JP2002256075A - 温度応答性材料およびそれを含む組成物 - Google Patents

温度応答性材料およびそれを含む組成物

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JP2002256075A JP2001054761A JP2001054761A JP2002256075A JP 2002256075 A JP2002256075 A JP 2002256075A JP 2001054761 A JP2001054761 A JP 2001054761A JP 2001054761 A JP2001054761 A JP 2001054761A JP 2002256075 A JP2002256075 A JP 2002256075A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体への適用により、温度に応答して塗布部
にゲル状の皮膜を形成可能であるとともに、安全性の高
い温度応答性材料を提供する。 【解決手段】 非動物性多糖類(澱粉などの植物性多糖
類など)と、加熱により30℃以上の温度で凝集性を有
するセグメントとを結合させることにより、温度に応答
して、溶液状からゲル状に変化する温度応答性材料を得
る。この材料は、癒着防止材、組織接着材、創傷被覆
材、止血材、塞栓材などの成分として有用である。凝集
性セグメントは、N−イソプロピルアクリルアミド系重
合体、N−ビニルイソ酪酸アミド系、下記式で表される
ペプチド単位を有する。 −(Val−Pro−Gly−X−Gly)n− (I) −CO−R1−CO−Y−NH−R2−NH− (II) (Xは、Val、Pro、Leu、Ile、Nleを表し、nは2以上の整
数、Yは、式(I)のペプチド鎖、上記X又はSarを示
す。R1及びR2はC2-6アルキレン基などを示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な温度応答性材
料(特に温度応答性生体材料)及びそれを含む温度応答
性組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、生体に
適用後、温度に応答して溶液状からゲル状に変化して、
塗布部にゲル状皮膜を形成可能な温度応答性生体材料に
関する。本発明の材料は、癒着防止材、組織接着材、創
傷被覆材、止血材、塞栓材などの構成成分として有用で
ある。
【0002】
【従来の技術】術後の癒着防止、組織接着や縫合などに
は、ポリ乳酸、酸化セルロースなどの生分解性高分子が
使用されている。しかし、これらの生分解性高分子は術
部又は患部への保持性が低いため、確実かつ効率よく癒
着を防止することができない。
【0003】特定の成分の分離、吸着や放出性を示す温
度応答性を示す高分子として、ポリ−N−アルキルアク
リルアミド誘導体が知られている。特開2000−34
4835号公報には、溶液中で温度応答性を示す高分子
として、少なくともヒドロキシアルキルアクリルアミド
を単量体とする重合体が提案されている。この文献に
は、温度変化などの物理的刺激により極性変化と共に伸
縮・凝集性を示すことを利用して、上記重合体を、物質
の分離、吸着、放出機能材料として利用することも記載
されている。
【0004】特開平9−169850号公報には、ポリ
イソプロピルアクリルアミドなどのポリアクリルアミド
誘導体のブロックAと、ポリビニル誘導体のブロックB
とのAB型ブロック共重合体で構成され、低温側ではミ
セル形成、高温側では沈殿生成を可逆的に生じさせる温
度応答性高分子又は温度応答性ミセルが提案されてい
る。特開平8−143631号公報には、N−ビニルイ
ソ酪酸アミドなどのN−ビニルC3-9アシルアミドと、
N−ビニルアセトアミドなどのN−ビニルC1-3アシル
アミドとの共重合体で構成された温度応答性高分子材料
が提案されている。
【0005】Prog. Biophys. molec. Biol., Vol. 57,
pp.23-57(1992)には、-Val-Pro-Gly-X-Gly-(Xは、Ty
r、Phe、Glu、Lys、Gly、Val、Leuより選ばれるアミノ
酸残基を表す)の繰返し配列を有する温度応答性ポリペ
プチドが報告されている。さらに、米国特許第5,51
9,004号明細書には、-R1-Pro-Gly-R2-Gly-(R1
は、Ala、Glyから選ばれ、R2は、Gly、Alaから選ばれる
か、又は直接結合を示す)のペンタ/テトラペプチドの
繰返し配列からなり、生物材料の接着を阻害する弾性ポ
リペプチドが提案されている。
【0006】しかし、これらの温度応答性高分子又はペ
プチドは、温度に応答して溶液とゲルとを可逆的に形成
できない。すなわち、上記高分子やペプチドは溶液から
沈殿物へと変化し、皮膜を形成しない。また、化学的又
は物理的に架橋した高分子やペプチドはゲル状皮膜を形
成するものの、もはや溶液とはならない。
【0007】特開2000−80158号公報には、分
子量が100〜10000のポリオキシアルキレン単位
を繰返し単位として含む脂肪族ポリエーテルエステルで
構成された温度応答性ハイドロゲルが開示されている。
しかし、このハイドロゲルを生体に適用すると、ポリオ
キシアルキレン鎖に由来する毒性が懸念される。
【0008】大屋章二らは、「人工臓器」29(2),
446−451(2000)において、生体由来ムコ多
糖類であるヒアルロン酸に、イニファタ(重合開始−連
鎖移動−重合停止剤として機能する分子)であるベンジ
ルジチオカルバメート基を導入し、リビングラジカル重
合法を利用してN−イソプロピルアクリルアミドをグラ
フト重合することにより、加温により析出可能な感温性
ヒアルロン酸が得られることを報告している。この文献
には、前記感温性ヒアルロン酸が、細胞非接着マトリッ
クスとして機能し、加温により白濁し、光線透過率で低
下することも報告されている。しかし、この感温性ヒア
ルロン酸を生体に適用すると、動物性のヒアルロン酸に
由来する感染の危険性がある。
【0009】Macromol Chem. Phys., 201,613-619(20
00)には、N−イソプロピルアクリルアミドとN,N−
ジメチルアクリルアミドとの共重合体をデキストランに
グラフトした温度応答性高分子が報告されている。しか
し、この高分子はゲル状物を形成できない。
【0010】さらに、温度に応答して凝集性を示す前記
重合体を、切開部などの患部や組織間に適用しても、高
い安全性で、組織の癒着を有効に防止したり、組織を保
護することが困難である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、新規な温度応答性材料(温度応答性高分子、又は温
度応答性重合体)を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、生体への適用によ
り、温度に応答して溶液状からゲル状に可逆的に変化
し、塗布部にゲル状の皮膜を形成可能であるとともに、
安全性の高い温度応答性材料(又は生体適合性重合体)
を提供することにある。
【0013】本発明のさらに他の目的は、患部に適用す
るのに有用な温度応答性組成物を提供することにある。
【0014】本発明の別の目的は、癒着防止材、組織接
着材、(創傷)被覆材、止血材、塞栓材などとして有用
な温度応答性組成物を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、非動物性多糖類と、加
温により凝集又は析出可能なセグメントとを組み合わせ
ると、生体適合性及び安全性に優れるとともに、温度に
応じて溶液の形態とゲルの形態とを可逆的に形成するこ
とを見いだし、本発明を完成した。
【0016】すなわち、本発明の温度応答性材料(又は
温度応答性重合体)は、非動物性多糖類の骨格と、加熱
により凝集性を有するセグメント(30℃以上の温度で
凝集性を有する側鎖など)とが結合している。前記非動
物性多糖類には、例えば、澱粉、セルロース、ペクチ
