位置に溝状に窪ま
せて形成して設けている。
【0067】前記閉鎖用ランド部側オリフィス162
は、スプール弁体120が摺動孔軸線方向一端に移動し
た際に、導入側ポート126に対して駆動側ポート12
4を連通せず、スプール弁体120が摺動孔軸線方向他
端に移動した際に、導出側ポート128に対して閉鎖し
ている駆動側ポート124をわずかに連通させるよう、
外周面158と導出用ランド部154に対向する導出側
面166とに跨って径方向対称位置溝状に窪ませて形成
して設けている。
【0068】次に、第2実施例の作用を説明する。
【0069】変速制御装置68は、図11(C)に示す
如く、変速用流量制御弁86のスプール弁体120が中
立位置にあるときには変速比が変化しないよう維持し、
図11(B)に示す如く、スプール弁体120が摺動孔
軸線方向一側のシフトアップ位置にあるときに駆動側ポ
ート124に変速比が小さくなるよう変化させ、図11
(D)に示す如く、スプール弁体120が摺動孔軸線方
向他側のシフトダウン位置にあるときに変速比が大きく
なるよう変化させる。
【0070】これにより、変速制御装置68は、変速用
ソレノイド弁88により変速用流量制御弁86の動作を
制御して駆動側油圧室26に給排されるプライマリ圧を
調整することにより、駆動側プーリ14及び被動側プー
リ16の各溝幅を相対的に増減させてベルト18の回転
半径を相対的に増減させ、無段変速機6の変速比を制御
する。
【0071】また、変速制御装置68は、変速用ソレノ
イド弁88がソレノイド150の断線等により機能を停
止し、変速用流量制御弁86のシフトダウン用油圧室1
30に供給される信号圧が最大となって、スプール弁体
120が摺動孔軸線方向他端に移動された場合に、図1
1(E)に示す如く、導出側ポート128に連通した状
態の駆動側ポート124が閉鎖用ランド部154によっ
て閉鎖される。一方、変速用流量制御弁86は、供給さ
れる信号圧が最小値となって、スプール弁体120が摺
動孔軸線方向一端に移動された場合に、図2(A)に示
す如く、導入側ポート126に連通した状態の駆動側ポ
ート124が閉鎖用ランド部154によって閉鎖され
る。
【0072】これにより、変速用流量制御弁86は、駆
動側プーリ14の駆動側油圧室26に対するプライマリ
圧の圧油の給排を停止することができるため、変速用流
量制御弁86を動作制御する変速用ソレノイド弁88の
機能停止時に、変速比が急激に変化することを防止する
ことができる。
【0073】さらに、変速制御装置68は、変速用流量
制御弁86のスプール弁体120が摺動孔軸線方向他端
に移動されて、駆動側ポート124が閉鎖用ランド部1
54によって閉鎖された場合に、図11(E)に示す如
く、閉鎖用ランド部側オリフィス162によって駆動側
ポート124を導出側ポート128にわずかに連通さ
せ、駆動側ポート124のプライマリ圧の圧油を徐々に
排出させる。また、変速用流量制御弁86は、スプール
弁体120が摺動孔軸線方向一端に移動されて、駆動側
ポート124が導出用ランド部142によって閉鎖され
た場合に、図11(A)に示す如く、導出用ランド部側
オリフィス160によって駆動側ポート124を導出側
ポート128にわずかに連通させ、駆動側ポート124
のプライマリ圧を徐々に排出させる。
【0074】これにより、第2実施例の変速制御装置6
8は、変速比が小さい状態での走行中に変速用ソレノイ
ド弁88が機能停止した場合でも、閉鎖用ランド部15
4によって変速比が小さい状態から急激に最大の変速比
に変化することを防止できるとともに、導出用ランド部
側オリフィス162によって徐々に大きな変速比に変化
させることができる。また、第2実施例の変速制御装置
68は、変速用ソレノイド弁88の非通電時の動作方向
を考慮する必要が無くなり、変速用ソレノイド弁88の
全開側固着故障や全閉側固着故障にも対処することがで
きる。
【0075】このため、この変速制御装置68は、変速
比が小さい状態で変速用ソレノイド弁88が機能停止し
た場合に、ベルト18のスリップを生じることがなく、
駆動側プーリ14及び被動側プーリ16やベルト18の
損傷を防止することができ、また、最終的に変速比を最
大の値に変化させることができ、停車後の発進性を確保
することができる。また、導出用ランド部側オリフィス
160及び閉鎖用ランド部側オリフィス162は、変速
用ソレノイド弁88が機能停止した際にのみ機能するこ
とにより、図11(B)〜図11(D)に示す通常の制
御に何ら影響を及ぼすことがない。
【0076】
【発明の効果】このように、この発明の無段変速機の変
速制御装置は、変速用ソレノイド弁が機能を停止して変
速用流量制御弁に供給される信号圧が最大値あるいは最
小値となり、スプール弁体が摺動孔軸線方向両端のいず
れかに移動した場合に、駆動側ポートの開口長さよりも
短いランド長さを有する閉鎖用ランド部によって、導入
側ポートと導出ポートとのいずれかに対して連通してい
る駆動側ポートを閉鎖することができ、駆動側プーリの
駆動側油圧室に対するプライマリ圧の圧油の給排を停止
することができる。
【0077】このため、この無段変速機の変速制御装置
は、変速用流量制御弁を動作制御する変速用ソレノイド
弁の機能停止時に変速比が急激に変化することを防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】変速制御装置の第1実施例を示す変速用流量制
