JPH0839219A - 鋼の連続鋳造法及び連続鋳造・圧延法 - Google Patents

鋼の連続鋳造法及び連続鋳造・圧延法

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JPH0839219A JP4119095A JP4119095A JPH0839219A JP H0839219 A JPH0839219 A JP H0839219A JP 4119095 A JP4119095 A JP 4119095A JP 4119095 A JP4119095 A JP 4119095A JP H0839219 A JPH0839219 A JP H0839219A
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    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B1/00Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations
    • B21B1/46Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations for rolling metal immediately subsequent to continuous casting

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Abstract

(57)【要約】 鋼材の湾曲型連続鋳造において、鋳片引抜き軌跡を円周
の1/2以上として鋳込面より高い位置へ鋳片を引抜く
と共に、鋳込面よりも約1.4m高い位置Aまで鋳片内
部に液芯を残存させてそれより下流側の鋳片内部に空芯
部を形成せしめ、且つ凝固殻厚比を適切にとり該空芯部
にロール圧下を加えることにより該空芯部を圧接し中実
鋳片として引き抜く連続鋳造法、および該連続鋳造法に
よって引き抜かれてくる鋳片をひきつずき単ストランド
のタンデム型圧延機へ送って圧延する鋼材の一貫連続鋳
造・圧延法を開示する。 【効果】 従来の湾曲型連続鋳造法を改善することによ
って、連鋳能率の大幅向上、凝固組織の均一化と芯部欠
陥の解消、ニア・ネット・シェイプ化などが容易とな
り、且つこれをタンデム型圧延機と直結することによっ
て、工業的に実現可能な鋼材の連鋳・圧延直結方式を確
立することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋼材の連続鋳造方法、並
びに連続鋳造と熱間圧延を結合して行う方法に関し、特
に鋳造能率を飛躍的に高めるとともに鋳片の品質を高め
ることのできる連続鋳造法を開発し、更にこの連続鋳造
法に熱間圧延を組み合せて、連続鋳造から熱間圧延鋼材
を連続的に一貫生産し得る連続鋳造・圧延法に関するも
のである。
【0002】熱間圧延鋼材の生産コストを抜本的に低減
させることを目ざして、一方で連続鋳造工程と熱間圧延
工程を直結させる方法が提案され、他方では元々鋼塊法
に比べてニア・ネット・シェイプ・プロセスと位置付け
られる連続鋳造法をより一層ニア・ネット・シェイプ化
させる方法が探求されている。両者は相反するものでは
なく、共通の目的、共通の技術課題を持ち、両者の融合
は最も望ましい生産システムとなろう。低級鋼板におい
てはすでに一部実生産の水準にまで来ているが、中級鋼
以上や鋼板以外は難行している。以下に直結化とニア・
ネット・シェイプ化にかかわる重要技術課題の代表的な
2つを述べる。
【0003】1.上,下工程がほぼ同等の生産能率を持
つこと。従来の連続鋳造法では、1ストランド当りの鋳
造能率は後続の圧延能率の数分の1程度であり、上流の
連続鋳造工程と下流の圧延工程を機械的に直結させるだ
けでは極めて非効率となる。或は多ストランドの連続鋳
造から熱鋼片を直送して圧延すれば能率は均衡するが直
結効果は大きく減殺される。一方連続鋳造能率向上のた
め鋳片の大断面化や大機長化が図られているが、前者の
場合はブレイク・ダウン工程が不可欠になり直結は当然
不可能になり、そのうえニア・ネット・シェイプへの流
れに逆行することになる。後者の場合はスラブ,ブルー
ムなどでは能率向上が相当に進んでいるが、圧延能率は
連続鋳造能率より更に2〜3倍高く、直結には根本的に
無理がある。以上より連続鋳造能率を飛躍的に向上させ
ること、並びに圧延設備が比較的中小規模でもコストで
不利にならないことが大いに待望されている。最近鋼板
に対しては、薄スラブ連続鋳造やストリップ・キァステ
ィングでこの問題が解決されつつあるが、次に述べる品
質上の問題により低級鋼板に限られている。
【0004】2.従来とほぼ同等水準の品質を持つこ
と。現状の生産システムでは、連続鋳造,圧延両工程と
も独立に操業され、それぞれ独自に品質管理されている
ため、目的製品に敵した品質が確実に確保されている。
そのうえブレイク・ダウン,鋼片精製,再加熱などの中
間工程を行うことにより、表面品質,内部品質とも改善
が進んでいる。従って小断面連続鋳造をそのまま圧延と
直結すると当然品質低下を来たす。
【従来の技術】
