JP2002254149A - 連続鋳造法 - Google Patents

連続鋳造法

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Abstract

(57)【要約】 一種の湾曲式連続鋳造であって鋳型下方から引き抜かれ
た鋳片の引抜軌跡を3/4円周までは同一曲率円弧とし
以後は水平とし、鋳片内部の溶融芯を重力により鋳片凝
固殻から分離して中空鋳片を形成し、その後凝固殻内面
を互いに圧接して中実鋳片とする連続鋳造方法におい
て、チルの内側は柱状晶のみの凝固組織とし、鋳型断面
形状を円形とし、中空鋳片の凝固殻厚比αを0.25以
上0.40未満とし柱状晶長さを制限する。中実鋳片矩
形比を3〜8とする。 【効果】 同一機長の連続鋳造機において鋳造能率が従
来以上に向上する。凝固組織は外皮のチルの内側は柱状
晶のみで構成されるので均質性が高い。しかも凝固殻厚
が従来より小さいのでその分柱状晶も短くなり一層均質
になる。連鋳・圧延一貫、ニアネット・シェイピングに
おいてもミクロ偏析の残存が避けられる。鋼片の再加熱
効率が良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は棒、線、条用の鋼片を連
続鋳造によって製造する方法に関し、特に連鋳と圧延を
直結する場合に好都合となる内部欠陥が無く且つ均質緻
密な組織を持つ鋳片を製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】 棒鋼、線材、条鋼等の圧延製品は通
常、素材として連続鋳造によって製造された横断面形状
が円又は正方形又はアスペクト比が2以下の長方形の鋼
片又は連続鋳片が使用される。製品への圧延に際して、
一般的には鋳造起因の中心偏析、収縮孔、多孔質及び
正、負の偏析粒等の芯部欠陥や内部割れ、粒界割れ等の
内部欠陥及び圧延起因の表面傷、肌荒れ、脱炭層等の表
面欠陥が充分解消されていることが望まれている。
【0003】上記問題の解決ないし改善は生産能率、操
業費、設備費等生産性に有利な方法でなさねばならな
い。関連事例を次に説明する。
【0004】事例1; 特許第2989737号 上記問題の多くを解決する方法が示されている。即ち、
該方法は一種の湾曲式の連続鋳造方法であって、鋳型断
面形状を円形とし、鋳片引抜軌跡を3/4円周までは同
一曲率円弧、以後は水平とし、鋳片内部の溶融芯を1/
2円周を越えて鋳込み面から約1.4m高い位置まで保
持し、該位置において重力により鋳片凝固殻から分離し
て真空の中空鋳片を形成し、その後圧延により中実鋳片
へ圧接成形するものである。本方法の効果は、1)凝固
終点が存在しないので中心偏析、収縮孔、多孔質等の芯
部欠陥が解消される。2)鋳造能率が飛躍的に向上す
る。
【0005】問題点は凝固殻厚比α(=中空鋳片の凝固
殻厚d/中空鋳片の直径D/2)が0.4以下では中実
鋳片が扁平過大になって後続の圧延作業に諸問題が生ず
るので0.4以上に特定していることである。そのため
鋳造能率の向上に制約が生ずる。なぜなら鋳造能率は
(2/α−1)に比例するからである。事例以上の能率
が必要になる場合には対処しにくい。
【0006】事例2; 特開平8−39219 事例1と同方法の連続鋳造において鋳込温度制御を付加
して凝固組織を柱状晶に限定している。この方法による
と現在最良の均質材とされているESR鋼塊(Elec
tro−slag Remelting Proces
s)と同様の柱状晶からなる鋼片が得られる。
【0007】チル晶では実質的に均質である。チルから
成長した柱状晶ではこれを構成するデンドライトの樹枝
間にミクロ偏析が必然的に存在する。柱状晶の成長につ
れ樹枝構造が粗くなりミクロ偏析の程度も大きくなる。
一方鋳造と圧延を直結する場合には加熱、均熱工程が介
在しないので偏析している各種元素の拡散による均質化
はあまり期待できない。このような場合柱状晶であって
も粗大になるとミクロ偏析の不均質性が製品に残存して
問題となることもある。