御弁の断面図である。
【図2】変速用流量制御弁の動作を示し、(A)は信号
圧が最小値となった場合のスプール弁体の動作図、
(B)はシフトアップ時のスプール弁体の動作図、
(C)は中立時のスプール弁体の動作図、(D)はシフ
トダウン時のスプール弁体の動作図、(E)は信号圧が
最大値となった場合のスプール弁体の動作図である。
【図3】駆動側プーリ及び被動側プーリと変速用流量制
御弁の回路構成図である。
【図4】変速制御装置の回路構成図である。
【図5】無段変速機の断面図である。
【図6】オリフィスを設けたスプール弁体の断面図であ
る。
【図7】オリフィスの変形例を示すスプール弁体の断面
図である。
【図8】オリフィスの別の実施例を示すスプール弁体の
側面図である。
【図9】オリフィスのさらに別の実施例を示すスプール
弁体の側面図である。
【図10】変速制御装置の第2実施例を示す変速用流量
制御弁の断面図である。
【図11】変速用流量制御弁の動作を示し、(A)は信
号圧が最小値となった場合のスプール弁体の動作図、
(B)はシフトアップ時のスプール弁体の動作図、
(C)は中立時のスプール弁体の動作図、(D)はシフ
トダウン時のスプール弁体の動作図、(E)は信号圧が
最大値となった場合のスプール弁体の動作図である。
【図12】変速制御装置の従来例を示す回路構成図であ
る。
【図13】変速用流量制御弁及び変速用ソレノイド弁の
回路構成図である。
【図14】変速制御装置の変速用流量制御弁の断面図で
ある。
【図15】変速用流量制御弁の動作を示し、(A)は信
号圧の圧油の流量が最小値となった場合のスプール弁体
の動作図、(B)はシフトアップ時のスプール弁体の動
作図、(C)は中立時のスプール弁体の動作図、(D)
はシフトダウン時のスプール弁体の動作図、(E)は信
号圧の圧油の流量が最大値となった場合のスプール弁体
の動作図である。
【符号の説明】
2 エンジン 6 無段変速機 14 駆動側プーリ 16 被動側プーリ 18 ベルト 26 駆動側油圧室 34 被動側油圧室 44 オイルポンプ 68 変速制御装置 76 ライン圧通路 82 プライマリ圧通路 84 セカンダリ圧通路 86 変速用流量制御弁 88 変速用ソレノイド弁 114 変速制御手段 116 弁本体 118 摺動孔 120 スプール弁体 124 駆動側ポート 126 導入側ポート 128 導出側ポート 138 小径部 140 導入側ランド部 142 導出側ランド部 154 閉鎖用ランド部 156 オリフィス

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動側プーリの駆動側油圧室及び被動側
    プーリの被動側油圧室に供給されるプライマリ圧及びラ
    イン圧の各圧油により前記駆動側プーリ及び被動側プー
    リの各溝幅を相対的に増減させ、前記駆動側プーリ及び
    被動側プーリに巻掛けられたベルトの回転半径を相対的
    に増減させて変速比を変化させる無段変速機を設け、前
    記駆動側油圧室に給排されるプライマリ圧を調整して前
    記無段変速機の変速比を制御する変速用流量制御弁を設
    け、この変速用流量制御弁に供給される信号圧を調整し
    て変速用流量制御弁の動作を制御する変速用ソレノイド
    弁を設け、この変速用ソレノイド弁により前記変速用流
    量制御弁の動作を制御して前記駆動側油圧室に給排され
    るプライマリ圧を調整することにより前記無段変速機の
    変速比を制御する無段変速機の変速制御装置において、
    前記変速用流量制御弁は弁本体の摺動孔内にスプール弁
    体を摺動可能に内装して設け、前記弁本体の摺動孔内周
    面に前記駆動側油圧室に連通する駆動側ポートを設け、
    この駆動側ポートの摺動孔軸線方向一側に前記駆動側油
    圧室に供給されるプライマリ圧の圧油を導入する導入側
    ポートを設けるとともに摺動孔軸線方向他側に前記駆動
    側油圧室から排出されるプライマリ圧の圧油を導出する
    導出側ポートを設け、前記スプール弁体に前記駆動側ポ
    ートに対して前記導入側ポートと導出側ポートとのいず
    れかを選択的に連通する小径部を設け、この小径部のス
    プール弁体軸線方向一側に前記駆動側ポートと導出側ポ
    ートとの連通時に前記導入側ポートを閉鎖する導入側ラ
    ンド部を設けるとともにスプール弁体軸線方向他側に前
    記駆動側ポートと導入側ポートとの連通時に前記導出側
    ポートを閉鎖する導出側ランド部を設け、前記小径部に
    は前記駆動側ポートの摺動孔軸線方向の開口長さよりも
    短いスプール弁体軸線方向のランド長さを有するととも
    に前記スプール弁体が摺動孔軸線方向両端に移動した際
    に前記導入側ポートと導出ポートとのいずれかに対して
    連通している駆動側ポートを閉鎖する閉鎖用ランド部を
    設けたことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記閉鎖用ランド部には、前記スプール
    弁体が摺動孔軸線方向両端に移動した際に前記導入側ポ
    ートと導出側ポートとのいずれかに対して閉鎖している
    前記駆動側ポートをわずかに連通させるオリフィスを設