【0005】薄スラブ連続鋳造 … CSPプロセス 文献(1)“SEAISI,Jan.1990,P.3
8”に示されるように本方法は約50mm厚の薄スラブ
連続鋳造と、それに直結した約3mm厚の鋼板への連続
圧延からなる。この方法では鋳型断面の短幅方向空間が
約50mmとなるから極めてせまい。それ故に操業上、
品質上多くの困難を伴う。例えば鋳型においては、品質
保持上当然必要とされる浸漬ノズル+パウダー・キャス
ト法が適用されるが、この方法では、浸漬ノズルをセッ
トするためのスペースを持たせた漏斗型と称する浸漬部
のみ広幅の特異な形状の鋳型を要する。この場合薄い凝
固殻に無理な力が作用し縦割れ,横割れの発生に不利で
あることや、鋳片幅が余りに薄く、円滑なパウダー・キ
ャストがなされにくいなどの問題がある。さらに記述さ
れているように、凝固中の薄厚鋳片は鋳片表面から中心
への温度勾配が極めて大きく、これは粒の微細化,偏析
の軽減には有利であるが、表面割れ,内部割れが起こり
易いという薄肉共通の欠点がある。そのうえ鋳造プロセ
スにおいて不可避とされる凝固終点が形成されるので、
中心偏析は必然的に存在する。従って製品は比較的低級
品に限られている。
【0006】薄スラブ連続鋳造 … ISPプロセス 文献(2)“SEAISI.Jan.1990.P.2
3”に示されるように本方法は50〜100mm厚の薄
スラブの連続鋳造にロール圧下装置を附設して未凝固鋳
片もしくは凝固完了後の鋳片を圧下して一層薄い鋳片と
するものである。文献(1)と同様浸漬ノズル+パウダ
ー・キャスト法が適用される。この方法では前項の鋳型
の問題は長方形断面鋳型と偏平ノズルの使用により解決
されているが、薄肉スラブ共通の前記弱点はすべて存在
する。さらに未凝固鋳片の圧下は割れの問題、更には割
れに伴う特異偏析の危険性が増加して品質管理が困難で
ある。
【0007】ストリップ連続鋳造法 溶鋼から直接数mm厚の鋼板,もしくは鋼板素材を鋳造
する方法で、その機構は溶鋼を回転する双ロール間に鋳
込んで瞬時に凝固両面を凝着させるなどにより、数mm
厚×(1000〜2000)mm幅の鋳片を形成するも
ので、生産ラインは極めてコンパクト、且つ軽量化さ
れ、加熱炉や高価な圧延設備の多くが省略されるなど、
設備費の削減効果は極めて大きい。しかも操業費も当然
ながら大きく改善される。しかるに本方法では鋳造鋼板
が一瞬に凝固形成されるので、湯じわ,スラグ咬込み,
熱応力割れ,湯切れなど表面欠陥が発生し易く、そのう
え冷却壁面への熱流速の微妙な変動が直ちに凝固殻厚や
内部応力に作用し、内部欠陥を誘発するなど極めて解決
困難な品質問題を多々含んでいること、鍛錬比がとれな
いことなどにより高品質鋼板用には到底適用できそうに
なく、低級品用もしくはステンレス鋼板用として開発が
進められ、極く一部で実用化されているに過ぎない。
【0008】中空鋳片圧接法 特開昭57−97843において、中心偏析のない連続
鋳造法とそれを熱間圧延と直結する方法が提案されてい
る。本方法においては湾曲している鋳片軌跡を鋳込面よ
り高く導き且つ鋳片内部の未凝固部を取り残して真空の
空洞を形成し、その中空鋳片を圧延して中実鋳片が造ら
れる。その結果、中心偏析の解消,鋳片厚の制御可能,
薄肉スラブの製造などの効果が述べられているが、品質
面で通常芯部周辺に広く分布するセミ・マクロ偏析,多
孔質,V偏析などの欠陥は解決されない。生産面では鋳
造能率が実質断面の減少により低下するのか逆に何らか
の理由、手段により向上するのか全く言及されていな
い。この両面より連鋳と圧延との結合や、ニア・ネット
・シェイプ化の妥当性は全く不明である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように薄スラブ
連続鋳造法に代表される連続鋳造と圧延の直結やニア・
ネット・シェイプ法は多くの問題がある。しかしそれら
を解決し、薄板のみならず厚肉鋼板、さらには太径ない
し小径の棒鋼,平鋼,線材などに適用することができる
ならばその効果は極めて大きい。そのためには連続鋳造
において鋳片断面を大型化することなしに鋳造能率を飛
躍的に向上させること、中心部,内部,あるいは表面に
おける鋳造欠陥を解消すること、鋳片断面をできるだけ
小さく、即ち一層ニア・ネット・シェイプ化して圧延設
備を簡素化し、設備コストの対性能比を改善することが
具体的課題となっている。
【0010】本発明はこのような事情に着目してなされ
たもので、その主目的は通常の湾曲式連続鋳造方法を改
善することにより、 鋳造能率を飛躍的に向上させること、 良好な表面品質と均質な内部組織を得、且つ芯部欠陥
を解消すること、 自在の肉厚や形状からなる鋳片が容易に得られるこ
と、 といった効果を発揮することのできる連続鋳造法を提供
しようとするものである。この発明の原理を利用すれば
水平式連続鋳造方法の改良を行うこともできる。もう1
つの目的は、上記の様に改良された連続鋳造法と、後続
の熱間圧延を効率的に接続して、鋼板,棒鋼,平鋼,形
鋼,線材などの熱間圧延製品を鋳造から一貫して生産す
る方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】次に上記課題を解決する