ン、アルギン酸、カラゲナン、デキストラン、プルラ
ン、キトサンなどが例示できる。非動物性多糖類は、通
常、植物性多糖類である。凝集性を有するセグメント
は、種々のセグメント、例えば、(1)ポリアクリルア
ミド誘導体、(2)ポリ−N−ビニルアシルアミド、
(3)Val、Leu、Ile、Nle、Pro、Hi
s,Phe、Trpから選択された少なくとも一種のア
ミノ酸残基を有するペプチド単位などを包含する。前記
凝集性セグメントのペプチド単位(3)は、例えば、下
記式(I)で表されるペプチド単位 −(Val−Pro−Gly−X−Gly)n− (I) (式中、Xは、Val、pro、Leu、Ile、Nl
eから選ばれるアミノ酸残基を表し、nは1以上の整数
を表す)下記式(II)で表されるペプチド共重合体単位 −CO−R1−CO−Y−NH−R2−NH− (II) [式中、R1,R2は、同一又は異なって、アルキレン
基、シクロアルキレン基、アリーレン基を示し、Yは−
(Val−Pro−Gly−X−Gly)n−(X,n
は前記に同じ),Sar、Val、Pro、Leu、I
le、Nleより選ばれるアミノ酸残基を表す]などの
ユニットで構成できる。凝集性を有するセグメントの割
合は、全体の3〜90重量%程度であってもよく、Hi
s残基を1〜5個の範囲で含むpH応答性セグメントを
含み、かつ中性付近で加水分解促進活性を示すセグメン
トであってもよい。前記材料は、30℃以上の温度で、
溶液状からゲル状に変化する温度応答性を有しており、
温度に応答して溶液−ゲル状態を可逆的に形成してもよ
い。
【0017】本発明には、前記温度応答性材料を含む温
度応答性組成物も含まれる。この組成物は、癒着防止
材、組織接着材、被覆材(創傷被覆材など)、止血材、
塞栓材などとして利用できる。
【0018】
【発明の実施の形態】本明細書において、各種アミノ酸
残基は次の略号で記述する。
【0019】 Ala:L−アラニン残基 Arg:L−アルギニン残基 Asn:L−アスパラギン残基 Asp:L−アスパラギン酸残基 Cys:L−システイン残基 Gln:L−グルタミン残基 Glu:L−グルタミン酸残基 Gly:グリシン残基 His:L−ヒスチジン残基 Ile:L−イソロイシン残基 Leu:L−ロイシン残基 Lys:L−リジン残基 Met:L−メチオニン残基 Nle:L−ノルロイシン残基 Phe:L−フェニルアラニン残基 Pro:L−プロリン残基 Sar:サルコシン残基 Ser:L−セリン残基 Thr:L−トレオニン残基 Trp:L−トリプトファン残基 Tyr:L−チロシン残基 Val:L−バリン残基 また、本明細書では、常法に従って、ペプチドのアミノ
酸配列を、そのN末端のアミノ酸残基が左側に位置し、
C末端のアミノ酸残基が右側に位置して記述する。
【0020】[温度応答性材料又生体適合性重合体]本
発明の温度応答性材料は、非動物性多糖類の骨格と、こ
の多糖類に結合した凝集性セグメントとで構成されてお
り、凝集性セグメントは、加熱又は加温により凝集又は
析出する性質を有している。
【0021】非動物性多糖類は、植物や藻類、菌類など
の非動物由来の多糖類であり、多糖類からの誘導体、化
学的に合成された多糖類であってもよい。動物由来の多
糖類は、ウイルスや細菌、プリオンなどの既知の病原体
に加えて、未知の病原体による種を超えた感染が懸念さ
れている。また、種間の距離が近いほど、種を越えた感
染の危険性が増大することが指摘されている。従って、
ヒトに適用する材料は、できるだけヒトとの距離が離れ
た種由来の多糖類が好ましい。すなわち、本発明におけ
る多糖類は、非動物性であり、植物(海藻類を含む)由
来の多糖類、微生物由来の多糖類、非哺乳類由来の動物
多糖類(特に植物由来の多糖類)であるのが好ましい。
【0022】多糖類は、ホモグリカン(グルコース、フ
ルクトース、マンノース、ガラクトース、ガラクツロン
酸、グルコサミンなどを単糖とする多糖類)、ヘテログ
リカン(グルコース、フルクトース、マンノース、ガラ
クトース、アラビノース、キシロース、グルクロン酸な
どを構成糖とする多糖類)のいずれであってもよい。
【0023】多糖類としては、植物由来の多糖類(セル
ロース、ヘミセルロース、デキストラン、イヌリン、レ
バン、キシラン、マンナン、ガラクタン、ペクチン、デ
ンプン、ガラクトマンナン(又はグアーガム)、グルコ
マンナン(又はコンニャクマンナン)、ローカストビー
ンガム、タマリンドガム、アラビアガム、ゲランガム、
トラガカントガム、カラヤガム、アラビノガラクタン、
寒天、カラギーナン(又はカラゲナン)、アルギン酸な
ど)、微生物由来の多糖類(キサンタンガム、プルラ
ン、エルウィナガム、スクレログルカン、ガラクトグル
カンなど)、非哺乳類の動物由来の多糖類(キチンな
ど)、それらの誘導体(デキストリン、シクロデキスト
リン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースフタレート、カルボキシメチルセ
ルロースなどのセルロースエーテル、セルロースアセテ
ートフタレートなどのセルロースエステル、セルロース
エーテルエステル、メトキシ化ペクチン、カルボキシメ
チル化デンプン、キトサンなど)などが例示できる。こ
れらの多糖類は単独で又は二種以上組み合わせて使用で
きる。
【0024】植物由来の多糖類又はその誘導体のうち、
澱粉、セルロース、ペクチン、アルギン酸、カラゲナ
ン、デキストランなどが繁用され、微生物由来の多糖類
又はその誘導体のうちプルランなどが繁用され、非哺乳
類の動物由来多糖類としてキトサンなどが繁用される。
特に、植物由来の植物性多糖類(澱粉、セルロース、ア
ルギン酸など)が好ましい。
【0025】多糖類の分子量は特に制限されず、例え
ば、数平均分子量500〜100×104、好ましくは
1000〜70×104(特に1×104〜50×1
4)程度の範囲から適当に選択できる。
【0026】凝集性を有するセグメント(又はフラグメ
ント,側鎖)の種類は、水溶液の形態で、加熱により凝
集性を有する限り特に制限されず、例えば、温度30℃
以上(好ましくは30〜50℃、さらに好ましくは33
〜45℃、特に35〜44℃程度)で凝集性又は析出性
を有するセグメントなどが例示できる。このようなセグ
メントでは、通常、水素結合に関与し、かつ低温で安定
な結合を形成する官能基と、疎水結合に関与し、かつ高
温側で安定な結合を形成する官能基とがバランスよく配
置されており、前記官能基の割合により凝集温度を制御
可能である(Prog. Biophys. molec. Biol., Vol.57, p
p.23-57(1992))。すなわち、水素結合に関与する官能基
数が多くなると凝集温度が高くなり、疎水結合に関与す
る官能基が多くなると凝集温度が低くなる。水素結合の
数と疎水性基に含まれる炭素原子の数との割合(以下、
単に水素結合/炭素原子の割合という場合がある)は、
所望する凝集温度に応じて適当に選択でき、通常、前者
/後者=2/8〜5/5、好ましくは2.5/7.5〜
4.5/5.5程度である。
【0027】なお、水素結合を形成する基としては、ヒ
ドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、
メルカプト基などが例示でき、疎水性基としては、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、t−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル基など
のアルキル基(C1-6アルキル基など)、シクロヘキシ
ル基などのシクロアルキル基(C4-8シクロアルキル基
など)、フェニル基などのアリール基(C6-12アリール
基など)、ベンジル基などのアラルキル基(フェニル−
1-4アルキル基など)、窒素、酸素及び硫黄原子から
選ばれた少なくとも1つのヘテロ原子を含む5又は6員
複素環基(ピロリジニル基、イミダゾリル基など)、縮
合複素環基(インドリル基など)などが例示できる。
【0028】凝集性を有するセグメント(又は側鎖)と
