JP4644381B2 - 無段変速機の油圧制御装置 - Google Patents

無段変速機の油圧制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車に搭載する無段変速機の油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原動機の駆動を変速機に伝える方法として、流体継手であるトルクコンバータが様々な車両に採用されている。流体を介するため、入力と出力との回転差がある場合には滑らかに動力を伝達することができる。しかし入力と出力との回転差が無くなった場合には、滑らかに伝達を行う必要はなく逆に流体を介するため伝達損失を生ずる。そこで入力と出力との回転差が小さくなった場合には、入力と出力とを機械的に係合するロックアップクラッチが開発されている。ロックアップクラッチとしては、油圧によりトルクコンバータ入力側のドライブプレートと出力側のタービン軸に固定される摩擦係合部材とを圧着するものがある。
【0003】
無段変速機は、入力軸に設置されるプライマリプーリと出力軸に設置されるセカンダリプーリとの間に金属製の駆動ベルトを装着し、油圧制御することで2つのプーリのコーン面間隔を任意に変えることにより、プーリ径を変化させて出力軸の回転数を無段階に変化させるようにしたものがある。
【0004】
このような無段変速機には前進時と後退時とに駆動軸の回転方向を変えるための前後進切換装置が装着される。前後進切換装置にはダブルピニオン式プラネタリギヤと前進用クラッチと後退用ブレーキとを有するものが開発されている。このタイプの前後切換装置を使用する際には、後退用ブレーキの係合トルクを前進用クラッチの係合トルクに比して高く設定しなくてはならない。このため後退用ブレーキの大型化、もしくは高圧と低圧との2種類の作動油圧が必要となる。しかし後退用ブレーキの大型化は前後進切換装置の大型化を必要とするため、前後進切換装置には高圧と低圧との2種類の作動油圧を用いている。
【0005】
前後進切換装置にダブルピニオン式プラネタリギヤと前進用クラッチと後退用ブレーキとを採用する場合には、たとえば特開平10-325458号公報に記載されるようにリバースシグナル弁により制御されるクラッチ圧弁を設け、前後進切換装置に供給する作動油圧を高圧および低圧に調圧するようにしている。またロックアップクラッチを制御するスイッチ弁を有し、リバースシグナル弁の下流側にはスイッチ弁にパイロット圧を供給制御するロックアップ切換弁を有している。このためロックアップを必要としない駐車(P)および後退(R)レンジにセレクトレバーが操作されると、ロックアップ切換弁の上流側においてパイロット圧がリバースシグナル弁により遮断され、ロックアップ切換弁が誤作動を起こしてもロックアップクラッチの誤作動が防止される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来では、クラッチ圧弁にパイロット圧を供給するために、マニュアル弁と同期して作動するリバースシグナル弁が用いられており、無段変速機にはマニュアル弁に加えてリバースシグナル弁を組み込む必要があり、部品点数が増加するだけでなく、リバースシグナル弁のスペースを無段変速機に確保する必要がある。
【0007】
本発明の目的は、リバースシグナル弁を用いることなく、クラッチ圧弁の制御機能を維持し、駐車、後退および中立レンジにおけるロックアップクラッチの誤作動防止機能を達成し得るようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の油圧制御装置は、入力軸に設けられるプライマリプーリ、および出力軸に設けられ前記プライマリプーリとの間にベルトが装着されるセカンダリプーリを有する無段変速機本体と、ロックアップクラッチ付きトルクコンバータと、前記トルクコンバータの出力軸と前記入力軸との間に設けられた前後進切換装置とを有する無段変速機の油圧制御装置であって、運転者のセレクトレバー操作により作動し、前記前後進切換装置の前進