【0008】事例3; 特開平8−39219 鋳造能率向上のため鋳型断面形状を矩形にする方法が提
示されている。なぜなら開示のように鋳造能率は矩形比
γ(=長辺寸法/短辺寸法)を含む((1+γ)/α−
1)に比例するからである。この方法により事例1の問
題は解決できる。
【0009】短所として矩形断面では、バルジング(溶
鋼静圧による凝固殻の膨張現象)対策が不可欠で設備費
及び管理作業が大変である。その上、鋼種によっては角
断面の場合コーナー近傍で直交する両表面から成長した
柱状晶が順次衝突して45度等分面において一種の粒界
偏析が発生する。場合により割れに成長する。この問題
に対して円断面では自ずと解消される。
【0010】事例4; 特開平10−328711 事例1と同様の連続鋳造において断面アスペクト比βが
過大な中実鋳片を1回の加工によってβが1に近い形状
(円、方形)に成形する方法が提示されている。この方
法により事例1の問題即ち鋳造能率の限界拡張は解決で
きる。
【0011】問題として棒、線、条用の鋼片としては断
面アスペクト比が1に近い形状が慣用されてきているの
で中実鋳片からの成形工程そのものが不可欠となり且つ
提案のような特殊プレスが必要となる。
【0012】ところで断面アスペクト比が大きい鋼片は
慣用されていないとは言え確固たる非合理性があるわけ
でもない。特に連鋳と圧延を直結する場合、成型工程は
必ずしも特別の意味を持つとは限らない。成形工程を除
外すると凝固殻厚比や断面アスペクト比の制限条件は合
理的に緩和される可能性がある。
【0013】ここで鋼片の圧延に先立つ再加熱の問題に
ついて検討する。鋼片は加熱中に酸化によって表面にス
ケール(酸化鉄膜)が発生したり脱炭が発生する。これ
らは鋼片厚が大きいほど成長して有害欠陥になりやす
い。当該問題改善のため通常低温・短時間加熱、低温圧
延等煩雑な対策がなされている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のような
事例1を原型とする一連の従来方法の問題をまとめて改
善しようとする。具体的には1)鋳造能率を従来と同等
以上の水準とすること、2)材料内部品質を従来と同等
以上の水準とすること、特に鋳造と圧延の直結によって
均熱工程が無くなっても充分対処できる従来以上に均質
な凝固組織とすること、3)設備に対しても従来以上の
簡素且つ低廉な設備であること、4)従来以上に圧延作
業性の良い鋼片断面形状とすること等を課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するた
め発明者は従来方法の長所を踏襲するとともに短所を排
除し、且つ新規の工夫を加えて以下の発明をなした。そ
の骨格は、鋳造能率の解決に対しては特許第29897
37号の方法を踏襲しつつ特定条件外に拡張して向上さ
せる。材料内部品質の改善に対しては特開平8−392
19に提示された方法を踏襲しつつ最適化を図る。簡素
な設備に対しては特許2989737号の例示をさらに
簡素にする。中実鋳片の断面形状については連鋳と圧延
を直結する場合でもまた棒、線、条用の鋼片として鋳片
を一旦切断する場合にもそれぞれ適切に対応でき且つよ
り好都合な形状を容易に得る方法を工夫した。その結
果、事例1において不適切として排除された製造条件範
囲も効果的に活用できるようになった。
【0016】第1の発明は一種の湾曲式の連続鋳造方法
であって、溶鋼が垂直に鋳型内に鋳込まれ、鋳型下方か
ら引き抜かれた鋳片の引抜軌跡を3/4円周までは同一
曲率円弧とし以後は水平とし、鋳片内部の溶融芯を1/
2円周を越えて鋳込み面から約1.4m高い位置まで保
持し該位置で重力により鋳片凝固殻から分離して中空鋳
片を形成し、その後水平部位において圧延機等により凝
固殻内面を互いに圧接して中実鋳片とする連続鋳造方法
において、鋳片外皮数mm厚のチル晶の内側すべてを実
質的に柱状晶のみの凝固組織とし、鋳型断面形状をほぼ
円形とし、中空鋳片の凝固殻厚比αを0.25以上0.