しては、例えば、(a)疎水性基と水素結合性基とを有
する高分子セグメント(以下、単に凝集性高分子とい
う)、(b)疎水性基と水素結合性基とを有するペプチ
ドセグメントなどが例示でき、この凝集性ペプチドセグ
メント(b)は、(b1)疎水性アミノ酸残基と水素結合
性アミノ酸残基とを有するペプチドセグメント(以下、
単に凝集性ペプチドという)、(b2)アミノ酸又はペプ
チド残基を有するペプチド共重合体セグメント(以下、
単に凝集性ペプチド共重合体という)などであってもよ
い。さらに、(a)凝集性高分子、(b1)凝集性ペプチ
ド、(b2)凝集性ペプチド共重合体は、直鎖状であって
もよくアミノ基などの活性点から鎖が分岐して伸長した
分岐鎖状であってもよい。これらの凝集性セグメントは
単独で又は二種以上組み合わせて前記多糖類の骨格に導
入できる。
【0029】(a)前記凝集性高分子としては、例え
ば、アクリルアミド又はその誘導体[アクリルアミド、
N−C1-6アルキルアクリルアミド(N−メチルアクリ
ルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルア
クリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−
ブチルアクリルアミド、N−イソブチルアクリルアミ
ド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−ヘキシルアク
リルアミドなど)など]、N−ビニルアシルアミド(N
−ビニルホルミルアミド、N−ビニルアセトアミド、N
−ビニルイソ酪酸アミド、N−ビニルバレリル酸アミ
ド、N−ビニルイソバレリル酸アミドなどのN−ビニル
1-10アシルアミド)から選択された単量体の重合体が
例示できる。これらの単量体は単独で又は組み合わせて
使用でき、重合体は単独重合体又は共重合体であっても
よい。好ましい単量体は、通常、イソプロピル基などの
分岐鎖状C3-5アルキル基を有している。さらに、必要
であれば、他の単量体(スチレンなどの芳香族ビニル単
量体、(メタ)アクリル系単量体、ビニルエステル系単
量体、ビニルアルキルエーテル系単量体など)との共重
合体であってもよい。
【0030】より具体的には、前記凝集性高分子(a)
としては、例えば、(a1)少なくともN−C1-6アルキ
ルアクリルアミドを単量体成分とする単独又は共重合
体、特に少なくともN−イソプロピルアクリルアミドで
構成された単量体の重合体(N−イソプロピルアクリル
アミド系重合体)、例えば、ポリ−N−イソプロピルア
クリルアミド(水素結合/炭素原子の割合=2.9/
7.1)、N−イソプロピルアクリルアミド−アクリル
アミド共重合体など;(a2)少なくともN−ビニルC
1-10アシルアミドを単量体成分とする単独又は共重合
体、特に少なくともN−ビニルイソ酪酸アミドで構成さ
れた単量体の重合体(N−ビニルイソ酪酸アミド系重合
体)、例えば、ポリ−N−ビニルアセトアミドの他、ポ
リ−N−ビニルイソ酪酸アミド(水素結合/炭素原子の
数の比が=2.9/7.1)、N−ビニルアセトアミド
−N−ビニルイソ酪酸アミド共重合体などが例示でき
る。
【0031】(b)凝集性ペプチドセグメントは、アミ
ノ酸残基として、アルキル基(例えば、メチル、イソプ
ロピル、イソブチル、s−ブチル、n−ブチル基、イソ
ペンチル基、ネオペンチル基などのC1-6アルキル
基)、同素又は複素環基(例えば、シクロヘキシル基な
どのC4-8シクロアルキル基、フェニル基などのアリー
ル基、ベンジル基などのフェニル−C1-4アルキル基、
ピロリジニル基、イミダゾリル基などの1又は複数のヘ
テロ原子(窒素、酸素及び硫黄原子)を含む5又は6員
複素環基、インドリル基などの縮合複素環基)を有して
いてもよい。特に、凝集性ペプチドセグメントは、通
常、バルキー又は嵩高い基、例えば、イソプロピル、イ
ソブチル、s−ブチル、n−ブチル基などの直鎖又は分
岐鎖状C3-5アルキル基(特に分岐鎖状C3-4アルキル
基)、フェニル基、ベンジル基、5又は6員複素環基、
縮合複素環基を有している。
【0032】すなわち、好ましい凝集性ペプチドセグメ
ントは、Val、Leu、Ile、Nle、Pro、H
is,Phe、Trpなどのアミノ酸残基(特に、Va
l、Leu、Ile、Nle、Pro、His)を有し
ている。ペプチドセグメントは、これらアミノ酸残基の
うち単一のアミノ酸残基を含んでいてもよいが、通常、
複数のアミノ酸残基(例えば、Val、Leu、Il
e、Nle、Pro、His,Phe、Trpから選択
された複数のアミノ酸残基を含んでいる。複数のアミノ
酸残基の組合せとしては、例えば、ValとProとの
組合せ、Val及び/又はProとLeu、Ile、N
leから選択された少なくとも一種との組合せ、Val
とHisとの組合せ、ProとHisとの組合せ、Hi
sとLeu、Ile、Nleから選択された少なくとも
一種との組合せなどが例示できる。
【0033】凝集性セグメントを構成するペプチドは、
ラセミ体であってもよく、アミノ酸残基が立体配置し
て、R体やS体を形成し、光学活性を有していてもよ
い。
【0034】(b1)凝集性ペプチドは、通常、下記式
(I) −(Val−Pro−Gly−X−Gly)n− (I) (式中、Xは、Val、Pro、Leu、Ile、Nl
eから選ばれるアミノ酸残基を表し、nは1以上の整数
を表す)で表されるペプチド単位又ペプチドユニットを
有している。なお、係数nは、例えば、1〜100(例
えば、2〜100)、好ましくは1〜50(例えば、2
〜50)、さらに好ましくは2〜30程度であり、通
常、2〜25(例えば、2〜10)程度であってもよ
い。
【0035】このようなペプチド単位を有する凝集性ペ
プチドとしては、例えば、下記式で表されるペプチドが
例示できる。
【0036】(1)H−(Val−Pro−Gly−X
−Gly)n−NH2 (Xおよびnは前記に同じ。水素結合/炭素原子の割合
=3.8/6.2) (2)(N’α,N’ε,N”α,N”ε−テトラ(H
−(Val−Pro−Gly−X−Gly)n)−N
α,Nε−ジリジル)リジル−β−アラニン(式中、X
およびnは前記に同じ) (3)(N’α,N’ε,N”α,N”ε−テトラ(H
−His−Val−Gln−Val−His−(Val
−Pro−Gly−X−Gly)n)−Nα,Nε−ジ
リジル)リジル−β−アラニン(式中、Xおよびnは前
記に同じ)(Xおよびnは前記に同じ。水素結合/炭素
原子の割合=3.8/6.2〜4.3/5.7) (b2)凝集性ペブチド共重合体は、前記凝集性ペプチド
セグメントと同様のアルキル基や、同素又は複素環基を
有していてもよく、N−アルキルアミノ基(N−C1-4
アルキルアミノ基など)を有していてもよい。
【0037】ペプチド共重合体は、通常、下記式(II) −CO−R1−CO−Y−NH−R2−NH− (II) [式中、R1,R2は、同一又は異なって、アルキレン
基、シクロアルキレン基、アリーレン基を示し、Yは−
(Val−Pro−Gly−X−Gly)n−(X,n
は前記に同じ),Sar、Val、Pro、Leu、I
le、Nleより選ばれるアミノ酸残基を表す]で表さ
れるペプチド共重合体単位又はユニットを有している。
【0038】アルキレン基としては、メチレン、エチレ
ン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、ペン
タメチレン、3,3−ジメチルトリメチレン、ヘキサメ
チレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C1-8アルキレン基
などが例示できる。シクロアルキレン基としては、シク
ロヘキシレン基などのC4-8シクロアルキレン基などが
例示でき、アリーレン基としては、フェニレン基、ナフ
チレン基などが例示できる。好ましい基R1,R2は、生
体内で分解可能な共重合体を形成するアルキレン基、例
えば、C2-6アルキレン基、特にC2-4アルキレン基であ
る。
【0039】このようなペプチド共重合体は、例えば、