用油室と後退用油室とに対する油圧の供給を切り換えるマニュアル弁と、ロックアップクラッチのアプライ室とリリース室とに対する油圧の供給を切り換えるスイッチ弁と、油圧源から前記前進用油室と前記後退用油室と前記アプライ室とにそれぞれ供給される油圧を調圧するクラッチ圧弁と、前記前進用油室と前記クラッチ圧弁のパイロット室とを接続するパイロット圧路とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明の油圧制御装置は、パイロット圧路を前記スイッチ弁のパイロット室に接続し、前記パイロット圧路に流路を開閉するロックアップ切換弁を設けたことを特徴とする。
【0010】
本発明にあっては、前進用油室とクラッチ圧弁のパイロット室とがパイロット圧路により接続されており、前後進切り換え装置の前進用油室に作動油が供給される前進走行時には、リバースシグナル弁を用いることなく、クラッチ圧弁にパイロット圧を供給することができる。このパイロット圧路はロックアップ切換弁を介してスイッチ弁のパイロット室に接続されており、前進走行時にリバースシグナル弁を用いることなく、トルクコンバータをロックアップさせることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1は無段変速機10の駆動系を示す概要図である。図1に示すように、無段変速機10の駆動系はトルクコンバータ11と前後進切換装置12と無段変速機本体13とからなり、駆動系はケース14に組み込まれている。
【0013】
原動機のクランク軸15にはドライブプレート16が取り付けられ、ドライブプレート16の縁端部にはポンプ側ケース17が設けられる。ポンプ側ケース17にはポンプインペラ18が設けられ、ポンプインペラ18に対面してタービンランナ19が回転自在に装着され、タービンランナ19にはトルクコンバータ11の出力軸となるタービン軸20が直結される。ポンプインペラ18とタービンランナ19との間にはステータ21が配置され、ステータ21はワンウェイクラッチ22を介して、ケース14に固定されるステータ取付軸23により一方向に回転支持される。タービン軸20にはドライブプレート16に対して係合および解放自在となるロックアップクラッチ24が直結され、原動機の駆動トルクはトルクコンバータ11またはロックアップクラッチ24を介してタービン軸20に伝達される。
【0014】
トルクコンバータ11では、ロックアップクラッチ24を境界として一方側は解放室であるリリース室25となり、他方側は供給室であるアプライ室26となる。リリース室25に作動油が供給されアプライ室26の作動油が開放されると、ロックアップクラッチ24は圧力差によりドライブプレート16から離され、ロックアップ解除状態となる。そしてリリース室25に供給される作動油はアプライ室26を介してトルクコンバータ11内を循環する。すなわちクランク軸15での回転駆動が作動油を介してタービン軸20に伝達される。またアプライ室26に作動油が供給されリリース室25の作動油が開放されると、ロックアップクラッチ24は圧力差によりドライブプレート16に係合する。この状態はロックアップ係合状態であり、クランク軸15の回転駆動を直接タービン軸20に伝達することになる。さらにリリース室25の油圧制御を行い、ロックアップクラッチ24を滑らせるスリップ制御も行われる。
【0015】
ケース14内に装着される軸受30には、前後進切換装置12からの入力軸31が回転自在に装着される。入力軸31にはプライマリ固定プーリ32aが固定され、対面してプライマリ可動プーリ32bがボールスプラインにより摺動自在に装着され、2つのプーリによりコーン面間隔可変となるプライマリプーリ32を形成する。入力軸31と平行に回転自在に装着される出力軸33には、セカンダリ固定プーリ34aが固定され、対面してセカンダリ可動プーリ34bがボールスプラインにより摺動自在に装着される。2つのプーリによりコーン面間隔可変となるセカンダリプーリ34を形成する。
【0016】