40未満とすることを特徴とする連続鋳造方法である。 ここで、 α=2d/D d; 中空鋳片の殻厚(mm) D; 中空鋳片の直径(mm)
【0017】 第2の発明は第1の発明において凝固殻
厚を60mm以下とすることを特徴とする連続鋳造方法
である。
【0018】第3の発明は第1の発明において、圧接直
後の中実鋳片横断面のアスペクト比βを3〜8とするこ
とを特徴とする連続鋳造方法である。 ここで、 β=A/B A; 中実鋳片の長辺長さ(mm) B; 中実鋳片の短辺長さ(mm)
【0019】
【発明の実施の形態】 図1は本発明を実施する連続鋳
造機の概要を示す。タンディシュ1の中の溶鋼2をほぼ
円形断面の鋳型3に鋳込み、鋳片4の外皮を形成する。
該鋳型3から引き抜かれた該鋳片4を2次冷却装置5を
貫通させつつスプレイ6により冷却し凝固を進行させ
る。溶融芯7を保有する該鋳片4を1/2円周を越え
て、鋳込面より約1.4m高い位置Q点(これは大気圧
に相当する溶鋼のヘッド)まで引き抜くと、該溶融芯7
は凝固殻8の内面から分離し、管状の中空鋳片9が形成
される。該中空鋳片9を3/4周点で伸直ロール10に
より伸直して水平に引き抜く。次に圧接圧延機11によ
り該中空鋳片9を圧下して凝固殻内面を互いに圧接せし
め中実化させると同時に断面形状が扁平状オーバルの中
実鋳片12とする。
【0020】該鋳片12は切断せずそのまま直結して例
えば線材圧延ライン13に供給される。又はシアー16
により切断して線材用の鋼片15とされる。該鋼片15
は加熱炉14へ供給され所定温度に効率的に加熱された
後圧延ライン13に供給される。このようにして高品質
の圧延鋼材が高能率で得られる。
【0021】連鋳と圧延を直結する場合、該扁平鋳片1
2を幅方向に連続2〜3パス圧下すれば延伸と同時に円
形又は方形に近い形状に成形され、以後は従来と同様の
圧延が適用できる。平鋼、形鋼等の圧延に際しては該扁
平鋳片12はあえて方形化へ矯正することなくそのまま
供給すればよりニア・ネット・シェイピングになって明
らかに作業上有利となる。
【0022】鋳片12を切断して鋼片15を製造する場
合、同一断面形状のままとするか、切断前に成形圧延を
1パス入れてアスペクト比を適当に下げても良い。
【0023】上述の設備及び作業方法において本発明の
要件は以下に特定される。 1)鋳片外皮数mm厚のチル晶の内側は実質的に柱状晶
のみの凝固組織とする。
【0024】2)鋳型横断面形状は円又は円形状例えば
8角形に限定される。
【0025】3)殻厚比αの値は0.25以上0.40
未満の適切な値に設定される。その方法は事例1中に詳
細に説明されているので省略する。
【0026】中空鋳片の殻厚を60mm以下とすること
は均質性に対して特に望ましい。
【0027】中実鋳片の断面アスペクト比βは3〜8の
適切な値に設定される。この形状はビレット用としては
一見慣用的ではないが再加熱に関する問題に対して特に
望ましい。
【0028】
【作用】 以下上記発明の上記3要件の作用、根拠及び
意義について説明する。
【0029】凝固組織を実質的に柱状晶のみとするよう
限定した理由を述べる。柱状晶自体はマクロ的には均質
である。しかしそれを構成するデンドライトの微細な樹
枝間には樹枝構造に対応した偏析即ちミクロ偏析を必然
的に内在している。柱状晶の基部ではチル晶と同様デン
ドライトは極めて微細でミクロ偏析率も1に近い(均質
に近い)。鋳片内部に向かって大きく成長するにつれデ
ンドライトは粗くなり且つミクロ偏析率も徐々に大きく
なることはよく知られている。図2に例示するように等
軸晶になるとミクロ偏析率は一段と大きくなる(引用文
献;CAMP−ISIJ、(2000)−56)。ミク
ロ偏析率も等軸晶に見られる程度にまで大きくなると連
鋳・圧延直結の場合解消されにくくなる。なぜなら再加
熱、分塊圧延等拡散・均質化効果を持つ工程が介在しな
いからである。
【0030】以上から柱状晶であっても殻厚が大きい場
合には深部で均質性が低下する。従って最小の殻厚で必
要充分な中実鋳片断面積を得ることは重要な課題とな
る。この解決策は後述する。
【0031】なお柱状晶を得る方法として鋳込温度即ち
タンディシュ1内の溶鋼2の温度は当該鋼種の液相線温
度の約20℃以上の適切な温度範囲に制御される。高温
ほど柱状晶は発達し容易に100mm以上になる。
【0032】鋳型横断面形状をほぼ円とした理由を以下
に示す。その第1は、事例1に開示されたように表面品
質に有利である。第2は、バルジング対策が不要になり
設備及び管理作業が簡素化される。第3は、角断面の場
合、既述のように鋼種によってはコーナー近傍において
一種の粒界偏析が発生する。場合により割れに成長す
る。円断面では当該問題は自ずと解消される。第4は鋳
片全表面の連続探傷が容易に実施できることである。
【0033】殻厚比αの値を0.25以上0.40未満
と特定した理由を以下に述べる。その第1は従来より鋳
造能率が一層向上するからである。鋳造能率は事例1内
で示されている次式により算出される。 P=πρkL(2/α−1) −−−−−(1) ここで P;鋳造能率(kg/h)、 ρ;鋼の密度
(kg/m)、k;凝固常数(m/√h) L;機長
=鋳込面からQ点までの距離(m) 事例1ではαの値は0.4〜0.8に特定された。0.