下記式で表される共重合ユニットを有している。
【0040】(1)−CO−R1−CO−(Val−Pr
o−Gly−X−Gly)n−NH−R2−NH− (2)−CO−R1−CO−Sar−NH−R2−NH− (3)−CO−R1−CO−X−NH−R2−NH− (式中、X、n、R1およびR2は前記に同じ) これらの凝集性ペブチド共重合体は単独で又は二種以上
組み合わせて利用できる。なお、凝集性ペプチド共重合
体を複数の共重合ユニット(例えば、前記共重合ユニッ
ト(1)〜(3))で構成する場合、各共重合ユニットに対応
する成分を、それぞれ5〜90モル%、好ましくは10
〜80モル%、さらに好ましくは25〜75モル%程度
の範囲から選択して総量を100モル%とし、共重合す
ることにより調製してもよい。このような共重合におい
て、通常、前記共重合ユニット(1)及び/又は(3)の割合
は、凝集性ペプチド共重合体全体の5〜100モル%、
好ましくは10〜100モル%、さらに好ましくは25
〜100モル%程度(例えば、30〜95モル%)程度
となるように調整するのが好ましい。
【0041】なお、必要であれば、多糖類には他のセグ
メント(例えば、非凝集性高分子、非凝集性ペプチド、
非凝集性ペプチド共重合体などの非凝集性セグメント)
が結合していてもよい。前記凝集性セグメントは、多糖
類に結合するセグメント全体の10〜100モル%、好
ましくは20〜100モル%、さらに好ましくは30〜
100モル%程度の範囲から選択できる。
【0042】凝集性セグメントの分子量は、プルラン換
算で、重量平均分子量3000〜20×104程度であ
り、通常、5000〜10×104、好ましくは1×1
4〜8×104、さらに好ましくは2×104〜6×1
4(例えば、2×104〜4×104)程度である。
【0043】凝集性セグメントの割合は、水溶液の形態
で加熱により凝集性が発現する限り特に制限されず、例
えば、重合体全体に対して、3〜90重量%、好ましく
は5〜90重量%、さらに好ましくは10〜85重量%
程度であり、15〜80重量%(例えば、20〜80重
量%)程度であってもよい。
【0044】前記凝集性セグメントにおいて、His残
基を含む凝集性ペプチドセグメント(特にペプチドユニ
ット又はペプチド共重合体ユニット中に1〜5,好まし
くは1〜3,さらに好ましくは2〜3程度の範囲でHi
s残基を含むペプチドセグメント)は、pH応答性を示
す。すなわち、pHの変化に応じてHis残基の側鎖イ
ミダゾリル基の解離状態が変化するpH応答性を有して
おり、特に、pH6以下の酸性ではイミダゾリル基がプ
ロトン化されて正電荷を有するが、pH6〜7の範囲で
は脱プロトン化され、pH7以上では中性型となる。さ
らに、His残基を含む凝集性ペプチドセグメントは、
中性付近(例えば、pH6〜8程度)で加水分解促進活
性を示す。すなわち、pH6以下の酸性で存在するプロ
トン化されたイミダゾリル基は、糖鎖のグリコシド結合
を加水分解する活性を示さないが、中性付近で存在する
イミダゾリル基は、窒素原子上の不対電子対によるグリ
コシド結合を加水分解する活性を有する。そのため、H
is残基を含む凝集性セグメントを利用すると、pHに
応答して分解性を促進することができ、生体に適用する
材料として適している。
【0045】前記凝集性高分子(ポリ−N−イソプロピ
ルアクリルアミドやポリ−N−ビニルイソ酪酸アミドな
ど)は、慣用の重合法、例えば、対応する単量体(N−
イソプロピルアクリルアミド、N−ビニルイソ酪酸アミ
ドなど)を、ラジカル重合開始剤(アゾビスイソブチロ
ニトリルなどのアゾ化合物や過酸化ベンゾイルなどの過
酸化物など)を用いて重合することにより得ることがで
きる。さらに、前記凝集性高分子は、慣用の方法によ
り、多糖類に導入できる。例えば、前記重合において、
反応性基を有する連鎖移動剤(メルカプトエチルアミ
ン、3−メルカプトプロピオン酸などのアミノ基やカル
ボキシル基などを有する連鎖移動剤)の共存下で重合す
ることにより、反応性基を凝集性高分子末端に導入し、
これらの反応性基を介してアミド形成反応などにより多
糖類の骨格に結合することができる。なお、凝集性高分
子の分子量又は長さは、単量体、重合開始剤、連鎖移動
剤のモル比などにより制御できる。
【0046】好ましい方法では、高分子の合成と多糖類
の骨格への結合とを同時に行うことができる。例えば、
多糖類の骨格にCeイオンを作用させて炭素ラジカルを
生成させ、ラジカル機構を利用して前記単量体を重合す
ることができる。具体的には、前記単量体と、ラジカル
が生成した多糖類とを混合することにより、多糖類のラ
ジカル部位から高分子鎖が成長し、凝集性高分子の側鎖
と多糖類との結合を同時に行うことができる。
【0047】他の方法としては、多糖類に重合性基を導
入し、前記単量体と重合することにより、凝集性高分子
鎖を多糖類に導入する方法が例示できる。例えば、多糖
類と、ビニル基や(メタ)アクリロイル基などの重合性
基を有する酸無水物(無水(メタ)アクリル酸、無水マ
レイン酸など)とを反応させて、エステル結合により重
合性基を導入し、前記単量体との重合に供することによ
り、多糖類に凝集性高分子の側鎖を導入できる。この方
法においても、凝集性高分子鎖の長さは、多糖類に導入
した重合性基と単量体とのモル比などにより制御でき
る。
【0048】なお、導入された高分子側鎖の分子量又は
長さは、多糖類の骨格を酸(例えば、1M硫酸など)で
加水分解し、残存する側鎖の分子量をゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィなどで測定することにより求める
ことができる。
【0049】前記凝集性ペプチドは、通常のペプチド合
成法、例えば、固相合成法および液相合成法のいずれも
の方法でも調製できる。好ましい方法は、操作が簡便な
固相合成法である[例えば、日本生化学編「続生化学実
験講座2 タンパク質の化学(下)」昭和62年5月2
0日 (株)東京化学同人発行、第641頁〜第694
頁参照]。
【0050】固相合成法では、反応溶媒に不溶の重合体
又は担体(クロロメチル化、オキシメチル化などにより
修飾されたスチレン−ジビニルベンゼン共重合体(クロ
ロメチル化樹脂、ヒドロキシメチルフェニルアセトアミ
ドメチル−樹脂など)、ベンズヒドリルアミン樹脂(4
−メチルベンズヒドリルアミン−樹脂など)、マルチデ
タッチャブル(multi-detachable)樹脂など)が使用さ
れる。これらの重合体又は担体を利用したペプチド合成
法は慣用の方法、例えば、重合体又は担体に、目的とす
るペプチドのC末端に対応するアミノ酸のうちα−カル
ボキシル基を結合させ、目的とするペプチドのN末端の
方向に向かって、アミノ酸又はペプチド断片(遊離のカ
ルボキシル基を有し、かつアミノ基などが保護されたア
ミノ酸やペプチド断片)を順次縮合させる操作と、アミ
ノ基の保護基を脱離する操作とを繰り返してペプチド鎖
を伸長させて、所定のペプチド鎖を形成し、前記重合体
からペプチド鎖を脱離させ、保護基を除去することによ
り目的ペプチドを生成させ、精製することにより、ペプ
チドを合成できる。
【0051】なお、保護基の種類、縮合反応、保護基の
脱離には慣用の方法が利用できる。例えば、アミノ基の
保護基としては、ベンジルオキシカルボニル基(Z)、
p−ニトロベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシ
ベンジルオキシカルボニル基などの置換ベンジルオキシ
カルボニル基、t−ブトキシカルボニル基(Boc)、フ
ルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)、イソボ
ルニルオキシカルボニル基(Iboc)などが例示でき、カ
ルボキシル基の保護基としては、ベンジルエステル(OB
zl)、置換ベンジルエステル、メチルエステル(OM
e)、エチルエステル(OEt)、t−ブチルエステル(OB
ut)、フェナシルエステル(OPac)、シクロヘキシルエ
ステル(OcHex)などが例示できる。また、アミノ酸の