プライマリプーリ32とセカンダリプーリ34との間には駆動ベルト35が掛け渡され、コーン面間隔を変えることにより駆動ベルト35を保持するプーリ径が変化し、入力軸31から出力軸33に無段変速を可能とする。
【0017】
入力軸31には、プライマリ可動プーリ32bが摺動自在に装着されるシリンダ36が固定され、シリンダ36およびプライマリ可動プーリ32bにより形成されるプライマリ油室37に対して油圧制御を行うことにより、プライマリプーリ32のコーン面間隔を変えることができる。
【0018】
セカンダリ可動プーリ34bには、内面にプランジャ40を摺動自在に装着するシリンダ41が装着され、出力軸33にはプランジャ40が固定される。セカンダリ可動プーリ34bおよびプランジャ40により形成されるセカンダリ油室42に対して油圧制御を行うことにより、セカンダリプーリ34のコーン面間隔を変えることができる。
【0019】
出力軸33より出力される回転駆動は、ケース14内に設けられる複数の歯車43〜46、およびディファレンシャル装置47を介して車輪48に伝達される。
【0020】
前後進切換装置12は、タービン軸20に固定される前進用クラッチシリンダ50と、入力軸31に固定されるクラッチハブ51とを有している。前進用クラッチシリンダ50とクラッチハブ51との間には、多板式の前進用クラッチ52が設けられる。前進用クラッチシリンダ50の内部には前進用クラッチ52を作動する油圧ピストン53が摺動自在に装着され、前進用クラッチシリンダ50との間に形成される前進用油室54に作動油を供給することにより前進用クラッチ52が係合する。前進用クラッチ52を係合すると、タービン軸20の回転はクラッチハブ51を介し入力軸31に伝達される。
【0021】
入力軸31にはサンギヤ55が固定される。前進用クラッチシリンダ50にはキャリア56が固定され、キャリア56には2種類のプラネタリピニオンギヤ57,58が回転自在に複数装着される。図2のプラネタリギヤ59の平面図に示すように、2種類のプラネタリピニオンギヤ57,58は互いに係合して対をなし、プラネタリピニオンギヤ57とサンギヤ55とが係合し、プラネタリピニオンギヤ58とリングギヤ60とが係合して装着される。
【0022】
リングギヤ60とケース14との間には多板式の後退用ブレーキ61が設けられ、ケース14には後退用ブレーキシリンダ62が設けられ、後退用ブレーキシリンダ62内部には後退用ブレーキ61を作動させる油圧ピストン63が摺動自在に装着される。後退用ブレーキシリンダ62と油圧ピストン63との間に形成される後退用油室64に作動油を供給することにより、油圧ピストン63が作動し後退用ブレーキ61が係合する。後退用ブレーキ61を係合すると、リングギヤ60が固定され、タービン軸20と共にキャリア56が回転する。キャリア56が回転すると、プラネタリピニオンギヤ58がリングギヤ60の内周を係合しながら回転し、対となるプラネタリピニオンギヤ57を介して、サンギヤ55にタービン軸20に対して逆の回転を伝達する。したがって、タービン軸20の回転は入力軸31に逆回転として伝達される。
【0023】
このように後退用ブレーキ61がプライマリプーリ32側に配置され、前進用クラッチ52がトルクコンバータ11側に配置される。変速機を小型化するためにプライマリプーリ32の入力軸31を保持する軸受30の外側に後退用ブレーキシリンダ62が設けられる。さらに、セカンダリ可動プーリ34bの摺動により後退用油室64の受圧面積を大きく設けることができず、リングギヤ60は入力トルクと出力トルクの反力を受けるため、後退用油室64は前進用油室54に比べて高圧力の作動油圧を必要とする。
【0024】
トルクコンバータ11、前後進切換装置12および無段変速機本体13の油圧作動機器を作動させるために、ポンプ側ケース17の端部にはオイルポンプ65が設けられる。原動機が始動しクランク軸15を回転駆動させると、ポンプ側ケース17を介してオイルポンプ65は駆動される。
【0025】