4未満は中実鋳片の断面アスペクト比が過大即ち扁平過
剰になって以後の傷の発生や成形圧延に不都合とされ
た。本発明では上記能率向上に加えて、後述するように
排除された範囲を新規且つ効果的に活用する工夫により
αの値を0.40未満と特定した。
【0034】第2の理由は必要充分な中実鋳片の断面積
を最小の殻厚で得ることにある。ビレットの断面寸法は
大部分200mm角以下である。本発明によって200
mm角と同一断面積の中空鋳片を得る場合の鋳片直径、
殻厚比、殻厚間の関係を図3に示す。該図式は殻厚比の
定義式と次式から容易に誘導される。 S=π/4×[D−(D−2d)]−−−(2) ここで S;中空鋳片実断面積、 D;鋳片直径、
d;殻厚 図より殻厚比αが小さくなるほど殻厚dは小さくなる。
200mm角と同一断面積の中空鋳片を得る1事例は、
D=280mm、α=0.4、d=56mmとなり、殻
厚は100mmから56mmに下げることができる。
【0035】このように本発明には殻厚比αの値をより
小さく設定することにより柱状晶の成長をより抑制する
と言う新たな効果が付加されている。事例1の方法より
均質にするためαの上限を事例1の下限0.4未満とし
た。
【0036】上記より殻厚dの値を60mm以下に制限
すると均質性が極めて高い約200mm角相当の鋼片が
好都合に製造でき第2発明の根拠とした。
【0037】αの下限値については次に説明する中実鋳
片の断面アスペクト比のの特定値が容易に得られる条件
として0.25とした。
【0038】扁平鋼片が場合により従来より有利になる
理由を次に述べる。鋼片は圧延に際して通常約1000
℃以上に再加熱される。加熱中に酸化によって表面にス
ケール(酸化鉄膜)が発生したり脱炭が発生する。再加
熱に必要な加熱時間は鋼片厚に比例する。鋼片厚が大き
いほど上記現象は進行して有害欠陥になり易い。連鋳熱
片を再加熱する場合もほぼ同様の結果になる。なぜなら
高温での在炉時間は両者で大差が無いからである。同一
断面積の鋼片を扁平にすると肉厚は減少し加熱時間も比
例して短縮される。従って上記問題に対して有利にな
る。効果として通常採用されている低温加熱・低温圧延
等煩雑な対策が簡素になる。
【0039】中実鋳片の断面アスペクト比を3〜8と特
定した理由を説明する。例えば正方形を断面アスペクト
比が3の扁平にすると短辺厚は1/√3倍になり加熱時
間も1/√3倍になる。脱炭層の厚さもほぼ比例的に減
少し、明らかに効果が得られる。一方殻厚比αが0.4
では断面アスペクト比βは約3以上になるのでこの値を
βの下限値とした。
【0040】他方βの値が8程度になると相対的に薄く
なって必要鍛錬比が確保しにくくなる等通常の圧延条件
から偏り過ぎるからこの値を上限とした。
【0041】扁平化によって鋼片の脱炭層が薄くなって
も製品までの鍛錬比(圧下比)が逆に下がるので結局同
じと言う反論も成り立つ。しかし脱炭不良は平均値では
なく主に孔型圧延に不可避の表皮不均一流れによる局所
集積に起因する。局所集積には初期厚さの影響が決定的
に作用していることはよく知られている。従って再加熱
時の鋼片の脱炭低減は充分意味がある。
【0042】
【実施例】線材用鋼片について本発明の設計例を従来方
式と比較して表1に示す。従来方法1は一般的な中心ま
で凝固させる方法である。事例1の方法は
【0004】項で既述した。当該方法では中実鋳片を成
形圧延により方形化して鋼片とする。又は扁平のまま製
品圧延に直結して供される。
【0043】本発明ではまず事例1と同一鋳造能率で製
造する場合、殻厚比αがより小さくなった分だけ機長L
が小さくなって設備が簡素になる。なぜなら鋳造能率は
機長Lに比例するからである。さらに同一断面積の鋳片
とする場合、図3に従い殻厚比αが小さくなる分だけ鋳