側鎖も慣用の保護基で保護できる。
【0052】縮合反応には、種々のカップリング法、例
えば、C端活性化法(p−ニトロフェニルエステル(ON
p)、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(ONSu)
などを利用した活性エステル化法、混合酸無水物、ジフ
ェニルホスホリルアジド(DPPA)などを用いるアジド
法、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソ
プロピルカルボジイミド(DIPC)、N−エチル−N’−
3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(WSCI)又
はその塩酸塩、ベンゾトリアゾール−1−イル−トリス
−(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン
化物塩(BOP)などの縮合剤を用いるカップリング試薬
法など)などが利用できる。カップリング法において
は、縮合剤を単独で用いてもよく、他の成分と組み合わ
せて使用してもよい。例えば、DCC(又はWSCI)
と、N−ヒドロキシスクシンイミド(HONSu)、ヒドロ
キシベンゾトリアゾール(HOBt)、3−ヒドロキシ−4
−オキソ−3,4−ジヒドロ−1,2,3−ベンゾトリ
アジン(HOObt)などから選択された成分とを組み合わ
せて用いてもよい。なお、これらの試薬は非水溶性であ
ってもよく、WSCI又はその塩酸塩などのように、水
溶性であってもよい。
【0053】保護基の脱離には、慣用の方法、例えば、
接触還元、酸(トリフルオロメタンスルホン酸などのス
ルホン酸類、トリフルオロ酢酸、フッ化水素など)又は
アルカリなどが利用できる。ペプチド鎖の重合体からの
脱離および保護基の除去は、トリフルオロ酢酸を用いて
同時に行うのが副反応を制御する観点から好ましい。ま
た、ペプチドの精製は、慣用の方法、例えば、イオン交
換樹脂、各種クロマトグラフィなどを利用して行うこと
ができ、逆相液体クロマトグラフィーやゲルパーエイシ
ョンクロマトグラフィーで行うのが効果的である。
【0054】さらに、凝集性ペブチド共重合体も種々の
方法で調製できる。例えば、式H−Y−OH(Yは前記
に同じ)で表されるペプチド又はアミノ酸と、基R1
対応するジカルボン酸又はその酸無水物とを反応させて
HO−CO−R1−CO−Y−OH(Yは前記に同じ)
を生成させ、基R2に対応するジアミンと反応させるこ
とにより前記共重合体が得られる。
【0055】R1に対応するジカルボン酸としては、例
えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸などのC2-10脂肪族ジカルボン酸
又はその酸無水物(無水コハク酸など)、シクロヘキサ
ンジカルボン酸などのC4-8シクロアルカン−ジカルボ
ン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸又はその酸無水物などが例示できる。
【0056】R2に対応するジアミンとしては、例え
ば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのC2-6
アルキレンジアミン、ジエチレントリアミンなどのポリ
アルキレンポリアミン、シクロヘキサンジアミン、イソ
ホロンジアミンなどのC4-8脂環族ジアミン,フェニレ
ンジアミン、キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン
などが例示できる。
【0057】なお、ペプチド又はアミノ酸と、ジカルボ
ン酸又はその酸無水物(無水コハク酸又はコハク酸な
ど)、ジアミン(エチレンジアミンなど)との反応に
は、前記活性エステル法などの種々のカップリング反応
が利用できる。例えば、ペプチド共重合体(1):−C
O−(CH22−CO−(Val−Pro−Gly−X
−Gly)n−NH−(CH22−NH−(X及びnは
前記に同じ)、(2):−CO−(CH22−CO−S
ar−NH−(CH22−NH−、(3):−CO−
(CH22−CO−X−NH−(CH22−NH−(X
は前記に同じ)は、(1a)H−(Val−Pro−Gl
y−X−Gly)n−OH(X及びnは前記に同じ)、
(2a)H−Sar−OH、(3a)H−Val−OH、H
−Leu−OH、H−Ile−OH、H−Nle−OH
を、それぞれ無水コハク酸と反応させて、(1b)HO−
CO−(CH22−CO−(Val−Pro−Gly−
X−Gly)n)−OH(X及びnは前記に同じ)、(2
b)HO−CO−(CH22−CO−Sar−OH、(3
b)HO−CO−(CH22−CO−Val−OH、H
O−CO−(CH22−CO−Leu−OH、HO−C
O−(CH22−CO−Ile−OH、HO−CO−
(CH22−CO−Nle−OHを生成させる。次い
で、各成分(1b)〜(3b)とエチレンジアミンとを、そ
れぞれ、適当な範囲、例えば、5〜90モル%の範囲で
混合した水溶液に、カップリング剤(水溶性カルボジイ
ミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールなど)を加え
て脱重縮合することにより得られる。
【0058】[材料又は生体高分子の製造方法]非動物
性多糖類の骨格と凝集性セグメント(フラグメント又は
側鎖)とを結合する方法は、多糖類の骨格に含まれる官
能基の種類と、凝集性セグメントに含まれる官能基の種
類との組み合わせによって適宜選択される。例えば、非
動物性多糖類がカルボキシル基を有し、凝集性セグメン
トがアミノ基を有する場合には、通常のアミド基生成反
応により多糖類と凝集性セグメントとを結合できる。具
体的には、カップリング試薬(カルボジイミド(DC
C、DIPC、WSCI又はその塩酸塩など)、BOP
などの縮合剤単独、DCC(又はWSCI)−HONSu、
DCC(又はWSCI)−HOBt、DCC(又はWS
CI)−HOObtなどのカップリング試薬の組合せな
ど)による脱水縮合反応、活性エステル化法によりカル
ボキシル基を活性エステルに変換した後、アミノ基との
アミド結合形成反応を行うことなどの方法が挙げられ
る。
【0059】また、多糖類の官能基がヒドロキシル基で
ある場合には、アルカリ存在下、多糖類とハロカルボン
酸(クロロ酢酸など)とを反応させてカルボキシル基を
導入し、通常のアミド基生成反応により凝集性セグメン
トとの結合を行うことができる。さらに、多糖類に含ま
れるヒドロキシル基を酸化してアルデヒド基を生成さ
せ、凝集性セグメントのアミノ基とシッフ塩基形成反応
を経ることにより、凝集性セグメントと結合させること
ができる。
【0060】本発明の温度応答性材料(温度応答性重合
体)は、温度に応答して溶液状からゲル状に変化する温
度応答性を有しており、通常、加熱により溶液からゲル
へ変化する。好ましい温度応答性重合体は、温度に応答
して溶液の形態とゲルの形態とに可逆的にあるいは不可
逆的に変化する。ゲルは、通常、白濁又は透明である。
上記応答温度は、適当に選択できるが、通常、30℃以
上(好ましくは30〜50℃、さらに好ましくは33〜
45℃、特に35〜44℃程度)である。
【0061】さらに、温度応答性材料は、非動物性の多
糖類骨格を有しているため、生体適合性及び安全性が高
く、ウイルスや細菌、プリオンなどの既知又は未知の病
原体による感染のおそれが少ない。特に植物由来の多糖
類は安全性が高い。さらには、生体内での分解及び/又
は吸収・排泄も期待される。なお、高分子量の凝集性高
分子は通常、生体内での分解効率が低下するが、重合度
が低い場合には排泄が可能である。特に、多糖類骨格
と、凝集性ペプチド鎖、および凝集性ペブチド共重合体
の鎖は、生体内で分解され、分解生成物の毒性も低く、
安全に吸収・排泄される。
【0062】[温度応答性組成物]本発明の温度応答性
材料は、溶液とゲルとの可逆的な変化を利用して生体に
適用する温度応答性組成物の構成成分として有用であ
る。温度応答性組成物は、前記温度応答性材料単独で構