図3は図1に示す無段変速機10を制御するための油圧回路図である。クランク軸15の回転で駆動されるオイルポンプ65により作動油がオイルパン70からセカンダリ圧路71に圧送される。セカンダリ圧路71はセカンダリ可動プーリ34bを作動させるセカンダリ油室42に接続され、セカンダリ圧制御弁72のセカンダリ圧入力ポート73に接続される。セカンダリ圧制御弁72によりセカンダリ油室42に圧送される作動油は調圧され、たとえば1〜3MPaの範囲で駆動伝達に必要な圧力を供給することになる。
【0026】
セカンダリ圧路71はプライマリ圧制御弁74のプライマリ圧入力ポート75に接続される。そして、このプライマリ圧制御弁74のプライマリ圧出力ポート76に接続されるプライマリ圧路77は、プライマリ可動プーリ32bを作動させるプライマリ油室37に接続される。従ってプライマリ可動プーリ32bを作動させる油圧はセカンダリ圧路71からさらに減圧しているため、セカンダリ油室42の油圧を越えることはない。
【0027】
プライマリ油室37の圧力がセカンダリ油室42の圧力に対して低い圧力となるが、プライマリ油室37の受圧面積がセカンダリ油室42に比べて大きく設定されているため、この場合プライマリ可動プーリ32bのほうが駆動ベルト35を挟み込む力は大きくなっている。従って無段変速機本体13の制御を行う場合には、プライマリ圧に対して目標変速比および目標速度に対応した制御を行い、プライマリプーリ32のコーン面間隔を制御することで可能となる。
【0028】
プライマリ圧制御弁74は比例電磁減圧弁であり、ソレノイド74aに供給する電流値によってセカンダリ圧を減圧調整しプライマリ圧が設定されている。セカンダリ圧制御弁72は比例電磁式減圧弁であり、ソレノイド72aに供給する電流値によってセカンダリ圧が設定されている。
【0029】
セカンダリ圧制御弁72を通過した作動油は潤滑圧制御弁78により、たとえば0.2〜0.4MPaに調圧される。調圧される作動油は潤滑圧路79により案内され、前後進切換装置12および駆動ベルト35の潤滑油として供給され、ロックアップクラッチ24のリリース室25に作動油として供給される。
【0030】
またセカンダリ圧路71は前進用クラッチ52および後退用ブレーキ61を係合させるクラッチ圧を調圧するクラッチ圧弁80に接続されている。クラッチ圧弁80のパイロット室80aにパイロット圧が供給されると、たとえば0.7MPaに調圧され、パイロット圧が供給されないときには、たとえば1.2MPaに調圧される。クラッチ圧弁80にはクラッチ圧路81が接続されており、クラッチ圧路81に案内されクラッチ圧が供給される。
【0031】
クラッチ圧路81と潤滑圧路79との間には両圧路を連通するバイパス路82が接続され、このバイパス路82には潤滑圧路79よりクラッチ圧路81に流れを許容する逆止弁82aが装着される。バイパス路82を設置することで、クラッチ圧弁80の故障によりクラッチ圧を供給できない場合には潤滑圧路79から最低限のクラッチ圧を供給することが可能となる。
【0032】
トルクコンバータ11のアプライ室26に接続されるアプライ圧路83、リリース室25に接続されるリリース圧路84、前進用クラッチ52と後退用ブレーキ61との作動油を流す切換圧路85、および冷却路86を切換制御するためにスイッチ弁87が設置される。このスイッチ弁87はそれぞれ3ポート切換弁となった4つの弁を有し、ロックアップ切換弁87bからパイロット室87aに供給されるパイロット圧によりロックアップ制御位置とロックアップ解除位置との2つの位置に制御される。
【0033】
スイッチ弁87とクラッチ圧弁80との間には、スリップ圧制御弁88およびスリップ圧制御弁88のパイロット圧制御を行う電磁減圧弁88aが取り付けられる。このスリップ圧制御弁88により調圧されるクラッチ圧は、前進時には前進用油室54、そして後退時には後退用油室64に供給される。またリリース室25より作動油を排出する際にはスリップ圧制御弁88によって排出が制御される。電磁減圧弁88aは比例電磁式またはデューティ制御式減圧弁であり、ソレノイド88bに供給する電流値または電圧値によってパイロット圧が設定され、パイロット圧により調圧されるクラッチ圧がスイッチ弁87に供給される。