ことのできた本発明の構成を説明する。 (1)まず連続鋳造法の改良から説明すると、下記の通
りである。本発明の連続鋳造方法の基本的な構成は、鋳
片内部の液芯を鋳片引抜き軌跡の特定点Qでとどめるこ
とによって、Q点より下流側の鋳片内部に空芯を形成
し、該空芯部をロールで圧接することにより、中実鋳片
として引抜くことを要点とするものである。特に本発明
の代表的な実施態様は鋳型横断面形状を長方形とし、特
願平5−321096において示したと同様に鋳片引抜
き軌跡が少なくとも鋳型から吐出された直後は湾曲する
様な引抜きを行う鋼材の湾曲型連続鋳造を行い、鋳片引
抜き軌跡における湾曲長さを円周の1/2以上として鋳
込面より高い位置まで鋳片を引抜くと共に、前記鋳込面
よりも大気圧ヘッドに相当する静溶鋼ヘッド高さ分高い
位置を特定点Qとし、Q点における凝固殻圧比α(=2
α/A)を0.25〜0.85とすることを要旨とす
る。 式中、d:鋳片凝固殻厚(m) A:鋳型横断面の短幅寸法(m)
【0012】このような連続鋳造法において鋳込温度を
当該鋼種の液相線温度より 20〜60℃高い範囲とすることによって、鋳片外皮
の厚さ数mmのチル晶の内側が実質的に柱状晶である様
な中実鋳片とするか、または 0〜15℃高い範囲とし、鋳型内溶鋼に電磁攪拌を加
えることによって、鋳片外皮の厚さ数mmのチル晶の内
側が実質的に粒状晶である様な中実鋳片を得ることがで
きる。
【0013】0011,0012項で述べた方法を具体
的に実施するには設備の仕様および鋳造条件を下記式
(1)〜(5)に従って設定することが好ましい。 Pn=4kρ・Ln・[(1/α)+(β/α)−1]…… (1) V=Ln・(2k/αA) …………………………………… (2) R=(Ln−1.4)/π …………………………………… (3) d=k(Ln/V)0.5 …………………………………… (4) A’=2(1−p)・d …………………………………… (5) 式中、Pn:鋳造能率(kg/min) ρ:鋼材密度(7600kg/m) Ln:機長(鋳込面と特定点Qの間の長さ:m) k:凝固定数0.023〜0.031(m/min
0.5) R:鋳片引抜軌跡における湾曲部半径(m) B:鋳型横断面長幅寸法(m) α:凝固殻厚比 0.25≦α≦0.85 β:矩形比 β=B/A A’:中実鋳片横断面の短幅厚さ(m) p:圧接ロールによる実質圧下率 =(2d−A’)/
2d=0.05〜0.40
【0014】高級鋼板を薄スラブもしくは厚スラブから
製造する場合に有利な条件について説明すると、001
2項で述べた方法に加えて鋳型横断面の短幅寸法Aを
0.100〜0.300mとし、圧接直前の該鋳片凝固
殻厚dを0.025〜0.120mとし、次に鋳片の長
幅全体を短幅方向に圧接して該中実鋳片の短幅厚さA’
を0.035〜0.200mとする。
【0015】ビーム・ブランクを造るに当り、よりニア
・ネット・シェイプ化する方法としては、鋳片内部の空
芯を圧接によって凝着させる為の圧接方式として、孔型
圧延方式、もしくはユニバーサル・ミルによる4面同時
圧下方式によって圧接圧延することにより、中実鋳片の
断面形状をI型、H型などの異形とする方法が推奨され
る。
【0016】凝固殻厚をより小さくする為の手段とし
て、機長を短くする手段としては、鋳片引抜き軌跡にお
ける湾曲長さを円周の1/2以上として鋳込面より高い
位置まで鋳片を引抜く方法に限定されず、鋳片引抜き軌
跡における湾曲長さを円周の1/4超として円弧の最下
点を特定点Qとし、Q点より更に高い位置へ鋳片を引抜
くとともに、鋳片内部の液芯最先端位置をQ点の近傍で
とどめ、Q点より下流側の鋳片内部に不活性ガスを加圧
充満させて空芯部を形成せしめる様な方法を採用するこ
ともできる。空芯部を形成したことによる凝固殻厚比は
0.05〜0.5に制御することが望まれる。
【0017】凡用の一般鋼板を製造する場合の有利な条
件を述べると、0.016項において鋳型横断面の短幅
寸法Aを0.100〜0.140mとし、Q点における
鋳片凝固殻厚dを0.010〜0.020mとし、中実
鋳片短幅厚さA’を0.012〜0.03mとするよう
該殻厚dを(6)式に従って設定し、且つ圧接ロールに
よる実質圧下率pを0.05〜0.4とする。 d=k・(πR’/2V)0.5 ……………… (6) R’:鋳片引抜軌跡における湾曲部半径(m)
【0018】より薄肉の凝固殻厚とする上で特に好まし
いのは、垂直面内で回転する水冷車輪の外周に沿って作
られた長方形の溝で鋳型3面を形成し、エンドレス・ベ
ルトを該溝の凝固進行区間を閉じるように密着させて残
り1面を形成した鋳型を、鋳片引抜きと同期させて駆動
させる様に構成する方式である。
【0019】(2)次に上記連続鋳造法に圧延法を直結
させる発明について説明すると、下記の通りである。ま
ず最も基本的には、上記連続鋳造法によって製造された
赤熱状態の中実鋳片を、1)一旦切断して鋼片として、
もしくは2)そのまま連続鋳片として、a)均熱炉を経
由して均熱した後もしくはb)均熱炉を経由せず直接単
ストランドの圧延ラインに供給して鋼板,形鋼,平鋼,
棒鋼,線材などに圧延する方法が示される。また粗圧延