成してもよいが、通常、生理学的に許容される担体と組
み合わせて使用される。
【0063】温度応答性組成物の剤形は、特に制限され
ず、粉体、散剤などの固形剤であってもよいが、温度応
答性材料は、通常、液体と組み合わせることにより液剤
として利用される。すなわち、液剤の担体としては、
水、生理食塩水、緩衝液(リン酸緩衝液など)、アルコ
ール水溶液(エタノール水溶液など)、多価アルコール
水溶液(5%グリセリン水溶液、エチレングリコール水
溶液、プロピレングリコール水溶液など)、糖水溶液
(5%グルコース水溶液、ブドウ糖水溶液など)、アル
ブミン水溶液(5%アルブミン溶液など)などが例示で
きる。なお、液剤は、溶液剤、懸濁剤、乳剤、軟膏剤、
エアゾール剤、貼付剤(パスタ剤、パップ剤)などであ
ってもよい。液剤中の温度応答性材料(又は温度応答性
重合体)の濃度は、重合体の溶液粘度などに応じて、例
えば、0.1〜90重量%、好ましくは0.5〜50重
量%、さらに好ましくは1〜30重量%(例えば、1〜
15重量%)、特に1〜10重量%程度の範囲から選択
できる。
【0064】温度応答性組成物(又は製剤)は、生理的
又は薬理的に許容される種々の添加剤、例えば、ポリビ
ニルピロリドン、マクロゴール、ポリビニルアルコー
ル、セルロース誘導体(セルロースエーテル類など)な
どの高分子、保存剤、安定剤、乳化剤や懸濁化剤、pH
調整剤、緩衝剤、薬剤(殺菌剤、消毒剤、抗菌剤、抗ウ
ィルス剤、抗炎症剤、抗アレルギー剤、鎮痛剤、止血剤
など)などを含んでいてもよい。
【0065】本発明の温度応答性組成物は、皮膚、筋肉
組織や内臓組織などの種々の患部(切開部、切断部、創
傷部、剥離部、破砕部など)に適用でき、例えば、患部
の組織面の間に介在し、組織の癒着を防止するための癒
着防止材、縫合部などの患部に適用し、組織を接着させ
るための組織接着材、創傷部などの患部を被覆して保護
するための(創傷)被覆材、切開部や創傷部などの患部
に適用して止血するための止血材や塞栓材などとして利
用できる。患部に対する温度応答性組成物の適用量は、
患部の部位や面積、ゲル形成が必要とされる時間又は期
間などに応じて、患部を被覆可能な範囲から選択でき
る。
【0066】本発明の材料は、慣用の方法、例えば、前
記成分を混合し、必要により滅菌処理し、所定の容器に
充填し、滅菌処理することにより調製できる。例えば、
患部に容易に適用するため、注出可能な容器(注射器状
の容器など)に充填したり、噴射剤と共にスプレーボト
ルに充填することも可能である。また、貼付剤は、前記
組成物を基材に塗布し、塗布層を剥離可能な保護シート
で被覆することにより調製できる。
【0067】本発明の材料及び組成物は、患部の温度に
応答して加温され、溶液状からゲル状に変化するため、
患部にゲル膜を形成できる。そのため、ヒトの他、種々
の哺乳類(特に、家畜、ペットなどの温血動物)にも適
用できる。
【0068】
【発明の効果】本発明の材料(又は重合体)および組成
物は、温度に応答して液体からゲルへ変化するととも
に、非動物性多糖類を骨格として含むため、安全性が高
い。そのため、生体(例えば、患部など)への適用によ
り、塗布部にゲル状の皮膜を形成できる。本発明の組成
物は、癒着防止材、組織接着材、創傷被覆材、止血材、
塞栓材などの主たる構成成分として有用である。
【0069】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。
【0070】実施例1 [デンプン−PNIPAM共重合体の調製]馬鈴薯澱粉
(三和澱粉工業(株))0.1gとN−イソプロピルア
クリルアミド(NIPAM)(和光純薬工業(株))
0.071gを含む水溶液4mlに、窒素ガスを30分
間吹き込むことにより脱気し、硝酸二アンモニウムセリ
ウム(IV)(和光純薬工業(株))3.4mgを1N硝
酸水溶液100μlに溶解して加えた。窒素雰囲気下、
30℃で一晩重合した。得られた水溶液にアセトンを加
えて、馬鈴薯澱粉の骨格にポリ−N−イソプロピルアク
リルアミド(PNIPAM)の側鎖が結合した重合体を
得た。さらに、重合体を水に溶解してアセトンで沈殿す
る操作を数回繰り返して精製した(収量:約0.12
g、収率:約70%)。
【0071】[評価試験]得られた重合体を、10mM
リン酸塩緩衝液(0.15MのNaC1を含む。pH
7.4)に溶解し、5重量%の溶液を調製した。この溶
液は室温(約25℃)では透明な液体であったが、37
℃に加温すると白色のゲル状物を形成した。また、この
ゲル状物を室温まで冷却すると透明な液体となった。
【0072】一方、対照としてのポリ−N−イソプロピ
ルアクリルアミド単独重合体(PNIPAM)の5重量
%溶液は、室温では透明な液体であり、37℃で白色の
沈殿を生成したが、ゲルを形成しなかった。また、澱粉
単独では同濃度で緩衝液に溶解しなかった。
【0073】実施例2 [デキストラン−PNIPAM共重合体の調製]デキス
トラン(平均分子量約30万、和光純薬工業(株))
0.1gをホルムアミド5mlに溶解し、種々の量の無
水メタクリル酸(アルドリッチ社)と、トリエチルアミ
ン140μlとを加え、遮光しながら25℃で24時間
反応した。得られた反応液を水に対して24時間透析
(分子量カット12000)し、メタクリル酸を除去し
た後、凍結乾燥した。メタクリレートの導入率を、NM
Rにおけるメチルプロトンの面積から求めたところ、糖
残基当たり導入率(グルコース単位当たりの平均置換
度)が、(a)0.26のメタクリル酸エステル化物、
(b)0.07のメタクリル酸エステル化物、(c)
0.01のメタクリル酸エステル化物が得られた。
【0074】メタクリル酸でエステル化された各デキス
トラン(a)〜(c)について、それぞれ3つの1重量
%ジメチルスルホキシド(DMS)溶液3mlを調製し
た。各溶液に、(1)N−イソプロピルアクリルアミド
(NIPAM)の10重量%DMS溶液3ml、(2)
NIPAMの10重量%DMS溶液1.8ml及びDM
S1.2ml、(3)NIPAMの10重量%DMS溶
液0.6ml及びDMS2.4mlをそれぞれ加えた。
さらに、アゾイソブチロニトリルの5重量%DMS溶液
174μlをそれぞれに加え、凍結と融解を交互に3回
繰り返して脱気した後、窒素雰囲気下で、70℃に4時
間保温した。
【0075】得られた反応生成物を、水に対して24時
間透析(分子量カット12000)し、DMSを除去し
た後、凍結乾燥を行った。さらに、水に対して100時
間透析(分子量カット30万)し、デキストランに結合
しなかったポリ−N−イソプロピルアクリルアミド(P
NIPAM)を除去した後、凍結乾燥を行い、デキスト
ランの骨格にPNIPAMの側鎖が結合した重合体を得
た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより精
製度と分子量を測定した。
【0076】[評価試験]得られた重合体について実施
例1と同様の試験を行ったところ、(1)NIPAMの
10重量%DMS溶液3ml、(3)NIPAMの10
重量%DMS溶液0.6mlを加えて得られた重合体
は、37℃で白色のゲル状物を与えた。また、(2)N
IPAMの10重量%DMS溶液1.8mlを加えて得
られた重合体は、37℃で透明なゲル状物を与えた。こ
れらの重合体の溶液は、すべて、室温に冷却することに
より再び透明な液体状となった。さらに、これらの溶液
−ゲル挙動は、糖残基あたりのメタクリル酸によるエス
テルの導入率(a)〜(c)に依存しなかった。
【0077】実施例3 [デンプン−ペプチド重合体の調製]式(1):Val P
ro Gly Val Gly Val Pro Gly Val Gly Val P
roGly Val Gly Val Pro Gly Val Gly-NH2(配列
番号:1)で示されるペプチドを、ペプチド自動合成装
置を用いて固相合成法により合成した。すなわち、4−
(2’,4’−ジメトキシフェニル−フルオレニルメト
キシカルボニル)−アミノメチル)−フェノキシアセト