【0034】
スイッチ弁87に接続される冷却路86にはオイルクーラ89が接続され、トルクコンバータ11を循環する際に発生する熱を作動油から取り除き、作動油を一定の状況に保持している。オイルクーラ89を経た作動油はオイルパン70に供給される。
【0035】
前進用油室54に連通する前進クラッチ切換圧路90と、後退用油室64に連通する後退ブレーキ切換圧路91と、2つの圧路90,91にクラッチ圧を供給する切換圧路85とをそれぞれ切換制御するためにマニュアル弁92が設置される。このマニュアル弁92は4ポートを有する切換弁であり、セレクトレバー93の手動操作により各セレクトレンジ制御位置の5つの位置に応じて切換制御される。
【0036】
そしてマニュアル弁92と前進用油室54との間の前進クラッチ切換圧路90には、パイロット圧路94が接続される。パイロット圧路94はスイッチ弁87のパイロット室87a、およびクラッチ圧弁80のパイロット室80aにパイロット圧を供給する流路となる。
【0037】
このような油圧回路による前進用クラッチ52、後退用ブレーキ61およびロックアップクラッチ24の動作状況を各セレクトレンジに従い説明する。各セレクトレンジとは、変速機を中立にするP,Nレンジ、後退走行するRレンジ、および前進走行するD,Dsレンジである。
【0038】
図3に示すように、手動操作によりマニュアル弁92がNレンジに設定されると、マニュアル弁92に接続される前進クラッチ切換圧路90と後退ブレーキ切換圧路91とは共にオイルパン70に開放される。そのため前進クラッチ切換圧路90に接続されるパイロット圧路94の圧力は開放され、クラッチ圧弁80のパイロット室80aに対してパイロット圧は入力されず、クラッチ圧は高い圧力たとえば1.2MPaに調圧される。ロックアップ切換弁87bは遮断しておりスイッチ弁87のパイロット室87aにパイロット圧は入力されず、スイッチ弁87はロックアップ解除位置に保持される。さらにパイロット圧路94は開放されているため、ロックアップ切換弁87bが誤作動したとしてもスイッチ弁87が作動することはない。
【0039】
ロックアップクラッチ24では、アプライ室26の作動油がオイルクーラ89を通過しオイルパン70に流れ、リリース室25には潤滑圧路79より作動油が供給される。このためリリース室25とアプライ室26とに生じる圧力差によりロックアップクラッチ24はドライブプレート16から離れ、ロックアップクラッチ24は解除状態となる。
【0040】
前進用クラッチ52および後退用ブレーキ61では、それぞれ油室54,64の作動油が共にオイルパン70に開放され、前進用クラッチ52および後退用ブレーキ61は共に解除状態となる。
【0041】
このようにマニュアル弁をNレンジに設定すると、前後進切換装置12は中立状態となり、クランク軸15の回転駆動が入力軸31まで伝達されない。なおPレンジに操作される場合にも上述の制御が行われる。
【0042】
図4はセレクトレバー93をRレンジに操作した場合の油圧回路図である。図4に示すように、手動操作によりマニュアル弁92がRレンジに設定されると、マニュアル弁92に接続される前進クラッチ切換圧路90はオイルパン70に開放され、後退ブレーキ切換圧路91は切換圧路85に連通する。そのため前進クラッチ切換圧路90に接続されるパイロット圧路94の圧力は開放され、クラッチ圧弁80のパイロット室80aにパイロット圧は入力されず、クラッチ圧は高い圧力たとえば1.2MPaに調圧される。高圧のクラッチ圧は切換圧路85および後退ブレーキ用切換圧路91に案内され、後退用油室64に供給される。ロックアップ切換弁87bは遮断しているためスイッチ弁87のパイロット室87aにパイロット圧は入力されず、スイッチ弁87はロックアップ解除位置に保持される。さらにパイロット圧路94は開放されているため、ロックアップ切換弁87bが誤作動したとしてもスイッチ弁87が作動することはない。
【0043】