    けたことを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の変
    速制御装置。
  3. 【請求項3】 前記変速用流量制御弁は、前記変速用ソ
    レノイド弁の非通電時に前記スプール弁体が摺動孔軸線
    方向他端の変速比を大とする側に移動するよう信号圧の
    圧油を供給され、前記閉鎖用ランド部には前記スプール
    弁体が摺動孔軸線方向他端に移動した際に前記導出側ポ
    ートに対して閉鎖している前記駆動側ポートをわずかに
    連通させる前記オリフィスを設けたことを特徴とする請
    求項2に記載の無段変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 前記オリフィスは、前記閉鎖用ランド部
    の外周面を切欠くことにより形成して設けたことを特徴
    とする請求項2又は請求項3に記載の無段変速機の変速
    制御装置。
  5. 【請求項5】 前記オリフィスは、前記閉鎖用ランド部
    の外周面の外径を前記摺動孔の内周面の内径よりもわず
    かに径小とすることにより形成して設けたことを特徴と
    する請求項2又は請求項3に記載の無段変速機の変速制
    御装置。
  6. 【請求項6】 前記オリフィスは、前記閉鎖用ランド部
    の設けられた部位の小径部をスプール弁体軸線方向に対
    して傾斜して貫通することにより形成して設けたことを
    特徴とする請求項2又は請求項3に記載の無段変速機の
    変速制御装置。
JP2001052258A 2001-02-27 2001-02-27 無段変速機の変速制御装置 Pending JP2002257218A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001052258A JP2002257218A (ja) 2001-02-27 2001-02-27 無段変速機の変速制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001052258A JP2002257218A (ja) 2001-02-27 2001-02-27 無段変速機の変速制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002257218A true JP2002257218A (ja) 2002-09-11

Family

ID=18912918

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001052258A Pending JP2002257218A (ja) 2001-02-27 2001-02-27 無段変速機の変速制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002257218A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6306061B1 (en) Hydraulic control system for continuously variable transmission
EP1887259A2 (en) Shift control device and shift control method of vehicular continuously variable transmission
US6155396A (en) Clutch hydraulic controller
US9890853B2 (en) Hydraulic control device of continuously variable transmission for vehicle
KR100517268B1 (ko) 벨트식 무단 변속기의 변속 유압 제어 장치
JP4565701B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置
JPH0262467A (ja) 変速機の油圧制御装置
JPH05248534A (ja) 自動変速機の油圧制御装置の変速バルブ
JP2002257218A (ja) 無段変速機の変速制御装置
JPH01188723A (ja) クラッチの潤滑装置
JP3118905B2 (ja) 無段変速機の冷却油制御装置
JP4644381B2 (ja) 無段変速機の油圧制御装置
JP4652511B2 (ja) 無段変速機の油圧制御装置
JP2994766B2 (ja) 自動変速機のオイルクーラ流量制御装置
JP6879787B2 (ja) 動力伝達装置
JP4745533B2 (ja) 自動変速機
JP2008518176A (ja) 制御装置を備える無段変速機
JP3118904B2 (ja) 無段変速機の冷却油制御装置
JP2018112240A (ja) 自動変速機の油圧制御装置
JP3128846B2 (ja) 無段変速機の冷却油制御装置
JP3118906B2 (ja) 無段変速機の冷却油制御装置
JP4719329B2 (ja) 無段変速機の油圧制御装置
JP2800439B2 (ja) 無段変速機の油圧制御装置
JP2003042274A (ja) 自動変速機
JP2001280455A (ja) 無段変速機の変速比制御装置