片径は大きくなるが殻厚dが小さくなって柱状晶の均質
性に有利になる。また表1に示すように断面アスペクト
比が大きくなり、短辺寸法が小さくなるので加熱に関わ
る諸問題に対して有利になる。
【0044】事例1の方法による設備において鋳片を特
定値以上に高速に引き抜くと自動的に本発明の範囲に入
り本発明2になる。鋳造能率は一層向上する。他方殻厚
比αが下がり、前項同様の効果が得られる。扁平鋳片は
あえて方形化又は円形化せず、そのまま又は圧延により
一部矯正して鋼片として使用する。製品圧延と直結する
場合には扁平のまま製品圧延パスの中で適切に形状を修
正する。
【0045】
【発明の効果】本発明によると殻厚比αが従来より小さ
いので鋳造能率は従来より大きくなる。
【0046】本発明では事例2と同様鋳片内部の組織は
柱状晶のみで構成されるので芯部欠陥はなく且つ均質性
が高い。しかし柱状晶と言えども粗大になると等軸晶に
近似してミクロ偏析は無視できなくなる。ニアネット・
シェイピングや連鋳・圧延直結の場合には均熱・鍛錬効
果の不足が問題となる。本発明では殻厚比αを従来より
小さくすることにより殻厚dがより小さくなる。これは
柱状晶の長さを短く制限し、均質性に対して一層有利に
なって、当該問題を改善する。
【0047】本発明によって鋼片を製造する場合、断面
形状は扁平であるから相対的に鋼片厚さが減少し、加熱
時間が大きく短縮される。その結果、表面酸化や表面脱
炭などの欠陥が改善される。
【0048】
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明を実施する連続鋳造方法を例示する。
【図2】は柱状晶と等軸晶のミクロ偏析の比較例であ
る。
【図3】は断面積一定における中空鋳片直径D、殻厚比
α、殻厚dの関係を示す。
【符号の説明】
1:タンディシュ 2:溶鋼 3:鋳型 4:鋳
片 5:2次冷却装置 6:スプレイ 7:溶融
芯 8:凝固殻 9:中空鋳片 10:伸直ロー
ル 11:圧接圧延機 12:中実鋳片 13:
線材圧延ライン 14:加熱炉 15:鋼片 1
6:シアー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一種の湾曲式の連続鋳造方法であって、
    溶鋼が垂直に鋳型内に鋳込まれ、鋳型下方から引き抜か
    れた鋳片の引抜軌跡を3/4円周までは同一曲率円弧と
    し以後は水平とし、鋳片内部の溶融芯を1/2円周を越
    えて鋳込み面から約1.4m高い位置まで保持し該位置
    で重力により鋳片凝固殻から分離して中空鋳片を形成
    し、その後水平部位において圧延機等により凝固殻内面
    を互いに圧接して中実鋳片とする連続鋳造方法におい
    て、鋳片外皮数mm厚のチル晶の内側すべてを実質的に
    柱状晶のみの凝固組織とし、鋳型断面形状をほぼ円形と
    し、中空鋳片の凝固殻厚比αを0.25以上0.40未
    満とすることを特徴とする連続鋳造方法。 ここで、 α=2d/D d; 中空鋳片の殻厚(mm) D; 中空鋳片の直径(mm)
  2. 【請求項2】中空鋳片の殻厚dを60mm以下とするこ
    とを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造方法。
  3. 【請求項3】中実鋳片の横断面アスペクト比βを3〜8
    とすることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造方
    法。 ここで、 β=A/B A; 中実鋳片の長辺長さ(mm) B; 中実鋳片の短辺長さ(mm)
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