ロックアップクラッチ24では、アプライ室26の作動油がオイルクーラ89を通過しオイルパン70に流れ、リリース室25には潤滑圧路79より作動油が供給される。このためリリース室25とアプライ室26とに生じる圧力差によりロックアップクラッチ24はドライブプレート16から離れ、ロックアップクラッチ24は解除状態となる。
【0044】
前進用クラッチ52では、前進用油室54の作動油がオイルパン70に開放され、前進用クラッチ52は解除状態となる。後退用ブレーキ61では、後退用油室64にクラッチ圧弁80により調圧される作動油が供給され、後退用ブレーキ61とリングギヤ60とが係合し、タービン軸20の回転を逆回転にプラネタリギヤ59で変換し入力軸31に伝達する。
【0045】
このようにマニュアル弁をRレンジに設定すると、クランク軸15の回転駆動はトルクコンバータ11を介して前後進切換装置12に伝達され、前後進切換装置12では後退用ブレーキ61を介して回転駆動の回転方向を逆に変換し、回転駆動は無段変速機本体13に伝達される。
【0046】
図5はセレクトレバー93を前進走行であるDレンジに操作した場合の油圧回路図であり、図6はロックアップクラッチ24が係合する場合の油圧回路図である。図5および図6に示すように、手動操作によりマニュアル弁92がDまたはDsレンジに設定されると、マニュアル弁92に接続される前進クラッチ切換圧路90は切換圧路85に連通し、後退ブレーキ切換圧路91はオイルパン70に開放される。そのため前進クラッチ切換圧路90に接続されるパイロット圧路94では内圧が前進クラッチ切換圧路90と同圧力となる。クラッチ圧弁80のパイロット室80aにパイロット圧は入力され、クラッチ圧は低い圧力たとえば0.7MPaに調圧される。低圧のクラッチ圧は切換圧路85および前進クラッチ切換圧路90を通過して前進用油室54に供給される。また、DまたはDsレンジに設定されると、ロックアップ切換弁87bは車速およびスロットル開度により切換制御を行うため、スイッチ弁87は走行状況によりロックアップ制御位置またはロックアップ解除位置に作動する。
【0047】
図6に示すように、車速が所定値以上に高くスロットル開度が所定値以下の走行状態では、ロックアップ切換弁87bが作動しパイロット圧路94とスイッチ弁87のパイロット室87aとが連通し、スイッチ弁87はロックアップ制御位置に作動する。アプライ室26にはクラッチ圧路81より作動油が供給され、リリース室25からスリップ圧制御弁88に作動油が流れ、スリップ圧制御弁88を介し作動油が制御されながらオイルパン70に戻される。このため次第に大きくなる圧力差によりロックアップクラッチ24は次第にドライブプレート16に接近し、やがて係合する。ロックアップクラッチ24が係合することにより、クランク軸15からタービン軸20に回転駆動力が直接伝達される。なおスリップ圧制御弁88を介してリリース室25の圧力を開放するため滑らかなロックアップクラッチの係合ができる。
【0048】
図5に示すように、車速が所定値以下の走行状態では、ロックアップ切換弁87bは作動せずパイロット圧路94とスイッチ弁87のパイロット室87aとは遮断され、スイッチ弁87はロックアップ解放位置に保持される。アプライ室26からオイルクーラ89を通過しオイルパン70に作動油が流れ、リリース室25には潤滑圧路79より作動油が供給される。このためロックアップクラッチ24は解放され、トルクコンバータ11での作動油を介する駆動伝達となる。
【0049】
後退用ブレーキ61では後退用油室64の作動油がオイルパン70に流れ後退用ブレーキ61は解除状態となる。前進用クラッチ52では前進用油室54にクラッチ圧弁80により低圧のクラッチ圧が供給され、前進用クラッチ52とクラッチハブ51とが係合する。
【0050】
このようにマニュアル弁をDまたはDsレンジに設定すると、クランク軸15の回転駆動はトルクコンバータ11を介して前後進切換装置12に伝達され、前後進切換装置12では前進用クラッチ52を介して回転駆動は無段変速機本体13に伝達される。なお、走行状況に応じてロックアップクラッチ24が作動する。
【0051】