と仕上圧延の間で、圧延材を圧延方向に2条以上に切断
してそれぞれ別のもしくは同一の仕上圧延ラインに供給
して製品圧延を行うこともできる。なおこれらにおい
て、特に線材を製造する場合には、該線材コイルの単重
を3〜20トンとする。
【0020】
【作用】以下、実施例図面を参照しながら発明の構成お
よび作用,効果を詳細に説明する。本発明では特願平5
−321096において示したように通常の湾曲式連続
鋳造設備を原型として、図1に示すような全体構造の設
備が使用される。図2は図1の要部拡大説明図である。
レードル1からタンディッシュ2を経て鋳型3へ供給さ
れた溶鋼Meは鋳型3で冷却され凝固殻を形成しながら
鋳片6となり、ピンチ・ロール10ガイド・ロール9に
より引抜かれる。このとき鋳片6の引抜軌跡を半径Rの
円弧状で、且円周の1/2以上に設定し、溶鋼Meの鋳
込面(即ち鋳型内における溶鋼の湯面レベル)Lよりも
高い位置に鋳片6を引抜くとともに図2の拡大説明図に
示すようにLよりも約1.4m(大気圧ヘッドに相当す
る静溶鋼ヘッド)高い位置Qをこえて引上げる。そうす
ると鋳片6内の位置Qまでは液芯Lqが存在し、その下
流側に真空の空芯Cvが形成される。空芯部Sを外面か
ら圧接ロール8により圧下して圧接し中実鋳片とし、引
続いてガイドロール9,シャーなどを経てタンデム型粗
圧延列15へ送り、仕上圧延列18を経て巻取機19に
より熱間圧延製品として巻取られ集束機20によりコイ
ルとなる。この間鋳片6は切断することなく連続して圧
延され、製品の単重に応じて集束時に分割されるが最も
望ましい。
【0019】以上は鋼の連続鋳造において鋳片引抜き軌
跡の特定点Qにおいて鋳片内部の液芯を上流側へ排出す
ることにより下流側に空芯部を形成し、該空芯部を圧接
圧延して中実鋳片として引抜くことを特徴とする連続鋳
造法の具体的一実施方法で後述するように種々の方法が
考えられる。
【0020】このような連続鋳造法においては次の本質
的な3効果のほかに種々の効果・作用がある。 1)鋳造能率の向上 2)芯部欠陥の解消 3)薄
肉鋳片の製造 鋳造能率の検討:理論鋳造能率Poは1片がA(m)の
正方形断面の場合(7)式により求めらる。 Po=ρ×A×V ………… (7) [ρ:鋼の密度kg/m,V:引抜速度m/min] 凝固の進行はよく知られている凝固近似式(8)によっ
て示される。 d=k×t0.5 ……………… (8) [d:凝固殻厚m,k:凝固定数m/min,t:時間
min] 機長Lすなわち凝固区間長さは(9)式で示される。 L=V×to …………………… (9) [to:凝固完了時間min] t=toにおいてd=A/2となるので(8)、(9)
式より AV=4kL ……………… (10) これを(7)式に代入すると Po=4ρkL ……………… (11) 鋳片断面が長方形の場合の理論鋳造能率Po’は(1
2)式となる。 Po’=4ρkβL ………… (12) [β:矩形比=長片寸法/矩片寸法] すなわち鋳造能率は鋳片寸法に無関係で冷却強さに依存
するkと機長Lのみに比例する。実操業では品質上,作
業上の制約により鋳造能率は理論値のせいぜい60〜8
0%で、この実質能率を基に必要ストランド数が決めら
れている。能率向上のためLを一層大きくすると、引抜
速度Vの増大により品質,作業,設備費などの問題が一
層増幅することになる。
【0021】これに対し本発明では長方形断面の場合、
理論鋳造能率Pnは凝固殻厚比(=2d/A)をパラメ
ーターにして(13)式となる。 Pn=4ρkLn(1/α+β/α−1) ……… (13) 本発明における機長Lnは鋳込面からQ点までである。
従来方法と本発明を同一機長(即ちLn=L)下で比較
すると(12)式と(13)式をまとめて(14)式と
なる。 長方形断面 Pn=Po(1/α+β/α−1)/β ……… (14) 従って本発明においてα=0.5とした場合、鋳造能率
は従来方式の2.5倍となる。これは(8)式からも解
るように凝固初期の凝固能率は非常に高いのに対し、機
長の後半では極端に小さくなることに由来する。
【0022】次に鋳造機及び鋳造条件の各基本特性につ
いて説明する。上記と同様の計算により鋳造能率Pn、
引抜速度V、湾曲半径R、殻厚d、および中実鋳片厚
A’はそれぞれ(1),(2),(3),(4),
(5)式で容易に関係づけられる。例えば引抜速度V
は、V=Ln/tn,dn=k・tn0.5=αA/2
により容易に(2)式を求めることができる。 [tn:特定点Qに達する時間(min),dn:Qに
おける殻厚(m)] 凝固殻厚比αは種々の厚さの鋼材に対応するため0.2
5〜0.85が望ましい。実質圧下率pは通常の圧接圧
延で0.05〜0.40が採用されているのでそのまま
使う。本発明を実施するに当っては(1)〜(5)式の
関係を満たすよう連鋳条件を設定することが好ましい重
要な要件となる。以上のように本発明の第1の効果は鋳
造能率が飛躍的に向上することである。鋳造能率の向上
は必然的に引抜速度の増大をもたらす。引抜速度の増大
は芯部欠陥や内部ワレなどの品質低下や、ブレイク・ア
ウトなどの作業事故を来たす。このような問題は次に述
べる第2の効果により解決される。
【0023】次に第2の効果,芯部欠陥の解消など品質