アミド−エチル基を0.62ミリモル/g(樹脂)の割
合で有するスチレン−ジビニルベンゼン共重合体[スチ
レンとジビニルベンゼンの構成モル比=99:1]から
なる粒状樹脂[米国アプライド・バイオシステムズ社
製、Fmocアミドレジン]0.1ミリモルを用い、目
的とするペプチドのカルボキシル末端からアミノ末端に
向かって順次対応するアミノ酸を結合させた。
【0078】結合反応において、アミノ酸として、米国
アプライド・バイオシステムズ社製のNα−フルオレニ
ルメトキシカルボニル]−L−バリン[Fmocバリ
ン]、Nα−(フルオレニルメトキシカルボニル)−L
−プロリン[Fmocプロリン]、Nα−9−(フルオ
レニルメトキシカルボニル−グリシン[Fmocグリシ
ン]を各結合ステップについてそれぞれ1ミリモルずつ
用いた。
【0079】得られたペプチド樹脂を5容量%の水を含
むトリフルオロ酢酸10mlで2時間脱離処理した。得
られた溶液をジエチルエーテルに加え、生成した沈殿物
をさらに数回ジエチルエーテルで洗浄して、ペプチドの
脱保護と樹脂からの脱離を行った。粗生成物をPD10
カラム(アマシャムファルマシアジャパン)で精製し、
式(1)で示すペプチドを得た。得られた精製ペプチド
をHPLC[ファルマシアバイオテク(株)製,AKTA e
xplorer10XT、カラム:ミリポアウオーターズ(株)
製,ノバパックC18 3.9mmφ×150mm、移動相:トリフル
オロ酢酸を0.05容量%含有するアセトニトリルと水
との混合溶媒(アセトニトリル濃度を30分間で5容量
%から50容量%に直線的に変化させた)、流速1.0
ml/分]に付したところ、18.5分に単一のピーク
が示された。FAB法マススペクトルにより求めた精製
ペプチドの分子量は1655であった(理論値:165
5.0)。
【0080】クロロ酢酸(アルドリッチ社)3gをメタ
ノール40mlに溶解し、この溶液に、3.5gの水酸
化ナトリウム(和光純薬工業(株))を溶解した水溶液
7mlを加えた。さらに、混合液に、攪拌しながら馬鈴
薯澱粉(三和澱粉工業(株))10gを加え、40℃で
48時間攪拌を続けた。その後、氷酢酸約2mlで反応
液をpH6.5に調整し、メタノールを加えてカルボキ
ジメチル化された澱粉を沈殿物として回収した。回収さ
れた沈殿物をメタノールでさらに5回洗浄した後、減圧
乾燥し、約10gのカルボキシメチル化澱粉を得た。
【0081】カルボキシメチル化澱粉0.05gを水2
5mlに溶解し、式(1)で示すペプチド83mg、N
−ヒドロキシコハク酸イミド(ペプチド研究所)114
mg、水溶性カルボジイミド(1−エチル−3−(3−
ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド、ペプチド
研究所)198mgを順次加えて溶解し、室温で一晩攪
拌した。反応混合液を、水に対して48時間透析(分子
量カット3000)して副生成物を除去して、澱粉の骨
格に式(1)で示すペプチドの側鎖が結合したデンプン
−ペプチド(1)重合体を得た。
【0082】[評価試験]得られたデンプン−ペプチド
重合体について、実施例1と同様に試験したところ、3
7℃で白色のゲル状物を与え、室温に冷却することによ
り再び透明な液体状となり、溶液−ゲル挙動は37℃で
可逆的であった。
【0083】実施例4 [アルギン酸−ペプチド重合体の調製]式(2):
(N’α,N’ε,N”α,N”ε-テトラ(H−(V
al−Pro−Gly−Val−Gly)4)−Nα,
Nε−ジリジル)リジル-β-アラニンおよび式(3):
(N’α,N’ε,N”α,N”ε-テトラ(H−Hi
s−Val−Gln−Val−His−(Val−Pr
o−Gly−Val−Gly)2)−Nα,Nε−ジリ
ジル)リジル-β-アラニンで示されるペプチドを、実施
例3と同様の方法で合成した。
【0084】ただし、Fmocアミドレジンの代わりに
(N’α,N’ε,N”α,N”ε−テトラフルオレニ
ルメトキシカルボニル−Nα,Nε−ジリジル)リジル
−β−アラニル基を0.14ミリモル/g(樹脂)の割
合で有するスチレン−ジビニルベンゼン共重合体[スチ
レンとジビニルベンゼンとの構成モル比=99:1]か
らなる粒状樹脂[米国アプライド・バイオシステムズ社
製、FmocMAPレジン4ブランチ]0.025ミリ
モルを用い、式(3)で示されるペプチドの場合には、
結合反応において、実施例3に示したアミノ酸以外に、
米国アプライド・バイオシステムズ社製のNα−9−
(フルオレニルメトキシカルボニル)−Nγ−トリチル
−L−グルタミン[Fmocグルタミン]、Nα−9−
(フルオレニルメトキシカルボニル)−NIm−トリチル
−L−ヒスチジン[Fmocヒスチジン]を、各結合ス
テップについてそれぞれ1ミリモルずつ用いた。
【0085】さらに式(3)で示されるアミノ酸配列を
含むペプチドの場合には、5容量%の水を含むトリフル
オロ酢酸10mlの代りに、2.5容量%エタンジチオ
ール(東京化成(株))と2.5容量%の水を含むトリ
フルオロ酢酸10mlを用いて、ペプチドの脱保護と樹
脂からの脱離を行った。
【0086】実施例3と同様のHPLCに付したとこ
ろ、式(2)で示される精製ペプチドでは22.6分
に、式(3)で示される精製ペプチドでは17.8分に
それぞれ単一のピークが示された。
【0087】アルギン酸ナトリウム(和光純薬工業
(株):1級、1重量%水溶液の粘度(温度20℃)5
00〜600cp)20mgを10mMリン酸塩緩衝液
(pH7.4)10mlに溶解し、式(2)で示すペプ
チド35mg、あるいは式(3)で示すペブチド31m
gをそれぞれ加えて溶解した。さらにN−ヒドロキシコ
ハク酸イミド12mgと前記水溶性カルボジイミド10
mgとを順次加えて溶解し、室温で一晩攪拌した。反応
液を水に対して48時間透析(分子量カット3000)
して副生成物を除去し、アルギン酸の骨格に式(2)で
示すペプチドの側鎖が結合したアルギン酸−ペプチド
(2)重合体と、アルギン酸の骨格に式(3)で示すペ
プチドの側鎖が結合したアルギン酸−ペプチド(3)重
合体を得た。
【0088】[評価試験]得られたアルギン酸−ペプチ
ド重合体について、実施例1と同様に試験したところ、
いずれも37℃で白色のゲル状物を与えた。また、アル
ギン酸−ペプチド(2)重合体は室温に冷却することに
より再び透明な液体状となり、溶液−ゲル挙動は37℃
で可逆的であった。一方、アルギン酸−ペプチド(3)
重合体は室温に冷却しても液体とならず、不可逆的なゲ
ル化を示した。
【0089】実施例5 [アルギン酸−ペプチド重合体の調製]式(4):Val
Pro Gly Val Gly Val Pro Gly Val Gly Val
ProGly Val Gly Val Pro Gly Val Gly(配列番
号:2)で示されるペプチドを実施例3と同様の方法で
合成した。ただし、Fmocアミドレジンの代りに4−
(Nα−9−(フルオレニルメトキシカルボニル)−グ
リシル)−オキシメチル−フェノキシ−メチル基を0.
80ミリモル/g(樹脂)の割合で有するスチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体[スチレンとジビニルベンゼン
との構成モル比=99:1]からなる粒状樹脂[米国ア
プライド・バイオシステムズ社製、HMPグリシン]
0.1ミリモルを用いた。
【0090】実施例3と同様のHPLCに付したとこ
ろ、式(4)で示される精製ペプチドでは18.6分に
単一のピークが示された。
【0091】式(4)で示されるペプチド、またはサル
コシン(和光純薬工業(株))、イソロイシン(和光純
薬工業(株))を水に溶解し、それぞれ等モルの無水コ
ハク酸を加え、攪拌しながら1N水酸化ナトリウム水溶
液を滴下することにより、反応系のpHを略7.0に保
った。反応により、略100%の収率でコハク酸化ペプ
チド又はコハク酸化アミノ酸が得られた。
【0092】コハク酸化された式(4)で示すペプチド
と、コハク酸化サルコシンと、コハク酸化イソロイシン
と、エチレンジアミン(和光純薬工業)とを、1:1.