このような油圧制御により各セレクトレンジでは、クラッチ圧弁80のパイロット室80aにパイロット圧の供給制御を行い、P,RおよびNレンジでのロックアップの誤作動を防止しながら、ロックアップクラッチ24の係合または解除、前進用クラッチ52の係合または解除、および後退用ブレーキ61の係合または解除が制御される。
【0052】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、マニュアル弁92は手動により直接的に作動させずに伝達機構を介して間接的に作動させても良い。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、前進時にマニュアル弁を介して油圧が供給される前進用油室と、クラッチ圧弁のパイロット室とをパイロット圧路により接続したので、リバースシグナル弁を用いることなくクラッチ圧弁にパイロット圧を供給することができる。
【0054】
パイロット圧路をスイッチ弁のパイロット室に接続し、パイロット圧路にロックアップ切換弁を設置することにより、リバースシグナル弁を用いることなく、ロックアップ切換弁が誤作動してもスイッチ弁が誤作動を起こさず、ロックアップクラッチの誤作動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無段変速機の駆動系を示す概略図である。
【図2】前後進切換装置に設けられるプラネタリギヤおよび後退用ブレーキを示す概略図である。
【図3】図1に示す無段変速機を制御するために用いる本発明の一実施の形態となる油圧回路図であり、Nレンジにセレクトレバーを操作したときの油圧回路図である。
【図4】図1に示す無段変速機を制御するために用いる本発明の一実施の形態となる油圧回路図であり、Rレンジにセレクトレバーを操作したときの油圧回路図である。
【図5】図1に示す無段変速機を制御するために用いる本発明の一実施の形態となる油圧回路図であり、Dレンジにセレクトレバーを操作したときの油圧回路図である。
【図6】図1に示す無段変速機を制御するために用いる本発明の一実施の形態となる油圧回路図であり、ロックアップクラッチ係合時の油圧回路図である。
【符号の説明】
10 無段変速機
11 トルクコンバータ
12 前後進切換装置
13 無段変速機本体
24 ロックアップクラッチ
25 リリース室
26 アプライ室
31 入力軸
32 プライマリプーリ
33 出力軸
34 セカンダリプーリ
35 ベルト
54 前進用油室
64 後退用油室
80 クラッチ圧弁
80a パイロット室
87 スイッチ弁
87a パイロット室
87b ロックアップ切換弁
92 マニュアル弁
93 セレクトレバー
94 パイロット圧路

Claims (2)

  1. 入力軸に設けられるプライマリプーリ、および出力軸に設けられ前記プライマリプーリとの間にベルトが装着されるセカンダリプーリを有する無段変速機本体と、ロックアップクラッチ付きトルクコンバータと、前記トルクコンバータの出力軸と前記入力軸との間に設けられた前後進切換装置とを有する無段変速機の油圧制御装置であって、
    運転者のセレクトレバー操作により作動し、前記前後進切換装置の前進用油室と後退用油室とに対する油圧の供給を切り換えるマニュアル弁と、
    ロックアップクラッチのアプライ室とリリース室とに対する油圧の供給を切り換えるスイッチ弁と、
    油圧源から前記前進用油室と前記後退用油室と前記アプライ室とにそれぞれ供給される油圧を調圧するクラッチ圧弁と、
    前記前進用油室と前記クラッチ圧弁のパイロット室とを接続するパイロット圧路とを有することを特徴とする無段変速機の油圧制御装置。
  2. 請求項1記載の無段変速機の油圧制御装置において、前記パイロット圧路を前記スイッチ弁のパイロット室に接続し、前記パイロット圧路に流路を開閉するロックアップ切換弁を設けたことを特徴とする無段変速機の油圧制御装置。
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