向上について説明する。鋼の鋳造において、その凝固組
織は表面から中心に向け表皮部分(通常は数mm程度)
は急冷されて緻密で均質なチル晶を形成し,その内側数
mm〜数十mmはそれ自体均質な柱状晶,更に内部は粒
状晶からなる。芯部近傍では粒状晶間にセミ・マクロ偏
析やマクロ,ミクロの収縮孔などの鋳造欠陥を生じ,ま
た中心部では中心収縮孔の他に、溶質の固相,液相への
分配率の関係で必然的に中心偏析が発生する。これらの
内部欠陥に対して従来の連続鋳造法では、低温鋳込や電
磁攪拌により粒状晶化とその微細化によって欠陥を分散
させたり、液芯圧下により偏析の追い出しなどの策をと
ってきたがいずれも不充分であり、特に芯部周辺のセミ
・マクロ偏析や多孔質などは改善されない。特別に均質
な凝固組織を得たい場合には連鋳ではなく一方向凝固鋼
塊法「日本金属学会会報24,4(1985)P.30
4」やESR法(Electroslag Remel
ting)などが採用されてきた。本発明では連続鋳造
においてESR法に比肩し得る均質な組織が得られる。
すなわち、本発明で得られる鋳片の組織は従来の連続鋳
造と同様、本質的には、チル晶,柱状晶,その内側に粒
状晶が生成するが、凝固殻厚比が適切に設定されている
ので、芯部の周辺領域において粒状晶間にセミ・マクロ
偏析やマクロ,ミクロの収縮などが生成される状態に至
る前にに液芯が分離され、その後凝固前面が圧接される
ので芯部欠陥は発生のしようもない。加えて、最適鋳込
温度を設定すると本発明の内部欠陥解消効果が一層増大
する。すなわち鋳込温度を鋳片寸法に対応して高目に設
定すると粒状晶さえも全く発生せず、実質的にチル晶と
柱状晶のみの緻密且均質な組織となり一方向凝固鋼塊材
と同様になる。一般のスラブ連続鋳造においても、鋳込
温度を高くすると比較的容易に中心部まで柱状晶とする
ことはできるが、この場合、表裏両面からの凝固の突当
りにより、それぞれの両固液界面に存在していた濃化溶
鋼の集合により必然的に中心偏析ができるので、単なる
柱状晶だけの組織では均質な鋼材とならない。一方柱状
晶の成長性は鋳片断面寸法が大きいほど顕著になるが主
には鋳込温度に依存し、他の要因もあって確定的には決
まらない。たとえば「第69,70回西山記念講座(日
本鉄鋼協会編)(1980)P171:楯」に示されて
いる図31,図32を整理しなおしたものが本発明にか
かわる図3であり、柱状晶の成長におよぼす鋳込温度
(過熱度)の影響を示す。図3より過熱度が20℃から
50℃に変化すると柱状晶長さは約0.080mから約
0.150mに増加することが解る。しかしこれに電磁
攪拌を作用させると柱状晶長さが短かくなる。そこで本
発明では小断面鋳片の場合に、柱状晶長さとして少くと
も0.060mを得るため過熱度の下限を20℃とし同
様に大断面鋳片に対しては少くとも0.160mを得る
ため過熱度の上限を60℃とした。但し過熱度が大きく
なるほど熱応力による内部割れや表面割れが発生し易く
なるので許される限り上記範囲で低い方に設定するのが
よい。以上のように本発明の第2の効果によれば均質で
芯部欠陥のない凝固組織が得られるので、場合により一
方向凝固鋼塊法やESR法に代替できる。そのうえニア
・ネット・シェイプ化において熱間鍛錬比が不足する場
合においても本発明で得られる均質な凝固組織はそれを
補うことができる。
【0024】ステンレス鋼などの一部の製品などにおい
ては柱状晶の成長がきらわれ粒状晶の多い組織が好まれ
る場合がある。この様な場合、低温鋳込(過熱度0〜1
5℃)と鋳型内溶鋼の電磁攪拌という手段が採られてい
るが、本手段を本発明に適用するに当たって凝固殻厚比
αの値を適切にとると従来避けられなかった芯部周辺の
セミ・マクロ偏析や、マクロ、ミクロの収縮孔およびV
偏析の発生を無くすることができる。
【0025】更に品質問題に関連して、高速鋳込に伴う
欠陥増大に対する本発明の効果を述べる。高速鋳込の大
きな難点はバルジングが発生しやすいことである。これ
は内部割れを誘発しブレイク・アウトの原因にもなる。
特に断面が大きいとその防止は大変困難である。本発明
では原理的に機長が著しく小さいこと、上方に引抜くこ
との2つにより機高は従来の数分の1となる。従って凝
固殻に作用する溶鋼静圧がその分小さくなってバルジン
グは発生しにくくなる。
【0026】次に第3の効果、ニア・ネット・シェイプ
・プロセスが容易に行えることについて説明する。本発
明において鋳片断面形状および寸法を通常のスラブ連続
鋳造と同様にして、機長すなわち鋳片軌跡円弧半径をで
きるだけ小さくし、引抜速度をできるだけ大きくしてい
くと、Q点における殻厚はそれに応じて薄くなる。即ち
従来のスラブ連続鋳造の引抜き方向をかえるだけで容易
に薄スラブが製造できる。当然表面品質に大きな効果の
ある浸漬ノズル+パウダーキャスト法や電磁攪拌など従
来の確立された技術はそのまま併用できる。これが鋳片
断面短幅寸法を0.100〜0.300mに限定した理
由である。凝固殻厚dの最小値を25mmとした理由は
小さいほど当然経済的であることに基ずくが、Rの実用
的な最小値を2m,Vの最大値を5〜6m/min,k
の最小値を23mm/min0.5とすればdは約0.