5:4.5:7のモル比で水に溶解した後、前記水溶性
カルボジイミドをモル比で35、1−ヒドロキシベンゾ
トリアゾール(ペプチド研究所)をモル比16の割合で
加えて溶解し、室温で24時間攪拌した。反応生成物を
PD10カラムで精製した。ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィーにより測定した平均分子量は約5500
0であった。
【0093】アルギン酸ナトリウム(和光純薬工業
(株)、1級、1重量%水溶液の粘度(温度20℃)5
00〜600cp)20mgを10mMリン酸塩緩衝液
(pH7.4)10mlに溶解し、上記得られた式
(4)で示すペプチドを含む共重合体20mgを加えて
溶解した。さらにN−ヒドロキシコハク酸イミド12m
gと前記水溶性カルボジイミド19mgとを順次加えて
溶解し、室温で一晩攪拌した。反応液を水に対して48
時間透析(分子量カット3000)して副生成物を除去
し、アルギン酸の骨格に式(4)で示すペプチドを含む
共重合体の側鎖が結合したアルギン酸−ペブチド(4)
重合体を得た。
【0094】[評価試験]得られたアルギン酸−ペプチ
ド(4)重合体について、実施例1と同様に試験したと
ころ、37℃で透明のゲル状物を与え、室温に冷却する
ことにより再び透明な液体となった。
【0095】
【配列表】
【0096】
【配列表フリーテキスト】 SEQUENCE LISTING <110> Japan Medico Co.,Ltd. Japan Science and Technology Corporation <120> A thermoresponsive material and a composition comprising the same <130> P010024 <140> <141> <160> 2 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 20 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:agglomerative peptide <300> <303> Prog. Biophys. molec. Biol. <304> 57 <306> 23-57 <307> 1992 <400> 1 Val Pro Gly Val Gly Val Pro Gly Val Gly Val Pro Gly Val Gly Val 1 5 10 15 Pro Gly Val Gly 20 <210> 2 <211> 20 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:agglomerative peptide <300> <303> Prog. Biophys. molec. Biol. <304> 57 <306> 23-57 <307> 1992 <400> 2 Val Pro Gly Val Gly Val Pro Gly Val Gly Val Pro Gly Val Gly Val 1 5 10 15 Pro Gly Val Gly 20
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/00 A61L 15/01 // C07K 7/08 ZNA 25/00 A (72)発明者 山岡 哲二 大阪府茨木市紫明園10−74 イトーピア紫 明園202号 (72)発明者 三上 博 愛知県春日井市藤山台9−9−11 (72)発明者 木下 久雄 奈良県生駒市小平尾町42−10 Fターム(参考) 4C081 AA02 AA12 AA14 AC04 BA11 BB03 CA102 CD031 CD041 CD112 DA12 DA15 4C090 AA02 AA09 BA15 BA72 BD09 BD17 DA22 4H045 AA10 AA30 BA53 BA56 EA34 FA34 FA61 GA22 HA03 HA06 4J031 AA02 AA04 AA22 AB01 AB06 AC07 AD01 AF03 AF09

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非動物性多糖類の骨格と、加熱により凝
    集性を有するセグメントとが結合している温度応答性材
    料。
  2. 【請求項2】 非動物性多糖類の骨格に、30℃以上の
    温度で凝集性を有する側鎖が結合している請求項1記載
    の温度応答性材料。
  3. 【請求項3】 非動物性多糖類が、澱粉、セルロース、
    ペクチン、アルギン酸、カラゲナン、デキストラン、プ
    ルラン、およびキトサンから選択された少なくとも一種
    である請求項1記載の温度応答性材料。
  4. 【請求項4】 非動物性多糖類が、植物性多糖類である
    請求項1記載の温度応答性材料。
  5. 【請求項5】 凝集性を有するセグメントが、(1)ポ
    リアクリルアミド誘導体、(2)ポリ−N−ビニルアシ
    ルアミド、(3)Val、Leu、Ile、Nle、P
    ro、His,Phe、Trpから選択された少なくと
    も一種のアミノ酸残基を有するペプチド単位から選択さ
    れた少なくとも一種のユニットで構成されている請求項
    1〜4のいずれかの項に記載の温度応答性材料。
  6. 【請求項6】 凝集性を有するセグメントが、下記式
    (I) −(Val−Pro−Gly−X−Gly)n− (I) (式中、Xは、Val、Pro、Leu、Ile、Nl
    eから選ばれるアミノ酸残基を表し、nは1以上の整数
    を表す)で表されるペプチド単位、および下記式(II) −CO−R1−CO−Y−NH−R2−NH− (II) [式中、R1,R2は、同一又は異なって、アルキレン
    基、シクロアルキレン基、アリーレン基を示し、Yは、
    −(Val−Pro−Gly−X−Gly)n−(X,
    nは前記に同じ),Sar、Val、Pro、Leu、
    Ile、Nleより選ばれるアミノ酸残基を表す]で表
    されるペプチド共重合体単位から選択された少なくとも
    一種のユニットで構成されている請求項1〜5のいずれ
    かの項に記載の温度応答性材料。
  7. 【請求項7】 式(II)において、R1,R2がC2-6
    ルキレン基である請求項6記載の温度応答性材料。
  8. 【請求項8】 凝集性を有するセグメントが、(1)少
    なくともN−イソプロピルアクリルアミドで構成された
    単量体の重合体;(2)少なくともN−ビニルイソ酪酸
    アミドで構成された単量体の重合体;(3)H−(Va
    l−Pro−Gly−X−Gly)n)−NH2(式中、
    Xは、Val、Pro、Leu、Ile、Nleから選
    ばれるアミノ酸残基を表し、nは2以上の整数を表
    す。);(4)(N’α,N’ε,N”α,N”ε−テ
    トラ(H−(Val−Pro−Gly−X−Gl
    y)n)−Nα,Nε−ジリジル)リジル−β−アラニ
    ン(式中、Xおよびnは前記に同じ);(5)(N’
    α,N’ε,N”α,N”ε−テトラ(H−His−V
    al−Gln−Val−His−(Val−Pro−G
    ly−X−Gly)n)−Nα,Nε−ジリジル)リジ
    ル−β−アラニン(式中、Xおよびnは前記に同じ);
    (6)−CO−R1−CO−(Val−Pro−Gly
    −X−Gly)n−NH−R2−NH−(式中、X、n、
    1およびR2は前記に同じ);(7)−CO−R1−C
    O−Sar−NH−R2−NH−(式中、R1およびR2
    は前記に同じ);(8)−CO−R1−CO−X−NH
    −R2−NH−(式中、X、R1およびR2は前記に同
    じ)から選択された少なくとも一種のユニットである請
    求項1〜7のいずれかの項に記載の温度応答性材料。
  9. 【請求項9】 凝集性を有するセグメントの割合が、全
    体の3〜90重量%である請求項1〜8のいずれかの項
    に記載の温度応答性材料。
  10. 【請求項10】 凝集性を有するセグメントが、His
    残基を1〜5個の範囲で含むpH応答性セグメントを含
    み、かつ中性付近で加水分解促進活性を示す請求項1〜
    9のいずれかに記載の温度応答性材料。
  11. 【請求項11】 30℃以上の温度で、溶液状からゲル
    状に変化する温度応答性を有する請求項1〜10のいず
    れかに記載の温度応答性材料。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかの項に記載
    の温度応答性材料を含む温度応答性組成物。
  13. 【請求項13】 癒着防止材、組織接着材、創傷被覆
    材、止血材および塞栓材から選択された少なくとも一種
    である請求項12記載の温度応答性組成物。
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