025mとなるのでこれを実現可能な下限とした。A’
についても同様に圧接ロールによる実質圧下率pの最大
を0.3としてA’の下限を0.035mとした。以上
のようにして得られた薄スラブは従来のスラブと同等の
秀れた表面品質を持つので、従来の直送圧延と同様にそ
のまま連続して中間圧延設備に供給して簡素な設備,簡
素な工程で容易に熱延薄板をつくることができる。
【0027】ビーム・ブランクを鋳造するには、図4の
(a)に示す様な薄肉角管状の空芯鋳片22を造り、そ
れを圧接して中実鋳片として引抜くに当たり、図4
(b)に示す孔型圧延機32や図4(c)に示すユニバ
ーサル・ミル34による4面同時圧下により、中実鋳片
の断面形状をI型31,H型33などにすれ、ば従来の
ビーム・ブランク連鋳法に比較して一層ニア・ネット・
シェイプとなる。そのうえ従来のビーム・ブランク連鋳
のように表面ワレ,内部ワレ,偏析など特異形状故の品
質問題に遭遇することなく表面,内質とも秀れた品質が
容易に得られる。
【0028】上述したものよりも一層薄肉のスラブを製
造したい場合には、本発明の実施に新たな工夫を要す
る。それを次に説明する。薄肉化のためには、(4)式
に示すように機長の最小化と引抜速度の最大化により凝
固時間を最小にすることが必要である。そのためにはガ
ス圧を利用して特定点Qを鋳片引抜軌跡円弧の最下点に
置く方式が推奨される。その概略を図5に示す。この場
合殻厚dは(6)式により算出される。凝固殻厚比を
0.05〜0.5と限定した理由は,0.05より小さ
い領域では当然殻厚は薄くなり実際上10mm以下とな
る。この厚さは通常鋳型内で形成されるが、鋳型内での
凝固の進行は位置、時間によっては以外に不均等になり
易く、圧接圧延において歪の不均等から種々の不都合を
生じ易い。他方0.5以上では殻厚は大きくなり過ぎて
本来の目的にそぐわない。
【0029】図5の方法、即ちQ点より下流にガス充満
の空芯鋳片をつくる具体的方法を、図7(a),
(b),(c)にそって説明する。図7(a)は鋳込み
開始時の状況を示し、鋳型の下側開口部はダミーバー1
1によってとじられているが、該ダミーバーの先端には
鋼管もしくはセラミック管のガス吹き出しノズル27が
取付けてあり、該ノズル27を通して不活性ガスを吹出
しつつ鋳込を始め、且つ、引抜いてゆく。このときバブ
リング現象が生ずるが操業上格別の問題はない。図7
(b)に示すようにノズルが鋳片軌跡の最下点を越えた
時点で、吹出しガス量をある程度多い状態とすると鋳片
内側に空芯が形成されるとともに過剰のガスは最下点Q
から溶鋼内に吹込まれて溶鋼中を逆流して、溶鋼内を気
泡となって浮上する。同時に液芯の湯面mは最下点にお
ける鋳片の上側凝固前面に維持される。湯面mより下流
側では凝固は当然進まない。図7(c)に示すようにノ
ズルが圧接ロールに達すると、ノズルは圧懐されてガス
吹出しは止まるが、鋳片先端部は完全に封鎖され、空芯
部のガスはそのまま残存する。不活性ガスが使用される
ので封入されているガスは溶鋼や凝固殻と反応すること
がなく、従ってガス圧が維持されるので、以後湯面は鋳
片軌跡の最下点近傍に維持され定常鋳込状態となる。円
弧半径Rが小さくなると空芯鋳片の引抜きに際して、い
まだ脆性温度域にある鋳片内面に作用する曲げ歪が大き
くなり内部ワレが生ずることがある。このような場合で
も液芯圧下法のようにワレ目に濃化溶鋼が侵入すること
がなく問題はない。これは本発明の効果の1つである。
【0030】次に引抜速度の最大化の具体的方法を示
す。この場合は一般的な往復振動式湾曲鋳型にかえて同
期式垂直回転鋳型の適用を提案することができる。その
理由は、薄肉化を得るために鋳片引抜き軌跡半径R(=
湾曲鋳型半径)を極めて小さく設計していくと、同期式
回転鋳型の実用的寸法に近くなり代替が容易となるから
である。この場合、同期式の最大の効果,すなわち鋳込
の高速化が容易となる。同期式回転鋳型の適用方法を具
体的に説明すると、図6において21は水冷車輪からな
る回転鋳型で、23は長方形の溝,24はこれに蓋をす
るためのエンドレス・ベルトで、この内側に溶鋼Meが
鋳込まれる。そして車輪の周速をベルトの走行速度と一
致させて鋳片6が引抜かれる。同期式鋳型においては引
抜速度は既に約10m/min程度が実用化されてい
る。従って本発明においても5m/minから順次高速
化することにより凝固殻厚を一層薄くすることができ
る。
【0031】以上、空芯圧下に基礎を置く本発明の3効
果鋳造能率の向上芯部欠陥の解消と均質化容易な
ニア・ネット・シェイプ・プロセスについて説明した
が、これらの特徴の最大の応用は種々の熱間圧延製品に
対して連鋳と圧延とを合理的に結合させることにある。
既述のように本発明の3効果によりこの問題は極めて容
易に且、合理的,経済的に実施することができる。さら
に進めて、上下工程の直結のみならず、品質面で許され
る限り鋳造断面を小さくすることにより高価な圧延機の
台数も少くできるので工程直結効果とニア・ネット・シ
ェイプ効果の両方を得ることもできる。連続鋳造と圧延
の結合方法については中実鋳片を一旦切断して鋼片と
し、回分式に圧延に供するか切断せずに連続式に供す
る。また圧延に先立ち均熱炉を通過させて均熱するか直
接圧延に供する。製品,生産の事情を考慮して適切に選
べばよい。
【0032】中実鋳片を連続式に圧延することにより、
従来製造困難であった大単重の線材コイルを容易に製造
することができる。従来方法では大単重ビレット,大型
加熱炉などを要し、経済的には相当負担となっていて最
大3トンが実用限界であった。 本方式では線材コイル
搬出設備だけ大型にすればよいので3〜20トン・コイ
ルは容易且、低コストで製造できる。これは線材2次加
工の合理化に対して極めて効果的な手段となる。
【0033】小径線材や小径棒鋼を製造する場合、生産
能率の隘路は仕上圧延速度にある。そのため生産能力強
化の方法としてかつては多条圧延がなされたが最近では
仕上圧延前に圧延材を圧延方向に2条以上に分割してそ
れぞれを別々のもしくは同一の仕上圧延に送るいわゆる
スリット圧延法が採られることがある。本発明は連鋳か
ら製品まで単ストランドで連続的に処理することを原則
としているので必要に応じこのスリット圧延法を適用し
たのが図8で図中17は分割ロールであってこのような
組合せによって本発明の効果がうまく発揮される。
【0034】
【実施例】本発明を種々の熱間圧延鋼材の製造に適用す
る場合の連続鋳造設備の基本仕様を表1にまとめる。表
中の鋳造能率と中実鋳片寸法に基ずけば、当業者であれ
ば容易且、合理的に後続の圧延設備を設計することがで
きる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、湾曲型連鋳において鋳
片を未凝固部を残した状態で上方に引抜いて空芯鋳片と
なし、それを圧接圧延して中実鋳片として引抜くにさい
して凝固殻厚を適切に設定し、且つ鋳込温度を適切に設
定するので、或いはその後直ちに圧延工程に送る一貫連
続方式を採用することにより、次の様な多くの効果を得
ることができる。鋳造能率が飛躍的に向上するので、連
鋳と圧延の直結が可能となり設備費,操業費が大幅に削
減される。偏析現象が全く発生せず且内部は均質な柱状
晶のみからなるのでこれは高級鋼分野には極めて有利で
ある。その1効果として熱間鍛錬比を小さくできる。こ
れは設備費の大幅削減やコスト低減となる。同様に1方
向凝固鋼塊法やESR法などの特殊鋳造法にかわって均
質な鋼片を連鋳で低コスト,高生産性で製造することが
できる。低級量産普通鋼に適用した場合、偏析がないの
で不純物管理を規格内で緩和することができる。これは
鉄スクラップ・コストや精錬コストの低減をもたらす。
スラブに適用すると、従来のスラブ連鋳に比べ表面品質
は同等で内部品質は大幅に改善されるうえに容易に薄ス
ラブができる。しかも設定条件により極めて薄いスラブ
も可能となる。これは新規の鋼板用ニア・ネット・シェ
イプ・プロセスとなる。大型の形鋼に適用すると、薄
肉,高品質のビーム・ブランクが容易に製造できる。線
材に適用すると超重量線材コイルが容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用する連続鋳造・連続圧延設備を
例示する概略側面図である。
【図2】 本発明の核心をなす空芯鋳片圧下の模試図で
ある。
【図3】 柱状晶長さに及ぼす鋳込温度の影響を示す例
である。
【図4】 空芯鋳片の圧下によるビーム・ブランク製造
の例を示す。
【図5】 ガス充満の空芯鋳片の製造を示す例である。
【図6】 ロータリーキャスト法に本発明を適用した例
を示す。
【図7】 ガス充満の空芯を形成させる方法を示す。
【図8】 本発明で使用する連続鋳造と圧延の直結を示
す例である。
【符号の説明】 1:レードル 2:タンディッシュ 3:鋳型
4:電磁攪拌装置 5:浸潰ノズル 6:鋳片 7:2次冷却装置
8:圧接ロール 9:ガイド・ロール 10:ピンチ・ロール 1
1:ダミー・バー 12:中実鋳片 13:シャー 14:均熱炉 15:タンデム式粗圧延列 日6:中間圧延列 1
7:分割ロール 18:仕上圧延列 19:捲取機 20:集束機
21:回転鋳型 22:空芯鋳片 23:長方形の溝 24:エンド
レス・ベルト 25:ベルト・ガイド 26:テーパーブロック
27:ガス吹出ノズル 31:I型ビーム・ブランク 32:孔型ロール 33:H型ビーム・ブランク 34:ユニバーサル・
ロール Q:特定点 Lq:液芯 Me:溶鋼 Cv:真
空空芯 S:空芯部 L:鋳込面レベル Cg:ガス充満空芯 m:ガス
空芯側湯面
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B21B 1/46 C B22D 11/12 A (31)優先権主張番号 特願平6−150697 (32)優先日 平6(1994)5月26日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼の連続鋳造において,鋳片内部の液芯
    を鋳片引抜き軌跡の特定点Qでとどめることによって、
    Q点より下流側の鋳片内部に空芯を形成し、該空芯部を
    ロールで圧接することにより、中実鋳片として引抜くに
    際し、鋳片横断面形状を長方形とし、鋳片引抜き軌跡が
    少なくとも鋳型から吐出された直後は湾曲する様な引抜
    きを行う湾曲型連続鋳造を行い、鋳片引抜き軌跡におけ
    る湾曲長さを円周の1/2以上として鋳込面より高い位
    置まで鋳片を引抜くと共に、前記鋳込面よりも大気圧ヘ
    ッドに相当する静溶鋼ヘッド高さ分高い位置を特定点Q
    とし、該Q点における下記式によって求められる凝固殻
    厚比α(=2d/A)を0.25〜0.85とすること
    を特徴とする連続鋳造法。 式中、d:Q点における鋳片凝固殻厚(m) A:鋳型横断面の短幅寸法(m)
  2. 【請求項2】 鋼の連続鋳造において、鋳片内部の液芯
    を鋳片引抜き軌跡の特定点Qでとどめることによって、
    Q点より下流側の鋳片内部に空芯を形成し、該空芯部を
    ロールで圧接することにより、中実鋳片として引抜くに
    際し、鋳込温度を当該鋼種の液相線温度より 20〜60℃高い範囲とすることによって、鋳片外皮
    のチル晶の内側を実質的に柱状晶とするか、または 0〜15℃高い範囲とし、鋳型内溶鋼に電磁攪拌を加
    えることによって、鋳片外皮のチル晶の内側を実質的に
    粒状晶とする連続鋳造法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、鋳片の横断
    面形状が長方形であり、設備の仕様および鋳造条件を下
    記(1)〜(5)に従って設定する連続鋳造法。 Pn=4ρk・Ln[1/α+β/α−1] …………… (1) V=(2k/αA)・Ln ……………………………… (2) R=(Ln−1.4)/π ………………………………… (3) d=k(Ln/V)0.5 ………………………………… (4) A’=2(1−p)・d ……………………………………… (5) 式中、Pn:鋳造能率(kg/min) ρ:鋼材密度(7600kg/m) Ln:機長(鋳込面と特定点Qの間の長さ:m) k:凝固定数0.023〜0.031(m/min
    0.5) R:鋳片引抜軌跡における湾曲部半径(m) V:鋳片引抜速度(m/min) B:鋳型横断面の長輻寸法(m) α:凝固殻厚比 0.25≦α≦0.85 β:矩形比 β=B/A A’:中実鋳片横断面の短幅厚さ(m) p:圧接ロールによる実質圧下率 p=(2d−A’)
    /2d=0.05〜0.40
  4. 【請求項4】 請求項3において、鋳型横断面の短幅寸
    法Aを0.100〜0.300mとし、圧接直前の該鋳
    片凝固厚dを0.025〜0.120mとし、次に鋳片
    横断面の長幅全体を短幅方向に圧接して該中実鋳片横断
    面の短幅厚さA’を0.035〜0.200mとする連
    続鋳造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3において、圧接に当って孔型圧
    延方式もしくはユニバーサル・ミルによる4面同時圧下
    方式によって圧接することにより、中実鋳片の横断面形
    状を異形とする連続鋳造方法。
  6. 【請求項6】 鋼の連続鋳造において、鋳片内部の液芯
    を鋳片引抜き軌跡の特定点Qでとどめることによって、
    Q点より下流側の鋳片内部に空芯を形成し、該空芯部を
    ロールで圧接することにより、中実鋳片として引抜くに
    際し、鋳片引抜き軌跡が少なくとも鋳型から吐出された
    直後は湾曲する様な引抜きを行う湾曲型連続鋳造を行
    い、鋳片引抜き軌跡における湾曲長さを円周の1/4超
    として円弧の最下点を特定点Qとし、Q点より更に高い
    位置へ鋳片を引抜くとともに、鋳片内部の液芯最先端位
    置をQ点の近傍でとどめ、Q点より下流側の鋳片内部に
    不活性ガスを加圧充満させて空芯部を形成せしめ、凝固
    殻厚比αを0.05〜0.5とする連続鋳造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、鋳片の断面形状が長
    方形であり、鋳型横断面の短幅寸法Aを0.100〜
    0.140mとし、Q点における鋳片凝固殻厚dを0.
    010〜0.020mとし、中実鋳片横断面の短幅厚さ
    A’を0.012〜0.030mとするよう該殻厚dを
    (6)式に従って設定し、且つ圧接ロールによる実質圧
    下率pを0.05〜0.4とする連続鋳造方法。 d=k・(πR’/2V)0.5……………… (6) R’:鋳片引抜軌跡における湾曲部半径(m)
  8. 【請求項8】 請求項7において、垂直面内で回転する
    水冷車輪の外周に沿って作られた長方形の溝で鋳型3面
    を形成し、エンドレス・ベルトを該溝の凝固進行区間を
    閉じるように密着させて残り1面を形成した鋳型を、鋳
    片引抜きと同期させて駆動させるように構成した連続鋳
    造方法。
  9. 【請求項9】 請求項3または6において、赤熱状態の
    中実鋳片を1)一旦切断して鋼片として、もしくは2)
    そのまま連続鋳片として、a)均熱炉を経由して均熱し
    た後、もしくはb)均熱炉を経由せず直接単ストランド
    の圧延ラインに供給して鋼板,形鋼,平鋼,棒鋼,線材
    などに圧延する連続鋳造・圧延方法。
  10. 【請求項10】 請求項9において、線材を製造するこ
    ととし、該線材コイルの単重を3〜20トンとする連続
    鋳造・圧延方法。
  11. 【請求項11】 請求項10において、粗圧延と仕上圧
    延の間で、圧延材を圧延方向に2条以上に切断してそれ
    ぞれ別のもしくは同一の仕上圧延ラインに供給して製品
    圧延を行う連続鋳造・圧延方法。
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